JP4951415B2 - 生体認証システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1(特開2003−186836号公報)には、ユーザの過去の使用履歴に基づいて、入力すべき生体情報を本人が認証され易い方から順に並べ、認証の際には生体情報が入力されるたびに照合、判定を逐次行ない、十分確信が得られた時点で認証を終了する複合認証が開示されている。これにより、複合認証において、認証に必要な生体情報の入力回数を削減することができ、利便性が向上される。
これらは、ユーザの生体情報の平均入力回数を最小化する上での課題であり、複数の生体情報を用いた従来の認証は利便性の点で改善の余地がある。
該センサより得られたユーザの該生体情報をテンプレートとして登録するデータベースを有し、
該処理装置は、該センサより得られたユーザの該生体情報を、該データベースに登録された該ユーザのテンプレートと比較して照合スコアを算出する生体情報照合手段と、該生体情報照合手段によって求められた複数種類の該生体情報に対する該照合スコアから、逐次確率比検定を用いて統合的に本人判定を行なう本人判定手段と、複数種類の該生体情報に対して、それぞれユーザ毎に、本人の生体情報同士の照合スコアの分布(本人分布)と本人と他人の生体情報の照合スコアの分布(他人分布)を求める分布推定手段と、該分布推定手段によって求められた複数種類の該生体情報に対する該本人分布と該他人分布から、カルバック・ライブラ距離を求める分布間距離算出手段と、該分布間距離算出手段によって求められた該カルバック・ライブラ距離の大きい順となるように、複数種類の該生体情報の入力順序を決定する入力順序最適化手段と、該入力順序最適化手段によって決められた該入力順序に基づいて、入力順序を最終的に決定する入力順序決定手段と、該入力順序決定手段によって最終的に決定された該入力順序に従って、入力すべき該生体情報を指示する入力生体情報指示手段と、を有する生体認証システムとして構成される。
また、好ましくは、前記分布推定手段は、該ユーザ本人の過去の使用履歴に加えて、該ユーザ本人以外の過去の使用履歴も利用して、該本人分布や該他人分布を推定する。
また、好ましくは、前記入力順序決定手段は、前記入力順序最適化手段によって当初決定された該ユーザの複数の生体情報の入力順序を変更し、前記入力生体情報指示手段は、変更された該入力順序をユーザに提示する。
一例では、前記入力順序決定手段は、擬似乱数発生器により生成された乱数に基づいて、該複数の生体情報の入力順序を最終的に決定する。
また、本発明に係る生体認証用プログラムは、上記認証システムにおける上記手段を、CPUで実行するプログラムとして構成される。
また、当初決定された複数の生体情報の入力順序を変更することにより、入力順序が後方に位置付けられている生体情報に対する、ユーザの過去の使用履歴の更新頻度が上がり、本人分布と他人分布の推定精度が向上する。
図1は、生体認証システムの構成例を示す。
このシステムは、生体情報の入力順序の最適化機能を持たせた複合認証システムであり、それぞれ異なる生体情報(生体情報1〜N)を取得することができる複数の入力センサ1001〜100N(これらを総称して100と示す)と、取得した生体情報を用いて複合認証、及び生体情報の入力順序最適化の処理を行なう端末110から構成される。
HDD202には上記DB118が形成される。また、メモリ201には、本実施例に係る生体認証処理のためのアプリケーションプログラムが格納され、このプログラムがCPU200で実行されることで、上記各機能111〜117が実現される。
なお、この例では端末110と称しているが、これは上記構成を持つコンピュータであってもよいし、或いは小型のデバイスでもよい。
端末110は、生体情報の入力回数iを1に、累積スコアの初期値Z0を1に初期化する(S301)。
次に、端末110はユーザID121の入力を受け付ける(S302)。なお、ユーザID121の入力は、ICカードを用いても良いし、キーボード操作によるものでも良い。
端末110は、DB118にある入力ユーザIDのテンプレート情報122から、生体情報oiの登録テンプレートを取得し、入力された生体情報(以後、入力生体情報という)と登録テンプレートを照合し、照合スコアsiを算出する(S306)。登録テンプレートが複数存在する場合、そのいずれか一つを選択して照合スコアsiとしても良い。又はその全てに対する照合スコアの平均を算出して、それを照合スコアsiとしても良い。
次に、端末110は、生体情報の入力回数iをプラス1して(S311)、S304の処理に戻る(S312)。
端末110は、入力ユーザIDに対して入力順序最適化処理を行なう(S314)。入力順序最適化処理の具体的な方法は、次に説明する。
端末110は、DB118から全てのユーザID121のスコア情報123を取得する。これらを用いて、生体情報毎に、入力順序最適化を施すユーザID121(以後、最適化対象ユーザID)の本人分布fG(s)、他人分布fI(s)を推定する(S401)。分布の推定方法については後で詳述する。
更に、端末110は、分布間距離に基づいて生体情報の入力順序を最適化し、その入力順序情報をデータベースに送る(S403)。入力順序を最適化する方法については後で詳述する。
log(fG(s)/fI(s))は、次に説明する分布推定方法と同じ枠組みでfG(s)、fI(s)の分布を推定してから求めても良いし、非特許文献1に記載のロジスティック回帰を適用して求めても良い。
まず、生体情報毎にfG(s)、fI(s)を最尤推定によって求める方法を述べる。fG(s)を例として説明する。fG(s)が正規分布に従うと仮定したとき、その平均値、分散値μML、σ2 MLを推定できれば良い。DB118から取得した最適化対象ユーザIDのスコア情報123に、本人との照合スコアsG1、sG2、・・・、sGK(K個あると仮定)が格納されていたとすると、最尤推定では、
μML=ΣsGk/K
σ2 ML=Σ(sGk−μML)2/K
と推定する(1≦k≦K)。
μMAP=μ´
σ2 MAP=β´/α´
として求めることができる。但し、
μ´=(τμ+nμML)/(τ+n)
β´=β+nσ2 ML/2+τn(μML−μ)2/2(τ+n)
α´=α+n/2
τ=Σσ2 m/Σ(μm−μ)2
μ=Σμm/M
β=1
α=M/Σσ2 m
である。fI(s)に対しても同様に求めることができる。
まず、生体情報毎に本人分布fG(si)と他人分布fI(si)の分布間距離として、カルバック・ライブラ距離∫fG(si)log(fG(si)/fI(si))dsiを求める。fG(si)が平均値μG、分散値σ2 Gの正規分布であり、fI(si)が平均値μI、分散値σ2 Iの正規分布である場合、カルバック・ライブラ距離は、−1/2−log(σG/σI)+{σ2 G+(μI−μG)2}/2σ2 Iとして求められる。
111:入力順序決定機能 112:入力生体情報提示機能
113:生体情報照合機能 114:本人判定機能
115:分布推定機能 116:分布間距離算出機能
117:入力順序最適化機能 118:データベース
120:ユーザ登録データ 121:ユーザID
122:テンプレート情報 123:スコア情報
124:入力順序情報 200:CPU
201:メモリ 202:HDD
203:入力装置 204:出力装置
Claims (9)
- ユーザの複数種類の生体情報を取得する1又は複数のセンサと、該センサから得られた複数の生体情報を用いてユーザの認証処理を行う処理装置と、を有する生体認証システムであって、
該センサより得られたユーザの該生体情報をテンプレートとして登録するデータベースを有し、
該処理装置は、
該センサより得られたユーザの該生体情報を、該データベースに登録された該ユーザのテンプレートと比較して照合スコアを算出する生体情報照合手段と、
該生体情報照合手段によって求められた複数種類の該生体情報に対する該照合スコアから、逐次確率比検定を用いて統合的に本人判定を行なう本人判定手段と、
複数種類の該生体情報に対して、それぞれユーザ毎に、本人の生体情報同士の照合スコアの分布(本人分布)と本人と他人の生体情報の照合スコアの分布(他人分布)を求める分布推定手段と、
該分布推定手段によって求められた複数種類の該生体情報に対する該本人分布と該他人分布から、カルバック・ライブラ距離を求める分布間距離算出手段と、
該分布間距離算出手段によって求められた該カルバック・ライブラ距離の大きい順となるように、複数種類の該生体情報の入力順序を決定する入力順序最適化手段と、
該入力順序最適化手段によって決められた該入力順序に基づいて、入力順序を最終的に決定する入力順序決定手段と、
該入力順序決定手段によって最終的に決定された該入力順序に従って、入力すべき該生体情報を指示する入力生体情報指示手段と、を有することを特徴とする生体認証システム。 - 前記分布推定手段は、ユーザ本人の過去の使用履歴を利用して、該本人分布と該他人分布を推定することを特徴とする請求項1の生体認証システム。
- 前記分布推定手段は、該ユーザ本人の過去の使用履歴に加えて、該ユーザ本人以外の過去の使用履歴も利用して、該本人分布や該他人分布を推定することを特徴とする請求項2の生体認証システム。
- 前記入力順序決定手段は、前記入力順序最適化手段によって当初決定された該ユーザの複数の生体情報の入力順序を変更し、前記入力生体情報指示手段は、変更された該入力順序をユーザに提示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの生体認証システム。
- 前記入力順序決定手段は、該ユーザの複数の生体情報の後方に位置付けられている生体情報のスコア情報の更新頻度を上げるように変更することを特徴とする請求項4の生体認証システム。
- 前記入力順序決定手段は、擬似乱数発生器により生成された乱数に基づいて、該複数の生体情報の入力順序を決定することを特徴とする請求項4の生体認証システム。
- センサより得られた、ユーザの複数種類の生体情報を用いて認証処理を行う生体認証処理方法であって、
該センサより得られたユーザの該生体情報を、データベースに予め登録された該ユーザのテンプレートと比較して照合スコアを算出する生体情報照合ステップと、
該生体情報照合によって求められた複数種類の該生体情報に対する該照合スコアから、逐次確率比検定を用いて統合的に本人判定を行なう本人判定ステップと、
複数種類の該生体情報に対して、それぞれユーザ毎に、本人の生体情報同士の照合スコアの分布(本人分布)と本人と他人の生体情報の照合スコアの分布(他人分布)を求める分布推定ステップと、
該分布推定によって求められた複数種類の該生体情報に対する該本人分布と該他人分布から、カルバック・ライブラ距離を求める分布間距離算出ステップと、
該分布間距離算出によって求められた該カルバック・ライブラ距離の大きい順となるように、複数種類の該生体情報の入力順序を決定する入力順序最適化ステップと、
該入力順序最適化によって決定された該入力順序に基づいて、入力順序を最終的に決定する入力順序決定ステップと、
該入力順序決定によって最終的に決定された該入力順序に従って、入力すべき該生体情報を指示する入力生体情報指示ステップと、を有することを特徴とする生体認証方法。 - 当初決定された該ユーザの複数の生体情報の入力順序を時々変更し、変更された該入力順序をユーザに提示することを特徴とする請求項7の生体認証方法。
- CPUで実行されることにより、センサから得られたユーザの複数種類の生体情報を用いて認証処理するプログラムであって、
該センサより得られたユーザの該生体情報を、データベースに予め登録された該ユーザのテンプレートと比較して照合スコアを算出する生体情報照合手段と、
該生体情報照合手段によって求められた複数種類の該生体情報に対する該照合スコアから、逐次確率比検定を用いて統合的に本人判定を行なう本人判定手段と、
複数種類の該生体情報に対して、それぞれユーザ毎に、本人の生体情報同士の照合スコアの分布(本人分布)と本人と他人の生体情報の照合スコアの分布(他人分布)を求める分布推定手段と、
該分布推定手段によって求められた複数種類の該生体情報に対する該本人分布と該他人分布から、カルバック・ライブラ距離を求める分布間距離算出手段と、
該分布間距離算出手段によって求められた該カルバック・ライブラ距離の大きい順となるように、複数種類の該生体情報の入力順序を決定する入力順序最適化手段と、
該入力順序最適化手段によって決められた該入力順序に基づいて、入力順序を最終的に決定する入力順序決定手段と、
該入力順序決定手段によって最終的に決定された該入力順序に従って、入力すべき該生体情報を指示する入力生体情報指示手段と、を実現することを特徴とする生体認証処理プログラム。
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