JP4939137B2 - 車線認識装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車線認識装置に係り、特に、車両前方の撮像画像中から車線を検出する車線認識装置に関する。
近年、自動車等の走行安全性の向上や車両の自動制御等に向けて、車載のステレオカメラや単眼式のカメラ等で撮像した画像に画像処理を施して安全性向上や車線追従、車線逸脱回避等の自動制御の前提となる道路上の車線を認識するための車線認識装置の開発が進められている(例えば特許文献1〜4等参照)。
これらの車線認識装置では、撮像した画像領域の自車両に近い部分で車線を確定してそれに基づいてさらに遠い部分で車線を追跡したり、車線が検出されなかったときはそれ以前に検出された車線の位置情報に基づいて現在の車線位置を推定することが提案されている。
しかし、車線を検出しても、それが仮に誤検出であった場合には、その誤った情報に基づいて自車両の自動制御が行われてしまうため、意図しない制御が行われて車両の安全性等が損なわれ、最悪の場合には事故を起こしてしまう可能性がある。
そのため、特許文献4に記載の車線認識装置では、検出した車線を車線モデルで表現し、その車線モデルを自車両前方の距離方向に複数の区間に分割して各区間毎に検出されたデータ数を求め、そのデータ数と過去に検出した車線位置との連続性とに基づいて検出した車線がどの程度信頼できるかを表す信頼度を算出することが提案されている。
特開平9−73545号公報 特開平10−49672号公報 特開平11−86199号公報 特開平2001−92970号公報
しかしながら、特許文献4に記載の車線認識装置では、検出した車線位置或いは車線モデルがどの程度信頼できるかを信頼度として示すが、結局、その車線位置や車線モデルを他の認識処理に提供し、或いは、その車線位置や車線モデルに基づいて次回のサンプリング周期における撮像画像中の検出エリアの範囲を変更する。
そのため、検出された車線を安全性向上や車線追従、車線逸脱回避等の自動制御に用いるべきか否か、或いは用いるべき場合でも検出された車線のどの部分をそのような制御に用いるべきか等について明確な情報を提供する検出結果が必ずしも得られないという問題があった。
また、特許文献4に記載の車線認識装置のような従来の車線認識装置では、先行車が接近して自車両の左右の車線が僅かにしか検出されない場合には、そもそも信頼度の算出が困難であるという問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、検出した車線を車線逸脱回避等の自動制御に用いるべきか否かを明確に示し、また、検出した車線のうちどの部分の信頼度が高いかを精度良く示すことが可能な車線認識装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、第1の発明は、
車線認識装置において、
自車両前方を所定のサンプリング周期で撮像して画素ごとに輝度値を有する一対の画像を出力する撮像手段と、
前記撮像された一対の画像に基づいて少なくとも一方の画像の各画素について実空間における距離を算出する画像処理手段と、
前記一方の画像について前記輝度値および前記距離に基づいて車線の一方のエッジ部分に対応する画素を車線候補点として検出し、検出した車線候補点に基づいて車線位置を検出する車線位置検出手段と、
前記車線位置検出手段により検出された前記車線位置に基づいて車線位置が検出されなかった遠方領域における車線位置を推測する車線位置推測手段と、
前記検出された車線位置と前記推測された車線位置を合わせて現在の車線位置を前記撮像手段による撮像のサンプリング毎に算出し、自車両から所定距離離れた前方位置において、前記現在の車線位置と過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記前方位置について設定された閾値以下であるサンプリング回数が設定された所定回数以上連続した場合に、前記現在の車線位置を有効であると判断する判断手段と
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の車線認識装置において、前記判断手段は、前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置とを対応する複数の区分に分割し、サンプリング回数について設定された第1所定回数以上連続して前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記各区分について設定された各第1閾値以下である場合に、前記現在の車線位置の当該区分を有効であると判断し、当該区分以外の区分を無効であると判断することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明の車線認識装置において、前記判断手段は、前記有効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち、前記車線位置推測手段により推測された車線位置のみからなる区分であって、かつ、過去に前記車線位置検出手段により前記車線候補点が検出された区分がある場合には、当該区分より遠方の各区分を無効であると判断し、当該区分および当該区分より自車両に近い前記現在の車線位置の各区分を有効であると判断することを特徴とする。
第4の発明は、第2の発明の車線認識装置において、前記判断手段は、前記有効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち、前記車線位置推測手段により推測された車線位置のみからなる区分であって、かつ、前記車線位置検出手段により前記車線候補点が連続して検出されなかったサンプリング回数が設定された第2所定回数を超える区分がある場合には、当該区分および当該区分より遠方の各区分を無効であると判断し、当該区分より自車両に近い前記現在の車線位置の各区分を有効であると判断することを特徴とする。
第5の発明は、第2から第4のいずれかの発明の車線認識装置において、前記判断手段は、前記無効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち、前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記第1閾値より小さい値に設定された第2閾値以下であるサンプリング回数が第3所定回数以上連続した区分がある場合には、前記現在の車線位置の当該区分については有効であると判断することを特徴とする。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明の車線認識装置において、前記判断手段は、自車両から所定距離離れた複数の前方位置のすべてにおいて前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記複数の前方位置についてそれぞれ前記第1閾値より大きい値に設定された各第3閾値以下であるサンプリング回数が第4所定回数以上連続した場合にのみ前記有効または無効の判断を行うことを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明の車線認識装置において、前記判断手段は、前記複数の前方位置のうち少なくとも1つの前方位置において、前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記第3閾値を超える場合には前記現在の車線位置全体を無効であると判断することを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明の車線認識装置において、前記判断手段は、前記現在の車線位置全体を無効であると判断すると、前記現在の車線位置を破棄し、過去に有効とされた車線位置を用いて次回のサンプリング周期における前記現在の車線位置との比較を行うことを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明の車線認識装置において、前記判断手段は、前記過去に有効とされた車線位置を用いて比較を行う場合、無効であると判断されるサンプリング回数が第5所定回数を超える場合には、前記過去に有効とされた車線位置を破棄し、今回無効と判断された前記現在の車線位置を有効とし、それを用いて次回のサンプリング周期における前記現在の車線位置との比較を行うことを特徴とする。
第10の発明は、第6から第9のいずれかの発明の車線認識装置において、前記第3閾値は、自車両の操舵角または旋回曲率により変更されることを特徴とする。
第1の発明によれば、撮像画像中から車線候補点を検出して車線位置を検出し、車線候補点が検出されない遠方領域では検出された車線位置に基づいて車線位置を推測して自車両の左右の車線位置を検出する。そして、自車両から所定距離離れた前方位置において、今回のサンプリング処理で検出された現在の車線位置と過去に検出された車線位置との差分の絶対値が閾値以下であるサンプリング回数をカウントする。そして、そのカウント数が所定回数以上連続した場合に、現在の車線位置が有効であると判断する。
このように、撮像画像から検出された車線位置と過去に検出された車線位置との連続性だけでなく、その連続性が所定のサンプリング回数以上連続していることを根拠にして現在の車線位置の信頼度を判断することで、算出された現在の車線位置の信頼度が高いか低いかを精度良く示すことが可能となり、その有効性を的確に示すことが可能となる。
また、そのため、検出された現在の車線位置に基づいて自動制御を行うことができるか否か、すなわち、検出された現在の車線位置を車線逸脱回避等の自動制御に用いるべきか否かを明確に示すことが可能となる。
第2の発明によれば、現在の車線位置と過去に算出された車線位置とを対応する複数の区分に分割し、その各区分について信頼度の高低、有効性の有無を判断するように構成すれば、より精度良く現在の車線位置の信頼度を示すことが可能となり前記第1の発明の効果がより的確に発揮されると同時に、検出した車線位置のうちどの部分の信頼度が高いかを精度良く示すことが可能となる。
第3の発明によれば、第2の発明で有効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち車線候補点が検出されず車線位置推測手段により推測された車線位置のみからなる区分については信頼度が低いが、過去に車線位置検出手段で車線候補点が検出された区分である場合にはその区分の信頼度は高いから、その区分とその自車両に近い側の区分のみを有効とすることで、第2の発明で有効であるとされた現在の車線位置の各区分について厳密にその有効性を容易に判断することが可能となり、前記各発明の効果がより的確に発揮される。
第4の発明によれば、第2の発明で有効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち車線候補点が検出されず車線位置推測手段により推測された車線位置のみからなる区分であっても過去に車線位置検出手段により車線候補点が検出されていればその区分の信頼度は高い。しかし、ある程度時間が経つとその区分の信頼度は低下するから、その区分とそれより遠方の各区分を無効とすることで、第2の発明で有効であるとされた現在の車線位置の各区分についてより厳密にその有効性を判断することが可能となり、前記各発明の効果がより的確に発揮される。
第5の発明によれば、前記各発明で無効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち、現在の車線位置と過去に算出された車線位置との差分について設定されたより厳しい条件を相当回数満たす区分については有効とすることで、前記各発明の効果がさらに的確に発揮される。
第6および第7の発明によれば、前記各発明の判断の前提として、現在の車線位置と過去に算出された車線位置との差分について緩やかに設定された条件を満足して初めて前記各発明における判断を行うこととし、そのような条件を満たさない場合には車線位置全体を無効とすることで、サンプリング周期毎に車線位置がばらついて検出されるような信頼度が低い現在の車線位置を車線逸脱回避等の自動制御に用いることを防止することが可能となり、前記各発明の効果がより的確に発揮される。
第8の発明によれば、現在の車線位置全体を無効とした場合に、検出した現在の車線位置ではなく過去に有効とされた車線位置を用いて前記各発明における判断を行うことで、判断の信頼性を向上させることが可能となり、前記各発明の効果がより的確に発揮される。
第9の発明によれば、前記第8の発明において、現在の車線位置ではなく過去に有効とされた車線位置の方が誤っている場合には、過去に有効とされた車線位置を破棄し、今回無効と判断された現在の車線位置を有効として判断を行うことで、判断の信頼性を向上させることが可能となり、前記各発明の効果がより的確に発揮される。
第10の発明によれば、道路形状が大きくカーブしているような場合に、前記第3閾値を自車両の操舵角または旋回曲率により変更することで、前記判断をより的確に行うことが可能となり、前記各発明の効果がより的確に発揮される。
以下、本発明に係る車線認識装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る車線認識装置1は、図1に示すように、主に撮像手段2と、変換手段3と、画像処理手段6と、検出手段9とで構成されている。
撮像手段2は、車両周辺を撮像するものであり、所定のサンプリング周期で車両前方の道路を含む風景を撮像して一対の画像を出力するように構成されている。本実施形態では、互いに同期が取られたCCDやCMOSセンサ等のイメージセンサがそれぞれ内蔵された一対のメインカメラ2aおよびサブカメラ2bからなるステレオカメラが用いられている。本実施形態では、メインカメラ2aおよびサブカメラ2bにはCCDカメラが用いられている。
メインカメラ2aとサブカメラ2bは、例えば、ルームミラー近傍に車幅方向に所定の間隔をあけて取り付けられている。前記一対のステレオカメラのうち、運転者に近い方のカメラが後述するように各画素について距離が算出され車線が検出される基となる画像を撮像するメインカメラ2a、運転者から遠い方のカメラが前記距離等を求めるために比較される画像を撮像するサブカメラ2bとされている。
メインカメラ2aおよびサブカメラ2bには、変換手段3としてのA/Dコンバータ3a、3bがそれぞれ接続されている。A/Dコンバータ3a、3bでは、メインカメラ2aおよびサブカメラ2bから出力されてきた一対のアナログ画像がそれぞれ画素ごとに例えば256階調のグレースケール等の所定の輝度階調の輝度値を有するデジタル画像に変換されるように構成されている。
A/Dコンバータ3aからはメインカメラ2aで撮像され前述した各画素について距離が算出され車線が検出される基となる画像から変換されたデジタル画像が基準画像として出力され、またA/Dコンバータ3bからはサブカメラ3bで撮像され変換されたデジタル画像が比較画像として出力されるようになっている。
A/Dコンバータ3a、3bには、画像補正部4が接続されており、画像補正部4では、A/Dコンバータ3a、3bから出力されてきた基準画像および比較画像に対してメインカメラ2aおよびサブカメラ2bの取付位置の誤差に起因するずれやノイズの除去等を含む輝度値の補正等の画像補正がアフィン変換等を用いて行われるようになっている。
なお、基準画像Tは、例えば図2に示されるような水平方向が512画素、垂直方向が200画素分の輝度値からなる画像データとして、また比較画像も各画素に輝度値を有する画像データとしてそれぞれ画像補正部4から出力されるように構成されている。また、図2の基準画像Tは、降雪中の高速道路を走行中に撮像されたものであり、図中の画素部分Pは高速道路の上方に架橋された道路の橋脚部分、画素部分Ptは橋下方のトンネル状の部分、画素部分Sは積もった雪にそれぞれ相当する画素部分である。また、図中の破線は路面上で雪がタイヤに踏まれてアスファルトが見えていて比較的暗く撮像されている部分Dと雪が路面上に残っていて比較的明るく撮像されている部分Wとの境界を表している。
画像補正部4には、画像データメモリ5が接続されており、基準画像Tと比較画像とのそれぞれの画像データは画像データメモリ5に格納されると同時に検出手段9に送信されるようになっている。
また、画像補正部4には、画像処理手段6が接続されている。画像処理手段6は、主に、イメージプロセッサ7と距離データメモリ8とで構成されている。
イメージプロセッサ7では、ステレオマッチング処理とフィルタリング処理により画像補正部4から出力された基準画像Tおよび比較画像のデジタルデータに基づいて基準画像Tの各画素または複数画素から構成するブロックからなる各設定領域について実空間における距離を算出するための視差dpを算出するようになっている。この視差dpの算出については、本願出願人により先に提出された特開平5−114099号公報に詳述されているが、以下、その要点を簡単に述べる。
イメージプロセッサ7は、基準画像Tを例えば4×4画素の画素ブロックに分け、ステレオマッチング処理により各画素ブロックごとに1つの視差dpを算出するようになっている。
具体的には、1つの画素ブロックを構成する16画素には、前述したようにそれぞれ0〜255の輝度値p1ijが割り当てられており、16画素の輝度値p1ijがその画素ブロック特有の輝度値特性を形成している。なお、輝度値p1ijの添字iおよびjは、基準画像Tの画像平面の左下隅を原点とし、水平方向をi座標軸、垂直方向をj座標軸とした場合の画素のi座標およびj座標を表す。また、比較画像については基準画像Tの原点に予め対応付けられた画素を原点として同様にi座標、j座標を取る。
イメージプロセッサ7は、比較画像を水平方向に延在する4画素幅の水平ラインに分割し、基準画像Tの1つの画素ブロックを取り出してそれに対応する比較画像の水平ライン上を1画素ずつ水平方向すなわちi方向にシフトさせながら、基準画像Tの画素ブロックにおける16個の画素の輝度値p1ij とそれに対応する比較画像における16個の画素の輝度値p2ijとの差の絶対値をそれぞれ合計した下記(1)式で求められるシティブロック距離CBが最小となる水平ライン上の画素ブロック、すなわち基準画像Tの画素ブロックに最も近い輝度値特性を有する比較画像上の画素ブロックを探索するようになっている。
CB=Σ|p1ij−p2ij| …(1)
イメージプロセッサ7は、このようにして特定した比較画像上の画素ブロックともとの基準画像T上の画素ブロックとのずれ量を算出し、そのずれ量を視差dpとして基準画像T上の画素ブロックに割り付けるようになっている。このようにして視差dpが割り付けられた基準画像Tを、基準画像Tと区別して、以下、距離画像という。なお、距離画像上の座標(i,j)は基準画像T上の座標(i,j)に対応する。
この視差dpは、前記メインカメラ2aおよびサブカメラ2bの一定距離の離間に由来する基準画像Tおよび比較画像における同一物体の写像位置に関する水平方向の相対的なずれ量であり、メインカメラ2aおよびサブカメラ2bの中央位置から物体までの距離と視差dpとを三角測量の原理に基づいて対応付けることができる。
具体的には、実空間上で、メインカメラ2aおよびサブカメラ2bの中央真下の道路面上の点を原点とし、自車両の車幅方向すなわち左右方向にX軸、車高方向にY軸、車長方向すなわち距離方向にZ軸を取ると、視差dpが割り付けられた距離画像上の点(i,j)から実空間上の点(X,Y,Z)への座標変換は下記の(2)〜(4)式に基づいて行われる。
X=CD/2+Z×PW×(i−IV) …(2)
Y=CH+Z×PW×(j−JV) …(3)
Z=CD/(PW×(dp−DP)) …(4)
ここで、CDはメインカメラ2aとサブカメラ2bとの間隔、PWは1画素当たりの視野角、CHはメインカメラ2aとサブカメラ2bの取り付け高さ、IVおよびJVは自車両正面の無限遠点の距離画像上のi座標およびj座標、DPは消失点視差を表す。
すなわち、メインカメラ2aおよびサブカメラ2bの中央位置、正確には中央真下の道路面上の点から物体までの距離Lと視差dpとは、前記(4)式のZを距離Lとすることで一意に対応付けられる。また、視差dpから前記(4)式に基づいて求められるZを前記(2)、(3)式に代入することで距離画像上のi座標およびj座標と対応付けて求めることができる。
また、イメージプロセッサ7は、視差dpの信頼性を向上させる目的から、このようにして求めた視差dpに対してフィルタリング処理を施し、有効とされた視差dpのみを出力するようになっている。すなわち、例えば、車道の映像のみからなる特徴に乏しい4×4画素の画素ブロックを比較画像の4画素幅の水平ライン上で走査しても、比較画像の車道が撮像されている部分ではすべて相関が高くなり、対応する画素ブロックが特定されて視差dpが算出されてもその視差dpの信頼性は低い。そのため、そのような視差dpは前記フィルタリング処理で無効とされ、視差dpの値として0を出力するようになっている。
したがって、イメージプロセッサ7から出力される基準画像Tの各画素の距離L、すなわち基準画像Tの各画素ブロックについて実空間における距離を算出するための視差dpは、通常、基準画像Tの左右方向に隣り合う画素間で輝度値p1ijの差が大きいいわゆるエッジ部分についてのみ有効な値を持つデータとなる。
イメージプロセッサ7で算出された基準画像Tの各画素ブロックの視差dpは前記(4)式に基づいてZすなわち距離Lに変換されて、前述した距離画像として画像処理手段6の距離データメモリ8に格納されるようになっている。なお、以下に述べる検出手段9における処理では、距離画像上の1つの画素ブロックは4×4個の画素として扱われ、1つの画素ブロックに属する16個の画素は同一の距離Lを有する独立した画素(i,j)として処理されるようになっている。以下、距離画像上の画素(i,j)の距離LをLijと表す。なお、検出手段9における処理を1画素ずつではなく、画素ブロックを1つの単位として処理するように構成することも可能である。
検出手段9は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたマイクロコンピュータより構成されている。また、検出手段9には、車速センサAやステアリングホイールの操舵角を測定する操舵角センサB等が接続されている。
検出手段9は、本実施形態では、車線位置検出手段91と、車線位置推測手段92と、判断手段93とで構成されている。
検出手段9の車線位置検出手段91は、基準画像Tの各画素(i,j)の輝度値p1ijおよび距離画像の各画素(i,j)の距離Lijに基づいて基準画像T上において自車両の左右の車線位置を検出するようになっている。なお、車線位置検出手段91における車線位置の検出手法は本実施形態に限定されず、例えば前記引用文献1〜4等に記載の手法等の他の手法で検出を行うことも可能である。
具体的には、車線位置検出手段91は、図3に示す基本フローに従って、画像補正部4から入力されてきた基準画像Tの水平方向に延びる1画素幅の水平ライン上を下側から上向きに順次1ラインずつシフトさせながら探索して、後述する条件を満たす画素を車線を表している可能性がある画素すなわち車線候補点として検出し、検出された車線候補点に基づいて自車両の左右の車線位置を検出するようになっている。以下、1つの水平ライン上では各画素(i,j)のj座標が同一であることから、以下、ライン上の各画素のj座標がjである水平ラインを水平ラインjと表す。
本実施形態では、車線候補点の探索は、図4に示すように前回のサンプリング周期で検出された右車線位置LRlastおよび左車線位置LLlastの周囲を探索領域Sr、Slとして設定し、それらの領域内でのみ車線候補点の探索を行うようになっている。
車線位置検出手段91は、探索を行う水平ラインjと右車線側探索領域Srの左端および左車線側探索領域Slの右端と交点の画素をそれぞれの領域の探索開始点isとし、右車線側では水平ラインj上を右向きに、左車線側では水平ラインj上を左向きにそれぞれ1画素ずつオフセットしながらそれぞれ探索終了点ieまで車線候補点の探索を行うようになっている。
車線位置検出手段91は、第1プロセスである車線候補点検出変換処理(図3のステップS10)では、図5に示すフローチャートに従って車線候補点を検出するようになっている。なお、左右の探索領域Sr、Slについての車線候補点の検出は同様に行われるため、以下では右車線側探索領域Srを探索する場合について述べる。また、左車線側探索領域Slの探索は同一水平ラインjについて右車線側探索領域Srの探索と同時に行われるように構成されている。
車線位置検出手段91は、まず、基準画像Tの水平ラインj上の探索領域Srについて探索開始点isおよび探索終了点ieを設定し(ステップS101)、探索する画素を右方にオフセットさせながら(ステップS102)、探索画素が下記の第1開始点条件を満たすか否かを判断する(ステップS103)。
[第1開始点条件]
条件1:その探索画素の輝度値p1ijが道路面輝度値proadより第1開始点輝度閾値pth1以上大きく、かつ、輝度微分値で表されるエッジ強度Eijが第1開始点エッジ強度閾値Eth1以上であること。
条件2:その探索画素に対応する実空間上の点が道路面上にあること。
ここで、道路面輝度値proadは、現在探索が行われている水平ラインjの直下の探索が行われた4行分の水平ラインj−1〜j−4上において画素の輝度値ヒストグラムの出現度数が最大となる輝度値として水平ラインjごとに算出される。
前記条件1は、図6(A)、(B)に示すように輝度値p1ijが道路面輝度値proadから閾値pth1以上に大きくなり輝度微分値であるエッジ強度Eijが閾値Eth1以上である車線の一方のエッジ部分に対応する探索画素を車線候補点となり得る開始点として見出すための条件である。条件2は、道路面より上方にある先行車のピラーやバンパ等の車体部分やガードレール、電信柱等のエッジ部分である探索画素を開始点から除外するための条件である。
車線位置検出手段91は、条件1を満たす画素が現れると、その画素についての距離Lijを距離データメモリ8から読み出してその画素に対応する実空間上の点が道路面上にあるか否かを判断して条件2を満たすか否かを判断する。
車線位置検出手段91は、探索画素が前記第1開始点条件を満たすと判断すると(図5のステップS103:YES)、その探索画素を開始点PsとしてRAM上にセットし、第1車線幅閾値Wth1をセットする(ステップS104)。第1車線幅閾値Wth1は、開始点Psが検出された場合に探索範囲を確保するための閾値である。
車線位置検出手段91は、開始点Psと第1車線幅閾値Wth1とをセットすると、さらに水平ラインj上を右方に探索を続け、探索画素が下記の第2開始点条件を満たすか否かを判断する(ステップS105)。これは、図7に示すように開始点Psとしてセットされた画素が実際には消えかかった古い車線Loldの端部に対応する画素Psoldであり、その古い車線Loldと一部重なるようにして新しく塗り直された車線Lnewが引かれているような場合に、元の開始点Ps等のセットを取り消して、塗り直された車線Lnewの端部に対応する画素Psnewを開始点Psとして新たにセットするための判断基準である。
[第2開始点条件]
条件3:その探索画素の輝度値p1ijが道路面輝度値proadより第2開始点輝度値閾値pth2以上大きく、かつ、輝度微分値で表されるエッジ強度Eijが第2開始点エッジ強度閾値Eth2以上であること。ただし、pth2>pth1。
条件4:開始点Psからその探索画素の左隣の画素までの平均輝度値と道路面輝度値proadとの差が第1車線平均輝度値閾値Ath1以下であること。
条件5:その探索画素に対応する実空間上の点が道路面上にあること。
そして、探索画素が前記第2開始点条件を満たす場合には(ステップS105:YES)、車線位置検出手段91は、元の開始点Psおよび第1車線幅閾値Wth1のセットを解除して現在の探索画素を新たな開始点Psとして再セットし、第1車線幅閾値Wth1も再セットする(ステップS106)。
なお、図8(A)は第2開始点条件の第2開始点輝度閾値pth2を説明する図であり、図8(B)は第2開始点エッジ強度閾値Eth2を説明する図である。また、条件4において、元の開始点から現在の探索画素の左隣の画素までの領域Kの平均輝度値と道路面輝度値proadとの差が閾値Ath1より大きければ、その領域Kに対応する車線は現在もいわば生きている車線として標示されていると考えられるから、開始点Psを再セットする必要はない。
車線位置検出手段91は、水平ラインj上を右方に探索を続け、探索画素が下記の終了点条件を満たすか否かを判断する(図5のステップS107)。
[終了点条件]
条件6:その探索画素の輝度微分値で表されるエッジ強度Eijが終了点エッジ強度閾値−Eth2以下であるか、またはその探索画素の輝度値が開始点Psにおける輝度値より小さいこと。
これは、図示を省略するが、終了点Peが車線に対応する高輝度の画素から道路面に対応する低輝度値の画素に移行し、車線の反対側のエッジ部分に対応する点であることを表す。なお、本実施形態では、終了点エッジ強度閾値−Eth2の絶対値は前記第2開始点エッジ強度閾値Eth2の絶対値と同一に設定されている。
車線位置検出手段91は、終了点条件を満たす点、すなわち終了点Peが検出されなければ(ステップS107:NO)、第1車線幅閾値Wth1に達するまで探索を行い、第1車線幅閾値Wth1に達しても終了点Peが検出されない場合は(ステップS108:YES)、開始点Psおよび第1車線幅閾値Wth1のセットを解除する。
そして、探索終了点ieに達していなければ(ステップS102:NO)、引き続き水平ラインj上の探索を続行し、探索画素が第1開始点条件を満たすか否かの判断(ステップS103)からの前記処理を繰り返す。なお、このフローチャートから分かるように、開始点Psから右方に探索を続けて探索終了点ieを超える場合でも第1車線幅閾値Wth1に達していなければ第1車線幅閾値Wth1に達するまで水平ラインj上の探索が続行される。
また、車線位置検出手段91は、終了点Peを検出すると(ステップS107:YES)、開始点Psから終了点Peの左隣の画素までの平均輝度値が下記の第1平均輝度値条件を満たすか否かを判断する(ステップS109)。
[第1平均輝度値条件]
条件7:開始点Psから終了点Peの左隣の画素までの平均輝度値と道路面輝度値proadとの差が前記第1車線平均輝度値閾値Ath1以下であること。
本実施形態では、この条件7における第1車線平均輝度値閾値Ath1は、前記第2開始点条件の条件4における第1車線平均輝度値閾値Ath1と同一の値が用いられる。前述したように、第1車線平均輝度値閾値Ath1は、消えかかった古い車線Loldに対応する平均輝度値と新たに塗り直された車線Lnewに対応する平均輝度値とを分ける閾値である。
車線位置検出手段91は、開始点Psから終了点Peの左隣の画素までの平均輝度値が前記第1平均輝度値条件を満たす(ステップS109:YES)、すなわち平均輝度値が低い車線に相当する平均輝度値であると判断すると、この車線の近くに新しく塗られた車線がある可能性があるため、既に車線候補点が図示しない記憶手段に保存されていなければ(ステップS110:YES)、この開始点Psの座標(i,j)をとりあえず車線候補点として保存し(ステップS111)、さらに水平ラインj上の探索を続ける。
一方、車線位置検出手段91は、開始点Psから終了点Peの左隣の画素までの平均輝度値が前記第1平均輝度値条件を満たさない(ステップS109:NO)、すなわち、平均輝度値が高い車線に相当する平均輝度値であると判断すると、同一の水平ラインj上の探索で既に保存されている平均輝度値が低い車線に対応する車線候補点があれば(ステップS112:YES)、その車線候補点を削除して(ステップS113)、平均輝度値が高い方の開始点Psを車線候補点として保存して(ステップS114)、同一水平ラインj上の探索を打ち切る。
本実施形態では、以上のように、水平ラインj上の探索が終了する場合は、平均輝度値が高い車線が見出されて探索が打ち切られた場合、平均輝度値が低い車線しか見出されず探索終了点ieに達した場合、車線が見出されず探索終了点ieに達した場合の3通りの場合である。そして、平均輝度値が高くいわば生きている車線が見出されればその車線を優先しながら、第1開始点条件または第2開始点条件を満たす画素のうち自車両に最も近い画素を車線候補点として検出する。
水平ラインj上の探索が終了すると、車線位置検出手段91は、車線候補点が保存されているか否かを判断する(ステップS115)。車線候補点が保存されていなければ(ステップS115:NO)、水平ラインjが200行目に達したか否かを判断し(ステップS116)、200行目に達していなければ(ステップS116:NO)、200行目に達するまで、画像補正部4から送信されてきた1画素分上側の水平ラインj+1について前記処理手順を繰り返す。
車線候補点が保存されていれば(ステップS115:YES)、車線位置検出手段91は、車線候補点として保存されている開始点Psが道路上に降り積もった雪と道路面とのエッジ部分の画素か否かを判断する。具体的には、一般的に雪に相当する部分の画素の平均輝度が車線に相当する部分の画素の平均輝度より小さいことに着目して、高輝度の画素部分が雪に相当する部分である可能性があるか否かを下記の雪等判断条件に基づいて判断するようになっている。
[雪等判断条件]
条件8:検出された車線候補点に対応する開始点Psにおける輝度微分値が第3開始点エッジ強度閾値Eth3より小さく、かつ、開始点Psから終了点Peまでの画素数が第2車線閾値Wth2より大きいこと。ただし、Eth3>Eth1、Wth2<Wth1。
ここで、雪に相当する開始点では車線に対応する開始点における輝度微分値が小さく、図9に示すように開始点では輝度値が明確に立ち上がらずにだらだらと増加することが多い。そのため、車線に対応する開始点における輝度微分値に相当する比較的大きな値の第3開始点エッジ強度閾値Eth3を設定し、開始点Psにおける輝度微分値がその閾値より大きいか小さいかでまず篩いにかける。
そして、雪に相当する画素部分の幅は、通常、車線に対応する画素部分の幅より大きく現れる。そのため、第2車線幅閾値Wth2を通常の車線の幅に対応して実空間上で20cm程度になるように比較的狭く設定し、開始点Psから終了点Peまでの画素数が第2車線幅閾値Wth2より大きいか小さいかでさらに篩いにかける。
車線位置検出手段91は、車線候補点に対応する開始点Psが前記雪等判断条件を満たし、高輝度の画素部分が雪に相当する部分である可能性があると判断すると(ステップS117:YES)、後述する第2平均輝度条件の判断(ステップS119)の基となる第2車線平均輝度閾値Ath2を現状の値より高い値に設定し直す(ステップS118)。車線候補点に対応する開始点Psが前記雪等判断条件を満たさなければ(ステップS117:NO)、第2車線平均輝度閾値Ath2の値は現状の値が用いられる。
車線位置検出手段91は、続いて、車線候補点から終了点Peの左隣の画素までの平均輝度値が下記の第2平均輝度値条件を満たすか否かを判断する(ステップS119)。
[第2平均輝度値条件]
条件9:車線候補点から対応する終了点Peの左隣の画素までの平均輝度値と道路面輝度値proadとの差が第2車線平均輝度値閾値Ath2以上であること。
本実施形態では、前述したように第1車線平均輝度値閾値Ath1は、消えかかった古い車線Loldに対応する平均輝度値と新たに塗り直された車線Lnewに対応する平均輝度値とを画する閾値であったが、条件8における第2車線平均輝度値閾値Ath2は、車線として最低限要求される平均輝度値と道路面輝度値proadとの差を画するものであり、第1車線平均輝度値閾値Ath1より小さい値が適宜設定される。
車線位置検出手段91は、車線候補点が第2平均輝度値条件を満たさないと判断すると(ステップS119:NO)、その車線候補点を削除する(ステップS120)。一方、車線候補点が第2平均輝度値条件を満たすと判断すると(ステップS119:YES)、その車線候補点を削除せずに残す。このようにして、図10に示すように、最終的にその水平ラインj上に車線候補点(Ij,Jj)が検出される。
車線位置検出手段91は、続いて、以上のようにして水平ラインj上に検出した車線候補点に対してハフ変換を実行するようになっている(ステップS121)。本実施形態では、ハフ変換については公知の方法が用いられる。具体的には、例えば、検出された車線候補点が基準画像T上の直線
i=aj+b …(8)
上に存在すると仮定すると、Ij、Jjは、
j=aJj+b …(9)
を満たし、前記(9)式は、
b=−Jj×a+Ij …(10)
と変形できる。(10)式から分かるように、前記車線候補点検出処理で水平ラインj上に車線候補点(Ij,Jj)が検出されると、−Jj、Ijを傾きおよびb切片としてハフ平面であるa−b平面上に1本の直線を引くことができる。
a−b平面は、所定の大きさに升目に区切られており、(10)式で表される直線が引かれると、直線が通過する升目の計数値が1増加される。なお、a−b平面の各升目には所定のaおよびbの値が対応しているから、a−b平面で升目を選択することは、対応するa、bの値を選択すること、すなわち(8)式で表されるように基準画像T上に傾きa、i切片bの直線を選択することと同義である。
なお、上記では右車線側探索領域Srを探索する場合について述べたが、左車線側探索領域Slを探索する場合についても同様に検出された車線候補点(Ij,Jj)についてハフ変換が行われ、右車線側探索領域Srの場合とは別個にa−b平面が作成され、a−b平面の各升目にはそれぞれ計数値が加算される。
車線位置検出手段91は、基準画像T上を水平ラインを上向きに1画素分ずつずらしながら水平ラインj上を右向きおよび左向きに探索を行い、各水平ライン上に車線候補点が検出されるごとに前記ハフ変換を行ってそれぞれa−b平面の升目の計数値を加算していくようになっている。
そして、最終的に基準画像Tの最上段の200行目の水平ラインまで探索を終了すると(図5のステップS116:YES)、続いて、車線位置検出手段91は、第2プロセスである車線直線検出処理(図3のステップS20)に移行する。
車線直線検出処理(ステップS20)では、車線位置検出手段91は、前記ハフ変換で得られた右車線側探索領域Srおよび左車線側探索領域Slの各a−b平面から計数値が大きな単数または複数の升目をそれぞれ抽出し、抽出した複数のピーク直線のうち下記の選択条件に適合するものを棄却し、ピーク直線が1本に絞られるまで右向き探索および左向き探索の各場合についてそれぞれ選択を行うようになっている。
[選択条件]
条件10:所定の前方距離におけるピーク直線の位置が、自車両の中心から換算した車幅の位置より内側に存在すること。ただし、連続して車線位置が検出されている場合には前回検出された車線位置からの変化量を用いて所定の閾値以内であれば条件10は適用しない。
条件11:自車両の推定軌跡Lestとの平行度が一定の閾値より大きいこと。
条件12:所定の前方距離における自車両の中心からの左右差距離が規定値far_th以上に遠いピーク直線と規定値near_th以下のピーク直線がある場合の規定値far_th以上のピーク直線であること。ただし、far_th>near_th。
条件13:前回検出された車線位置や幅から推定した車線推定中心位置に最も近いピーク直線を残すこと。
車線位置検出手段91は、このようにして右車線側探索領域Srおよび左車線側探索領域Slで抽出されたピーク直線から車線位置としてふさわしい直線を表す左右のピーク直線r1、l1をそれぞれ図11に示すような車線直線r1、l1として1本ずつ基準画像T上に選択して、図3の車線直線検出処理(ステップS20)を終了するようになっている。
車線位置検出手段91は、続いて、第3プロセスである車線位置検出処理(図3のステップS30)に移行する。車線位置検出処理では、前記車線直線検出処理で得られた車線直線r1、l1を基準にして自車両の左右に存在する直線状または曲線状の車線を検出するようになっている。
具体的には、車線位置検出手段91は、前記車線候補点検出変換処理と同様に、基準画像Tにおけるj座標一定の1画素幅の水平ラインj上を右向きおよび左向きにそれぞれ走査しながら処理を行う。まず、右車線直線r1或いは左車線直線l1を基準として各直線とのi方向の差が閾値以内の車線候補点を車線ポジションとして所定の個数に達するまで記録する。右車線直線r1或いは左車線直線l1とのi方向の差が閾値より大きい車線候補点は除外される。
車線位置検出手段91は、車線直線r1、l1近傍に車線ポジションを前記所定の個数記録すると、その上方の水平ラインjでは、車線直線r1、l1によらず、最後に検出された車線ポジションを基準として下記の要領で車線を追い、車線がカーブしている場合にもそのカーブに追随して車線ポジションを検出していくようになっている。
すなわち、車線位置検出手段91は、所定個数の車線ポジションが記録されると、その上方の水平ラインjで次に検出された車線候補点と所定個数の最後に検出された車線ポジションとのi方向、j方向の変位が規定値以内か否かを判断する。そして、規定値以内であると判断すると、その車線候補点を車線ポジションとして記録する。
以後同様にして、図12(A)に示されるように、水平ラインj上で車線候補点を検出すると、前回検出された車線ポジションaとのi方向、j方向の変位が規定値以内か否かを判断し、規定値以内であると判断すると、今回検出した車線候補点を車線ポジションbとして記録していく。
また、水平ラインj上に車線候補点が検出されて、前回検出された車線ポジションとのi方向、j方向の変位が規定値以内でない場合も、前回までに検出した車線ポジションを延長した直線、すなわち、図12(B)では車線ポジションbと車線ポジションaとを結ぶ直線からのi方向の変位が規定値以内であれば、今回検出した車線候補点を車線ポジションc、d、…として記録する。
車線位置検出手段91は、左右の車線間の実空間上の間隔すなわち走行レーンの幅を確認しつつ水平ラインjを基準画像Tの上方にずらしながら順次車線ポジションを検出し、最終的に図13に示すように自車両の左右に車線位置LRdec、LLdecを検出して、図3の車線位置検出処理(ステップS30)を終了するようになっている。
車線位置検出手段91は、以上のようにして検出した各車線ポジションの座標および車線直線r1、l1の傾きと切片等の情報を図示しないRAM等の記憶手段に記憶させるようになっている。
検出手段9の車線位置推測手段92は、車線検出手段91により検出された車線位置LRdec、LLdecに基づいて車線位置が検出されなかった遠方領域における車線位置を推測するようになっている。
本実施形態では、車線位置推測手段92は、図14に示すように、車線検出手段91により検出された車線位置LRdecを2等分し、自車両に最も近い車線位置Aと最も遠い車線位置Bとの各座標から中間点Cの座標を算出し、線分ACおよび線分CBと同じ長さで同じ傾きを有する線分を最遠点Bの遠方に延長し、例えば自車両から100m前方までその作業を繰り返すことで遠方領域における車線位置LRinfを推測するようになっている。車線位置LLdecについても同様に延長して車線位置LLinfを推測する。
なお、車線位置推測手段92における車線位置の推測手法は本実施形態に限定されず、遠方領域における車線位置を推測できるものであれば、他の手法を採用することも可能である。
車線位置推測手段92は、以上のようにして推測した各車線位置LRinf、LLinfの傾きと切片等の情報を図示しないRAM等の記憶手段に記憶させるようになっている。
検出手段9の判断手段93は、車線位置検出手段91および車線位置推測手段92による検出結果および推測結果から現在の車線位置LRpre、LLpreを算出し、その現在の車線位置LRpre、LLpreの有効または無効を判断するようになっている。なお、左右の車線位置LRpre、LLpreについては同様に処理が行われるため、以下では右車線位置LRpreについて処理を行う場合について述べる。処理は左右の車線位置LRpre、LLpreについて同時に行われる。
判断手段93は、図14に示したように前記車線位置検出手段91により検出された車線位置LRdecおよび前記車線位置推測手段92により推測された車線位置LRinfを合わせて現在の車線位置LRpreを算出する。そして、車速センサAと操舵角センサBから入力された自車両の車速およびステアリングホイールの操舵角に基づいて前回のサンプリング周期で算出された車線位置LRlastの現在の位置を算出する。
判断手段93は、続いて、図15に示すように、現在の車線位置LRpreと前回の車線位置LRlastとを、それぞれ例えば自車両からの距離として10m間隔で複数の区分に分割し、各区分の自車両に最も近い位置すなわち例えば10m〜20mの区分では10mの位置における両車線位置の車幅方向の差分Δnの絶対値をそれぞれ算出する。
この段階で、判断手段93は、処理(1)として下記の処理を行うようになっている。
処理(1)では、判断手段93は、自車両から所定距離離れた複数の前方位置のうち少なくとも1つの前方位置において、現在の車線位置LRpreと前回の車線位置LRlastとの差分Δnの絶対値が、前方位置についてそれぞれ設定された第3閾値shift_th3を超える場合には、今回検出し推測した現在の車線位置LRpreの全体を無効であると判断する。
具体的には、例えば自車両から10m、20mおよび50m離れた前方位置について、それぞれ第3閾値shift_th3が例えば300mm、400mmおよび1000mmに設定されている場合に、それら3つの前方位置において算出した現在の車線位置LRpreと前回の車線位置LRlastとの差分Δnの絶対値のうち1つでも第3閾値shift_th3を上回った場合には、現在の車線位置LRpreは信頼度が低いとしてその全体を無効と判断する。
例えば、図2に示した基準画像Tでは、路面上の雪がタイヤに踏まれてアスファルトが見えていて比較的暗く撮像されている部分Dと雪が路面上に残っていて比較的明るく撮像されている部分Wとの境界を車線のエッジ部分として誤検出してしまう場合がある。そのような場合、例えば図16に示すように、サンプリング処理毎に境界部分を右車線位置LRpreとして検出したり、実際の車線のエッジ部分を右車線位置LRpreとして検出したりして検出結果がばらつく。このような場合に、処理(1)では検出され推測された現在の車線位置LRpreは信頼度が低いとしてその全体を無効と判断するようになっている。
本実施形態では、判断手段93は、現在の車線位置LRpreを無効と判断すると、現在の車線位置LRpreを破棄して、前回のサンプリング周期で算出された車線位置LRlastの現在の位置の方が現在の実際の車線位置を表している信頼度が高いと判断して、前回の車線位置LRlastの現在の位置を現在の車線位置LRpreとして記憶手段に保存し、次回のサンプリング周期における処理に用いるようになっている。
しかし、このような破棄が連続して行われる場合には、新しく見え始めた車線位置が正しい車線位置である可能性がある。そこで、本実施形態では、判断手段93は、このような現在の車線位置LRpreが無効と判断され破棄されるサンプリング回数が第5所定回数cnt_th5を超えた場合は、すなわち5回目には今度は前回の車線位置LRlastの現在の位置を信頼度が低いとして破棄して、無効とされた現在の車線位置LRpreを有効として記憶手段に保存し、それを用いて次回のサンプリング周期における処理に用いるようになっている。第5所定回数cnt_th5としては例えば4回が設定される。
なお、本実施形態では、前述した車線位置推測手段92における遠方領域における車線位置LRinfの推測の仕方から分かるように、道路形状が大きくカーブしているような場合には、特に自車両から最も離れた前方位置において現在の車線位置LRpreと前回の車線位置LRlastとの差分Δnの絶対値が大きくなってしまうため、現在の車線位置LRpreが頻繁に破棄されて事実上車線位置の検出が困難になる場合がある。
そのため、本実施形態では、判断手段93は、操舵角センサBから入力されるステアリングホイールの操舵角或いはそれに基づいて算出される旋回曲率に応じて前記各第3閾値shift_th3を変更するように構成されている。
一方、判断手段93は、前述した自車両から所定距離、例えば10m、20mおよび50m離れた複数の前方位置のすべてにおいて前記差分Δnの絶対値が各第3閾値shift_th3以下であるサンプリング回数が第4所定回数cnt_th4以上連続した場合にのみ、下記処理(2)以降に述べる現在の車線位置LRpreの有効または無効の判断を行うようになっている。第4所定回数cnt_th4は例えば15回に設定される。
このように、現在の車線位置LRpreの有効・無効の判断をサンプリング回数が第4所定回数cnt_th4以上連続した場合に限る理由は、比較的大きな値に設定された前記第3閾値shift_th3を安定してクリアできる状態で初めて安定して得られる現在の車線位置LRpreに基づいてその信頼度を的確に判断できるためである。
判断手段93は、前述したように、自車両からの距離として10m間隔で複数の区分に分割し、各区分について現在の車線位置LRpreと前回の車線位置LRlastとの車幅方向の差分Δnの絶対値をそれぞれ算出すると、前記処理(1)とは独立にそれと並行して下記の処理(2)を行うようになっている。
処理(2)では、判断手段93は、例えば下記表1のように算出された前記差分Δnの絶対値と、予め各区分について設定された各第1閾値shift_th1とを比較して、前記差分Δnの絶対値が第1閾値shift_th1以下であれば、下記表2のように当該区分のカウント数をインクリメントする。
Figure 0004939137
Figure 0004939137
なお、第1閾値shift_th1は、前記第3閾値shift_th3に比べて小さい値に設定される。また、表1では第1閾値shift_th1を各区分で同一の値に設定した場合を示したが、各区分毎に第1閾値shift_th1を変えることも可能であり、適宜設定される。
表2のカウント数は、その区分における前記差分Δnの絶対値が第1閾値shift_th1以下であればサンプリング処理毎に1ずつ加算されるようになっている。また、ある区分で前記差分Δnの絶対値が第1閾値shift_th1を超えた場合には、当該区分のカウント数が即座に0にクリアされるようになっている。
判断手段93は、サンプリング回数について設定された第1所定回数cnt_th1以上連続して現在の車線位置LRpreと前回の車線位置LRlastとの差分Δnの絶対値が各第1閾値shift_th1以下である各区分すなわち表2のカウント数が第1所定回数cnt_th1以上である現在の車線位置LRpreの各区分を、信頼度が高く有効であると判断して出力するようになっている。第1所定回数cnt_th1は例えば5回に設定される。
具体的には、判断手段93は、前記条件に適合する各区分でのインクリメントを進め、各区分のカウント数が下記表3に示すようになった場合、前記処理(1)で自車両から所定距離離れた複数の前方位置のすべてで前記差分Δnの絶対値が各第3閾値shift_th3以下であるサンプリング回数が第4所定回数cnt_th4以上連続していれば、車線位置LRpreについては10m〜60mまでの各区分を有効であると判断するようになっている。なお、下記表3の場合、左車線位置LLpreについては10m〜70mまでの各区分が有効であると判断される。
Figure 0004939137
なお、前述したように、ある区分で前記差分Δnの絶対値が第1閾値shift_th1を超えた場合には当該区分のカウント数が即座に0にクリアされるため、第4所定回数cnt_th4より多くカウントしても意味がない。そのため、本実施形態では、前記表3のように各区分のカウント数が第4所定回数cnt_th4に達するとそれ以上加算されないようになっている。
一方、前記処理(2)において有効であると判断された現在の車線位置LRpre、LLpreの各区分であっても、今回のサンプリング処理において車線位置検出手段91で車線候補点が検出されず、車線位置推測手段92により推測された車線位置LRinf、LLinfのみからなる区分については信頼度が必ずしも高くない。そのため、推測された車線位置LRinf、LLinfのみからなる区分についてはさらに厳密にその有効、無効を判断することが求められる。
車線位置推測手段92により推測された車線位置LRinf、LLinfのみからなる区分については種々の場合が考えられる。
もともと自車両の前方に先行車両がなく、装置の性能によって車線位置検出手段91で車線候補点が検出されずに車線位置推測手段92により車線位置LRinf、LLinfが推測された区分では、区分の信頼度は低いから無効とし易い。
それに対し、例えば図17に示すように車線変更等で自車両の前方に先行車両が存在するようになったような場合、それまでのサンプリング処理では車線位置検出手段91で車線候補点が検出された区分が、今回のサンプリング処理では車線候補点が検出されずに車線位置推測手段92により車線位置LRinf、LLinfが推測される場合がある。
このような場合には、今回のサンプリング処理では車線位置推測手段92により推測された車線位置LRinf、LLinfの区分のうち、それまでのサンプリング処理では車線位置検出手段91で車線候補点が検出されていて前回の車線位置LRlastとの差分Δnの絶対値が小さいのであれば、その区分の信頼度は高いと言えるから、その区分は有効であると判断してよい。
そこで、処理(3)として、前記処理(2)で有効であるとされた現在の車線位置LRpre、LLpreの各区分のうち、車線位置推測手段92により推測された車線位置LRinf、LLinfのみからなる区分であって、かつ、過去に車線位置検出手段91により車線候補点が検出された区分がある場合には、その区分までの区分、すなわち当該区分および当該区分より自車両に近い前記現在の車線位置の各区分を有効であると判断し、その区分より遠方の各区分を無効であると判断するように構成することが可能である。
しかし、本実施形態では、さらに厳密に判断するために、判断手段93は、処理(3)として、前記処理(2)で有効であるとされた現在の車線位置LRpre、LLpreの各区分のうち、車線位置推測手段92により推測された車線位置LRinf、LLinfのみからなる区分であって、かつ、車線位置検出手段91により車線候補点が連続して検出されなかったサンプリング回数が設定された第2所定回数cnt_th2を超える区分がある場合には、当該区分および当該区分より遠方の各区分を無効であると判断し、当該区分より自車両に近い現在の車線位置LRpre、LLpreの各区分を有効であると判断するようになっている。
具体的には、判断手段93は、下記表4に示すように、各区分について、車線位置検出手段91により車線候補点が連続して検出されなかったサンプリング回数をカウントするようになっており、カウント数は、サンプリング処理で車線位置検出手段91により車線候補点が検出されないと1ずつ増加し、車線候補点が検出されると0にクリアされるようになっている。第2所定回数cnt_th2としては例えば10回に設定され、表4のように各区分のカウント数が第2所定回数cnt_th2に達するとそれ以上加算されないようになっている。
Figure 0004939137
そして、例えば表3の例において、前記処理(2)で有効であると判断された現在の右車線位置LRpreの前記10m〜60mまでの各区分のうち30m〜40m、40m〜50m、50m〜60mの3区分では今回のサンプリング処理では車線位置検出手段91により車線候補点が検出されず、車線位置推測手段92により推測された車線位置LRinfのみからなる区分であったとする。
この場合、前記2区分のうち、30m〜40mの区分は過去に車線候補点が検出されてから5回連続して車線候補点が検出されていない。しかし、第2所定回数cnt_th2である10回には達していないから、処理(3)でこの30m〜40mの区分は有効であると判断される。一方、40m〜50mおよび50m〜60mの2区分は過去に車線候補点が検出されてから10回以上連続して車線候補点が検出されておらず、第2所定回数cnt_th2に達しているから、処理(3)でこの2区分は無効であると判断され、それより遠方の60m〜100mの区分も無効であると判断されるようになっている。
本実施形態では、さらに、判断手段93は、以上のように処理(2)、(3)を行って無効とされた現在の車線位置LRpre、LLpreの各区分、すなわち前記の現在の右車線位置LRpreの例で言えば40m〜100mの各区分に対して、処理(4)として、現在の車線位置LRpreと前回の車線位置LRlastとの差分Δnの絶対値が、前記第1閾値shift_th1より厳しい値すなわちより小さい値に設定された第2閾値shift_th2以下であるサンプリング回数が第3所定回数cnt_th3以上連続した区分がある場合には、現在の車線位置LRpre、LLpreの当該区分については有効であると判断するようになっている。
具体的には、第2閾値shift_th2は前記表1に示したように例えば250mmに設定された第1閾値shift_th1より小さい例えば150mmに各区分毎に設定され、第3所定回数cnt_th3は例えば5回に設定される。
この状態で、判断手段93は、前記表1、表2と同様にして前記差分Δnの絶対値と各第2閾値shift_th2とを比較して、前記差分Δnの絶対値が第2閾値shift_th2以下であれば各サンプリング処理毎にカウント数を1ずつ増加させる。そして、前記の現在の右車線位置LRpreの例で言えば40m〜50mおよび50m〜60mの2区分のうち、例えば40m〜50mの区分でこのカウント数が5回すなわち第3所定回数cnt_th3以上であれば、前記処理(2)、(3)で一旦無効とされた40m〜50mの区分がこの処理(4)で改めて有効であると判断される。
判断手段93は、以上の処理(1)から処理(4)までの処理を行い、有効であると判断された現在の車線位置LRpre、LLpreを出力するようになっている。
具体的には、判断手段93は、例えば右車線位置LRpreについての前記例において処理(1)で車線位置全体を無効であると判断した場合には、現在の車線位置LRpreについては出力しない。また、処理(1)で車線位置全体を無効であると判断しなかった場合には、処理(2)で現在の右車線位置LRpreの各区分のうち10m〜60mまでの各区分を有効であると判断し、処理(3)でそのうち40m〜60mの2区分を無効であると判断し、処理(4)でそのうち40m〜50mの区分を改めて有効であると判断する。従って、前記例では最終的に右車線位置LRpreについては10m〜50mの各区分が有効であると判断されて出力されるようになっている。
以上のように、本実施形態に係る車線認識装置1によれば、撮像画像である基準画像T中から車線候補点を検出して車線位置を検出し、車線候補点が検出されない遠方領域では検出された車線位置に基づいて車線位置を推測して自車両の左右の車線位置を検出する。そして、自車両から所定距離離れた前方位置において、今回のサンプリング処理で検出された現在の車線位置と過去に検出された車線位置との差分の絶対値が閾値以下であるサンプリング回数をカウントする。そして、そのカウント数が所定回数以上連続した場合に、現在の車線位置が有効であると判断する。
このように、現在の基準画像Tから検出された車線位置と過去に検出された車線位置との連続性だけでなく、その連続性が所定のサンプリング回数以上連続していることを根拠にして現在の車線位置の信頼度を判断することで、算出された現在の車線位置の信頼度が高いか低いかを精度良く示すことが可能となり、その有効性を的確に示すことが可能となる。
また、そのため、検出された現在の車線位置に基づいて自動制御を行うことができるか否か、すなわち、検出された現在の車線位置を車線逸脱回避等の自動制御に用いるべきか否かを明確に示すことが可能となる。
また、現在の車線位置を複数の区分に分割し、その各区分について信頼度の高低、有効性の有無を判断するように構成すれば、より精度良く現在の車線位置の信頼度を示すことが可能となり、検出した車線位置のうちどの部分の信頼度が高いかを精度良く示すことが可能となる。また、信頼度の低い区分が存在する場合でも、検出された車線位置の全体を無効とせずに信頼度の高い区分については有効と判断するため、有効と判断した区分を用いて判断車線逸脱回避等の自動制御を行なうことで、自動制御の制御持続性を高めることができる。
さらに、自車両から所定距離離れた複数の前方位置にそれぞれ現在の車線位置と過去に検出された車線位置とについて比較的緩やかな閾値を設定してもその閾値を逸脱する場合には、今回のサンプリング処理で検出された現在の車線位置の信頼度が低いと判断して、現在の車線位置全体を無効とすることで、判断手段の判断結果に対する信頼性を向上させることが可能となる。
なお、路面上の車線が、車線の内側に破線を標示して走行レーンの幅を狭く見せるように標示されている場合に、前記各閾値shift_thをそれぞれ拡大するように構成することも可能である。
本実施形態に係る車線認識装置の構成を示すブロック図である。 基準画像の一例を示す図である。 車線位置検出手段で行われる処理の手順を示すフローチャートである。 前回検出された車線の周囲に限定された探索領域を説明する図である。 車線候補点検出変換処理の手順を示すフローチャートである。 (A)第1開始点輝度閾値pth1および(B)第1開始点エッジ強度閾値Eth1を説明する図である。 古い車線と一部重なった新しい車線を説明する図である。 (A)第2開始点輝度閾値pth2および(B)第2開始点エッジ強度閾値Eth2を説明する図である。 路面上の雪を撮像した場合の輝度変化を表すグラフである。 水平ライン上の探索で検出された車線候補点を示す図である。 ピーク直線を基準画像上に表した図である。 車線候補点を車線ポジションとして記録する条件を説明する図である。 検出された左右の車線位置を説明する図である。 推測された遠方領域の車線位置を説明する図である。 現在の車線位置と過去に算出された車線位置との差分を説明する図である。 ばらついて検出される車線位置を説明する図である。 先行車両が存在する場合に推測される車線位置を説明する図である。
符号の説明
1 車線認識装置
2 撮像手段
6 画像処理手段
91 車線位置検出手段
92 車線位置推測手段
93 判断手段
cnt_th1 第1所定回数
cnt_th2 第2所定回数
cnt_th3 第3所定回数
cnt_th4 第4所定回数
cnt_th5 第5所定回数
Δ 差分
Lij 距離
LRinf、LLinf 推測された車線位置
LRdec、LLdec 検出された車線位置
LRpre、LLpre 現在の車線位置
LRlast、LLlast 過去に算出された車線位置
pnij 輝度値
shift_th1 第1閾値
shift_th2 第2閾値
shift_th3 第3閾値
T 基準画像(一方の画像)

Claims (10)

  1. 自車両前方を所定のサンプリング周期で撮像して画素ごとに輝度値を有する一対の画像を出力する撮像手段と、
    前記撮像された一対の画像に基づいて少なくとも一方の画像の各画素について実空間における距離を算出する画像処理手段と、
    前記一方の画像について前記輝度値および前記距離に基づいて車線の一方のエッジ部分に対応する画素を車線候補点として検出し、検出した車線候補点に基づいて車線位置を検出する車線位置検出手段と、
    前記車線位置検出手段により検出された前記車線位置に基づいて車線位置が検出されなかった遠方領域における車線位置を推測する車線位置推測手段と、
    前記検出された車線位置と前記推測された車線位置を合わせて現在の車線位置を前記撮像手段による撮像のサンプリング毎に算出し、自車両から所定距離離れた前方位置において、前記現在の車線位置と過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記前方位置について設定された閾値以下であるサンプリング回数が設定された所定回数以上連続した場合に、前記現在の車線位置を有効であると判断する判断手段と
    を備えることを特徴とする車線認識装置。
  2. 前記判断手段は、前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置とを対応する複数の区分に分割し、サンプリング回数について設定された第1所定回数以上連続して前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記各区分について設定された各第1閾値以下である場合に、前記現在の車線位置の当該区分を有効であると判断し、当該区分以外の区分を無効であると判断することを特徴とする請求項1に記載の車線認識装置。
  3. 前記判断手段は、前記有効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち、前記車線位置推測手段により推測された車線位置のみからなる区分であって、かつ、過去に前記車線位置検出手段により前記車線候補点が検出された区分がある場合には、当該区分より遠方の各区分を無効であると判断し、当該区分および当該区分より自車両に近い前記現在の車線位置の各区分を有効であると判断することを特徴とする請求項2に記載の車線認識装置。
  4. 前記判断手段は、前記有効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち、前記車線位置推測手段により推測された車線位置のみからなる区分であって、かつ、前記車線位置検出手段により前記車線候補点が連続して検出されなかったサンプリング回数が設定された第2所定回数を超える区分がある場合には、当該区分および当該区分より遠方の各区分を無効であると判断し、当該区分より自車両に近い前記現在の車線位置の各区分を有効であると判断することを特徴とする請求項2に記載の車線認識装置。
  5. 前記判断手段は、前記無効であるとされた現在の車線位置の各区分のうち、前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記第1閾値より小さい値に設定された第2閾値以下であるサンプリング回数が第3所定回数以上連続した区分がある場合には、前記現在の車線位置の当該区分については有効であると判断することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車線認識装置。
  6. 前記判断手段は、自車両から所定距離離れた複数の前方位置のすべてにおいて前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記複数の前方位置についてそれぞれ前記第1閾値より大きい値に設定された各第3閾値以下であるサンプリング回数が第4所定回数以上連続した場合にのみ前記有効または無効の判断を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車線認識装置。
  7. 前記判断手段は、前記複数の前方位置のうち少なくとも1つの前方位置において、前記現在の車線位置と前記過去に算出された車線位置との差分の絶対値が前記第3閾値を超える場合には前記現在の車線位置全体を無効であると判断することを特徴とする請求項6に記載の車線認識装置。
  8. 前記判断手段は、前記現在の車線位置全体を無効であると判断すると、前記現在の車線位置を破棄し、過去に有効とされた車線位置を用いて次回のサンプリング周期における前記現在の車線位置との比較を行うことを特徴とする請求項7に記載の車線認識装置。
  9. 前記判断手段は、前記過去に有効とされた車線位置を用いて比較を行う場合、無効であると判断されるサンプリング回数が第5所定回数を超える場合には、前記過去に有効とされた車線位置を破棄し、今回無効と判断された前記現在の車線位置を有効とし、それを用いて次回のサンプリング周期における前記現在の車線位置との比較を行うことを特徴とする請求項8に記載の車線認識装置。
  10. 前記第3閾値は、自車両の操舵角または旋回曲率により変更されることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の車線認識装置。
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