JP4944079B2 - 成形機の自動昇温制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形機の自動昇温制御方法に関し、特に例えば押出成形機や射出成形機等の成形機の自動昇温制御方法に関する。
成形機の一例である射出成形機は、加熱シリンダ(バレル部)の内部にスクリューを回転自在に配置して加熱シリンダ内を軸方向に沿って進退できるようになっている。加熱シリンダの先端部にはノズル(射出口)が設けられており、加熱シリンダの外周部分には、複数のヒータが配置されている。スクリューは駆動モータにより加熱シリンダ内部で進退しながら回転することで、ホッパーからシリンダ内に投入された原料の樹脂チップを加熱溶融するとともに、スクリューがノズルから射出して成形するようになっている。
この種の成形機では、加熱シリンダの外周部分を軸方向に沿って複数の加熱区間(加熱ゾーンとも言う)に分けて、各加熱区間にはヒータが配置されている。各ヒータの近傍には、温度センサーが設けられている。温度計測部には、各温度センサーからの入力があり、温度計測部が計測した加熱区間の温度と目標温度設定部で記憶した目標温度によりヒータの温度制御を行う。各加熱区間を昇温する時には、目標設定温度への到達時間が最も遅い加熱区間をマスター区間とし、このマスター区間以外の加熱区間をスレーブ区間としている(特許文献1を参照)。
特開2005−35090号公報
上記特許文献1に開示された成形機の自動昇温制御方法では、マスター区間の目標設定温度到達率に合わせてスレーブ区間を同時に昇温している。マスター区間を選択する場合に、事前に目標温度に到達する時間を推定するために各区間に設定された「温度傾きデータ」パラメータと「むだ時間」パラメータを用いて目標温度到達時間が最も遅い区間をマスター区間としている。
従来の成形機の自動昇温制御方法では、このようにこれらのパラメータを用いてマスター区間を設定する必要あるので、マスター区間を選択する場合に、マスター区間とスレーブ区間が昇温時には外乱による温度変化やこれらのパラメータの誤差により影響を受けてしまうという問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、このような「温度傾きデータ」パラメータと「むだ時間」パラメータの設定は不要であり、外乱による温度変化やパラメータの誤差による影響を受けずにマスター区間とスレーブ区間が同時昇温できる成形機の自動昇温制御方法を提供することである。
本発明の成形機の自動昇温制御方法は、射出成形機のバレル部を複数に分割した加熱ゾーンで加熱する際に成形機の昇温を制御する成形機の自動昇温制御方法であって、前記加熱ゾーン毎に設けたヒータと、前記加熱ゾーン毎に設けた温度センサーと、前記温度センサーからの入力を行う温度計測部と、前記ヒータの制御を行うヒータ制御部と、前記ヒータの目標温度を設定して記憶する目標温度設定部と、前記温度計測部が計測した前記加熱ゾーンの温度と、前記目標温度設定部で記憶した目標温度により、前記ヒータの温度制御を行う温度制御部と、を備え、複数の前記加熱ゾーンを前記目標温度に向かって同時に昇温完了させ、前記温度制御の周期毎に計測する目標温度到達率が一番低い前記加熱ゾーンをマスターゾーンとして、前記マスターゾーン以外の前記加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、前記スレーブゾーンは、前記マスターゾーンの昇温到達度合いに基づき昇温制御することを特徴とする。
また、本発明の成形機の自動昇温制御方法は、前記目標温度設定部で設定される前記目標温度は、複数の前記加熱ゾーンについて、それぞれ個別に設定可能なことを特徴とする。
本発明によれば、パラメータの設定は不要であり、外乱による温度変化やパラメータの誤差による影響を受けずにマスター区間とスレーブ区間が同時昇温できる成形機の自動昇温制御方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態を実施するための成形機の構造例を示している。
図1に示す成形機10は射出成形機であり、成形機10は、加熱シリンダ11と、複数のヒータH1、H2、H3、H4、H5と、複数の温度センサー12,13,14,15,16と、スクリュー27と、温度計測部17と、ヒータ制御部18と、温度制御部19と、目標温度設定部20と、目標温度記憶域21と、ホッパー22を有している。
図1に示す成形機10は、樹脂チップ23を原料にして射出成形する装置であり、加熱シリンダ11は、バレル部とも言いほぼ円筒状の部材である。加熱シリンダ11の先端部にはノズル(射出口とも言う)24が設けられている。加熱シリンダ11の内部には、スクリュー27が、駆動部25の駆動により軸方向CLに沿って進退可能にしかも回転可能に配置されている。ホッパー22から供給される樹脂チップ23は、加熱シリンダ11の内部の材料貯蔵部26に供給でき、スクリュー27が回転してしかも軸方向CLに沿って進むことにより、ノズル24から溶融樹脂の射出を行うようになっている。
図1に示すように、加熱シリンダ11の外周部分には、軸方向CLに沿って複数のリング状の加熱体としてのヒータH1〜H5が配置されている。これらのヒータH1〜H5はそれぞれ間隔をおいて配置されており、ヒータH1〜H5は加熱シリンダ11の外周部分を複数の加熱区間(加熱ゾーンとも言う)Z1〜Z5に分けている。すなわち、各ヒータH1〜H5は加熱区間Z1〜Z5毎に設けられており、各加熱区間Z1〜Z5は、ノズル24側からスクリュー27側にかけて順番に形成されている。
図1に示すように、温度センサー12,13,14,15,16は、対応する加熱区間Z1〜Z5毎に配置されている。これにより、各温度センサー12,13,14,15,16は、それぞれ対応する加熱区間Z1〜Z5の温度を測定することができる。
温度計測部17は、各温度センサー12,13,14,15,16に電気的に接続されている。各温度センサー12,13,14,15,16から各加熱区間Z1〜Z5の温度を測定した温度測定信号が、温度計測部17に入力される。
図1に示すように、ヒータ制御部18は、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5に電気的に接続されている。ヒータ制御部18は、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5に対して個別に通電制御をすることで、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5を個別に発熱させることができる。
図1に示すように、温度制御部19は、温度計測部17とヒータ制御部18に対して電気的に接続されている。温度制御部19と温度計測部17とヒータ制御部18は、PID制御用のコントローラを構成している。また、温度制御部19は、目標温度設定部20に対して電気的に接続されており、目標温度設定部20は目標温度記憶域21を有している。
目標温度設定部20は、目標温度記憶域21に予め記憶されている目標温度の値を、各ヒータH1〜H5の目標温度として設定することができ、目標温度設定部20で設定される目標温度は、複数の加熱区間(ヒータチャネルあるいは加熱ゾーンとも言う)についてそれぞれ個別に設定可能である。温度制御部19は、温度計測部17において計測された各加熱区間Z1〜Z5の温度と、目標温度設定部20で記憶された目標温度とにより、各ヒータH1〜H5の温度制御を行うようになっている。
本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態では、複数の加熱区間を目標温度に向かって同時に昇温完了させ、温度制御周期毎に計測する目標温度到達率が一番低い加熱区間をマスター区間(マスターゾーンとも言う)とし、マスター区間以外の加熱区間をスレーブ区間(スレーブゾーンとも言う)としている。そして、スレーブ区間は、マスター区間の昇温到達度合いに基づき昇温制御するようになっている。
上述のように、温度制御周期毎にそれぞれの加熱区間の温度到達率の一番低い加熱区間を、マスター区間としている。このようなマスター区間の決め方によれば、外乱や何らかの原因で加熱区間の昇温が滞った場合であっても、目標温度到達率の一番低い加熱区間をマスター区間と決めることにより、マスター区間とスレーブ区間ともに同時に目標温度に到達することが可能である。つまり、マスター区間を固定しないで、温度制御周期毎に目標温度到達率の一番低い加熱区間をマスター区間として、その後はマスター区間の温度到達率に合わせてスレーブ区間を昇温するのである。
本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態では、複数の加熱区間で温度制御周期毎に目標温度到達率を計算して、目標温度到達率が一番低い加熱区間をマスター区間として、マスター区間の温度到達率(rm:昇温到達度合いとも言う)に合わせてスレーブ区間を昇温制御している。昇温する途中に外乱による温度変化等の原因により、複数の加熱区間の間で目標温度到達率が変化する場合であっても、マスター区間とスレーブ区間を入れ替えて同時昇温を続行することができる。
これに対して、従来技術では、昇温時に目標設定温度への到達時間が最も遅い区間をマスター区間と決め、マスター区間以外をスレーブ区間として、マスター区間の目標設定温度到達率に合わせてスレーブ区間を昇温しているので、マスター区間を選択する場合に、各区間に設定された「傾きデータ」パラメータと「むだ時間」パラメータによる目標温度到達時間が最も遅い区間をマスター区間としている。このようにこれらのパラメータが必要であるので、マスター区間とスレーブ区間が昇温時には外乱による温度変化やこれらのパラメータの誤差による影響を受けてしまう。
次に、図2を参照して、本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態を、複数の加熱区間の同時昇温機能の動作フローチャートを用いて説明する。
図2に示す動作フローチャートは、ステップS1〜ステップS11を有している。以下の説明においては、説明を分かりやすくするために、2つの加熱区間を代表してCH1とCH2で表して、加熱区間CH1が初期のマスター区間とし、加熱区間CH2は初期のスレーブ区間とする。
図2において、加熱区間CH1の最終目標温度をSV1で示し、加熱区間CH2の最終目標温度をSV2で示す。また、加熱区間CH1の現在温度をPVで示し、加熱区間CH2の現在温度をPVで示す。マスター区間の目標温度をSVで示し、マスター区間の初期温度をPVocmで示す。
また、進捗率(到達率とも言う)はrで示し、進捗率不感帯をrfiで示す。この進捗率rは、加熱区間CH1、CH2が昇温時に目標温度へ到達する目標温度到達率のことである。さらに、進捗率不感帯rfiが設けられているが、この進捗率不感帯rfiは、本発明における固有の解決策であって、進捗率不感帯rfiは、例えば2つの加熱区間CH1、CH2がほとんど同じ昇温進捗率の場合に、昇温途中で何らかの原因で2つの加熱区間CH1、CH2の間でマスター区間とスレーブ区間が頻繁に入れ代わるような現象を避けるために設けられている。
ここで、図1に示す成形機10を用いて実施される本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態を、図2の同時昇温制御機能の動作フローチャートに示すステップに従って説明する。すでに述べたように、説明を分かりやすくするために、図2では、加熱区間CH1を初期のマスター区間として、加熱区間CH2を初期のスレーブ区間とする。
図2において、昇温制御を開始し、ステップS1では、ユーザが設定した各加熱区間の目標温度SViを最終目標温度SVi’にする動作を開始する。ステップS2では、加熱区間CH1と加熱区間CH2が同時昇温モードであるかどうかを判断して、同時昇温モードある場合にはステップS3に移る。ステップS2において同時昇温モードでない場合には、ステップS10に移り、これ以降の処理をする。
ステップS3において、同時昇温開始ではなく初期処理をする場合には、ステップS4に移り、あるいはすでに初期処理が終了しており同時昇温を開始する場合にはステップS5に移る。
ステップS4では、変数の末尾のiは加熱区間番号を表し、末尾のmは特にマスター区間の変数を表す。同時昇温機能を開始した瞬間に、各加熱区間CH1、CH2の現在の温度PV0iを保存し、同じ値を現在温度PV0ciとして保存する。マスター区間である加熱区間CH1の進捗率rを進捗率rとし、マスター区間である加熱区間CH1の最終目標温度SV1をマスター区間の最終目標温度SVとし、マスター区間である加熱区間CH1の現在温度PVをマスター区間の初期温度PVocmとして保存する。
次に、ステップS5では、マスター区間が加熱区間CH1であるか加熱区間CH2であるかを判断する。マスター区間が加熱区間CH1でなく加熱区間CH2である場合には、ステップS6に移り、スレーブ区間(加熱区間CH2)の進捗率rを、次式で計算する。

(PV−PV0i)/(SV−PV0i)=r

なお、ステップS5では、加熱区間CH1がそのままマスター区間であれば、ステップS11に移り、ステップS10の処理をする。
次に、ステップS7では、スレーブ区間の進捗率rが(マスター区間の進捗率r−進捗率不感帯rfi)よりも小さいかどうかを判断する。進捗率不感帯rfiは、加熱区間CH1、CH2がほとんど同じ昇温進捗率の場合に、加熱区間CH1、CH2の間で昇温途中で何らかの原因でマスター区間とスレーブ区間が頻繁に入れ代わるような現象を避けるために用いられている。
こで、スレーブ区間の進捗率が(マスター区間の進捗率r −進捗率不感帯r fi に比べて小さい場合には、ステップS8に移る。逆に、スレーブ区間の進捗率が(マスター区間の進捗率r −進捗率不感帯r fi に比べて大きい場合には、ステップS9に移り、ステップ10の処理をする。
ステップS8では、スレーブ区間の進捗率が(マスター区間の進捗率r −進捗率不感帯r fi に比べて小さいことから、スレーブ区間のデータがマスター区間のデータに入れ代わり、加熱区間の末尾のiがmになる。スレーブ区間の進捗率rがマスター区間の進捗率rとなり、スレーブ区間の最終目標温度SVがマスター区間の最終目標温度SVとなり、スレーブ区間の現在温度PVがマスター区間の初期温度PV0cmとなり、そしてスレーブ区間の現在温度PVが現在温度PV0ciとなる。
ステップS9では、マスター区間の進捗率によりスレーブ区間の最終目標温度SVi’を、次式で計算する。

((PV―PV0cm)/(SV―PV0cm))・(SV―PV0ci)+PV0ci=スレーブ区間の最終目標温度SVi’

その後、ステップS10では、図1に示す温度制御部19はヒータ制御部18に指令をして、スレーブ区間の最終目標温度SVi’になるように各加熱区間を加熱させる。そして、温度制御周期毎に定期的に全部の加熱区間の処理を行うために、ステップS2に戻って繰り返してステップS2以降の処理を、温度制御周期毎に繰り返して行う。
図3(A)は、同時昇温では、加熱区間CH1がマスター区間である場合に、マスター区間とスレーブ区間が入れ代わらないケースを示している。図3(B)は、同時昇温で、マスター区間とスレーブ区間が入れ代わるケースを示し、加熱区間CH2が何らかの原因により昇温途中で上昇率(昇温到達度合)が低下して、一時的に加熱区間CH2が加熱区間CH1に代わってマスター区間となるケースを示している。図3(A)と図3(B)では、縦軸が温度であり、横軸は経過時間である。
図3(A)に示すマスター区間とスレーブ区間が入れ代わらないケースでは、加熱区間CH1がマスター区間で、加熱区間CH2がスレーブ区間であり、加熱区間CH1の昇温の様子は、加熱データ線L1で示し、加熱区間CH2の昇温の様子は、加熱データ線L2で示している。加熱区間CH1が最終目標温度に昇温達成する時点をG1で示し、加熱区間CH2が最終目標温度に昇温達成する時点をG2で示しており、昇温達成する時点G2が昇温達成する時点G1に比べて早い。
図3(A)では、加熱区間CH1(マスター区間)の加熱データ線L1の傾きが常に加熱区間CH2(スレーブ区間)の加熱データ線L2の傾きを下回っているので、加熱区間CH1における温度制御周期毎に計測する目標温度到達率が、加熱区間CH2に比べて一番低い。このことから、同時昇温では、マスター区間とスレーブ区間は入れ代わらず、スレーブ区間である加熱区間CH2では、マスター区間である加熱区間CH1の昇温到達度合いに基づいて昇温制御して、マスター区間とスレーブ区間とも同時に最終目標温度に到達することが可能である。
これに対して、図3(B)に示すマスター区間とスレーブ区間が入れ代わるケースでは、加熱区間CH1の昇温の様子は、加熱データ線L11、L12、L13で示し、加熱区間CH2の昇温の様子は、加熱データ線L21、L22、L23で示している。
加熱データ線L21、L22で示すように、期間Dにおいて加熱区間CH2の温度上昇率が、何らかの原因で低下した場合には、この期間Dでは、加熱区間CH2の目標温度到達率が一番低いので、加熱区間CH2がマスター区間となり加熱区間CH1が一時的にスレーブ区間に入れ代わることとなる。
このように、一時的に加熱区間CH2がマスター区間になることで、温度制御周期毎に各々の加熱区間の目標温度到達率を比較して、一番低い加熱区間をマスター区間としてスレーブ区間からマスター区間に入れ代えている。
図3(B)に示す例のようにマスター区間を決めることにより、外乱や何らかの原因で昇温が滞った場合であっても、目標温度到達率の一番低い期間Dでは、加熱区間CH2をマスター区間とすることにより、加熱区間CH1がスレーブ区間となる。その後は、マスター区間の温度到達率(r)、すなわちマスター区間の昇温到達度合いに合わせて、スレーブ区間を昇温して、マスター区間とスレーブ区間とも同時に最終目標温度に到達することが可能である。
このように、本発明の実施形態では、複数の加熱区間(ヒータチャネルあるいは加熱ゾーンとも言う)が、マスター区間を固定化するのではなく、温度制御周期毎に目標温度到達率を計算して、目標温度到達率が一番低い加熱区間をマスター区間と決め、マスター区間の温度到達率(r)に合わせて、スレーブ区間を昇温している。そして、マスター区間とスレーブ区間を昇温途中に外乱等の原因により、加熱区間の間で目標温度到達率が変化する場合であっても、マスター区間とスレーブ区間を入れ代えて決めることで、マスター区間とスレーブ区間の同時昇温を続行することができ、マスター区間とスレーブ区間とも同時に最終目標温度に到達できる。
各加熱区間に対して昇温の進捗率(目標温度到達率)を導入して、進捗率が最も遅い加熱区間をマスター区間として、マスター区間以外の加熱区間をスレーブ区間としており、マスター区間は、ユーザが設定した目標温度に向かってPID制御されるが、スレーブ区間はそれぞれの進捗率に応じた新しい目標温度にセットされ、この目標温度に向かって制御される。
本発明の成形機の自動昇温制御方法は、射出成形機のバレル部を複数に分割した加熱ゾーンで加熱する際に成形機の昇温を制御する成形機の自動昇温制御方法であって、加熱ゾーン毎に設けたヒータと、加熱ゾーン毎に設けた温度センサーと、温度センサーからの入力を行う温度計測部と、ヒータの制御を行うヒータ制御部と、ヒータの目標温度を設定して記憶する目標温度設定部と、温度計測部が計測した加熱ゾーンの温度と、目標温度設定部で記憶した目標温度により、ヒータの温度制御を行う温度制御部と、を備え、複数の加熱ゾーンを目標温度に向かって同時に昇温完了させ、温度制御の周期毎に計測する目標温度到達率が一番低い加熱ゾーンをマスターゾーンとして、マスターゾーン以外の加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、スレーブゾーンは、マスターゾーンの昇温到達度合いに基づき昇温制御することを特徴とする。
これにより、「温度傾きデータ」パラメータと「むだ時間」パラメータの設定は不要であり、外乱による温度変化やパラメータの誤差による影響を受けずにマスター区間とスレーブ区間が同時昇温できる。
また、本発明の成形機の自動昇温制御方法は、目標温度設定部で設定される目標温度は、複数の加熱ゾーンについて、それぞれ個別に設定可能なことを特徴とする。これにより、加熱ゾーンについて個別に目標温度を設定して各加熱ゾーンの昇温制御が行える。
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
図1に示す成形機10は、一例として5つのヒータH1〜H5と5つの温度センサー12〜16の組み合わせ例を示しているが、これに限らず、2つのヒータと2つの温度センサーの組み合わせ、3つのヒータと3つの温度センサーの組み合わせ、4つのヒータと4つの温度センサーの組み合わせ、あるいは6つ以上のヒータと6つ以上の温度センサーの組み合わせを採用することもできる。成形機としては、射出成形機や押出成形機であっても良い。
また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態を実施するための成形機の好ましい例を示す図である。 複数の加熱区間の同時昇温機能の動作フロー図である。 図3(A)は、同時昇温では、加熱区間CH1がマスター区間である場合に、マスター区間とスレーブ区間が入れ代わらないケースを示し、図3(B)は、同時昇温で、スター区間とスレーブ区間が入れ代わるケースを示し、加熱区間CH2が何らかの原因により昇温途中で上昇率が低下して、一時的に加熱区間CH2が加熱区間CH1に代わってマスター区間となるケースを示している図である。
符号の説明
10 成形機
11 加熱シリンダ(バレル部)
12〜15 温度センサー
17 温度計測部
18 ヒータ制御部
19 温度制御部
21 目標温度記憶域
22 ホッパー
27 スクリュー
H1〜H5 ヒータ
Z1〜Z5 加熱区間(加熱ゾーン)
CH1 加熱区間(初期設定時にはマスターゾーン)
CH2 加熱区間(初期設定時にはスレーブゾーン)

Claims (2)

  1. 射出成形機のバレル部を複数に分割した加熱ゾーンで加熱する際に成形機の昇温を制御する成形機の自動昇温制御方法であって、前記加熱ゾーン毎に設けたヒータと、前記加熱ゾーン毎に設けた温度センサーと、前記温度センサーからの入力を行う温度計測部と、前記ヒータの制御を行うヒータ制御部と、前記ヒータの目標温度を設定して記憶する目標温度設定部と、前記温度計測部が計測した前記加熱ゾーンの温度と、前記目標温度設定部で記憶した目標温度により、前記ヒータの温度制御を行う温度制御部と、を備え、
    複数の前記加熱ゾーンを前記目標温度に向かって同時に昇温完了させ、前記温度制御の周期毎に計測する目標温度到達率が一番低い前記加熱ゾーンをマスターゾーンとして、前記マスターゾーン以外の前記加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、
    前記スレーブゾーンは、前記マスターゾーンの昇温到達度合いに基づき昇温制御することを特徴とする成形機の自動昇温制御方法。
  2. 前記目標温度設定部で設定される前記目標温度は、複数の前記加熱ゾーンについて、それぞれ個別に設定可能なことを特徴とする請求項1に記載の成形機の自動昇温制御方法。
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