JP4946209B2 - ホログラム転写箔、及びそれを用いたホログラム付き成形品 - Google Patents
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Description
また、加飾転写層(本発明のホログラム層を含む)を伸縮性材料に転写した後に、少なくとも表面の一部に凹凸又は曲面を有する成形品本体の表面の一部分に加熱加圧により転写した表面装飾成形品が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、加飾転写層を直接成形品へ転写はできないという欠点がある。
さらに、ベースフィルム、保護層、金属薄膜(本発明のホログラム層と反射層に相当する)、接着層とからなる転写フィルムを作製し、この転写フィルムを挟んで一対の金型を型締めし、該金型内に溶融樹脂を射出して金属薄膜をつけ爪本体の表面に転写するつけ爪の製法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、つけ爪は1方向の大きな曲面で、転写フィルム自身は平面を巻き付けた状況であり、立体とは言い難い、また、転写フィルムを構成する保護層、金属薄膜、及び接着層の材料についても、極く一般的なものであり、立体物への転写で最大の問題点であある材料の伸縮性については記載も示唆もされていない。
請求項2の発明に係わるホログラム転写箔を用いたホログラム付き成形品は、請求項1に記載のホログラム転写箔を用いて、インモールド射出成形法で、立体面へホログラムが転写されてなることを特徴とするホログラム付き成形品である。
請求項2の本発明によれば、割れや白化などのホログラム効果の低下が少ない意匠性に優れたホログラムが転写され、極めて過酷な環境、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用でも、画像を保護し耐久性に優れるホログラム転写箔を用いたホログラム付き成形品が提供される。
図1は、本発明の1実施例を示すホログラム転写箔の断面図である。
図2は、本発明のホログラム転写箔を用いて、転写した成形品の断面図である。
(2)電離放射線で硬化後の23℃における破断伸度を5%以上、好ましくは7%以上とすることができる。5%未満では伸縮時にヒビ割れたり白化したりする。7%以上であると、伸縮率が高くても伸縮時にヒビ割れたり白化したりしない。(3)基材11/離型層13/ホログラム層15/反射層17/接着層19のホログラム転写箔10状態で、150℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有する。なお、耐熱性は接着層19を設けても設けなくとも同じである。(4)ホログラム層15へは反応性シリコーンを含ませることで、賦型性がよいので、ホログラム機能を発現する微細な凹凸なレリーフ構造を容易に賦型でき、賦型後に電離放射線で硬化できる。(5)カードなどの媒体への転写後は、ホログラム層15は最表面層となるが、該ホログラム層15はハードコート機能も兼ねているので、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、摩耗、スクラッチから支持体の画像を保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。(6)ホログラム層15はメラミン系樹脂を用いた離型層13と界面を接しているので、安定した剥離性を有し、転写時には箔切れがよく、バリなどの発生も極めて少ないので、転写性よく転写することができる。
該離型層13面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させた。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物の作製手順>
まず、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。
該「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と、造膜性樹脂(アクリル系オリゴマー)、反応性シリコーン、ポリエチレンワックス、光重合開始剤、及び溶媒を下記の組成で配合して電離放射線硬化性樹脂組成物を調製した。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.2質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径2.0m) 0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
酢酸エチル 70質量部
次に、該層面へ、2光束干渉法による回折格子から2P法で複製した擬似連続絵柄としたスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた。
該ホログラム層15のレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが100nmのアルミニウム薄膜を形成して反射層17を形成した。
該反射層17面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成して、実施例1のホログラム転写箔10を得た。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂P−170(日本合成化学社製、商品名) 20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 10質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 70質量部
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光7510B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.2質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径2.0μm) 2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
酢酸エチル 70質量部
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 24質量部
メタアクリレートオリゴマー(クラレ社製、商品名パラペットGF) 6重量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.1質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径2.0μm) 0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 0.9重量部
酢酸エチル 70重量部
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
酢酸エチル 70質量部
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 25質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光6630B)5質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.2質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径2.0μm) 5質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
酢酸エチル 70質量部
なお、該射出成形は成形サイクル12秒で連続的に成形した。得られる成形品は3次元形状(周囲に5mmの縁取りがあり、中央部が球面状に盛り上った直径150mmのCDプレイヤーの部材)とした。
さらに、実施例1〜3の第1ハードコート層15面の鉛筆硬度試験を、JIS−K−5400に準拠して測定したところ、いずれも2H以上の硬度を有し、さらに、実施例1〜3の第1ハードコート層15面のスクラッチ強度はサファイア200g以上であり、充分な耐久性を有していた。しかしながら、比較例1ではスクラッチ強度が悪く、充分な耐久性を有していなかった。
11:基材
13:離型層
15:ホログラム層
17:反射層
19:接着層
21:紫外線吸収層
100:媒体
101:支持体
103:受像層
105:画像
Claims (2)
- 基材と、該基材の一方の面へ離型層、ホログラム層、反射層及び接着層を設けてなるホログラム転写箔において、
前記離型層がメラミン系樹脂であり、
前記ホログラム層が電離放射線硬化性樹脂及び反応性シリコーンの硬化物、並びにポリエチレンワックスを含み、
前記電離放射線硬化性樹脂が(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有し、
前記ホログラム層のポリエチレンワックスの含有が質量基準で、電離放射線硬化樹脂:ポリエチレンワックス=100:0.01〜10であり、
前記ホログラム層が(1)電離放射線硬化前の塗膜が指乾状態で、(2)電離放射線硬化後の23℃における破断伸度が5%以上で、かつ、(3)基材、離型層、ホログラム層及び反射層を設けたホログラム転写箔状態で、150℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有し、
立体面へホログラムを転写できることを特徴とするホログラム転写箔。 - 請求項1に記載のホログラム転写箔を用いて、インモールド射出成形法で、立体面へホログラムが転写されてなることを特徴とするホログラム付き成形品。
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