JP4950752B2 - 密度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体状の被測定物の密度を測定する弾性表面波素子を有する密度測定装置に関するものである。
一般に、弾性表面波素子は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられた櫛歯状電極指からなる入力電極及び出力電極を備えている。弾性表面波素子では、入力電極に電気信号が入力されると、電極指間に電界が発生し、圧電効果により弾性表面波が励振され、圧電基板上を伝搬していく。この弾性表面波のうち、伝搬方向と直交する方向に変位するすべり弾性表面波(SH-SAW:Shear horizontal Surface Acoustic Wave)を利用する弾性表面波素子を用いた各種物質の検出や物性値等の測定を行うための弾性波センサが研究されている。
弾性表面波素子では、圧電基板上に液体状の被測定物が負荷されると、被測定物の質量の増加に伴って弾性表面波の伝搬速度が低下し、伝搬速度の変化に基づいて弾性表面波素子の共振周波数が変化するという質量負荷効果が知られている。弾性表面波素子の入力電極と出力電極の間の伝搬路上に凹凸構造を形成し、その凹部に被測定物を負荷すると、負荷された被測定物は擬似的に膜を形成する。この膜は圧電基板とともに励振し、膜の質量に基づいて共振周波数が変化することを利用して、被測定物の密度を求めることができる(特許文献1、非特許文献1参照)。
図9Aは、特許文献1に示す密度測定装置100の説明図であり、図9Bは、図9AのIXB−IXB端面図である。密度測定装置100は、第1弾性表面波素子10と第2弾性表面波素子20とを備える。第1弾性表面波素子10は、入力電極12及び出力電極14を備え、入力電極12と出力電極14の間には、短絡伝搬路16が形成されている。第2弾性表面波素子20は、入力電極22及び出力電極24を備え、入力電極22と出力電極24の間には、入力電極22から出力される弾性表面波の伝搬方向と垂直に凹凸構造を有する伝搬路26が形成されている。短絡伝搬路16、前記凹凸構造の凸部28は、圧電基板42の表面に形成された金属膜44上に設けられている。
密度測定装置100における被測定物の密度の測定は、測定対象となる被測定物46を、短絡伝搬路16及び伝搬路26に負荷した状態で、入力電極12及び22に同一の信号を入力し、出力電極14及び24から出力される信号の位相差を測定することにより、被測定物の密度を求めている。
特許第3248683号公報 近藤淳、塩川祥子、「すべり弾性表面波センサを用いた液体の密度と粘度の分離計測」、信学技報、電子情報通信学会、2000年11月
しかしながら、図9Bに示すように、伝搬路26では、被測定物46は凹部30に負荷され、入力電極22から出力される弾性表面波は、凸部28と、凹部30に負荷されている被測定物46というように異なる媒体を伝搬して、出力電極24から出力される。そのために、凸部28を伝搬する弾性表面波と、凹部30に負荷されている被測定物46を伝搬する弾性表面波が出力電極24においてベクトル合成され、両弾性表面波が打ち消し合う場合があり、結果として、被測定物の密度の測定誤差が生じる場合がある。
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、液体状の被測定物の密度を正確に測定することが可能な密度測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る密度測定装置は、入力電極と出力電極との間に電気的に短絡した短絡伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、入力電極と出力電極との間に前記入力電極から出力される弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造が形成され電気的に短絡した格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、前記第1弾性表面波素子と前記第2弾性表面波素子とは並列に配され、前記短絡伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、前記各入力電極に同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力される各出力信号の位相差から、前記被測定物の密度を求めることを特徴とする。
また、本発明に係る他の密度測定装置は、入力電極と出力電極との間に電気的に開放した開放伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、入力電極と出力電極との間に前記入力電極から出力される弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造が形成され電気的に開放した格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、前記第1弾性表面波素子と前記第2弾性表面波素子とは並列に配され、前記開放伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、前記各入力電極に同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力される各出力信号の位相差から、前記被測定物の密度を求めることを特徴とする。
本発明によれば、入力電極と出力電極との間に前記入力電極から出力される弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造が形成された格子状伝搬路を設けることにより、出力電極における弾性表面波のベクトル合成に起因する測定誤差の発生を防ぎ、液体状の被測定物の密度を正確に測定することができる。
さらに、他の本発明の密度測定装置は、入力電極と出力電極との間に電気的に短絡した短絡伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、入力電極と出力電極との間に市松格子状の凹凸構造が形成され電気的に短絡した市松格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、前記第1弾性表面波素子と前記第2弾性表面波素子とは並列に配され、前記短絡伝搬路及び前記市松格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、前記各入力電極に同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力された各出力信号の位相差から、前記被測定物の密度を求めることを特徴とする。
さらにまた、他の本発明の密度測定装置は、入力電極と出力電極との間に電気的に開放した開放伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、入力電極と出力電極との間に市松格子状の凹凸構造が形成され電気的に開放した市松格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、前記第1弾性表面波素子と前記第2弾性表面波素子とは並列に配され、前記開放伝搬路及び前記市松格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、前記各入力電極に同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力される各出力信号の位相差から、前記被測定物の密度を求めることを特徴とする。
本発明によれば、入力電極と出力電極との間に市松格子状の凹凸構造が形成された市松格子状伝搬路を設けることにより、出力電極における弾性表面波のベクトル合成に起因する測定誤差の発生を防ぎ、液体状の被測定物の密度を正確に測定することができる。
さらに、前記被測定物がアルコールであることが好ましい。
本発明によれば、入力電極と出力電極との間に前記入力電極から出力される弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造が形成された格子状伝搬路又は市松格子状伝搬路を設けることにより、出力電極における弾性表面波のベクトル合成に起因する測定誤差の発生を防ぎ、液体状の被測定物の密度を正確に測定することができる。
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る密度測定装置40の構成の説明図である。また、図2A、図2Cは、図1のIIA−IIA端面図であって、図2Aは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図2Cは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。さらに、図2B、図2Dは、図1のIIB−IIB端面図であって、図2Bは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図2Dは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。なお、図9A、図9Bに示した密度測定装置100と同一の構成要素には同一の符号を付している。
図1に示すように、密度測定装置40は、第1弾性表面波素子10と、第2弾性表面波素子20と、高周波の電気信号を発生する発振器48と、発振器48からの電気信号を分配する分配器50と、第1弾性表面波素子10と第2弾性表面波素子20とを伝搬する弾性表面波の位相差を測定する位相差検出器52を備える。第1弾性表面波素子10は、入力電極12及び出力電極14を備え、入力電極12と出力電極14の間には、短絡伝搬路16が形成されている。第2弾性表面波素子20は、入力電極22及び出力電極24を備え、入力電極22と出力電極24の間には、格子状伝搬路32が形成されている。また、第1弾性表面波素子10及び第2弾性表面波素子20は、圧電基板42上に並列に配置されている。
入力電極12及び22は、発振器48から分配器50を介して入力された電気信号によって、弾性表面波を励振させるために櫛形電極で構成されている。また、出力電極14及び24は、入力電極12又は22で励振され伝搬してきた弾性表面波を受信するために櫛形電極で構成されている。
短絡伝搬路16及び格子状伝搬路32は、圧電基板42上に蒸着された金属膜44で形成され、金属膜44は、電気的に短絡されている(図1A、図1B参照)。また、金属膜44は、測定精度を向上させるために、共通に接地されている。金属膜44の材料は特に限られないが、被測定物46に対して、化学的に安定している金で形成することが好ましい。
また、格子状伝搬路32には、入力電極22から出力される弾性表面波の伝搬方向(図1中矢印X方向)に対して垂直な方向に形成された凸部34がX方向に等間隔で配置され、隣接する凸部34の間に形成される凹部36に測定の対象となる被測定物46が負荷される(図2D参照)。つまり、格子状伝搬路32には、X方向に凸部34及び凹部36から構成される凹凸構造38が形成されている。凹凸構造38を形成し、凹部36に被測定物46を負荷して閉じこめることにより後述する質量負荷効果に基づく出力信号を得ることが可能となる。
なお、凸部34同士の間隔は、伝搬する弾性表面波の波長λよりも短いことが好ましく、より好ましくはλ/8である。また、凹部36の深さは、質量負荷効果の検出精度を上げるために可能な限り深く形成することが好ましい。
圧電基板42は、すべり弾性表面波を伝搬することができれば、特に限られないが、36度回転Y板X伝搬LiTaO3であることが好ましい。
次に、密度測定装置40を用いた被測定物46の密度測定について説明する。
まず、測定の対象である被測定物46を短絡伝搬路16及び格子状伝搬路32に負荷する。短絡伝搬路16では、金属膜44上に負荷され(図2C参照)、格子状伝搬路32では、凸部34及び凹部36から構成される凹凸構造38が形成されているために、被測定物46は主として凹部36に負荷される(図2D参照)。
次いで、発振器48より、電気信号を分配器50で分配して、入力電極12及び22へ同一信号を入力する。入力電極12では、入力された信号に基づいて弾性表面波が励振され、短絡伝搬路16上を伝搬して、出力電極14で受信される。同様に、入力電極22では、入力された信号に基づいて弾性表面波が励振され、格子状伝搬路32上を伝搬して、出力電極24で受信される。
格子状伝搬路32では、X方向に凹凸構造38が形成され、伝搬路の電気長が等しいために、X方向に対して平行な任意の経路P−P間において、弾性表面波の位相が等しくなる。その結果、異なる経路を経て伝搬した弾性表面波同士が、出力電極24で受信され互いに打ち消し合うのを防ぐことができる。
出力電極14と24で受信した弾性表面波から取り出された両出力信号を位相差検出器52で比較し位相差を検出する。出力電極14からの出力信号には、密度粘度積に基づく信号成分が含まれ、出力電極24からの出力信号には、密度粘度積及び質量負荷効果に基づく信号成分が含まれている。従って、この両出力信号から検出した差分の信号は、質量負荷効果に基づく信号であり、この信号から検出した位相差に基づいて、被測定物46の密度が算出される。具体的な密度の算出は、以下に説明する算出式によって行われる。
質量負荷に対するセンサ感度式より、凸部34での速度変化(ΔV/V)m、凹部36でのおける伝搬速度の変化(ΔV/V)lは、式(1)、式(2)で表される。ここで、添え字mは凸部34、添え字lは凹部36に対応し、ρは負荷膜の密度、μはラーメ定数、Smは凸部34の断面積であり、Slは凹部36の底面積、Sは凸部34の金属膜44に平行な断面の断面積と凹部36の底面積の和である。また、Aは材料定数であり、例えば、36度Y板X伝搬LiTaO3では、A=5.249×10-9ωとなる。
Figure 0004950752
Figure 0004950752
液体の場合には、ρl>>μl/V2であるので、式(2)は、次式の式(3)となる。
Figure 0004950752
次に、第1弾性表面波素子10における速度変化(ΔV/V)s、第2弾性表面波素子20における速度変化(ΔV/V)gは、式(4)、式(5)で表される。ここで、(ΔV/V)liquidは、ニュートン流体による摂動を表している。
Figure 0004950752
Figure 0004950752
被測定物46における速度変化を’をつけて表すと、式(4)、式(5)として表される。
Figure 0004950752
Figure 0004950752
式(6)を式(7)に代入すると、式(8)となる。ここで、ρlは標準溶液の負荷膜の密度、ρl’は被測定物46の負荷膜の密度である。
Figure 0004950752
従って、被測定物46の密度の関係式は式(9)となる。
Figure 0004950752
式(9)の(ΔV/V)g−(ΔV/V)sに、位相差検出器52で検出した出力信号の位相差を代入することにより、被測定物46の密度ρl’を求めることができる。
また、図2Bに示す第2弾性表面波素子20では、X方向に凸部34及び凹部36から構成される凹凸構造38が形成されているが、さらに、X方向に対して垂直な方向に凹凸構造を追加した市松格子状伝搬路54としてもよい。
市松格子状伝搬路54としては、図3Aに示すように凹部36Aの金属膜44に平行な断面を四角形状にし、凸部34Aと凹部36Aから凹凸構造38Aとしてもよい。また、図3Bに示すように凹部36Bの金属膜44に平行な断面を円形状にし、凸部34Bと凹部36Bから凹凸構造38Bとしてもよい。さらに、図3Cに示すように凹部36Cの金属膜44に平行な断面を菱形状にし、凸部34Cと凹部36Cから凹凸構造38Cとしてもよい。なお、凹部の金属膜44に平行な断面の形状は、市松格子状伝搬路を形成することができれば、これらの形状に限定されるものではない。
市松格子状伝搬路54では、X方向に対して水平及び垂直方向に凹凸構造が形成されているために、X方向の伝搬路の電気長が等しくなる。従って、格子状伝搬路32と同様に、出力電極24で受信された弾性表面波同士が互いに打ち消し合うのを防ぐことができる。
第2弾性表面波素子20に形成する伝搬路を市松格子状にした場合には、格子状伝搬路32を比較して、被測定物46を凹部36A〜凹部36Cに閉じこめる効果が高まり、被測定物46の密度の測定精度をさらに上げることができる。
以上説明したように、この実施態様に係る密度測定装置40は、入力電極12と出力電極14との間に電気的に短絡した短絡伝搬路16を有する第1弾性表面波素子10と、入力電極22と出力電極24との間に入力電極22から出力される弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造38が形成され電気的に短絡した格子状伝搬路32を有する第2弾性表面波素子20とを備えている。第1弾性表面波素子10と第2弾性表面波素子20とを並列に配し、短絡伝搬路16及び格子状伝搬路32に被測定物46を負荷した状態において、入力電極12、22に同一の信号を入力し、出力電極14、24から出力された各出力信号の位相差から、被測定物46の密度を求めることができる。
密度測定装置40では、弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造38が形成され電気的に短絡した格子状伝搬路32を設けることにより、出力電極24における弾性表面波のベクトル合成に起因する測定誤差の発生を防ぎ、被測定物46の密度を正確に測定することができる。
また、この実施態様に係る密度測定装置40では、入力電極12と出力電極14との間に電気的に短絡した短絡伝搬路16を有する第1弾性表面波素子10と、入力電極22と出力電極24との間に凹凸構造38A(凹凸構造38B、38C)が形成され電気的に短絡した市松格子状伝搬路54を有する第2弾性表面波素子20とを備えるようにしてもよい。
密度測定装置40では、弾性表面波の伝搬方向に凹凸構造38A(凹凸構造38B、38C)が形成され電気的に短絡した市松格子状伝搬路54を設けることにより、出力電極24における弾性表面波のベクトル合成に起因する測定誤差の発生を防ぎ、被測定物46の密度を正確に測定することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る密度測定装置40Aの構成の説明図である。また、図5A、図5Cは、図4のVA−VA端面図であって、図5Aは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図5Cは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。さらに、図5B、図5Dは、図4のVB−VB端面図であって、図5Bは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図5Dは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。
密度測定装置40Aは、前記の密度測定装置40と同様に第1弾性表面波素子10Aと、第2弾性表面波素子20Aを有し、密度測定装置40に対して、第1弾性表面波素子10中の短絡伝搬路16が開放伝搬路60に、第2弾性表面波素子20中の格子状伝搬路32が格子状伝搬路70となっている。なお、密度測定装置40と同一の構成要素には同一の符号を付している。
開放伝搬路60は、開放領域62と凸部64を備え、開放領域62は金属膜44を剥離した領域であり、凸部64は金属膜44で剥離せずに残存する部分である。
格子状伝搬路70には、X方向に対して垂直な方向に金属膜44の一部を剥離して圧電基板42が露出するように形成された凹部72がX方向に等間隔に設けられ、隣接する凹部72の間に凸部74が形成されている。つまり、格子状伝搬路70には、X方向に凹部72及び凸部74から構成される凹凸構造76が形成されて、圧電基板42が露出している凹部72は電気的に開放状態となっている。
開放領域62を構成する領域62aと領域62bとの面積の和は、凹凸構造76中のすべての凹部72の底面積の総和に等しくなるように形成されている。
凸部74は、金属膜44の一部と形成されているが、金属に限定されるものではなく、SiO2等の絶縁膜や樹脂であってもよい。
次に、密度測定装置40Aを用いた被測定物46の密度測定について説明する。基本的には、密度測定装置40での密度測定と同様である。
まず、測定の対象である被測定物46を開放伝搬路60及び格子状伝搬路70に負荷する。開放伝搬路60では、開放領域62に負荷され(図5C参照)、格子状伝搬路70では、凹部72に負荷される(図5D参照)。
次いで、発振器48より、電気信号を分配器50で分配して、入力電極12及び22へ同一信号を入力する。入力電極12では、入力された信号に基づいて弾性表面波が励振され、開放伝搬路60上を伝搬して、出力電極14で受信される。同様に、入力電極22では、入力された信号に基づいて弾性表面波が励振され、格子状伝搬路70上を伝搬して、出力電極24で受信される。
出力電極14と24で受信した弾性表面波から取り出された両出力信号を位相差検出器52で比較し位相差を検出する。出力電極14からの出力信号には、電気的特性及び密度粘度積に基づく信号成分が含まれ、出力電極24からの出力信号には、電気的特性、密度粘度積及び質量負荷効果に基づく信号成分が含まれている。従って、この両出力信号から検出した差分の信号は、質量負荷効果に基づく信号であり、この信号から検出した位相差に基づいて、被測定物46の密度が算出される。
ここで、前記電気的特性は、電気的な開放に基づく特性であり、電気的に開放された領域の面積に対応して現れる。従って、開放領域62の面積とすべての凹部72の底面積の総和を等しくすることにより、両出力信号から検出した差分の信号から電気的特性を排除している。具体的な密度の算出は、密度測定装置40と同様に式(1)〜(9)に基づいて算出される。
また、図5Bに示す第2弾性表面波素子20Aでは、X方向に凹部72及び凸部74から構成される凹凸構造76が形成されているが、さらに、X方向に対して垂直な方向に凹凸構造を追加した市松格子状伝搬路78としてもよい。
市松格子状伝搬路78としては、図6Aに示すように凹部72Aの金属膜44に平行な断面を四角形状にし、凹部72Aと凸部74Aから凹凸構造76Aとしてもよい。また、図6Bに示すように凹部72Bの金属膜44に平行な断面を円形状にし、凹部72Bと凸部74Bから凹凸構造76Bとしてもよい。さらに、図6Cに示すように凹部72Cの金属膜44に平行な断面を菱形状にし、凹部72Cと凸部74Cから凹凸構造76Cとしてもよい。なお、凹部の金属膜44に平行な断面の形状は、市松格子状伝搬路を形成することができれば、これらの形状に限定されるものではない。
以上説明したように、この実施態様に係る密度測定装置40Aは、入力電極12と出力電極14との間に電気的に開放した開放伝搬路60を有する第1弾性表面波素子10Aと、入力電極22と出力電極24との間に入力電極22から出力される弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造76が形成され電気的に開放した格子状伝搬路70を有する第2弾性表面波素子20Aとを備えている。第1弾性表面波素子10Aと第2弾性表面波素子20Aとを並列に配し、開放伝搬路60及び格子状伝搬路70に被測定物46を負荷した状態において、入力電極12、22に同一の信号を入力し、出力電極14、24から出力された各出力信号の位相差から、被測定物46の密度を求めることができる。
また、この実施態様に係る密度測定装置40Aでは、入力電極12と出力電極14との間に電気的に開放した開放伝搬路60を有する第1弾性表面波素子10Aと、入力電極22と出力電極24との間に凹凸構造76A(凹凸構造76B、76C)が形成され電気的に開放した市松格子状伝搬路78を有する第2弾性表面波素子20Aとを備えているようにしてもよい。
なお、凹凸構造76は、質量負荷効果を検出することができれば、図5Bに示すように圧電基板42上に凹凸構造76を形成する場合に限定されるものではない。
図7は、本発明の第2実施形態に係る密度測定装置40Aの変形例である密度測定装置40Bの構成の説明図である。また、図8A、図8Cは、図7のVIIIA−VIIIA端面図であって、図8Aは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図8Cは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。さらに、図8B、図8Dは、図7のVIIIB−VIIIB端面図であって、図8Bは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図8Dは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。
密度測定装置40Bは、前記の密度測定装置40Aと同様に第1弾性表面波素子10Bと、第2弾性表面波素子20Bを有し、密度測定装置40Aに対して、第1弾性表面波素子10A中の開放伝搬路60が開放伝搬路80に、第2弾性表面波素子20B中の格子状伝搬路70が格子状伝搬路84となっている。なお、密度測定装置40Aと同一の構成要素には同一の符号を付している。
図8Aに示すように、開放伝搬路80は、圧電基板42が露出した平坦な開放領域82を備える。また、図8Bに示すように、格子状伝搬路84は、圧電基板42の表面にX方向に対して垂直な方向に形成された凹部86をX方向に等間隔に設け、隣接する凹部86の間に凸部88を形成し、凹部86と凸部88から構成される凹凸構造90を備える。
また、測定対象の液体状の被測定物は、特に限定されるものではなく、純液、混合液のいずれであってもよく、メタノール、エタノール等のアルコールの密度を測定する場合に特に有効である。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本発明の第1実施形態に係る密度測定装置の構成の説明図である。 図2A、図2Cは、図1のIIA−IIA端面図であって、図2Aは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図2Cは、被測定物を負荷した後の状態を示す図であり、また、図2B、図2Dは、図1のIIB−IIB端面図であって、図2Bは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図2Dは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。 図3A〜図3Cは、市松格子状伝搬路の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る密度測定装置の構成の説明図である。 図5A、図5Cは、図4のVA−VA端面図であって、図5Aは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図5Cは、被測定物を負荷した後の状態を示す図であり、また、図5B、図5Dは、図4のVB−VB端面図であって、図5Bは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図5Dは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。 図6A〜図6Cは、市松格子状伝搬路の説明図である。 図7は、第2実施形態に係る変形例の構成の説明図である。 図8A、図8Cは、図7のVIIIA−VIIIA端面図であって、図8Aは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図8Cは、被測定物を負荷した後の状態を示す図であり、また、図8B、図8Dは、図7のVIIIB−VIIIB端面図であって、図8Bは、被測定物を負荷する前の状態を示す図であり、図8Dは、被測定物を負荷した後の状態を示す図である。 図9Aは、従来の密度測定装置の説明図であり、図9Bは、図9AのIXB−IXB端面図である。
符号の説明
10、10A、10B、…第1弾性表面波素子 12、22…入力電極
14、24…出力電極 16…短絡伝搬路
20、20A、20B…第2弾性表面波素子 26…伝搬路
28、34、34A〜34C、64、74、74A〜74C、88…凸部
30、36、36A〜36C、72、72A〜72C、86…凹部
32、70、84…格子状伝搬路
38、38A〜38C、76、76A〜76C、90…凹凸構造
40、40A、40B、100…密度測定装置
42…圧電基板 44…金属膜
46…被測定物 48…発振器
50…分配器 52…位相差検出器
54、78…市松格子状伝搬路 60、80…開放伝搬路
62、82…開放領域 62a、62b…領域

Claims (5)

  1. 入力電極と出力電極との間に電気的に短絡した短絡伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、
    入力電極と出力電極との間に前記入力電極から出力される弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造が形成され電気的に短絡した格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、
    前記第1弾性表面波素子と前記第2弾性表面波素子とは並列に配され、
    前記短絡伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、
    前記各入力電極に同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力される各出力信号の位相差から、前記被測定物の密度を求める
    ことを特徴とする密度測定装置。
  2. 入力電極と出力電極との間に電気的に開放した開放伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、
    入力電極と出力電極との間に前記入力電極から出力される弾性表面波の伝搬方向と平行な方向に凹凸構造が形成され電気的に開放した格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、
    前記第1弾性表面波素子と前記第2弾性表面波素子とは並列に配され、
    前記開放伝搬路及び前記格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、
    前記各入力電極に同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力される各出力信号の位相差から、前記被測定物の密度を求める
    ことを特徴とする密度測定装置。
  3. 入力電極と出力電極との間に電気的に短絡した短絡伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、
    入力電極と出力電極との間に市松格子状の凹凸構造が形成され電気的に短絡した市松格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、
    前記第1弾性表面波素子と前記第2弾性表面波素子とは並列に配され、
    前記短絡伝搬路及び前記市松格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、
    前記各入力電極に同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力される各出力信号の位相差から、前記被測定物の密度を求める
    ことを特徴とする密度測定装置。
  4. 入力電極と出力電極との間に電気的に開放した開放伝搬路を有する第1弾性表面波素子と、
    入力電極と出力電極との間に市松格子状の凹凸構造が形成され電気的に開放した市松格子状伝搬路を有する第2弾性表面波素子とを備え、
    前記第1弾性表面波素子と前記第2弾性表面波素子とは並列に配され、
    前記開放伝搬路及び前記市松格子状伝搬路に液体状の被測定物を負荷した状態において、
    前記各入力電極に同一の信号を入力し、前記各出力電極から出力される各出力信号の位相差から、前記被測定物の密度を求める
    ことを特徴とする密度測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の密度測定装置において、
    前記被測定物がアルコールであることを特徴とする密度測定装置。
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