JP4931771B2 - 車両動揺収録および異常検知システムならびに車両動揺収録および異常検知方法 - Google Patents

車両動揺収録および異常検知システムならびに車両動揺収録および異常検知方法 Download PDF

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Description

この発明は、車両動揺収録および異常検知システムならびに車両動揺収録および異常検知方法に関し、特に、鉄道車両の安全運行の実現に適用して好適なものである。
鉄道車両の安全運行は乗客や乗務員の安全を確保する上で極めて重要である。鉄道車両の安全運行を実現する方法は従来より種々提案されている。
特開2006−327551号公報(特許文献1)には、このような目的で車両運行管理システムならびにこれを用いた車両および軌道異常診断方法が提案されている。この車両運行管理システムは、列車の各車両の運行時における前後方向、左右方向、上下方向の加速度、車速および現在位置を検出するセンサー部と、このセンサー部で検出した信号を解析する解析部と、その車両の運行状態を表示する表示設定部と、上記解析部からの指令信号により運転者や車掌に警告を発する警報部と、上記解析部で解析したデータを車両の運行を監視する監視センターに無線送信する通信部とを含み、上記解析部は上記センサー部で検出した加速度または車速が現在の運行地点についてあらかじめ設定された上限値または下限値を超えた場合に上記警報部に指令信号を送信する。
特開2006−327551号公報
しかしながら、特許文献1の車両運行管理システムでは、列車の各車両の現在位置を検出するためにGPS(Global Positioning System)が必要であるため、システムが高価になってしまうばかりでなく、車両の外部にGPSアンテナを設置しなければならないという問題がある。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、鉄道車両の安全運行を安価に実現することができる車両動揺収録および異常検知システムならびに車両動揺収録および異常検知方法を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
軌道上を走行する一編成の列車の各車両に設置される、当該車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を測定する3軸加速度センサーを含む複数の車両モジュールと、
運転室および/または車掌室に設置される、上記複数の車両モジュールの上記3軸加速度センサーにより測定される上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を上記複数の車両モジュールと接続された通信線を介してモニターする集中モニターユニットとを有し、
上記列車の各車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を上記3軸加速度センサーにより常時測定し、異常加速度が測定されない場合は、所定の設定時間毎の上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度の最大値、最小値および最大P−P値(P−P値はピーク・ツー・ピーク(peak to peak)値(波の変化幅)を意味する。以下同様。)を第1のメモリーに記憶し、異常加速度が測定された場合は、その測定時点の上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形を一定時間、第2のメモリーに記憶するようにした
ことを特徴とする車両動揺収録および異常検知システムである。
第2の発明は、
軌道上を走行する一編成の列車の各車両に、当該車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を測定する3軸加速度センサーを含む複数の車両モジュールを設置し、
運転室および/または車掌室に、上記複数の車両モジュールの上記3軸加速度センサーにより測定される上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を上記複数の車両モジュールと接続された通信線を介してモニターする集中モニターユニットを設置し、
上記列車の各車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を上記3軸加速度センサーにより常時測定し、異常加速度が測定されない場合は、所定の設定時間毎の上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を第1のメモリーに記憶し、異常加速度が測定された場合は、その測定時点の上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形を一定時間、第2のメモリーに記憶するようにした
ことを特徴とする車両動揺収録および異常検知方法である。
第1および第2の発明において、第1のメモリーと第2のメモリーとは、同一のメモリーであっても別のメモリーであってもよい。第1のメモリーとしては、所定の設定時間毎の車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を記憶する1個のリングメモリーを用いることが好ましく、第2のメモリーとしては、異常加速度が測定された場合に車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形をそれぞれ記憶する3個のリングメモリーを用いることが好ましい。
また、第1および第2の発明においては、必要に応じて、車両モジュールの3軸加速度センサーにより測定される車両の前後方向の加速度をリアルタイムに演算して積分することにより得られる速度を第1のメモリーおよび/または第2のメモリーに記憶し、この速度を集中モニターユニットに表示するようにしてもよい。そして、例えば、異常加速度が測定された場合には、車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形の解析時に速度を表示することができる。また、異常加速度が測定されない場合は、所定の設定時間の最後に算出された速度を表示することができる。例えば、10秒区間の車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度の最大値、最小値および最大P−P値の場合、10秒後の速度を表示する。
第1および第2の発明において、列車には、およそ軌道上を走行するものである限り全てのものが含まれ、電車(地下鉄電車を含む)、モノレール、新交通システム、ジェットコースター、リフト、ケーブルカー、エスカレーター、エレベーターなども含まれる。
この発明によれば、車両の現在位置の測定のためにGPSを用いる必要がないので、車両動揺収録および異常検知システムを安価に構成することができ、車両の外部にGPSアンテナを設置する必要もない。また、異常加速度が測定された場合は、その測定時点の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形を一定時間、第2のメモリーに記憶するので、このデータに基づいて列車の脱線などの事故の発生前後の異常の解析を行うことができる。また、運転手が気づき難い後方車両の事故の場合、異常動揺発生と同時に警報を発するようにすることにより、減速や停止の判断を瞬時に行うことができる。さらに、正常運行時の各車両の動揺測定値も一定時間単位の最大値、最小値および最大P−P値を第1のメモリーに記憶するので、その時間軸トレンドを解析することにより、車両独自の動揺か、軌道のどの付近から発生した動揺か、動揺が時系列的に増大しているか、などを把握することができ、車両または軌道の保守に活かすことができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この車両動揺収録/異常検知システムにおいては、N両(Nは2以上の整数)の車両C1 〜CN からなる一編成の列車の各車両にそれぞれ車両モジュール11が設置されており、この車両モジュール11により各車両の動揺を個別に測定することができるようになっている。先頭の車両C1 の運転室12および最後部の車両CN の車掌室13に、それぞれ集中モニターユニット14、15が設置されている。これらの集中モニターユニット14、15はRS485通信線16により各車両の車両モジュール11と接続されており、各車両の動揺を集中して監視することができる。
図2は車両モジュール11の構成を示す。図2に示すように、車両モジュール11は、ケース21内に、軌道上を走行する各車両の上下方向、左右方向、前後方向の加速度を測定するための3軸加速度センサー22を有する。この3軸加速度センサー22の各出力はそれぞれローパスフィルター23a、23b、23cに送られて例えばDC〜80Hzの周波数成分以外がカットされた後、マイクロコンピューター(MPU)内蔵のA/D変換器24によりA/D変換される。こうしてA/D変換された加速度信号はマイクロコンピューター部に送られてデータ処理が行われる。
A/D変換器24は、A/D変換された加速度データを記憶するメモリー部25およびリアルタイムクロック信号を供給するリアルタイムクロック部26と接続されている。これらのメモリー部25およびリアルタイムクロック部26にはバックアップ電池27により電源が供給されるようになっている。リアルタイムクロック部26は例えば32768kHzの水晶発振器を内蔵しており、電源遮断時においてもバックアップ電池27により計時される。
A/D変換器24はさらに、A/D変換された加速度データを外部に送信するための通信部28と接続されている。この通信部28は、RS485通信線16により他の車両モジュール11および集中モニターユニット14、15と接続されるRS485通信部29を有する。
車両モジュール11はA/D変換器24およびマイクロコンピューターに電源を供給するための電源部30を有し、この電源部30に外部から例えば12VのDC電源が供給される。この電源部30により充電式のバッテリー部31が充電され、このバッテリー部31によりA/D変換器24およびマイクロコンピューターに電源が供給されるようになっている。A/D変換器24およびマイクロコンピューターに電源が供給されている時には電源LED32が点灯するようになっており、この電源LED32の点灯により電源が供給されていることを確認することができる。また、A/D変換器24には、動作チェック機能を併用したCALスイッチ33も取り付けられている。
図3は集中モニターユニット14、15の構成を示す。図3に示すように、集中モニターユニット14、15は、ケース51内に、車両モジュール11と同様に、マイクロコンピューターを内蔵したA/D変換器52、メモリー部53、リアルタイムクロック部54、バックアップ電池55、通信部56、電源部57、バッテリー部58および電源LED59を有する。通信部56は、RS485通信部60に加えて、データ処理用のパーソナルコンピューターとの接続のためのUSB端子61を有する。このUSB端子61はA/D変換器52と接続されている。
A/D変換器52には液晶表示器62が接続されており、この液晶表示器62に車両の動揺測定の結果などを表示することができるようになっている。集中モニターユニット14、15は、N両の車両C1 〜CN に対応してN個のLEDL1 〜LN からなる動作表示部63を有する。LEDL1 〜LN はA/D変換器52と接続されており、各車両の車両モジュール11の動作状態に応じてこれらのLEDL1 〜LN を点灯させることができるようになっている。
集中モニターユニット14、15には、「警報」を示すLED64、「注意」を示すLED65、「正常」を示すLED66、警報ブザー67、警報停止スイッチ68、テストスイッチ69およびリスタートスイッチ70が取り付けられている。
3軸加速度センサー22の一例を挙げると、次のとおりである。
センサー方式 3軸静電容量型IC加速度
測定方向 3軸(X、Y、Z)
測定範囲 ±2G
直線性 0.2%FS
周波数特性 0(DC)〜100Hz
ノイズ ±0.5%FS
耐衝撃 500G
ローパスフィルター23a、23b、23cの一例を挙げると、次のとおりである。
周波数特性 DC〜80Hz
減衰特性 −12dB/oct
マイクロコンピューター内蔵のA/D変換器24の一例を挙げると、次のとおりである。
分解能 10bit/FS
精度 ±2bit
サンプリング速度 5msec
チャンネル数 4ch(加速度3ch+バッテリー電圧1ch)
マイクロコンピューターは1チップタイプとする。
MPU型式 日立製作所製 SH−2
動作周波数 50MHz
メモリー部25の一例を挙げると、次のとおりである。
メモリー部25は次の容量のデータを保存できるものとする。
電源遮断時において1MBのデータをバックアップできるものとする。
・リアルタイムデータ 3軸(X軸、Y軸、Z軸)の1分データ(リング式)を3データ分
(1分÷10ms×3軸×2Byte×3データ=108000Byte)+その他=216000Byte
・1分間の最大値 3軸の最大値、最小値および最大P−P値を1カ月分
(1カ月=31日)×24時間×60分×3軸×3種類×2Byte=803520Byte
種類 SRAM
容量 1MByte
バックアップ温度 −20℃〜60℃
リアルタイムクロック部26の一例を挙げると、次のとおりである。
32.768kHz発振部を内蔵し、電源遮断時においてもメモリーバックアップ電池により計時するものとする。
発振要素 32.768kHz水晶(内蔵)
割り込み点数 1
計時温度 −20℃〜60℃
通信部28の一例を挙げると、次のとおりである。
集中モニターユニット14、15と各車両の車両モジュール11との間の通信
インターフェース方式 RS485に準拠
接続方式 ねじ式端子台
接続信号 TX+、TX−、RX+、RX−
通信速度 適速
デバック通信
インターフェース方式 RS232C
接続方式 ねじ式端子台
接続信号 TX、RX、RX+、RX−
通信速度 適速
電源部30の一例を挙げると、次のとおりである。
電源は充電式バッテリーを内蔵したDC電源とする。
電源電圧 DC12V
接続方式 ねじ式端子台
接続信号 DC+、DC−
バッテリータイプ 充電式
全体
使用温度 −5℃〜45℃
寸法 W50mm×H30mm×D80mm
重量 250g
集中モニターユニット14、15の表示部の一例を挙げると、次のとおりである。
液晶表示器62は測定最大値、最大値持続時間などを表示する。
表示文字数 20文字2行
MPUとの接続 データ4bit+制御bit
動作温度 −5℃〜45℃
警報表示部の一例を挙げると、次のとおりである。
警報表示LED LED64は赤色の点灯により警報を示し、LED65は黄
色の点灯により注意を示し、LED66は緑色の点灯により
正常を示す。
警報 警報ブザーにより警報を鳴らす。
警報停止 停止スイッチにより警報を停止する。
機能確認部
再起動 リスタートスイッチ70をオンして再起動する。
機能確認 テストスイッチ69をオンして機能確認テストを行う。
各車両モジュール動作表示部
各車両モジュール11の動作状態をモニター表示する。
表示用LED 15個のLEDを用いる。赤色の点灯により警報を示し、青
色の点灯により正常を示し、無点灯は未接続の車両モジュー
ル、接続された車両モジュールの場合は不良を示す。
表示に必要なデータは30bit×2State=60bitである。
全体
使用温度 −5℃〜45℃
外形寸法 W150mm×H200mm×D70mm
重量 1250g
車両モジュール11の外観の一例を図4に示す。また、集中モニターユニット14、15の外観の一例を図5に示す。車両モジュール11の取り付け位置は乗客の邪魔にならない範囲で適宜選ばれるが、例えば各車両の内部の天井や側面などである。同様に、集中モニターユニット14、15はそれぞれ運転室12および車掌室13内の運転手および車掌の邪魔にならない位置、例えば運転室12および車掌室13の内部の側面などである。これらの車両モジュール11および集中モニターユニット14、15の取り付け方法は、車両の構造などに応じて適宜決定することができる。
次に、この車両動揺収録/異常検知システムの使用方法について説明する。
一編成の列車の各車両に組み込まれた各車両モジュール11と集中モニターユニット14、15とには、RS485通信線16で信号線が接続され、電源ラインからDC12Vが供給されるようになっている。
各車両モジュール11および集中モニターユニット14、15の電源を入れる。集中モニターユニット14、15のUSB端子61にはパーソナルコンピューター(図示せず)を接続して測定条件などを設定しておく。通常このパーソナルコンピューターは、測定前の設定時およびデータ収録時に接続して使用される。
列車は軌道上を走行し、停車駅では停止する。その間、各車両モジュール11の3軸加速度センサー22により各車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度が常時測定される。各車両モジュール11に収録された各車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度の測定データはRS485通信線16を介して集中モニターユニット14、15に送られて監視される。
異常データが測定されない場合は、それぞれ設定時間毎の(あるいは設定時間間隔内の)加速度の最大値、最小値および最大P−P値が各車両モジュール11のメモリー部25に記憶される。設定時間は例えば1〜999秒の範囲で設定することができ、1秒設定時は約半日、999秒設定時は約1年間の収録が可能である。この場合、メモリー部25は4個のリングメモリーを含むように構成され、それらのうちの1個のリングメモリーに上記の設定時間毎の加速度の最大値、最小値および最大P−P値が記憶される。図6にこの記憶方法を示す。図6のX軸、Y軸およびZ軸は3軸加速度センサー22の3軸を示す。具体的には、例えば、1分間の3軸分の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を約1ヶ月分記憶する。このときの記憶データ量は(31日×24時間×60分×3軸×3種類=401760)×2Byte=803520Byteとなり、後述のリアルタイム波形も含めて、メモリー部25の容量が1MByteあれば十分に記憶することができる。これらのデータは、車両モジュール11のアドレスk(k=1〜N)とともに集中モニターユニット14、15の液晶表示器62に表示される。運転手または車掌はこの液晶表示器62の表示により各車両の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を知ることができる。また、1秒間の3軸分の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を約半日分記憶し、トレンド表示をすることもできる。
車両モジュール11の3軸加速度センサー22により車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のいずれかに異常レベルが測定された場合は、その時点の前後の車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形を、メモリー部25を構成する3個のリングメモリーにそれぞれ設定時間記憶する。このリアルタイム波形の記憶に必要なリアルタイムデータは、3軸の1分間データ(リング式)が3データ分である。例えば、サンプリング周波数が100Hzであるとすると、このデータ量は、(100Hz×2×60s×3軸×2Byte×3データリング)+その他=216000Byteである。
上述のように、車両モジュール11の3軸加速度センサー22により車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のいずれかに異常レベルが測定された時の、車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度の記憶は上述の3個のリングメモリーによりそれぞれ行う。図7にこの記憶方法を示す。このリングメモリーでは、3回までの発生データを記憶することができ、4回目のデータは1回目のデータに上書きとなる。ただし、1個のリングメモリーはリアルタイム収録されているため、常時書き換え状態である。
異常レベルが測定されると、集中モニターユニット14、15の警報表示部の正常を示す青色発光のLED66が消灯して代わりに異常を示す赤色発光のLED64が点灯し、かつ、警報ブザー67が鳴る。これによって、運転手または車掌は軌道または車両に異常が発生したことを知ることができる。
この車両動揺収録/異常検知システムにより実際に収録した加速度データの一例を図8および図9に示す。測定を行った列車は4両編成であり、各車両に車両モジュール11を設置し、先頭車両に集中モニターユニット14を設置して測定を行った。図8は1両目の車両の車両モジュール11により測定された3軸の加速度の最大値および最小値、図9は4両目の車両の車両モジュール11により測定された3軸の加速度のリアルタイム波形(1分間データ)である。
この第1の実施形態によれば、次のような種々の利点を得ることができる。すなわち、集中モニターユニット14、15の警報表示部の赤色発光のLED64の点灯と警報ブザー67の鳴動とにより、運転手または車掌は軌道または車両に異常が発生したことを知ることができるので、その異常の発生を直ちに運転司令室に知らせて指示を仰ぐことができる。こうすることで異常に対して迅速に対処することができ、例えば列車を減速したり列車の運転を停止したりすることにより事故の発生を未然に防止することができ、万が一事故が発生してしまってもその被害を最小限に食い止めることができる。また、各車両モジュール11で測定された各車両の異常動揺のリアルタイム波形を収録することができるので、集中モニターユニット14、15に接続されたパーソナルコンピューターによりこのリアルタイム波形を再生することで、異常の発生前後の動揺や速度波形を解析することができ、事故原因の究明に役立たせることができる。これは航空機に搭載されたフライトレコーダーの解析により事故原因の究明をする場合と同様である。例えば、列車の脱線時には、車両の上下方向の動揺と左右方向の動揺とに、列車が軌道上を運行している時にはない大きな動揺が連続して現れることから、車両の上下方向の動揺と左右方向の動揺とから、事故原因が脱線かどうかを判断することができる。また、列車が衝突した場合など、列車が急激に減速された場合には、前後方向に大きな加速度信号が発生し、乗客に大きな前後衝撃を与えるから、前後方向の動揺から、急激な減速を受けたかどうかを判断することができる。また、列車の走行中、踏切などで、先頭車両および最後部車両以外の中間車両への車などの接触や衝突の事故が発生したが、列車の脱線には至らないような場合でも、相当の出力が検出されるので、事故検出を行うことができ、運転手または車掌に衝撃の事故の発生を瞬時に迅速に知らせることができる。さらに、正常走行時の動揺値も記憶しているため、その時間軸トレンドを解析することにより、車両独自の動揺か、軌道のどの付近から発生した動揺か、動揺が時系列的に、かつ長期間において増大しているか、などを解析することができ、その結果を車両または軌道の保守管理に活かすことができる。言い換えると、列車の正常運行時の各車両の動揺値を時系列トレンドとして再生することができるため、それらを解析することができる。また、各車両の車両モジュール11で一定時間遅れて順次測定される動揺ピークは、軌道のある地点を各車両が通過する時に発生するもので軌道側に起因する信号であり、一方、特定の車両のみに発生する周期的またはランダムなピークは車両側に起因する信号であると解析することができる。
加えて、事故などにより車両の相互の接続が切り離されると、各車両モジュール11間の接続も切られ、電源部30に電源が供給されなくなるが、充電式のバッテリー部31により一定時間バックアップされるため、最新の異常信号は、リングメモリー1個分だけ記憶が継続される。その後、車両モジュール11は電源が供給されなくなり、収録は終了されるが、測定データは保存される。その結果、3個のリングメモリーにリアルタイム波形が保存されている。また、切り離された車両モジュール11も、その後回収し、パーソナルコンピューターに接続すると、RS485通信線16を介して、異常波形を読み取ることができるので、原因の究明を行うことができる。これが、フライトレコーダーと同じ意味を持つ機能である。
次に、この発明の第2の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムについて説明する。
この車両動揺収録/異常検知システムにおいては、車両モジュール11の3軸加速度センサー22により車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のいずれかに異常レベルが測定された場合、瞬時にその異常を運転手および車掌に知らせると同時に、無線により運転司令室(センター)に異常動揺信号を伝達し、司令室との交信により運転指示を仰ぐことができる。その他のことは第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムと同様である。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた仕様、数値、構成、機能などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる仕様、数値、構成、機能などを用いてもよい。
この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムを示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムの車両モジュールを示すブロック図である。 この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムの集中モニターユニットを示すブロック図である。 この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムの車両モジュールの外観の一例を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムの集中モニターユニットの外観の一例を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムの車両モジュールの通常走行時の3軸の加速度の記憶方法を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムの車両モジュールの異常時の3軸の加速度のリアルタイム波形の記憶方法を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムによる動揺測定結果の例を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による車両動揺収録/異常検知システムによる動揺測定結果の例を示す略線図である。
符号の説明
11…車両モジュール、12…運転室、13…車掌室、14、15…集中モニターユニット、22…3軸加速度センサー、23a、23b、23b…ローパスフィルター、24…A/D変換器

Claims (4)

  1. 軌道上を走行する一編成の列車の各車両に設置される、当該車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を測定する3軸加速度センサーを含む複数の車両モジュールと、
    運転室および/または車掌室に設置される、上記複数の車両モジュールの上記3軸加速度センサーにより測定される上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を上記複数の車両モジュールと接続された通信線を介してモニターする集中モニターユニットとを有し、
    上記列車の各車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を上記3軸加速度センサーにより常時測定し、異常加速度が測定されない場合は、所定の設定時間毎の上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を第1のメモリーに記憶し、異常加速度が測定された場合は、その測定時点の上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形を一定時間、第2のメモリーに記憶するようにした
    ことを特徴とする車両動揺収録および異常検知システム。
  2. 上記第1のメモリーが所定の設定時間毎の上記上下方向、左右方向および前後方向の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を記憶する1個のリングメモリーからなり、上記第2のメモリーが上記上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形をそれぞれ記憶する3個のリングメモリーからなることを特徴とする請求項1記載の車両動揺収録および異常検知システム。
  3. 軌道上を走行する一編成の列車の各車両に、当該車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を測定する3軸加速度センサーを含む複数の車両モジュールを設置し、
    運転室および/または車掌室に、上記複数の車両モジュールの上記3軸加速度センサーにより測定される上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を上記複数の車両モジュールと接続された通信線を介してモニターする集中モニターユニットを設置し、
    上記列車の各車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度を上記3軸加速度センサーにより常時測定し、異常加速度が測定されない場合は、所定の設定時間毎の上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を第1のメモリーに記憶し、異常加速度が測定された場合は、その測定時点の上記車両の上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形を一定時間、第2のメモリーに記憶するようにした
    ことを特徴とする車両動揺収録および異常検知方法。
  4. 上記第1のメモリーが所定の設定時間毎の上記上下方向、左右方向および前後方向の加速度の最大値、最小値および最大P−P値を記憶する1個のリングメモリーからなり、上記第2のメモリーが上記上下方向、左右方向および前後方向の加速度のリアルタイム波形をそれぞれ記憶する3個のリングメモリーからなることを特徴とする請求項3記載の車両動揺収録および異常検知方法。
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