JP4951257B2 - パンツ型おむつ - Google Patents

Description

この発明はパンツ型おむつに関し、特に使用後におむつの対向側縁を破断して廃棄する使い捨てパンツ型おむつに関する。

従来、使用後に対向側縁部を破断する構造の使い捨てパンツ型おむつが知られている。例えば特許文献１には、吸収体を備え、不繊布等からなる外装材を長手方向に折重ねて対向側縁をヒートシール等で接合したサイドシールパターンを有するパンツ型使い捨ておむつにおいて、上記のサイドシールパターンが上下の引き剥がし方向に沿って連続的または断続的に配列された複数個の単位構成要素の集合体であり、これら各単位構成要素は、引き剥がし始点から引き剥がし終点に至る引き剥がし方向に直交する横方向の巾の長さの変化が、引き剥がし始点から始まって巾が緩やかに増加して最大巾に達した後、緩やかに減少して終点に至る軌線をとるものであることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつが開示されている。
特開２００３−３３９７７２号公報（段落００１３〜００１４、図３）

特許文献１によれば、引き剥がし方向には破れ易くその直交方向には破れにくいシールパターンを有する、前身頃と後身頃の対向側縁をヒートシール等で接合したパンツ型おむつが提供される。
しかし、このパンツ型おむつの側縁を破るときは、まずおむつの胴周り開口の例えば一側を両手で掴んで捻るようにして破り、次に同様にして他側を破らなければならなかった。このため手間がかかり、特に幼児からパンツ型おむつの両側縁を破って取り外すときは不便であった。

上記の問題点を解決するため、本発明は使用後に片手で側縁を破ることができる使い捨てのパンツ型おむつを提供することを目的とする。

前記課題を解決するための本発明は、前身頃と後身頃とをこれらの対向側縁の接合部で接合し、胴周り開口と一対の脚周り開口とを形成してあって、使用後に前記接合部が破断されて廃棄されるパンツ型おむつを改良することにある。

本発明が特徴とするところは、前身頃と後身頃とが接合部で接合部材を介して接合され、この接合部材には、接合部材と一体に形成される把持部と、把持部から胴周り開口および脚周り開口に向けて延びる破断誘導部とが設けられており、前記接合部材は前記前身頃に対して前記前身頃の上下方向において互いに離間する取付部に接合されていて、前記把持部が前記離間する取付部の間に２本の切れ目を入れることにより形成されており、前記把持部の付け根における２本の前記切れ目のそれぞれから前記破断誘導部が延びていて、前記破断誘導部が、前記切れ目のそれぞれから前記胴周り開口および前記脚周り開口のそれぞれに向けて所定の間隔をあけて並ぶ前記接合部材における複数の切込みであることである。

本発明には、好ましくは、次のような実施態様を含む。
切込みは、把持部から胴周り開口および脚周り開口に向けて所定の間隔をあけて階段状に並ぶ複数の切込みであり、その長手方向と直交する方向に投影したとき隣接する切込みどうしが一部重なり合う。
接合部材が繊維不織布であり、不織布を構成する繊維は一方向への配向性を有し、繊維の長さより切込みの長さの方が短く、さらに隣接する切込み間の間隔は切込みの長さと同じか短く、切込みの長手方向が繊維不織布の繊維の配向方向と直交するように形成されている。

本発明のパンツ型おむつは、前身頃と後身頃とを接合部で接合部材を介して接合し、接合部材には、この接合部材と一体に形成される把持部と、把持部から胴周り開口および脚周り開口に向けて延びる破断誘導部とが設けられているので、片手で把持部を掴んで引っ張ることにより、接合部材の把持部から延びる破断誘導部に沿って胴周り開口および脚周り開口まで破断することができる。これにより、パンツ型おむつの前身頃と後身頃が分離され、パンツ型おむつを着用者から取り外して廃棄できる。
このように、パンツ型おむつの前身頃と後身頃とを破断誘導部が設けられた接合部材で接合しているので、従来のように胴周り開口部を両手で持って破断する必要は無く、片手で側縁を破ることができる使い捨てのパンツ型おむつが提供される。
また、破断誘導部が、把持部から胴周り開口および脚周り開口に向けて所定の間隔をあけて並ぶ複数の切込みで構成されているので、接合部材を複数の切込みに沿って簡単に破断することができる。

さらに、切込みが把持部から胴周り開口および脚周り開口に向けて所定の間隔をあけて階段状に並ぶ複数の切込みであり、その長手方向と直交する方向に投影したとき隣接する切込みどうしが一部重なり合う態様では、把持部からその直近の切込みに向けて力が集中的に加わり、ついには把持部の付け根とその直近の切込みの間が破断に至る。同様にして、破断された切込みから隣接する切込みへと破断が次々と伝わっていくことにより接合部材を複数の切込みに沿って簡単に破断することができる。

繊維不織布で一方向への繊維配向性が高いものは、繊維配向方向の強度が高く、繊維配向方向に沿って力を加えて引き裂きやすい。
接合部材が繊維不織布であり、不織布を構成する繊維は一方向への配向性を有し、繊維の長さより切込みの長さの方が短く、さらに隣接する切込み間の間隔は切込みの長さと同じか短く、切込みの長手方向が繊維不織布の繊維の配向方向と直交するように形成されている態様では、破断が進行しにくい繊維配向方向に直交する方向には切込みを通して破断を進行させ、引き続き引き裂きやすい繊維配向方向に沿って破断を進行させることにより、接合部材を簡単に破断させることができる。

さらに、不織布の繊維の長さより切込みの長さの方が短いので、不織布の繊維長が維持されて強度が損なわれず、また切込み間の間隔は切込みの長さと同じか短いので繊維配向方向に沿った破断が進行し易くなる。この結果、接合部材は、おむつ着用中は破断し難く、一方おむつを廃棄するときは簡単に破断させることができる。

＜第１の実施形態＞
添付の図面を参照して、本発明に係るパンツ型おむつについて説明する。
図１は、本発明に係るパンツ型おむつ１（以下、おむつ１と記す）の部分破断斜視図である。おむつ１は、着用者の肌に接し透液性を有する内面シート２１と、内面シート２１に対向して設けられる非透液性の外面シート２２と、両者の間に介在する吸液パネル２３とを主な構成とする複合パネルを含む。おむつ１は前身頃４と後身頃５に区分される。

図１のおむつ１は、前・後身頃４，５の境界を中心とする股下部の対向側部が互いに内側へ凹んでいる形態（図示せず）を有する。したがって、展開すると砂時計のような形状となる。おむつ１は、この砂時計の形状の複合パネルを前身頃４と後身頃５が重なるようにその中間部（股下部）で折り返し、前・後身頃４，５の対向側部間に接合部材８を介在させて接合されている。これによって、おむつ１には、胴周り開口２と、一対の脚周り開口３，３が形成される。さらに、胴周り開口２の周縁部にはそれぞれ胴周り弾性部材２４ａ，２４ｂが、脚周り開口３の周縁部には脚周り弾性部材２５がそれぞれ伸長下に取り付けられている。吸液パネル２３は、少なくとも着用者の股間部に位置するように内面シート２１と外面シート２２の間に配設されている。

前身頃４と後身頃５は、それらの対向側縁で胴周り開口２から脚周り開口３に至る領域にある接合部６Ｌ，６Ｒにおいて接合部材８，８を介して接合されている。接合部材８，８はいずれも内面シート２１に接合されている。また、各接合部材８には把持部である摘み９と、摘み９から胴周り開口２に向けて延びる第１破断誘導部１０ａと、脚周り開口３に向けて延びる第２破断誘導部１０ｂとが設けられている。

おむつ１の対向側縁の接合部６Ｌ，６Ｒでは前・後身頃４，５の一側端４Ｌ，５Ｌおよび他側端４Ｒと５Ｒとが向き合っており、互いに接触可能であるが接合されておらず、手で押し広げれば空隙２７が開くようになっている。摘み９はこの空隙２７に臨む位置に設けられ、図１に示すようにおむつ１の外方へ引き出すことができる。なお、胴周り弾性部材２４ａ，２４ｂと脚周り弾性部材２５は、空隙２７において分離している。

前・後身頃４，５を接合する接合部材８，８は、対向側縁において、胴周り開口２の近傍から脚周り開口３の近傍までを覆うようにして設けられ、その縦方向長さは胴周り開口２から脚周り開口３までの長さよりやや短い。
接合部材８の材質は、通気性のある繊維不織布であることが好ましい。本実施形態では、スパンボンド法で製造されたポリプロピレンの長繊維不織布を用いており、繊維配向方向の強度は４０〜５５Ｎ／２５ｍｍ、繊維配向方向に直交する方向の強度が２８〜３０Ｎ／２５ｍｍである。
この他レーヨン、ナイロン、ポリエステル等の短繊維又は長繊維をエアレイ法、スパンボンド法、メルトブロー法等公知の製法で不織布とした繊維不織布を用いることもできる。

接合部材８には、おむつ１が着用されているときは破断せず、廃棄するときは破断しやすいという、相反する性能が要求される。長繊維の繊維不織布で一方向への繊維配向性が高いものは短繊維の不織布より強度が高く、繊維配向方向に沿って力を加えて引き裂きやすいため、前述のように前記要求を満たすことが可能であり、接合部材８の材料に適している。
なお、接合部材８の繊維配向方向は、図２の双頭矢印Ｄで示すように、おむつ１の横方向と平行な胴周り方向Ｗと直交する方向、すなわちおむつ１の縦方向である。

摘み９は、おむつ１に取付けられたとき胴周り開口２と脚周り開口３の間に位置するように接合部材８に形成されている。摘み９は力が加えられたときに破断の始点となって接合部材８を破断させる。本実施形態では摘み９が胴周り開口２と脚周り開口３の間に位置しているので、おむつ１の着用中に着用者の動きにより胴周り開口２または脚周り開口３を拡径する方向に力が加えられたときでも、摘み９が不用意に破断の始点となって接合部材８が破断することを防止できる。

摘み９は、接合部材８の中央付近から端にかけて２本の平行な切れ目を入れて接合部材８と一体に形成され、平行な２本の切れ目が胴周り方向Ｗと平行な方向を向くようにおむつ１に取付けられている。また、摘み９の先端部には、片手で摘みやすくし、かつ破断時に引っ張ったとき摘み９が引きちぎれることを防止するために、接合部材８より剛性の高い補強部材２０が接着されている。補強部材２０には、接合部材８より高目付けの不織布、あるいはプラスチックフィルム等を用いることができる。

摘み９の上側の付け根９ａからは胴周り開口２に向けて第１破断誘導部１０ａが延び、摘み９の下側の付け根９ｂからは脚周り開口３に向けて第２破断誘導部１０ｂが延びている。第１・第２破断誘導部１０ａ，１０ｂは所定の間隔をあけて階段状に並ぶ複数の切込み１１で構成されている。本実施形態では切込み１１はスリット形状であり、その長手方向をおむつ１の胴周り方向Ｗに向けて、すなわち接合部材８の不織布の繊維配向方向と直交する方向に向けて形成されている。後述するように接合部材８は摘み９を始点として第１・第２破断誘導部１０ａ，１０ｂを構成する切込み１１，１１・・に沿って破断される。

複数の切込み１１の長さおよび相互の所定の間隔は、着用中は接合部材８が破断せず、かつ廃棄時には破断しやすいよう考慮して決める。このためには、切込み１１の長さは繊維不織布の繊維長より短くし、切込み１１相互の間隔は切込み１１の長さより短くすることが好ましい。切込み１１の長さを繊維長より短くすることにより不織布の強度を確保して着用中に接合部材８が破断することを回避できる。また、切込み１１相互の間隔を切込み１１の長さと同じか短くすることで、接合部材８を破断するときの力を切込み１１の間のごく狭い範囲に集中させて簡単に接合部材８を破断することができる。本実施形態では切込み１１の長さは４〜８ｍｍ、隣接する切込み１１間の間隔は１〜５ｍｍとなっている。

次に、図２、図３を参照して接合部材８の取り付け構造と破断について説明する。図２は図１の図上右側の接合部材８周辺をおむつ１の内側から見たときの模式図であり、空隙２７が僅かに開いた状態を表わしている。また、図３は接合部材８が破断された後の状態を模式的に表わしている。

接合部材８は前身頃４の第１取付部３０と、後身頃５の第２取付部３１に接合されている。第１取付部３０は前身頃４の右側端４Ｒから所定距離を置いて離れており摘み９を避けて設けられている。第２取付部３１は、複数の切込み１１で囲まれる領域３２に設けられて後身頃５の右側端５Ｒから所定の距離だけ離れている。また、前身頃４と後身頃５の間に空隙２７が開いており、摘み９の付け根９ａ，９ｂは空隙２７に臨む位置に配置されている。前身頃４、後身頃５と接合部材８との接合は、粘着剤、熱エンボス、ヒートシール等公知の方法によりなすことができる。

摘み９の付け根９ａ，９ｂからは、胴周り開口２および脚周り開口３に向けて階段状に並ぶ複数の切込み１１で構成される第１・第２破断誘導部１０ａ，１０ｂが延びている。複数の切込み１１の長手方向はおむつ１の横方向と平行な向きであり、また、長手方向と直交する方向に投影したとき隣接する切込み１１どうしが一部重なり合うように形成されている。さらに、摘み９の付け根９ａ，９ｂにもっとも近い切込み１１ａ，１１ｂは、摘み９の付け根９ａ，９ｂを結ぶ線と交差する位置に設けられている。

前記のように切込み１１の長手方向はおむつ１の横方向と平行な方向、すなわち胴周り方向Ｗと平行な方向を向いているので、着用中に胴周り開口２を拡径する方向に力が加わったとき、切込み１１は変形せず、繊維不織布が前記の力に抗する。このため、おむつ１の着用中に接合部材８が不用意に破断されることはない。

おむつ１を廃棄するために接合部材８を破断するときは、空隙２７から摘み９を片手で引き出し、摘み９をおむつ１の外方（図２の紙面に対して垂直奥側）へ引っ張る。これにより、摘み９の付け根９ａ，９ｂからその直近の切込み１１ａ，１１ｂに向けておむつ１の縦方向に力が加わり、ついには摘み９の付け根９ａ，９ｂとその直近の切込み１１ａ，１１ｂの間が破断に至る。このとき、破断は強度が相対的に低い不織布の繊維配向方向、すなわちおむつ１の縦方向に沿って進行する。同様にして、破断された切込み１１ａ，１１ｂから隣接する切込み１１，１１へと破断が次々と伝わっていく。

より詳しくは、接合部材８を後身頃５に接合する第２取付部３１は、複数の切込み１１で囲まれる領域３２内に設けられているので、摘み９をおむつ外方に引っ張ったとき、接合部材８の切込み１１で囲まれる領域３２は後身頃５とともにおむつ１の外方へ向け移動する。しかし、接合部材８のその他の部分はこれに追随できず後身頃５との間隔が開いていく。この結果、隣接する切込み１１，１１の間が次々と引っ張られて破断が進行する。

図３に示すように接合部材８の破断が完了すると、後身頃５には接合部材８の複数の切込み１１で囲まれる領域３２と摘み９とが残り、接合部材８のその他の部分は前身頃４に残ることになる。これにより前身頃４と後身頃５が分離される。なお、接合部材８の破断は、不織布の繊維配向方向に沿って１つの切込み１１の端から次の切込み１１の中央付近に向け進行するので、破断後の第１および第２破断誘導部１０ａ，１０ｂは、図３のような破断形状になる。

以上のように、本実施形態では不織布の繊維がおむつ１の縦方向に配向し、階段状に並ぶ複数の切込み１１の長手方向は胴周り方向Ｗを向き、さらに切込み１１をその長手方向と直交する方向に投影したとき隣接する切込みどうしが一部重なり合っているので、おむつ１の使用中には接合部材８が不用意に破断されることはなく、おむつ１を廃棄するときは接合部材８を複数の切込み１１と不織布の繊維配向方向に沿って片手で簡単に破断することができる。

＜第２の実施形態＞
図４は第２の実施形態に係る接合部材８の模式図であり、本実施形態では、切込み１１の長手方向はおむつ１の縦方向と平行な方向を向き、不織布の繊維の配向方向は、双頭矢印Ｄで示すように、おむつ１の胴周り方向Ｗと平行な向きである。本実施形態では、切込み１１の長さと相互の間隔は第１の実施形態より大きくしてある。その他は第１の実施形態と同様なので、重複する説明はできるだけ省略する。

おむつ１の着用中に、胴周り開口２を拡径する方向に力が加わると切込み１１が胴周り方向Ｗに沿って開口し、複数の切込み１１全体としてアコーデオン状に変形して力を吸収する。さらに切込み１１の相互の間隔は相対的に大きく、また不織布の繊維が胴周り方向Ｗと平行な向き、すなわちおむつ１の横方向に配向しており、前記の力に抗することができるので、接合部材８が着用中に不用意に破断することはない。

おむつ１を廃棄するとき、摘み９を引っ張って胴周り方向Ｗに着用時より大きな力を加えると、第１の実施形態と同様に接合部材８は複数の切込み１１と繊維配向方向に沿って破断する。すなわち、破断開始時には摘み９の付け根９ａ，９ｂから直近の切込み１１ａ，１１ｂに向けて破断し、次いで隣接する切込み１１に次々と破断が伝播して破断が終了し、前身頃４と後身頃５が分離される。

＜第３の実施形態＞
図５は第３の実施形態に係る接合部材８の模式図であり、本実施形態では、切込み１１の長手方向はおむつ１の縦方向と平行な方向の直線上に配列されている。このように構成することで、接合部材８の使用量を削減することができる。不織布の繊維の配向方向は、双頭矢印Ｄで示すように、おむつ１の胴周り方向Ｗと平行な方向を向いている。本実施形態では、切込み１１の長さは５ｍｍであり、切込み１１の間隔は２〜７ｍｍである。また、摘み９の付け根９ａ，９ｂからその直近の切込み１１ａ，１１ｂまでの距離は３〜７ｍｍになっている。さらに、胴周り開口２と脚周り開口３の近傍には切込み１１は設けられていない。本実施形態では、胴周り開口２と脚周り開口３からこれらに最も近い切込み１１ｃ，１１ｄまでの距離は２８〜３２ｍｍである。その他は第１の実施形態と同様なので、重複する説明はできるだけ省略する。

おむつ１の着用中に、胴周り開口２を拡径する方向に力が加わると、切込み１１が胴周り方向Ｗに沿って開口するとともに、繊維が胴周り方向Ｗに配向した不織布が前記の力に抗するので、接合部材８が着用中に不用意に破断することはない。さらに、胴周り開口２と脚周り開口３の近傍には切込み１１は設けられていないので、おむつ１着用中に胴周り開口２または脚周り開口３に力が加わったときでも、切込み１１ｃ，１１ｄが起点となって不用意に接合部材８が破断されることが防止される。

おむつ１を廃棄するとき、摘み９を引っ張って胴周り方向Ｗに着用時より大きな力を加えると、摘み９の付け根９ａ，９ｂからその直近の切込み１１ａ，１１ｂに向けておむつ１の縦方向に力が集中して加わる。このとき、摘み９の付け根９ａ，９ｂからその直近の切込み１１ａ，１１ｂまでの距離は相対的に小さいので、繊維配向方向に直交する方向に破断を進行させることができる。次いで隣接する切込み１１に次々と破断が伝播して破断が終了し、前身頃４と後身頃５が分離される。

＜第４の実施形態＞
図６は第４の実施形態に係る接合部材８の摘み９の取り付け構造を表わす模式図であり、破断誘導部１０ａ，１０ｂを省略し、おむつ１の一側縁のみを拡大して図示している。
本実施形態では、前身頃４の一側縁および後身頃５の一側縁の内面シート２１どうしを向かい合わせて重ね合わせ、接合部材８を摘み９の付け根９ａ，９ｂを結ぶ線に沿って折り返し、摘み９が突出部３３に挟まれる位置に配置した後、接合部材８を介して前・後身頃４，５を接合しておむつ１を作製している。

突出部３３では前身頃４と後身頃５は接合されておらず、第１の実施形態と同様に空隙２７が形成されるようになっている。そして、摘み９の付け根９ａ，９ｂは空隙２７に臨む位置に配置され、摘み９を突出部３３で前身頃４と後身頃５の間に挟み込むことができるようになっている。このように構成することにより、接合部材８を破断するとき摘み９を容易に見つけ出して片手で引っ張ることができる。

以上、第１〜第４の実施形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されず、種々変更して実施することができる。
例えば、切込み１１をスリット形状として説明したが、長方形や長円形にすることもできる。あるいは、破断が容易に開始するように、摘み９の付け根９ａ，９ｂに近い切込み１１の相互の間隔を、胴周り開口２または脚周り開口３に近い切込み１１の相互の間隔より狭くしてもよい。また、摘み９を接合部材８にコ字型の切れ目を入れて形成してもよい。

パンツ型おむつの部分破断断面図。 第１の実施形態に係る接合部材の模式図。 破断した接合部材の模式図。 第２の実施形態に係る接合部材の模式図。 第３の実施形態に係る接合部材の模式図。 第４の実施形態に係る摘みの模式図。

符号の説明

１ パンツ型おむつ
２ 胴周り開口
３ 脚周り開口
４ 前身頃
５ 後身頃
６Ｌ，６Ｒ 接合部
８ 接合部材
９ 把持部（摘み）
１０ａ，１０ｂ 破断誘導部
１１ 切込み

Claims (3)

1. 前身頃と後身頃とをこれらの対向側縁の接合部で接合し、胴周り開口と一対の脚周り開口とを形成してあって、使用後に前記接合部が破断されて廃棄されるパンツ型おむつにおいて、
   前記前身頃と前記後身頃とが前記接合部で接合部材を介して接合され、
   前記接合部材には、
   前記接合部材と一体に形成される把持部と、
   前記把持部から前記胴周り開口および前記脚周り開口に向けて延びる破断誘導部と、
   が設けられていて、
   前記接合部材は前記前身頃に対して前記前身頃の上下方向において互いに離間する取付部に接合されていて、
   前記把持部が前記離間する取付部の間に２本の切れ目を入れることにより形成されており、
   前記把持部の付け根における２本の前記切れ目のそれぞれから前記破断誘導部が延びていて、
   前記破断誘導部が、前記切れ目のそれぞれから前記胴周り開口および前記脚周り開口のそれぞれに向けて所定の間隔をあけて並ぶ前記接合部材における複数の切込みであることを特徴とする前記パンツ型おむつ。
2. 前記切込みは、前記把持部から前記胴周り開口および前記脚周り開口に向けて所定の間隔をあけて階段状に並ぶ複数の切込みであり、前記切込みの長手方向と直交する方向に投影したとき隣接する切込みどうしが一部重なり合う請求項１に記載のパンツ型おむつ。
3. 前記接合部材が繊維不織布であり、前記不織布を構成する繊維は一方向への配向性を有し、前記繊維の長さより前記切込みの長さの方が短く、
   さらに隣接する前記切込み間の間隔は前記切込みの長さと同じか短く、
   前記切込みの長手方向が前記繊維不織布の繊維の配向方向と直交するように形成されている請求項１または２に記載のパンツ型おむつ。

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