JP4952118B2 - 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4952118B2
JP4952118B2 JP2006211034A JP2006211034A JP4952118B2 JP 4952118 B2 JP4952118 B2 JP 4952118B2 JP 2006211034 A JP2006211034 A JP 2006211034A JP 2006211034 A JP2006211034 A JP 2006211034A JP 4952118 B2 JP4952118 B2 JP 4952118B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
fixing
recording material
layer
fluorocarbon siloxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006211034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008039919A (ja
Inventor
泰生 坂口
文男 大士
登 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2006211034A priority Critical patent/JP4952118B2/ja
Publication of JP2008039919A publication Critical patent/JP2008039919A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4952118B2 publication Critical patent/JP4952118B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、定着部材等に関し、より詳しくは、画像形成装置に用いられる定着部材等に関する。
電子写真プロセスに用いるトナーは、一般的に、いわゆる粉砕/分級法により製造されている。即ち、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂といった各種樹脂に、着色剤や帯電制御剤や離型剤といった各種配合剤を加え、溶融混練し、配合剤を樹脂中に均一に分散させてトナー材を形成した後、所定の粒度に粉砕し、更に、過剰な粗粉や微粉を分級機により取り除くことでトナーが形成される。
また、近年の更なる高画質化の要求に伴い、トナーをより小粒径化することが必要となってきた。小粒径化されたトナーを製造する方法としては、上述した各種樹脂の原料となる単量体と、上述の各種配合剤とを含む油相を水相中に分散し、前記単量体を重合させてトナー粒子を製造する方法が知られている。一方、トナーに用いられる樹脂については、省エネルギー化の要請からより低温で定着可能な材質、即ち、よりガラス転移点が低く、軟化点が低い材質が使用されつつある。
更に、フルカラー複写機やフルカラープリンターに搭載されるカラートナーとしては、多色のトナーが定着工程において十分に混合すること(色再現性)が望まれると共に、OHP画像とした場合の透明性に優れることが望まれている。
ここで、上記多色のトナーを定着工程において十分に混合させる観点から、カラートナーに含まれる樹脂成分としては、黒トナーに含まれる樹脂成分に比べてシャープメルト性に優れる低分子量の樹脂成分が一般的に用いられる。そうすると、カラートナーを用いる場合には、オフセットが起こり易いという問題がある。
また、黒トナーにおいては、定着工程における耐オフセット性を向上させる観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等の高結晶性、高融点のワックスが配合されている。しかし、フルカラー用のカラートナーにおいては、OHP画像の透明性が損なわれるという理由から、黒トナーに配合されているのと同様のワックスを配合することができない。
このような事情のもと、定着ロールを用いた画像形成方法においては、加熱ロール及び/又は加圧ロールの表面を、トナーに対する離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で形成すると共に、ロール表面にシリコーンオイル等の離型性液体を供給することによって、オフセットを防止する方法が提案されていた。
しかし、当該方法を採用する場合には、トナーのオフセット現象を防止する点では極めて有効であるものの、離型性液体を供給するための装置が必要になる。また、出力された画像表面は、加筆性が劣ったり、付箋紙や粘着テープが着かなかったりする等の不具合が懸念される。更に、上記離型性液体が加熱されて蒸発すると、不快臭を生じたり、印刷機内の汚染を生じたりする等の問題が懸念される。
そこで、カラートナーに求められる特性(低温定着性を有すること、シャープメルト性を有すること、及び小粒径であること、といった特性。)をできるだけ損なうことなく、オイルレス化を図る観点から、低融点のワックスが配合されたカラートナーが知られていた。
また、ベルト状定着部材を用いた画像形成方法においては、ベルト状定着部材の表面材として、弾性、耐熱性、トナーとの離型性等に優れるフルオロカーボンシロキサンゴムを用いた方法(特許文献1,2等参照)が知られていた。特許文献1には、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録材上に転写した後、記録材とフルオロカーボンシロキサンゴムにて形成されたベルト状定着部材とを重ね合わせた状態で加熱及び加圧する(接触型加熱加圧方式)ことにより、前記トナー像を前記記録材に定着させる方法が記載されている。
特開2004−109687号公報 特許第2903972号公報
ところで、接触型加熱加圧方式を採用した定着装置において、記録材上に定着したトナー像の表面性(グロス)は、トナー像が記録材に伴われて定着部材から剥離する剥離点でのトナー温度と、定着部材の表面形状に依存する。
即ち、剥離点においてトナー温度がトナーの融点以上である場合には、定着トナー像のグロスはトナーの粘弾性に依存する。一方、剥離点においてトナー温度がトナーの融点未満である場合には、定着トナー像の表面は定着部材表面の型をとるように、定着部材の表面形状の概略を写し取ることになる。つまり、剥離点においてトナー温度がトナーの融点未満である場合、定着部材の表面が平滑であれば定着トナー像は非常に高光沢、即ち、グロスが高い状態となる。これに対し、長年の使用により定着部材表面にトナー(特に、トナーに含まれるワックス成分等)が残留していたり、紙粉が付着していたり、定着部材表面が熱履歴によって改質されていたりする場合には、定着トナー像のグロスは低下する傾向となる。
従って、特にトナーの融点未満で定着部材表面から記録材を剥離する場合においては、定着部材の表面状態を調整することが、定着トナー像のグロスを調整する手段として有効であり、かかる手段を用いれば、一定の均一なグロスを有する定着トナー像を実現することが可能である。
しかしながら、特に、写真画質で求められる「絹目」と称されるツヤ消し状態を実現することについては、いまだ、極めて困難な課題であった。
そこで、本発明の第一の目的は、特に写真画質で求められる「絹目」を形成することが可能な、定着部材を提供することにある。
又、本発明の第二の目的は、そのような「絹目」を形成することが可能な、定着装置を提供することにある。
更に、本発明の第三の目的は、そのような「絹目」状態を備えた画像を実現する、画像形成装置を提供することにある。
また更に、本発明の第四の目的は、そのような「絹目」状態を備えた画像を実現可能な、画像形成方法を提供することにある。
本発明者は、フルオロカーボンシロキサンゴムを用いて形成された表面層を有するベルト状定着部材を用いて、定着を行なうシステムについて鋭意研究を行った。その結果、画像表面のグロスを安定して制御するためには、ベルト状定着部材の表面層の粗度をどのように制御するのかが重要であることを見出した。更に、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物で塗膜を形成後、当該塗膜の硬化工程に入る前に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微粒子を表面に付着させ、その後にフルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を硬化させてベルト状定着部材を形成することによって上記課題を解決し得ることを知見し、本発明に至った。
即ち、本発明の定着部材は、フルオロカーボンシロキサンゴム層と、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子とを備えた表面層を有することを特徴としている。
また、本発明は定着装置と捉えることができ、本発明の定着装置は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、加熱部材に圧接配置される加圧部材とを備え、加圧部材の表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴム層と、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子とを備えたことを特徴としている。
更に、本発明は画像形成装置と捉えることができ、本発明の画像形成装置は、像担持体と、像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電手段により帯電した像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材上に加熱定着させる定着手段とを備え、定着手段は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、加熱部材に圧接配置される加圧部材とを備え、加圧部材の表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴム層と、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子とを備えたことを特徴としている。
また更に、本発明は画像形成方法と捉えることができ、本発明の画像形成方法は、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記像担持体表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録材上に転写する転写工程と、記録材上に転写されたトナー像を記録材上に加熱定着する定着工程とを有し、定着工程は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、加熱部材に圧接配置される加圧部材との圧接部に記録材を通過させる工程であり、加圧部材の表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴム層と、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、特に写真画質で求められる「絹目」と称されるツヤ消し画像を形成するのに適した表面状態を備える定着部材の実現が可能である。
以下、適宜図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成装置1についての概略構成図である。
図1に示すフルカラーの画像形成装置1は、本実施の形態の一例としての定着装置10を備える。定着装置10は、加熱ロール11と、剥離ロール12と、ウォーク制御ロール13と、からなる3つのロールにより循環可能に張架された無端状の定着ベルト14、及び、定着ベルト14を介して加熱ロール11に圧接する加圧ロール15とを備えている。
また、定着装置10は、定着ベルト14の裏面側であって、加熱ロール11と剥離ロール12とが配備されている間の位置に、定着ベルト14を強制的に冷却する冷却用ヒートシンク16を備えている。定着ベルト14の表面は、冷却用ヒートシンク16によって、剥離ロール12付近で50℃〜80℃の範囲まで冷却される。
更に、定着装置10には、ウォーク制御ロール13と加熱ロール11との間に、定着ベルト14に一定のテンションを付与する小径のテンションロールが配設されている。
なお、定着装置10の構成要素となっている定着ベルト14が、本実施の形態の定着部材の一例である。また、冷却用ヒートシンク16については、適宜、省略が可能である。
加熱ロール11には、弾性体層が設けられる。この弾性体層は、JIS K 6253に基づき測定されるJIS A硬度が、通常、A20〜A60の範囲であるシリコーンゴム等からなる層である。この弾性体層は、例えば、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コアの表面に被覆して設けられる。上記弾性体層の厚みとしては、通常、1mm〜3mmである。
更に、上記弾性体層の表面には、PFAチューブ等からなる離型層が被覆される。そして、加熱ロール11は所定の外径に形成される。
加熱ロール11の内部には、ハロゲンランプ(図示せず)が、加熱源として配設されている。ハロゲンランプの発熱量としては、通常、300W〜350Wの範囲である。このハロゲンランプにより、加熱ロール11の表面は、所定の温度(好ましくは130℃〜195℃の範囲)となるように内部から加熱される。
一方、加圧ロール15としては、例えば、加熱ロール11と同様に構成したものが用いられる。即ち、加圧ロール15としては、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コアの表面に、シリコーンゴム等からなる弾性体層を被覆し、更に、弾性体層の表面にPFAチューブ等からなる離型層を被覆して、所定の外径に形成したものが用いられる。
加熱ロール11に設けられる弾性体層、及び/又は加圧ロール15に設けられる弾性体層の硬度としては、JIS K 6253に基づき測定されるJIS A硬度として、通常、A20〜A60の範囲である。また、加熱ロール11に設けられる離型層、及び/又は加圧ロール15に設けられる離型層の厚さとしては、通常、1mm〜3mmの範囲である。
加圧ロール15の内部にも、ハロゲンランプ(図示せず)が、加熱源として配設されている。ハロゲンランプの発熱量としては、通常、300W〜350Wの範囲である。このハロゲンランプにより、加圧ロール15の表面は、所定の温度(好ましくは85℃〜155℃の範囲)となるように内部から加熱される。尚、この加圧ロール15においては、加熱源を省略してもよい。
定着ベルト14は、既述の如く、加熱ロール11と、剥離ロール12と、ウォーク制御ロール13と、からなる3つのロールにより循環可能に張架されている。そして、定着ベルト14は、図示しない駆動源により回転駆動される加熱ロール11により、所定の移動速度で、図1においては時計回りに循環する。なお、定着ベルト14に近接する位置には、定着ベルト14の表面に離型剤(ジメチルシリコーンオイル)を供給する離型剤供給装置が設けられていてもよい。
また、画像形成装置1は、その他に、4つの電子写真感光体21a〜21d(例えば、電子写真感光体21aがイエロー、電子写真感光体21bがマゼンタ、電子写真感光体21cがシアン、電子写真感光体21dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が、中間転写ベルト22に沿って相互に並列に配置されている。
電子写真感光体21a〜21dのそれぞれは所定の方向(図1においては反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール23a〜23d、現像装置24a〜24d、1次転写ロール25a〜25d、クリーニングブレード26a〜26dが配置されている。現像装置24a〜24dのそれぞれにはトナーカートリッジ241a〜241dに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。また、1次転写ロール25a〜25dはそれぞれ中間転写ベルト22を介して電子写真感光体21a〜21dに当接している。
更に、ハウジング内の所定の位置には露光装置30が配置されており、露光装置30から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体21a〜21dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体21a〜21dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト22上に重ねて転写される。
中間転写ベルト22は駆動ロール27、バックアップロール28及びテンションロール29により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール41は、中間転写ベルト22を介してバックアップロール28と当接するように配置されている。バックアップロール28と2次転写ロール41との間を通った中間転写ベルト22は、例えば駆動ロール27の近傍に配置されたクリーニングブレードにより清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング内の所定の位置にはトレイ42が設けられている。そして、トレイ42内の紙等の記録材43は、移送ロール44により中間転写ベルト22と2次転写ロール41との間、更には相互に接する2個のロールを有する1次の定着装置50に順次移送される。更に、記録材43は、定着ベルト14を有する2次の定着装置10に移送される。その後、記録材43は、装置外に排出される。
ここで、画像形成装置1のトナー像形成部における、記録材43に未定着トナー像を担持させる方法について述べる。
図1において、画像形成装置1には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の各画像信号が入力されている。これらの画像信号が入力されると、まず、この画像形成装置1では、感光体ドラムとして作用する電子写真感光体21a〜21dの表面を、帯電ロール23a〜23dにより一様に帯電した後、入力された画像情報に応じたレーザ光を露光装置30から電子写真感光体21a〜21dに向けて照射することで電子写真感光体21a〜21dの表面に静電潜像を形成する。
続いて、各電子写真感光体21a〜21dの表面に形成された静電潜像を、各現像装置24a〜24dにおいてトナーにより現像し、電子写真感光体21a〜21dの表面にトナー像を形成する。なお、上記トナーは、トナーカートリッジ241a〜241dから供給されたトナーである。
続いて、それぞれの1次転写位置において電子写真感光体21a〜21d上のトナー像を中間転写ベルト22に1次転写する。なお、トナー像が中間転写ベルト22に1次転写された後の各電子写真感光体21a〜21dの表面からは、クリーニング装置のクリーニングブレード26a〜26dによって残存トナーが除去され、除電装置によって残存電荷が除去される。
各電子写真感光体21a〜21dと1次転写ロール25a〜25dとのニップ位置である1次転写位置においては、中間転写ベルト22に先に1次転写されたトナー像と重なるように順次1次転写する。こうすることにより、中間転写ベルト22表面には、各色のトナー像が1つに重なり合ったトナー像が形成される。そして、この1つに重なり合ったトナー像を、バックアップロール28と2次転写ロール41とで挟まれた2次転写位置において記録材43に2次転写する。こうして、未定着トナー像が記録材43に担持される。
未定着トナー像が担持された記録材43は、第1次の定着装置50に送られる。定着装置50では、未定着トナー像を担持した記録材43を、相互に接する2個のロール間を通過させることでその未定着トナー像に熱を加えると共に圧力も加え、未定着トナー像を記録材43に定着させる。
トナー像が定着した記録材43は、次いで第2次の定着装置10に送られる。定着装置10においては、まず、1次定着されたトナー像を担持した記録材43を所定のニップ領域(加熱ロール11と加圧ロール15とが圧接する部位)に通過させ、その定着済トナー像に再度熱を加えると共に圧力も加えて、定着ベルト14を画像面に密着させる。
次いで、冷却用ヒートシンク16により記録材43を冷却し、定着した画像面の温度を低下させる。
そして、剥離ロール12の位置において、記録材43を定着ベルト14から剥離させる。その後、記録材43を、画像形成装置1に備えられた排出トレイに排出する。
このようにして、所望の画像が記録材43上に形成される。
次に、本実施の形態の一例としての定着ベルト14について詳述する。図2は、定着ベルト14の種々の層構成を例示する断面概略図である。
図2(a)において定着ベルト14は、表面層141がベース層142上に積層されて形成されている。
図2(b)において定着ベルト14は、表面層141とベース層142とが、シリコーンゴム層143を介して積層されている。ここで、ベース層142とシリコーンゴム層143とは、互いに接着し易い素材の組み合わせであることが好ましい。
図2(c)において定着ベルト14は、表面層141とベース層142とが、接着層144を介して積層されている。
図2(d)において定着ベルト14は、ベース層142上に接着層144を介してシリコーンゴム層143を設け、更に、表面層141を積層したものである。
本実施の形態において、ベース層142としては、耐熱性や機械的強度に優れた素材で形成されたシート又はフィルムであることが好ましい。より具体的には、例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属シートや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、ポリイミドアミド等の樹脂フィルムを挙げることができる。
ここで、ベース層142の体積抵抗率は、ベース層142に導電性粉体等を適宜に添加分散させることにより制御することができる。このような導電性粉体等としては、例えば、カーボンブラック等を挙げることができる。
なお、無端ベルト状のベース層142を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。このような方法としてより具体的には、例えば、上記素材を用いて長尺のフィルム又はシートを形成し、その両端部をパズル状に組合せ、熱圧着部材を用いて熱圧着して無端ベルト状に仕立てる方法が挙げられる。
ベース層142の厚みとしては、通常20μm〜200μm、好ましくは30μm〜150μm、より好ましくは40μm〜130μmである。ベース層142の厚みが過度に小さいと、加熱冷却時の寸法安定性や、強度が不足する場合がある。一方、過度に大きいと、ベルト状定着部材の比熱が増大して熱移動量が低下し、転写速度やサイクルタイムの低下につながる場合がある。
ベース層142と表面層141との間に介在することがあるシリコーンゴム層143の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、等を挙げることができる。これらのシリコーンゴムは、加熱加硫(HTV)タイプのものであってもよいし、室温硬化(RTV)タイプのものであってもよい。また、重合形態は付加型、縮合型のどちらであっても良い。
シリコーンゴム層143の厚みとしては、通常0.1μm〜1000μm、好ましくは1μm〜500μm、より好ましくは10μm〜200μmである。シリコーンゴム層143の厚みが過度に小さいと、ベース層142を置き換える効果が望めない場合があり、一方、過度に大きいと、ベルト状定着部材の比熱が増大して熱移動量が低下し、転写速度やサイクルタイムの低下につながる場合がある。
また、ベース層142と表面層141との間に介在することがある接着層144の素材としては、シリコーンゴムの接着に通常使用されるプライマー類などを適用できる。
このようなプライマー類としては、例えば、アミノシラン系カップリング剤、クロロシラン系カップリング剤、クロロメチルシラン系カップリング剤、シアノシラン系カップリング剤、チタン酸エステル系カップリング剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、アミノシラン系カップリング剤及びチタン酸エステル系カップリング剤が好ましく用いられる。更には、フルオロカーボンシロキサンゴム用に設計されたプライマーも好ましく用いられる。
接着層144の厚みとしては、通常0.001μm〜30μm、好ましくは0.01μm〜10μm、より好ましくは0.1μm〜5μmである。接着層144の厚みが過度に小さいと、接着層としての機能を果たせない場合があり、一方、過度に大きいと、接着層自体の強度により接着性能が左右される場合がある。
本実施の形態の定着部材において、表面層141は、フルオロカーボンシロキサンゴム層と、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、当該表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子とを備えるものである。
上記フルオロカーボンシロキサンゴム層は、フルオロカーボンシロキサンゴムの前駆体を含むフルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物の重合を行って形成されるものである。このような前駆体組成物の供給形態としては、一液型、二液型、その他、三液以上で供給されてもよい。また、上記重合形態としては、付加型、縮合型のいずれであってもよい。
そして、上記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物としては、
(A)直鎖状フルオロポリエーテル
(B)有機ケイ素化合物
(C)充填剤
(D)触媒
(E)オルガノシロキサン
の各成分を含む組成物であることが好適である。
上記(A)成分としては、分子鎖末端に脂肪族不飽和基を有すると共に、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基、及び/又はパーフルオロアルキル基を有するものであることが好ましい。中でも、下記一般式(1)又は(2)で示される直鎖状フルオロポリエーテルを用いることが好適である。
なお、上記脂肪族不飽和基としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数2〜3の一価の脂肪族不飽和炭化水素基を挙げることができる。より具体的にはビニル基、アリル基、エチニル基等の炭素数2〜3のアルケニル基が例示され、特にビニル基が好適である。
Figure 0004952118
ここで、上記一般式(1)において、R10は非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基であることが好ましい。a,eはそれぞれ0又は1、b,dはそれぞれ1〜4の整数、cは0〜8の整数である。また、xは1以上の整数、好ましくは10〜30である。
Figure 0004952118
ここで、上記一般式(2)中、Xは、−CH−、−CHO−、−CHOCH−、又は、−Y−NR−CO−(ここで、Yは−CH−、又は下記構造式(Z)で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基で表される基、Rは水素原子、置換若しくは非置換の一価炭化水素基)である。
Figure 0004952118
また、上記一般式(2)中、X’は、−CH−、−OCH−、−CHOCH−、又は−CO−NR−Y’−(ここで、Y’は−CH−、又は下記構造式(Z’)で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基であり、Rは上記と同じ基)である。
Figure 0004952118
更に、上記一般式(2)中、Rfは、下記構造式(i)、(ii)で表される二価のパーフルオロポリエーテル構造である。
Figure 0004952118
(式中、p及びqは1〜150の整数であって、かつpとqの和の平均は、2〜200である。また、rは0〜6の整数、tは2又は3である。)
Figure 0004952118
(式中、uは1〜200の整数、vは1〜50の整数、tは上記と同じである。)
また更に、上記一般式(2)中、gは独立に0又は1である。
なお、上記一般式(1)の化合物として、より具体的には、下記一般式(3)で示す化合物を挙げることができる。
Figure 0004952118
上記(B)成分としては、例えば、一分子中に一個以上の一価のパーフルオロオキシアルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパーフルオロオキシアルキレン基または二価のパーフルオロアルキレン基を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を二個以上有する有機ケイ素化合物を用いることができる。
(B)成分の配合量としては、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物中の脂肪族不飽和基量に対して上記SiH基の含有量が1倍モル量〜4倍モル量となることが好適である。
なお、このような(B)成分としては、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に使用される種々のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
上記(C)成分としては、一般的なシリコーンゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。より具体的には、例えば、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト、ベントナイト、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤などを例示することができる。
上記(C)成分の配合量としては、(A)成分100部(質量部、以下同じ。)に対して通常0.1部〜300部、好ましくは1部〜200部である。充填剤の配合量が過度に小さいと、十分な補強効果を得ることができない場合がある。一方、過度に大きいと、硬化物の機械的強度が低下するという不都合を生じるおそれがある。
上記(D)成分としては、例えば、付加反応用触媒として公知の塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金黒又はパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素又はその化合物を挙げることができる。これらの化合物はアルコール系、エーテル系、炭化水素などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。
ここで、触媒の配合量(質量)としては、触媒の有効量であればよいが、(A)成分100部に対して、白金族金属換算で通常1ppm〜500ppm、好ましくは5ppm〜20ppmである。
上記(E)成分としては、公知のオルガノシロキサンを用いることができる。そのようなオルガノシロキサンとしては、例えば、シロキサンユニットに、更に炭素原子を介してケイ素原子に結合したパーフルオロアルキル基またはパーフルオロオキシアルキル基を一個以上有するものであることが好適である。
上記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物には、更に、種々の配合剤を添加することができる。このような配合剤としては、例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤;酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤;顔料等の着色剤等を挙げることができる。
一方、本実施の形態における含フッ素樹脂粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂を原料とする樹脂微粒子が挙げられる。中でも、低分子量四フッ化エチレン樹脂が好適に適用される。なお、上記低分子量四フッ化エチレン樹脂を構成する四フッ化エチレンポリマーの分子量としては、F−NMRによる数平均分子量として、通常、数千から数十万である。
また、四フッ化エチレン樹脂微粒子の粒径としては、電子顕微鏡から得られる画像により測定される平均粒径として、通常、0.01μm〜5μm、好ましくは0.05μm〜3μm、より好ましくは0.1μm〜1μmである。粒径が過度に大きいと、表面欠陥が発生しやすくなる場合があり、一方、過度に小さいと、目的とした効果が得られない場合がある。
このような四フッ化エチレン樹脂微粒子としては、ゴム、プラスチック、オイル、インク、塗料等の摩擦係数低下、耐摩耗性向上の為の添加剤として使用されてきたものを用いることができる。市販品としては、例えば、ルブロンL−2,L−5,L−5F(ダイキン工業株式会社製)、MP−1100,MP−1200,MP−1300,MP−1400,MP−1500,TLP−10F(いずれも、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)等を挙げることができる。
なお、本実施の形態において、表面層141はフルオロカーボンシロキサンゴム層と、このフルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着する含フッ素樹脂粒子とを備えるものである。
ここで、従来、四フッ化エチレン樹脂微粒子に代表される含フッ素樹脂粒子は公知であったが、そのような含フッ素樹脂粒子をゴム層の表面に付着させることについては、当業者にとっての積極的な阻害要因があった。即ち、両者は馴染みが悪いため、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に含フッ素樹脂粒子を付着させて使用することは考えられていないものであり、従来、含フッ素樹脂粒子はゴム層中に添加することにより、ゴム層自体の機能を改善するために使用されていた。また、特開平6−3996号公報においては、図1に記載のように、オフセットを防止すべく、シリコーン微粒子を定着ロール表面/加圧ロール表面に付着させることは知られていたが、これは、ロール表面にシリコーンオイルを供給することを考慮し、シリコーンオイルとの馴染みに優れるシリコーン微粒子を採用したものであり、シリコーンオイルとの馴染みに劣る含フッ素樹脂粒子を敢えて使用しようとは考えられていなかった。本実施の形態においては、製造過程において、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に馴染みの悪い含フッ素樹脂微粒子を表面に付着させることにより、実際は、フルオロカーボンシロキサンゴム層中に完全に取り込まれるもの、取り込まれつつも表面から含フッ素樹脂微粒子が露出しているもの、表面に接触しているだけのもの、含フッ素樹脂微粒子とのみ接触しているものが混じり合って存在している状態を形成し、最終的に含フッ素樹脂微粒子の物性を表面に取り込むことを可能とするものである。
本実施の形態において、上記フルオロカーボンシロキサンゴム層表面に対する含フッ素樹脂粒子の付着量としては、表面層141の表面を上方から垂直に見下ろした場合に、表面層141の平面視面積に占める、含フッ素樹脂粒子の平面視占有面積の割合として、通常1%〜100%、好ましくは10%〜100%、より好ましくは50%〜100%である。当該割合が小さいと、含フッ素樹脂微粒子が表面を占める割合が不均一となり、目的とする効果が得られにくい場合がある。
また、本実施の形態における表面層141において、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着する含フッ素樹脂粒子の表面は、その少なくとも一部が前記フルオロカーボンシロキサンゴム層から露出している場合もあるものである。そのため、表面層141の表面には、含フッ素樹脂粒子によって適度な凹凸が付与されている。
ここで、表面層141の平均表面粗さ(Ra)としては、通常0.01μm〜5μm、好ましくは0.05μm〜2μmである。当該Ra値が過度に大きいと、画質を発生させる場合があり、一方、過度に小さいと、目的とした効果が得られにくい場合がある。
なお、本実施の形態において平均表面粗さ(Ra)値とは、JIS B 0601−1994にいう算術平均粗さをいい、サーフコム1400(株式会社東京精密製の測定器)を用いて、基準長さ4.0mm、送り速度0.3mm/sで測定した値である。
本実施の形態において、定着ベルト14を図2(a)に示す態様で製造する場合の製造方法としては、例えば、以下のような(I)〜(III)工程を含む製造方法を挙げることができる。
(I)耐熱樹脂製、又は金属製のチューブ状ベルト本体(ベース層142)の外表面に、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を塗工する塗工工程。
(II)前記塗工工程の後、ベース層142の外表面に塗工されたフルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物塗膜を硬化させる前に、含フッ素樹脂粒子を表面に付着させる、含フッ素樹脂粒子付着工程。
(III)前記含フッ素樹脂粒子付着工程の後、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を硬化させて表面層141を形成する表面層形成工程。
上記(I)工程において、ベース層142の外表面に、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を塗工する方法としては、例えば、ブレードコーティング法、ワイヤ一バーコーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、フローコーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等、公知の方法を用いることができる。複数回の塗布を行う場合には、複数種の塗工方法を併用することも可能である。中でも、浸漬コーティング法を用いることが、表面層のシームレス塗布、量産性、コスト、膜厚の均一性等の点で有利であり、特に好ましい。
ここで、上記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を含む塗工溶液としては、採用する塗工方法に適した溶液粘度に調整されていることが好適であり、必要に応じてm−キシレンヘキサフロライド、パーフルオロアルカン、パーフロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ベンゾトリフロライド等の溶剤で希釈することができる。
上記(II)工程において、含フッ素樹脂粒子をベース層142の外表面に付着させる方法としては、例えば、以下の(P)方法や、(Q)方法、(R)方法を挙げることができる。
(P)密閉した空間内で含フッ素樹脂粒子に加圧空気を吹き込み、微粒子が舞い上がった「クラウド」と呼ばれる状態の空間を調製した後、ベース層142を同空間内に導入し、一定時間経過後に取り出す方法。
(Q)乾式のスプレーコーティングにより、含フッ素樹脂粒子をベース層142に向けて吹き付ける方法。
(R)密閉した空間内で、含フッ素樹脂微粒子を載せたフルイに振動を与え、含フッ素樹脂粒子をベース層142に向けて均一に落下させ付着させる方法。
上記(III)工程において、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物の硬化条件を例示すると、硬化温度としては、通常、50℃〜250℃、好ましくは90℃〜200℃である。なお、硬化時間については、硬化反応が十分に進行する時間が適宜設定される。
表面層141の厚さ(複数層で構成される場合総厚)としては、通常300μm以下、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜200μm、更に好ましくは10〜100μmである。厚さが過度に小さいと、弾性が不足してゴム層を加える効果がなくなり、定着性に問題が生じたり、耐久性が不足したりする場合がある。一方、過度に大きいと、ベルト状定着部材の比熱が増大して熱移動量が低下し、転写速度やサイクルタイムの低下につながる場合がある。
表面層141の硬度(JIS K 6253「加流ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」で測定したJIS A硬度)としては、通常A5〜A80、好ましくはA10〜A70、より好ましくはA20〜A60である。硬度が過度に小さいと、強度が低下し耐久性に問題がある場合がある。一方、過度に大きいと、表面層の膜厚に係らず剛性が大きくなり、定着ベルト14と記録材43との密着性が低下して、冷却が不完全な時に剥離が起こるようになり、画質上の欠陥となって顕れる問題が生ずる場合がある。
本実施の形態における画像形成方法は、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録材上に転写する転写工程と、記録材上に転写されたトナー像を記録材上に加熱定着する定着工程とを有するものである。
定着工程は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、加熱部材に圧接配置される加圧部材との圧接部に記録材を通過させる工程である。
そして、加圧部材の表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴム層と、フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着した含フッ素樹脂粒子とを備え、含フッ素樹脂粒子の表面は、その少なくとも一部がフルオロカーボンシロキサンゴム層から露出していることを特徴としている。
ここで、上記定着工程としては、以下のいずれの工程であっても良い。
(S)トナー像を記録材に転写した後、記録材とベルト状定着部材を重ねた状態で加熱及び加圧することにより、トナー像を記録材に定着させる工程。
(T)トナー像を記録材に転写した後、記録材とベルト状定着部材を重ねた状態で加熱及び加圧し、更に、冷却した後に記録材をベルト状定着部材から剥離させて、トナー像を記録材に定着させる工程。
また、上記表面層としては、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を塗行後、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体の硬化工程に入る前に、含フッ素樹脂粒子を表面に付着させ、その後、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を硬化させて得られる表面層であることが好適である。
トナーにワックスが含まれる場合には、一般に、加熱されることでトナーの結着樹脂よりもワックスが先に溶融し、定着ベルトの表面に付着することが多い。この際、ワックスが濡れ性よく定着ベルトの表面に付着してしまうと、ワックスが定着ベルトの表面から剥離され難く、残留することとなる。かかるワックスの残留は、オフセット等の問題を生じる場合がある。
このため、フルオロカーボンシロキサンゴムを使用したベルト状定着部材が提案されている(特開2004−109687号公報、特許第2903972号公報。)。かかるベルト状定着部材を用いると、上記ワックスが定着部材表面に付着し難く、オフセット等の問題が低減される。
しかしながら、このような定着部材から得られる画像表面のグロスは極めて均一であり、特に写真画質で要求される、「絹目」と称されるツヤ消し状態を得ることは極めて困難である。
また、従来、ベルト状定着部材の表面離型性を向上させるべく、フッ素ゴム等の原料に四フッ化エチレン樹脂微粒子等を配合してベルト状定着部材の表面層を形成することについても試みられていたが(特開2001−060050号公報、特開平9−325635号公報。)、かかる方法によっては四フッ化エチレン樹脂微粒子等がベルト状定着部材の表面に露出せず、四フッ化エチレン樹脂微粒子を配合した効果が十分に発揮されない場合があった。また、上記「絹目」と称されるツヤ消し状態を得ることについては、配合する四フッ化エチレン樹脂微粒子の量と粒子径に課題を残したままであった。
これに対し、本実施の形態においては、表面層141をフルオロカーボンシロキサンゴムと含フッ素樹脂粒子とによって構成し、しかも、含フッ素樹脂粒子の表面は、その少なくとも一部がフルオロカーボンシロキサンゴム層から露出しているものである。このような表面層141を備えた定着ベルト14を用いることにより、定着ベルト14上にワックスや紙粉、トナーの外添剤等が残留し難いばかりか、画像表面に絹目と称される「ツヤ消し」状態を有する画像を実現可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
まず、ベルト状基材として周長527.8mm×幅140mm×厚さ80μmの大きさであり、カーボンブラックを添加して体積抵抗率をRv=1012Ω・cmに調整したポリイミド製のベースフィルムを形成した。
次に、表1,2に示す原料を用い、表4に示す配合にて、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を含有する塗布液を得た。
次に、上記塗布液を、浸漬塗布法によって上記ベースフィルム上に塗工して塗膜を形成し、当該塗膜上に、表3に示す含フッ素樹脂粒子を吹き付けた(乾式エアスプレー法を用いた。使用機器:アネスト岩田株式会社製EP−MG10L、吹き付け供給空気圧0.3Mpa。)。なお、付着量は10g/mであった。
その後、120℃:10分の一次加硫、及び、200℃:4時間の二次加硫を行い、表面層として、含フッ素樹脂の付着したフルオロカーボンシロキサンゴム層を有するベルト状定着部材を得た。フルオロカーボンシロキサンゴム層の厚みは40μmであった。
得られたベルト状定着部材を、図1に示す画像形成装置とほぼ同様な構成を有する富士ゼロックス株式会社製DocuCentreColor f450MPに装着し、4色の現像剤を使用してフルカラー画像を形成した。画像(画質)の評価結果を表4に示した。
Figure 0004952118
Figure 0004952118
Figure 0004952118
[実施例4]
フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を含有する塗布液を得た後、120℃:10分の一次加硫、及び、200℃:4時間の二次加硫を行ってフルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物を硬化させた後、接着性プライマーをコーティングした含フッ素樹脂粒子を吹き付け、乾燥させた以外は、実施例1と同様にしてベルト状定着部材を得た。
その後、実施例1と同様にしてフルカラー画像を形成し、画像(画質)の評価を行った。結果を表4に示した。
[比較例4]
表1〜3に示す原料、及び含フッ素樹脂粒子を用い、表4に示す配合(含フッ素樹脂粒子の配合量は、A成分100質量部に対し、5質量部であった。)にて、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物と含フッ素樹脂粒子とを含有する塗布液を得た。
次に、上記塗布液を、浸漬塗布法によってベースフィルム上に塗工して塗膜を形成した。
その後、120℃:10分の一次加硫、及び、200℃:4時間の二次加硫を行い、表面層として、含フッ素樹脂粒子を含有したフルオロカーボンシロキサンゴム層を有するベルト状定着部材を得た。フルオロカーボンシロキサンゴム層の厚みは40μmであった。
得られたベルト状定着部材を、図1に示す画像形成装置とほぼ同様な構成を有する富士ゼロックス株式会社製DocuCentreColor f450MPに装着し、4色の現像剤を使用してフルカラー画像を形成した。画像の評価結果を表4に示した。
Figure 0004952118
[画質]
フルカラー印刷を行い、以下の基準で評価した。
○:画像表面に絹目と称される「ツヤ消し」状態を有する画像が得られた。
△:「ツヤ消し」状態は得られたが、絹目を有する画像は得られなかった。
×:「ツヤ消し」状態を有する画像が得られなかった。
[耐久性]
1000枚のフルカラー印刷を行い、以下の基準で評価した。
○:1枚目と1000枚目とで、画質に変化が無かった。
×:1枚目と1000枚目とで、画質に変化が観察された。
表4の結果から、以下の事項を読み取ることができる。
(a)フルオロカーボンシロキサンゴムの表面に含フッ素樹脂粒子を付着させた表面層を有する実施例1〜4においては、いずれも画像表面に絹目と称される「ツヤ消し」状態を有する画像を得ることができた。
(b)これに対し、比較例1、2では、表面に均一な光沢を有する画像を得ることはできたが、「ツヤ消し」状態を有する画像は得られなかった。
(c)また、比較例3は、フルオロカーボンシロキサンゴムの代わりにシリコーンゴムを使用し、表面に含フッ素樹脂粒子を付着させて定着ベルトを形成したものであるが、そのような定着ベルトを用いた場合、ツヤ消し状態を有する画像は得られるものの、特に写真画質で求められる「絹目」と称されるツヤ消し状態を有する画像は得られなかった。
(d)更に、比較例4は、含フッ素樹脂粒子をフルオロカーボンシロキサンゴムの前駆体組成物塗膜に吹き付ける代わりに、塗工液段階で予め含フッ素樹脂粒子を配合して定着ベルトを形成したものであるが、そのような定着ベルトを用いた場合、「ツヤ消し」状態が得られなかった。
本実施の形態の画像形成装置についての概略構成図である。 定着ベルトの種々の層構成を例示する断面概略図である。
符号の説明
1…画像形成装置、10…定着装置、14…定着ベルト、43…記録材、141…表面層

Claims (4)

  1. フルオロカーボンシロキサンゴム層と、
    前記フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、当該表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子と
    を備えた表面層を有することを特徴とする定着部材。
  2. 記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材に圧接配置される加圧部材とを備え、
    前記加圧部材の表面層は、
    フルオロカーボンシロキサンゴム層と、
    前記フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、当該表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子と
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  3. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    前記帯電手段により帯電した前記像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材上に加熱定着させる定着手段とを備え、
    前記定着手段は、
    前記記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材に圧接配置される加圧部材とを備え、
    前記加圧部材の表面層は、
    フルオロカーボンシロキサンゴム層と、
    前記フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、当該表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 像担持体表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像担持体表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を記録材上に転写する転写工程と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を記録材上に加熱定着する定着工程とを有し、
    前記定着工程は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、当該加熱部材に圧接配置される加圧部材との圧接部に記録材を通過させる工程であり、
    前記加圧部材の表面層は、
    フルオロカーボンシロキサンゴム層と、
    前記フルオロカーボンシロキサンゴム層の表面に付着し、当該表面から一部が露出してなる含フッ素樹脂粒子と
    を備えたことを特徴とする画像形成方法。
JP2006211034A 2006-08-02 2006-08-02 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法 Active JP4952118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006211034A JP4952118B2 (ja) 2006-08-02 2006-08-02 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006211034A JP4952118B2 (ja) 2006-08-02 2006-08-02 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008039919A JP2008039919A (ja) 2008-02-21
JP4952118B2 true JP4952118B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=39175032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006211034A Active JP4952118B2 (ja) 2006-08-02 2006-08-02 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4952118B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9239558B2 (en) * 2009-03-11 2016-01-19 Xerox Corporation Self-releasing nanoparticle fillers in fusing members
US9180488B2 (en) * 2010-03-04 2015-11-10 Xerox Corporation Fuser manufacture and article
US8846196B2 (en) * 2010-12-21 2014-09-30 Xerox Corporation Fuser member
JP2015040863A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 株式会社リコー 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP7077707B2 (ja) * 2018-03-28 2022-05-31 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 定着部材、定着装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000192944A (ja) * 1998-12-24 2000-07-11 Canon Inc 弾性ローラおよびそれを有する加熱定着装置、および弾性ローラ製造方法
JP4244638B2 (ja) * 2002-09-17 2009-03-25 富士ゼロックス株式会社 ポリイミド樹脂無端ベルトおよびその製造方法
JP4251035B2 (ja) * 2003-07-22 2009-04-08 富士ゼロックス株式会社 定着ベルト、定着方法、定着装置、および画像形成装置
JP2005157174A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Canon Inc 定着部材及び加熱定着装置
JP2005215645A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Fuji Xerox Co Ltd 定着用部材、定着装置、画像定着方法、及び画像形成装置
JP2005352056A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、定着装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008039919A (ja) 2008-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9891565B1 (en) Fixing member, fixing apparatus and electrophotographic image forming apparatus
CA2477669C (en) Fuser fluid compositions
EP0969333B1 (en) Heated fuser member with a coating of elastomer and anisotropic filler
US6515069B1 (en) Polydimethylsiloxane and fluorosurfactant fusing release agent
JP2014142611A (ja) 電子写真用定着部材、定着装置及び電子写真画像形成装置
JP2014142615A (ja) 電子写真用定着部材、定着装置及び電子写真画像形成装置
KR101626240B1 (ko) 화상 형성 장치에 이용되는 탄성 부재, 및 정착 부재, 정착 장치, 및 화상 형성 장치
EP0953886B1 (en) Fuser components with polyphenylene sulfide layer
JP4952118B2 (ja) 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法
US6365280B1 (en) Nitrile-silicone rubber surface release layer for electrostatographic members
MXPA02008723A (es) Miembro fusor que tiene capa de plastico de alta temperatura.
JPH08241006A (ja) 定着装置
US8045909B2 (en) Surface treatment device, image forming apparatus, belt member, and image forming method
JP2000194212A (ja) フルオロポリマ―と伝導性フィラ―の外層を有する外部加熱部材
JP4251035B2 (ja) 定着ベルト、定着方法、定着装置、および画像形成装置
JP2005338761A (ja) 定着装置、シリコーンゴム組成物および画像形成装置
JP2019028184A (ja) 定着部材、定着部材の製造方法、
JP2005215645A (ja) 定着用部材、定着装置、画像定着方法、及び画像形成装置
JP2000056602A (ja) 定着用部材
JP4407105B2 (ja) 画像形成方法、及び画像形成装置
JP2008046363A (ja) 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2010281916A (ja) 定着部材、並びに定着装置及び画像形成装置
JP2019168676A (ja) 定着部材、定着装置及び電子写真画像形成装置
US7273687B2 (en) Toner fuser member having release layer formed from glycidyl end-capped polymer and perfluoroalkyl glycidyl-reactive compound
JP2021189441A (ja) 電子写真用部材、及び電子写真画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4952118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350