JP4957219B2 - 回転霧化式塗装装置の霧化頭 - Google Patents

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Description

本発明は、回転霧化式塗装装置の霧化頭(ベルカップとも言う。)に関し、特に周速度がマッハ0.5以上の高速回転においてもエアーの巻き込みが防止され、均一な微粒化が達成できる霧化頭に関する。
自動車塗装などで使用されている回転霧化式静電塗装装置は、高速で回転する霧化頭内面に塗料液体を供給し、遠心力を利用して塗料液体を霧化頭の端部にて霧状に微粒化し、霧化頭の背面から供給されるシェーピングエアーによって微粒化された塗粒を被塗物方向に搬送するとともに、高電圧に印加した静電気で塗料粒子を被塗物に付着させる。このような霧化頭は種々の断面形状が実用化されているが、一方でその端部に多数の溝を設けることも提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
この種の溝列は、塗料粘度の高い中塗りやクリア塗料において膜状に放出された塗料が微粒子に***する際のエアーの巻き込みを防止することが主目的とされている。その構造および作用は上記特許文献1に詳しいが、主として霧化頭の背面から供給されるシェーピングエアーによってエアーを巻き込んだ中空状の塗料粒子が発生することを抑制することに主眼がおかれていた。すなわち、溝列を有しない霧化頭を比較的低い回転数で使用すると、霧化頭から塗料液が膜状に放出されるためにエアーの巻き込みが発生しやすくなるが、多数の溝列によって塗料は液糸状に放出されるので液糸状の塗料から微粒子に***する場合にはエアーの巻き込みが防止されるというものである。
こうした溝列はエアーの巻き込み防止に効果はあるものの、微粒化される塗料粒子の均一性を保障するものではなかった。そこで本発明者らは、塗料粒子の均一性を向上させる目的で、塗料拡散面での塗料液膜流れに注目し、回転霧化頭の塗料拡散面に凸面形状を設けることや拡散面に多数の溝列を設けることを提案し(特許文献3)、これにより、従来の霧化頭よりも均一な微粒化が可能になることを見出した。これはそれ以前に実用化されていた凹面状の形状を有する霧化頭に比べ、微粒化性能が顕著に改善されたが、エアーの巻き込み防止機能に関しては内面端部に溝列を形成することが依然として有効であった。
ところが近年になって、自動車用塗装に採用され始めた水系塗料に対しては、均一な微粒化やエアーの巻き込み防止機能に関して、幾つかの問題点があることが判明した。
すなわち、水系ベース塗料の塗料粘度は有機溶剤系クリア塗料や有機溶剤系中塗り塗料よりも高いので、当然ながらエアーの巻き込み効果が抑制されると期待された。しかしながら、従来よりもはるかに高速で回転する回転霧化式塗装装置においては、内面端部に溝列を有しない霧化頭が採用されているのが実状である。これは、内面端部の溝列はエアーの巻き込み防止機能が有効でないばかりか、溝列があることによって霧化頭の洗浄性が悪化するという問題があるためである。
ここで、高速回転か否かは、霧化頭の「周長さ」と「毎秒の回転数」の積である「周速度」が概ねマッハ0.5(=170m/s)を境界として判別することができる。すなわち、従来の回転霧化塗装機の周速度は速くてもマッハ0.4程度であり(直径が50mmの霧化頭であれば52000rpm程度)、この速度域までは内面端部に溝列を設けることが有効と考えられる。
これに対して、マッハ0.5以上の高速回転域では、内面端部に溝列を設けなくてもエアーの巻き込みがほとんど発生しない。これは、塗料が霧化頭の端部から液膜状ではなく、液糸状に放出されているからと推察されるが、その理由については、はっきりとは解明されていない。
内面端部に溝列を有しない霧化頭の欠点として、マッハ0.4程度以下の低速回転では、微粒化が極端に悪化してエアーの巻き込みなども発生すること、および得られる微粒子の粒径分布が比較的広く、これを改善するには回転数を高くするしかないなどの問題点がある。
すなわち、高速回転で生成する微粒子には細かい成分が多く、シェーピングエアーを強くすると塗着効率が低下するという欠点がある。これは従来の有機溶剤系塗料と同様の傾向である。このため、高速回転で微粒化する場合には、一般的にシェーピングエアーを弱くして使用する場合が多く、パターン幅が広くなる傾向にあり、これが塗装方法の制約になるという欠点もある。
特公昭55−41825号公報 特公平4−37743号公報 特開平10−52658号公報
本発明が解決しようとする課題は、周速度がマッハ0.5以上の高速回転においても、内面端部の溝列を有効に活用することができ、均一な微粒化を達成し得る霧化頭を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る回転霧化式塗装装置の霧化頭は、回転霧化式塗装装置に用いられ、霧化頭内面の塗料拡散面の端部に複数の溝が円周方向に一定ピッチで形成された霧化頭であって、前記回転霧化式塗装装置によりマッハ0.5以上の周速度で回転し、水系ベース塗料を塗装する霧化頭において、前記溝の長さが前記溝のピッチに等しいことを特徴とする。
霧化頭内面の塗料拡散面の端部に形成する溝の長さを溝のピッチ以下にすることで、溝の抵抗成分が減少し、溝によって塗料液膜の流れが阻害されることがなくなり、その結果、エアーの巻き込みを防止するとともに均一な微粒化を達成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の第1実施形態に係る霧化頭が適用される回転霧化式塗装装置10の先端部の構造を示す断面図、図2は、本発明の第1実施形態に係る霧化頭13を拡大して示す半断面図、図3は本発明の第1実施形態に係る霧化頭13の内周端部をさらに拡大して示す半断面図である。
図1を参照して回転霧化式静電塗装装置の一例を説明すると、同図に示す回転霧化式の静電塗装装置10は、ハウジング11内に設けられた図示しないエアーモータによって回転される中空シャフト12と、中空シャフト12の先端側にねじ締結されて回転駆動されるとともに塗料を噴霧する霧化頭(ベルカップ)13と、中空シャフト12の中心孔12a内の回転中心上に配置され塗料を霧化頭13に供給する非回転のフィードチューブ14と、を有する。なお、ハウジング11の外周は、電気絶縁性材料から形成されたハウジング16によって覆われている。
静電塗装装置10は、図示しない高圧電源からの印加によって帯電した塗料粒子を、被塗物との間に形成された静電界に沿って飛行させて当該被塗物に塗着させる。高圧印加は、高圧電源をハウジング内に設けて霧化頭に印加する内部印加型、または高圧電源を霧化頭の周囲に設けて霧化頭から飛び出した塗粒に印加する外部印加型の何れも採用することができる。
さらに、霧化頭13の背面側からシェーピングエアーと称される空気流をエアー吐出口17から吐出し、霧化頭13で微粒化された塗料粒子を、霧化頭13の前方に位置する被塗物に向かう方向に偏向させる。塗料粒子は、シェーピングエアーによっても、被塗物にまで達するのに必要な運動量が付与される。符号18は、エアー吐出口17から吐出されたシェーピングエアーを霧化頭13に向けてガイドするエアガイドを示している。このエアー吐出口17は、第1エアーリング41と、第2エアーリング42との間に環状に形成され、エアガイド18は、第1エアーリング41の外周面により形成されている。第1エアーリング41は、ハウジング16の先端部に取り付けられている。ハウジング11とハウジング16との間には環状のエアー通路が形成され、第1エアーリング41には、エアー吐出口17とエアー通路とを連通するエアー導入孔43が形成されている。そして、図示しないエアー配管を介してエアー通路に供給されたエアーは、エアー導入孔43を通り、エアー吐出口17からシェーピングエアーとして噴出される。
フィードチューブ14は、内管20と、当該内管20が挿通される外管21とを備える二重配管から構成され、内管20には塗料が供給され、外管21には自動洗浄用シンナー(有機溶剤系塗料の場合)または自動洗浄用水(水系塗料の場合)が供給される。フィードチューブ14の先端は、中空シャフト12の先端から露出し、霧化頭13の内部に向けて延在している。フィードチューブ14の基端側には塗料弁が設けられ、この塗料弁は塗料パイプを介して塗料タンク(いずれも図示せず)に連通している。
霧化頭13は、略カップ形状をなし、金属などの導電性材料から形成され、カップ状の外面30と、内面の塗料拡散面31と、内面の先端に位置する塗料が放出される端部32とを有する。霧化頭13には、ベルハブ部33により塗料流入室34が区画形成され、この塗料流入室34に、フィードチューブ14の先端開口が連通している。ベルハブ部33には、中央部に位置する中央開口35と、周縁部に位置する複数の塗料出口孔36とが形成されて、複数の塗料出口孔36は、所定の間隔で円周状に配置されている。霧化頭13は、塗装時において、例えば周速度マッハ0.5以上の超高速で回転する。
特に、本実施形態の霧化頭13の内面の端部32には、塗料拡散面31に沿って液膜状に広がった塗料を微粒化するための、微細な溝37が形成されている。この溝37を図3に拡大して示す。
本例の溝37は霧化頭13の内面31と端部32との境界に形成され、一定のピッチPで端部32の円周方向に並んで形成されている。そして、溝37の霧化頭13の半径方向に沿う長さLが、隣り合う溝37とのピッチPと等しいか、それより短く形成されている(すなわち、L≦P)。
絶対的な溝37の長さLとしては、直径が30〜50mmの霧化頭において、0.3mm以下、好ましくは0.1〜0.2mmである。また、溝37のピッチPは、溝37の長さL以上であるとの条件(L≦P)を満たしたうえで、0.05mm〜0.3mmであることが好ましい。溝37の長さLが0.1mmよりも短いと溝37を加工形成する時間が長くなりコスト高になることに加え、溝37の長さLが短いと必然的に溝の深さが浅くなるので、溝37による作用効果が期待できないからである。逆に、溝37の長さLが0.3mmより長いと、上述した従来例の問題点を解消することができない。
なお、本例のように溝37の長さLを溝37のピッチPより短くすると、従来ホイールカッターなどによる機械研削加工によらずとも、ローレット加工などで溝337を形成することが可能となるので加工時間を短縮でき、コスト低減を図ることもできる。
次に、作用を説明する。
エアーモータによって中空シャフト12および霧化頭13を高速回転させる。塗料は、フィードチューブ14を通って塗料流入室34に案内され、中央開口35および塗料出口孔36から霧化頭13の前面に供給される。霧化頭13の前面に供給された塗料は、霧化頭13の回転による遠心力により、塗料拡散面31に沿って薄く引伸ばされ、複数の溝37を通過したのち端部32から霧状に微粒化されて放出される。
放出される塗料粒子は、遠心力によって径方向外方に飛び出そうとする。しかし、エアー吐出口17から噴出されるシェーピングエアーによって、放出された塗料粒子は、前方に向けて絞り込まれるように所望のパターンにコントロールないし整形され、被塗物に向けて運ばれる。
同時に、塗料粒子は帯電しているので、アースに接続された被塗物に向けて飛行し、クーロン力によって効率よく被塗物の表面に付着する。
ここで、本例の溝37の作用効果について考察する。
上記特許文献1の第2図に示されるように、従来の霧化頭の内面端部に形成された溝の長さは、溝ピッチの2倍以上の長さを有することが一般的であり、本発明者らも比較的低回転で塗装される有機溶剤系塗料について、溝ピッチの5倍から10倍の長さの溝を内面端部に形成することにより安定した微粒化性能が得られることは確認している。
しかしながら、水系ベース塗料に対して、たとえば周速度がマッハ0.5以上の超高速回転型の霧化頭を適用する場合には、これらの溝列はほとんど機能せず、溝列を形成しない場合と同程度か、むしろ若干微粒化性能が悪化するという問題点があった。本発明者らはこれを詳しく検討した結果、溝の形成されている方向と塗料液膜の流れ方向に大きな角度差があることが原因であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、従来の溝は回転軸中心から放射状の方向に直線状の溝が加工されることが一般的である。しかしながら、高速で回転する霧化頭の塗料拡散面上の塗料は、回転方向の後方側に大きくすべる傾向があり、塗料・液膜の流れる方向は霧化頭の端部に対して90°未満の角度となる。このような傾向は比較的低回転で塗装される有機溶剤系塗料でも見られたが、通常その角度差は5°以内であり、ほとんど問題にならなかった。
ところが、超高速回転型の霧化頭では塗料の液膜流れ方向と溝の延在方向に大きな角度差が発生し、溝が塗料の流れを阻害することが判明した。すなわち、塗料拡散面31上を流れてきた塗料液は各溝37に分配されたのち、溝37の中にいったん蓄積されるように挙動し、この蓄積された塗料が不定期に霧化頭の端部32から放出されることになるため、溝37によってかえって安定した塗料流れが形成されなくなる。
本発明では、塗料拡散面31で薄く広げられた塗料液膜流れの方向が、霧化頭13が超高速で回転しているために回転方向とは反対側に大きく傾いた流れを形成することに着目し、しかもこの角度は塗料の吐出量や選択した回転数の大きさによって変化するために、通常の長さの溝37では対応できる特定の吐出量や特定の回転数のみでしか機能しないのに対し、溝37の長さLを溝37のピッチPより短くすることによって、逆により広い範囲で溝37が有効に機能することを見出したものである。
本発明においては溝37の長さLが結果的に短くなるため、塗料を溝37の中に蓄積する機能が弱く、溝列の開始部(霧化頭13の中心側)に供給された塗料はほぼ直ちに霧化頭13の端部32から放出されることになる。すなわち、溝37の抵抗成分が減少し、円滑に溝37を流れることになる。
したがって、霧化頭13が周速度マッハ0.5以上の超高速で回転する場合においても、溝37によって塗料液膜の流れが阻害されることがなくなり、その結果、エアーの巻き込みが防止されるとともに、均一な微粒化(微粒化分布幅が小さくなる)を達成することができる。
図6は、霧化頭13を周速度がマッハ0.3〜0.8になるように回転させたときの塗粒の平均粒径を測定したもので、直径が40mmの霧化頭13の内面端部32に長さLが0.2mmの溝37を0.2mmピッチで形成した実施例1に係る霧化頭と、同じく直径が40mmの霧化頭13の内面端部32に長さLが2mmの溝37を0.3mmピッチで形成した比較例1と、同じく直径が40mmの霧化頭13の内面端部32に溝37を形成しない比較例2との結果をそれぞれ示す。
同図の結果のうち比較例1及び比較例2によれば、周速度がマッハ0.5以上の超高速回転域においては、内面端部32に溝37があってもなくても微粒化の程度に有意差はない。しかしながら、本発明に係る実施例1によれば、この超高速回転域において微粒化が促進されていることが理解される。
《第2実施形態》
図4は本発明の第2実施形態に係る霧化頭の端部を拡大して示す半断面図である。
上述した第1実施形態では、霧化頭13の内面端部32に形成した溝37の延在方向を霧化頭13の半径方向と一致させた(図4のα=0°)が、本例では、図4に示すように、霧化頭13の中心から半径方向の直線に対する溝37の傾斜角αが、回転方向の後側に向かって5°〜35°、さらに好ましくは20°±5°とされている。回転方向の後側に向かう傾斜とは、たとえば霧化頭13が左回転する場合には、霧化頭13の内面31に対面した状態で、溝37の先端側を右、基端側を左に傾ける状態を言う。傾斜角αが5°より小さいと傾斜による効果が期待できず、逆に傾斜角αが35°より大きいと形成できる溝37の本数が必然的に少なくなり、あるいは溝37のピッチPが短くなるといった欠点がある。
このように溝37を回転方向の後側に向かって傾斜させることで、塗料拡散面31で薄く広げられた塗料液膜流れの方向とより一致することになるので、溝37によって塗料液膜の流れがより阻害されることがなくなり、その結果、エアーの巻き込みが防止されるとともに、均一な微粒化(微粒化分布幅が小さくなる)を達成することができる。
《第3実施形態》
図5は本発明の第3実施形態に係る霧化頭を拡大して示す半断面図である。
上述した第1および第2実施形態に係る霧化頭13は、その内面である塗料拡散面31が凹状曲面であり、また内面端部32には上述したように複数の溝37が形成されているものの、塗料拡散面31は平滑面であるのに対し、本例の霧化頭13では、その塗料拡散面31が霧化頭13の回転軸に向かって凸状とされている。換言すれば、霧化頭13の回転軸に対する断面接線の傾きが、霧化頭13の中心部側より外縁部側の方が大きくされている。
こうした凸状の塗料拡散面31上では、塗料が第1および第2実施形態に係る霧化頭13とは異なる挙動をし、塗料拡散面31での塗料の液膜厚さが均一に薄くなるものと考えられ、後述する第2の溝38の作用に加え、面形状によっても塗料の微細化効果を促進することができる。
すなわち、霧化頭13の中心部に位置する塗料出口孔36から供給された塗料は、霧化頭13が高速回転することによって生じる遠心力によって外方へと向い塗料拡散面31へと到達するが、塗料拡散面31の開始部分(すなわち回転軸側末端部分)は、霧化頭13の回転軸となす角度が小さいため、遠心力の大部分は供給された塗料液の液面を周方向に広げるように働く。一方、わずかに半径方向への分力があるために霧化頭13の半径方向外方(外縁部方向)へも押し出される。この時点で塗料液面が周方向にほぼ均一化され、塗料出口孔36の工作精度を極端に高くしなくとも塗料供給液量を周方向全体にわたり均一化する効果が得られる。次いで、塗料液は、変曲部において後述する第2の溝38によって***され、遠心力によってより端部32側に運ばれるが、これより端部32側では塗料拡散面31の回転軸に対する傾きが中心部側の傾きよりも大きいために、多数の糸状に供給された塗料は、急激に引き延ばされ、端部32に近づくにしたがって塗料液の膜厚が薄くなる。このため同等の回転数では、本例に係る霧化頭13の方が第1および第2実施形態に係る霧化頭13に比べ微細化能力がより高いという効果が得られる。
塗料拡散面31の凸状とされた頂部域には、霧化頭13の半径方向に中心線を有する複数の第2の溝38が円周方向に一定ピッチで形成されている。第2の溝38の本数としては、霧化頭13の内面上に塗料を供給する塗料出口孔36の個数のよりも多いことが、より効果的に塗料流を***させる上で望まれる。すなわち、当該第2の溝38の配置位置によっても左右されるため一概には規定できないが、例えば塗料出口孔36の個数の2〜50倍、より好ましくは5〜10倍程度である。
また、第2の溝38の延在方向の長さとしては、少なくとも1mm程度以上あればよく、それ以上の長さであれば長くなるほど塗料の微粒化という観点からはより優れた効果が期待できるが、溝38が極端に長いものとなるとその形成加工が困難となるといった問題や、塗料中に含まれる顔料、金属片といったビヒクル成分が溝38内に詰まるといった不具合が発生しやすくなる傾向が生じる。このため、通常は、1〜5mm程度、より好ましくは1.5〜3mm以内とされる。
また、第2の溝38の幅は、当該溝列の配置位置にもよるが、通常は、塗料出口孔36の開口径と同等ないしこれよりも狭いものとされることが望ましく、例えば、塗料出口孔36の開口径の1/2〜1/20倍、より好ましくは1/3〜1/5倍程度である。さらに具体的には、溝幅は例えば0.5〜0.05mm、より好ましくは0.3〜0.2mm程度とされる。
また、第2の溝38の深さは、特に限定されるものではないが、例えば0.05〜3mm、より好ましくは0.1〜0.2mm程度が通常は望ましい。
以上のように構成された本例の霧化頭13によれば、内面端部32に形成された溝37は上述した第1および第2実施形態と同様の作用効果を奏するが、これに加え塗料拡散面31を凸状に形成するとともにここに第2の溝38を設けることで、より塗粒の微粒化を促進することができる。
ちなみに、本例において内面端部に形成する溝37は図3に示す形態および図4に示す形態の何れをも採用することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本発明の実施形態に係る霧化頭が適用される回転霧化式塗装装置の先端部の構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る霧化頭を拡大して示す半断面図である。 本発明の第1実施形態に係る霧化頭の内周端部をさらに拡大して示す半断面図である。 本発明の第2実施形態に係る霧化頭の端部を拡大して示す半断面図である。 本発明の第3実施形態に係る霧化頭を拡大して示す半断面図である。 霧化頭を周速度がマッハ0.3〜0.8になるように回転させたときの周速度と塗粒の平均粒径との関係を示すグラフである。
符号の説明
13…霧化頭
31…塗料拡散面
32…端部
37…溝
L…溝の長さ
P…溝のピッチ
α…溝の傾斜角
38…第2の溝

Claims (5)

  1. 回転霧化式塗装装置に用いられ、霧化頭内面の塗料拡散面の端部に複数の溝が円周方向に一定ピッチで形成された霧化頭であって、前記回転霧化式塗装装置によりマッハ0.5以上の周速度で回転し、水系ベース塗料を塗装する霧化頭において、
    前記溝の長さが前記溝のピッチに等しいことを特徴とする霧化頭。
  2. 前記溝の長さが、0.1mm〜0.3mmであることを特徴とする請求項1記載の霧化頭。
  3. 霧化頭の中心から半径方向の直線に対する前記溝の傾斜角が、回転方向の後側に向かって5°〜35°であることを特徴とする請求項1又は2に記載の霧化頭。
  4. 前記塗料拡散面が霧化頭の回転軸に向かって凸状に形成され、当該塗料拡散面に、霧化頭の半径方向に中心線を有する複数の第2の溝が円周方向に一定ピッチで形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の霧化頭。
  5. 請求項1〜の何れかに記載の霧化頭と、前記霧化頭を回転駆動する手段と、前記霧化頭に塗料を供給する手段と、前記霧化頭に供給された塗料に電圧を印加する手段とを備えたことを特徴とする回転霧化式静電塗装装置。
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