JP4944300B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の低温起動に関し、殊に水素吸蔵合金を利用して暖機を行い、低温状態において燃料電池を起動する燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化の原因になる二酸化炭素の排出量を抑制する等の環境面から、燃料電池電気自動車(FCEV;Fuel Cell Electric Vehicle)が注目されている。燃料電池電気自動車は、水素(H2)と空気中の酸素(O2)を電気化学的に反応させて発電する燃料電池(FC;Fuel Cell)を搭載し、燃料電池が発電した電気を走行モータに供給して駆動力を発生させている。
【0003】
ところで、燃料電池はある温度でその性能を最大に発揮する。例えば、燃料電池電気自動車のパワープラントとして注目されているプロトン交換膜型燃料電池(PEM型燃料電池〔PEM;Proton Exchange Membrane〕)では、その温度は約80℃であり、温度が低いと発電性能(起電力)が低下する。このため、冬季や寒冷地で燃料電池電気自動車を起動する場合は、燃料電池を暖機(つまり所定温度まで燃料電池を加熱・加温)する必要がある。
【0004】
従来は、燃料電池の暖機を次のように行っている。
(1)電気ヒータによる暖機; 燃料電池電気自動車が搭載するバッテリや車庫等に備えられた商用電源により電気ヒータを発熱させ、この熱により燃料電池を暖機する。
(2)水素燃焼器等による暖機; 燃料電池電気自動車が燃料(原燃料)として搭載する水素やメタノール(ガソリン)等を触媒燃焼器等に供給して燃焼させ、この燃焼熱により燃料電池を暖機する。
(3)燃料電池の自己発熱による暖機; 燃料電池が発電を開始すると水素と酸素の電気化学的な反応により発熱(いわゆる自己発熱)することを利用して燃料電池を暖機する。
(4)その他の暖機; 蓄熱剤や発熱剤により燃料電池を暖機する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)の電気ヒータによる暖機では、バッテリが消耗してしまい好ましくない。また、低温時にバッテリから充分な電力が供給されない場合がある。商用電源の場合は、路上等、商用電源がない場所では暖機することができない。(2)の水素燃焼器等による暖機では、燃料電池が発電に使用するはずの燃料(原燃料)を消費してしまい好ましくない。(3)の燃料電池の自己発熱による暖機では、燃料電池が発電できない状況にある場合は暖機することができない。また、暖機のために燃料(原燃料)を消費してしまい好ましくない。(4)の蓄熱材や発熱材の場合、必要なときに熱を取り出すことが困難であったり、何度も繰り返して使用することが困難であったりする。つまり、従来の技術では、暖機専用のエネルギーが必要であったり、発電に使用するはずのエネルギーを無駄に消費してしまったりした。さらに、暖機にしか使えない専用のヒータや専用の水素燃焼器等、あるいは専用の蓄熱剤や専用の発熱剤等を用いるため、燃料電池システムを大型化してしまう等の課題があった。また、暖機は素早く行う必要があるが、この要求を満たすには、さらなるエネルギーの消費や大型の暖機装置が必要になる。また、暖機は簡単な構成で容易に行えなければならない。なお、これらの点は、水素を燃料とする内燃機関(水素消費機器)を搭載する水素自動車でも同じである。
【0006】
そこで、本発明は、前記課題を解決する燃料電池システム及び暖機システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行い、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際に発熱し、この際に発生する熱が燃料電池を始めとする水素消費機器の暖機に使用できること。しかも、何度も繰り返して使用できることに着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決した請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池に前記燃料ガスとして供給する水素を貯蔵する水素タンクと、水素吸蔵合金を収納して、前記水素タンクから供給される水素を吸蔵すると共に、前記吸蔵した水素を前記燃料ガスとして前記燃料電池に供給する水素吸蔵合金収納タンクと、前記水素タンクと前記燃料電池とを結ぶ燃料ガス供給配管と、前記水素ガス供給配管から分岐して、前記水素タンクに貯蔵された水素を前記水素吸蔵合金収納タンクへと供給して吸蔵させ、前記水素吸蔵合金収納タンクに吸蔵された水素を燃料ガスとして前記燃料電池へと供給する分岐配管と、前記水素吸蔵合金収納タンクが前記水素タンクから水素を供給されて前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵することで発生する熱を前記水素吸蔵合金タンクから熱媒体を介して前記燃料電池に供給して前記燃料電池を暖機する暖機手段とを、備え、前記水素の圧力は、前記水素タンク内≫前記水素吸蔵合金収納タンク内>前記燃料電池内であることを特徴とする。
水素吸蔵合金(metallic alloys for hydrogen storage)は、水素(水素ガス)を吸い込み(吸蔵し)、また吸蔵した水素を必要に応じて取り出すことのできる合金であり、水素を吸蔵する際に発熱し、水素を放出する際に吸熱する。本発明では、この水素吸蔵時の発熱で燃料電池を暖機する。なお、暖機とは、燃料電池(燃料電池システム)を起動する際に燃料電池(燃料電池システム)を暖めることであるが、本発明では、運転中(発電中)の燃料電池(燃料電池システム)に熱を供給して加熱することを含んで意味する。
【0015】
そして、請求項2に記載の燃料電池システムは、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池に前記燃料ガスとして供給する水素を貯蔵する水素タンクと、水素吸蔵合金を収納して、前記水素タンクから供給される水素を吸蔵すると共に、前記吸蔵した水素を前記燃料ガスとして前記燃料電池に供給する水素吸蔵合金収納タンクと、前記水素タンクと前記燃料電池とを結ぶ燃料ガス供給配管と、前記燃料ガス供給配管に備えられ、前記水素タンクからの水素を前記燃料ガスとして前記燃料電池へと導く定常位置、及び、前記水素タンクからの水素を前記水素吸蔵合金収納タンクへと導く暖機位置を備える三方弁と、前記三方弁が前記暖機位置にされた際に、前記水素吸蔵合金収納タンクに前記水素タンクから水素を供給されて前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵することで発生する熱を前記水素吸蔵合金タンクから熱媒体を介して前記燃料電池に供給して前記燃料電池を暖機する暖機手段とを備ええ、前記水素の圧力は、前記水素タンク内≫前記水素吸蔵合金収納タンク内>前記燃料電池内であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
≪原理≫
まず、本発明により燃料電池を暖機する原理を説明する。
図1は、暖機原理を説明する模式図である。図2は、一例としてのMHタンクの内部温度−圧力(内圧)特性図である。図3は、MHタンクに印加される水素の圧力によりMHタンクの内部温度が変化する様子をプロットしたタイムチャートである。なお、図2の摂氏温度の表示は、1000/T(K)による温度表示(アーレニウスプロットによる温度表示)を解り易くするための目安的なものである。
【0017】
図1の符号1は燃料電池(水素消費機器)であり、暖機の対象となる。符号2は水素を高圧(例えば約25MPa)で貯蔵する高圧水素タンクであり、耐圧気密構造を有する。符号3は水素吸蔵合金を内蔵するMHタンクであり、耐圧気密構造を有する。このMHタンク3は高圧水素タンク2から水素の供給を受ける。なお、MHタンク3は、暖機前の内圧が約0.1MPa(常圧)であり、水素を吸蔵可能な状態にある。
【0018】
燃料電池1の起動時、高圧水素タンク2からMHタンク3に水素を供給する。すると、MHタンク3の内圧が上昇する。同時に、MHタンク3が内蔵する水素吸蔵合金が水素を吸蔵して熱が発生し、MHタンク3の内部温度が上昇する。この際のMHタンク3の内圧と内部温度の関係は、図2の内部温度−圧力特性図にしたがう。例えば(図3参照)、MHタンク3の内圧が1MPaになると、MHタンク3の内部温度は80℃前後になる。また、内圧が3MPaになると、内部温度は105℃前後になる。
【0019】
発生した熱は、MHタンク3から燃料電池1に適当な伝熱手段により伝達され、燃料電池1が暖機される。燃料電池1への熱の伝達は、伝導、輻射及び/又は対流による態様で行うことができる。また、直接加熱でも間接加熱でも熱を伝達することができる。
【0020】
なお、MHタンク3の内部温度は、図3に示すように圧力を印加すると急激に上昇して最高温度を記録し、その後の温度上昇はなく温度を維持する(温度を維持している間も水素を連続的に吸蔵している)。また、水素吸蔵合金は、ボリューム全体(マス全体)として発熱する。このことより、MHタンク3を、いわば水素吸蔵熱式ヒータ(MHヒータ)と考えれば、このMHヒータは、燃焼式ヒータや電気式ヒータと異なり、加熱時のオーバーシュートがない。しかも、極めて短時間に最高温度に到達する。したがって、MHヒータは、取り扱いが極めて容易であると共に迅速な暖機を行うことができる。また、図2及び図3から容易に解るように、印加する圧力により、温度を制御することができる。したがって、この点からも取り扱いが極めて容易である。なお、発生する熱量は、MHタンク3が内蔵する水素吸蔵合金の種類及び量に比例する。
【0021】
ちなみに、図2は、BCC(Body Centered Cubic)系の水素吸蔵合金の温度−圧力特性を示すものでもある。BCC系の水素吸蔵合金の場合、MHタンク3の内圧が3MPaになると水素吸蔵合金100g当り約2.4g(約1.2mol)の水素を吸蔵する。また、発熱量は約15kJ/g水素、つまりBCC系の水素吸蔵合金が1gの水素を吸蔵すると15kJの熱が発生する。水素吸蔵合金としては、例えば以下のものを使用することができる。
AB2型合金(ラーベス相合金); TiCr2、(Zr,Ti)(Ni,Mn,V,Fe)2・・
AB5型合金; LaNi5、MnNi5・・
BCC系合金; Ti−V−Cr、Ti−V−Mn・・
その他; Mg系合金
【0022】
なお、水素吸蔵合金は、水素の吸蔵/放出を可逆的に行うことができる。このため、水素吸蔵合金に吸蔵された水素を、燃料電池1(水素消費機器)の燃料として使用することもできる。あるいは、高圧水素タンク2に戻すようにすることもできる。水素吸蔵合金は、水素を放出すると再度の水素吸蔵が行えるようになる。もちろん、再度の水素吸蔵の際にも熱が発生する。
【0023】
次に、本発明の燃料電池システムを燃料電池電気自動車(以下「車両」という)に適用した実施形態を説明する。
【0024】
≪第1実施形態≫
第1実施形態は、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる際に発生する熱で燃料電池を暖機しつつ、燃料電池に水素を供給して発電を行う。
図4は、第1実施形態の燃料電池システムが搭載される車両の一部透視側面図である。図5は、第1実施形態の燃料電池システムのブロック構成図である。
【0025】
まず、車両を説明する。
図4に示す車両は、FCボックスが乗員席の床下に搭載されている。このFCボックスの中には、燃料電池10(図5参照)が収納されている。また、走行モータが車両の前部に搭載されている。また、高圧水素タンク21及びMHタンク31が車両の後輪の上方に横置きで搭載されている。なお、MHタンク31が発生した熱は図示しない燃料電池10の1次冷却系配管内を流れる冷却水により燃料電池10を暖機するようになっている。また、燃料電池10は、高圧水素タンク21及びMHタンク31と図示しない水素供給管により接続されている。
【0026】
また、燃料電池10は、空気供給管により空気圧縮機と接続されている(図示外)。そして、燃料電池10は、空気中の酸素と水素を電気化学的に反応させて発電する。発電した電力は走行モータに供給され、車両を走行させる。ちなみに、ここでの燃料電池10は、固体高分子型であるPEM型の燃料電池であり、電解膜を挟んでアノード極及びカソード極等から構成される膜電極構造体(MEA)をセパレータでさらに挟み込んだ単セルを、300枚程度積層した積層構造を有している(以上図示外)。なお、PEMとは、Proton Exchange Membraneの略であり、MEAとは、Membrane Electrode Assemblyの略である。
【0027】
次に、図5を参照して、燃料電池システムF1を説明する。
第1実施形態の燃料電池システムF1は、燃料電池10、水素供給系20、暖機系30、空気供給系40、電力消費系50及び制御装置60を含んで構成される。
【0028】
燃料電池10は、前記説明したとおりPEM型の燃料電池であり、燃料ガスたる水素と酸化剤ガスたる空気が供給されて発電する。燃料電池10が発電した電力は、VCU(Voltage Control Unite)51を介して取り出される。VCU51は、リミッタ機能を持った電力調整器であり、燃料電池10から取り出す電流を制限する。VCU51を介して取り出された電流は、走行モータや補機等の負荷52に供給される。なお、VCU51による取出し電流量は、図示しないスロットルペダルの踏込み量θthや補機消費電力等に基づいて設定される。
【0029】
水素供給系20は、燃料電池10に燃料ガスたる水素を供給する役割を有する。このため、燃料電池10の上流側の構成として、高圧水素タンク21、第1遮断弁22、1次レギュレータ23、2次レギュレータ24、エジェクタ25を有する。また、燃料電池10の下流側の構成としてパージ弁26を有する。それぞれの機器は、配管で接続され、高圧水素タンク21からの水素は、第1遮断弁22、1次レギュレータ23、2次レギュレータ24、エジェクタ25、燃料電池10(アノード極)に供給されるようになっている。また、配管により、燃料電池10(アノード極)から排出された未使用の水素は、エジェクタ25に戻って循環使用されるようになっている。あるいは、排出された未使用の水素は、パージ弁26により水素供給系20の外部に排出されるようになっている。また、水素供給系20は、後記する暖機系30のMHタンク31に水素を供給する役割を有する。このため、水素供給系20は、暖機系30に水素を供給するための分岐配管を有すると共に、MHタンク31の貯蔵圧(内圧)よりも高い圧力で高圧水素タンク21に水素を貯蔵している。
【0030】
高圧水素タンク21は、繊維強化プラスチック(FRP)製の軽量タンクであり、耐圧性及び気密性が確保されている。この高圧水素タンク21は、例えば内容積が約100リットルあり、25MPaの最高圧力で水素が充填されている。本実施形態では、高圧水素タンク21がいわば燃料タンクの役割も有する。
【0031】
第1遮断弁22は、電磁作動のON−OFF弁である。この第1遮断弁22は、制御装置60からの信号に基づいて開閉し、閉状態で高圧水素タンク21から供給される水素の通流を遮断する。一方、開状態で高圧水素タンク21からの水素を下流側に供給する。
【0032】
1次レギュレータ23は、高圧水素タンク21から供給される水素の圧力を減圧すると同時に所定の圧力に調整する減圧弁である。2次レギュレータ24は、1次レギュレータ23で減圧された水素の圧力をさらに減圧すると同時に所定の圧力に調整する減圧弁である。この2次レギュレータ24には、カソード極の入口の圧力がパイロット圧として入力されている(図5参照)。このため、2次レギュレータ24は、アノード極とカソード極の極間差圧の変動が少なくなるように動作する。ちなみに、燃料電池10のアノード極への水素の供給は、2次レギュレータ24にカソード極の入口の圧力がパイロット圧として入力されている関係から、後記する空気圧縮機41が起動して、カソード極の入口の圧力が上昇してからである。つまり、水素供給系20により燃料電池10に水素が供給されるのは、第1遮断弁22がONになり、かつ空気供給系40の空気圧縮機41が起動してからである。
【0033】
エジェクタ25は、2次レギュレータ24からの水素を燃料電池10のアノード極に供給する。また、アノード極に向かう水素の流れを利用して、燃料ガスとして使用された後の水素、つまり燃料電池10のアノード極から排出された水素を吸引して循環させる水素循環ポンプである。なお、排出水素を循環使用することで、燃費を向上させることができる。
【0034】
パージ弁26は、電磁作動のON−OFF弁である。このパージ弁26は、制御装置60からの信号に基づいて開閉し、閉状態で燃料電池10から排出された水素をエジェクタ25に向かわせる。一方、開状態で燃料電池10から排出された水素を系外に排出する。
【0035】
水素供給系20における燃料電池10のアノード極の圧力(アノード極入口の圧力)は、圧力センサPAにより検出され、検出信号が制御装置60に送信されるようになっている。
【0036】
暖機系30は、MHタンク31で発生した熱を燃料電池10に供給して燃料電池10を暖機する役割を有する。このため、暖機系30は、MHタンク31、第2遮断弁32、第3遮断弁33、絞り34及び循環ポンプ35を含んで構成される。なお、本実施形態の暖機系30は、燃料電池10の1次冷却系C1を利用する構成になっている。このため、発電により燃料電池10が発生した熱も暖機系30を介して系外に放出され、燃料電池10が冷却(ある温度に保持)される。
【0037】
暖機系30は、水素が通流する部分と燃料電池10の冷却水(熱媒体)が通流する部分を有する。水素が通流する部分は、MHタンク31、第2遮断弁32、第3遮断弁33、絞り34及びこれらを接続する配管から構成される。一方、冷却水が通流する部分は、MHタンク31(後記するジャケット部分)、循環ポンプ35、燃料電池10、燃料電池10の1次冷却系C1の熱交換器HE及びサーモスタット弁TV等、並びにこれらを接続する配管(1次冷却系C1の配管)から構成される。なお、符号C2は2次冷却系である。
以下、暖機系30を構成する主要な機器を説明する。
【0038】
MHタンク31は、樹脂製(FRP製)よりも耐熱性があり熱伝導率もよいアルミニウム合金を材質とした耐圧気密タンクであり、その内部には水素吸蔵合金が充填されている。このMHタンク31は、例えば3から5MPaの最高圧力で水素を吸蔵することができるようになっている。また、このMHタンク31の外側は水冷ジャケットで覆われており、ジャケット内を燃料電池10の冷却水が通流するようになっている。したがって、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際に発生する熱は、燃料電池10の冷却水に伝達され、この冷却水が燃料電池10を循環することにより燃料電池10の暖機が行われる。ちなみに、水素吸蔵合金の充填量(MHタンク31の内容積に比例)は、暖機に要する熱量に基づいて設定される。
【0039】
第2遮断弁32は、電磁作動のON−OFF弁である。この第2遮断弁32は、制御装置60からの信号に基づいて開閉し、閉状態で、1次レギュレータ23からMHタンク31に向かう水素の流れを遮断する。一方、開状態で、MHタンク31に向かう水素の流れを許容する。この第2遮断弁32は、通常は閉状態であるが、MHタンク31に水素を供給して熱を発生する際に開状態になる。
【0040】
第3遮断弁33は、電磁作動のON−OFF弁である。この第3遮断弁33は、制御装置60からの信号に基づいて開閉し、閉状態で、MHタンク31から燃料電池10(アノード極)に向かう水素の流れを遮断する。一方、開状態で、燃料電池10に向かう水素の流れを許容する。この第3遮断弁33は、暖機時及び通常時は閉状態であるが、MHタンク31に吸蔵された水素を放出して発電を行う際に開状態になる。
【0041】
絞り34は、MHタンク31から燃料電池10に供給される水素の圧力や流量が、燃料電池10のアノード極の圧力に適合した圧力になるようにする減圧手段、あるいはアノード極に供給する流量に適合した流量になるようにする流量調整手段である。絞り34を通流した水素は、水素供給系20におけるエジェクタ25と燃料電池10のアノード極の間に供給されるようになっている(2次レギュレータ24とエジェクタ25の間に供給するようにしてもよい)。
【0042】
循環ポンプ35は、燃料電池10の1次冷却系C1の冷却水を循環させるポンプの役割を有する。この循環ポンプ35により、冷却水は、MHタンク31(ジャケット部分)、循環ポンプ35、サーモスタット弁TV(熱交換器HE)、燃料電池10の順に循環する。なお、冷却水には、エチレングリコール等、冷却水の凍結点を下げる物質が添加されている。
【0043】
暖機系30における冷却水の水温及びMHタンク31の圧力は、温度センサT及び圧力センサPMにより検出される。そして、検出信号は、制御装置60に送信される。
【0044】
なお、暖機系30は、MHタンク31で発生した熱を奪って燃料電池10を暖機するほか、後記する放出モードでは、燃料電池10で発生した熱をMHタンク31に与えて水素吸蔵合金が吸蔵した水素の放出を促す役割を有する。水素吸蔵合金は、水素を放出すると吸熱して温度が下がり、水素の放出を行えなくなってしまうからである。なお、放出モードでは、冷却水がMHタンク31により冷却されることになるので、燃料電池10の冷却系C1,C2の負荷が低減される。つまり、水素放出モードでは、燃料電池10の冷却性能(能力)が向上する。
【0045】
空気供給系40は、燃料電池10に酸化剤ガスたる空気を供給する役割を有する。このため、空気圧縮機41を有する。
空気圧縮機41は、モータにより駆動されるスーパーチャージャ等であり、制御装置60からの信号によりモータの回転速度が制御される。ちなみに、モータの回転速度を速くすると、燃料電池10のカソード極に供給される空気の量が多くなる。なお、燃料電池10に供給される空気は、図示しない加湿器により加湿される。また、燃料電池10から排出されたオフガスは、加湿器を通流して燃料電池10に供給される空気を加湿した後、系外に放出される。
【0046】
電力消費系50は、前記説明したとおりVCU51及び負荷52等から構成される。
【0047】
制御装置60は、スロットルペダルの踏込み量θthや補機消費電力等に基づいて燃料電池10の目標発電量を設定する役割を有する。また、目標発電量に基づいて燃料電池10に供給する空気の量(空気圧縮機41のモータ回転速度)を設定する役割を有する。また、目標発電量(水素消費量に比例)及びMHタンク31の内圧に基づいて、MHタンク31から燃料電池10に供給する水素の量を設定する役割を有する。なお、MHタンク31に吸蔵された水素の放出量(燃料電池10への供給量)は、制御装置60が第3遮断弁33を制御することによりコントロールされる。また、制御装置60は、燃料電池10の発電状態に基づいて目標発電量に制限を加え、燃料電池10からの取出し電流量を設定する役割を有する。VCU51はこの取出し電流量に基づいて燃料電池10から電流を取り出す。また、制御装置60は、起動時に燃料電池10を暖機するか否かの判断を行う役割(暖機モードへの移行制御)、暖機を制御する役割(暖機モード制御)及び吸蔵した水素の放出を制御する役割(放出モード制御)等も有する。
【0048】
次に、制御装置60の暖機モードへの移行制御、暖機モード制御及び放出モード制御を、前記した燃料電池システムF1の動作と併せて説明する。
図6は、燃料電池を暖機する暖機モードへの移行を制御するフローチャートである。図7は、暖機モードを制御するフローチャートである。図8は、吸蔵した水素を放出する放出モードを制御するフローチャートである。
【0049】
暖機モードへの移行制御は次のように行われる(図6参照)。
ステップS1で車両(図4参照)のイグニッションスイッチがON(IG.ON)されると、制御装置60は、システムチェックを行う(S2)。システムチェックの結果、異常と判断すると(no)、異常処理モードへ移行する(S3)。異常がないと判断すると(yes)、温度センサTにより検出される冷却水温が暖機モードを開始する所定温度である30℃以下か否か、つまり「冷却水温≦30℃」か否かを判断する(S4)。30℃以下でない場合、即ち冷却水温が30℃を超える場合は、定常発電モードへ移行する(S5)。定常発電モードでは、暖機モードに移行せず、普通どおりに発電を行う。燃料電池10がPEM型の場合、冷却水温が30℃を超えていれば、比較的問題なく起動することができるからである。一方、ステップS4で冷却水温が30℃以下の場合は、暖機モードへ移行する(S6)。
【0050】
暖機モードは次のように制御され実行される(図5及び図7参照)。
なお、第1実施形態の燃料電池システムF1は、MHタンク31への水素の供給と燃料電池10への水素の供給を同時に行うことができる。したがって、第1実施形態での暖機モードは、MHタンク31に水素を供給しつつ燃料電池10にも水素を供給して発電を行うこととする(暖機しつつ発電)。
【0051】
第1実施形態の暖機モードでは、制御装置60は、第1遮断弁22と第2遮断弁32を開いて開状態にし、第3遮断弁33を閉じて閉状態にする(S11)。これにより高圧水素タンク21から、第1遮断弁22、1次レギュレータ23、第2遮断弁32を介してMHタンク31に水素(暖機用の水素)が供給される。すると、MHタンク31の内圧が高まり水素吸蔵合金が水素を吸蔵して発熱する。発熱は急激に起こり、直ちにMHタンク31の内部温度が上昇するが、前記したとおり温度がオーバーシュートすることはない(図3参照)。なお、この段階では、空気圧縮機41が起動していないので、水素は2次レギュレータ24のところで遮断され、燃料電池10には供給されない。
【0052】
次に、制御装置60は、燃料電池10の1次冷却系C1の冷却水循環ポンプを兼ねる暖機系30の循環ポンプ35を起動すると共に、空気圧縮機41を起動する(S12)。これにより、燃料電池10には、MHタンク31で発生した熱が冷却水を介して供給される。また、燃料電池10のカソード極に空気が供給される。なお、カソード極に空気が供給されるとカソード極の圧力が上昇する。すると、前記したとおりカソード極の圧力をパイロット圧とする2次レギュレータ24から燃料電池10のアノード極に水素が供給される(発電開始)。なお、このときにおける燃料電池10の目標発電量は、例えば空気圧縮機41のモータや循環ポンプ35等の補機類を動かすのに必要となる電力に相当する量である。ちなみに、本実施形態では暖機に電気ヒータを用いていないので、電気ヒータの消費電力を目標発電量に反映する必要がない。この分、貴重な水素を消費することがなく、燃費が向上する。
【0053】
続いて、「冷却水温<MH加熱終了温度」か否かを判断する(S13)。ここでのMH加熱終了温度、つまりMHタンク31への水素(暖機用の水素)の供給を終了する温度は32℃であり、暖機モードを開始する所定温度の30℃よりも2℃高く設定してある。このように、MHタンク31に水素を供給して暖機モードを開始する所定温度とMHタンク31への水素の供給を終了するMH加熱終了温度にヒステリシスが設けてあるのは、制御を安定なものとするためである。
【0054】
ステップS13で冷却水温がMH加熱終了温度以上の場合(no)は、第2遮断弁32を閉じて閉状態にし(S14)、高圧水素タンク21からMHタンク31への水素の供給を停止する。これは、放出モードを円滑に実行するという理由による。また、MHタンク31が発生した熱の予熱と燃料電池10が発電に伴って発生する熱により暖機を円滑に行うことができるので、さらなる発熱は不要であるという理由による。
【0055】
そして、「冷却水素温度>暖機終了温度」か否かを判断し(S15)、冷却水温が暖機終了温度を超えている場合(yes)は、放出モードへ移行する(S16)。ここでの暖機終了温度は、PEM型の燃料電池10を通常通り運転できる70℃である。なお、冷却水温が暖機終了温度以下の場合(no)は、冷却水温が暖機終了温度を超えるまで判断を継続する。つまり、暖機モードを継続する。このようにMH加熱終了温度と暖機終了温度を別々に設定しているのは、MH加熱終了時点(本実施形態では32℃)で放出モードに移行すると、放出モードにおける水素吸蔵合金の吸熱で燃料電池10が冷却され、暖機が迅速に行われない事態が生じる得るからである。このため、いわば、放出モードに移行するための基準温度である暖機終了温度を、MH加熱終了温度とは別に設定している。
【0056】
説明をステップS13に戻す。ステップS13で冷却水温がMH加熱終了温度未満の場合(yes)は、「MHタンク31の内圧<1次レギュレータ23のレギュレート圧」か否かを判断する(S17)。MHタンク31の内圧が1次レギュレータ23のレギュレート圧と同じか上回る場合(no)は、第2遮断弁32を閉じて閉状態にする(S18)。これは、水素吸蔵合金による水素の吸蔵が飽和状態に達したと判断できるからである。なお、第2遮断弁32を閉状態にした後も、暖機を継続するため、ステップS20へ移行する。
【0057】
ステップS17で、MHタンク31の内圧が1次レギュレータ23のレギュレート圧に満たない場合(yes)は、まだ水素を吸蔵することができるので、第2遮断弁32を開く(S19)。ところで、ステップS18で第2遮断弁32が閉じた後、水素の吸蔵が進行してMHタンク31の内圧が低下する場合がある。このような場合が生じても、つまり、MHタンク31の内圧が1次レギュレータ23のレギュレート圧に満たないのに第2遮断弁32が閉じている場合が生じても、ステップS19で手当てされ、暖機モードが適切に実行される。
【0058】
ステップS20では、一定時間(例えば数秒)置いてその状態を維持する。この間も冷却水が循環して燃料電池10を暖機している。このように時間を置くのは、制御を安定化させるという理由による。ステップS20で一定時間置いた後はステップS13に戻り、MHタンク31への水素の供給を終了するか否かを冷却水温で判断し、後の処理を継続して行う。
【0059】
放出モードは次のように制御され実行される(図5及び図8参照)。
放出モードでは、制御装置60は、燃料電池10の目標発電量から水素消費量を演算し、この水素消費量に基づいてMHタンク31から燃料電池10に供給する水素の量、つまり水素放出量を演算する(S21)。例えば、水素放出量が水素消費量の20%になるように演算される。あるいは、アノード極の圧力変動を打ち消すように水素放出量が演算される。そして、水素放出量に基づいて第3遮断弁33をPWM駆動する信号を生成し、第3遮断弁33をPWM駆動する(S22)。これにより、MHタンク31からの水素は、第3遮断弁33及び絞り34を介して燃料電池10のアノード極に供給される。なお、信号のパルス幅は、水素消費量(目標発電量)が多いほど幅が広くなり(デューティ比が大きくなり)、MHタンク31から供給される水素の量(水素放出量)が多くなる。ちなみに、このように、第3遮断弁33をPWM駆動するのは、燃料電池10のアノード極を循環している水素の流れに与える影響を小さくするためである。なお、絞り34も同じ観点から設けられており、燃料電池10のアノード極を循環している水素の流れに与える影響を小さくする。
【0060】
次に、「MHタンク31の内圧>アノード極の圧力」か否かを判断する(S23)。MHタンク31の内圧がアノード極の圧力以下の場合(no)は、第3遮断弁33を閉じて閉状態にし、ステップS26へ移行する。水素の逆流を防止するためである。一方、MHタンク31の内圧がアノード極の圧力を超える場合(yes)は、「アノード極の圧力≦アノード極の目標圧力+20kPa」か否かを判断する(S25)。
【0061】
ステップS25で、アノード極の圧力が目標圧力に対して20kPa超の場合(no)は、第3遮断弁33を閉じて閉状態にし(S24)、ステップS26へ移行する。アノード極の圧力が高くなりすぎると、発電に対して最適なアノード極の圧力が維持できなくなるからである。一方、アノード極の圧力が目標に対して20kPa以下の場合(yes)は問題がないので、第3遮断弁33を閉状態にすることなくステップS26へ移行する。
【0062】
次に、「MHタンク31の内圧≧100kPa(ゲージ圧)」か否かを判断する(S26)。MHタンク31の内圧が100kPa未満の場合(no)は、第3遮断弁33を閉じて閉状態にし(S27)、放出モードの制御を終了する(END)。このようにするのは、MHタンク31の内圧がゲージ圧で100kPa未満になると、水素吸蔵合金が吸蔵した水素の放出がほぼ完了したと判断でき、次に暖機モードを実行する場合にも発熱量を確保することができるからである。
【0063】
ステップS26で、MHタンク31の内圧が100kPa以上の場合(yes)は、ステップS21に戻って放出モードを継続する。まだMHタンク31には放出すべき水素が吸蔵されており、次回も発熱量を多くして良好な暖機を行うためには、水素を放出しておくことが好ましいからである。
【0064】
なお、水素吸蔵合金が吸蔵した水素を放出する反応は吸熱反応であるので、水素吸蔵合金の温度(MHタンク31の内部温度)が下がる。すると、水素吸蔵合金から水素を放出することができなくなってしまう。しかし、本実施形態のように燃料電池10の冷却水をMHタンク31(ジャケット部分)に通流させることにより、水素吸蔵合金には燃料電池10の発電に伴って発生する熱が供給される。したがって、MHタンク31から安定的に、かつ確実に水素を取り出すことができる。ちなみに、MHタンク31から残らず水素を放出させることにより、次回の暖機の際の発熱量が確保できる。
【0065】
次に、図9のタイムチャートを参照して第1実施形態の燃料電池システムF1の動作を説明する(図5を適宜参照)。
図9は、燃料電池システムの起動時における制御タイムチャートである。
【0066】
最初は、第1遮断弁22、第2遮断弁32及び第3遮断弁33は閉じて閉状態にある。また、循環ポンプ35は停止(Off)している。燃料電池10の冷却水温は暖機モードを開始する所定温度である30℃以下である。また、MHタンク31の内圧はほぼ0kPa(ゲージ圧)である。もちろん、燃料電池10は発電を行っていない(Off)。また、放出モードにおけるMHタンク31からの水素の放出は、燃料電池10の暖機に影響を与えないように、水素の放出量が制限される。
【0067】
この状態から車両(図4参照)のイグニッションスイッチがON(IG.ON)される。これにより図6に示す制御が実行され、システム異常がなくかつ冷却水温が30℃以下の場合は暖機モードへ移行する(System Check Clear)。
【0068】
すると、図7に示す暖機モード制御が実行され、第1遮断弁22及び第2遮断弁32が開いて開状態になる。同時に、循環ポンプ35が起動(On)する。これにより、MHタンク31に水素が供給され、MHタンク31の内部温度が上昇する。また、MHタンク31の内圧が上昇する。また、冷却水温が上昇し、昇温した冷却水が暖機系30(1次冷却系C1)を循環することにより、MHタンク31で発生した熱が燃料電池10を暖機する。なお、図9のタイムチャートでは、この時点(System Check Clear時点)での発電は行わない。つまり、空気圧縮機41は起動していない。
【0069】
ちなみに、MHタンク31に水素が供給されると、MHタンク31の温度は直ぐに最高温度に達し、その後は、一定の温度を維持する。また、MHタンク31の内圧は、しばらくすると高い圧力で一定になる。この間も暖機は継続される。
【0070】
この図9のタイムチャートでは、MH加熱終了前に燃料電池10による発電を開始する(Stack発電開始)。このため、バッテリ等を利用して空気圧縮機41等、必要な補機を起動する。すると、水素と酸素が燃料電池10に供給される。そして、燃料電池10の電圧〔解放電圧〕が上昇した時点で、VCU51を介して空気圧縮機41等へ負荷電流を取り出す。
【0071】
そして、冷却水温がMH加熱終了温度である32℃に達するとMHタンク31への水素の供給を終了するため、第2遮断弁32を閉じて閉状態にする。ちなみに、このタイムチャートでは、暖機の終了と共にMHタンク31が吸蔵した水素を、内圧が0kPaになるまで(放出できる限り)放出する(放出モード)。このため、第3遮断弁33が開いて開状態になる。ところで、前記したとおり、燃料電池10が定常発電モードの温度(例えば70〜80℃)になる前に放出モードを実行すると、燃料電池10の暖機が円滑に行われない事態が生じ得る。しかし、前記したとおり、この図9のタイムチャートにおいては、放出モードでの水素の放出が暖機に影響を与えないように、水素の放出量が制限されている。したがって、冷却水温がMH加熱終了温度になった時点で、つまり燃料電池10が充分に暖機される以前に、放出モードを実行している。なお、放出モードにおける吸熱が燃料電池10に供給(伝熱)されないようになっている場合も、冷却水温がMH加熱終了温度になった時点で放出モードを実行できる。
【0072】
このように、第1実施形態によれば、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際に発生する熱を利用して燃料電池10を確実に暖機することができる。また、吸蔵した水素を放出し、燃料ガスとして発電に供することができる。また、水素を放出することにより、次回も暖機を行うことができるようになる。また、暖機しつつ発電を行うので燃料電池10も自己発熱し、暖機が迅速に行われる。また、高圧水素タンク21から水素をMHタンク31に供給するので、高圧水素タンク21に水素を充填すれば、暖機用の水素も充填される。この点、例えば暖機専用の水素タンクを設けるのと異なり、水素充填の煩いが解消される。
なお、MHタンク31の温度は、水素貯蔵合金の温度−圧力特性(MHタンク31の内部温度−圧力特性図;図2参照)にしたがう。また、水素吸蔵合金の種類及び印加される水素の圧力が同じであれば熱の発生量は、水素吸蔵合金の量に比例する。よって、水素吸蔵合金の種類、MHタンク31に印加される水素の圧力及び水素吸蔵合金の量をパラメータとして、MHタンク31(いわば水素吸蔵熱式ヒータ(MHヒータ))の特性を自由に設計することができる。一方、吸蔵した水素を放出する際は、その放出量や吸熱量を水素吸蔵合金の種類、圧力、温度をパラメータとして自由に放出量を制御することができる。
ところで、必要以上にMHタンク31の内圧を高くしても水素の吸蔵量(貯蔵量)は余り増えない。その一方、耐圧性の関係からMHタンク31の肉厚を厚くしなければならくなってしまう。すると、MHタンク31の内部で発生した熱が取り出しにくくなる。また、MHタンクの重量も増えてしまう。また、吸蔵した水素を放出する場合についていえば、肉厚が厚くなるとMHタンク31の内部に熱を供給しづらくなる。この点から、MHタンク31の内圧(貯蔵圧)が1から5MPa(1から3MPa)であれば、効率的に水素を吸蔵することができ、MHタンク31の肉厚も必要以上に厚くしないで済み、伝熱の点からも重量の点からも好ましい。
【0073】
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態を説明する。
第2実施形態は、暖機を行ってから発電する実施形態である。ちなみに、第2実施形態は、極低温、例えば冷却水温が−20℃以下の状態から暖機する実施形態である。なお、第1実施形態と共通する部分については、第1実施形態での符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は、第2実施形態の燃料電池システムのブロック構成図である。
【0074】
図10に示すように、第2実施形態の燃料電池システムF2は、図5に示す第2遮断弁32に相当する遮断弁を有しない。その代わりに、三方弁27を有する。この三方弁27は電磁作動の流路切換弁であり、制御装置60からの信号に基づいて、定常位置と暖機位置に切り替わる。三方弁27が定常位置にあるときは、高圧水素タンク21からの水素は、2次レギュレータ24の側に導かれる。一方、三方弁27が暖機位置にあるときは、高圧水素タンク21からの水素は、MHタンク31の側に導かれる。このため、MHタンク31に水素が供給されているとき、つまり燃料電池10が暖機されているときは、燃料電池10に2次レギュレータ24を介して水素が供給されることはない。一方、2次レギュレータ24を介して燃料電池10に水素が供給されているときは、MHタンク31に水素が供給されることはない。
なお、制御装置60は、起動時に燃料電池10を暖機するか否かの判断を行う役割(暖機モードへの移行制御)、暖機を制御する役割(暖機モード制御)及び吸蔵した水素の放出を制御する役割(放出モード制御)等を有する。この点、第1実施形態と同じである。
【0075】
次に、制御装置60の暖機モード制御を、前記した燃料電池システムF2の動作と併せて説明する。なお、暖機モードへの移行制御及び放出モード制御は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
図11は、暖機モードを制御するフローチャートである。
【0076】
第2実施形態での暖機モードは次のように制御され実行される(図10及び図11参照)。
なお、第2実施形態の燃料電池システムF2は、三方弁27を使用して水素の流路を切り替えていることから、MHタンク31への水素の供給と燃料電池10への水素の供給を同時に行うことができない。したがって、第2実施形態での暖機モードは、MHタンク31への水素の供給を終了した後(MH加熱終了温度以上になった後)に三方弁27の位置を切り替えて、発電を行うこととする。
【0077】
第2実施形態の暖機モードでは、制御装置60は、第1遮断弁22を開いて開状態に、第3遮断弁33を閉じて閉状態にする。また、三方弁27を暖機位置にする(S31)。これにより、高圧水素タンク21から、第1遮断弁22、1次レギュレータ23、三方弁27を介してMHタンク31に水素が供給される。すると、MHタンク31の内圧が高まり水素吸蔵合金が水素を吸蔵して発熱する。発熱は急激に起こり、直ちにMHタンク31の内部温度が上昇するが、前記したとおり温度がオーバーシュートすることはない(図3参照)。
【0078】
また、制御装置60は、燃料電池10の1次冷却系C1の冷却水循環ポンプを兼ねる暖機系30の循環ポンプ35を起動する(S32)。これにより、燃料電池10には、MHタンク31で発生した熱が冷却水を介して供給される。
【0079】
次に、「冷却水温<MH加熱終了温度」か否かを判断する(S33)。ここでのMH加熱終了温度は32℃であり、暖機のための水素の供給を開始する所定温度の30℃よりも2℃高く設定してある。これは、第1実施形態と同様、制御を安定にするためである。
【0080】
ステップS33で冷却水温がMH加熱終了温度以上の場合(no)は、三方弁27を定常位置にする(S34)。すると流路が切り替わり、高圧水素タンク21からMHタンク31への水素の供給が停止され、逆に燃料電池10への水素の供給が可能な状態になる。このようにMHタンク31への水素の供給を停止するのは、放出モードを円滑に実行するという理由による。また、MHタンク31が発生した熱の予熱と次のステップS35で開始される燃料電池10の発電に伴って発生する熱により暖機を円滑に行うことができるので、さらなる発熱は不要であるという理由による。なお、後記するステップS39との関係で、第1遮断弁22が閉状態になっている場合があるので、ステップS34は、第1遮断弁22を開く動作を併せて行うものとする。
【0081】
ステップS35で空気圧縮機41を起動する。すると、第1実施形態と同様に、燃料電池10のカソード極には空気が、アノード極には水素が供給される(発電開始)。このときにおける目標発電量は、第1実施形態と同じである。これにより、MHタンク31が発生した熱の予熱と燃料電池10が発電に伴って発生する熱により暖機が円滑に行われる。
【0082】
そして、ステップS36で「冷却水温>暖機終了温度」か否かを判断し、冷却水温が暖機終了温度を超えている場合(yes)は、放出モードへ移行する(S37)。ここでの暖機終了温度は、第1実施形態と同じ70℃とする。なお、冷却水温が暖機終了温度以下の場合(no)は、冷却水温が暖機終了温度を超えるまで判断を継続する。つまり、暖機モードを継続する。これらの点は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0083】
説明をステップS33に戻す。ステップS33で冷却水温がMH加熱終了温度未満の場合(yes)は、「MHタンク31の内圧<1次レギュレータ23のレギュレート圧」か否かを判断する(S38)。MHタンク31の内圧が1次レギュレータ23のレギュレート圧と同じかそれを上回る場合(no)は、第1遮断弁22を閉じて閉状態にする(S39)。これは、水素吸蔵合金による水素の吸蔵が飽和状態に達したと判断できるからである。なお、第1遮断弁22を閉状態にした後も、暖機を継続するため、ステップS41へ移行する。ちなみに、ステップS39で、第1遮断弁22はそのまま開状態にしておいて、三方弁27を定常位置に切り替える構成としてもよい。
【0084】
ステップS38でMHタンク31の内圧が1次レギュレータ23のレギュレート圧に満たない場合(yes)は、まだ水素を吸蔵することができるので、第1遮断弁22を開く(S40)。ところで、ステップS39で第1遮断弁22が閉じた後、水素の吸蔵が進行してMHタンク31の内圧が低下する場合がある。このような場合が生じても、ステップS40で手当てされ、第1実施形態と同様に暖機モードが適切に実行される。
【0085】
ステップS41では、一定時間(例えば数秒)置いてその状態を維持する。この間も冷却水が循環して燃料電池10を暖機している。このように時間を置くのは、制御を安定化させるという理由による。ステップS41で一定時間置いた後は、ステップS33に戻り、MHタンク31への水素の供給を終了するか否かを冷却水温で判断する。
【0086】
ところで、前記した第1実施形態の燃料電池システムF1では、MHタンク31に水素を供給(MHタンク31を発熱)しつつ燃料電池10にも水素を供給して発電を行う実施形態であったが、この第2実施形態ではMHタンク31に水素を供給している際に発電することはない。水素の流れを三方弁27により切り替えているからである。
【0087】
次に、図12のタイムチャートを参照して第2実施形態の燃料電池システムF2の動作を説明する(図10参照)。
図12は、燃料電池システムの起動時における制御タイムチャートである。
【0088】
最初は、第1遮断弁22は閉じて閉状態にある。また、三方弁27は定常位置にある。また、循環ポンプ35は停止(Off)している。燃料電池10の冷却水温は暖機モードを開始する所定温度である30℃以下である。また、MHタンク31の内圧はほぼ0kPa(ゲージ圧)である。もちろん、燃料電池10は発電を行っていない(Off)。
【0089】
この状態から車両(図4参照)のイグニッションスイッチがON(IG.ON)される。これにより暖機モードへの移行制御(図6参照)が実行され、システム異常がなくかつ冷却水温が30℃以下の場合は暖機モードへ移行する(System Check Clear)。
【0090】
すると、図11に示す暖機モード制御が実行され、第1遮断弁22が開いて開状態になる。同時に、循環ポンプ35が起動(On)する。これにより、MHタンク31に水素が供給され、MHタンク31の内部温度が上昇する。また、MHタンク31の内圧が上昇する。また、冷却水温が上昇し、昇温した冷却水が暖機系30(1次冷却系C1)を循環することにより、MHタンク31で発生した熱が燃料電池10を暖機する。
【0091】
MHタンク31の温度は直ぐに最高温度に達し、その後は、一定の温度を維持する。また、MHタンク31の内圧は、しばらくすると高い圧力で一定になる。この間も暖機は継続される。
【0092】
そして、冷却水温がMH加熱終了温度である32℃に達するとMHタンク31への水素の供給を終了する。このため、三方弁27が定常位置に切り替わる。第2実施形態では、三方弁27が定常位置に切り替わると空気圧縮機41が起動し、燃料電池10に空気が供給される。また、空気圧縮機41が起動することによりカソード極の圧力が上昇し、第1実施形態と同様にアノード極に水素が供給され、燃料電池10が発電を開始する。
【0093】
なお、この図12のタイムチャートでは、MHタンク31への水素供給の終了後しばらくしてからMHタンク31が吸蔵した水素を放出する(放出モード)。このため、第3遮断弁33が開いて開状態になる。放出モードでは、図8のフローチャートと同様の制御が実行される。本実施形態のように、燃料電池10の1次冷却系C1が暖機系30を兼ねるような場合の放出モードは、前記したとおり、放出モードにおける水素の放出量を制限して行うか、あるいは燃料電池10の暖機が完全に終了し、定常発電モードになった後に行うのが好ましい。
【0094】
このように、第2実施形態によれば、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際に発生する熱を利用して燃料電池10を確実に暖機することができる。また、吸蔵した水素を放出し、燃料ガスとして発電することができる。また、水素を放出することにより、次回も暖機を行うことができるようになる。また、暖機用の水素充填の煩いも解消される。また、燃料電池10が発電できないような極低温からでも確実に燃料電池10を暖機することができる。この際に、必要な電力は、制御装置60、弁類(22,27,33)、及び循環ポンプ35である。したがって、従来のように電気ヒータで暖機するのと異なり、車両が搭載するバッテリに過大な負担を強いることなく燃料電池10の暖機を行うことができる。この点からも、バッテリの起電力が小さくなっている極低温からの暖機に適している。
【0095】
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態を説明する(図5などを適宜参照)。
第3実施形態は、燃料電池10が暖機開始温度を上限温度とした所定温度範囲にある場合は暖機しつつ前記燃料電池10による発電を行い(暖機しつつ発電)、極低温の場合(所定温度範囲の下限温度を下回る場合)は、発電を行わずに暖機のみ行う実施形態である。このため、第3実施形態の燃料電池システムF3(図5参照)の制御装置60は、燃料電池10の冷却水温を基準として、冷却水温が−20〜30℃の所定温度範囲の場合は、MHタンク31及び燃料電池10の双方に水素を供給して、暖機しつつ発電を行う。一方、冷却水温が−20℃未満の場合(極低温の場合)は、MHタンク31にのみ水素を供給し、暖機のみを行う。
なお、第3実施形態の機器構成は、第1実施形態の機器構成と同じ構成を有するものとする。したがって、機器構成の説明を省略する。
【0096】
この第3実施形態の燃料電池システムF3の動作を図13のフローチャートを参照して説明する。
図13は、燃料電池を暖機する暖機モードへの移行を制御するフローチャートである。
なお、図13のフローチャートのステップS1〜ステップS5は、第1実施形態の暖機モードへの移行を制御するフローチャートと同じであるので、その説明を省略する。
【0097】
ステップS4で冷却水温が30℃以下の場合は、ステップS7で「冷却水温<−20℃」か否かを判断する。冷却水温が−20℃以上の場合(no)は極低温ではないので、燃料電池10を起動する暖機モード(燃料電池起動あり)が実行される(S8)。つまり暖機しつつ発電が行われる。この暖機モードでは、図7に示す暖機モードが実行される。一方、ステップS7で冷却水温が−20℃未満の場合(yes)は極低温であるので、燃料電池10を起動しない暖機モード(燃料電池起動なし)が実行される(S9)。なお、ステップS9の暖機モードは、燃料電池10の冷却水温が−20℃以上になった時点で空気圧縮機41が起動し、これを契機として燃料電池10に空気及び水素が供給され、燃料電池10が起動して発電するようにしてある。
【0098】
このように、第3実施形態によれば、燃料電池10が発電できないような極低温下でも、確実に燃料電池10の暖機を行うことができる。
【0099】
なお、本発明は前記した実施形態に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。
例えば、燃料電池10を冷却水で暖機したが、水素吸蔵合金が水素を吸蔵する際に発生する熱をFCボックス(図4参照)の中に導き、FCボックスを暖機することにより燃料電池10の暖機を行うようにしてもよい。また、MHタンク31を車両の後部に搭載する構成としたが、FCボックス内に搭載する構成としてもよい。また、燃料ガス及び/又は空気を加温し、これを熱媒体として暖機する構成としてもよい。また、第1実施形態及び第2実施形態とも、第3遮断弁33をPWM駆動すると共に絞り34を設ける構成としたが、絞り34を省く構成としてもよい。あるいは、絞り34を設ける場合は、第3遮断弁33を通常のON−OFF弁とする構成としてもよい。なお、第3遮断弁33と絞り34の位置を入れ替えて、絞り34を上流側に設ける構成としてもよい。また、暖機しつつ発電を行う所定温度範囲を−20〜30℃としたが、下限温度を例えば−35℃に設定してもよいし、上限温度を20℃に設定してもよい。
【0100】
また、MHタンク31が放出する水素をエジェクタ25の下流側に供給したが、上流側に供給するようにしてもよい。また、吸蔵した水素の放出は、暖機モードの終了と同時に行う必要はなく、車両を停止するまでの間に行えばよい。また、第2実施形態を三方弁27で説明したが、流路切替手段たる三方弁27に代えて、(1)1次レギュレータ23から2次レギュレータ24に向かう水素の流れを遮断する遮断弁と (2)1次レギュレータ23からMHタンク31に向かう水素の流れを遮断する遮断弁(第1実施形態の第2遮断弁32に相当)を組み合わせた流路切替手段としてもよい。また、第2実施形態では、燃料電池10による発電を、冷却水温が32℃を超えた時点で開始したが、−20℃を超えた時点で開始してもよい。この場合は、三方弁27に代えて前記した遮断弁を用いた流路切換手段としておく。また、第3実施形態について、冷却水温がMH加熱終了温度(32℃)に達した時点で、発電を開始するようにしてもよい。また、PEM型の燃料電池10を例にして説明したが、PEM型に限定されることはない。また、燃料電池電気自動車を例に説明したが、水素を燃料とする水素エンジン(水素消費機器)を搭載した水素自動車にも本発明を適用することができる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、水素吸蔵合金に燃料電池の燃料となる水素を吸蔵させる際に発生する熱を利用して燃料電池の暖機を行う。したがって、暖機のために特別のエネルギーを準備する必要がないし、構成も簡単である。しかも、水素吸蔵合金は、可逆的に水素の吸蔵/放出を繰り返すことができるので、何度でも暖機して燃料電池を低温起動することができる。さらに、発熱に際してオーバーシュートがないことから、暖機を容易に行うことができ、取り扱いも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による暖機原理を説明する模式図である。
【図2】 一例としてのMHタンクの内部温度−圧力特性図である。
【図3】 MHタンクに印加される水素の圧力によりMHタンクの内部温度が変化する様子をプロットしたタイムチャートである。
【図4】 本発明に係る第1実施形態(及び第2実施形態)の燃料電池システムが搭載される車両の一部透視側面図である。
【図5】 本発明に係る第1実施形態の燃料電池システムのブロック構成図である。
【図6】 第1実施形態での燃料電池を暖機する暖機モードへの移行を制御するフローチャートである。
【図7】 第1実施形態での暖機モードを制御するフローチャートである。
【図8】 第1実施形態での吸蔵した水素を放出する放出モードを制御するフローチャートである。
【図9】 第1実施形態での燃料電池システムの起動時における制御タイムチャートである。
【図10】 本発明に係る第2実施形態の燃料電池システムのブロック構成図である。
【図11】 第2実施形態での暖機モードを制御するフローチャートである。
【図12】 第2実施形態での燃料電池システムの起動時における制御タイムチャートである。
【図13】 第3実施形態での燃料電池を暖機する暖機モードへの移行を制御するフローチャートである。
【符号の説明】
F1,F2,F3 … 燃料電池システム
1,10 … 燃料電池
2 … 水素供給系、高圧水素タンク
21 … 高圧水素タンク
3 … 暖機系、MHタンク
31 … MHタンク
C1 … 1次冷却系
Claims (2)
- 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池に前記燃料ガスとして供給する水素を貯蔵する水素タンクと、
水素吸蔵合金を収納して、前記水素タンクから供給される水素を吸蔵すると共に、前記吸蔵した水素を前記燃料ガスとして前記燃料電池に供給する水素吸蔵合金収納タンクと、
前記水素タンクと前記燃料電池とを結ぶ燃料ガス供給配管と、
前記水素ガス供給配管から分岐して、前記水素タンクに貯蔵された水素を前記水素吸蔵合金収納タンクへと供給して吸蔵させ、前記水素吸蔵合金収納タンクに吸蔵された水素を燃料ガスとして前記燃料電池へと供給する分岐配管と、
前記水素吸蔵合金収納タンクが前記水素タンクから水素を供給されて前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵することで発生する熱を前記水素吸蔵合金タンクから熱媒体を介して前記燃料電池に供給して前記燃料電池を暖機する暖機手段とを、備え、
前記水素の圧力は、前記水素タンク内≫前記水素吸蔵合金収納タンク内>前記燃料電池内であること
を特徴とする燃料電池システム。 - 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池に前記燃料ガスとして供給する水素を貯蔵する水素タンクと、
水素吸蔵合金を収納して、前記水素タンクから供給される水素を吸蔵すると共に、前記吸蔵した水素を前記燃料ガスとして前記燃料電池に供給する水素吸蔵合金収納タンクと、
前記水素タンクと前記燃料電池とを結ぶ燃料ガス供給配管と、
前記燃料ガス供給配管に備えられ、前記水素タンクからの水素を前記燃料ガスとして前記燃料電池へと導く定常位置、及び、前記水素タンクからの水素を前記水素吸蔵合金収納タンクへと導く暖機位置を備える三方弁と、
前記三方弁が前記暖機位置にされた際に、前記水素吸蔵合金収納タンクに前記水素タンクから水素を供給されて前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵することで発生する熱を前記水素吸蔵合金タンクから熱媒体を介して前記燃料電池に供給して前記燃料電池を暖機する暖機手段とを、備え、
前記水素の圧力は、前記水素タンク内≫前記水素吸蔵合金収納タンク内>前記燃料電池内であること
を特徴とする燃料電池システム。
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