JP4957176B2 - 窒素酸化物浄化触媒及び窒素酸化物浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関から排出される窒素酸化物の浄化に関するものであり、β構造を有する鉄シリケートからなる窒素酸化物浄化触媒、並びにそれを用いた窒素酸化物浄化方法を提供するものである。
鉄シリケートはメタロシリケートの一種であり、一般的にはアルミノシリケートゼオライトの骨格に含まれるアルミニウム原子を鉄原子によって置換したものとして表される。骨格原子の置換により、通常のアルミノシリケートゼオライトとは異なる酸性質を発現する他、シリケート骨格中の置換元素の分散性が高いことも特徴である。そのため様々な触媒反応への利用が検討されている。
その用途の一つである排ガス中の窒素酸化物の浄化に関し、これまでに様々な方法が提案、或いは実用化されている。ボイラーなどの固定発生源から排出される窒素酸化物の浄化方法として、排ガスにアンモニアを添加した処理ガスをV−TiO系触媒に接触させる選択的接触還元法が工業的に採用されている。
また、自動車等の移動発生源から排出される窒素酸化物の浄化方法として、例えばアルミナ担体に貴金属を担持した触媒によりストイキ雰囲気で窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素を同時に浄化する方法(三元触媒浄化)がガソリン自動車の排ガス浄化に広く採用されている。(特許文献1)
更には、リーンバーン燃焼排ガスやディーゼル燃焼排ガスに代表される酸素過剰排ガスの窒素酸化物の浄化に関し、固定発生源の排ガス浄化と同様なアンモニア、尿素(水)による選択的接触還元法、炭化水素、一酸化炭素、水素、アルコール、エーテル等を還元成分として利用した接触還元法、直接分解法、更には窒素酸化物の吸蔵成分を含む貴金属触媒を使用した吸蔵還元法が公知であり、多種多様の触媒が開示されている。これらの窒素酸化物の浄化技術において、吸着特性を有するアルミノシリケートゼオライトが触媒として使用されている。
窒素酸化物の浄化技術における鉄シリケートの利用としては、MFI骨格構造(ZSM−5構造)を有する鉄シリケートに関する報告がある。例えば特許文献2ではZSM−5型鉄シリケートに銅とガリウムとの共沈複合酸化物が分散担持された窒素酸化物を含む排気ガスの浄化用触媒が開示されている。
また特許文献3では過剰の酸素が存在する雰囲気中で、炭化水素類または含酸素化合物の存在下、ZSM−5型鉄シリケートのアルカリ金属交換体を窒素酸化物を含む排ガスと接触させる窒素酸化物浄化方法が開示されている。
また特許文献4では窒素酸化物、酸素ガスおよび必要に応じて亜硫酸ガスを含有する燃焼排ガスを、鉄シリケート触媒および炭化水素還元剤の存在下で接触反応させる窒素酸化物の除去方法が開示されている。
また特許文献5では鉄シリケートに白金、パラジウム、ロジウム及びコバルトのうち少なくとも一種を担持した窒素酸化物を主として除去する排気ガス浄化触媒が開示されている。これらの特許文献における鉄シリケートは骨格構造が明記されていないが、実施例において合成の際の有機指向剤(SDA)にテトラプロピルアンモニウム塩を使用していることから、得られた鉄シリケートの骨格構造がMFI構造であることは当業者にとっては明らかである。
非特許文献1には、β型鉄シリケートを用いたNOの直接分解、或いはCOを還元剤とする非選択的接触還元に関する記述がある。しかしこれらの方法はNOx浄化活性が低く、実用的な温度域で十分なNOx浄化率が得られていない。
特開平7−289905号公報 特開平5−305240号公報 特許第2691643号公報 特開平5−154349号公報 特許第2605956号公報 Journal of Catalysis,232(2005)318−334
窒素酸化物の効率的な浄化が望まれている中で、これまで提案されている触媒は広い温度範囲での浄化活性という点で十分ではなかった。
本発明の目的は、低温から高温までの広い温度範囲で効率的に窒素酸化物を浄化する触媒性能を有する鉄シリケート触媒、及びそれを用いた窒素酸化物の浄化方法を提供するところにある。
本発明者らは、これらの状況に鑑み、ゼオライト触媒の脱硝性能、並びにゼオライトと触媒活性金属の種類及び存在状態との関連性を鋭意検討した結果、アンモニア等を還元剤とする選択還元において、β構造を有する鉄シリケートが優れた窒素酸化物の浄化性能を有していることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
鉄シリケートは一般的に、
((2x+2y)/n)O・xFe・yAl・zSiO・wH
(但し、nは陽イオンMの原子価、x、y、z、はそれぞれFe、Al、SiOのモル分率を表し、x+y+z=1である。wは0以上の数である)
の組成を有し、X線回折などで確認される結晶構造で分類、特定することができる。
β型鉄シリケートは、酸素12員環からなる0.76×0.64nmおよび0.55×0.55nmの細孔が交差した3次元細孔を有するメタロシリケートである。β型鉄シリケートのX線回折パターンは表1に示す格子面間隔d(オングストローム)とその回折強度で特徴付けられる。
鉄シリケートはアルミノシリケートゼオライトの3価のアルミニウムを同じく3価の鉄によって置換した構造であり、アルミノシリケートゼオライトと同様にシリケート骨格の電荷不足に由来する固体酸性質を有する。それと同時に、通常のアルミノシリケートゼオライトに鉄を担持した触媒と比較すると、鉄シリケートは触媒の活性金属としての鉄を担体上に極めて高度に分散させた状態にあり、このことが触媒反応における鉄シリケートの高活性発現要因となっている。
本発明のβ型鉄シリケートのSiO/Feモル比30〜300で窒素酸化物浄化活性が得られ、好ましくは50〜180である。
鉄シリケートによる窒素酸化物浄化において、直接の反応活性点は鉄であるが、骨格中のアルミニウムも活性向上に寄与することがわかっている。活性向上の機構については不明であるが、骨格アルミニウムに由来する固体酸性が影響していると考えられる。触媒の耐久性、及び骨格アルミニウムの反応への寄与を考慮すると本発明のβ型鉄シリケートのSiO/Alモル比は30〜180、SiO/Feモル比は60〜150であることがより好ましい。
次に本願発明のβ型鉄シリケートの製造方法について説明する。
合成用原料は、シリカ源、アルミニウム源、鉄源、SDA原料および水から基本的に構成される。シリカ源としてコロイダルシリカ、無定型シリカ、珪酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート、アルミノシリケートゲルなどを、アルミナ源として硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミノシリケートゲル、金属アルミニウムなどを、鉄源として硝酸鉄、塩化鉄、硫酸鉄などを用いることができ、他の成分と十分均一に混合できる形態のものが望ましい。SDA原料としてはテトラエチルアンモニウムカチオンを有するテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、更にはオクタメチレンビスキヌクリジウム、α,α’−ジキヌクリジウム−p−キシレン、α,α’−ジキヌクリジウム−m−キシレン、α,α’−ジキヌクリジウム−o−キシレン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,3,3,N,N−ペンタメチル−6−アゾニウムビシクロ[3,2,1]オクタン又はN,N−ジエチル−1,3,3−トリメチル−6−アゾニウムビシクロ[3,2,1]オクタンカチオンを含む化合物の群の少なくとも一種以上を使用することができる。
原料混合物の組成は下記の範囲で任意に設定すればよい。また、種晶などの結晶化促進作用を有する成分を添加してもよい。
SiO/Alモル比 15〜30000
SiO/Feモル比 30〜300
O/SiOモル比 5〜50
SDA/SiOモル比 0.1〜5
水、シリカ、アルミナ、鉄およびSDAの原料混合物を密閉式圧力容器中で、100〜180℃の任意の温度で、十分な時間をかけて結晶化させることにより本発明に係るβ型鉄シリケートを得ることができる。
結晶化の際、原料混合物は混合攪拌された状態でもよいし、静置した状態でもよい。結晶化終了後、十分放冷し、固液分離、十分量の純水で洗浄し、100〜150℃の任意の温度で乾燥して本発明に係るβ型鉄シリケートが得られる。
本発明のβ型鉄シリケートはそのまま窒素酸化物の浄化触媒として使用することができる。合成直後のβ型鉄シリケートは細孔内にSDA(合成の際の有機指向剤)を含有する場合があり、必要に応じてこれらを除去した後に窒素酸化物の浄化触媒として使用することもできる。
SDAの除去処理は、酸性溶液やSDA分解成分を含んだ薬液を用いた液相処理、レジンなどを用いた交換処理、熱分解処理を採用することができ、これらの処理を組合せても良い。更には、鉄シリケートのイオン交換能を利用してH型やNH型に変換して用いることもできる。
本発明のβ型鉄シリケートに、さらに触媒活性な金属種を担持させてもよい。担持させる金属種は特に限定されないが、例えば8,9,10族、11族の元素、特に鉄、コバルト、パラジウム、イリジウム、白金、銅、銀、金の群から選ばれる一種以上であり、更に好ましくは鉄、パラジウム、白金、銅、銀の一種以上であることが好ましい。
また希土類金属、チタン、ジルコニアなどの助触媒成分を付加的に加えることもできる。活性金属種を担持させる場合の担持方法は特に限定されない。担持方法として、イオン交換法、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法、物理混合法等の方法を採用することができる。金属担持に用いる原料も硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、錯塩、酸化物、複合酸化物など可溶性/不溶性のものがいずれも使用できる。
金属の担持量は限定されないが、特に0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
本発明の触媒は、シリカ、アルミナ及び粘土鉱物等のバインダーと混合し成形して使用することもできる。成形する際に用いられる粘土鉱物として、カオリン、アタパルガイト、モンモリロナイト、ベントナイト、アロフェン、セピオライトが例示できる。また、コージェライト製或いは金属製のハニカム基材にウォッシュコートして使用することもできる。
本発明の触媒は、還元剤としてアンモニア、尿素、有機アミン類の共存下において、窒素酸化物を含む該排ガスを接触させることにより、排ガス中の窒素酸化物を選択的に浄化することができる。本発明で浄化される窒素酸化物は、例えば一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、一酸化二窒素、及びそれらの混合物が例示される。好ましくは一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化二窒素である。ここで本発明が処理可能な排ガスの窒素酸化物濃度は限定されるものではない。
還元剤の添加方法は特に限定されず、還元成分をガス状で直接添加する方法、水溶液などの液状を噴霧し気化させる方法、噴霧熱分解させる方法等を採用することができる。これらの還元剤の添加量は、十分に窒素酸化物が浄化できるように任意に設定することができる。
また該排ガスには窒素酸化物以外の成分が含まれていてもよく、例えば炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、窒素、酸素、硫黄酸化物、水が含まれていても良い。具体的には、本発明の方法ではディーゼル自動車、ガソリン自動車、ボイラー、ガスタービン等の多種多様の排ガスから窒素酸化物を浄化することができる。
本発明の窒素酸化物の浄化方法において、本発明のβ型鉄シリケートから成る触媒と排ガスを接触させる際の空間速度は特に限定されないが、好ましい空間速度は体積基準で500〜50万hr−1、更に好ましくは2000〜30万hr−1である。
本発明のβ型鉄シリケートは窒素酸化物の浄化性能が高く、幅広い温度域に渡って窒素酸化物を浄化することができる。
以下本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
水酸化テトラエチルアンモニウム35%水溶液(以下TEAOH)235gに、水酸化アルミニウム1.26g、硝酸鉄8.36g、東ソーシリカ製の無定形シリカ粉末(商品名:ニップシールVN−3)62.8gおよび水172gを加え、十分に撹拌混合した。反応混合物の組成は90SiO:Al:Fe:54TEAOH:1800HOであった。この反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、150℃で96時間加熱して結晶化した。結晶化後のスラリー状混合物は白色であった。これを固液分離し、十分量の純水で洗浄し、110℃で乾燥した。その乾燥粉末を空気流通下、600℃で焼成し、β型鉄シリケート―1を得た。X線回折よりβ型鉄シリケート―1は表1のX線回折パターンを有し、ICP発光分析におけるSiO/Alモル比は64、SiO/Feモル比は69であった。
β型鉄シリケート―1を触媒1として触媒反応試験に供した。
<実施例2>
結晶化させる反応混合物の組成比を60SiO:Al:0.33Fe:36TEAOH:1200HOに変えたこと以外はβ型鉄シリケート―1と同様の操作で反応混合物を調製した。この反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、150℃で96時間加熱して結晶化した。結晶化後のスラリー状混合物は白色であった。これを固液分離し、十分量の純水で洗浄し、110℃で乾燥した。その乾燥粉末を空気流通下、600℃で焼成し、β型鉄シリケート―2を得た。X線回折よりβ型鉄シリケート―2は表1のX線回折パターンを有し、ICP発光分析におけるSiO/Alモル比は45、SiO/Feモル比は126であった。
β型鉄シリケート―2を触媒2として触媒反応試験に供した。
<実施例3>
結晶化させる反応混合物の組成比を90SiO:Al:1.8Fe:63TEAOH:1800HOに変えたこと以外はβ型鉄シリケート―1と同様の操作で反応混合物を調製した。この反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、150℃で192時間加熱して結晶化した。結晶化後のスラリー状混合物は白色であった。これを固液分離し、十分量の純水で洗浄し、110℃で乾燥した。その乾燥粉末を空気流通下、600℃で焼成し、β型鉄シリケート―3を得た。X線回折よりβ型鉄シリケート―3は表1のX線回折パターンを有し、ICP発光分析におけるSiO/Alモル比は69、SiO/Feモル比は46であった。
β型鉄シリケート―3を触媒3として触媒反応試験に供した。
<実施例4>
結晶化させる反応混合物の組成比を40SiO:Al:0.13Fe:12TEAOH:640HOに変えたこと以外はβ型鉄シリケート―1と同様の操作で反応混合物を調製した。この反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、150℃で72時間加熱して結晶化した。結晶化後のスラリー状混合物は白色であった。これを固液分離し、十分量の純水で洗浄し、110℃で乾燥した。その乾燥粉末を空気流通下、600℃で焼成し、β型鉄シリケート―4を得た。X線回折よりβ型鉄シリケート―4は表1のX線回折パターンを有し、ICP発光分析におけるSiO/Alモル比は38、SiO/Feモル比は213であった。
β型鉄シリケート―4を触媒4として触媒反応試験に供した。
比較例1
水酸化テトラエチルアンモニウム35%水溶液(以下TEAOH)237gに、硝酸鉄2.53g、東ソーシリカ製の無定形シリカ粉末(商品名:ニップシールVN−3)63.3gおよび水177gを加え、十分に撹拌混合した。反応混合物の組成は400SiO:Al:1.33Fe:280TEAOH:8000HOであった。この反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、150℃で192時間加熱して結晶化した。結晶化後のスラリー状混合物は白色であった。これを固液分離し、十分量の純水で洗浄し、110℃で乾燥した。その乾燥粉末を空気流通下、600℃で焼成し、β型鉄シリケート―5を得た。X線回折よりβ型鉄シリケート―5は表1のX線回折パターンを有し、ICP発光分析におけるSiO/Alモル比は298、SiO/Feモル比は205であった。
β型鉄シリケート―5を比較触媒として触媒反応試験に供した。
<比較例
特開平2−293021号公報に開示されている方法を参照してβ型ゼオライトを合成した。攪拌状態にあるオーバーフロータイプの反応槽(実容積4.8リットル)に珪酸ソーダ水溶液(SiO;130g/l、NaO;41.8g/l、Al;0.05g/l)及び硫酸アルミニウム水溶液(Al;21.3g/l、SO;240g/l)をそれぞれ18.2リットル/Hr及び4.5リットル/Hrの流量で同時に供給し、攪拌下で反応させ、スラリー状生成物を得た。この時スラリーの平均滞在時間は12.5分であった。また、反応中反応槽のpHは6〜8となるように、珪酸ソーダ水溶液の供給方量を調整した。反応槽からオーバーフローしたスラリー状生成物は、ヌッチェで脱水した後、水洗して粒状無定型アルミノ珪酸塩を得た。
その粒状無定型アルミノ珪酸塩;189g、固形水酸化ナトリウム;1.4g、固形水酸化カリウム;3.5g及び20重量%テトラエチルアンモニウム水溶液;480gを30分攪拌混合し、β型ゼオライトの原料とした。その原料スラリーを容積1リットルの密閉式圧力容器に移し、周速0.8m/sで攪拌しながら、150℃で96時間結晶化した。結晶化後のスラリー状混合物を固液分離し、十分量の純水で洗浄し、110℃で乾燥した。その得られた乾燥粉末を空気気流下、600℃で焼成し、β型ゼオライト−1を得た。X線回折よりβ型ゼオライト―1は表1のX線回折パターンを有し、ICP発光分析におけるSiO/Alモル比は36であった。
β型ゼオライト―1を比較触媒として触媒反応試験に供した。
<比較例
SiO/Alモル比が40の東ソー製β型ゼオライト(商品名:HSZ−940NHA)を乾燥空気気流下、600℃で焼成し、β型ゼオライト−2を得た。X線回折よりβ型ゼオライト―2は表1のX線回折パターンを有し、ICP発光分析におけるSiO/Alモル比は40であった。
β型ゼオライト―2を比較触媒として触媒反応試験に供した。
<比較例
鉄担持量が3重量%になるように精秤されたFe(NO・9水和物の水溶液を用いて、比較例で得られたβ型ゼオライト−2に鉄を含浸担持した。500℃で空気焼成した鉄担持β型ゼオライト−1を比較触媒として触媒反応試験に供した。
<比較例
鉄担持量が1重量%になるように精秤されたFe(NO・9水和物の水溶液を用いて、比較例で得られたβ型ゼオライト−2に鉄を含浸担持した。500℃で空気焼成した鉄担持β型ゼオライト−2を比較触媒として触媒反応試験に供した。
<比較例
Journal of Catalyisis,232(2005)318-334を参照してZSM−5型鉄シリケートを調製した。水酸化テトラプロピルアンモニウム10%水溶液(以下TPAOH)131gに、水酸化アルミニウム0.87g、硝酸鉄5.80g、東ソーシリカ製の無定形シリカ粉末(商品名:ニップシールVN−3)43.5g、48%水酸化ナトリウム10.8g、および水288gを加え、十分に撹拌混合した。反応混合物の組成は90SiO:Al:Fe:9TPAOH:18NaOH:3240HOであった。この反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、175℃で120時間加熱して結晶化した。結晶化後のスラリー状混合物は白色であった。これを固液分離し、十分量の純水で洗浄し、110℃で乾燥した。その乾燥粉末を空気流通下、600℃で焼成し、ZSM−5型鉄シリケート(Na型)を得た。得られたZSM−5型鉄シリケート(Na型)は、0.1M塩化アンモニウム水溶液を用いてイオン交換操作を繰り返し3回行い、NH型とした後、110℃で乾燥した。ZSM−5型鉄シリケート(NH型)乾燥粉末を空気流通下、600℃で焼成し、H型のZSM−5型鉄シリケートを得た。ICP発光分析におけるSiO/Alモル比は85、SiO/Feモル比は85であった。
ZSM−5型鉄シリケートを比較触媒として触媒反応試験に供した。
<触媒反応試験>
実施例1〜及び比較例1〜で調製した触媒をプレス成形後、破砕して12〜20メッシュに整粒した。整粒した各触媒1.5ccを常圧固定床流通式反応管に充填した。触媒層に表2の組成のガスを1500cc/minで流通させながら、100〜500℃の任意の温度で定常的な窒素酸化物の除去活性を評価した。
窒素酸化物の除去活性は下式で表される。
(数1)
NOx={([NOx]in−[NOx]out)/[NOx]in}×100
ここで、XNOxは窒素酸化物の浄化率(%)、[NOx]inは入りガスの窒素酸化物濃度、[NOx]outは出ガスの窒素酸化物濃度を示す。
表3、表4に触媒1〜、および比較触媒1〜の任意の温度における窒素酸化物浄化率を示す。
更に、各触媒;3ccを常圧固定床流通式反応管に充填し、700℃で20時間、HO=10vol%を含む空気を300cc/minで流通させて処理した(耐久処理)。この耐久処理後の各触媒に関し、上述の触媒反応試験と同様な条件で窒素酸化物の除去活性を評価した結果を表5、表6に示す。
以上の結果より本発明のβ型鉄シリケートは、幅広い温度範囲における窒素酸化物浄化性能および優れた耐久性を有しており、効率的に窒素酸化物を浄化することができる。

Claims (4)

  1. β骨格構造を有する結晶性アルミノシリケートのアルミニウムの一部鉄によって置換されたものであって、骨格のSiO /Al モル比が30〜180であり、かつ骨格のSiO/Feモル比が30〜300である鉄シリケートからなり、還元剤としてアンモニア、尿素、有機アミン類の少なくとも一つを反応させることによって、排ガス中の窒素酸化物を選択的に還元する機能を発揮することを特徴とする窒素酸化物浄化触媒。
  2. 骨格のSiO/Feモル比が50〜180である鉄シリケートからなる請求項1に記載の窒素酸化物浄化触媒。
  3. 骨格のSiO/Feモル比が60〜150である鉄シリケートからなる請求項1または2に記載の窒素酸化物浄化触媒。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の窒素酸化物浄化触媒を用い、還元剤としてアンモニア、尿素、有機アミン類の少なくとも一つを反応させることによって、排ガス中の窒素酸化物を選択的に還元することを特徴とする窒素酸化物浄化方法。
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