JP4951469B2 - 試料保持体の境界表面によって試料容積中の磁場を均一化するnmr測定用試料保持体 - Google Patents

試料保持体の境界表面によって試料容積中の磁場を均一化するnmr測定用試料保持体 Download PDF

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Description

本発明は、NMR分光計で分析される物質を収容するための容器(NMR測定用試料容器)に関し、
特に、磁化率χの容器材料を含み、
環境に対して試料容器の境界を画する外部境界面と、
試料容積に対して試料容器の境界を画する内部境界面とを備え、
外部境界面は、
−円筒包絡面であり、その対称軸がz方向と平行に位置合わせされる外部円筒表面と、
−試料容器の底を密閉し、かつ外部円筒表面に接合される外部密閉表面とを備え、
内部境界面は、
−円筒包絡面であり、その対称軸がz方向と平行に位置合わせされる内部円筒表面と
−下端で試料容積を密閉し、かつ内部円筒表面に接合される内部密閉表面とを備えるNMR測定用試料容器に関する。
NMR測定用試料容器が、ショット デュラン(SCHOTT Duran)研究所ガラス製品カタログ2005/2006、62頁を通じて知られている。
NMR分光法は、測定試料が強力な静磁場に曝される機器分析の方法である。次いで、測定試料は電磁パルスに曝されて、測定試料中の原子核の反応が測定されかつ分析される。
高品質の測定結果をえるための1つの前提条件は、測定試料中の静磁場の均一性が十分であることである。測定試料(通常はアセトンまたは水などの溶媒中に溶解された物質、すなわち、液体試料)が試料容器の中に収容される。一般に、試料容器は、外部では均一であり静的である磁場を内部で歪ませるので、これにより測定結果の劣化をもたらす恐れがある。
ショット デュラン(SCHOTT Duran)ガラス製品カタログからよく知られているような標準的な試料容器の場合では、試料容器は円筒包絡面として形作られた区間および端部を密閉する鉢形状の区間を有し、壁厚が本質的に全体を通して一定である。円筒包絡面の形状を有する区間が、わずかな歪みのみを引き起こすだけである一方で、密閉区間は強力な磁場ひずみをもたらし得る。磁場の歪みは、試料容積のわずかな部分のみを被測定容積(試料容積=測定試料で満たされた試料容器の領域)として使用しかつ密閉区間から十分な距離を置いて使用することによって回避される。したがって、試料のうち、測定が可能な部分は実質的にはわずかしかない。これは信号対雑音比の劣化につながる。この問題は、少量の試料物質しか利用可能でなく、その試料物質を希釈して、試料容積全体に満たさなくてはならない場合に特に深刻となる。
さらには、試料容器の下端と測定領域との間の空間が中実である試料容器が既に知られており、この空間を測定されるべき物質で満たす必要を回避する。しかし、この場合には、試料容器と測定試料(通常は液体試料)との間の内部境界面は、試料容積の中に磁場の歪みを引き起こし得る。特許文献1において、試料容器の材料の磁化率は、歪みを低減するために液体試料の磁化率に従って選択可能であることが知られている。しかし、試料容器の材料の磁化率を調節することは困難でありかつ費用が掛かる。試料容器の内部境界面は、回転楕円体となるように形成可能である。例えば、特許文献2に開示されるように、球形とすることにより、または、特許文献3に開示されるように、同じように歪みを低減する成形インサートを挿入することにより、形成可能であることも知られている。
これらのすべての試料容器では、試料容器の下端は、RF共鳴器システムの内部のような被測定領域中の静磁場の歪みを回避するために、この被測定領域から遠くに離さないとならない。したがって、試料容器の下端のために、測定プローブ中の被測定領域の下方部分には十分な空間を残すことが必要である。
米国特許5831434号明細書 特許第6249934号公報 米国特許5302900号明細書
本発明の目的は、本質的に試料容器の試料容積中のあらゆる箇所で静磁場の高度な均一性が実現可能であり、よりコンパクトな測定プローブを可能とする試料容器を提供することにある。
本発明は、NMR測定用の試料容器であって、
試料容積中に磁化率χの液体試料が存在する下で、磁化率χを有する環境の中に試料容器を位置決めし、かつz軸に平行な外部均一磁場Bを印加するとき、
−試料容積の領域内のχからχへの磁化率のジャンプにより、外部境界面が、試料容積中の平均値<B (1)>を有する磁場B (1)を発生させ、したがって試料容積の少なくとも一部の中に、0.5・10−6以上の絶対値を有する第1の相対的な磁場変化F1=(B (1)−<B (1)>)/Bを引き起こし、
−試料容積の領域内のχからχへの磁化率のジャンプにより、内部境界面が、試料容積中の平均値<B (2)>を有する磁場B (2)を発生させ、したがって試料容積の少なくとも一部の中に、0.5・10−6以上の絶対値を有する第2の相対的な磁場変化F2=(B (2)−<B (2)>)/Bを引き起こし、
−試料容積の領域内のχからχへの磁化率のジャンプにより、内部境界面が、試料容積中の平均値<B (3)>を有する磁場B (3)を発生させ、したがって第3の相対的な磁場変化F3=(B (3)−<B (3)>)/Bを引き起こすものとする場合に、次式、すなわち、
の関係が成立するように、第1の相対的な磁場変化F1と第2の相対的な磁場変化F2とが試料容積Vの中でほとんど相殺される関係が成立するように外部境界面および内部境界面の夫々の形状が選択されることを特徴とする。
本発明の中心的な態様は、試料容積の中で形状によって引き起こされた相対的な磁場変化がほとんど相殺されるように、外部境界面および内部境界面の形状を調整することである。尺度として、液体試料のみによる試料容積中の仮想的な磁場変化F3が利用される(別法として、試料容積全体を通じて、最大の相対磁場変化と固定値との比較、例えば、|F1+F2|≦0.510−6が利用可能である)。外部境界面と内部境界面を本発明によって調整した場合、外部および内部密閉表面として適切な形状であれば一般的に十分である。
本発明によれば、外部および内部密閉表面が、互いに近接した状態に(典型的には、z方向に平行な最大距離が試料容器の外部円筒表面の直径以下であるように)留まることが可能でありかつ留まらねばならず、外部密閉表面と試料容積の距離が離れすぎている場合、十分な補償効果を有することができない恐れがある。いずれの場合も、本発明によれば、試料容器は、たとえ突き出るにしても被測定領域よりほんのわずか下方に突き出るだけである。試料容積の下方部分(密閉表面付近)も、本発明によって十分な磁場均一性が当該箇所で保証されるので、NMR測定に使用可能である。
本発明によれば、試料容器の形状、特に外部および内部密閉表面の形状を、環境(例えば、空気または窒素)の磁化率χ、試料容器の材料(例えば、様々な種類のガラス)の磁化率χ、および液体試料(例えば、水またはアセトンなどの様々な溶媒)の磁化率χに合わせて調整する。本発明によれば、試料容器の組が作製可能であり、それぞれの試料容器が環境と液体試料との異なる組合せに対して調整される。試料容器は、環境と液体試料との組合せに対して調整されたものだけが使用される。試料容器の材料の磁化率は特定の制約条件内でどのようなものでも可能であるが、この磁化率は、典型的には1組の試料容器の内部で変化することはない。
本発明の試料容器を使用すると、従来技術と比べてかなり良好なNMR結果が、低減された試料容積で実現可能である。同時に、測定プローブのよりコンパクトな設計および試料容器の短縮が可能になる。
本発明の好ましい実施例
本発明の試料容器の特に好ましい実施例は、次式、すなわち、
の関係が成立すること、特に、
の関係が成立する容器である。この場合に、補償効果が高められ、NMR測定の品質をさらに向上させる。
別の好ましい実施例では、|F1+F2|≦0.5・10−6、特に、|F1+F2|≦0.1・10−6の関係が、試料容積全体を通じて成立する。これも、NMR測定の品質をさらに向上させるような、高められた補償効果を保証する。
特に好ましい実施例では、次式、すなわち、
χχ>0かつ|χ|>|χ|、特に、|χ|/|χ|>1.1の関係が成立する。これらの関係は、試料容器の材料を適切に選択することによって容易に実現可能である。これらの関係が成立している限り、内部および外部境界面による十分でかつ反対の磁場変化が容易に実現される。
好ましい実施例では、試料容器はホウケイ酸ガラスまたは石英ガラスから作製される。これらの材料は、その効果が実用で証明されており、本発明に好都合な磁化率も示す。
より好ましい実施例では、試料容器は、環境が、空気、窒素ガス、または不活性ガス、特に、アルゴンである場合に、χに対して指定される。これらの環境は現実の測定において頻繁に見受けられるものである。
さらにより好ましい別の実施例では、試料容器は、液体試料溶媒が水またはアセトンである場合に、χに対して指定される。溶媒は、通常では液体試料の磁化率の主体になる。水またはアセトンも現実の測定において頻繁に見受けられるものである。
好ましい実施例では、試料容器は、z方向に対して回転対称である。これにより、試料を回転させたときに角度依存的な磁場均一性の低減を可能にする。
本発明の試料容器のより好ましい実施例においては、外部密閉表面および内部密閉表面はそれぞれが半楕円面、つまり、回転楕円面であって、その回転軸に垂直に半分割された回転楕円面として定義されるものであり、
外部境界面および内部境界面のそれぞれが、z方向における同じ位置で密閉表面から円筒表面に移行し、
かつ次式、すなわち、
(χ−χ)(1−g(α))=−(χ−χ)(1−g(α))
の関係がほぼ成立し、
上式で、
α=外部密閉表面の半楕円面のアスペクト角、
α=内部密閉表面の半楕円面のアスペクト角、
である。本実施例の試料容器は、試料容積全体を通じて十分な磁気均一性を実現しており、被測定領域より下方に位置する部分を形成する必要がほとんどない。
本発明の他の好ましい変形例では、次式、すなわち、
(χ−χ)(1−g(α))=−(χ−χ)(1−g(α))・U
の関係が成立し、特に上式において、0.95≦U≦1.05、特に、0.99≦U≦1.01の関係が成立するのが望ましい。これらの近似値は、実施に十分な均一性を試料容積中で実現するには十分である。
特に好ましい実施例では、内部密閉表面および外部密閉表面は、z方向へわずかに3mmしか離れていない。この距離が最大値であっても、外部密閉表面によって試料容積中に十分な補償効果が依然として実現され得る。本発明に係る被測定容積は、典型的には内部密閉表面まで延び、したがって、試料容器は被測定容積より下方にごくわずかしか延びない(本実施例では多くとも3mmである)。
本発明はまた、本発明のNMR試料管の外部および内部境界面の形状を決定する方法も含み、この方法は、次のステップ、すなわち、
−境界面の形状を画定するパラメータを定義するステップと、
−パラメータの任意の組合せに関して計算可能な費用関数であって、かつ、この費用関数の値が小さい程磁場均一性が向上するように構成され、この費用関数が次の項、すなわち、
を含み、F1、F2、およびVが請求項1に示す関係が成立するように決定される、費用関数を定義するステップと、
−費用関数の最小値を決定するパラメータの組を求めるために数値最適化アルゴリズムを適用するステップと、
を特徴とする。この方法によって、本発明の試料容器の形状が容易に見いだされ得る。
本発明の他の利点は説明および図面から理解される。以上および以下に述べられた特徴は、それぞれに単独でまたは任意の組合せで複合的に利用可能である。図示されかつ説明される実施例は限定的な列挙としてではなく、本発明を説明するための実施例として理解されるべきである。
本発明は、図面に例示され、かつより詳細に説明される。
本発明は、磁化率χを有する材料から作製され、核磁気共鳴(NMR)分光計で分析されるべき、磁化率χ≠χを有する試料物質を収容するための試料容器が、試料物質と面する内部境界面Gと、磁化率χを呈する環境と面する外部境界面Gとを有することを特徴とする。試料物質と面する境界面および環境と面する境界面の形状は、試料物質で満たされた試料管がNMR分光計の予め均一な磁場の中へ挿入されるとき、この磁場が試料物質の内部で本質的にその均一性を維持するような方式で、境界面における磁化率のジャンプに適合される。
はじめに、従来技術としてのNMR分光法について説明する。NMR分光法は、試料の化学的分析用の汎用ツールである。試料が強力な静磁場の中に置かれ、電磁パルスに曝される。試料中の原子核の反応が測定されかつ分析される。
静磁場の特性が測定結果の品質に影響を及ぼす。最良の品質は、一般に静磁場の最大磁場強度および高水準の均一性によって実現される。
静磁場に関する最大磁場強度は、超伝導コイルシステムを使用して実現される。高解像度NMR分光法では、21テスラに達する磁場強度が使用される。最新の分光計で使用される典型的な測定配置は、円筒形の内部空間中の軸と平行である強力な磁場を生み出す円筒形の超伝導コイルと、シムコイル、傾斜磁場コイル、および高周波コイルからなる、この内部空間の内部の試料容器の回りに異なる半径で位置決めされる幾つかのコイルとを備える。試料容器は、検査されるべき物質を収容する。試料容器の材料は、電気的に絶縁されているもの(かつ高周波放射が透過できるもの)でなければならず、かつ化学的に不活性でなければならない。
試料容器の形状
試料容器は、応用分野に応じた非常に多様な形状を有し得る。それらは典型的には長い、回転対称の円筒である。この形状の選択には2つの理由が存在する。第1に、円筒形の試料容器は、その端部で磁気摂動を生み出すのみであり、その摂動は被測定容積から十分な距離にあれば影響をほとんど及ぼさない。第2に、回転対称の試料容器は測定時に回転可能であり、時間経過に伴い非回転対称的な磁場の不均一性が全て均一化されるので、不均一性が測定結果に及ぼす影響を低減する。典型的には、このような構成では、測定された信号に寄与する部分は、試料容器の容積全体の半分にすぎない。
この余分な試料液は次の欠点を有する。わずかな試料物質しか利用できないか、または試料物質が非常に高価である場合に、試料物質は、試料容器を満たすのに必要な試料容積に達するまで希釈するしかない。しかし、これは測定信号の望ましくない低減につながる。この場合には、利用可能な試料物質全体を高い測定感度の領域内に置くことが望ましい。
さらには、この領域は、溶媒抑制問題の場合におけるように、スプリアス(spurious)NMR信号を生成する恐れがある。分析されるべき物質(例えば、タンパク質)のNMR信号が溶媒(例えば、水)のNMR信号よりも数桁弱い状況がしばしば生じ、強力なスプリアス信号の存在下では、測定対象の弱い信号を検出することが不可能である。適切なパルスシーケンスを使用して溶媒信号を抑制する方法が存在する。試料容器の磁気摂動を低減するためだけに使用されるような領域からのスプリアスNMR信号は、このような場合に実際の有用信号よりも大きくなり得る。
両方の問題は、試料容器の端部による摂動が低減されれば、すなわち、試料物質が高周波コイルの縁部域内に位置することがないように、その端部を被測定容積に近づけることができれば、軽減され得る。
試料物質を高周波コイルの中心領域に収め、他方では不均一性が静磁場の中で発生するのを防止する2つの方策が知られている。これらは、
・ 磁化率の適合
・ 回転楕円面を有するように、試料物質と面する境界面を選定すること
である。
磁化率の適合
試料物質と隣接材料との間の境界面全体にわたって磁化率が一定に留まれば、磁場の非均一性は発生しない。このような構成が、ゼンス(Zens)の特許文献[1]に記載されている。2つの円筒形密閉端により、上下方向に関して試料物質を高周波コイルの領域に収める。密閉端の磁化率χまたは試料物質に使用された溶媒の磁化率χは、両方の磁化率が同じ値を有するように使用物質が適切に選択されたか否かによって影響される。密閉端と周囲ガスとの間の境界面は、生じる磁場の不均一性が、試料容積にほんのわずかな影響しか及ぼさないように十分遠くの位置に離して配置される。
シゲザネ(Shigezane)の特許文献[2]では、ガラス製の試料容器の製造の際、容器材料の磁化率χが、分析されるべき試料物質の磁化率χに厳密に整合するように、十分な量の常磁性物質がガラスに混合されることを記載する。このような構成が図2(a)に示されている。この場合も、外部境界面は試料容積から遠くに離した位置に配置されている。
回転楕円面の形状を有する境界面
楕円面の境界面を有し、磁気的に均一な材料からなる本体の内部の磁場は、均一な磁場が外部から印加される場合に本体内部で均一であることが知られている(例えば、非特許文献[1]参照)。この場合に、本体の磁化率χは試料物質の磁化率χと異なっていてもよい。この場合、境界面の形状のみによって、磁場の均一性の維持が保証される。
フジタ(Fujita)の特許文献[3]では、球面空洞が、長い円筒形の試料容器の中に残される。試料物質は、毛細管を介してこの空洞の中へ充填され得る。このような試料容器が図2(b)に示されている。この球面形状は楕円面の特殊な場合である。カミングス(Cummings)の特許文献[4]では、従来の試料管の中で上部および下部成形インサートを使用することによって、試料物質が少量しかない場合の問題を解決する。この着想の有利な変形例としては、試料物質との成形インサートの境界面が、半分割された回転楕円面の形状となるものを選定したものがある。2つのこのような成形インサートが使用される従来の試料容器が、図2(c)に示されている。このような方式を採ることにより、試料物質の磁化率がどのような値であっても、外部の均一磁場が試料物質の内部で歪められることがなく、また、成形インサートは、あらゆる試料物質に整合する。磁化率の適合に関する場合と同様に、成形インサートの遠端は、この端部で発生する磁場の不均一性が試料容積に影響を及ぼさないように、試料物質から十分な距離になければならない。
上記公知の方法の欠点
・ 両方法とも、試料容器の遠隔端(底、蓋)は理想的には遠くに離しておくべきである。これは、環境の磁化率χが一般にχおよびχとは明確に異なるため、これらの端部の近傍に強い不均一性が生じるからである。
・ 磁化率が補正されたガラス製品を製造する技術は難しい。
・ 試料物質で使用される異なる溶媒は異なる磁化率を有する。したがって、試料容器の製造では、溶媒ごとに異なる原材料を使用しなければならない。
・ 内部境界面の形状は、回転楕円面によって区間として画定することができない。例えば、丸い密閉端を有する円筒形状は、既に磁場の不均一性をもたらしている。この状況が図4(b)に例示されている。
以下、本発明に係る試料容器について説明する。
本発明の着想がより適切に理解されるようにするために、「境界面」という用語をより厳密に定義する。境界面とは、異なる磁化率χを有する2つの領域を分離する表面として定義される。
NMR試料容器は2つの境界面、すなわち、内部および外部境界面を有する。内部境界面は、磁化率χを有する試料容器と磁化率χを有する試料物質(液体試料)との間にある。外部境界面は、試料容器と磁化率χを有する環境(例えば、空気)との間にある。
本発明の着想は、この2つの境界面において生じる不均一性が、試料物質の内部でほとんど相殺されるように、2つの境界面の形状を選択するものである。最も一般的に言えば、この問題を解決するためには、静磁気方程式の解を見つけることが第1に必要である(例えば非特許文献[4]参照)。
所与の形状に関して、異なる磁化率χ、χ、およびχを有する3つの領域Ω(環境)、Ω(試料容器壁)、およびΩ(試料容器中の液体試料)を分割する2つの境界面G(外部境界面)およびG(内部境界面)によって決定される場合(図7参照)には、以下の方程式、すなわち、
∇・B=0,∇×B=0,∇・H=0,∇×H=0
に対する解が見つけられねばならず、上式で、B=μ=μ(1+χ)Hの関係がそれぞれの領域Ωで成立する。したがって、∇Ψ=0およびH=−∇Ψである電位Ψが存在する。さらには、両境界面における以下の不連続条件が満足されねばならない。すなわち、
磁場の垂直成分に関して
(μ−μ)・n=0,∀x∈G
(μ−μ)・n=0,∀x∈G、および
正接成分に関して
(H−H)・t=0,∀x∈G
(H−H)・t=0,∀x∈Gとなる。これらの境界条件は、大きな絶対量xに関して、一定の背景磁場Hにlim(−∇Ψ)=Hを掛けたものによって与えられる。
所与の境界面に関する数値的な解は、市販のソフトウェアを使用して入手可能である。複雑な有限要素法(FEM)の代わりに、均等電流密度にわたる近似を使用しても、この問題に関して適切な結果を与える(|χ|<20ppm)。すべての実施例がこの方法によって計算されたので、以下の実施例では、この手法についてより詳細に説明する。適切な目的関数および探索アルゴリズムを使うことにより、測定容積の内部の摂動が最小化されるようにこの2つの境界面を調整することが可能である。
本明細書では、従来技術に勝る本発明の着想の利点が明白になる。上述の場合では、境界面の一方の影響が、この一方の境界面を被測定容積から遠くに離して位置決めすることによってのみ低減される。両方の境界面を考慮に入れることによって、応用分野に応じて、より小型化した形状が実現可能であり、これによりガラスや試料液体も節約でき、常に場所の節約ができる。
典型的には、試料容器が、円筒部分と密閉端とを備える。円筒表面は、一般円筒の表面によって画定される表面である。一般円筒は、円形断面積表面を有する知られた円形円筒ばかりでなく、他の可能な断面積表面形状もすべて含む。したがって、円筒表面は、円筒の長手軸方向における並進的な不変数(=z軸上の不変数)表面として画定され得る。
従来技術は、ほぼ半球面である密閉表面を含み、試料容器の壁厚は、これらの半球面領域内でほぼ一定である。ガラス部品で作製された平坦な密閉端も可能である。対応する磁場不均一性の低減は、密閉表面が被観察領域から十分に大きい距離(直径のほぼ2倍)を置くことによって実現される。
次に、補償効果の評価について説明する。
本発明の着想の背景は、内部および外部境界面によって生成された摂動の相互補償である。これらの2つの影響は特定の大きさを有することが許容されるが、最終的には可能な限り最大限度まで相殺されるべきである。対照的に、従来技術は、2つの境界面の影響の大きさを低減する手法を選択する。すなわち、内部境界面の影響が適切な材料および/または適切な形状の選択によって低減される一方で、外部境界面の影響は被測定容積からの十分に大きな距離によって低減される。
境界面の影響の分離
所与の方程式から、それぞれの境界面が試料容積に及ぼす影響を求めることが、純粋に計算によって可能である。このように計算された磁場の試料容積内部の標準偏差が、磁場の不均一性の尺度となる。この標準偏差の計算は、内部境界面によって生成された磁場についても、外部境界面によって生成された磁場についても、これら2つの組合せから得られる磁場についても行うことができる。本発明の試料容器は、2つの影響の組合せから生じる不均一性が、試料物質のみによって引き起こされる磁場の不均一性(χからχへのジャンプ)と比較される場合に、2つの影響の組合せは、磁場の不均一性の大幅な低減をもたらすことを特徴とする。これは、一定の小さい壁厚を有する、従来技術による典型的な試料容器に対応する。
したがって、次の数量が導入される。すなわち、
(1):χからχへの磁化率のジャンプに関して、外部境界面Gが引き起こす磁場のz成分
(2):χからχへの磁化率のジャンプに関して、内部境界面Gが引き起こす磁場のz成分
(3):χからχへの磁化率のジャンプに関して、内部境界面Gが引き起こす磁場のz成分
磁場の不均一性は平均値からの偏差によって説明され、試料容積中の平均値は、この場合の対象となるものである。すなわち、
外部磁場の磁場強度Bは、上の値の中に係数として含まれ、その結果は、Bに関する正規化による、形状および磁化率で特徴づけられる相対的な磁場変化F1、F2、およびF3となる。すなわち、
F1=(B (1)−<B (1)>)/B
F2=(B (2)−<B (2)>)/B
F3=(B (3)−<B (3)>)/B
不均一性の補償は、F1およびF2が別々にかなりの不均一性をそれぞれ示すときに行われると考えられるが、それらの組合せ効果F1+F2は、試料容積単独の摂動F3よりも小さい、明らかに低減した不均一性を呈する。
高解像度NMRの際に問題となる不均一性の範囲は、特許文献[2]の第1列、39〜42行の記載によって規定することができる。すなわち、生じる磁場の不均一性がシムコイルによって補償できるように、平坦境界面における2つの磁化率間の差が試料磁化率の10%未満であることが必要である。特許文献[2]における試料形状の場合では、境界面における相対磁場変化F2(この境界面でF2は最大値にある)は、F2=0.5・(χ−χ)である。試料磁化率χからの容器磁化率χの偏差が10%である場合に、試料磁化率に関する典型的な値χ=−10・10−6が挿入されると、F2の最大値は、ほとんどmax(F2)=0.5・10−6である。この値を超過する相対磁場変化は従来の設計では許容外であり、補償が必要である。
磁場の不均一性の評価では、平均値からの最大の偏差が重要であるばかりでなく、試料容積Vの中の全体的な状況も評価されなければならない。適切な値は、試料容積中の相対的な磁場変化の標準偏差、すなわち、
である。
不均一性は、組み合わされた相対的な磁場偏差(F1+F2)の標準偏差が、試料液のみに関する内部境界面の相対的な磁場変化F3の標準偏差未満であれば、すなわち、
F1の補償効果によってかなり低減される。
理想的な補償は、(F1+F2)の標準偏差を完全に排除するものであろう。
幾つかの応用分野では、磁場の平均値からの最大の偏差が、ある一定の臨界値を超過しないことが重要である。このような場合では、補償は、以下のタイプ(type)の条件、すなわち、
|F1+F2|≦0.5・10−6
が試料容積中のすべての位置で満たすことができる。
次に、本発明の新規である部分について説明する。
1.従来技術とは異なり、試料容器の外部境界面は、可能な限り遠くに離して位置決めされることはなく、試料容積の形状と、内部境界面によって引き起こされる磁場の不均一性とが組み合わされてほぼ均一な磁場をもたらす、環境への磁化率のジャンプとによって磁場強度分布を試料容積中に生成するために、内部境界面の近傍で使用される。
2.水および石英ガラスなどの発散磁化率を有する材料は、RFコイルがNMRスペクトルの品質を損なわないので、このコイルの直近に境界面を形成することが許容される。
3.強い常磁性物質を混合することによって、分析されるべき試料物質と同じ磁化率を有する容器を製造するという技術的に難しい点は、例えば、研磨することにより、試料容器を型削り(shaping)することによって、技術的により容易に実現される方法に置き換えることができる。試料容器は、同じ原材料から、様々な磁化率を有する溶媒と整合するように製造することが可能である。
次に、本発明の試料容器の実施例について説明する。
適切な結果を、相対的に単純な近似を使って実現することが今や可能である。したがって、この着想の効果を証明する際、単純な形状のみに注目する。回転楕円体の内部の磁場の大きさが閉じた関数として存在することを利用する。
z軸に平行な回転軸および均一な磁化率χを有する回転楕円体の形状を備える本体が、z軸に平行な外部の均一な磁場、すなわち、
の中に置かれる場合、本体内部の磁場は均一であり、本体内部で得られる磁場のz成分は、
=B(1+χg) (1)
として表現可能であり、上式でgは回転楕円体の半軸の比によって定義される幾何学形的係数である(例えば、非特許文献[1]参照)。
例示すると、回転楕円体の3つの実施例が存在する。外部磁場に垂直の両方向へ無限に延びる平板の場合では、この平板内部の磁場は磁化率に関わりなく外部磁場に等しく、すなわち、g=0である。外部磁場に平行な長く薄い円筒は、その磁化率に対応する内部磁場B=B(1+χ)を有し、すなわち、g=1である。球形では、磁化率はそれほど完全な効果を生じることはなく、g=2/3である。
ウルリッヒ(Ulrich)らの非特許文献[2]およびオズボーン(Osborn)の非特許文献[3]によれば、半軸a=aおよびa=qaを有する回転楕円体では、幾何学的係数gが、qの関数として表現可能である。すなわち、
この関数は、q∈[0,∞]では実の関数であり、q=1で除去可能な特異点を有する。g(1)=2/3が該当する。図3では、gは回転楕円体のアスペクト角αの関数として表される。アスペクト角と半軸の比との間の関係は、tanα=q=a/aによって定義される。
次に、回転楕円体を有する円筒試料容器の密閉端について説明する。
NMR分光法用の試料容器は、プローブの形状および容器を回転させる装置が存在するため、長い区間にわたって円筒形であることが好ましい。その設計に残る1つの自由は、試料容器の端部の形状選択である。円筒部分を細長い回転楕円体に移行させることが明らかな解決策である。しかし、このような試料容器の内部の磁場はもはや均一ではない。特に、円筒から回転楕円体に移行する近傍では、磁場が、位置に応じて相対的に大きな程度に変化する。図4(b)は、このような形状を有する本体の軸に沿った磁場強度分布を示す。回転楕円体によって密閉された円筒本体の軸に沿った磁場強度分布は、本質的に3つのパラメータにより特徴付けられる。すなわち、
1.最も急峻な磁場勾配を有するz方向の位置。これは、円筒表面が楕円表面に移行する位置である。図のz軸は、この位置にz=0が該当するように選択される。
2.z方向における移行領域の範囲。この値は円筒半径と共に変わる(図4(b)の41)。
3.楕円体中の磁場強度と円筒部分中の磁場強度との間の差(図4(b)の42)。
ジャンプ直後の対称軸上の磁場強度は数式(1)によって決定され、他方で円筒部分中の磁場強度は、本体の内部から外部への磁化率χのジャンプのみによって決定される。
次に、試料物質および試料容器に関する整合条件について説明する。
試料物質内部の磁場は、2つの境界面によって引き起こされる不均一性が等しいが反磁場である場合に均一になる。
2つの境界面が回転楕円体によって密閉された円筒である特殊な場合に、上述の3つの条件を具備するには、次の条件を満たさなくてはならない。すなわち、
1.楕円体への形状変化は、内部境界面および外部境界面に関して同じz座標位置(すなわち、同じ位置における最大勾配)で行われなければならない。
2.2つの境界面の回転軸に垂直である半径(円筒半径および半軸a)の違いはほんのわずかでなければならず、すなわち、形状変化する領域は同等のサイズである。
3.2つの境界面の相違点、すなわち、上記第3の条件は、大きさは等しいが正負の符号が逆であるものでなくてはならない。これは整合条件、すなわち、
(χ−χ)(1−g(α))=−(χ−χ)(1−g(α)) (3)
をもたらす。
χ=0(真空または窒素外部)の場合には、磁化率の比は下式によって与えられる。すなわち、
楕円面2はあらゆる箇所が楕円面1の内部に存在しなければならず、それによって0<α≦α<90°となり、かつgの単調な性質によって0≦g(α)<g(α)≦1となる。したがって、(1−g(α))>0および(g(α)−g(α))>0が共に該当する。すなわち、χおよびχの正負の符号を同一とした後に、整合条件を満足させなければならない。しかも、
|χ|≧|χ| (5)
を満足させなければならない。すなわち、試料容器に関して、磁化率の絶対値が試料物質の磁化率の絶対値よりも大きい磁化率のみが許容可能である。
次の実施例において、整合条件の1つの方程式を当てはめることだけによって、特許文献[2]において要求された不均一性に対する補償をどのようにして実現したかを示す。図5A〜図5Cおよび図6A〜図6Cにおける計算された磁場強度分布は、この単純な近似であってもいかに十分に有効であるかを明らかにするために、均等電流密度法によって求められた。
平坦な端部内面(平坦な底)
試料物質の領域をRFコイルの境界に可能な限り近づけたところに収めることが目的であれば、内部境界面の端部は平坦であることが望ましい。ここでα=0とすれば、g(α)=0となる。その場合に、整合条件は、
であり、半球(すなわちα=45°)外部の場合では、χ=3/2χとなる。試料容器を試料物質に対して最適とするための精細な補正は、外部表面の形状に対する(すなわち、係数g(α)に対する)技術的に容易に実施される補正によって実行可能である。
図5Bは、この整合条件(53)が満たされたときに実現される、試料容積中の磁場強度分布を示す。比較のために、外部境界面への適合がされていないときの磁場強度分布を示す(これは、全面が薄い壁からなる試料容器によって技術的に実現可能である)(54)。
特許文献[2]では、生じる磁場不均一性がシムコイルによって補償可能であるように、平坦な境界面における2点の磁化率間の差が試料磁化率の10%未満であることが要求される。本実施例の独創的な構成では、半球外部表面は、試料磁化率の50%の磁化率のジャンプを補償する。これにより、驚くべきことには、より広範に発散する磁化率を有する材料を組み合わすことができる。
半球内面
内部表面が密閉端として半球である場合、α=45°が該当するので、g(α)=2/3となる。かかる場合、整合条件は下式となる。すなわち、
例えば、χ=3/2χが選択される場合、α≒71°のとき、すなわちq≒3であるときに整合条件を満足する。
図6は、この整合条件が満たされたときに実現される、試料容積中の磁場強度分布を示す。比較のために、外部境界面への適合がされていないときの磁場強度分布を示す(これは、全面が薄い壁からなる試料容器によって技術的に実現可能である)。
典型的な磁化率の値
高解像度NMR分光法は、水に溶けた物質を分析するために頻繁に使用される。さらに頻繁に使用される溶媒はアセトンである。試料容器を製造する場合、ホウケイ酸ガラスが特に適している。石英ガラスも使用される。これらの物質の磁化率の値は以下の通りである。
水:−9.05×10−6
アセトン:−5.80×10−6
ホウケイ酸ガラス:−11.0×10−6
石英ガラス:−15.0×10−6
例えば、平坦な端部が内部表面に選択される場合に、この磁化率の値を数式(7)に代入すると、外部楕円面は以下に示すアスペクト角となり、そのアスペクト角において磁場が均一になる。試料容器の材料と溶媒との組合せに応じて、次の結果が得られる。
水/ホウケイ酸ガラス:63°
アセトン/ホウケイ酸ガラス:32°
水/石英ガラス:38°
アセトン/石英ガラス:20°
試料容器の範囲
今や、異なる溶媒がNMR分析室で使用される場合に、すべてが同じ材料からなるが、異なる形状を有する幾つかの試料容器を提供することが可能である。それぞれの測定では、生じる磁場不均一性が最小限に留まるように、試料物質の磁化率χを整合させるために試料容器の適切な種類が選択される。
次に、均等電流密度による解決策を説明する。
任意の形状の境界面が磁場に及ぼす影響は、次のようにモデル化され得る。
外部磁場Bがz成分のみを有するように座標系を定義するものとする。次いで、2つの材料が配置される領域が、厚さdzを有するスライス部に分割される。Bに垂直な各スライス部において、このとき限界曲線がx−y−平面内に生じる。電流、すなわち、
が、この曲線に沿って流れる。上式で、χはこの曲線内にある材料全体の磁化率であり、χはそれ以外の部分材料の磁化率であり、かつ電流は、z軸に対して正の回転方向に正の符号を有する。このように決定された電流によって生成される磁場は、ビオ−サバール(Biot−Savart)の方程式を当てはめることによって、空間中の任意の点に関して計算可能である。
図4、図5、および図6に示した、磁場のz成分の分布は、このようにして回転軸上の点に関して計算されたものである。
以下、各図について説明する。
図1:
試料物質(12)で満たされている、高解像度NMR分光法で使用される試料容器(11)の典型的な形状の長手断面である。容器の3次元形状は、一点鎖線によって示された軸回りに回転対称であるものとして考えられるべきである。試料容器の外側のRFコイル(13)を通る径方向断面が示されている。長手方向におけるRFコイルの範囲は、NMR信号に寄与する、分析されるべき液体の容積部分(14)を決定する。当該容積部分の範囲(被測定領域)(14)が破線によって示される。十分な量の試料物質が利用可能であれば、本図に示された形状の試料容器が使用される。
図2:
試料容積内部で磁場不均一性を引き起こすことなく液量の低減を可能とする、公知の試料容器の長手断面である。
図2(a):
シゲザネ(Shigezane)の特許文献に記載される試料容器である。容器(21)および密閉端(22)の磁化率が試料物質(23)の磁化率にほぼ一致するように選定される。
図2(b):
フジタ(Fujita)の特許文献に記載される試料容器である。試料容積は、この容器と球形境界面(24)を形成する。
図2(c):
カミングス(Cummings)の特許文献に記載される、下部(25)および上部(26)成形インサートを有する試料容器である。2つの成形インサートは、試料物質と面する回転楕円面の形状にある境界面(27)を形成する。2つの成形インサートは、従来の試料容器(28)の中に配置可能である。
図3:
アスペクト角αに依存する、回転楕円面に関する磁気幾何学的係数gである。図表の中に挿入された図面は、角αの定義を例示する。zと表示された軸は回転軸である。
図4:
内部と外部との間で磁化率χのジャンプが行われる境界面によって引き起こされた相対的な磁場変化である。境界面は、円筒の部分及び回転楕円面を形成するそれ以外の部分によって画定される。
図4(a):
当該回転立体の長手断面である。z=0は、上記2つの形状夫々への形状変化が開始するz方向における位置である。上記円筒および回転楕円体によって共有される半径は、rで示されている。
図4(b):
回転軸上の相対的な磁場変化(B−B)/(χB)である。(41)は、円筒における磁場と回転楕円体における磁場との間の移行領域の範囲を示す。(42)は、楕円体中の一定の位置での磁場強度と円筒部分中の磁場強度との間の差を示す。
図5A〜図5C:
本発明による試料容器の内部境界面及び外部境界面の組合せの実施例である。本実施例では、平面E0の下方に、内部境界面の平坦な密閉端(51)および外部境界面(すなわち、45度のアスペクト角)の半球密閉端(52)が選定されている。
図5A:
試料容器および試料物質の長手断面である。z軸の原点および方向は、それらが図5Bで使用されるとき、図表の左側に描かれる。
図5B:
試料物質の磁化率および試料容器の磁化率が、方程式(6)から得られる整合条件を満足させる場合に関する試料容積内部のシミュレートされた相対的な磁場変化(B−B)/(χ)である。このときの環境の磁化率は、χ=0であり、かつ磁化率χ対磁化率χの比は、χ/χ=3/2(53)である。磁場は試料容器の軸上で計算された。比較のために、相対的な磁場変化が、試料物質のみが磁場変化に対して寄与する場合や(54、F3とも呼ばれる)、および空の試料容器のみが磁場変化に対して寄与する場合(55)に関しても描かれている。(54)および(55)の磁場不均一性により組合せた磁場(53)がほぼ均一となるように、両磁場の大きさを本質的に等しくかつその正負の符号を反対にする。
図5C:
図5Bの実施例の外部および内部境界面によって引き起こされる相対的な磁場変化F1、F2、および(F1+F2)が示されている。磁化率に関して、次の値が選択された。すなわち、χ=0、χ=−15ppm、χ=−10ppmである。
(56):得られる磁場変化(F1+F2)
(57):内部境界面によって引き起こされる磁場変化F2
F2=(B (2)−<B (2)>)/B
(58):外部境界面によって引き起こされる磁場変化F1
F1=(B (1)−<B (1)>)/B
図6A〜図6C:
本発明による試料容器の内部境界面及び外部境界面の組合せの変形例である。本変形例では、平面E0の下方に、内部境界面の半球密閉端(61)および細長い回転楕円面の形状を有する外部境界面の密閉端(62)が選定された。
図6A:
試料容器および試料物質の長手断面である。外部回転楕円面は約71度のアスペクト角を有する。z軸の原点および方向は、それらが図6Bで使用されるとき、図表の左側に描かれる。
図6B:
試料物質の磁化率および試料容器の磁化率が、方程式(7)から得られる整合条件を満足させる場合に関する試料容積内部のシミュレートされた相対的な磁場変化(B−B)/(χ)である。このときの磁化率χ対磁化率χの比はχ/χ=3/2(63)である。磁場は試料容器の軸上で計算された。比較のために、相対的な磁場変化が、試料物質のみが磁場変化に対して寄与する場合(64、F3とも呼ばれる)、および空の試料容器のみが磁場変化に対して寄与する場合(65)に関しても描かれている。(64)および(65)の磁場不均一性により組合せた磁場(63)がほぼ均一となるように、両磁場の大きさを本質的に等しくかつその正負の符号を反対にする。
図6C:
図6Bの変形例の外部および内部境界面によって引き起こされる相対的な磁場変化F1、F2、および(F1+F2)が示されている。磁化率に関して、次の値が選択された。すなわち、χ=0、χ=−15ppm、χ=−10ppmである。
(66):得られる磁場変化(F1+F2)
(67):内部境界面によって引き起こされる磁場変化F2
F2=(B (2)−<B (2)>)/B
(68):外部境界面によって引き起こされる磁場変化F1
F1=(B (1)−<B (1)>)/B
図7:
タスクに関する領域および境界面を一般項で表すと、
(71):Ω、磁化率χを有する環境
(72):Ω、磁化率χを有する容器
(73):Ω、磁化率χを有する試料物質
(74):G、ΩとΩとの間の境界面
(75):G、ΩとΩとの間の境界面である。
図8:
本発明に係る試料容器上の領域および境界面である(図6Aに示された試料容器も参照されたい)。本発明に係るNMR試料容器80は、磁化率χを有する容器材料86からなる。その内部にあって磁化率χの液体NMR試料87で満たされている試料容積88と面する部分について、容器の境界は内部境界面Gによって画される。試料容器80は、外部と面する部分、すなわち、磁化率χを有する環境85と面する部分について、その境界が外部境界面Gによって画される。外部境界面G1は、外部円筒表面81および外部密閉表面82からなる。内部境界面Gは、内部円筒表面83および内部密閉表面84を備える。NMR試料容器80は回転対称であり、図示の実施例では円形断面を有する。NMR測定では、典型的に液体測定試料87の信号が測定範囲89から記録される。
特許文献[1]エー ピー ゼンス(A.P.Zens)「Controlled Susceptibility Plugs」、米国特許第4549136号(1985年)。
特許文献[2]エム シゲザネ(M.Shigezane)ら「Sample Tube for Nuclear Magnetic Resonance Apparatus」、米国特許5831434号(1998年)。
非特許文献[1]ジェイ シー マクスウェル(J.C.Maxwell)「A Treatise on Electricity and Magnetism」、ドーバー出版(Dover Publications)、ニューヨーク市、1954年、第3版、第2巻、66〜70頁。
特許文献[3]エム フジタ(M.Fujita)、日本国特許第6249934号(1994年)。
特許文献[4]エム ディー カミングス(M.D.Cummings)「NMR Sample Shaper」、米国特許第5302900号(1994年)。
非特許文献[2]アール ウルリッヒ(R.Ulrich)ら「Susceptibility corrections in solid state NMR experiments with oriented membrane samples:Part II:Theory」磁気共鳴学会誌(J.Magn.Reson.)164、115〜127頁(2003年)。
非特許文献[3]ジェイ エー オズボーン(J.A.Osborn)「Demagnetizing Factors of the General Ellipsoid」、フィジクス レビュー(Phys.Rev.)67、351〜357頁(1945年)。
非特許文献[4]ジェイ ディー ジャクソン(J.D.Jackson)「Classical Electrodynamics」、ジョン ワイリー(John Wiley)刊、ニューヨーク市、1998年、第3版。
一定の壁厚を有する、従来技術に係るNMR試料容器の概略構成を示す断面図である。 従来技術に係るNMR試料容器の概略構成を示す断面図であり、(a)は特許文献[2]記載のものでり、(b)は特許文献[3]記載のものであり、(c)は特許文献[4]記載のものである。 磁気幾何学的係数gをアスペクト角αの関数として説明するグラフである。 回転立体を説明するのに用いられる図であり、(a)は回転立体を概略構成を示す長手断面図を示し、(b)は(a)に示した回転立体の軸上の相対的な磁場変化を説明するためのグラフを示す。 平坦な内部密閉表面を有する本発明の試料容器概略構成を示す断面図である。 図5Aに示した本発明の試料容器の内部の、相対的な磁場変化、特に、F3を説明するためのグラフである。 図5Aに示した本発明の試料容器の内部の、相対的な磁場変化、特に、F1およびF2を説明するためのグラフである。 楕円内部密閉表面を有する本発明の変形例に係る試料容器概略構成を示す断面図である。 図6Aに示した本発明の試料容器の内部の、相対的な磁場変化、特に、F3を説明するためのグラフである。 図6Aに示した本発明の試料容器の内部の、相対的な磁場変化、特に、F1およびF2を説明するためのグラフである。 本発明に係る領域および境界面を説明するために用いられる、一般化された試料容器を示す図である。 本発明に係る領域および境界面を説明するために用いられる、本発明の試料容器を示す図である。
符号の説明
80 NMR測定用の試料容器
81 外部円筒表面
82 外部密閉表面
83 内部円筒表面
84 内部密閉表面
85 環境
86 容器材料
87 液体試料
88 試料容積
G1 外部境界面
G2 内部境界面

Claims (12)

  1. NMR測定用の試料容器(80)であって、
    磁化率χの容器材料(86)を含み、
    環境(85)に対して前記試料容器(80)の境界を画する外部境界面(G1)と、
    試料容積(88)に対して前記試料容器(80)の境界を画する内部境界面(G2)とを備え、
    前記外部境界面(G1)は、
    円筒包絡面として構成され、前記包絡面の対称軸軸である外部円筒表面(81)と、
    下端で前記試料容器(80)の底を密閉し、かつ前記外部円筒表面(81)に接合される外部密閉表面(82)とを備え、
    前記内部境界面(G2)は、
    円筒包絡面として構成され、前記包絡面の対称軸が前記zと平行に位置合わせされる内部円筒表面(83)と
    下端で前記試料容積(88)の底を密閉し、かつ前記内部円筒表面(83)に接合される内部密閉表面(84)とを備え、
    前記外部境界面(G1)および前記内部境界面(G2)については、
    前記試料容積(88)中に磁化率χの液体試料(87)が存在する下で、磁化率χを有する環境(85)の中に前記試料容器(80)が配置され、かつ前記z軸に平行な外部均一磁場Bが印加されるとき、
    前記外部境界面(G1)が、前記試料容積(88)の領域内のχからχへの磁化率のジャンプにより、前記試料容積中の平均値<B (1)>を有する磁場B (1)を発生させ、したがって前記試料容積の少なくとも一部の中に、0.5・10−6以上の絶対値を有する第1の相対的な磁場変化F1=(B (1)−<B (1)>)/Bを引き起こし、
    前記内部境界面(G2)が、前記試料容積(88)の領域内のχからχへの磁化率のジャンプにより、前記試料容積中の平均値<B (2)>を有する磁場B (2)を発生させ、したがって前記試料容積の少なくとも一部の中に、0.5・10−6以上の絶対値を有する第2の相対的な磁場変化F2=(B (2)−<B (2)>)/Bを引き起こし、
    前記内部境界面(G2)が、前記試料容積(88)の領域内のχからχへの磁化率のジャンプにより、試料容積中の平均値<B (3)>を有する磁場B (3)を発生させ、したがって第3の相対的な磁場変化F3=(B (3)−<B (3)>)/Bを引き起こすものとする場合に、次式、すなわち、

    の関係が成立するように、前記第1の相対的な磁場変化F1と前記第2の相対的な磁場変化F2とが前記試料容積(88)Vの中でほとんど相殺される関係が成立するように前記外部境界面(G1)及び前記内部境界面(G2)の各形状が選択されることを特徴とする試料容器(80)。

  2. の関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の試料容器(80)。
  3. 前記試料容積(88)全体を通じて、
    |F1+F2|≦0.5・10−6の関係が成立することを特徴とする請求項1又は2記載の試料容器(80)。
  4. χχ>0かつ|χ|>|χ |の関係が成立することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の試料容器(80)。
  5. 前記試料容器(80)はホウケイ酸ガラスまたは石英ガラスから作製されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の試料容器(80)。
  6. 前記試料容器(80)は、環境(85)が、空気、窒素ガス、または不活性ガスである場合に、χに対して指定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の試料容器(80)。
  7. 前記試料容器(80)は、液体試料溶媒(87)が水またはアセトンである場合に、χに対して指定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の試料容器(80)。
  8. 前記試料容器(80)は、それが前記zに対して回転対称であるように構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の試料容器(80)。
  9. 前記外部密閉表面(82)および前記内部密閉表面(84)はそれぞれが半楕円面、つまり、回転楕円面であって、その回転軸に垂直に半分割された回転楕円面として定義されるもので構成され、
    前記外部境界面(G1)および前記内部境界面(G2)のそれぞれが、前記z軸の方向における同じ位置で前記密閉表面(82、84)から前記円筒表面(81、83)に移行し、
    かつ次式、すなわち、
    (χ−χ)(1−g(α))=−(χ−χ)(1−g(α))
    の関係がほぼ成立し、
    上式で、
    α=前記外部密閉表面(82)の前記半楕円面のアスペクト角、
    α=前記内部密閉表面(84)の前記半楕円面のアスペクト角、

    であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の試料容器(80)。
  10. 次式、すなわち、
    (χ−χ)(1−g(α))=−(χ−χ)(1−g(α))・U
    U:0.95以上1.05以下の定数
    の関係が成立することを特徴とする請求項9記載の試料容器(80)。
  11. 前記試料容器(80)の底の厚みは、3mm以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の試料容器(80)。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載のNMR試料管(80)の前記外部および内部境界面(G1、G2)の形状を決定する方法であって、
    前記境界面(G1、G2)の形状を画定するパラメータを定義するステップと、
    パラメータの任意の組合せに関して計算可能な費用関数であって、かつ、前記費用関数の値が小さい程磁場均一性が向上するように構成され、前記費用関数は数式に次の項、すなわち、

    を有する項を含み、F1、F2、およびVが請求項1に示す関係が成立するように決定される、費用関数を定義するステップと、
    前記費用関数の最小値を決定するパラメータの組を求めるために数値最適化アルゴリズムを適用するステップと、
    を特徴とする方法。
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