JP4945104B2 - 耐アーク性に優れた絶縁物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐アーク性に優れた絶縁物に関するものであり、特に、電極と電極の間にアークが発生する遮断器等での使用に適した耐アーク性に優れた絶縁物に関する。
電極間に六フッ化硫黄ガス(SF6ガス)を吹き付けてアークを消す遮断器や、電極両側に設置したコイルで磁界を与えて、アークシュートという領域に六フッ化硫黄ガスを吹き込んでアークを消すアークシュートブレーカなど、装置中の電極間でアークが発生するような機器では、発生したアーク近傍に絶縁物を設置し、アークの熱や紫外線を多量に含む光から、装置の他の部分を保護するようにしている。
従来、このような遮蔽用の絶縁物には、他の物質を充填させていないフッ素系樹脂が使用されていた。しかし、無充填のフッ素系樹脂を用いた場合、遮断時に発生するアークの熱や紫外線を多量に含む光により、樹脂表面だけでなく、樹脂内部にも導電性を有する炭化物が生成するため、絶縁性能が著しく低下するという問題点があった。
また、樹脂の内部炭化により発生したガスが内部から噴出し、フッ素系樹脂が吹き飛ばされるという現象が起きるため、樹脂表面に著しい凸凹が形成され、遮蔽用に設置した絶縁物の機械的強度が大幅に低下するといった問題点があった。さらに、樹脂表面に形成された凸凹のために、消弧性ガスを吹き付ける際に、ガスの流れが悪くなり、十分な冷却効果が得られないという問題点もあった。
このような課題に対して、特許文献1等では、フッ素樹脂に窒化ホウ素を充填することにより、アークからの光を反射して樹脂内部への進入を防ぎ、内部劣化を防ぐことが提案されている。この絶縁物は、窒化ホウ素を充填することによって、未充填のものよりも色が白くなり、光の反射率も高くなっている。しかし一方では、生産ロットの異なる窒化ホウ素の混合充填や、樹脂の焼成時に窒化ホウ素から発生したガスがフッ素樹脂中に滞留することなどにより、窒化ホウ素を充填しないフッ素樹脂単独では起きない色むらや点状の変色が発生する場合があった。
このような変色部は、白色で反射率が高い他の部分に比べ、アークからの熱や紫外線光を吸収しやすく、局所的な劣化の原因になる可能性がある。このため、著しい色むらや変色部がある絶縁物は、基本的に使用しないようにするため、窒化ホウ素を充填しない場合よりも品質管理が難しく、生産効率が上げにくいという問題点があった。
一方、特許文献2では、二硫化モリブデンMoS2を添加して、アークの熱や紫外線を多量に含む光を表層で吸収し、内部劣化を防ぐことが提案されている。この方法に従えば、黒色化することによって、色むらや変色をほぼなくすことが可能である。しかしながら、MoS2や黒色顔料として広く使用されているカーボンは導電性物質であるため、たとえ充填量を制御したとしても、絶縁物の絶縁性能が低下し、耐アーク性が低下するという問題点があった。
また、特許文献3では、粒径が1μm以下の無機顔料又は/および0.5μmの有機顔料を0.2〜5重量%添加することが提案されている。しかし、樹脂と顔料の組み合わせについて規制がなく、300℃前後での焼成を必要とするポリ四フッ化エチレン樹脂に百数十度の耐熱性しかない有機顔料や、300℃以上の温度で徐々に変色する群青を充填することが示されるなど、特許文献3に示された技術では、本発明が解決しようとする課題の一つである色むらや変色の問題を解決することはできない。
特公平1−37822号公報 特開平10−172400号公報 特公昭62−60783号公報
上述したように、従来から遮断器等に用いられている絶縁物においては、絶縁性能や耐アーク性能の低下を防止すること、また、色むらや変色の発生を防止することができなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、絶縁性を確保しながら、絶縁物内部と外部両方で十分な劣化防止性能を確保し、さらに、色むらや局所的な変色を防ぐことによって、製品品質の安定性の向上を図った耐アーク性に優れた絶縁物を提供することにある。
上記のような目的を達成するために、請求項1に記載の耐アーク性に優れた絶縁物は、電極と電極の間に発生するアーク近傍に配置して使用する絶縁物であって、CuO−Cr 2 3 系、CoO−Cr 2 3 −Mn 2 3 系、CoO−Fe 2 3 −Cr 2 3 系、あるいはCuO−Fe 2 3 −Mn 2 3 系のいずれかを主成分とする顔料を単独あるいは組み合わせて成る絶縁顔料を、所定のフッ素系樹脂に対してその0.05〜0.2重量%充填したことを特徴とする。
本発明によれば、絶縁性を確保しながら、絶縁物内部と外部両方で十分な劣化防止性能を確保し、さらに、色むらや局所的な変色を防ぐことによって、製品品質の安定性の向上を図った耐アーク性に優れた絶縁物を提供することができる。
以下には、本発明を適用した実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
(1)第1実施形態(参考例)
(1−1)構成
本実施形態の耐アーク性に優れた絶縁物は、本発明の参考例であって、図1に示すように、フッ素系樹脂1に、そのフッ素系樹脂の焼成で変色しない耐熱性、耐薬品性を有する黒色以外の絶縁性顔料2を充填して構成されている。
(フッ素系樹脂)
前記フッ素系樹脂1としては、特に、ポリ四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体を用いることが好ましい。ポリ四フッ化エチレン樹脂の融点は約327℃であり、また、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体の融点は約302〜310℃であり、これらはフッ素系樹脂の中でも高い耐熱性を有しているからである。
また、ポリ四フッ化エチレン樹脂は溶融時の粘度が高いため、高温で溶融しても元の形状を維持できるという特徴がある。このような特性を生かすことにより、本実施形態の耐アーク性に優れた絶縁物を、アークに対して適切な距離を確保して配置すれば、たとえアークによって加熱されたとしても、熱による変形を防止することができる。
さらに、上記ポリ四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体は、加熱分解時に、高分子を構成する単位構造分子となってガス化するため、炭化物が残らず、導電性物質の生成による絶縁性能の低下が起きにくいという利点がある。加えて、分解ガス化する際に多量のエネルギーを消費することによって冷却効果が発揮され、ポリ四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体自体を保護する効果も得られる。
(黒色以外の絶縁性顔料)
上記フッ素系樹脂1に充填され、その焼成工程で変色しない耐熱性、耐薬品性を有する黒色以外の絶縁性顔料2は、アーク4から発生した光3のうち、主に内部劣化に関与する波長領域の光を吸収することにより、樹脂内部での炭化物の形成を抑制し、内部に発生したガスによってフッ素系樹脂が吹き飛ばされるという現象を防ぐことにより、絶縁性能の低下を抑えることができるものである。
すなわち、カーボンのような導電性物質を充填した場合には、充填量が少量であっても、フッ素系樹脂1の絶縁抵抗が低下して、近接されたアークが導電性物質を充填したフッ素樹脂1の表面を流れやすくなるなど、耐アーク性が低下してしまっていた。これに対して、本実施形態で用いられる黒色以外の絶縁性顔料2を充填した場合には、フッ素系樹脂1の絶縁抵抗は低下せず、結果として耐アーク性の高い絶縁材料を得ることができる。
また、本実施形態で用いられる黒色以外の絶縁性顔料2としては、フッ素系樹脂1の焼成温度である300℃前後の温度で変化、変色しない耐熱性を有し、且つ、焼成前のフッ素系樹脂1から発生するフッ素系ガスに侵されない耐薬品性を有する、黒色系以外の絶縁性顔料2を用いることが好ましい。耐熱性や耐薬品性を持たない顔料を使用した場合、フッ素系樹脂の焼成時に変色が発生したり、炭化物が生成するなど、導電性の顔料を添加した場合と同様に、絶縁性能の低下を招くからである。
(黒色以外の絶縁性顔料の具体例)
上述したように、アークからの光3を遮蔽し、且つ、光吸収による絶縁物の損耗を低減するためには、後述するように黒色以外の絶縁性顔料2の充填率を適正化すると共に、黒色以外の絶縁性顔料2が吸収する光の波長領域を調整することが有効である。つまり、内部炭化に関与する波長領域の光を主に吸収し、それ以外の光を吸収しないようにすれば、内部炭化による絶縁性能の低下の抑制と、光と熱によるフッ素系樹脂1の損耗の低減という両方の効果が得られる耐アーク性に優れた絶縁物を得ることができると考えられる。
このような見地から本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、緑色系顔料又は青色系顔料を、単独もしくは組み合わせて使用することにより、内部炭化による絶縁性能の低下の抑制と、光と熱によるフッ素系樹脂1の損耗の低減の両方の効果が得られ、且つ、色むらなどを生じない耐アーク性に優れた絶縁物が得られることを見出したものである。
ここで記載する緑色系とは、マンセル表色系のマンセルヒュー(色相)において、10基本色相のうち、GY、G、BGからなる領域を指し、また、青色系とは、マンセル表色系のマンセルヒューにおいて、10基本色相のうち、BG、B、PBからなる領域を指す。
具体的には、緑色系無機顔料としては、TiO2−CoO−NiO−ZnO系、ZnO−CoO系を主成分とする顔料を用いることが好ましく、青色系無機顔料としては、CoO−Al23系、CoO−Al23−Cr23系を主成分とする顔料を用いることが好ましい。これらの顔料は、耐熱性、耐薬品性に優れた絶縁性顔料であり、フッ素系樹脂1に充填しても、焼成時の加熱で変化、変色しないものである。
また、上述したように、内部劣化に関与する光を効果的に吸収することで内部炭化を抑制し、それ以外の光を吸収しないことにより、光と熱によるフッ素系樹脂1の損耗を低く抑えることが可能である。また、後述する充填率範囲で充填することにより、色むら等を効果的に抑制することができるものである。
(黒色以外の絶縁性顔料の充填率)
続いて、フッ素系樹脂への黒色以外の絶縁性顔料の充填率について説明する。すなわち、本実施形態の耐アーク性に優れた絶縁物においては、色むらや変色対策という観点から見た場合、色むらや変色を効果的に抑制するのに十分な色の濃度、つまり、最低限の充填率が存在する。しかし、一方では、黒色以外の絶縁性顔料2を多量に充填すると、アークからの光3の吸収量が多くなり、これが熱エネルギーに変換されることにより、熱分解、熱劣化が生じる。その結果、フッ素系樹脂1からなる絶縁物の損耗量が増加することになる。従って、添加する顔料の色とその量を適切に設定することが必要となる。
図2は、黒色以外の絶縁性顔料2を充填したフッ素系樹脂1の平均光吸収率と充填率の典型的な関係を示したものである。ここで言う平均光吸収率とは、黒色以外の絶縁性顔料2を充填したフッ素系樹脂1について、光反射スペクトルを測定し、その光反射スペクトルから光吸収スペクトルを算出し、その吸収率を測定波長領域内で平均した値である。図2に示すように、平均光吸収率は、絶縁性顔料2の充填率が0.1〜1重量%の範囲では充填率の増加と共に増加するが、充填率を1重量%より多くしても、ほとんど変化しない。
上述したように、不必要な光吸収の増加は、熱分解・熱劣化の要因となり、絶縁物自体の損耗量を増加させることにつながる。従って、フッ素系樹脂1に黒色以外の絶縁性顔料2を充填するにあたっては、その充填率は1重量%以下とすれば十分である。一方、本発明者等が検討した結果では、充填率を0.5重量%(平均光吸収率で約70%)よりも少なくすると、色むらや変色点を防ぐことができなかった。従って、フッ素系樹脂1に黒色以外の絶縁性顔料2を充填する場合には、充填率を0.5重量%以上、1重量%以下とすることが好ましい。
(1−2)作用・効果
このように、本実施形態で用いられる黒色以外の絶縁性顔料2は、主に内部劣化に関与する波長領域の光を吸収することにより、樹脂内部での炭化物の形成を抑制し、内部に発生したガスによってフッ素系樹脂が吹き飛ばされるという現象を防ぐことにより、絶縁性能の低下を抑えることができる。
また、本実施形態で用いられる黒色以外の絶縁性顔料2は、内部劣化に関与する波長領域以外の光の多くを吸収しないため、光や熱を吸収することによって生じる絶縁物表面からの樹脂の分解、気化、散逸が必要以上に多くならず、結果として、内部劣化を抑えつつ、全体としての絶縁物の減少(損耗)も抑制することができる。
さらに、上記フッ素系樹脂は、均一に分散された黒色以外の絶縁性顔料2によって一様に着色されるため、窒化ホウ素のような白色充填剤を使用した時に発生することがある色むらや変色点などを抑制することができる。その結果、品質管理上、色むらや変色点の存在によって実器に適用することができない絶縁物を少なくすることができるので、生産効率を高めることが可能になる。
(2)第2実施形態
本実施形態は、フッ素系樹脂1に充填する顔料として、全波長領域の光を吸収する黒色顔料を用いたものである。この場合も、上記第1実施形態と同様に、その充填率を適切に選ぶことにより、内部炭化による絶縁性能の低下の抑制と、光と熱によるフッ素系樹脂1の損耗の低減という両方の効果が得られ、且つ、色むらなどを防ぐことができる耐アーク性に優れた絶縁物を得ることができる。
(2−1)構成
本実施形態の耐アーク性に優れた絶縁物は、図3に示すように、フッ素系樹脂1に、そのフッ素系樹脂の焼成で変色しない耐熱性、耐薬品性を有し、全波長領域の光を吸収する黒色の絶縁性顔料10を充填して構成されている。なお、フッ素系樹脂としては、上記第1実施形態と同様に、ポリ四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体を用いることが好ましい。その理由は上記と同様であるので、説明は省略する。
(黒色の絶縁性顔料)
上記フッ素系樹脂の焼成で変色しない耐熱性、耐薬品性を有する黒色の絶縁性顔料10としては、例えば、CuO−Cr23系、CoO−Cr23−Mn23系、CoO−Fe23−Cr23系、CuO−Fe23−Mn23系を主成分とする顔料を、単独あるいは組み合わせて使用することが好ましい。これらの顔料は耐熱性、耐薬品性に優れた絶縁性顔料であり、内部劣化に関与する光を効果的に吸収することで、劣化を防ぐことができるものである。
(黒色の絶縁性顔料の充填率)
続いて、フッ素系樹脂への黒色の絶縁性顔料の充填率について説明する。
図4は、黒色の絶縁性顔料10を充填したフッ素系樹脂1の平均光吸収率と充填率の典型的な関係を示したものである。ここで言う平均光吸収率とは、黒色の絶縁性顔料を充填したフッ素系樹脂1について、光反射スペクトルを測定し、その光反射スペクトルから光吸収スペクトルを算出し、その吸収率を測定波長領域内で平均した値である。
図4に示すように、平均光吸収率は、黒色の絶縁性顔料10の充填率が0.05〜0.2重量%の範囲では充填率の増加と共に増加するが、充填率を0.2重量%より多くしても、ほとんど変化しない。上述したように、不必要な光吸収の増加は、熱分解・熱劣化の要因となり、絶縁物自体の損耗量を増加させることにつながる。従って、フッ素系樹脂1に黒色の絶縁性顔料10を充填するにあたっては、充填率を0.2重量%以下とすれば十分である。
一方、本発明者等が検討した結果では、充填率を0.05重量%(平均光吸収率で約70%)よりも少なくすると、色むらや変色点を防ぐことができなかった。従って、フッ素系樹脂1に黒色の絶縁性顔料10を充填する場合には、充填率を0.05重量%以上、0.2重量%以下とすることが好ましい。
(2−2)作用・効果
このように、本実施形態で用いられる黒色の絶縁性顔料10は、全波長領域の光を吸収するものの、充填率を0.05重量%以上、0.2重量%以下とすることにより、不必要な光吸収を抑制することができるので、絶縁物表面からの樹脂の分解、気化、散逸を防止することができ、結果として、内部劣化を抑えつつ、全体としての絶縁物の減少(損耗)も抑制することができる。
また、フッ素系樹脂は、均一に分散された黒色の絶縁性顔料10によって一様に着色されるため、窒化ホウ素のような白色充填剤を使用した時に発生することがある色むらや変色点などを抑制することができる。その結果、品質管理上、色むらや変色点の存在によって実器に適用することができない絶縁物を少なくすることができるので、生産効率を高めることが可能になる。
(3)第3実施形態
本実施形態は、フッ素系樹脂1に充填する黒色以外の絶縁性顔料2、あるいは黒色の絶縁性顔料10の粒径の最適値について検討したものである。
上記のような各種顔料には、顔料を充填した時に下地を覆い隠す能力である「隠蔽力」や、一定量の顔料を添加した時に着色する能力である「着色力」という評価パラメータがある。この「隠蔽力」は、顔料粒子の表面で反射される光と顔料に吸収される光で決まるものであり、反射光と吸収光の量が多いほど隠蔽力は高くなる。また、隠蔽力は顔料粒子の粒子径とも関係があり、粒子径が小さくなる、例えば、粒子径が光の波長の1/2以下になると、一般的な反射、屈折と異なる光の散乱や回折現象が起きるため、隠蔽力が著しく低下することが知られている(色材工学ハンドブック (社)色材協会編 朝倉書店)。本発明では、紫外可視領域の光に着目していることから、この領域における光の最長波長は800nmとなり、効率良くこの領域の光を吸収するためには、少なくとも、絶縁性顔料の粒子を400nm(0.4μm)以上にすることが必要となる。
一方、「着色力」については、粒径が小さいほど着色力が強く、径が大きくなるに従って、低下していく傾向がある。従って、粒子径については、最低限必要な着色力を発揮できる上限があるといえる。そこで、色々な粒子径について検討を重ねた結果、本発明の絶縁性顔料については、平均粒径が0.4〜2μmの間にあれば、良好な隠蔽性と着色力を得ることができることが分かった。
また、この粒径範囲内にある緑色系、青色系の絶縁性顔料、及び黒色系の絶縁性顔料を前述の充填率でフッ素系樹脂1に充填した場合、アークからの光3のうち内部劣化に関与する光の吸収率、吸収すると熱エネルギーとなって絶縁物を損耗させる光の透過率がバランスし、内部劣化が起きず、かつ、損耗も少ない耐アーク性に優れた絶縁物を得ることができることが分かった。また、十分な着色を得ることができるため、色むらや変色の露呈を防ぐことも可能となることが分かった。
(実施例)
以下、具体的な実施例を示す。
表1は、種々の絶縁性顔料を充填したフッ素系樹脂について、体積抵抗率及び耐アーク性等の特性を調べた結果を示したものである。なお、実施例1及び実施例2は、緑色系の絶縁性顔料を充填したものであり、実施例3は、青色系の絶縁性顔料を充填したものであり、参考例4は、黒色系の顔料を充填したものである。また、耐アーク性試験はJIS K6911記載の方法に従った。
Figure 0004945104
表1から明らかなように、参考例4に示すような0.4重量%のCuO−Cr 2 3 系顔料を重点した場合や、参考例5に示すような導電性物質(カーボン)を重点した場合には、体積抵抗率や耐アーク性が大幅に低下してしまうのに対して、実施例1〜実施例のように、本発明に係る絶縁性無機顔料を0.7重量%充填した場合には、体積抵抗率が高く、耐アーク性も、比較例1として示すような無重点の四フッ化エチレン樹脂と同じレベルを維持できることが示された。
また、表2は、種々の絶縁性顔料を充填した四フッ化エチレン樹脂をアーク光に晒した時の内部劣化の有無と、その時の重量損耗量を調べた結果を示したものである。なお、実施例11及び実施例12は、緑色系の絶縁性顔料を充填したものであり、実施例13〜実施例15は、青色系の絶縁性顔料を充填したものであり、実施例16〜実施例18は黒色系の絶縁性顔料を充填したものである。また、「重量損耗量」は、比較例2として示した絶縁性顔料が充填されていないPTFEの単位エネルギー当りの重量損耗量を“100”とした時の相対量で示した。
Figure 0004945104
表2から明らかなように、黒色以外の絶縁性顔料を充填した場合には(実施例11〜実施例15)、充填率を0.5重量%前後とし、平均粒径を0.4〜2μmの範囲にすれば、内部炭化及びそれに伴う四フッ化エチレン樹脂のエロージョンがなく、比較例2として示した絶縁性顔料を充填していない系とほぼ同程度にすることができることが示された。なお、粒径が“0.01μm”と小さい実施例11では、内部炭化跡が見られ、充填率が“1.0”と高い実施例13では、損耗量が“150”と高かった。
また、同じ黒色系の絶縁性顔料を用い、充填率をそれぞれ“0.2”、“0.07”とした実施例16及び実施例17の結果を比較すると、実施例16は、損耗量が“250”と高かくなった。このことから、黒色系の絶縁性顔料を充填する場合には、充填率を適正化すれば、内部炭化は抑制しつつ、損耗量も小さくすることができることが分かった。一方、粒径が“0.3μm”と小さい実施例18では、内部炭化跡が見られた。
以上の結果から明らかなように、本発明の耐アーク性に優れた絶縁物は、フッ素系樹脂に適切な絶縁性顔料を適量充填することにより、アーク光が原因となる内部炭化を抑制しつつ、アークからの余分な光や熱を吸収しないことにより、絶縁物の損耗量も抑制することができる。加えて、着色することによって色むらなどを抑制することにより、ロットの異なる材料の混合や、焼成時に発生する色むらや局所的な変色を防ぎ、製品品質の安定性を向上することができる。
本発明に係る耐アーク性に優れた絶縁物の第1実施形態の構成を示す模式断面図 黒色以外の絶縁性顔料を使用した時の充填量と平均光吸収率の関係を示す図 本発明に係る耐アーク性に優れた絶縁物の第2実施形態の構成を示す模式断面図 黒色の絶縁性顔料を使用した時の充填量と平均光吸収率の関係を示す図
符号の説明
1…フッ素系樹脂
2…黒色以外の絶縁性顔料
3…アークからの光
4…アーク
10…黒色の絶縁性顔料

Claims (3)

  1. 電極と電極の間に発生するアーク近傍に配置して使用する絶縁物であって、
    CuO−Cr23系、CoO−Cr23−Mn23系、CoO−Fe23−Cr23系、あるいはCuO−Fe23−Mn23系のいずれかを主成分とする顔料を単独あるいは組み合わせて成る絶縁顔料を、所定のフッ素系樹脂に対してその0.05〜0.2重量%充填したことを特徴とする耐アーク性に優れた絶縁物。
  2. 前記フッ素系樹脂が、ポリ四フッ化エチレン樹脂又は四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体であることを特徴とする請求項1に記載の耐アーク性に優れた絶縁物。
  3. 前記絶縁性顔料の平均粒子径が、0.4〜2μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の耐アーク性に優れた絶縁物。
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