JP4948876B2 - 太陽電池素子用導電性ペースト及びそれを用いた太陽電池素子の製造方法。 - Google Patents

太陽電池素子用導電性ペースト及びそれを用いた太陽電池素子の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池素子用導電性ペースト及びそれを用いた太陽電池素子の製造方法に関するものである。
従来の太陽電池素子の断面図を図3に示す。図3おいて1は半導体基板、2は拡散層、3は反射防止膜、4はBSF層、5は表面電極、6は裏面電極、6aは出力取出電極、6bは集電電極、7は半田層を示す。
まず、P型シリコン基板の受光面となる表面側には、P元素を含むN型の拡散層2と酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などからなる反射防止膜3が形成される。半導体基板1の裏面側には、例えばアルミニウムなどを拡散して形成された高濃度P型のBSF層4を有する。
そして、半導体基板1の表裏両面にはそれぞれ、銀等を主成分とする表面電極5と、裏面電極6においては銀等を主成分とする出力取出電極6aとアルミニウムを主成分とする集電電極6bが形成されている。
この表面電極5および出力取出電極6aの表面は、後工程で太陽電池素子同士を接続するために銅箔の周囲が半田で被複されたインナーリードと接続しやすくする目的と、太陽電池素子の長期信頼性を確保する目的とを満たすために、半田層7で被覆するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
また、長期信頼性を確保するためことを目的として、上記半田層による被覆に代えて、ガラス層等で被覆することも開示されている(特許文献2参照)。
特開2002−353477号公報 特開2004−247596号公報
しかし、上述の従来技術によると、表面電極や裏面電極の表面を半田やガラス層で被覆する必要があることから、太陽電池素子の製造工程数が多くなって生産性が低下し、またコストも増大するという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極層表面を半田等で被覆することなく、太陽電池素子用半導体基板との接着強度(電極強度)を確保し、且つ、長期信頼性に優れた電極層を高い生産性で作製するための太陽電池素子用導電性ペーストとそれを用いた太陽電池素子の製造方法を提供するものである。
本発明の太陽電池素子用導電性ペーストは、シリコン基板の主面上の電極材料として用いられる太陽電池素子用導電性ペーストであって、酸化物換算で、酸化亜鉛が40重量%以上70重量%以下、酸化鉛が重量%以上重量%以下、酸化ホウ素が10重量%以上30重量%以下、酸化ケイ素が1重量%以上20重量%以下、酸化アルミニウムが2重量%以上8重量%以下の組成を有するガラスフリットと、導電性材料と、を含有するものである。
前記ガラスフリットは、前記導電性材料100重量部に対して、0.5重量部以上5重量部以下の割合で含有されることが好ましい。
前記導電性材料はAgを主成分とすることが好ましい。
また本発明の太陽電池素子の製造方法は、上記のような太陽電池素子用導電性ペーストを、半導体基板の一主面の少なくとも一部に塗布する工程と、前記太陽電池素子用導電性ペーストを焼成する工程とを有するものである。
前記焼成工程は、ピーク温度が500℃以上600℃未満に設定されることが好ましい。
前記半導体基板の一主面の少なくとも一部であって、前記太陽電池素子用導電性ペーストと接する位置に、Alを主成分とするAlペーストを塗布する工程をさらに有することが好ましい。
前記太陽電池素子用導電性ペーストおよび前記Alペーストは同時に焼成されることが好ましい。
本発明の太陽電池素子用導電性ペーストは、シリコン基板の主面上の電極材料として用いられる太陽電池素子用導電性ペーストであって、酸化物換算で、酸化亜鉛が40重量%以上70重量%以下、酸化鉛が重量%以上重量%以下、酸化ホウ素が10重量%以上30重量%以下、酸化ケイ素が1重量%以上20重量%以下、酸化アルミニウムが2重量%以上8重量%以下の組成を有するガラスフリットと、導電性材料と、を含有することから、当該ペーストを太陽電池素子用半導体基板の表面に塗布・焼成することで形成された電極は、従来のように電極表面に半田層やガラス層をさらに被覆することなく、太陽電池素子用半導体基板との間における電極強度の長期信頼性を確保することができる。
また、ガラスフリットは、導電性材料100重量部に対して、0.5重量部以上5重量部以下の割合で含有されることが好ましく、これによって上記したような電極強度の長期信頼性を十分に確保することができる。
さらに、導電性材料として、抵抗率が低いAgを主成分とすることが好ましい。
また本発明の太陽電池素子の製造方法は、上記のような太陽電池素子用導電性ペーストを、半導体基板の一主面の少なくとも一部に塗布する工程と、該太陽電池素子用導電性ペーストを焼成する工程とを有することから、半導体基板との間における電極強度の長期信頼性を確保することができる。
特に、前記焼成工程は、ピーク温度が500℃以上600℃未満に設定されることが好ましく、これによって、ガラスフリットの軟化時間を抑え、より電極強度の低下率を抑制することができる。
また、前記半導体基板の一主面の少なくとも一部であって、前記太陽電池素子用導電性ペーストと接する位置に、Alを主成分とするAlペーストを塗布する工程を、さらに有することが好ましく、このように電極が重なり合って応力が生じやすい位置関係を有する場合においても、電極強度の低下を効果的に抑制することができる。
さらに、前記太陽電池素子用導電性ペーストおよび前記Alペーストは、生産性向上の観点から、同時に焼成されることが好ましい。
以下、本発明の太陽電池素子用導電性ペースト及び本発明の太陽電池素子の製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
≪太陽電池素子用導電性ペースト≫
本発明の太陽電池素子用導電性ペーストは、酸化物換算で、酸化亜鉛が40重量%以上70重量%以下、且つ、酸化鉛が1重量%以上10重量%以下の組成を有するガラスフリットと、導電性材料と、を含有するものである。ここで、ガラスフリットは、導電性材料100重量部に対して0.5〜5重量部を添加することが好ましい。なお、ガラスフリットは、上記組成を有するものを単独で用いるのみならず、異なる組成を有する他のガラスフリットを混合して用いてもよい。また、導電性ペーストには、所定の有機ビヒクルを、導電性材料100重量部に対して10〜30重量部を添加することが好ましい。
ガラスフリットは、酸化物換算で、酸化亜鉛が40重量%以上70重量%以下、且つ、酸化鉛が1重量%以上10重量%以下の組成を有することから、導電性ペーストを半導体基板に塗布し焼成されてなる電極層は、長期使用による電極強度の低下率が抑制される。この効果は、焼成時にガラスフリットの軟化が適度に起こり、ガラスフリット層は十分に広がることなく部分的な厚膜部を形成することに起因して生じるものと推察される。
なお、酸化亜鉛は、40重量%より少なくすると、耐熱性が低くなるとともに、ガラスの多くが半導体基板界面に広がるように移動するため、耐湿性の低下抑制効果が小さくなる傾向にあり、70重量%より多くすると、焼成時にガラスが半導体基板界面にほとんど移動しなくなることで、耐湿性の低下抑制効果が小さくなる傾向にある。一方、酸化鉛は、1重量%より少なくすると、焼成時にガラスが半導体基板界面にほとんど移動しないため、耐湿性の低下抑制効果が小さくなる傾向にある。10重量%より多くすると、耐熱性が低くなるとともに、ガラスの多くが半導体基板界面に広がるように移動するため、耐湿性の低下抑制効果が小さくなる傾向にある。
ガラスフリットには、上述の酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、及び酸化アルミニウムの他に、酸化アンチモン、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化セレン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン及び酸化リチウム等を適宜含有することができる。なお、長期信頼性をより高めるために、特に、酸化物換算で酸化ホウ素は10〜30重量%、酸化ケイ素は1〜20重量%であることが好ましく、さらに、酸化アンチモン、酸化セレンを0.01〜1重量%の成分を有することが好ましい。
また、ガラスフリットを構成するガラスは、その軟化点として560℃以上、または、転位点として450℃以上のものを有することが好ましい。ここで、軟化点とは、ASTM C338−57の繊維伸び法により得られる値を意味する。また、転移点は一般的な示差熱分析装置(DTA、あるいはDSC)で測定することができ、ベースラインの接線と、ガラス転移による吸熱領域の急峻な下降位置の接線との交点と定義され、本発明では、ASTM D3418−82に準じて測定した値を意味する。
ガラスの粒径は、ペースト中の分散性を考慮して、粒径D50が1〜5μmのものを用いることが好ましく、粒径D25が0.4×D50〜0.6×D50μm、粒径D75が1.5×D50〜1.8×D50μmであることがさらに好ましい。なお、粒径D25、D50、D75の測定方法としては、評価対象の試料を水に浸漬し、約10分間超音波処理したのちレーザー回折散乱法を用いることができ、D25、D50およびD75はそれぞれ、レーザー回折散乱法に基づく代表径の個数基準積算ふるい下分布で頻度25、50、75%の粒径であり、一般的なマイクロトラック法により測定から計算が可能である。
ガラスの熱膨張係数は、シリコン(2.5×10−6/deg)と用いる導電性ペーストの主成分となる金属(例えば、銀では19×10−6/deg、アルミニウムでは23×10−6/deg)との中間値であることが好ましいが、シリコンの熱膨張係数に近い方が好ましく、3×10−6/deg〜10×10−6/degであればよい。
次に、導電性材料としては、特に限定されるものではないが、上記ガラスフリットとともに用いることで電極の長期信頼性が向上することから、比較的耐湿性に乏しい銀を主成分としたものであっても好適に用いることができる。
≪太陽電池素子の製造方法≫
本発明の太陽電池素子の製造方法について詳しく説明する。
図1は、本発明における太陽電池素子の断面の構造を示す図である。また、図2は、本発明に係る電極層形状の一例を示す図であり、(a)は受光面側(表面)、(b)は非受光面側(裏面)である。
半導体基板1は、単結晶または多結晶シリコンなどからなる。このシリコン基板1は、ボロン(B)などの一導電型半導体不純物を含有し、抵抗は例えば0.2〜2.0Ω・cm程度程度である。単結晶シリコン基板の場合には引き上げ法などによって形成され、多結晶シリコン基板の場合は鋳造法などによって形成される。引き上げ法や鋳造法によって形成されたインゴットを10cm×10cm〜20cm×20cm程度の大きさに切断し、500μm以下、より好ましくは250μm以下の厚みにスライスして半導体基板1とする。
この半導体基板1は、そのスライス面を清浄化するために、表面をNaOHやKOH、あるいはフッ酸やフッ硝酸等でごく微量エッチングされる。
その後、光入射面となる半導体基板表面(受光面)側に、ドライエッチング方法やウェットエッチング方法などを用いて、光反射率低減機能を有する凹凸(粗面化)構造を形成することが好ましい。
次に、n型の拡散層2を形成する。n型化ドーピング元素としてはP(リン)を用いることが好ましく、シート抵抗が例えば30〜300Ω/□程度のn型とする。これによって、p型バルク領域との間にpn接合部が形成される。
拡散層2は、半導体基板の受光面などに形成されるものであり、例えば、ペースト状態にしたPを塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状態にしたPOCl(オキシ塩化リン)を拡散源とした気相熱拡散法、及びpイオンを直接拡散させるイオン打ち込み法等によって形成される。この拡散層2は、0.2〜0.5μm程度の深さに形成される。
なお、拡散を予定しない部位にも拡散領域が形成された場合には、後でエッチングによって除去すればよい。半導体基板1の受光面側以外の拡散層2の除去は、半導体基板1の受光面側にレジスト膜を塗布し、フッ酸又はフッ酸と硝酸の混合液を用いてエッチング除去した後、レジスト膜を除去することにより行なえばよい。また、後述するように、裏面(非受光面)のBSF領域4をアルミニウムペーストによって形成する場合は、p型ドープ剤であるアルミニウムを充分な濃度で充分な深さまで拡散させることができるので、既に拡散してあった浅いn型拡散層の影響は無視できるようにすることができ、この裏面側に形成されたn型拡散層を特に除去する必要はない。
次に、反射防止膜3を形成する。反射防止膜3の材料としては、SiNx膜(Si34ストイキオメトリを中心にして組成比(x)には幅がある)、TiO2膜、SiO膜、MgO膜、ITO膜、SnO2膜、ZnO膜などを用いることができる。その厚さは、適当な入射光に対して無反射条件を実現できるよう、半導体材料に応じて適宜選択すればよい。例えば半導体基板1がシリコン基板である場合、屈折率は1.8〜2.3程度、厚み500〜1200Å程度にすればよい。
反射防止膜3の製法としては、PECVD法、蒸着法又はスパッタ法などが用いられる。なお、反射防止膜3は、後述するファイヤースルー法で表面電極4を形成しない場合は、表面電極5を形成するために所定のパターンでパターニングしておく。パターニング法としてはレジストなどマスクを用いたエッチング法(ウェットあるいはドライ)や、反射防止膜3形成時にマスクを予め形成しておき、反射防止膜3形成後にこれを除去する方法を用いることができる。一方、反射防止膜3の上に表面電極5の導電性ペーストを直接塗布し焼き付けることによって表面電極4と拡散層2を電気的に接触させる、いわゆるファイヤースルー法を用いる場合は、前記パターニングの必要はない(図2(a))。
次に、BSF層4を形成することが望ましい。ここで、BSF層4とは、半導体基板1の裏面側に一導電型半導体不純物が高濃度に拡散されてなる領域を言い、キャリアの再結合による効率の低下を防ぐ役割を有するものである。不純物元素としてB(ボロン)やAl(アルミニウム)を用いることができ、不純物元素濃度を高濃度にして、p型とすることによって後述する裏面電極6との間にオーミックコンタクトを得ることができる。
BSF層4の製法としては、BBr(三臭化ボロン)を拡散源とした熱拡散法を用いて温度800〜1100℃程度で形成することができ、熱拡散法を用いる場合は、既に形成してある拡散層2には酸化膜などの拡散バリアをあらかじめ形成しておくことが望ましい。他の製法として、Alを用いる場合、Al粉末及び有機ビヒクル等からなるアルミニウムペーストを塗布法で塗布したのち、温度600〜850℃程度で熱処理(焼成)してAlを半導体基板1に向けて拡散する方法を用いることができ、この方法によると塗布面への所望の拡散領域が形成できると同時に、上記した裏面側の不要な拡散層の除去を要しない。しかも、焼成されたAlは除去せずに、そのまま裏面電極の集電電極6bとして利用することもできる。
次に、表面電極5及び裏面電極6を、半導体基板1の表面側及び裏面側に形成する。これらの電極は、半導体基板1の表面に公知の塗布法を用いて本発明の太陽電池素子用導電性ペーストを塗布し、ピーク温度が500〜850℃程度で数十秒〜数十分間焼成して電極を形成する。ここで、焼成のピーク温度を500℃以上600℃未満にすることが好ましく、これによってガラスフリットの軟化時間を抑え、より電極強度の低下率を抑制することができる。なお、導電性ペーストとしては、抵抗率の低い銀を主成分としたものが好ましい。
裏面電極6は、図2(b)に示すように、本発明の導電性ペーストを塗布・焼成して形成された出力取出電極6aと、アルミニウムを主成分に含むアルミニウムペーストをシリコン基板の略全面に塗布・焼成して形成される集電電極6bとを、互いの一部が重なるように構成されていてもよい。このように、銀を主成分とする出力取出電極6aと、アルミニウムを主成分とする集電電極6bとの重なり部分では、応力が生じやすく、電極強度が低下しやすいため、本発明の太陽電池素子用導電性ペーストを用いることにより上記問題を抑制することができる。
なお、出力取出電極6aとなる銀ペーストを塗布し、集電電極6bとなるアルミニウムペーストを塗布した後に、両者を同時に焼成することによって、製造工程数を減らすことができ生産性を向上させるようにすることが好ましい。なお、ペースト塗布の順序は、特に限定されるものではない。
また、導電性ペーストの形成パターンは、太陽電池素子から集電するために一般的に用いられるパターン、例えば表面電極5の場合であれば、図2(a)に示すように、一般的な櫛形パターンとすればよい。なお、電極を所定形状にするためのマスクの材質・形状は特に限定されるものではなく、内部の雰囲気などに大きな影響を及ぼさないものであれば使用可能であるが、電極パターンにあわせたマスクの加工性を考慮すると金属で作製することが好ましい。
以上のようにして、本発明の太陽電池素子用導電性ペーストを用いて電極を形成することによって、半導体基板との間における電極強度の長期信頼性を確保することができるとともに、電極層の表面に半田層やガラス層などを被覆する工程を省くことが出来るので、生産性の向上並びにコスト削減を達成することができる。
≪太陽電池モジュールの製造方法≫
次に、上述した太陽電池素子を用いて形成された太陽電池モジュールについて、図4を用いて説明する。
図4は、太陽電池モジュールを示す。なお、図4(a)は、一般的な太陽電池モジュールの構造を示す断面図であり、図4(b)は、図4(a)の太陽電池モジュールを光入射面側から見た上視図である。
太陽電池モジュールは、図4(a)に示されるように、透明部材12の上に、透明のエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などからなる表側充填材14、配線部材11によって隣接太陽電池素子の表面電極と裏面電極とを交互に接続された複数の太陽電池素子10、EVAなどからなる裏側充填材15、および、ポリエチレンテレフタレート(PET)や金属箔をポリフッ化ビニル樹脂(PVF)で挟み込んだ裏面保護材13を順次積層し、さらに、ラミネータ中にて脱気、加熱して押圧することによって一体化することにより作製されることが好ましい。
配線部材11は、通常、厚さが0.1〜0.2mm、幅が約2mmの銅箔の全面を半田材料によって被覆したのち、所定の長さに切断することにより得られることが好ましい。
太陽電池モジュールとしては、複数の太陽電池素子10を、直列または並列に電気接続したものがあげられる。
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子10が直列接続されている場合、複数の素子の最初の素子と最後の素子の電極の一端を、出力取出部である端子ボックス17に、出力取出配線16によって接続していることが好ましい。
太陽電池モジュールは、図4(b)に示すように、必要に応じてアルミニウムなどの枠18を周囲にはめ込むことが好ましい。
このような太陽電池モジュールは、通常、長期に渡って野外に設置されるため、日々の温度サイクルストレスが配線部材11と金属電極との接続部分に加わったり、裏面保護材13や裏側充填材15を通して水分が浸透する等の影響を受けることで、配線部材11が金属電極から外れたり、金属電極が半導体基板1から破断するおそれがあるが、本発明の太陽電池素子用導電性ペーストを用いて電極を形成することによって、上記問題の発生を効果的に抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることが出来る。
また、上述したようにガラスフリットは異なる組成を有する他のガラスフリットを混合して用いてもよく、例えば、軟化点が450℃以下のガラスを導電性材料に対して0.01重量%以上1重量%以下で含有させてもよい。ガラスの成分としては、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化セレン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化リチウム等を用いることができる。
さらに、拡散層2の形成方法は、上記方法に限定されるものではなく、例えば薄膜技術及び条件を用いて、水素化アモルファスシリコン膜や、微結晶シリコン膜を含む結晶質シリコン膜などを形成してもよい。さらに、半導体基板1と拡散層2との間にi型シリコン領域(不図示)を形成してもよい。
実施例として、以下に説明する13種の太陽電池素子を作製した。
まず、厚さ260μm、外形15cm×15cm、比抵抗1.5Ω・cmの多結晶半導体基板1表面のダメージ層をアルカリでエッチングして洗浄した。次に、イオン打ち込み法により半導体基板1の表面にリン(P)を打ち込むことによって、半導体基板1の表面にリン原子を拡散させて拡散層2を形成した。この時、シート抵抗は70Ω/□であった。次に、半導体基板1の表面側に、PECVD法によって反射防止膜3となる窒化シリコン膜を形成した。そして、裏面側にアルミニウムペーストを略全面に塗布・焼成してBSF層4と集電電極6bを形成した。また、表面側と裏面側に、銀ペーストを図2に示す形状となるように塗布・焼成して表面電極5と出力取出電極6aとを形成した。
この出力取出電極6aは、銀粉末及び有機ビヒクルに、No.1〜13(表1)のガラスフリットをそれぞれ銀粉末100重量部に対して3重量部添加し、さらに他のガラスフリット(酸化物換算の組成比は、酸化鉛:70重量%、酸化亜鉛:5重量%、酸化ホウ素:5重量%、酸化ケイ素:10重量%、酸化ジルコニウム:10重量%)を、銀粉末100重量部に対して0.5重量部添加して、ペースト状にした銀ペーストを、スクリーン印刷法で塗布して580℃で12分間焼成した。
Figure 0004948876
その後、電極部にフラックスを用いてインナーリードを溶着した。
このようにして製造されたインナーリード付きの太陽電池素子No.1〜13(表2)を、耐湿性試験に投入して電極強度の評価を行った。耐湿性試験の条件として、「JIS C 8917」に準拠した温度85℃、湿度85%を採用した。
比較例として、酸化物換算で酸化鉛:70重量%、酸化亜鉛:5重量%、酸化ホウ素:5重量%、酸化ケイ素:10重量%、酸化ジルコニウム:10重量%の組成からなるガラスフリットを含有した銀ペーストを用いて電極を形成するとともに、電極表面に半田被覆を行って製造された太陽電池素子を1種類作製した。
以上の実施例No.1〜13、並びに比較例について、電極強度および耐湿性試験の結果を表2に示す。ここで、表2の相対比とは、耐湿性試験前の電極強度に対する、耐湿性試験1000時間後の電極強度の比を意味する。また、判定基準として、◎は非常に良い、○は従来と同等かそれ以上、△は従来以下ではあるが許容範囲、×は悪いものとした。
Figure 0004948876
表2に示す通り、従来の半田被覆有りの比較例に対し、酸化亜鉛の含有率が40重量%以上70重量%以下かつ酸化鉛の含有率が1重量%以上10重量%以下の範囲のNo.2〜5、7、9〜12は相対比が高く、電極強度の耐湿性が向上している。特に、酸化亜鉛の含有率が40〜70重量%かつ酸化鉛の含有率が3〜8%の範囲のNo.4、5、7、9、10は相対比の電極強度も高く、従来例に比べ大幅に改善されていることがわかった。他方、上記数値範囲外のNo.1、6、8、13は、電極強度および耐湿性に関して特性低下が見られることがわかった。
また、以上のようにして作製された太陽電池素子をモジュール化し、耐湿性試験に投入し、1000時間後の素子特性の信頼性の確認を行った。なお、耐湿性試験の条件としては、上述したものと同様、「JIS C 8917」に準拠した温度85℃、湿度85%を採用した。その結果、素子特性のFF値の低下率は、ガラスフリットとして、酸化亜鉛の含有率が40重量%以上70重量%以下かつ酸化鉛の含有率が1重量%以上10重量%以下の範囲のものを用いた場合は、比較例同様に96%以上を示しているが、この範囲外のガラスフリットを用いた場合は85%と低下率が大きいことがわかった。
以上の結果、酸化亜鉛の含有率が40重量%以上70重量%以下かつ酸化鉛の含有率が1重量%以上10重量%以下の範囲のガラスフリットを含有する銀ペーストを用いることによって、長期信頼性が得られることを確認することができた。
本発明の太陽電池素子用導電性ペーストを用いて形成された太陽電池素子の一実施形態を示す図である。 本発明の太陽電池素子用導電性ペーストを用いて形成された太陽電池素子の電極形状の一例を示す図であり、(a)は受光面側(表面)、(b)は非受光面側(裏面)である。 従来の太陽電池素子の構造を説明するための図である。 (a)は本発明の太陽電池モジュールの構造の一例を示す断面図であり、(b)は(a)の太陽電池モジュールを光入射面側から見た上視図である。
符号の説明
1・・・半導体基板
2・・・拡散層
3・・・反射防止膜
4・・・BSF層
5・・・表面電極
6・・・裏面電極
6a・・出力取出電極
6b・・集電電極
7・・・半田層
10・・太陽電池素子
11・・配線部材
12・・透明部材
13・・裏面保護材
14・・表側充填材
15・・裏側充填材
16・・出力取出配線
17・・端子ボックス
18・・枠

Claims (7)

  1. シリコン基板の主面上の電極材料として用いられる太陽電池素子用導電性ペーストであって、
    酸化物換算で、酸化亜鉛が40重量%以上70重量%以下、酸化鉛が重量%以上重量%以下、酸化ホウ素が10重量%以上30重量%以下、酸化ケイ素が1重量%以上20重量%以下、酸化アルミニウムが2重量%以上8重量%以下の組成を有するガラスフリットと、導電性材料と、を含有する太陽電池素子用導電性ペースト。
  2. 前記ガラスフリットは、前記導電性材料100重量部に対して、0.5重量部以上5重量部以下の割合で含有されることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池素子用導電性ペースト。
  3. 前記導電性材料はAgを主成分とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池素子用導電性ペースト。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の太陽電池素子用導電性ペーストを、半導体基板の一主面の少なくとも一部に塗布する工程と、
    前記太陽電池素子用導電性ペーストを焼成する工程と、を有する太陽電池素子の製造方法。
  5. 前記焼成工程は、ピーク温度が500℃以上600℃未満に設定されることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池素子の製造方法。
  6. 前記半導体基板の一主面の少なくとも一部であって、前記太陽電池素子用導電性ペーストと接する位置に、Alを主成分とするAlペーストを塗布する工程、をさらに有する請求項4又は請求項5に記載の太陽電池素子の製造方法。
  7. 前記太陽電池素子用導電性ペーストおよび前記Alペーストは同時に焼成されることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池素子の製造方法。
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