JP4957202B2 - 強感受性骨格筋の選択方法、強感受性骨格筋の選択装置、作業中ストレスの評価方法、および作業中ストレスの評価システム - Google Patents

強感受性骨格筋の選択方法、強感受性骨格筋の選択装置、作業中ストレスの評価方法、および作業中ストレスの評価システム Download PDF

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Description

本発明は、人物の複数の骨格筋のうち、この人物の心理状態に対する感受性が強い特定骨格筋を選択する方法および装置、また、この人物の作業中のストレスを評価する方法およびシステムに関する。
一般に、人物が心理的負担を受けている状態、すなわち、人物がストレスを受けて緊張しているような状態(ストレス状態とする)では、不随意で過剰な筋肉の活動である、いわゆる力み・こわばりなどが現れる。ストレス状態において、力み・こわばりとして現れる筋活動を、ストレス性筋活動とよぶ。このストレス性筋活動を扱った技術として、例えば、下記特許文献1などが挙げられる。下記特許文献1では、ある作業を行なう場合に、作業に直接関係のない筋肉を選定して、選定したこれらの筋について筋活動情報を取得し、これらの筋の筋活動に現れる、力み・こわばりから、人物のストレスの程度(心理的負担の程度)を評価している。例えば、作業中の人物(作業者)がストレスを感じることで行なう噛み締め動作について、噛み締めに係る筋活動の大きさの程度を表す筋活動情報を取得し、この筋活動情報に基づいて、作業者の緊張状態を評価している。ストレス性筋活動を用いることで、一般的なストレス指標(例えば、心拍間隔、発汗、尿中成分、唾液中成分、血液成分などの分析によって得られるもの)に比べて、高時間分解能での緊張状態の評価が可能となる。
特開2005−87486号公報
従来、人物の複数の筋肉のうち、人物のストレスを評価するためにストレス性筋活動を計測する被験筋としては、咬筋のように、経験的にストレス性筋活動が起き易いとされる筋を選択することがほとんどであった。しかし、ストレス状態において活動する筋肉は、人物毎に異なっている。例えば、ストレス状態において、歯を噛み締めるのみで顔は殆どしかめない者もいる。一方、ストレス状態において、顔をしかめるのみで歯は殆ど噛み締めない者もいる。後者の人物については、咬筋の筋活動情報では、人物のストレスの程度を精度良く定量的に評価できない。このように、ストレス性筋活動は体の様々な部分で起きているが、ストレス状態において何れの筋がより活動するかは、各人物毎に様々である。このため、各被験者毎に、ストレスの程度を評価するために好適な被験筋を選択することが望まれるが、そのような手法は現在提案されていない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、筋活動による作業中ストレスの評価に適した筋を各人物毎に選別し、各人物毎にストレス状態を高い精度で定量的に評価することを可能とする方法および装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、人物の複数の骨格筋のうち、前記人物の心理状態に対する感受性が強い特定骨格筋を選択する方法であって、前記人物に対して、前記人物を不快状態とする刺激を少なくとも与えるステップと、前記人物に刺激を与えている最中の、前記人物の前記複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得するステップと、前記刺激によって前記人物が前記不快状態となっている際の、前記人物の複数の骨格筋それぞれの前記筋活動情報に基づき、前記特定骨格筋を選択するステップと、を有することを特徴とする強感受性骨格筋の選択方法を提供する。
なお、前記特定骨格筋を選択するステップに先がけて、前記人物が安静状態にある場合の、前記人物の複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得するステップを有し、前記選択するステップでは、前記人物の複数の骨格筋のうち、前記安静状態における前記筋活動情報に対する、前記刺激によって前記人物が前記不快状態となっている際の前記筋活動情報の増加量が比較的大きい筋を、前記特定骨格筋として選択することが好ましい。
また、前記人物に刺激を与えるステップでは、前記人物を不快状態とする刺激と、前記人物を快状態とする刺激と、を少なくとも含む複数の刺激を順次与え、前記選択するステップでは、前記安静状態における前記筋活動情報に対する、前記不快状態となっている際の前記筋活動情報の増加量が比較的大きいとともに、かつ、前記安静状態における前記筋活動情報に対する、前記快状態となっている際の前記筋活動情報の増加量が比較的小さい筋を、前記特定骨格筋として選択することが好ましい。
また、前記人物に刺激を与えるステップでは、前記人物に対して、複数の異なる刺激を順次与え、前記筋活動情報を取得するステップでは、前記人物に各刺激を与えている最中それぞれについて、前記人物の前記複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得するとともに、前記人物の状態を表す前記人物の主観評価情報を取得し、前記選択するステップでは、前記人物の主観評価情報に基づいて、各主観評価情報が取得された際の前記人物の状態を特定することで、各主観評価情報に対応する各筋活動情報が取得された際の前記人物の状態を特定することが好ましい。
また、前記人物の複数の骨格筋は、いずれも、前記人物が行なう作業に直接作用しない筋であることが好ましい。また、前記人物の複数の骨格筋は、前記人物の顔面の咀嚼筋または表情筋の、少なくともいずれか一方であることが好ましい。
本発明は、また、前記人物の作業中のストレスを評価する方法であって、上記強感受性骨格筋の選択方法によって選択された前記人物の前記特定骨格筋の、前記人物の前記作業中における筋活動情報を取得し、取得した前記特定骨格筋の前記筋活動情報に基づき、前記作業中に前記人物にかかるストレスの大きさを評価することを特徴とする作業中ストレスの評価方法を、併せて提供する。
本発明は、また、人物の複数の骨格筋のうち、前記人物の心理状態に対する感受性が強い特定骨格筋を選択する装置であって、前記人物の異なる複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得する手段と、前記人物に対して、前記人物を不快状態とする刺激を少なくとも与える手段と、前記人物の異なる複数の状態それぞれにおける前記筋活動情報を受け取り前記刺激によって前記人物が前記不快状態となっている際の、前記人物の複数の骨格筋それぞれの前記筋活動情報に基づき、前記特定骨格筋を選択する手段と、を有することを特徴とする強感受性骨格筋の選択装置も、併せて提供する。
なお、前記選択する手段は、前記人物が安静状態にある場合の、前記人物の異なる複数の骨格筋それぞれの筋活動情報も併せて受け取り、前記人物の複数の骨格筋のうち、前記安静状態における前記筋活動情報に対する、前記刺激によって前記人物が前記不快状態となっている際の前記筋活動情報の増加量が比較的大きい筋を、前記特定骨格筋として選択することが好ましい。
本発明は、また、上述した強感受性骨格筋の選択装置を含んで構成された、前記人物の作業中のストレスを評価するシステムであって、上述した強感受性骨格筋の選択装置によって選択された前記人物の前記特定骨格筋の、前記人物の前記作業中における筋活動情報を取得する手段と、取得した前記特定骨格筋の筋活動情報に基づき、前記作業中に前記人物にかかるストレスの大きさを評価する手段と、を有することを特徴とする作業中ストレスの評価システムも、併せて提供する。
本発明によれば、筋活動による作業中ストレスの評価に適した筋を各人物毎に選別し、各人物毎に、作業中のストレスを高い精度で定量的に評価することができる。これにより、作業中に作業者にかかるストレスの大きさを、比較的高い精度で定量的に評価することができる。例えば、車両を運転中の運転者が受けるストレスを、高い精度で定量的に評価することができる。例えば、特定の車両にそれぞれ異なる複数のタイヤを装着した各場合について、特定運転者が長時間の連続運転を行なった際の、この特定運転者の受けるストレスを、高い精度で定量的に評価することができ、運転者にとって、どのタイヤがどの程度疲れ難いかなど、高い精度で定量的に知ることができる。このような情報を用いれば、運転者にとってストレスが小さい、すなわち疲れ難いタイヤを効率的に開発することができる。本発明を用いれば、タイヤに限らず、車両、車両制御系、環境(道路設計、路面、天候)など様々な条件について、運転者のストレスとの関係を詳細に把握することも可能である。
以下、本発明の強感受性骨格筋の選択方法および装置、作業中ストレスの評価方法およびシステムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の作業中ストレスの評価システムの第1の実施形態である、評価システム10について説明する概略構成図である。評価システム10は、車両を運転する人物11の運転操作、例えば、ステアリングホイール15を駆動させて図示しない車両を操舵する操舵作業にともなう、人物11のストレスを評価するためのシステムである。評価システム10は、本発明の強感受性骨格筋の選択装置の一例である選択装置12と、選択装置12で選択した特定骨格筋の筋電情報に基づいて、操舵作業中に人物11にかかるストレスの大きさを評価するストレス評価装置14とを備える。
本実施形態の評価システム10は、図1に示すように、選択装置12とストレス評価装置14とが一体化されている。それぞれの装置の各部は、制御部16に制御されて機能する。評価システム10は、メモリ18に記憶されたソフトウェアを図示しないCPUが実行することで各部が機能する、公知のコンピュータであってもよく、回路によって各部が構成された専用装置であってもよい。本実施形態では、評価システム10は、人物11が運転する図示しない車両に配置されている。なお、本発明の作業中ストレスの評価システムでは、強感受性骨格筋の選択装置と、ストレスの大きさを評価するストレス評価装置とは、それぞれ別々のユニットとして構成されていてもよい。また、強感受性骨格筋の選択装置については車両に配置していなくともよく、例えば隔離された室内など、車両以外の場所で、人物11の後述する特定骨格筋を選択することも、また好ましい。
選択装置12は、人物11の複数の骨格筋のうち、人物11の心理状態に対する感受性が強い特定骨格筋を選択する。選択装置12は、人物11を不快とする刺激や、人物11を快とする刺激を与えるための運転者刺激機構20と、人物11の安静状態や不快状態や快状態など、人物11の複数の状態それぞれについて、人物11の異なる複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得する筋活動情報取得機構25と、複数の骨格筋それぞれの筋活動情報に基づいて、人物11の特定骨格筋を選択する特定骨格筋選択部29と、を備えている。
運転者刺激機構20は、刺激制御部22と刺激授与部24とを備えて構成されている。刺激授与部24は、人物11に対して刺激を与える部分である。人物11に対して与える刺激としては、痛覚への刺激(痛み刺激)や、嗅覚への刺激(臭気刺激)や、聴覚への刺激(音刺激)などが例示される。人物11に痛み刺激を与える場合など、刺激授与部24は、例えば公知の指圧器などであればよい。人物11に臭気刺激を与える場合など、刺激授与部24は、例えば芳香発生器などであればよい。人物11に聴覚刺激を与える場合など、刺激授与部24は、例えば音声発生器などであればよい。刺激授与部24が人物11に与える刺激の種類(芳香の種類や、音の種類、刺激の種類など)や大きさは、刺激制御部22によって制御される。刺激制御部22は、例えばメモリ18に予め記憶・設定されている刺激条件に応じた刺激が人物11に授与されるよう、刺激授与部24の動作を制御して、人物11に対して刺激条件に応じた刺激を授与する。このような刺激条件は、キーボードやマウスなどの図示しない入力手段によって、予め入力・設定されていればよい。刺激授与部24が授与する刺激によって、人物11は、安静状態や快状態、および不快状態など、それぞれ異なる複数の状態に設定される。この第1の実施形態は、例えば、人物11を快状態とする際は芳香を出し、人物11を不快状態とする際は明らかな悪臭を出すなど、刺激授与部24が授与する刺激によって、人物11の状態を明確に規定できる場合などにおいて、好適に実施される。
筋活動情報取得機構25は、人物11の安静状態や快状態、および不快状態など、人物11の複数の状態それぞれについて、人物11の異なる複数の骨格筋それぞれの筋活動情報、例えば筋電強度の情報などを取得する。筋活動情報取得機構25は、筋電検出センサユニット30、筋電情報取得部26、およびデータ処理部28を備えて構成されている。
筋電検出センサユニット30は、人物11に取り付けられているセンサユニットであり、人物11が行なう運転作業に直接作用しない骨格筋の筋電位を検出する。筋電検出センサユニット30は、人物11の顔面の咀嚼筋および表情筋に取り付けられている。図2は、検出センサユニット30の、人物11に対する取り付け位置について説明する概略側面図である。検出センサユニット30は、検出センサ対32、34、および36と、接地電極38と、を有して構成される。検出センサ対32(32aおよび32b)は、人物11の咬筋の位置に取り付けられ、この咬筋の筋電位を検出する。検出センサ対34(34aおよび34b)は、人物11の大頬骨筋の位置に取り付けられ、この大頬骨筋の筋電位を検出する。検出センサ対36(36aおよび36b)は、人物11の眉間筋の位置に取り付けられ、この眉間筋の筋電位を検出する。
咬筋は、人物11が行なう車両の操舵作業には、直接作用はしない。しかし、車両の操舵作業を行なう運転者が、強いストレスを感じた場合など、被験者は無意識にストレスによる「噛み締め」を行い、咬筋は強い活動を示す場合がある。また、同様に、大頬骨筋も眉間筋も、人物11が行なう車両の操舵作業には、直接作用はしない。しかし、車両の操舵作業を行なう運転者が、強いストレスを感じた場合など、被験者は無意識にストレスによる「表情の変化」(顔をしかめるなど)が現れ、大頬骨筋や眉間筋は強い活動を示す場合がある。筋電検出センサユニット30は、人物11が安静状態にある場合、刺激授与部24が授与する刺激によって人物11が快状態にある場合、刺激授与部24が授与する刺激によって人物11が不快状態にある場合、の各場合それぞれについて、これら複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得する。
ここで、検出センサ対32〜36を代表して、検出センサ対32について説明しておく。検出センサ対34および36の構成は、検出センサ対32と同様である。検出センサ対32は、人物11の咬筋の筋電位を検出するセンサであって、Ag/AgCL皿型電極である電極32aおよび32bが対になって構成され、この一対の皿型電極が所定の間隔(例えば5mm)離間した状態で、人物11の顔の表面の咬筋の位置に貼り付けられる。なお、検出センサ32〜36の電極は、Ag/AgCLに限定されず、Agやステンレス等の他の材料によって構成されたものであってもよい。ここで、人物11の皮膚表面への電極の貼り付けは、スクラブで擦り、アルコールで汚れをおとして電極糊を用いて行う。その際、電気抵抗は30kΩ(5kΩが望ましい)以下にするまで汚れを落とす。二つの電極は測定する筋の筋腹に、筋繊維に対し平行に装着する。本実施形態では、検出センサ対32〜36は、人物11の顔面の片側の表面に貼り付けられている。
一方、電極38は、人物11の電位を一定に保つために電気的に不活性な位置である人物11の耳たぶに貼り付けられるアース電極であり、検出センサ対32〜36による測定を正確に行うために設けられる。検出センサ対32〜36は、図示しないアンプとリード線によって接続されており、検出センサ対32〜36で検出された筋電位を増幅する公知の作動増幅器である。検出センサ対32〜36にて検出され、増幅された各筋電位のデータそれぞれは、筋電情報取得部26へ送られる。筋電情報取得部26は、選択装置12において機能する際は、検出センサユニット30から送られて受け取った筋電位の情報を、データ処理部28に送る。
データ処理部28は、上記各状態のそれぞれについて取得した、各骨格筋の筋電位の時系列データをそれぞれサンプリングし、全波整流を行った後、平滑化処理を行い、筋電位波形を生成し、この筋電位波形から筋電強度を算出し出力する。ここで、筋電強度とは、例えば、筋電位波形のRMS(root means square)値(実効値)、積分値(IEMG(Integrated Electromyogram))等をいう。また、例えば、咬筋や大頬骨筋について、人物11の左右それぞれの筋電位データを取得した場合など、これら左右それぞれの咬筋の筋電位の時系列データをサンプリングし、左右それぞれの咬筋の時系列データに全波整流を行った後、平滑化処理を行い、左右それぞれの咬筋の滑らかな筋電位波形を生成し、この左右の咬筋の筋電位波形から、所定の時間領域における同時収縮波形を生成し、この同時収縮波形から同時収縮強度を算出してもよい。ここで述べられる同時収縮波形とは、同時刻における左右それぞれの咬筋の筋電位の値の幾何平均の値をとって得られた波形、または同時刻における左右それぞれの咬筋の筋電位の値のうち、小さい方の値を選択して生成される波形のことをいう。なお、測定された筋電位の時系データを整流化して得られた時系列波形を、予め測定されて記録保持されている最大筋電位を用いてそれぞれ規格化して指数(Index)を算出する規格化を行い、この規格化によって得られた規格化筋電位波形を生成し、この規格化筋電位波形を筋電位波形として用いて、ストレス評価を行ってもよい。最大筋電位を用いて筋電位の時系列データの規格化を行うことで、検出センサユニット30を貼り付けるたびに変動する電極の電気抵抗の影響を少なくすることが出来る。電極を複数回貼り付ける場合において、より高精度にストレスを評価する場合、規格化筋電位波形を筋電位波形として用いることが好ましい。
データ処理部28で求められた、各状態、すなわち各刺激が与えられている際の筋電強度の情報は、刺激制御部22から送られる現在の刺激(現在の状態)を表す情報と対応付けられて、メモリ18に記憶される。
特定骨格筋選択部29は、メモリ18に記憶されている、各状態における筋電強度の情報に基づいて、人物11の心理状態に対する感受性が強い、人物11の特定骨格筋を選択する。ストレスがかかったときに活動する筋肉は、人物毎に異なっており、人物が異なれば、例えば、歯を噛み締める程度も異なるし、顔をしかめる程度も異なる。例えば、複数の作業者それぞれが同程度のストレスを感じていたとしても、これら複数の筋肉のうち、どの筋肉がどの程度活動するかは、各人物毎にそれぞれ異なっている。特定骨格筋選択部29は、安静状態における筋電強度に対する不快状態における筋電強度の増加量が比較的大きいとともに、かつ、安静状態における筋電強度に対する快状態における筋電強度の増加量が比較的小さい筋を、人物11の心理状態(特にストレスを受けている不快状態)に対する感受性が強い、特定骨格筋として選択する。例えば、安静状態における筋電強度に対する、不快状態における筋電強度の増加量(差分)が、予め設定された第1の閾値よりも大きく、かつ、安静状態における筋電強度に対する、快状態における筋電強度の増加量(差分)が、予め設定された第2の閾値よりも小さい筋をまず選定する。そして、選定したこれらの筋のうち、安静状態における筋電強度に対する、不快状態における筋電強度の増加量が最も大きい筋を、特定骨格筋として選定する。特定骨格筋選択部29で選択された特定骨格筋の情報は、ストレス評価装置14の筋電情報選択取得部42に送られる。
ストレス評価装置14は、車両を運転する運転者の車両操舵時のストレスを評価する装置である。ストレス評価装置14によって、人物11の車両操舵時のストレスを評価する際、運転者刺激機構20は、人物11に対して刺激を与えない。車両操舵時のストレスを評価する際、人物11は車両の運転操作を開始し、筋電情報取得部26が人物11の上記各部の筋電位の情報を取得し、筋電情報選択取得部に送信する。筋電情報選択取得部42は、人物11の複数の骨格筋それぞれの筋電位情報のなかから、特定骨格筋選択部29で選択された特定骨格筋についての筋電位情報のみを選択して、選択した特定骨格筋の筋電位の情報を、データ処理部44に送る。特定骨格筋選択部29で選択された特定骨格筋は、人物11の心理状態に対する感受性が強い、ストレスがかかって人物11が不快状態となったときのみに、よく活動する筋肉である。筋電情報選択取得部42で選択取得された特定骨格筋の筋電位情報は、人物11が感じるストレスによく対応している情報といえる。
なお、特定骨格筋選択部29は、安静状態における筋電強度に対する不快状態における筋電強度の増加量が比較的大きいことのみを条件として、特定骨格筋を選択しても構わない。この場合、運転者刺激機構20は、人物11を不快とする刺激のみを与えればよい。この場合も、複数の骨格筋のうち、人物11のストレス(人物11の不快状態)に対する感受性が強い特定骨格筋を選択することができる。しかし、不快状態における筋電強度の増加量が比較的大きいことのみを選択の条件とした場合、快状態における筋電強度の増加量が比較的大きい筋も、特定骨格筋として選択される。このような筋は、ストレスがかかって人物11が不快状態となったときに加え、人物11が快状態となった場合にも、よく活動する筋肉である。このような特定骨格筋の筋電位情報は、人物11が感じるストレスに、1対1で対応している情報とはいえない。特定骨格筋選択部29は、安静状態における筋電強度に対する不快状態における筋電強度の増加量が比較的大きいとともに、かつ、安静状態における筋電強度に対する快状態における筋電強度の増加量が比較的小さい筋を、特定骨格筋として選択することが好ましい。
データ処理部44は、選択装置12のデータ処理部28と同様、筋電情報選択取得部42で選択取得された特定骨格筋の筋電位情報を処理して、人物11が車両を操舵している最中の筋電強度を求める。例えば、データ処理部28と同様、選択取得された特定骨格筋の筋電位情報をサンプリングし、全波整流を行った後、平滑化処理を行い、筋電位波形を生成し、この筋電位波形から筋電強度を算出し出力する。筋電強度とは、データ処理部28と同様、筋電位波形のRMS(root means square)値(実効値)、積分値(IEMG(Integrated Electromyogram))等を算出すればよい。
ストレス評価部46は、例えば、求めた筋電強度の値を、人物11の運転操作作業時のストレス度を段階的に区分けするために予め設定された各段階の設定値と比較することによって、運転者11にかかる運転操作作業時のストレスの高低を評価する。このような評価結果は、筋電位波形、筋電強度などとともに、モニタやプリンタからなる出力部48に送られ表示に供される。
このような評価システム10で行われる作業中ストレスの評価方法の第1の実施形態について、具体的に説明する。図3は、評価システム10を用いて行なう、本発明の作業中ストレスの評価方法の第1の実施形態のフローチャート図の一例である。図3に示す、本発明の作業中ストレスの評価方法では、本発明の強感受性骨格筋の選択方法の一例(ステップS102〜S112)によって人物11の特定骨格筋を選択し、選択した特定骨格筋について、人物11の運転操作作業中における筋活動情報(筋電強度)を取得し、取得した特定骨格筋の筋活動情報(筋電強度)に基づき、運転操作作業中に人物11にかかるストレスの大きさを評価する。
まず、本発明の強感受性骨格筋の選択方法の一例である、人物11の特定骨格筋の選択を行なう。まず、特定骨格筋の選択のために、人物11に授与する刺激の条件について設定する(ステップS102)。このような刺激条件は、キーボードやマウスなどの図示しない入力手段をオペレータが操作することで、メモリ18などに記憶・設定される。本実施形態では、人物11に何も刺激を与えずに人物11を安静状態とする条件、人物11を快状態とするための刺激を与える条件、人物11を不快状態とするための刺激を与える条件、の3条件を設定する。本実施形態では、刺激授与部24は芳香発生器であり、例えば、人物11を快状態とするための刺激として、甘い芳香など、一般的な人物ならば誰しも心地よいと感じる芳香を出す条件を設定し、人物11を不快とするための刺激として、一般的な人物ならば誰しも不快を感じるような悪臭を出す条件を設定する。
次に、刺激制御部22が刺激授与部24の動作を制御して人物11に刺激が与えられて、人物11が上述の各状態に設定される(ステップS104)。刺激制御部22は、例えばメモリ18に予め記憶・設定されている刺激条件に応じた刺激が人物11に授与されるよう、刺激授与部24の動作を制御して、人物11に対して刺激条件に応じた刺激を授与する。ここで、人物11を安静状態に設定する際は、当然であるが刺激は一切授与しない。本実施形態では、安静状態、快状態(甘い芳香を出している状態)、不快状態(悪臭を出している状態)、の3つの状態について、順次設定していく。本実施形態では、まず安静状態を設定する。この設定状態では、刺激授与部24からは、何らの刺激(臭い)も出されない。
これら、安静状態、快状態、および不快状態、の各状態それぞれで筋電情報が取得される(ステップS106)。この際、上述の検出センサユニット30の各検出センサ対(検出センサ対32〜36)によって、人物11の咬筋、大頬骨筋、および眉間筋それぞれの筋電位が検出され、図示しないアンプによって増幅された各筋電位のデータそれぞれが、筋電情報取得部26へ送られる。筋電情報取得部26は、各筋電位のデータをデータ処理部28に送り、データ処理部28が、各筋電位の時系列データをそれぞれサンプリングし、全波整流を行った後、平滑化処理を行い、筋電位波形を生成する。そして、例えば、各筋電位波形の筋電強度(本実施形態では、RMS値とする)を算出して出力する。なお、本例では、測定された筋電位の時系データを整流化して得られた時系列波形を、予め測定されて記録保持されている最大筋電位を用いてそれぞれ規格化して指数(Index)を算出する規格化を行い、この規格化によって得られた規格化筋電位波形を生成し、この規格化筋電位波形を筋電位波形として用いる。
データ処理部28で求められた筋電強度の情報は、刺激制御部22から送られる現在の刺激(現在の状態)を表す情報と対応付けられて、メモリ18に記憶される(ステップS108)。ここでは、まずは、安静状態における咬筋の筋電強度の情報、安静状態における大頬骨筋の筋電強度の情報、および、安静状態における眉間筋の筋電強度の情報、という風に、各骨格筋について取得された筋電強度の情報が、取得された際の人物11の状態と対応付けられて、それぞれ記憶される。
対応付け記憶が終了すると、ステップS104で設定された全ての刺激条件について、対応付け記憶が終了したか否かが判定される(ステップS110)。安静状態における筋電強度が記憶されただけの段階では、このステップS110の判定は当然Noとなり、人物11に与えられる刺激条件が変更されて、人物11の状態が変更される(ステップS111)。本実施形態では、例えば、刺激なし、甘い芳香、悪臭、の順に人物11に刺激を授与する。すなわち、本実施形態では、例えば、安静状態、快状態、不快状態、の順に運転者の状態を設定する。これらステップS104〜ステップS11が繰り返されて、安静状態における咬筋、大頬骨筋、眉間筋それぞれの筋電強度の情報、および、快状態における咬筋、大頬骨筋、眉間筋それぞれの筋電強度の情報、および、不快状態における咬筋、大頬骨筋、眉間筋それぞれの筋電強度の情報が、各状態と対応付けられてメモリ18に記憶される。
次に、特定骨格筋選択部29が、メモリ18に記憶されている、各状態における筋電情報に基づいて、人物11の心理状態に対する感受性が強い、人物11の特定骨格筋を選択する(ステップS112)。特定骨格筋選択部29は、安静状態における筋電強度に対する、不快状態における筋電強度の増加量が比較的大きいとともに、かつ、安静状態における筋電強度に対する、快状態における筋電強度の増加量が比較的小さい筋を、特定骨格筋として選択する。
図4(a)および(b)は、本実施形態のストレス評価方法を実施することで得られた、人物の複数の骨格筋それぞれの、人物の心理状態に対する感受性の強さを示すグラフである。具体的には、運転者に対して甘い芳香を授与した状態(運転者は快状態となる)、運転者に対して何ら刺激を授与しない状態(運転者は安静状態となる)、運転者に対して悪臭を授与した状態(運転者は不快状態となる)、の各状態における、運転者の複数の骨格筋それぞれの筋電強度(ここでは%MVC)を示している。図4(a)および(b)は、それぞれ異なる人物についての結果を示している。
図4(a)に示す人物Aについては、咬筋および眉間筋が、それぞれ、安静状態における筋電強度に対する、不快状態における筋電強度の増加量(差分)が、予め設定された第1の閾値よりも大きい。しかし、人物Aの眉間筋は、安静状態における筋電強度に対する快状態における筋電強度の増加量(差分)は、予め設定された第2の閾値よりも大きい。人物Aでは、上述の、不快状態における筋電強度の増加量(差分)が第1の閾値よりも大きく、かつ、安静状態における筋電強度に対する快状態における筋電強度の増加量(差分)が、予め設定された第2の閾値よりも小さくなるのは、咬筋のみであった。このような人物Aについては、特定骨格筋として咬筋を選択する。
一方、図4(b)に示す人物Bについては、咬筋および眉間筋が、それぞれ、安静状態における筋電強度に対する、不快状態における筋電強度の増加量(差分)が、予め設定された第1の閾値よりも大きい。しかし、人物Bの咬筋は、安静状態における筋電強度に対する快状態における筋電強度の増加量(差分)は、予め設定された第2の閾値よりも大きい。人物者Bでは、上述の、不快状態における筋電強度の増加量(差分)が第1の閾値よりも大きく、かつ、安静状態における筋電強度に対する快状態における筋電強度の増加量(差分)が、予め設定された第2の閾値よりも小さくなるのは、眉間筋のみであった。このような人物Bについては、特定骨格筋として眉間筋を選択する。
図4(a)(b)に示した各例のように、人物によって、ストレスに対して反応する骨格筋は様々であり、筋肉によっては、人物が不快状態となっているときも、快状態となっているときも、同様に活動する。このような筋肉は、人物が心理的なストレスを受けているときも活動するが、人物が心地良いと感じているときも、また活動する。本実施形態では、被験者(運転者)に対して、運転者が不快状態となる刺激を授与するとともに、快状態となる刺激も授与し、それぞれの状態における各筋の筋活動情報を取得している。そして、不快状態とする刺激に対して限定的に活動し、快状態とする刺激に対してはあまり活動しない筋肉を、運転者の心理状態に対する感受性が強い特定骨格筋として選択する。特定骨格筋選択部29で選択された特定骨格筋の情報は、ストレス評価装置14の筋電情報選択取得部42に送られる。
特定骨格筋が選択された状態で、人物11による車両の運転が開始される(ステップS113)。本実施形態では、図4(a)に示す人物Aが車両を運転操作する際の、この人物Aのストレスを評価する。本実施形態では、人物11(人物A)は、例えば、図5に示すような予め決められた特定走行コースを、特定の走行条件で走行させる。図5は、第1の実施形態(および後述する第2の実施形態)のストレス評価方法において、人物が運転操作する車両の走行コースを示す概略上面図である。評価システム10(特に評価装置14)では、この際に人物11が受けるストレスの程度を評価する。図5に示す走行コースは、いわゆるレーンチェンジを行なう走行コースであり、人物11は車両を運転して、路面上に接地された目標物(パイロン)の間を通るように、図中の矢印線に沿った経路で走行する。
人物11が車両を運転して、図5に示す走行コースを走行している最中、運転者刺激機構20は、人物11に対して刺激を与えない。人物11が車両の運転操作を開始して、図5に示す走行コースを走行している最中、筋電情報取得部26が人物11の上記各部の筋電位の情報を取得し、筋電情報選択取得部に送信する。筋電情報選択取得部42は、人物11の複数の骨格筋それぞれの筋電位情報のなかから、特定骨格筋選択部29で選択された特定骨格筋(人物11(人物A)の場合は咬筋)についての筋電位情報のみを選択して取得する(ステップS114)。人物11にとって、特定骨格筋選択部29で選択された咬筋は、人物11の心理状態に対する感受性が強い、ストレスがかかったときにのみ、よく活動する筋肉である。筋電情報選択取得部42で選択取得された特定骨格筋の筋電位情報は、人物11が感じるストレスによく対応している情報である。
筋電情報選択取得部42は、選択した咬筋の筋電位の情報をデータ処理部44に送る。データ処理部44は、選択装置12のデータ処理部28と同様、筋電情報選択取得部42で選択取得された特定骨格筋の筋電位情報を処理して、人物11が車両を操舵している最中の筋電強度を求める(ステップS116)。
そして、ストレス評価部46が、人物11にかかる運転操作時のストレスの高低を評価する(ステップS118)。例えば、求めた筋電強度の値を、被験者の作業時のストレス度を段階的に区分けするために予め設定された、各段階の設定値と比較することによって、被験者にかかる作業時のストレスの高低を評価する。このような評価結果は、筋電位波形、筋電強度などとともに、モニタやプリンタからなる出力部48に送られて表示に供される(ステップS120)。図6は、本実施形態のストレス評価方法によって出力される、人物11の作業ストレスの程度を表すグラフの一例である。図6は、人物11が、それぞれ異なる3つの車両特性の車両(S1〜S3)を運転操作している最中それぞれにおける、人物11にかかるストレスの程度を表す評価値のグラフである。図6に示す例では、ストレスの程度を表す評価値として、人物11の特定骨格筋(咬筋)の筋電強度(RMS値)を、最大筋電位を用いて規格化した値(指数)を用いている。3つの車両(S1〜S3)の車両特性の相違は、装着するタイヤの種類の相違によるものである。
本実施形態では、筋電強度の指数値18が閾値として予め設定されており(メモリ18に予め記憶されており)、ストレス評価部46は、この閾値を超える場合、人物の特定骨格筋が過度に活動し、人物11に過度のストレスがかかっていると判定する。3つの車両(S〜S)のうち車両S3を運転する際、人物11の筋電強度の指数値は、予め設定された閾値よりも大きくなり、ストレス評価部46は、人物11に過度のストレスがかかっていると判定する。例えば、車両S3を運転した場合の評価結果として、出力部48が、このような指数の値とともに、「過度なストレスがかかっています」など判定結果を報知する文章を表示出力する。また、複数の条件それぞれについて、作業中ストレスの評価を行なった場合など、図6に示すように、各条件毎の評価結果を比較するグラフを表示出力することが好ましい。図6に示すグラフから、人物11にとって最もストレスがかかり難い車両、すなわち運転し易い車両は車両Sであり、次に車両Sが運転し易く、車両Sは最も運転がしづらいことがわかる。このような結果から、車両に装着したタイヤについて、運転し易さの程度を、定性的かつ定量的に把握することができる。
図7は、本発明の作業中ストレスの評価方法の効果を確認するために行なった、人物の主観評価実験の結果を示すグラフである。具体的には、人物11が各車両S〜Sを運転して、図5に示すコースを走行した各場合における、人物11が感じた運転し易さの程度を示している。人物11が感じた運転し易さの程度は、人物11自身に数値(+の絶対値が大きいほど運転し易く、−の絶対値が大きいほど運転しづらい)によって指定してもらう、いわゆる間隔尺度による官能評価によって数値化した。図7に示すように、人物11にとって最も運転し易い車両は車両Sであり、次に車両Sが運転し易く、車両Sは最も運転がしづらいことがわかる。また、車両Sのみ、人物11は運転しづらいと主観的に感じており、車両Sを運転している場合のみ、過度のストレスがかかっているといえる。図7に示す主観評価実験の結果は、図6に示す本発明の作業ストレス評価方法の結果と、よく一致している。本発明の作業ストレス評価方法を用いることで、人物が作業中に受けるストレスの程度を、高い精度で定量的に評価することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の作業中ストレスの評価システムの第2の実施形態である、評価システム50について説明する概略構成図である。本発明の第2の実施形態の評価システム50は、本発明の第1の実施形態の評価システム10と比較して、主観情報取得機構60を有している点で異なっている。主観情報取得機構60は、人物11が行う入力操作を受け付ける、マウスやキーボードなどからなる入力部62と、入力部62によって入力された人物11の主観情報を取得する主観情報取得部64とを有して構成されている。
この第2の実施形態は、例えば、人物11に痛み刺激を与える場合など、刺激授与部24が授与する刺激によって、人物11の状態を明確には規定することができない場合などにおいて、好適に用いられる。例えば、刺激授与部24として、例えば公知の、指圧力を調整可能な指圧器を用い、人物11に痛み刺激を与える場合など、指圧器による指圧力によって、被験者は快状態となったり不快状態となる。どの程度の指圧力で快状態となり、どの程度の指圧力で不快状態となるかの基準は、被験者毎に相違している。実施形態2では、刺激授与部24から人物11に刺激を与えるとともに、人物11自身が入力する、人物11の現在の状態を表す主観情報を取得する。主観情報取得部64が取得した、人物11の現在の状態を表す主観情報は、刺激制御部22から送られる人物11の現在の刺激(現在の状態)を表す情報、および、データ処理部から送られる人物11の現在の筋電強度の情報、とそれぞれ対応付けられてメモリ18に記憶される。特定骨格筋選択部29は、それぞれ対応付けられた、これらの情報に基づいて、人物11の特定骨格筋を選択する。以降、本発明の第2実施形態の評価システム50を用いて行なう、本発明の作業ストレスの第2実施形態について説明する。以降の文では、第1実施形態の評価システム10と同様の構成については、第1実施形態の説明において用いた符号を同じ符号を用いて説明する。
図9は、本発明の作業中ストレスの評価方法の第2の実施形態のフローチャート図である。図9に示す作業中ストレスの評価方法では、本発明の強感受性骨格筋の選択方法の第2の実施形態(ステップS202〜S212)によって人物11の特定骨格筋を選択し、選択した特定骨格筋の、人物11の操舵作業中における筋活動情報(筋電強度)を取得し、取得した特定骨格筋の筋活動情報(筋電強度)に基づき、操舵作業中に人物11にかかるストレスの大きさを評価する。
まず、人物11の強感受性骨格筋(特定骨格筋)の選択を行なう。まず、第1の実施形態と同様、強感受性骨格筋の選択のために、人物11に授与する刺激の条件について設定する(ステップS202)。このような刺激条件は、キーボードやマウスなどの図示しない入力手段をオペレータが操作することで、メモリ18などに記憶・設定される。本例では、人物11に指圧によって痛み刺激を与える条件を設定する。指圧力としては、一切指圧力を加えずに人物11を安静状態とする条件の他に、10段階のそれぞれ異なる指圧力をそれぞれ設定する。人物11にとって、どの段階の指圧力ならば快状態であり、どの段階の指圧力ならば不快状態であるかは、このステップが終了した時点では当然不明である。
次に、刺激制御部22が刺激授与部24の動作を制御して、人物11に痛み刺激が与えられる(ステップS204)。刺激制御部22は、例えばメモリ18に予め記憶・設定されている刺激条件に応じた刺激が人物11に授与されるよう、刺激授与部24の動作を制御して、人物11に対して刺激条件に応じた刺激を授与する。ここで、人物11を安静状態に設定する際は、当然であるが刺激は一切授与しない。本実施形態では、安静状態から、刺激する指圧力の設定を徐々に高めていく。本実施形態では、まず安静状態を設定する。
そして、各段階の刺激が与えられている状態それぞれにおいて、筋電情報が取得される(ステップS206)。この際、上述の検出センサユニット30の各検出センサ対(検出センサ対32〜36)によって、人物11の咬筋、大頬骨筋、および眉間筋それぞれの筋電位が検出され、図示しないアンプによって増幅された各筋電位のデータそれぞれが、筋電情報取得部26へ送られる。筋電情報取得部26は、各筋電位のデータをデータ処理部28に送り、データ処理部28が、各筋電位の時系列データをそれぞれサンプリングし、全波整流を行った後、平滑化処理を行い、筋電位波形を生成する。そして、各筋電位波形の筋電強度を算出して出力する。
本第2実施形態では、各段階の刺激が与えられている状態それぞれにおいて、筋電情報が取得されるとともに、人物11の現在の状態を表す主観情報を取得する(ステップS207)。主観情報は、入力部62を用いて人物11自身が入力し、主観情報取得部64によって取得される。例えば、人物11が心地良いと感じた場合(すなわち快状態の場合)は、人物11に、その心地良さの程度に応じたプラスの値(+の絶対値が大きいほど心地良い)を入力してもらい、人物11が痛いと感じた場合(すなわち不快状態の場合)は、人物11に、その痛みの程度に応じたマイナスの値(−の絶対値が大きいほど痛い)を入力してもらう。このように、いわゆるSD法によって数値化されて表された、心地良さ(快状態)と痛み(不快状態)の程度を表す主観評価値(主観情報)を、主観情報取得部64が取得する。
データ処理部28で求められた筋電強度の情報と、主観情報取得部64が取得した人物11の主観情報とは、刺激制御部22から送られる現在の刺激の程度(現在の状態)を表す情報と対応付けられて、メモリ18に記憶される(ステップS208)。各段階で対応付け記憶が終了すると、第1の実施形態と同様、ステップS204で設定された全ての刺激条件について、対応付け記憶が終了したか否かが判定される(ステップS210)。全ての段階の刺激が授与されていない段階では、このステップS210の判定はNoとなり、人物11に与えられる刺激条件が変更されて、人物11の状態が変更される(ステップS211)。ステップS204〜ステップS210の処理は、ステップS210の判定がYesとなるまで繰り返し実施される。
図10は、本第2実施形態で取得される、主観情報および指圧力それぞれの対応を表すグラフである。また、図11は、本第2実施形態で取得される、筋電強度(指数)および指圧力それぞれの対応を表すグラフである。図11では、人物11の咬筋と眉間筋について、指圧力の変化に応じた筋電強度の変動を示している。図10では、各段階の指圧力を、最大指圧力を100とした指数によって表している。本例では、このように、筋電強度の情報と、現在の刺激の程度(指圧力)を表す情報とが対応付けられて、また、主観情報(主観評価値)と、現在の刺激の程度(指圧力)を表す情報とが対応付けられて、メモリ18に記憶される。
次に、特定骨格筋選択部29が、メモリ18に記憶されている、各状態における主観情報および筋電情報に基づいて、人物11の心理状態に対する感受性が強い、人物11の特定骨格筋を選択する(ステップS212)。特定骨格筋選択部29は、安静状態における筋電強度に対する、不快状態における筋電強度の増加量が比較的大きいとともに、かつ、安静状態における筋電強度に対する、快状態における筋電強度の増加量が比較的小さい筋を、特定骨格筋として選択する。この際、特定骨格筋選択部29は、人物11の主観情報(主観評価値)に基づいて、各主観情報が取得された際の人物11の状態を特定し、各主観情報に対応する各筋活動情報が取得された際の、人物11の状態を特定する。
図10に示す例では、人物11は、与えられた指圧力が約35未満では心地良いと感じ(快状態であり)、与えられた指圧力が約35より大きいと、痛い(不快である)と感じていることがわかる。このように、図10のグラフから、与えられた指圧力が約35未満では快状態であり、快状態のピーク(心地良さのピーク)は、指圧力(指数)が約19程度のときであることがわかる。すなわち、人物11の主観情報(主観評価値)に基づいて、各主観情報が取得された際の人物11の状態が特定できる。特定した、これら人物11の状態は、各主観情報に対応する各筋活動情報が取得された際の、人物11の状態に対応している。図11のグラフを見ると、咬筋については、指圧力が約35より大きい領域では、人物11が不快状態となればなるほど(痛みを感じるほど)、筋電強度は大きくなっている。かつ、咬筋については、指圧力が約35未満の領域では、人物11がいくら快状態となっても、指圧力(指数)が約19程度の領域でも、筋電強度の変動はほとんどない。人物11にとって、咬筋は、人物11の心理状態に対する感受性が強い、人物11の特定骨格筋として適しているといえる。一方、図11のグラフを見ると、眉間筋については、指圧力が約35より大きい領域では、人物11が不快状態となればなるほど(痛みを感じるほど)、筋電強度は大きくなっている。しかし、眉間筋については、指圧力が約35未満の領域では、人物11の快状態の程度がピークとなる、指圧力(指数)が約19程度の領域においても、筋電強度が大きくなっている。すなわち、人物11では、眉間筋は、被験者が心理的なストレスを受けているときも活動するが、被験者が心地良いと感じているときも、また活動している。人物11にとって眉間筋は、咬筋に比べると、特定骨格筋として適してはいない。このように、人物11にとって咬筋の方が、眉間筋よりも特定骨格筋として適しているといえる。本第2実施形態では、このように、人物11に痛み刺激を与える場合など、刺激授与部24が授与する刺激によって、人物11の状態を明確には規定することができない場合などにおいても、被験者毎の特定骨格筋を高精度に選定することができる。
特定骨格筋選択部29で選択された特定骨格筋の情報は、ストレス評価装置14の筋電情報選択取得部42に送られる。このように特定骨格筋が選択された状態で、人物11による車両の運転が開始される(ステップS213)。以降、第1の実施形態と同様に、特定骨格筋選択部29で選択された特定骨格筋の筋電強度情報に基づいて、人物11の作業中ストレスの評価を行なう。以降のステップS214〜ステップS220については、第1実施形態のステップS114〜ステップS120と同様に行なわれる。第2実施形態の以降のステップについては、詳細な説明を省略する。
なお、例えば、人物11を快状態とする際は芳香を出し、人物11を不快状態とする際は明らかな悪臭を出すなど、刺激授与部24が授与する刺激によって、人物11の状態を明確に規定できる場合などにおいても、本発明の第2実施形態を利用して、特定骨格筋を選定しても構わない。図12は、図8に示す評価システム50において、刺激授与部24から臭い刺激を出した場合の、筋電強度(指数)と、臭いに対する主観評価との対応を表すグラフである。本実施形態では、このように、刺激授与部24が授与する刺激によって、人物11の状態を明確に規定できる場合においても、主観評価によって、刺激の程度に対応する被験者の状態の程度を定量化しておくことで、特定骨格筋の筋張力が表すストレスの程度を、より高い精度で定量化して評価することができる。例えば、臭い刺激や痛み刺激などの刺激に対する感受性が、被験者間で大きく異なる場合にも、刺激に対する主観評価値を取得することで、刺激の程度を表す数値を、各被験者毎の快状態または不快状態それぞれの程度を表す数値に表すことができる。これにより、図12に示すグラフのように、刺激の程度に応じた筋電強度の数値情報と、快状態または不快状態それぞれの程度を表す数値情報とを、精度良く対応付けて表すことができる。
このような、本発明の作業中ストレスの評価方法によれば、筋活動による作業中ストレスの評価に適した筋を各人物毎に選別し、各人物毎に、作業中のストレスを高い精度で定量的に評価することができる。これにより、作業中に作業者にかかるストレスの大きさを、比較的高い精度で定量的に評価することができる。例えば、車両を運転中の運転者が受けるストレスを、高い精度で定量的に評価することができる。例えば、特定の車両にそれぞれ異なる複数のタイヤを装着した各場合について、特定運転者が長時間の連続運転を行なった際の、この特定運転者の受けるストレスを、高い精度で定量的に評価することができ、運転者にとって、どのタイヤがどの程度疲れ難いかなど、高い精度で定量的に知ることができる。このような情報を用いれば、運転者にとってストレスが小さい、すなわち疲れ難いタイヤを効率的に開発することができる。本発明を用いれば、タイヤに限らず、車両、車両制御系、環境(道路設計、路面、天候)など様々な条件について、運転者のストレスとの関係を詳細に把握することも可能である。
上述した第1の実施形態および第2実施形態では、人物の複数の骨格筋のうち、人物の安静状態における筋活動情報に対する、人物の不快状態における筋活動情報の増加量が比較的大きい筋を、特定骨格筋として選択した。本発明では、特定骨格筋の選択基準は、このような形態に限定されない。例えば、人物が刺激を受けて不快状態となっている際の筋電強度の大きさのみに基いて、この筋電強度の大きさが比較的大きい筋を特定骨格筋として選択してもよい。また、人物に刺激を授与している最中の、筋電強度の変化率に基いて、この変化率が比較的小さい筋を特定骨格筋として選定してもよい。また、人物に繰り返し刺激を授与した際の、筋電強度の大きさのばらつきに基いて、この大きさのばらつきが比較的小さい筋を特定骨格筋として選定してもよい。
なお、本発明では、人物の感覚器のうち、ストレスを評価する作業において必要な感覚器に、刺激を授与することが好ましい。例えば、作業中に作業者が、臭気によってストレスを受けると考えられる場合、嗅覚への刺激にともなう筋活動情報に基づいて、特定骨格筋を選択することが好ましい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、人物の複数の骨格筋のうち、顔面にある咀嚼筋(咬筋)および表情筋(大頬筋や眉間筋)について筋活動情報を計測し、この筋活動情報に基づいて、これら顔面の咀嚼筋や表情筋の中から特定骨格筋を選択した。本発明では、選択する特定骨格筋は特に限定されず、ストレスを評価する対象作業に直接作用しない骨格筋であればよい。評価対象とする作業が動作をともなう場合には、作業動作に関係の薄い骨格筋を特定して、特定した骨格筋のなかから特定骨格筋を選択すればよい。この際、筋電図計測によって得られる筋電位波形や、筋骨格モデルを用いたシミュレーション結果などを用いて、対象作業に直接作用しない(関連の薄い)骨格筋を特定すればよい。この際、被験者が実際に作業を行い、作業にともなう筋電図を計測するとともに、カメラによる撮影画像の解析や、モーションキャプチャによって取得した情報の解析などによって、動作情報(関節角情報など)を取得してもよい。
以上、強感受性骨格筋の選択方法、強感受性骨格筋の選択装置、作業中ストレスの評価方法、および作業中ストレスの評価システムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の作業中ストレスの評価システムの、第1の実施形態の一例について説明する概略構成図である。 図1に示す評価システムの検出センサユニットの、人物に対する取り付け位置について説明する概略側面図である。 図1に示す評価システムを用いて行なう、本発明の作業中ストレスの評価方法の第1の実施形態のフローチャート図の一例である。 (a)および(b)は、第1の実施形態のストレス評価方法を実施することで得られた、人物の複数の骨格筋それぞれの、人物の心理状態に対する感受性の強さを示すグラフである。 第1の実施形態のストレス評価方法において、人物が運転操作する車両の走行コースを示す概略上面図である。 第1の実施形態のストレス評価方法によって出力される、人物の作業中ストレスの程度を表すグラフの一例である。 本発明の作業中ストレスの評価方法の効果を確認するために行なった、人物の主観評価実験の結果を示すグラフである。 本発明の作業中ストレスの評価システムの、第2の実施形態の一例について説明する概略構成図である。 図8に示す評価システムを用いて行なう、本発明の作業中ストレスの評価方法の第2の実施形態のフローチャート図の一例である。 第2の実施形態のストレス評価方法で取得される、主観情報および指圧力それぞれの対応を表すグラフである。 第2の実施形態のストレス評価方法で取得される、筋電強度および指圧力それぞれの対応を表すグラフである。 図8に示す評価システムにおいて、刺激授与部から臭い刺激を出した場合の、筋電強度と臭いに対する主観評価との対応を表すグラフである。
符号の説明
10 評価システム
11 人物
12 選択装置
14 ストレス評価装置
15 ステアリングホイール
16 制御部
18 メモリ
20 運転者刺激機構
22 刺激制御部
24 刺激授与部
25 筋活動情報取得機構
26 筋電情報取得部
28 データ処理部
29 特定骨格筋選択部
30 筋電検出センサユニット
32、34、36 検出センサ対
38 接地電極
42 筋電情報選択取得部
44 データ処理部
46 ストレス評価部
48 出力部
60 主観情報取得機構
62 入力部
64 主観情報取得部

Claims (10)

  1. 人物の複数の骨格筋のうち、前記人物の心理状態に対する感受性が強い特定骨格筋を選択する方法であって、
    前記人物に対して、前記人物を不快状態とする刺激を少なくとも与えるステップと、
    前記人物に刺激を与えている最中の、前記人物の前記複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得するステップと、
    前記刺激によって前記人物が前記不快状態となっている際の、前記人物の複数の骨格筋それぞれの前記筋活動情報に基づき、前記特定骨格筋を選択するステップと、を有することを特徴とする強感受性骨格筋の選択方法。
  2. 前記特定骨格筋を選択するステップに先がけて、前記人物が安静状態にある場合の、前記人物の複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得するステップを有し、
    前記選択するステップでは、前記人物の複数の骨格筋のうち、前記安静状態における前記筋活動情報に対する、前記刺激によって前記人物が前記不快状態となっている際の前記筋活動情報の増加量が比較的大きい筋を、前記特定骨格筋として選択することを特徴とする請求項1記載の強感受性骨格筋の選択方法。
  3. 前記人物に刺激を与えるステップでは、前記人物を不快状態とする刺激と、前記人物を快状態とする刺激と、を少なくとも含む複数の刺激を順次与え、
    前記選択するステップでは、前記安静状態における前記筋活動情報に対する、前記不快状態となっている際の前記筋活動情報の増加量が比較的大きいとともに、かつ、前記安静状態における前記筋活動情報に対する、前記快状態となっている際の前記筋活動情報の増加量が比較的小さい筋を、前記特定骨格筋として選択することを特徴とする請求項2記載の強感受性骨格筋の選択方法。
  4. 前記人物に刺激を与えるステップでは、前記人物に対して、複数の異なる刺激を順次与え、
    前記筋活動情報を取得するステップでは、前記人物に各刺激を与えている最中それぞれについて、前記人物の前記複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得するとともに、前記人物の状態を表す前記人物の主観評価情報を取得し、
    前記選択するステップでは、前記人物の主観評価情報に基づいて、各主観評価情報が取得された際の前記人物の状態を特定することで、各主観評価情報に対応する各筋活動情報が取得された際の前記人物の状態を特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の強感受性骨格筋の選択方法。
  5. 前記人物の複数の骨格筋は、いずれも、
    前記人物が行なう作業に直接作用しない筋であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の強感受性骨格筋の選択方法。
  6. 前記人物の複数の骨格筋は、
    前記人物の顔面の咀嚼筋または表情筋の、少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項5記載の強感受性骨格筋の選択方法。
  7. 前記人物の作業中のストレスを評価する方法であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載の強感受性骨格筋の選択方法によって選択された前記人物の前記特定骨格筋の、前記人物の前記作業中における筋活動情報を取得し、
    取得した前記特定骨格筋の前記筋活動情報に基づき、前記作業中に前記人物にかかるストレスの大きさを評価することを特徴とする作業中ストレスの評価方法。
  8. 人物の複数の骨格筋のうち、前記人物の心理状態に対する感受性が強い特定骨格筋を選択する装置であって、
    前記人物の異なる複数の骨格筋それぞれの筋活動情報を取得する手段と、
    前記人物に対して、前記人物を不快状態とする刺激を少なくとも与える手段と、
    前記人物の異なる複数の状態それぞれにおける前記筋活動情報を受け取り前記刺激によって前記人物が前記不快状態となっている際の、前記人物の複数の骨格筋それぞれの前記筋活動情報に基づき、前記特定骨格筋を選択する手段と、を有することを特徴とする強感受性骨格筋の選択装置。
  9. 前記選択する手段は、前記人物が安静状態にある場合の、前記人物の異なる複数の骨格筋それぞれの筋活動情報も併せて受け取り、前記人物の複数の骨格筋のうち、前記安静状態における前記筋活動情報に対する、前記刺激によって前記人物が前記不快状態となっている際の前記筋活動情報の増加量が比較的大きい筋を、前記特定骨格筋として選択することを特徴とする請求項8記載の強感受性骨格筋の選択装置。
  10. 請求項8または9記載の強感受性骨格筋の選択装置を含んで構成された、前記人物の作業中のストレスを評価するシステムであって、
    請求項8または9記載の強感受性骨格筋の選択装置によって選択された前記人物の前記特定骨格筋の、前記人物の前記作業中における筋活動情報を取得する手段と、
    取得した前記特定骨格筋の筋活動情報に基づき、前記作業中に前記人物にかかるストレスの大きさを評価する手段と、を有することを特徴とする作業中ストレスの評価システム。
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