JP4929430B2 - 電解水製造装置及び電解水の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続流通型隔膜式電解槽を使用する電解水製造装置及び電解水の製造方法に関し、詳細には陽極水又は陰極水を採取するにあたりいずれかを廃棄する必要のない電解水製造装置及び電解水の製造方法に関する。
一般に、電解水製造装置には、一対の電極間に隔膜を有する隔膜式電解槽と、隔膜のない無隔膜式電解槽を備えたものとがあり、それぞれ目的に応じて利用されている。
隔膜式電解槽の隔膜には、荷電膜であるイオン交換膜、非荷電膜である中性膜等が用いられる。電解槽の陽極側(陽極室)では酸性の電解水が、陰極側(陰極室)ではアルカリ性の電解水が生成する。隔膜式電解槽を用いた装置を使用する場合、通常、陽極側電解生成水(陽極水)と陰極側電解生成水(陰極水)とは別々に採取される。
電解原水に電解質として塩化ナトリウムのような塩化物を添加して電解を行うと、陽極側には電極反応生成物である塩酸、次亜塩素酸、溶存酸素や、ヒドロキシルラジカルのような活性酸素が生成する。次亜塩素酸は、強力な塩素化反応と酸化反応を示すことから、陽極水は菌類の殺菌等に利用されている。
一方、陰極側に生成する陰極水は飲用のアルカリイオン水として広く知られている。陰極水製造装置(例えば、特許文献1〜3参照)は医療器具等として市販されており、ミネラル水の普及とともに広く普及している。
無隔膜式電解槽による電解生成水は、陽極水と陰極水が混合した混合電解水として得られる。混合電解水は、陽極水が混合していることから次亜塩素酸水を含むので、主として殺菌や菌の増殖を制御することを目的として利用されている。
これらの電解生成水は、いくつかのパラメータによりその性質を表すことができる。パラメータとしては、pH、酸化還元電位、溶存酸素濃度、溶存水素濃度、次亜塩素酸濃度等が採用されている。これらパラメータの値は、電解原水に含まれる溶質の種類や濃度、電解水に付与された電解エネルギーの大きさ等により決定される。
アルカリイオン水を製造する場合、陰極側では水酸化物と溶存水素が生成するため、陰極水はpHが上昇してアルカリ性となり、溶存水素濃度が高くなる。そのため、アルカリイオン水の酸化還元電位は低くなり、時には比較電極の直読で−200mV以下になることもある。
酸化還元電位が低いことは還元的雰囲気状態であることを意味する。溶存水素の溶解度は極めて低く、体内に取り込んでも気体として散逸してしまうので、アルカリイオン水を飲用するに際しては、これらは重要なパラメータではない。
電解生成水を飲用する場合、最も重要なパラメータは次亜塩素酸濃度とpHの値である。陰極水の場合は次亜塩素酸が含まれないので、pHの値のみが問題になる。強アルカリ性や強酸性の電解水は生体にとって危険であるので、弱アルカリ〜弱酸性領域の電解水が飲用される。電解エネルギーが大きいと、陽極水は強酸性側に、陰極水は強アルカリ側に傾くので、通常は、電解時にはあまり大きな電気量は使用できない。
電解時に高い電気量を用いて得られる電解水のpHを所定範囲内に保つため、従来様々な方法が用いられている。例えば、無隔膜式電解槽により電解することにより、あるいは、隔膜式電解槽で電解した陽極水と陰極水とを混合することにより混合電解水を得た後、次亜塩素酸等の有害物質を除去する方法、隔膜式電解槽で電解を行う前又は後にpH調整剤を添加して陰極水のpHをコントロールする方法(特許文献4参照)等が知られている。
特開2002−18439号公報(図1) 特開2000−33377号公報(図1、2) 特開平11−169856号公報(請求項1) 特開2000−79391号公報(請求項1)
無隔膜式電解槽による電解や、隔膜式電解槽により電解後に混合電解水を得る方法は、陽陰両極の電解水を利用するので、水の有効利用という面からは有利である。ところが、隔膜式電解槽による電解を行い、陽極水又は陰極水のみを得る場合は、通常、他方の電極側に生成した電解水は廃棄される。実際、市販されているアルカリイオン水製造装置は、ほとんどのものが隔膜式電解槽から陽極水と陰極水を別々に排出する構造になっており、陰極側より排出される陰極水を飲用に供する一方で、陽極水については廃棄されている。このことは、水資源の有効利用という考え方に立脚すると、きわめて大きな損失となっている。
本発明の目的は、隔膜式電解槽を用いて電解水を製造する電解水製造装置であって、陽極水及び陰極水のいずれか一方を取り出して利用する場合であっても、他方を廃棄する必要のない電解水製造装置及び電解水の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、隔膜式電解槽の陽極室又は陰極室のうち、いずれか一方に流通させた後、他方へ流通させることにより得られる電解水は、最後に通過した電極室の影響を強く受けたものとなり、結果として陽極水又は陰極水のみが得られることを見出した。
更に、隔膜式電解槽の陽極室と陰極室の両方に電解原水を連続的に供給して電解を行うに際し、いずれか一方に流通させた電解水を取り出すと共に、他方を流通させた電解水を電解槽の上流側に戻して電解原水に混合し、再び電解槽内で電解することにより、陽極水又は陰極水のみを取り出すことができることを見出した。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 一対の電極を備え、前記電極間に張設された隔膜により陽極室及び陰極室が形成された流通型電解槽と、陽極室の入口側に連結された電解原水を陽極室に供給する電解原水供給管と、陰極室の出口側に連結され陰極室内の電解水を陰極室外に取出す電解水取出管と、陽極室の電解水出口側と陰極室の電解水入口側とを連結する流通管と、を有する電解水製造装置。
〔2〕 一対の電極を備え、前記電極間に張設された隔膜により陽極室及び陰極室が形成された流通型電解槽と、陰極室の入口側に連結された電解原水を陰極室に供給する電解原水供給管と、陽極室の出口側に連結され陽極室内の電解水を陽極室外に取出す電解水取出管と、陰極室の電解水出口側と陽極室の電解水入口側とを連結する流通管と、を有する電解水製造装置。
〔3〕 一対の電極を備え、前記電極間に張設された隔膜により陽極室及び陰極室が形成された流通型電解槽と、下流側が分岐し、陽極室の入口側及び陰極室の入口側にその下流端がそれぞれ連結された電解原水供給分岐管と、陰極室の出口側に連結された電解水取出管と、一端が陽極室の出口側に、他端が前記電解原水供給分岐管の分岐部よりも上流側に連結された還流管と、を有する電解水製造装置。
〔4〕 還流管がポンプを介装してなる〔3〕に記載の電解水製造装置。
〔5〕 一対の電極を備え、前記電極間に張設された隔膜により陽極室及び陰極室が形成された流通型電解槽と、下流側が分岐し、陰極室の入口側及び陽極室の入口側にその下流端がそれぞれ連結された電解原水供給分岐管と、陽極室の出口側に連結された電解水取出管と、一端が陰極室の出口側に、他端が前記電解原水供給分岐管の分岐部よりも上流側に連結された還流管と、を有する電解水製造装置。
〔6〕 還流管がポンプを介装してなる〔5〕に記載の電解水製造装置。
〔7〕 水溶性無機塩を0.1mM以上含有する電解原水を、隔膜式電解槽内の陽極室及び陰極室のいずれか一方の室に連続的に供給して流通させた後、他方の室に導入して流通させることにより連続的に電気分解する電解水の製造方法。
〔8〕 水溶性無機塩を0.1mM以上含有する電解原水を、隔膜式電解槽内の陽極室及び陰極室に連続的に供給し、陽極室と陰極室のいずれか一方に流通させて電解した電解水を外部に取り出すと共に、他方に流通させて電解した電解水を電解槽の上流側に還流させて電解原水に混合することを特徴とする電解水の製造方法。
〔9〕 陽極室と陰極室のいずれか一方から外部に取り出す電解水と、他方から電解槽の上流側に還流させる電解水の流量の比が、1:50〜50:1である〔8〕に記載の電解水の製造方法。
本発明によれば、電解原水を隔膜式電解槽の陽極室と陰極室のいずれか一方に供給した後他方に導入することにより、あるいは陽極室と陰極室の両方に電解原水を供給していずれか一方から電解水を取り出すと共に、他方を流通した電解水を電解槽の上流側に還流させることにより、陽極水又は陰極水のみを取り出すことができる。そのため、隔膜式電解水製造装置を用いて陽極水又は陰極水のみを取り出す場合であっても、他方を廃棄する必要がない。
本発明の電解水製造装置は、電解原水を全て陽極水又は陰極水として取り出すことができ、従来の隔膜式電解水製造装置に比較して電解原水の利用効率が極めて高い。また、pH調整剤の使用により、高い電解電流を印加しても、得られる電解水のpHを中性付近に保つことができる。更に、電解原水が電解槽内を一度通過する従来の製造装置に比較して、本発明の装置は電解槽内を電解原水が複数回通過する割合が高いので、解離係数Kwの大きい電解水を得ることができる。
図1は、本発明の電解水製造装置の一例を示す概略構成図である。
図1中、100は電解水製造装置で、1は流通型隔膜式電解槽である。断面四辺形の電解槽1の内部には、一対の対向側壁15、16に沿って一対の電極3及び5が配設されている。図1においては、電極5が陽極で、電極3が陰極である。
電極3、5間には、電極3及び5に平行に隔膜6が張設されている。隔膜6により電解槽1の内部空間は二分され、電解槽1内に陽極室4と陰極室2とが形成される。
図1中、17、18は、電極3、5に対して垂直な電解槽1の側壁を示している。側壁17の陽極室入口側には電解原水供給口11が、側壁17の陰極室電解水出口側には電解水取出口12が形成されている。電解原水供給口11には電解原水供給管9、電解水取出口12には電解水取出管10がそれぞれ連結されている。電解原水供給管9は、pH調整剤供給タンク8を備えている。
側壁18の陽極室電解水出口側には陽極水取出口13が、側壁18の陰極室電解水入口側には陽極水供給口14が形成されている。陽極水取出口13と陽極水供給口14には、流通管7の両端がそれぞれ連結されている。流通管7により、陽極室4と陰極室2とは連通される。
水道水や塩化ナトリウム水溶液等の電解原水は、pH調整剤供給タンク8により所望によりpH調整剤が添加された後、電解原水供給管9を通って電解槽1の陽極室4内に送られる。陽極室4内で電解された後、流通管7を通って陰極室2内に供給される。陰極室2内で再び電解された後、電解水取出管10を通って外部に電解水として取り出される。
この装置により得られる電解水は、陽極室4と陰極室2内で電解された電解水であるが、最後に通過した陰極室での電解による影響を強く受けた状態となっている。電解水製造装置100で、得られる電解水は陰極水である。
電解水製造装置100は、電解水が陽極室と陰極室で2度電解されるため、電解水に付与される単位流量あたりの電解エネルギーが、陽極室又は陰極室のみを流通させる従来の製造装置の2倍である。
電解水製造の際には、電極3、5間に直流電圧電流を印加する。
なお、電解原水に印加する電流は、毎分1Lの流速を有する電解原水に対して0.5A〜10Aが好ましく、1A〜5Aが特に好ましい。0.5A未満の場合は、電解水中の溶存酸素量及び溶存水素量を電解原水よりも高くすることができず、10Aを超える場合、大電流が流れるため、電極の疲労が高まり極端に電解効率が落ちる傾向がある。
電極3、5は電気化学的に不活性な金属材料で形成されている。電極材料としては、白金、白金合金等が好ましい。
電極3、5の間隔は3〜1mm、好ましくは2〜1mmである。
隔膜6としては、イオン交換膜や、無電荷膜等、電解隔膜として従来使用されているものが適宜使用できる。
電解槽1に供給される電解原水の流量は0.5〜10L/minが好ましく、より好ましくは1〜5L/minである。
電解原水の水溶性無機塩等のイオン強度は、各水溶性無機電解質の合計で0.1mM以上とすることが好ましく、0.1〜0.5mMとすることがより好ましい。電解原水には、通常水道水や電解質として塩化ナトリウムが添加された水が使用され、Cl-、HCl等の形態で塩素が含まれる。
得られる電解水のpHを所望のpHに調整するには、pH調整剤供給タンク8により、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基性電解質水溶液、又は、塩酸、リン酸等の酸性電解質水溶液を電解原水に添加することにより容易に行うことができる。pH調整剤の使用は任意であり、電解水の使用目的によってはpH調整剤は使用しなくてもよい。
上記説明においては、pH調整剤供給タンク8を電解原水供給管9に取り付ける場合について示したが、電解水取出管10や流通管7にpH調整剤供給タンクを取り付けてもよい。
得られる電解水を飲用等の目的で利用する場合、電解水に含まれる次亜塩素酸や塩素ガス等の遊離塩素の濃度が高い場合には、電解水を活性炭等で処理することにより容易に除去できる。この場合、電解水取出管10は、活性炭等の吸着剤を充填した遊離塩素除去装置を介装していてもよい。
本発明の電解水製造装置であって、陽極水を製造する装置の一例の概略構成図を図2に示す。図2においては、電極の極性が逆である以外は図1と同じ構成であるので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。図2中、200は電解水製造装置、20は陰極水取出口、21は陰極水供給口である。
図2においては、電解原水は最初に陰極室2内に供給され、陰極室2内で電解された後、流通管7を通って陽極室4内に供給され、陽極室4内で電解される。
陽極室4内においては、電解質溶液中に塩素イオンが存在すると酸化されて塩素ガスとなり、更に水に溶解した塩素ガスの一部が次亜塩素酸となる。塩素イオンから次亜塩素酸と塩素ガスが生成する割合は、溶液のpHによって変化する。殺菌等に利用する場合に、陽極水の遊離塩素の濃度を高くするには、電解原水の塩素イオン濃度を高くするとともに、pHを酸性側に調整する。具体的には、塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩化物電解質と塩酸との混合液をpH調整剤供給タンク8から電解原水に添加することにより、強酸性の次亜塩素酸を含む電解生成水を得ることができる。
図3は、本発明の電解水製造装置の他の例を示す概略構成図である。
図3中、300は電解水製造装置である。電解槽1の構成は、図1に示す電解槽の構成と同様である。
側壁17の陰極室入口側、及び陽極室入口側には、それぞれ電解原水供給口30、31が形成されている。電解原水供給口30、31には、分岐部37cより下流側が37a、37bに分岐した電解原水供給分岐管37の下流端がそれぞれ取り付けられている。
側壁18の陰極室出口側には陰極水取出口32が、陽極室出口側には陽極水取出口33が形成されている。陰極水取出口32には陰極水取出管34が、陽極水取出口33には還流管38が連結されている。還流管38には、三方バルブ36が介装されている。三方バルブ36には、陽極水取出管35の一端が連結されており、三方バルブ36を切り換えることにより、陽極水を装置外部に排出することが可能となっている。
還流管38の他端は、電解原水供給分岐管37の分岐部37cの上流側に連結されている。還流管38には、ポンプ39が介装される。
電解原水供給分岐管37は、pH調整剤供給タンク8を備えている。その下流の分岐管37aには、遊離塩素除去装置40が介装されている。
電解原水は、pH調整剤供給タンク8により、pH調整剤が添加された後、その一部は電解原水供給分岐管37aを通って電解槽1の陰極室2内に送られる。その後、陰極室2内で電解され陰極水となり、陰極水取出管34から外部に取り出される。
電解原水の一部は、ポンプ39を作動させることにより電解原水供給分岐管37bを通って陽極室4内に導入され、電解分解されて陽極水となる。陽極水は還流管38から取り出された後、電解原水供給分岐管37の分岐部37cより上流側に戻される。陽極水は電解原水供給分岐管37内で電解原水と混合され、再び電解原水の一部となって、pH調整剤供給タンク8を通過した後、陰極室2又は陽極室4に送られる。
陽極室4内で生成した遊離塩素は、陰極室2内に導入される際に遊離塩素除去装置40により除去される。
遊離塩素除去装置40には、遊離塩素を除去できる公知の材料を充填でき、例えば、活性炭、活性炭素繊維、ゼオライト等を挙げることができる。
なお、得られる陰極水を飲用目的としない場合には、遊離塩素除去装置40の使用は任意である。
得られる陰極水のpHを所望の値とするためには、図1の場合と同様な電解質水溶液をpH調整剤として添加する。
電解原水には陽極水を混合させることから、電解原水供給分岐管37の下流側を流通する電解原水のpHは、当初の電解原水より酸性側に傾いている。陰極室2内の陰極水はアルカリ性側に傾いているので、これらを混合することにより得られる陰極水はある程度中和される。
電解水製造装置300を用いる場合に、陰極室の出口側から外部に取り出す陰極水の流量と、陽極室の出口側から分岐部37cの上流側に還流させる陽極水の流量の比は、1:50〜50:1が好ましく、1:20〜20:1がより好ましく、1:10〜10:1が更に好ましい。
pH調整剤供給タンク8の取り付け位置は、図3の場合に限定されず、任意の位置とすることができる。遊離塩素除去装置40は、陰極水取出管34に取り付けられていてもよい。
使用する電解原水、pH調整剤や、電解電流、電極間距離、電解原水の流量等の好ましい値については図1の場合と同様である。
図3に示す装置においては、還流管38はポンプ39を介装しているが、ポンプ39は使用しなくてもよい。
ポンプ39を使用しない場合は、電解原水の一部は、破線矢印で示した経路により陽極室4から陰極室2へ導入される。すなわち、電解原水供給管37から還流管38を通って陽極室4内で電解された後、電解水供給分岐管37b、37aを通って陰極室2内で電解される。この場合も、陽極室4内で生成した遊離塩素を、遊離塩素除去装置40で取り除くことが可能である。また、pH調整剤供給タンク8により、陰極水のpHを所望の値とすることができる。
図4は陽極水を製造する本発明の電解水製造装置の一例を示す概略構成図である。図4に示す電解水製造装置400は、電極の極性が逆であること及び遊離塩素除去装置40がないこと以外は図3に示す装置と同じ構成であるので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。図4中、42は陽極水取出管、41は陰極水取出管である。
電解原水は、pH調整剤供給タンク8により、pH調整剤が添加された後、その一部は電解原水供給分岐管37aを通って電解槽1の陽極室4内に送られる。陽極室4内で電解された後、陽極水取出管42から外部に取り出される。
電解原水供給分岐管37bを流通した電解原水は、陰極室2内で電解分解され、還流管38から取り出され、ポンプ39により分岐部37cよりも上流側に戻される。
図4においても、破線矢印は、ポンプ39を使用しない場合に陰極室2を流通し陽極室に供給される電解原水の経路を示している。
pH調整剤供給タンク8により添加するpH調整剤は、図2の場合と同様である。
実施例1
図3に示す電解水製造装置300を用いて水道水を電解し、陰極水を製造した。但し、電解槽の内部空間は15cm×10cm×0.2cmの直方体であり、電解槽内に140mm×100mmの板状に形成した白金電極2枚を2mm間隔に挿入して陽極と陰極を配備した。隔膜には非電荷膜を使用した。この電解槽に水道水(合計塩素濃度15mg/L)を3L/minの流量で供給し、電極間を流れる電流は陰極室を流れる水の流速1L/minに対して1.5Aに設定した。pH調整剤には炭酸水素ナトリウム水溶液を、遊離塩素除去装置40の吸着剤には活性炭を使用した。ポンプ39は使用しなかった。還流管38を流れる電解原水の流量は、1.5L/minであった。
比較例1
図3に示す電解水製造装置300の三方バルブ36を陽極水が陽極水取出管35から外部に排出されるように切り換えて実施例1と同じ条件で陰極水を製造した。分岐管37aと37bを流れる電解原水の流量は、1:1であった。
実施例1及び比較例1で得られた陰極水のpH、酸化還元電位(ORP)、溶存酸素量(DO)、電気伝導度(EC)を測定した結果を表2に示す。
Figure 0004929430
実施例1においては、単位時間当たりの流量に対する電気量が比較例1より多くなっているにもかかわらず、陰極水のpHは比較例1より低く、中性になっている。また、ORPの値は比較例1より実施例1で高くなっており、表1の溶存酸素量の結果を併せて考慮すると、実施例1では、溶存酸素と溶存水素が共存しているものと推察できる。
試験例1
実施例1及び比較例1で得られた陰極水800mLを逆浸透膜で脱塩し、比較例1のpHを実施例1のpHと同じ値に調整した後、0.1M塩酸を10μLずつ添加しながら電気伝導度を測定した。結果を図5に示す。
図5において、変曲点は中和反応の終点を示している。変曲点における0.1M塩酸の添加量は、比較例1の陰極水が100μL付近であるのに対し、実施例1の陰極水は40μL付近である。
比較例1の陰極水の解離係数をKw1、中和滴定による滴定量をV1とし、実施例1の陰極水の解離係数をKw2、中和滴定による滴定量をV2とする。水の解離指数pKw=-logKwを比較すると、比較例1の解離指数は pKw1=14+log(V1/V0)、実施例1の解離指数は pKw2=14+log(V2/V0)となる。実施例1の滴定量V2が比較例1の滴下量V1より少ないので、pKw2<pKw1となり、実施例1の陰極水の方が水の解離係数Kwが大きいことがわかる。但し、V0は25℃における1気圧下でのコントロールの滴定量で、電解原水のpHを調整して陰極水のpHと同じ値にするのに要した滴定量である。一般に、水の解離係数Kwが大きくなると溶質を良く溶かしたり、溶質の反応性が高まることが知られており、実施例1の陰極水のほうがこれらの性質に優れていることがわかる。
実施例2
図4に示す電解水製造装置400を用いて0.2%の塩化ナトリウム水溶液を電解し、陽極水を製造した。但し、電解槽及び電極は、実施例1と同様のものを使用した。電解槽に塩化ナトリウム水溶液を3L/minの流量で供給し、電極間を流れる電流は陽極室を流れる水の流速1L/minに対して3Aに設定した。pH調整剤には塩酸を使用した。ポンプ39は使用しなかった。還流管38を流れる電解原水の流量は、1L/minであった。
比較例2
図4に示す電解水製造装置400の三方バルブ36を陰極水が陰極水取出管41から外部に排出されるように切り換えた以外は、実施例2と同じ条件で陽極水を製造した。分岐管37aと37bを流れる電解原水の流量は、1:1であった。
実施例2及び比較例2で得られた陽極水のpH、ORP、DO、遊離塩素濃度を表2に示す。
Figure 0004929430
実施例2においては、陰極水を電解原水に混合して陽極室に導入することにより、陰極水を廃棄することなく陽極水として再生することが可能となった。
本発明の電解水製造装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の電解水製造装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の電解水製造装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の電解水製造装置の他の例を示す概略構成図である。 実施例1及び比較例1で得られた陰極水の電気伝導度曲線を示すグラフである。
符号の説明
1 電解槽
2 陰極室
3 陰極
4 陽極室
5 陽極
6 隔膜
7 供給管
8 pH調整剤供給タンク
9 電解原水供給管
10 電解水取出管
11、30、31 電解原水供給口
12 電解水取出口
13、33 陽極水取出口
14 陽極水供給口
15、16、17、18 側壁
20、32 陰極水取出口
21 陰極水供給口
34、41 陰極水取出管
35、42 陽極水取出管
36 三方バルブ
37、37a、37b 電解原水供給分岐管
37c 分岐部
38 還流管
39 ポンプ
40 遊離塩素除去装置
100、200、300、400 電解水製造装置

Claims (7)

  1. 一対の電極を備え、前記電極間に張設された隔膜により陽極室及び陰極室が形成された隔膜式流通型電解槽と、下流側が分岐し、陽極室の入口側及び陰極室の入口側にその下流端がそれぞれ連結された電解原水供給分岐管と、陰極室の出口側に連結された電解水取出管と、一端が陽極室の出口側に、他端が前記電解原水供給分岐管の分岐部よりも上流側に連結された還流管と、前記電解原水供給分岐管の前記還流管との連結部と前記分岐部との間にPH調整剤供給部と、を有する電解水製造装置であって、
    前記電解水製造装置は、前記陽極室から取出される陽極水を前記陰極室へ導入する、任意に切替可能な第一の陽極水導入経路と第二の陽極水導入経路とを有し、
    前記第一の陽極水導入経路は、前記還流管と、前記電解原水供給分岐管の前記連結部より下流部分とからなり、前記PH調整剤供給部を備え、
    前記第二の陽極水導入経路は、前記電解原水供給分岐管の前記分岐部より下流部分からなる、電解水製造装置
  2. 一対の電極を備え、前記電極間に張設された隔膜により陽極室及び陰極室が形成された隔膜式流通型電解槽と、下流側が分岐し、陰極室の入口側及び陽極室の入口側にその下流端がそれぞれ連結された電解原水供給分岐管と、陽極室の出口側に連結された電解水取出管と、一端が陰極室の出口側に、他端が前記電解原水供給分岐管の分岐部よりも上流側に連結された還流管と、前記電解原水供給分岐管の前記還流管との連結部と前記分岐部との間にPH調整剤供給部と、を有する電解水製造装置であって、
    前記電解水製造装置は、前記陰極室から取出される陰極水を前記陽極室へ導入する、任意に切替可能な第一の陰極水導入経路と第二の陰極水導入経路とを有し、
    前記第一の陰極水導入経路は、前記還流管と、前記電解原水供給分岐管の前記連結部より下流部分とからなり、前記PH調整剤供給部を備え、
    前記第二の陰極水導入経路は、前記電解原水供給分岐管の前記分岐部より下流部分からなる、電解水製造装置
  3. 前記還流管はポンプを介装し、該ポンプを作動させることにより前記第一の陽極水流通経路または第一の陰極水導入経路を選択し、該ポンプを作動しないことにより前記第二の陽極水導入経路または第二の陰極水導入流通経路を選択する請求項1または請求項2のいずれかに記載の電解水製造装置の運転方法。
  4. 前記還流管において陽極室出口側に連結される一端または陰極室出口側に連結される一端のいずれかと前記還流管に介装されるポンプとの間に三方バルブを備え、前記三方バルブを介して、前記還流管に前記電解水取出管が連結される請求項3に記載の電解水製造装置。
  5. 水溶性無機塩を0.1mM以上含有する電解原水を、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の隔膜式流通型電解槽内の陽極室及び陰極室のいずれか一方に連続的に供給して流通させた後、他方に導入して流通させることにより連続的に電気分解する電解水の製造方法。
  6. 水溶性無機塩を0.1mM以上含有する電解原水を、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の隔膜式流通型電解槽内の陽極室及び陰極室に連続的に供給し、陽極室と陰極室のいずれか一方に流通させて電解した電解水を外部に取り出すと共に、他方に流通させて電解した電解水を電解槽の上流側に還流させて電解原水に混合することを特徴とする電解水の製造方法。
  7. 陽極室と陰極室のいずれか一方から外部に取り出す電解水と、他方から電解槽の上流側に還流させる電解水の流量の比が、1:50〜50:1である請求項に記載の電解水の製造方法。
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