JP4948886B2 - ステージ装置および露光装置 - Google Patents
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Description
図において、ステージ装置100は板状のステージベース101を備えている。
このステージベース101は、外周の3箇所の張り出し部101a、101b、101cを有している。
ステージベース101の張り出し部101a、101b、101cのそれぞれは、球面座102a、102b、103cを介して露光装置のボディBD(図5(b))上に配置されている。
ステージベース101の下面には、Y方向に沿って互いに平行に延びる固定フレーム103、104が固定されている。
これらの固定フレーム103、104の内側には、四角い枠状のカウンタマスフレーム105が取り付けられており、カウンタマスフレーム105の四隅の上下面(計8個)と、各固定フレーム103、104の内側上下面との間には、それぞれエアパッド106が介装されている。各エアパッド106は多孔オリフィス材からなる長方形の部材であり、図示せぬエア源からエアが供給されると多孔オリフィスからエアが噴出して、カウンタマスフレーム105が固定フレーム103、104に対して非接触支持される仕組みになっている。
ところが、球面座102a,102b、102cで支持されたステージベース101にはステージベース自身の自重や取り付けられる構造物の重量などにより変形が生じる。しかしながら、その量を事前に正確に予測することは困難であるため、それに取り付くエアパッド106は現物合わせで加工する必要がある。エアパッド106の材質としては、剛性の高さ、表面の硬さ、熱膨張の小ささ等からセラミックスが採用されることが多く、難削材ゆえ現物合わせで加工するためには高い加工技術と多大な加工時間を要し、コストアップが避けられなかった。
また、ステージベース101の変形を抑える為には、ステージベース自身の剛性を高めることが有効であるが、その反面重量が増す傾向となり、ステージ装置全体の重量が増加する原因でもあった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ステージベースを用いないで構成可能なステージ装置と、ステージ装置を用いた露光装置を提供することを目的とするものである。
請求項1記載の発明は、ステージ装置に関し、基台と、前記基台に設けられた複数の球面座と、前記球面座のそれぞれに支持され、断面コ字状部分を有する固定フレームと、前記固定フレームのそれぞれのコ字状の対向面にそれぞれ設けられた平面状のエアパッドと、前記固定フレームのそれぞれのコ字状の対向面の内側に入り込むよう設けられ、前記平面状のエアパッドによって前記固定フレームに対して非接触浮上するステージと、を備え、前記平面状のエアパッドが前記ステージに対して平行となるよう、前記固定フレームのそれぞれが前記球面座によって動作することを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のステージ装置において、前記球面座それぞれの上座と下座の合わせ面にエアを噴出させて、該上座を浮上させたことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のステージ装置において、前記固定フレームが、前記基台に取り付けられた弾性を有するヒンジ部材に連結されることによって、前記平面状のエアパッドの面と平行な方向以外の方向の剛性が、前記平面状のエアパッドの面と平行な方向の剛性よりも強い剛性を有するよう拘束されたことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、露光装置に関し、真空チャンバ内に、光源と、前記光源からの光を反射・集光する光学系と、下面にマスクを取付けることのできるステージ装置と、ウエハを載置するウエハステージと、を備えた露光装置において、前記ステージ装置として、請求項1〜3のいずれか1項記載のステージ装置を備え、前記ステージ装置および前記ウエハステージを相対的に移動させて、前記マスク上に描かれた回路パターンの縮小像を前記ウエハ上に形成することを特徴としている。
本発明によれば、複数の球面座にエアパッドを設置した際に、球面座の上座と下座の摩擦によりエアパッドが傾いて設置された場合でも、上座を浮上させることにより、エアパッドは球面座からの拘束が解かれ、エアパッド自身の浮上力により、相対するエアパッドが平行となる。この後、エアの供給を停止して上座を下降させることにより、相対するエアパッドが完全に平行な状態での設置が可能となる。
エアパッドが1個のみの球面座で支持された場合は、球面座にエアを供給して上座を浮上させた時や、エアの供給をせず上座が下降している時であっても、何らかの外力がエアパッドに加わった場合にエアパッドが回転してエアパッドを固定している固定フレームとカウンタマスフレームが接触してしまう恐れがあったのを、本発明によれば、エアパッドの回転を防止することが可能となり、弾性支持することにより基台の変形や振動等のエアパッドに対する外乱要素を遮断することができる。
本発明によれば、1個のエアパッドを複数の球面座で支持することにより、球面座にエアを供給して上座を浮上させた時や、エアの供給をせず上座が下降している時であっても、何らかの外力がエアパッドに加わった場合にエアパッドが回転してしまうことを防止できる。
本発明によれば、ステージの構成が簡単となり、エアパッドの加工が容易となることから大幅なコスト削減が可能となり、また、ステージ装置全体の重量のうち大きな比率を占めるステージベースが不要となることから、かかるステージ装置を用いた露光装置も同じく軽量化が可能でとなる。
図において、1はステージ装置、2は基台、3はステージである。縦断面でコの字形状をした固定フレーム4a、4bの内側上下面には多孔オリフィスを有するエアパッド5を備えている。ステージ3の4隅の上下面にはエアパッド5と相対する位置にパッド6が固定されている。エアパッド5に外部より空気を供給し、多孔オリフィスから噴出する空気によりステージ3を非接触で浮上させる。
ステージ3を浮上させるための負荷容量や外部からステージ3に作用する負荷に対して十分な剛性を得る為には、浮上時におけるエアパッド5とパッド6のギャップ長は通常数μmに設定する場合が多い。
固定フレーム4a、4bは3つの球面座7を介して基台2上に設置されている。球面座7の下座の上面には多孔オリフィスを有し、外部より空気を供給することにより上座と下座の間に空気を噴出させて上座を非接触浮上させることが可能なようになっている。
固定フレーム4a、4bを球面座7上に設置した際、球面座の上座と下座の摩擦がゼロであれば、エアパッド5とパッド6が互いに平行となるような位置に固定フレーム4a、4bが自ら移動するが、実際は球面座の上座と下座の摩擦はゼロではないので、エアパッド5とパッド6が互いに完全な平行にならない場合や、固定フレーム4a、4bやステージ3に内部応力を生じながら平行になる場合がある。
また、ステージ装置1の組立が進行する途中でステージ3や基台2に変形が発生すると、エアパッド5とパッド6の平行具合にも変化が生じてしまう。
固定フレーム4bは1個の球面座7で支持されるため、球面座7の上座を浮上させた場合や、上座が下降している時に固定フレーム4bに外力が作用した場合などに固定フレーム4bが回転してしまい、ステージ3と接触する恐れがある。
これを防止するために、基台2から立ち上げたヒンジベース8と固定フレーム4bを弾性を持ったヒンジ部材9で連結している。ヒンジ部材9は水平方向には強い剛性を持ち、その他の方向には低い剛性を持つものとしているので、固定フレーム4bに対して回転方向には回転し難くしているが、それ以外の方向については拘束力を弱めている。
図において3つの固定フレーム10a、10b、10cはそれぞれ1個の球面座7で支持されており、球面座の上座を浮上させることにより、3つの固定フレーム10a、10b、10cを独立に移動させることが可能となり、それぞれのエアパッド5とパッド6が最も平行になるような状態にすることができる。3つの固定フレーム10a、10b、10cはそれぞれヒンジベース8、ヒンジ9により回転防止を行う必要がある。
図において、球面座7は上座71と下座72とで構成され、下座72には上座71に対して下方から垂直に上方に延びる多孔オリフィス72a〜72eとこれらの多孔オリフィス72a〜72eに空気を供給する共通孔72pとを備えている。
(a)は共通孔72pに空気Lを供給していない状態であり、この場合上座71は下座72の上に乗っかって非浮上状態となっている。
(b)は外部より共通孔72pに空気Lを供給して上座71が下座72から浮上し、浮上した上座71は下座72と非接触状態となっている。
このように上座71が下座72に非接触状態となっているので、僅かな力Fを上座71に与えるだけで、上座71は(c)のごとく下座72上を自由に移動することが可能となる。
ステージ装置1の下面にはマスク15が取り付けられている。マスク15にはウェハ16に形成される回路のパターンが描かれている。ウェハ16はウェハステージ17に載置されている。
光源13を発したEUV光は集光ミラー18で集光され、マスク15で反射され、凹面ミラー19、凸面ミラー20、21、凹面ミラー22の順に反射を繰り返して、ウェハ16に達する。
また、ステージ装置1およびウェハステージ17は、ウェハ16の表面にマスク15上に描かれた回路パターンの縮小像をウェハ16上に形成するように、相対的に位相を合せて移動する。
2 基台
3 ステージ
4 固定フレーム
5 エアパッド
6 パッド
7 球面座
71 上座
72 下座
72a〜72e 多孔オリフィス
72p 共通孔
8 ヒンジベース
9 ヒンジ部材
10 固定フレーム
11 露光装置
12 真空チャンバー
13 光源
15 マスク
16 ウェハ
17 ウェハステージ
18 集光ミラー
19 凹面ミラー
20 凸面ミラー
21 凸面ミラー
22 凹面ミラー
100 ステージ装置
101 ステージベース
102 球面座
103 固定フレーム
104 固定フレーム
105 カウンタマスフレーム
106 エアパッド
L 空気
F 力
Claims (4)
- 基台と、
前記基台に設けられた複数の球面座と、
前記球面座のそれぞれに支持され、断面コ字状部分を有する固定フレームと、
前記固定フレームのそれぞれのコ字状の対向面にそれぞれ設けられた平面状のエアパッドと、
前記固定フレームのそれぞれのコ字状の対向面の内側に入り込むよう設けられ、前記平面状のエアパッドによって前記固定フレームに対して非接触浮上するステージと、を備え、
前記平面状のエアパッドが前記ステージに対して平行となるよう、前記固定フレームのそれぞれが前記球面座によって動作することを特徴とするステージ装置。 - 前記球面座それぞれの上座と下座の合わせ面にエアを噴出させて、該上座を浮上させたことを特徴とする請求項1記載のステージ装置。
- 前記固定フレームが、前記基台に取り付けられた弾性を有するヒンジ部材に連結されることによって、前記平面状のエアパッドの面と平行な方向以外の方向の剛性が、前記平面状のエアパッドの面と平行な方向の剛性よりも強い剛性を有するよう拘束されたことを特徴とする請求項1または2記載のステージ装置。
- 真空チャンバ内に、光源と、前記光源からの光を反射・集光する光学系と、下面にマスクを取付けることのできるステージ装置と、ウエハを載置するウエハステージと、を備えた露光装置において、
前記ステージ装置として、請求項1〜3のいずれか1項記載のステージ装置を備え、
前記ステージ装置および前記ウエハステージを相対的に移動させて、前記マスク上に描かれた回路パターンの縮小像を前記ウエハ上に形成することを特徴とする露光装置。
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