JP4931943B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の変速機として適用される有段式の自動変速機に関する。
従来、遊星歯車3組を使用して前進8速を達成する自動変速機として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、遊星歯車を3列、摩擦要素としてクラッチを4つ,ブレーキを2つの計6つの摩擦要素を使用して前進8速を達成する自動変速機が開示されている。2つのブレーキのうち、B-1ブレーキは1速と後退速、B-2ブレーキは1速と8速で締結する。
WO2005/026579(図3参照)
ここで、変速機の入力回転速度に対する解放している摩擦要素における相対回転速度の比率を空転速度比(入力回転速度1に対して、相対回転速度がどの程度かを表すパラメータ)と定義する。この解放している摩擦要素の各空転速度比を変速段毎に積算する(以下、積算空転速度比)と、変速機における変速段毎の摩擦要素の相対回転の程度を評価することができる。一般に、相対回転速度が大きいほど摩擦要素の損失馬力が大きくなる傾向があり、この積算空転速度比を用いることで燃費の良否をある程度判断することができる。特に、入力回転速度が比較的低回転速度の場合や、解放している摩擦要素の内訳としてブレーキ数が多い場合にはこの傾向が顕著となる。
上記特許文献1の自動変速機において、3列の遊星歯車の歯数比をそれぞれα1=0.463,α2=0.459,α3=0.405とし、積算空転速度比を変速段毎に算出した。図5は、変速段毎の積算空転速度比を表す図である。図5の▲に示すように、特許文献1に記載の自動変速機にあっては、使用頻度が多い前進変速段において積算空転速度比が高く、燃費が悪化するという問題がある。
本発明の目的とするところは、遊星歯車を3組、摩擦要素を6個として前進8速を達成することができる自動変速機であって、特に前進変速段において低い積算空転速度比を得ることが可能な自動変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機では、第1の回転要素と、第2の回転要素と、第3の回転要素とを有する第1の遊星歯車と、第4の回転要素と、第5の回転要素と、第6の回転要素とを有する第2の遊星歯車と、第7の回転要素と、第8の回転要素と、第9の回転要素とを有する第3の遊星歯車と、6つの摩擦要素と、を備え、前記6つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進8速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、前記入力軸は前記第7の回転要素に常時連結しており、前記出力軸は前記第8の回転要素に常時連結しており、前記第1の回転要素は常時係止されており、前記第6の回転要素と前記第9の回転要素とは連結して第1回転メンバを構成しており、前記第3の回転要素と前記第4の回転要素とは連結して第2回転メンバを構成しており、前記6つの摩擦要素は、前記第5の回転要素の回転を係止可能な第1の摩擦要素と、前記第2の回転要素と前記第8の回転要素との間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、前記第4の回転要素と前記第8の回転要素との間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、前記第2の回転要素と前記第5の回転要素との間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、前記第2の回転要素と前記第7の回転要素との間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、前記第2の遊星歯車のうちの二つの回転要素間を選択的に連結する第6の摩擦要素と、から構成され、前記6つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進8速及び後退1速を達成することを特徴とする。
よって、本発明の自動変速機にあっては、6つの摩擦要素で前進8速を達成できる。このとき、前進変速段毎の積算空転速度比を低くすることが可能となり、低速領域における燃費を向上することができる。
実施例1の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例1の自動変速機における摩擦要素の結合表を示す図である。 実施例1の自動変速機における減速比の具体例を示す図である。 実施例1の自動変速機における変速段毎の減速比をプロットした減速比マップである。 実施例1及び特許文献1における変速段毎の積算空転速度比を表す図である。 実施例2の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例3の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例4の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例5の自動変速機を示すスケルトン図である。 実施例6の自動変速機を示すスケルトン図である。
以下、本発明の有段自動変速機の変速機構を実現する形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。まず、構成を説明する。図1は実施例1の有段式の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図、図2は実施例1の自動変速機における摩擦要素の結合表、図3は減速比の具体例、図4は前進変速段毎の減速比をプロットした減速比マップである。
実施例1の自動変速機は、図1に示すように、ギヤトレーンとして、シングルピニオン型の3組の遊星歯車組であるフロントプラネタリギヤPGFR(第1の遊星歯車),ミッドプラネタリギヤPGMID(第2の遊星歯車)及びリヤプラネタリギヤPGRR(第3の遊星歯車)を備えている。フロントプラネタリギヤPGFRは、フロントサンギヤFR-S(第1の回転要素)と、フロントリングギヤFR-R(第3の回転要素)と、フロントサンギヤFR-SとフロントリングギヤFR-Rに噛み合うフロントピニオンFR-Pと、を有する。ミッドプラネタリギヤPGMIDは、ミッドサンギヤMID-S(第4の回転要素)と、ミッドリングギヤMID-R(第6の回転要素)と、ミッドサンギヤMID-SとミッドリングギヤMID-Rに噛み合うミッドピニオンMID-Pと、を有する。リヤプラネタリギヤPGRRは、リヤサンギヤRR-S(第7の回転要素)と、リヤリングギヤRR-R(第9の回転要素)と、リヤサンギヤRR-SとリヤリングギヤRR-Rに噛み合うリヤピニオンRR-Pと、を有する。フロントピニオンFR-P,ミッドピニオンMID-P及びリヤピニオンRR-Pは、それぞれフロントキャリヤFR-PC(第2の回転要素),ミッドキャリヤMID-PC(第5の回転要素)及びリヤキャリヤRR-PC(第8の回転要素)に対して回転可能に支持されている。
入力軸INはリヤサンギヤRR-Sと常時連結されている。出力軸OUTはリヤキャリヤRR-PCに常時連結されている。フロントサンギヤFR-Sは変速機ケース1に対して常時係止されている。ミッドリングギヤMID-RとリヤリングギヤRR-Rは第1回転メンバM1により常時連結されている。フロントリングギヤFR-RとミッドサンギヤMID-Sは第2回転メンバM2により常時連結されている。
自動変速機には、1つのブレーキであるロー&リバースブレーキL&R/B(第1の摩擦要素)と5つのクラッチである146クラッチ146/C(第2の摩擦要素),38クラッチ38/C(第3の摩擦要素),ミッドクラッチMID/C(第4の摩擦要素),ハイ&リバースクラッチH&R/C(第5の摩擦要素)及び7クラッチ7/C(第6の摩擦要素)が設けられている。
ロー&リバースブレーキL&R/Bは、ミッドキャリヤMID-PCと変速機ケース1との間に設けられ、ミッドキャリヤMID-PCの回転を選択的に変速機ケース1に係止する。146クラッチ146/Cは、フロントキャリヤFR-PCとリヤキャリヤRR-PCとの間に設けられ、フロントキャリヤFR-PCとリヤキャリヤRR-PCとを選択的に連結する。38クラッチ38/Cは、フロントリングギヤFR-RとリヤキャリヤRR-PCとの間に設けられ、フロントリングギヤFR-RとリヤキャリヤRR-PCとを選択的に連結する。ミッドクラッチMID/Cは、フロントキャリヤFR-PCとミッドキャリヤMID−PCとの間に設けられ、フロントキャリヤFR-PCとミッドキャリヤMID-PCとを選択的に連結する。7クラッチ7/Cは、フロントリングギヤFR-RとミッドキャリヤMID-PCとの間に設けられ、フロントリングギヤFR-RとミッドキャリヤMID-PCとを選択的に連結する。
尚、7クラッチ7/Cに要求される機能は、ミッドプラネタリギヤPGMIDの一体回転化である。フロントリングギヤFR-RとミッドサンギヤMID-Sとは第2回転メンバM2により連結されているため、言い換えると、7クラッチ7/Cは、ミッドプラネタリギヤPGMIDのうちの二つの回転要素間(ミッドキャリヤMID-PCとミッドサンギヤMID-Sとの間)を選択的に連結する摩擦要素であるといえる。ハイ&リバースクラッチH&R/Cは、フロントキャリヤFR-PCとリヤサンギヤRR-Sとの間に設けられ、フロントキャリヤFR-PCとリヤサンギヤRR-Sとを選択的に連結する。
出力軸OUTには、出力ギヤ等が設けられ、図外のディファレンシャルギヤやドライブシャフトを介して駆動輪へ回転駆動力が伝達される。実施例1の場合、出力軸OUTの外周には他のメンバ等に塞がれていないためFF車両とFR車両の両方に適用可能とされている。
各ギヤ段での前記摩擦要素の結合(締結)の関係を、図2の結合表により説明する(変速制御手段)。尚、表中の○印は締結、空欄は解放を表している。
まず、前進時について説明する。1速は、ロー&リバースブレーキL&R/Bと146クラッチ146/Cの締結により達成する。2速は、ロー&リバースブレーキL&R/BとミッドクラッチMID/Cの締結により達成する。3速は、38クラッチ38/CとミッドクラッチMID/Cの締結により達成する。4速は、146クラッチ146/CとミッドクラッチMID/Cの締結により達成する。5速は、ミッドクラッチMID/Cとハイ&リバースクラッチH&R/Cの締結により達成する。6速は、146クラッチ146/Cとハイ&リバースクラッチH&R/Cの締結により達成する。7速は、ハイ&リバースクラッチH&R/Cと7クラッチ7/Cの締結により達成する。8速は、38クラッチ38/Cとハイ&リバースクラッチH&R/Cの締結により達成する。後退速は、ロー&リバースブレーキL&R/Bとハイ&リバースクラッチH&R/Cの締結により達成する。
次に、図3により実施例1での減速比の具体例を説明する。ここで、フロントプラネタリギヤPGFRの歯数比ρFR=ZFR-S/ZFR-R=0.50、ミッドプラネタリギヤPGMIDの歯数比ρMID=ZMID-S/ZMID-R=0.53、リヤプラネタリギヤPGRRの歯数比ρRR=ZRR-S/ZRR-R=0.45とする事例により説明する。尚、ZFR-S,ZMID-S,ZRR-S,ZFR-R,ZMID-R,ZRR-Rは各ギヤの歯数を表す。
前進1速の減速比i1は、
1=(1+ρRR+ρMID+ρMIDρFR)/ρRR
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進1速の減速比i1は、i1=5.00,減速比の逆数は0.20となる。
前進2速の減速比i2は、
2=(1+ρRR)/ρRR
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進2速の減速比i2は、i2=3.22,減速比の逆数は0.31となる。
前進3速の減速比i3は、
3=(ρRR+ρFR+ρFRρRR+ρMIDρFR)/(ρRR(1+ρFR))
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進3速の減速比i3は、i3=2.13,減速比の逆数は0.47となる。
前進4速の減速比i4は、
4=(ρRR+ρMIDρFR)/ρRR
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進4速の減速比i4は、i4=1.59,減速比の逆数は0.63となる。
前進5速の減速比i5は、
5=(1+ρRR)/(1+ρRR−ρMIDρFR
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進5速の減速比i5は、i5=1.23,減速比の逆数は0.81となる。
前進6速の減速比i6は、
6=1.0
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入するまでもなく、
前進6速の減速比i6は、i6=1.0,減速比の逆数も1.0となる。
前進7速の減速比i7は、
7=(1+ρRR)/(1+ρRR+ρFR
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進7速の減速比i7は、i7=0.74,減速比の逆数は1.34となる。
前進8速の減速比i8は、
8=1/(1+ρFR
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
前進8速の減速比i8は、i8=0.67,減速比の逆数は1.50となる。
後退速の減速比iRは、
R=−(1+ρRR)/(ρMID+ρMIDρFR−ρRR
の式にてあらわされ、具体的な数値を代入すると、
後退速の減速比iRは、iR=-4.12,減速比の逆数は-0.24となる。
図4は変速段毎の減速比をプロットした減速比マップである。図4に示すように、変速段が上昇するに連れて、減速比は等比級数的に減少しており、これにより車速に応じて変速する際、違和感のないリズミカルな変速を達成する。
〔実施例1の効果〕
・積算空転速度比に基づく効果
図5は実施例1における変速段毎の積算空転速度比を表す図である。図5の●に示すように、実施例1の自動変速機にあっては、使用頻度が多い前進変速段において積算空転速度比が特許文献1に比べて低く、主に低速領域における燃費を向上することができる。
・スケルトン全体による効果
実施例1では、単純遊星3組と6つの摩擦要素という単純で少ない構成要素でありながら、適正な減速比を確保可能な前進8速後退1速の自動変速機を実現することができる。
・単純遊星3組を使用することによる効果
単純遊星3組で構成することにより、ダブルピニオンを使う場合に比べて、ギヤノイズの悪化を抑制できると共に、ピニオンを小径とする必要がないため、ギヤの耐久性の悪化を抑制できる。また、遊星歯車の外径を小さくすることが可能となり、変速機の寸法を小径化することができる。
・歯数比に基づく効果
各遊星歯車組の歯数比ρ1,ρ2,ρ3が何れも中間値0.5に近い。よって、三つの歯数比を自由に設定できる範囲が広く、減速比の自由度を高くすることができる。
・前進のレーシオカバレッジに基づく効果
前進のレーシオカバレッジ(ギヤ比幅)とは、最低段の減速比/最高段の減速比をいい、この値は、大きい値であるほど各前進段でのギヤ比設定自由度が高くなるということができる。実施例1での具体的な数値は、前進1速の減速比が5.00で、前進8速の減速比が0.67であるため、1−8速レーシオカバレッジは7.50となり、十分なレーシオカバレッジを確保できる。よって、例えば、動力源としてエンジン回転数幅がガソリンエンジンよりも狭く、同排気量で比較した場合にトルクが低いディーゼルエンジンを動力源として搭載した車両の変速機としても有用である。
・1−Rレシオに基づく効果
後退1速の変速比と前進1速の変速比の比(後退1速の変速比/前進1速の変速比:以下、「1−Rレシオ」と称する)が1に近い値、具体的には0.824となるため、前進時と後退時とでアクセルペダルの踏み加減に対する車両の加速感が大きく異なることもなく、運転性が悪化するという問題を回避することができる。
ここで、1−Rレシオについて補足説明する。1−Rレシオを適切な値に設定できない場合、例えば、1−Rレシオが小さな値になると、前進1速と後退1速とでアクセル開度に対する出力トルクが大きく異なる。前進時と後退時とで、アクセルペダルの踏み込み加減に対する車両の加速感が大きく異なると、前進1速と後退1速は共に車両発進時に使用される点で共通していることから、運転性が悪化するという問題がある。この観点から運転性の指標の1つとして導入されたものである。
・変速時における摩擦要素の切換え数に基づく効果
変速時において、仮に、一つ以上の摩擦要素を解放し二つ以上の摩擦要素を締結する、もしくは、二つ以上の摩擦要素を解放し一つ以上の摩擦要素を締結すると、摩擦要素の締結・解放のタイミングやトルクの制御が複雑となる。そこで、変速制御の複雑化を回避する観点から、一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結するのが好ましいとされる。いわゆる二重掛け替えの防止である。実施例1においては、前進1速から前進2速まではロー&リバースブレーキL&R/Bが締結したままの状態で変速が行われ、前進2速から前進5速まではミッドクラッチMID/Cが締結したままの状態で変速が行われ、前進5速から前進8速まではハイ&リバースクラッチH&R/Cが締結したままの状態で変速が行われる。すなわち、前進1速から前進8速までの隣接するギヤ段への変速及び1段飛び越しの変速(ただし、前進1速から前進3速への1段飛び越し変速を除く)は、全て一つの摩擦要素を解放し、一つの摩擦要素を締結する掛け替え変速により達成できる。よって、変速時における制御の複雑化を回避できる。
・レイアウトに基づく効果
(i)実施例1の自動変速機は、図1のスケルトン図に示すように、ロー&リバースブレーキL&R/B,ミッドクラッチMID/C及び7クラッチ7/Cが3組のプラネタリギヤの入力軸IN側に集中的に配置されている。同様に、38クラッチ38/C,146クラッチ146/C及びハイ&リバースクラッチH&R/Cが集中的に配置されている。すなわち、クラッチやブレーキには締結油圧等を供給する必要があり、この供給油路は、当然のことながら固定部材から供給しなければならない。このとき、摩擦要素がそれぞれ集中的に配置されていることで、油路が形成される固定壁との距離をほぼ均一化あるいは短縮することができるので制御性に優れると共に、油路の取り回しも容易となる。
特に、入力側には一般にエンジンにより駆動されるオイルポンプ等が配置され、このオイルポンプを支持するオイルポンプカバー等が配設される。このカバーは変速機ケース1を閉塞するように配置されることから、コントロールバルブユニットと各回転要素との連絡通路として有効である。実施例1では入力側に集中配置されているため、このカバー等を利用しやすく、油路の取り回しが更に容易である。
(ii)また、図1のスケルトン図に示すように、遊星歯車組の外周側を通る回転メンバは、ミッドキャリヤMID-PCと一体に回転する回転メンバのみの一層構造である。自動変速機は冷却や潤滑を目的として、各回転要素であるギヤやベアリング等に潤滑油を常に供給している。また、この潤滑は一般に軸心側から遠心力により供給される。このとき、外周側において潤滑油の排出性が悪化すると、油温が上昇し、摩擦要素や図示しない軸受け部材などの耐久性が低下する。実施例1では、上述したように、遊星歯車組の外周側を通る回転メンバは一層構造であるため、潤滑油の排出性が悪化することがなく、油温上昇が抑制されて、耐久性の向上を図ることができる。
(iii)また、特に出力側の遊星歯車の外周側を通る部材が少なく、出力側の変速機の寸法を小径化できる。このことは、後輪駆動車に搭載する際、出力側が縮径していると、車両搭載性が格段に向上する。
(iv)実施例1の自動変速機は、遊星歯車組の一方側から入力し、他方側から出力することが可能な自動変速機であるため、前輪駆動車及び後輪駆動車のどちらの車両にも適用でき、自動変速機の適用範囲を広くすることができる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図6は実施例2を表すスケルトン図である。実施例2では、ロー&リバースブレーキL&R/Bと並列にワンウェイクラッチOWCを配置したものである。低変速段のようにトルク段差の大きいアップシフト変速時において、変速制御の単純化や、通常走行時での過剰なエンジンブレーキ感をなくすために、低変速段用のワンウェイクラッチOWCを設けることが好ましい。
このような目的のためには、実施例1の場合、低変速段用のワンウェイクラッチOWCは、前進2速から前進3速へアップシフトする際に解放するロー&リバースブレーキL&R/Bと並列に設けることとなる。ロー&リバースブレーキL&R/BはミッドキャリヤMID-PCを選択的に変速機ケース1に係止するブレーキであり、2速から3速への変速時には、ミッドキャリヤMID-PCは正回転(エンジン回転方向を正回転とする)するため、ロー&リバースブレーキL&R/BにワンウェイクラッチOWCを配置するためには、このミッドキャリヤMID-PCの回転方向がロー&リバースブレーキL&R/Bを解放状態とする全ての変速段において正回転である必要がある。
仮に、いずれかの変速段において負回転となる場合には、ワンウェイクラッチOWCと直列にこのワンウェイクラッチOWCの作動非作動を切換可能な摩擦要素をもう一つ追加しなければならず、部品点数等の増大を招くことになり、あまり有用とはいえない。そこで、実施例1において全ての変速段におけるミッドキャリヤMID-PCの回転数を検討してみると、ミッドキャリヤMID-PCは、全ての変速段において正回転となっている。よって、単にミッドキャリヤMID-PCと並列にワンウェイクラッチOWCを構成するのみで、大幅な部品の増加を回避しつつ、制御ロジックの単純化を可能とし、通常走行時での過剰なエンジンブレーキ感を抑制することができる。
尚、実施例2では、1速と2速においてロー&リバースブレーキL&R/Bを締結していることから、コースト走行時のダウンシフト等にあっては、ロー&リバースブレーキL&R/Bを解放したままで3速から2速へのダウンシフト、2速から1速へのダウンシフトを行えばよい。このとき、3速から2速へのダウンシフト時は38クラッチ38/Cの解放制御のみを行い、2速から1速へのダウンシフト時は、ミッドクラッチMID/Cを解放し146クラッチ146/Cの締結を行うこととなる。
次に実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図7は実施例3の有段式の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図である。尚、実施例1の図2に示す摩擦要素の結合表、図3に示す減速比の具体例及び図4に示す前進変速段毎の減速比をプロットした減速比マップについては同じであるため説明を省略する。
実施例1では、7クラッチ7/CがフロントリングギヤFR-RとミッドキャリヤMID-PCとの間に設けられ、具体的な配置としてフロントプラネタリギヤPGFRよりも入力側に配置されていた。これに対し、実施例3では、7クラッチ7/CをミッドリングギヤMID-RとミッドキャリヤMID−PCとの間に設け、具体的な配置としてミッドプラネタリギヤPGMIDの近傍、特にミッドプラネタリギヤPGMIDとリヤプラネタリギヤPGRRとの間に配置している点が異なる。すなわち、7クラッチ7/Cに要求される機能は、ミッドプラネタリギヤPGMIDの一体回転化であることから、ミッドプラネタリギヤPGMIDのうちの二つの回転要素間(ミッドキャリヤMID-PCとミッドリングギヤMID-Rとの間)を選択的に連結するという観点から見ると、実質的に実施例1,2と同じである。
実施例3は、上記構成により、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。ただし、実施例1の「・レイアウトに基づく効果/(i)」に示す効果について、7クラッチ7/Cについては他の摩擦要素の集中配置から離れた構成となっているものの、他の5つの摩擦要素が集中配置されていることに変わりは無く、他の5つの摩擦要素の集中配置により上記実施例1「・レイアウトに基づく効果/(i)」記載の作用効果が得られることは言うまでもない。
次に実施例4について説明する。基本的な構成は実施例3と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図8は実施例4を表すスケルトン図である。実施例4では、ロー&リバースブレーキL&R/Bと並列にワンウェイクラッチOWCを配置したものである。これにより、実施例2に記載した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
次に実施例5について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図9は実施例5の有段式の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図である。尚、実施例1の図2に示す摩擦要素の結合表、図3に示す減速比の具体例及び図4に示す前進変速段毎の減速比をプロットした減速比マップについては同じであるため説明を省略する。
実施例1では、7クラッチ7/CがフロントリングギヤFR-RとミッドキャリヤMID-PCとの間に設けられ、具体的な配置としてフロントプラネタリギヤPGFRよりも入力側に配置されていた。これに対し、実施例5では、7クラッチ7/CをミッドリングギヤMID−RとミッドサンギヤMID-Sとの間に設け、具体的な配置としてミッドプラネタリギヤPGMIDの近傍、特にミッドプラネタリギヤPGMIDとリヤプラネタリギヤPGRRとの間に配置している点が異なる。すなわち、7クラッチ7/Cに要求される機能は、ミッドプラネタリギヤPGMIDの一体回転化であることから、ミッドプラネタリギヤPGMIDのうちの二つの回転要素間(ミッドキャリヤMID-PCとミッドサンギヤMID-Sとの間)を選択的に連結するという観点から見ると、実質的に実施例1〜4と同じである。
実施例5は、上記構成により、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。ただし、実施例1の「・レイアウトに基づく効果/(i)」に示す効果について、7クラッチ7/Cについては他の摩擦要素の集中配置から離れた構成となっているものの、他の5つの摩擦要素が集中配置されていることに変わりは無く、他の5つの摩擦要素の集中配置により上記実施例1「・レイアウトに基づく効果/(i)」記載の作用効果が得られることは言うまでもない。
次に実施例6について説明する。基本的な構成は実施例5と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図10は実施例6を表すスケルトン図である。実施例6では、ロー&リバースブレーキL&R/Bと並列にワンウェイクラッチOWCを配置したものである。これにより、実施例2に記載した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
以上実施例1〜6について説明したが、各プラネタリギヤの回転要素の締結関係を他の締結関係としてもよい。また、実施例1ではフロント→ミッド→リヤの順にプラネタリギヤを配置したが、この配置の順番を適宜変更して構成してもよい。
1 変速機ケース
IN 入力軸
OUT 出力軸
PGFR フロントプラネタリギヤ(第1の遊星歯車)
PGMID ミッドプラネタリギヤ(第2の遊星歯車)
PGRR リヤプラネタリギヤ(第3の遊星歯車)
FR-S フロントサンギヤ(第1の回転要素)
FR-PC フロントキャリヤ(第2の回転要素)
FR-R フロントリングギヤ(第3の回転要素)
MID-S ミッドサンギヤ(第4の回転要素)
MID-PC ミッドキャリヤ(第5の回転要素)
MID-R ミッドリングギヤ(第6の回転要素)
RR-S リヤサンギヤ(第7の回転要素)
RR-PC リヤキャリヤ(第8の回転要素)
RR-R リヤリングギヤ(第9の回転要素)
L&R/B ロー&リバースブレーキ(第1の摩擦要素)
146/C 146クラッチ(第2の摩擦要素)
38/C 38クラッチ(第3の摩擦要素)
MID/C ミッドクラッチ(第4の摩擦要素)
H&R/C ハイ&リバースクラッチ (第5の摩擦要素)
7/C 7クラッチ(第6の摩擦要素)
M1 第1回転メンバ
M2 第2回転メンバ
OWC ワンウェイクラッチ

Claims (2)

  1. 第1の回転要素と、第2の回転要素と、第3の回転要素とを有する第1の遊星歯車と、
    第4の回転要素と、第5の回転要素と、第6の回転要素とを有する第2の遊星歯車と、
    第7の回転要素と、第8の回転要素と、第9の回転要素とを有する第3の遊星歯車と、
    6つの摩擦要素と、
    を備え、
    前記6つの摩擦要素を適宜締結解放することにより少なくとも前進8速の変速段に変速して入力軸からのトルクを出力軸に出力可能な自動変速機において、
    前記入力軸は前記第7の回転要素に常時連結しており、
    前記出力軸は前記第8の回転要素に常時連結しており、
    前記第1の回転要素は常時係止されており、
    前記第6の回転要素と前記第9の回転要素とは連結して第1回転メンバを構成しており、
    前記第3の回転要素と前記第4の回転要素とは連結して第2回転メンバを構成しており、
    前記6つの摩擦要素は、
    前記第5の回転要素の回転を係止可能な第1の摩擦要素と、
    前記第2の回転要素と前記第8の回転要素との間を選択的に連結する第2の摩擦要素と、
    前記第4の回転要素と前記第8の回転要素との間を選択的に連結する第3の摩擦要素と、
    前記第2の回転要素と前記第5の回転要素との間を選択的に連結する第4の摩擦要素と、
    前記第2の回転要素と前記第7の回転要素との間を選択的に連結する第5の摩擦要素と、
    前記第2の遊星歯車のうちの二つの回転要素間を選択的に連結する第6の摩擦要素と、
    から構成され、
    前記6つの摩擦要素のうち二つの同時締結の組み合わせにより少なくとも前進8速及び後退1速を達成することを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1に記載の自動変速機において、
    前記6つの摩擦要素のうちの二つの同時締結の組み合わせとは、前進変速段として、前記第1の摩擦要素と前記第2の摩擦要素の同時締結、前記第1の摩擦要素と前記第4の摩擦要素の同時締結、前記第3の摩擦要素と前記第4の摩擦要素の同時締結、前記第2の摩擦要素と前記第4の摩擦要素の同時締結、前記第4の摩擦要素と前記第5の摩擦要素の同時締結、前記第2の摩擦要素と前記第5の摩擦要素の同時締結、前記第5の摩擦要素と前記第6の摩擦要素の同時締結、前記第3の摩擦要素と前記第5の摩擦要素の同時締結のうちの組み合わせであり、後退変速段として前記第1の摩擦要素と前記第5の摩擦要素の同時締結であることを特徴とする自動変速機。
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