JP4942896B2 - 新規な凍結試料の加温方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、商務省による助成協力契約第70NANB7H3071号の下、政府の補助を得てなされたものである。よって、本発明の権利の一部は政府により所有される。
【0002】
(発明の属する技術分野)
本発明は、凍結保存細胞を凍結保存温度から加温する、新規な二段階の加温手順に関するものである。また、本発明は、凍結保存細胞を加温する際にヒートシンクを使用することに関するものである。
【0003】
(従来の技術)
低温生物学は、通常の生理的範囲より低い温度が生物体系に及ぼす影響を研究する学問であると定義することができる。低温生物学の基礎は、過去半世紀の間に、虚血時及び低酸素時に生物体系を保護し維持するための手段として、低温度を広範囲に渡り使用するところまで発展してきた。実際の保存は、冷凍処理しない低温状態、又は氷の形成により水体系の物理的に相を変化させる程度の凍結保存を使用することによりなされる。凍結保存中、凍結から解凍までの厳しさから細胞が生存できるのは、適切な凍結防止剤(CPAs)を使用する場合のみであり、一般的にかかる方法は、微量の分離細胞又は小組織の細胞の小集合体に適用される。複雑な組織及び明確な構造を有する臓器は、従来の凍結保存方法を用いることによっては容易に保存できない。これは主に、組織化した多細胞組織において氷の形成が及ぼす悪影響に起因するものである。単に細胞又は組織を凍結させることにより、細胞又は組織は死に、非機能的なものとなる。
【0004】
近年における低温生物学の時代は、グリセロールの凍結防止特性の発見により開始した。前記発見は、Polge等による“低温における溶固及び乾燥後の***の回復(Revival of Spermatazoa After Vitrification and Dehydration at Low Temperatures)” Nature, 164:666 (1949)で報告されている。その後、Lovelock等により“ジメチルスルホキシドによる生体細胞の凍害予防(Prevention of Freezing Damage to Living Cells by Dimethyl Sulfoxido)”Nature, 183:1394 (1959)で、ジメチルスルホキシドもまた凍結防止剤であることが発見された。ジメチルスルホキシドは、凍結防止特性を示すことで現在幅広く知られている物質であり、現在まで最も広く使用されている物質である。
【0005】
低温生物学の原則の総説は、Brockbank, 凍結静脈移植の原則(Principle of Cryopreserved Venous Transplantation), 第10章, “低温生物学の本質(Essentials of Crybiology)”(1995) で見ることが出来る。低温生物学の基本原則は、凍結による損傷の程度は、生物体系中の自由水量、及びその水が凍結時に結晶化するか否かにより決定されるというものである。多様な分離細胞及び細胞の小集合体は、単に公知の方法に従うことにより凍結されるが、複雑な組織について再現可能な結果を得るには、組織の凍結保存に関する主要変数の理解を要する。凍結組織に関与する主要変数は、(1)凍結適合性の高いpH緩衝液、(2)凍結防止剤の選択濃度及び投与法、(3)冷却手順、(4)保存温度、(5)加温手順、及び(6)凍結防止剤の溶出を含むものである。
【0006】
米国特許第5,879,876号(Wolfinbarger, Jr等)には、凍結保存組織から人体への移植に適した組織を作製するための、連続的な多段階の希釈方法について記載がされている。凍結保存組織は、解凍後又は解凍と同時に、現存の連続的な解凍潅流試験槽を使用して洗い流し液の連続的な流れにさらす。解凍潅流試験槽は剛性のものか又は変形可能なものとすることができ、吸気ポート及び排気ポートを有する。要約を参照。広範な加温プロトコールは、第8章、第34〜67行に示す。
【0007】
低温生物学における研究の大部分は、新種凍結防止剤の発見及び試験に焦点を当てており、多くの凍結防止剤が発見されている。例えば、上記のBrockbankを参照。細胞を設置し凍結保存状態とする凍結手順、及び凍結保存細胞を凍結保存状態から解凍する加温手順が、現在完全に当該技術で基準化されている。
【0008】
しかしながら、本発明者は、現行の一段階の加温手順の方が、凍結状態から加温の際に、細胞、特に固定基材に付着した細胞に関し、その細胞の損失につながるかもしれないと考えている。現在、凍結保存からの回収した生存細胞数を増やすために凍結保存細胞、特に基材に付着した細胞を凍結状態から加温する手順の改良法が望まれている。
【0009】
(発明の概要)
従って、本発明の第一目的は、凍結保存細胞を凍結状態から加温する時に、凍結保存細胞数の損失を最小限に抑えることができる新規な方法を提供することである。
【0010】
上記及び他の目的は、凍結保存細胞を凍結保存温度から加温する、新規な二段階の加温手順に関する本発明により達成される。かかる二段階加温手順は、固定基材に付着した細胞を加温する時に特に利点を有する。
【0011】
凍結保存状態から細胞を解凍する二段階の方法は、細胞を凍結保存温度から少なくとも−30℃の遷移温度に加温する第一工程、並びに細胞を30℃未満の温度を有する第一環境に置くことにより緩やかに加温する工程、及び細胞が遷移温度になった後、かかる細胞を少なくとも32℃を有する第二環境に置くことにより遷移温度から急速に加温する工程から成る第二工程を含む。第一工程において細胞が遷移温度となった後、細胞を遷移温度で一定時間平衡化し、その後第二工程において加温を行う。前記方法は、基材、例えば固定基材に付着した凍結保存細胞を加温する時に特に有用である。
【0012】
さらに、前記加温手順を助けるために、特に固定基材に細胞が付着している時に、凍結保存細胞と共に熱伝達装置を使用することが出来る。この点について、本発明は、凍結保存細胞を加温する装置、即ち凍結保存細胞を入れる容器及びその容器と共に用いる熱伝達装置を含む装置に関するものでもある。
【0013】
(発明の実施の形態)
本発明における凍結保存、即ち凍結による細胞の保存は、従来のいずれかの方法により行うことが出来る。本明細書で使用する“凍結”とは、水の凝固点以下の温度、即ち0℃以下をいう。凍結保存は、典型的に凝固点よりかなり低温、例えば−80℃かそれ以下、より典型的には−130℃かそれ以下での温度を意味する。
【0014】
凍結保存される細胞は、懸濁させてもよいし、基材等に付着させてもよいが、これらに限らない。本発明にかかる好ましい実施態様では、凍結保存される細胞は固定基材、例えば複数のウェルを有するマイクロタイタ−プレートの表面(他の適当な基材を使用してもよく、制限はない)に付着している。細胞の基材への付着は、当業者に知られているいずれかの方法によって行う。例えば、Pasch等による“単層中ケラチノサイトの凍結保存(Cryopreservation of Keratinocytes in a Monolayer)”,Cryobioligy, 39:158 (1999)、Hornung等による“構造化ガラス及びシリコン基板に固着した固定依存性哺乳類細胞の凍結保存(Cryopreservation of Anchorage-Dependent Mammalian Cells Fixed to Structured Glass and Silicon Substrates)”Cryobiology, 33:260 (1996)、 Acker等による“細胞内氷結晶を有する単層の回復に及ぼす加温速度の影響力(Influence of Warming Rate on Recovery of Monolayers with Intracellular Ice)”World Congress of Cryobiology, Maraseilles, France (1999)、Armitage等による“単層か懸濁液中かにより凍結保存細胞の生存に及ぼす冷却速度の影響力が異なる(The Influence of Cooling Rate on Survival of Frozen Cells Differs in Monolayers and in Suspensions)”Cryo-Letters, 17:213 (1996)、及びWatts等による“ラット肝細胞の単層培地の凍結保存(Cryopreservation of Rat Hepatocyte Monolayer Cultures)”Hum Exp Toxicol, 15(1):30 (1996) 等の、ここに示す各例は参照して本明細書に内容を取りこむもので、基材に細胞を付着させる方法を示したものである。細胞は、典型的には単層で基材の表面に付着する。
【0015】
本発明は、凍結保存細胞を凍結保存状態から再加温する加温方法に関するので、細胞は最初に凍結保存温度の凍結保存状態としなければならない。この点については、当業者の知っているいずれの方法も使用でき、制限されない。凍結保存温度は−20℃以下でなければならず、好ましくは−80℃以下、さらに好ましくは−130℃以下とすべきである。
【0016】
前記凍結保存方法において、凍結保存温度へ凍結する前に細胞を凍結保存組成物(cryopreservation composition)と接触させることにより、細胞を凍結保存中保護する。ここで、“凍結保存組成物と接触させる”とは、細胞を何らかの方法で凍結保存組成物と接触させることにより、凍結保存温度まで温度を下降させる間に、細胞を凍結保存組成物により保護することをいう。例えば、保護する細胞が付着したプレートの適当なウェルを凍結保存組成物で満たすことによって、あるいは細胞を凍結保存組成物の溶液に懸濁すること等により、細胞を凍結保存組成物と接触させることができる。
【0017】
また、凍結保存される細胞は、好ましくは、凍結適合性の高いpH緩衝液、即ち最も典型的には、少なくとも塩基性塩溶液、エネルギー源(例えばグルコース)及び冷却温度において中性pHを維持することができる緩衝液から構成される、pH緩衝液と接触させるべきである。周知の前記物質は、例えば、ダルベッコ変性イーグル培地(DMEM)を含むものである。前記物質は凍結保存組成物の一部として含まれてもよい。
【0018】
凍結保存組成物は、制限されず、当該技術で既知のいずれかの凍結物質を含んでもよい。既知の凍結防止剤組成物としては、例えば、Brockbank, 凍結静脈移植の原則(Principle of Cryopreserved Venous Transplantation), 第10章, “低温生物学の本質(Essentials of Crybiology)”(1995) の表10.1に記載のもののいずれかとすることができ、これらのものは、アセトアミド、アガロース、アルギン酸塩、1−アナリン(1−analine)、アルブミン、酢酸アンモニウム、ブタンジオール、コンドロイチン硫酸、クロロホルム、コリン、デキストラン、ジエチレングリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エリトリトール、エタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、グルコース、グリセロール、α‐グリセロリン酸塩、グリセロールモノアセテート、グリシン、ヒドロキシエチルスターチ、イノシトール、ラクトース、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、マルトース、マンニトール、マンノース、メタノール、メチルアセトアミド、メチルホルムアミド、メチル尿素類、フェノール、プルロニックポリオール類(pluronic polyols)、ポリエチレングリコール、ポリビニールピロリドン、プロリン、プロピレングリコール、ピリジンN‐オキシド、リブロース、セリン、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ソルビトール、スクロース、トレハロース、トリエチレングリコール、トリメチルアミンアセテート、尿素、バリン、キシロース等の化合物を含むが、これに限定されるものではない。凍結保存組成物は、好ましくは、例えば0.05〜6.0M、さらに好ましくは0.1〜3.0Mの濃度で存在する。
【0019】
本発明にかかる好ましい実施例では、凍結防止剤組成物は、凍結防止化合物として少なくとも1種のシクロヘキサンジオール(CHD)化合物、例えばシス型又はトランス型の1,3‐シクロヘキサンジオール(1,3‐CHD)、1,4‐シクロヘキサンジオール(1,4‐CHD)又は前記2種のラセミ混合物を含む。前記の好ましい凍結保存組成物は、2000年4月17日出願の仮出願第60/197,669号(WO01/78505として公開された、対応するPCT出願)、名称「シクロヘキサンジオール凍結防止剤組成物(Cyclohexanediol Cryoprotectant Compounds)」に記載されており、本願に引用してすべての内容を取りこむ。
【0020】
CHDの組成物は、好ましくは、例えば0.05〜2.0Mの量、さらに好ましくは0.1〜1.0Mの量で凍結保存組成物中に存在する。また、凍結保存組成物は、好ましくは細胞、組織及び臓器の保存に適した溶液を含む。溶液は、上記の緩衝液を含むものでもよい。溶液は、特に好ましくは、例えばデキストロース、第一及び第二リン酸カリウム、重炭酸ナトリウム並びに塩化カリウムから成るユーロコリン(EuroCollins Solution)である。
【0021】
凍結保存組成物は、好ましくは少なくとも一種のCHD化合物及び少なくとも一種の追加の凍結防止化合物の両方を含む。
【0022】
さらに、凍結保存組成物は、不凍化蛋白質/ペプチド(AFP)を含んでもよい。AFPには、不凍化糖蛋白質(AFGPs)、及び昆虫不凍又は“熱ヒステリシス(thermal hysteresis)”蛋白質(THPs)が含まれる。天然素材であるAFPsは形成中の氷晶のプリズム面に結合し、それにより形成形態を変化することが可能であると考えられている。前記蛋白質が生ずる魚及び昆虫中では、このことは凝固点を低下させ、通常であれば体液を凍らせるような状況下でも生存可能となる。この点において、本発明では、周知のAFPsいずれも使用可能である。例えば、Sicheri and Yang, Nature, 375:427-431には8種のこのような蛋白質についての記載がある。AFPsは、最も好ましくは、例えばAFPI (AFP I型)、AFPIII(AFP III型)及び/又はAFGPとすることができる。AFPは、存在する各AFPについて、例えば0.01〜1mg/ml、より好ましくは0.05〜0.5mg/mlの濃度で凍結保存組成物中に存在することができる。
【0023】
細胞を一旦凍結保存組成物に接触させて細胞を凍結することによって、凍結保存が可能となる。凍結保存のための冷却は、いずれの方法で行ってもよく、さらに上記物質に加えて何らかの追加の物質を使用してもよい。
【0024】
例えば、本発明にかかる凍結保存のための冷却(凍結)手順は、適切であればいずれの手順であってもよい。多数のタイプの冷却手順が、当業者に周知である。最も典型的には、冷却手順は氷核形成点から−80℃までの連続的な速度を必要とし、該冷却速度は当該技術で理解されるように(Brockbank, 凍結保存静脈移植の原則(Principle of Cryopreserved Venous Transplantation), 第10章, “低温生物学の本質(Essentials of Crybiology)”(1995) 参照)、凍結する細胞/組織の性質により決定する。冷却速度は、例えば‐0.1〜‐10℃/min、より好ましくは、‐1〜‐2℃/minである。細胞を該連続的冷却速度により約‐40〜‐80℃まで冷却した後、細胞を液体窒素又は液体窒素の気相に移動して、さらに凍結保存温度まで冷却する。前記温度は、典型的に凍結溶液のガラス転移温度以下(一般的に‐130℃以下)である。
【0025】
凍結保存の後、細胞を再び加温する。細胞及び組織の既知の加温手順は、一段階の手順であり、凍結保存された試料を例えば37〜42℃の水槽に入れる方法である。凍結保存した生体物質を一段階でより迅速に加温するための装置も報告されている。本発明者は、前記の一段階加温手順が凍結保存細胞の再加温時に生存細胞数を減少させることを発見した。
【0026】
固定した基材上の細胞の凍結保存を調査した研究は、ほとんど行なわれていない。例えば、固定基材上に細胞を凍結保存した細胞に関する数少ない研究のうちのいくつかについては、上記のPasch等による“単層中でのケラチノサイトの凍結保存(Cryopreservation of Keratinocytes in a Monolayer)”,Cryobioligy, 39:158 (1999)、Hornung等による“構造化ガラス及びシリコン基板に固着した固定依存性哺乳類細胞の凍結保存(Cryopreservation of Anchorage-Dependent Mammalian Cells Fixed to Structured Glass and Silicon Substrates)”Cryobiology, 33:260 (1996)、Acker等による“細胞内氷結晶を有する単層の回復に及ぼす加温速度の影響力(Influence of Warming Rate on Recovery of Monolayers with Intracellular Ice)”World Congress of Cryobiology, Maraseilles, France (1999)、Armitage等による“単層中あるいは懸濁液中かにより凍結保存細胞の生存に及ぼす冷却速度の影響力が異なる(The Influence of Cooling Rate on Survival of Frozen Cells Differs in Monolayers and in Suspensions)”Cryo-Letters, 17:213 (1996)、及びWattsによる“ラット肝細胞の単層培地の凍結保存(Cryopreservation of Rat Hepatocyte Monolayer Cultures)”Hum Exp Toxicol, 15(1):30 (1996) 等を参照。しかしながら、主要な研究は、一般的に懸濁液中の細胞を使用したものである。
【0027】
懸濁液中の細胞の場合、ガラスビン中の凍結保存細胞を解凍するための最適方法は、37℃における急速な一段階の解凍方法である。しかしながら、固定基材上の付着性単層での凍結保存には、天然素材である組織をシュミレートするもので、従来はやはり一段階加温方法により再加温している。固定基材上の細胞に関する研究はほとんどなされていないが、該研究は、急速な解凍が懸濁液中の細胞で有効に働くため、基材に付着した細胞にも有効に働くであろうということを想定したものである。しかしながら、本発明者は、前記想定が誤りであることを発見した。
【0028】
本発明は、二段階の加温段階を含む加温手順に関するものである。かかる加温手順において、凍結保存細胞(凍結保存温度での凍結保存)を、凍結保存用冷凍庫から取り出し、再度典型的には‐130℃以下に置き、二段階の加温手順の第一段階において、第一環境でゆるやかに加温する。前記第一環境は、いかなる特別処理を行うことも、いかなる特別な性質を有することも必要ない。また、所望により、いずれの環境も制限無く使用することができる。最も好ましくは、環境は、例えば空気のような気体雰囲気である。第一段階における緩やかな加温を行うために、該環境は通常の室温に近い温度にすべきである。例えば、30℃、好ましくは15〜30℃、より好ましくは20〜25℃である。
【0029】
二段階の加温手順における第二段階は、細胞を温かい、例えば室温以上の温度、特に、例えばおよそ32℃以上、好ましくは32〜50℃、より好ましくは約37℃を有する第二環境において急速に解凍するものである。第二環境としては、気体(空気)、液体又は流動床のような適切ないずれの環境も使用でき、前記温度を有する水槽が、急速な加温を行うために最も好ましく使用される。
【0030】
発明者は、生存細胞数を最大とするために、第一の緩やかな加温段階から第二の急速な加温段階間の最適遷移温度を同定するため多大な試験を行った。前記試験の結果を図1に示す。
【0031】
図1は、凍結保存細胞培養液を低速度から高速度に加温した時の、遷移温度を変動させた場合の生存細胞数を示したグラフである。A10細胞を1ウェルにつき1×104個置き、細胞を氷上で1Mジメチルスルホキシド(DMSO)中に入れ‐1℃/minの速度で‐80℃まで冷却し、‐130℃で保存した。前記培養液を加温するために、第二段階の加温手順を用いた。プレートを‐130℃の状態から取り出し、空気中で周囲の温度(23℃)に放置し、‐70℃から0℃まで緩やかに加温した。その後すぐ、プレートを37℃の水槽に移し、マンニトール(0.5M)溶液を添加して急速に加温し、細胞培養液を〜0〜4℃まで解凍した。プレートを氷上に置き、0.5Mマンニトールで2回洗浄し、その後10%ウシ胎仔血清(FCS)を含むダルベッコ変性イーグル培地(DMEM)で洗浄した。
【0032】
10%FCSを含むDMEM中に細胞を放置し、アマローブルー(Alamar Blue)(Trek Diagnosticの無血代謝系指示薬)を添加した。アマローブルーは細胞中の酸化還元反応を測定する蛍光色素であり、凍結防止剤との接触後の全生存細胞数を示す。20μg容積のアマローブルーを細胞に添加し、プレートを37℃で2時間培養した。アマローブルーからの蛍光を蛍光マイクロプレートリーダー(Molecular DynamicsのFmax蛍光マイクロプレートリーダー)で、544nmの励起波長及び590nmの発光波長を用いることにより読み取ることが出来た。
【0033】
前記分析では、二段階加温手順の第二段目の急速な加温工程は、第一段目の緩やかな加温工程において、少なくとも‐30℃、好ましくは少なくとも‐25℃、より好ましくは少なくとも‐20℃まで細胞が解凍したところで開始される。細胞は移転温度に達したところで、より高い温度、例えば約37℃に置かれ、プレートの解凍を完了する。
【0034】
前記改良手順を用いて、様々な濃度のDMSOを使用して凍結及び解凍させた後の、細胞の生存率を調べたところ、1〜2Mの濃度のDMSOに対して細胞の生存率は〜25〜30%であり(図2参照)、生存率0という最初の結果から比べて相当な増加が見られた。図2の場合は、A10細胞を1ウェルに2.5×104個置き、図8の概要に従い0〜6MのDMSOに接触させた。プレートは‐1℃/minの速度で‐80℃まで冷却し、その後‐130℃で貯蔵した。プレートを上記のように二段階で加温した。データは、単一プレートで凍結及び解凍された試料の平均値(±SEM)を示している。
【0035】
図3は、96プレート中の生存細胞数の変動を示すものである。細胞を1ウェルにつき2.5×104個の密度で氷上で1MのDMSO中に入れ、‐80℃まで制御した速度で冷却し、その後‐130℃で放置した。プレートを二段階で加温し、図1に図示するように測定した。ウェル中の細胞数からバックグラウンド値を差し引いたデータを、A〜G列に示した。細胞を有しない対照用のウェル(バックグランド)は、H列に示した。かかる結果は、二段階の加温手順は明らかに驚くべき利点を有することを示すが、細胞が付着するプレートの異なる部分においては加温速度の格差があることが別の問題となる。緩やかな加温段階の間、右端部及び左端部は中央部よりしばしば速く加温され、その結果、その後の37℃の急速な解凍工程でも解凍される。よって、プレートの異なる部分で測定された細胞の生存率は、異なる加温速度を反映するものであり、生存率が高いものと低いものとがある。
【0036】
固定基材に付着した細胞の場合、新規の加温手順に関し、プレートを37℃の水浴で加温することにより殺菌及び汚染の可能性について問題が残る。前記問題点を解消するために、本発明は、具体的に、細胞の付着する基材の底部に接触し、好ましくは同一平面上でフィットする、熱伝導を一様にするための方法又は装置の使用をさらに含むものである。
【0037】
基材、例えば、固定基材に付着した細胞は、加温手順の任意の段階で、熱伝達装置に接触若しくは付着する。例えば、細胞を含む容器又は装置を、凍結保存環境から取出してすぐに、又は加温手順の第一段階の終了後、熱伝達装置に接触させることができる。
【0038】
前記熱伝達装置は、最も好ましくは装置と細胞の入った容器との間の熱伝達を促進するための、なんからの簡単なデザインとする。熱伝達は、例えば熱伝導、対流又は放熱により、最も好ましくは熱伝導により効果を生じる。図4A(平面図)及び図4B(側面図)に示すように、熱伝達装置は***部分を有するように設計され、前記部分でマイクロタイタ−プレートを容器に設置することが出来る。前記***部分はマイクロタイタ−プレートの底部が装置と接触可能であるならば、いかなる厚さであってもよい。
【0039】
適当な熱伝達装置、即ち熱伝導装置は、従来から使用されるヒートシンクとすることができるが、これに限られるものではない。熱伝達を行うことができるいずれの物質も、任意の形状で使用することができ、制限されない。熱伝達装置は、例えば、熱伝導性を有する糊、又はビーズも含め、可塑性のある、又は装置に適合した物質より構成することが出来る。
【0040】
マイクロタイタ−プレート以外の固定基材を使用する時は、熱伝達装置は、固定基材に容易に接触することができる部分を有するように作製しなければならない。
【0041】
熱伝達装置は、熱を移動させることが出来る任意の物質から構成してもよい。例えば、かかる装置は、効果的に熱を伝導するアルミニウムから構成してもよい。図4A及び図4Bに示すような装置の基部は、好ましくは熱伝達装置が重分な質量を与える厚さを有し効果的に熱を保持し、プレートに渡って熱を一様に分配するものとすべきである。アルミニウムの場合には、装置は、例えば少なくとも1インチの厚さを有するものでなければならない。より厚い厚さをも使用できる。
【0042】
熱伝達装置の幅に関しては、適切な任意の幅を選択できる。好ましくは、装置に接触し置かれるように固定基材の寸法に基づき幅を選択し、固定基材が完全に装置に接して設置されるようにする。従って、プレート又は細胞を入れる容器の大きさによって、異なる幅の装置が必要となるかもしれない。
【0043】
熱伝達装置は、より一様に加温し、またその温度を保持することを可能とする。また、熱伝達装置はフード又はその他の無菌環境下で使用することによって、プレートが細菌により汚染される危険性を最小限に抑えることができる。
【0044】
二段階の加温方法と併せてさらに前記熱伝導装置を使用すると、大部分のプレートに渡って、細胞の生存率の均一性を高めることが出来る。図5参照。図5は、ヒートシンクを使用した時の、96ウェルプレート中の細胞生存率の変動を示したものである。細胞は1ウェルにつき2.5×104細胞の密度で置き、氷上の1M DMSO中に入れ、制御された速度変化で‐80℃まで冷却し、その後‐130℃で放置した。プレートは両温度で熱伝導装置を使用して二段階で加温し、上記のように読み取った。細胞を置いたプレートのデータからバックグラウンド値を差し引いた結果を、A〜G列に示した。細胞の置かれていない対照ウェル(バックグランド)は、H列に示した。
【0045】
図6に示すように、熱伝導装置を使用しても、凍結保存状態からの再加温時に全体的な細胞生存率を高めることは出来ないが、熱伝導装置を使用することにより、固定基材に付着した細胞を再加温する時、細胞生存率の均一性を高め、また汚染の危険性を減少させるという効果がある。図6は、加温後のA10細胞の生存率を百分率で示したものである。A10細胞は1ウェルにつき2.5×104細胞の密度で置き、‐1.0℃/minの速度に制御した冷凍庫を使用し、1M DMSO中で凍結保存した。次の日、かかるプレートを、本文に示す二段階の加温手順、又は25℃及び37℃での熱伝導装置を使用し、同様の加温手順を用いて加温した。
【0046】
本発明の他の実施例において、二段階の加温手順の第一段階を、凍結保存温度でプレートを凍結保存状態から取り出し、該プレートを遷移温度で一定時間、例えば15〜120分間、好ましくは30分間、冷凍庫中で平衡化することにより行う。平衡化を行った後、上記に示すように、第二段階において、プレートを急速に、例えば37℃で加温する。
【0047】
遷移温度での平衡化により、1M DMSOに接触させた後の細胞生存率は、〜25%から〜40%に著しく上昇した(図2及び図7参照)。図7は、A10細胞をプレート上で凍結及び解凍した後の細胞生存率を、異なる凍結保存組成物について示したものである。A10細胞は、プレートを37℃で急速に加温する前に‐20℃で平衡化したことを除いては、図1における記載と同様の手順を使用して凍結及び解凍した。データは、非処理対照細胞(1XECは凍結防止剤に対する担体輸送溶液として使用されたユーロコリンを引用したものである)について標準化し、12回の平均(±SEM)とした。
【0048】
要約すると、本発明者は、固定基材上の細胞を二段階で加温する手順を発明した。前記加温手順は、現在利用できるものよりも労力を要さず、又実施が容易である。任意の種類の細胞も基材に付着し凍結できることは明らかであるので、様々な目的で、凍結保存細胞を二段階の加温手順により解凍し使用することができる。前記解凍(再加温)方法により、組織又は人工構築物中の凍結粘着細胞を分配することによって、該物質の最終ユーザーは目的に応じて常に在庫の凍結試料を保有することができる。これにより、最終ユーザーは、研究実験、生物学的検定、又は診断の目的で組織を入手し、及び/又は細胞を成長し、維持及び設置するために現在必要とされるわずかな時間で自己の使用を開始することができるようになる。
【0049】
本発明は、特定の実施態様について記載したが、当業者は多くの代案、改良及び変更をすることは明らかである。従って、本明細書に記載する本発明の好ましい実施態様は、説明するためだけを意図するものであって、実施態様はこれに限るものではない。請求項に記載する発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種の変更を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 凍結保存細胞培養液の加温を低速度から高速度に変える遷移温度を変動させた場合の、遷移温度に対する細胞の生存率を示すグラフである。
【図2】 種々の濃度のDMSO存在下で凍結保存された粘着性血管平滑筋についての、細胞の生存率を示すグラフである。
【図3】 96ウェルプレート(12×8)中の細胞生存率の変動を示した三次元グラフである。
【図4】 本発明にかかる熱伝達(熱伝導)装置の構造図であり、図4Aは平面図、図4Bは側面図である。
【図5】 熱伝導装置を使用した96ウェルプレート中の細胞生存率の変動を示した三次元グラフである。
【図6】 加温後のA10細胞の細胞生存率を示すグラフである。
【図7】 種々の凍結防止剤を使用してプレートを凍結及び加温した後の、A10細胞の細胞生存率を示すグラフである。
【図8】 凍結保存細胞を得る時に使用できる、凍結保存方法を示したフローチャートである。

Claims (9)

  1. 凍結保存された状態から細胞を解凍する方法であって、細胞を入れた容器又は装置を30℃未満の第一環境におくことにより、凍結保存温度から少なくとも−30℃の遷移温度まで細胞を加温する第一工程、及び細胞が遷移温度に達した後、細胞を少なくとも32℃の第二環境におくことによりさらに細胞を遷移温度から加温する第二工程を含む、細胞の解凍方法。
  2. 第一環境が空気を含む、請求項1の方法。
  3. 第二環境が水槽を具える、請求項1の方法。
  4. 第二環境が約37℃である、請求項1の方法。
  5. 凍結保存状態にある細胞が基材に付着しており、解凍の任意の段階で、基材を熱伝達装置に接触させる工程をさらに含む、請求項1の方法。
  6. 基材がプレートであり、熱伝達装置が該プレートの底部に接触するようになっている、請求項5の方法。
  7. 凍結保存細胞を加温する装置であって、
    凍結保存細胞が付着した容器、及び
    気体、液体又は流動床から供給される熱を該容器に対して一様に伝達する、該容器と共に用いる熱伝達装置を含む装置。
  8. 請求項7の装置であって、容器が凍結保存細胞を付着させるための複数のウェルを備えたプレートを有する基材を含み、熱伝導装置が基材と接触する装置。
  9. 凍結保存された状態から細胞を解凍する方法であって、細胞を入れた容器又は装置を30℃未満の第一環境におくことにより、凍結保存温度から少なくとも−30℃の遷移温度まで細胞を加温する第一工程、及び細胞が遷移温度に達した後、細胞を少なくとも32℃の第二環境におくことによりさらに細胞を遷移温度から加温する第二工程を含む、細胞の解凍方法に供する凍結保存細胞を加温する装置であって、
    凍結保存細胞を付着させるための複数のウェルを備えたプレートを有する基材を含む容器と、
    前記容器と前記第一環境及び第二環境のいずれかの環境との間におかれて、該環境から供給される熱を該容器に対して一様に伝達する熱伝達装置と
    を含み、
    前記熱伝達装置が前記基材と接触する装置。
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