JP4927069B2 - アルカンからカルボン酸を製造するための統合された方法 - Google Patents

アルカンからカルボン酸を製造するための統合された方法 Download PDF

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Description

本発明は、米国エネルギー省により付与されたインストゥルメント番号DE−FC36−O4GO14272で米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は、カルボン酸をその対応するアルカンから製造する統合された方法であって、エネルギー効率のよい触媒された脱水素化段階を用いて対応するアルケンを製造し、続いてこのアルケンを部分酸化してカルボン酸を製造する方法に関する。
モノマー、例えば、不飽和カルボン酸および不飽和ニトリルを製造するための周知の商業的方法は、典型的には、1種以上のアルケンから出発し、これらを、触媒気相酸化により所望のモノマー生成物に変換する。産業界の競争による圧力、およびアルカンとその対応するアルケン、例えば、それぞれプロパンとプロペン間の価格差を考慮して、アルカンを出発物質として使用して、最終的に低い全体的コストで所望のモノマーを製造する方法を開発する努力がなされている。
商業界である程度成功を収めている一つの方法の改良法は、アルカンをまず対応するアルケンに、好適な触媒の存在下で変換する上流反応段階を単に加えることである。結果として得られるアルケン(例えば、プロペン)を次に、アルケンを(例えば、アクリル酸を形成するためのプロペンの二段階酸化におけるように、まずアクロレインに、次いで所望のモノマー生成物に)酸化するための通例の酸化反応段階に供給する。例えば、欧州特許出願公開番号EP0117146および米国特許第5,705,684号はどちらも、アルカン(プロパン)を対応する不飽和カルボン酸(アクリル酸)に変換するための多段触媒方法を記載しており、この方法は、1種以上の好適な触媒を有する初期アルカン−アルケン変換段階を含み、アルケンを含む生成物流れを生じさせ、この流れを1以上の下流酸化段階に供給する。アルカンの、その対応するアルケンへの変換を触媒する様々な触媒および方法が知られている。
例えば、必須元素として、Mo−Sb−WまたはCr−Sb−W、並びにV、Nb、K、Mg、Sn、Fe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属を有する混合金属酸化物触媒は、10%より高い一回通過収率で、プロパンを酸化的脱水素化してプロペンにするために有用であることが示された(米国特許第6,239,325号)。酸化ジルコニウム担体上のPd−Cu/Mn触媒は、エタンの酸化的脱水素化も触媒し、エタンに対する選択性は70%〜80%の範囲であり、コークス形成を減少させた(米国特許出願公開番号2005/0124840)。さらに、エタンのMo−V−Te−Nb系混合金属酸化物触媒の存在下での酸化的脱水素化は、エテンを50%もの収率で生成させ、一例では60%を超える収率で生成させることが示された(米国特許出願公開番号2005/0085678)。バナジウム−アルミニウム系混合金属酸化物触媒は、Cr、Zn、FeおよびMgの1種以上の追加の金属酸化物の有無にかかわらず、プロパン、n−ブタン、イソブタン、イソペンタンの、それらの対応するアルケンへの、酸素の存在下での変換を触媒でき、コークス形成を最小限に抑えつつ、比較的高いアルケン選択性を達成し、これにより、触媒再生の必要性を最小限にすることが知られている(米国特許第4,046,833号)。Zhaorigetuら(1996)は、1以上の希土類金属(La、Ce、Pr、SmおよびEr)で促進された、担持されていないバナジウム系触媒上でのプロパンの酸化的脱水素化は、酸素に加えて、二酸化炭素を反応ゾーンに提供することにより、向上させることができたことを示した(Zhaorigetu、B.;Kieffer,R.;Hinderman J.−P.,”Oxidative Dehydrogenation of Propane on Rare Earth Vanadates.Influence of the Presence of CO2 in the feed.”Studies in Surface Science and Catalysis、1996、101、1049〜1058)。
発熱的であるので、酸化的脱水素化方法を連続して行う場合、過剰の熱を連続的に除去しなければならず、これにより、資本支出および操作費が増大する。酸化的脱水素化の別の欠点は、この方法をさらに高い、商業的に有用なアルカン変換率で行う場合に、アルケンに対する選択性が減少する傾向があることである。従って、実際に、これらの方法は、低い変換率(100%をはるかに下回る)で行われる傾向があり、このことにより、その生成物収量が限定され、一般に、商業的規模の方法における使用について経済的に不適当になる。
他の触媒は、「弱い」酸化剤、例えば、水蒸気または二酸化炭素の存在下で、アルカンの吸熱的脱水素化を触媒して、対応するアルケンを形成することが知られている。吸熱的脱水素化触媒は、酸素の非存在下でより良好に機能するものもあれば、少量の酸素が弱い酸化剤とともに存在することを許容し、活性の著しい損失がないものもある。担持されたバナジウム系触媒(Li、Na、KまたはMgで促進されたもの)は、「ソフトな酸化剤」、即ち、二酸化炭素の存在下でエチルベンゼンを脱水素化して、酸素の非存在下で、約98〜99%の選択率でスチレンを生成させることが示されている(Li,X.−H.;Li,W.−Y.;Xie,K.−C.,“Supported Vanadia Catalysts for Dehydrogenation of Ethylbenzene with CO2”、Catalyst Letters、2005年12月、第105巻、3〜4号)。Duryら(2002)は、ニッケル−モリブデン系触媒の存在下でプロペンを形成するためのプロパンの酸化的脱水素化に様々な量で二酸化炭素を提供して、変換率は増大するが(約18〜28%)、選択率は減少することを見出した(Dury,F.;Gaigneaux,E.M.,Ruiz,P.,“The Active Role of CO2 at Low Temperature in Oxidation Processes:The Case of the Oxidative Dehydrogenation of Propane on NiMoO4 catalysts”、Applied Catalysis A:General 242(2003)、198〜203)。Duryらは、二酸化炭素は脱水素化反応において不活性であるという従来の予想に反して、二酸化炭素はプロパンの脱水素化においては、酸素の非存在下でさえも積極的に関与することを証明した。Takehiraらは、メソ多孔性MCM−41、Cab−O−Sil、および酸化ケイ素をはじめとするケイ素含有担体物質上に担持された様々な金属酸化物触媒(Cr、Ga、Ni、V、Fe、MnおよびCo)の活性を試験し、MCM−41上に担持されたCr系触媒が、二酸化炭素の存在下でプロパンを脱水素化してプロペンを形成することについて最良の結果をもたらすことを見出した。Takehira,K.;Oishi,Y.;Shishido,T.;Kawabata,T.;Takaki,K.;Zhang,Q.;およびWang,Y.,“CO2 Dehydrogentaion of Propane over Cr−MCM−41 Catalyst”、Studies in Surface Science and Catalysis、2004、153、323〜328。
明らかに、吸熱脱水素化方法では、方法に対して熱を加える必要がある。これらは、典型的には、炭化水素燃料(脱水素化させるアルカンと異なることが多い)を炉または他の容器中で、酸素を用いて燃やす(即ち、燃焼させる)ことを含み、その結果、初期資本投資および継続中の燃料消費の増加により費用が増大する。
欧州特許出願公開番号EP1112241(EP’241)は、この問題を取り扱うために設計された方法を記載する。別の燃料を燃焼させて熱をしょうじさせるのではなく、この開示された方法は、脱水素化されるアルカンの一部を、酸素を用いて、好適な燃焼触媒の存在下で燃焼させ、燃焼生成物(即ち、炭素酸化物および水)、未消費酸素および未消費アルカンを含有する加熱された流れを生じることを含む。この加熱された流れを吸熱的触媒脱水素化反応段階に直接供給し、この段階で、未反応アルカンは好適な脱水素化触媒の存在下で対応するアルケンに変換される。
最近になって、国際特許出願公開番号WO2004/054945(WO’945)は、前記二段発熱−吸熱プロセスに改善をもたらし、これは、点火源、たとえば、口火または火花点火を置換し、アルカンの一部を燃焼させて、未反応アルカン、および燃焼生成物(即ち、炭素酸化物、水および熱)、または合成ガス(即ち、一酸化炭素および水素)のいずれかを含む加熱された流れを生じることにより、燃焼触媒の必要性を排除する。
このように、EP’241およびWO’945の両方法において、アルカンフィードを予熱するために別々に提供される炭化水素燃料を燃焼させる必要性は回避される。しかし、アルカン反応物質の一部は消費され、脱水素化段階において所望の生成物に変換するためにあまり利用できなくなる。さらに、燃焼生成物は付随的に形成され、これにより、所望のアルケン生成物の量には貢献しないで、望ましくない副生成物の量が増加する。実際、アルカン反応物質自体の一部が燃焼される場合、これらの供給源によりわかるように、脱水素化反応に利用可能なアルカンの量は減少し、生成する所望のアルケン生成物は少ない。
欧州特許出願公開第EP0117146号明細書 米国特許第5,705,684号明細書 米国特許第6,239,325号明細書 米国特許出願公開第2005/0124840明細書 米国特許出願公開第2005/0085678明細書 米国特許第4,046,833号明細書 欧州特許出願公開第EP1112241号明細書 国際公開第WO2004/054945号パンフレット
Zhaorigetu,B.;Kieffer,R.;Hinderman J.−P.,"Oxidative Dehydrogenation of Propane on Rare Earth Vanadates.Influence of the Presence of CO2 in the feed."Studies in Surface Science and Catalysis、1996、101、1049〜1058 Li,X.−H.;Li,W.−Y.;Xie,K.−C.,"Supported Vanadia Catalysts for Dehydrogenation of Ethylbenzene with CO2"、Catalyst Letters、2005年12月、第105巻、3〜4号 Dury,F.;Gaigneaux,E.M.,Ruiz,P.,"The Active Role of CO2 at Low Tempertaure in Oxidation Processes:The Case of the Oxidative Dehydrogenation of Propane on NiMoO4 catalysts"、Applied Catalysis A:General 242(2003)、198〜203 Takehira,K.;Oishi、Y.;Shishido,T.;Kawabata、T.;Takaki、K.;Zhang、Q.;およびWang,Y.,"CO2 Dehydrogentaion of Propane over Cr−MCM−41 Catalyst"、Studies in Surface Science and Catalysis、2004、153、323〜328
従って、この分野において今日まで取り組まれてきたが、産業界では、低級アルカンのその対応するアルケンへの脱水素化のコストを最小限に抑えつつ、アルケンの全体的な生産の増加(即ち、アルケン選択性および収率の増加)の前記課題への取り組みが続いている。アルカンをその対応するアルケンに変換するための改善された方法および触媒系であって、所望の生成物アルケンの改善された選択性および収率をもたらす方法および触媒系の開発は、業界では歓迎されるであろう。本発明の方法および触媒はこれらの必要性に応えると考えられる。
本発明は、不飽和カルボン酸または不飽和ニトリルを対応するC−Cアルカンから製造する方法を提供する。この方法は、A)C−Cアルカンおよび酸素を発熱反応ゾーンで上流触媒と接触させ、ここで、上流触媒は、酸素の存在下でC−Cアルカンをその対応するC−Cアルケンに発熱的に変換するために触媒的に活性である;およびB)発熱反応ゾーンで、C−Cアルカンの一部を対応するC−Cアルケンに発熱的に変換して、対応するC−Cアルケン、未反応C−Cアルカン、および前記発熱的に変換する工程により生じた熱を含む加熱混合生成物ガスを生じさせることを含む。この方法はさらに、C)加熱混合生成物ガスおよび弱い酸化剤を吸熱反応ゾーンで下流触媒と接触させ、ここで、下流触媒は、弱い酸化剤の存在下で、未反応C−Cアルカンを対応するC−Cアルケンに吸熱的に変換するために触媒的に活性である;D)吸熱反応ゾーンで、未反応C−Cアルカンの少なくとも一部を対応するC−Cアルケンに吸熱的に変換して、少なくとも、それぞれの反応ゾーンで生じた対応するC−Cアルケンを含む累積生成物流れを生じさせることを含む。累積生成物流れを次にE)冷却し、乾燥した後、F)溶媒で吸収することにより、C−Cアルケン、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を冷却された累積生成物流れから分離して、分離されたC−Cアルケン、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を含む有機物に富む溶媒(organic−rich solvent)流れ、ならびに吸収されなかった成分を含む流れを生じさせる。C−Cアルケン、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を、H)有機物に富む溶媒流れから分離して、回収されたC−Cアルケン、C−Cアルカンおよび二酸化炭素を含む回収流れを生じさせる。酸化反応を促進できる少なくとも1種の触媒の存在下で、C−Cアルケンを含む回収流れを酸化して、対応する不飽和カルボン酸またはニトリルを含む酸化生成物流れを生じさせる。この酸化生成物流れを分離して、I)対応する不飽和カルボン酸またはニトリルを含む水性酸化生成物流れ、ならびに未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を含むガス流れを形成する。最後に、本発明の統合された方法は、ガス流れを乾燥し、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素をこれから分離し;そしてK)分離された未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を発熱的に変換する工程に再循環させることを含む。
一つの実施形態において、上流触媒は:A)Pt、Pd、Rh、IrおよびRuから選択される1種以上の貴金属を含む触媒;ならびにB)Li、Mo、W、V、Nb、Sb、Sn、Ga、Zr、Mg、Mn、Ni、Co、Ceおよび希土類金属から選択される金属の少なくとも1種の酸化物を含む触媒;からなる群から選択される少なくとも1種の触媒組成物を含む酸化的脱水素化触媒を含む。
一つの実施形態において、下流触媒は:A)酸化クロム、並びに場合によって、Mo、W、V、Ga、Mg、Ni、Fe、アルカリ元素、アルカリ土類元素および希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含む触媒;B)酸化バナジウム、並びに場合によって、Li、Na、KおよびMgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む触媒;C)白金、並びに場合によって、ナトリウム、カリウム、セシウム、レニウムおよびスズからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む触媒;ならびにD)Ga、Fe、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む触媒;からなる群から選択される少なくとも1種の触媒組成物を含む吸熱的脱水素化触媒を含む。
本発明の方法の特定の実施形態において、C−Cアルカンはプロパンを含み、対応するC−Cアルケンはプロペンを含み、弱い酸化剤は二酸化炭素を含み、不飽和カルボン酸はアクリル酸を含む。
もう一つ別の実施形態において、酸化工程H)は、二段階気相触媒酸化により行われ、この場合、第一酸化反応ゾーンは、C−Cアルケンを対応するアルデヒドへ変換することを触媒できる第一酸化触媒を含み、第二酸化反応ゾーンは、第一酸化反応ゾーンの下流に位置し、第一酸化触媒と異なり、対応するアルデヒドを対応する不飽和カルボン酸またはニトリルへ変換することを触媒できる第二酸化触媒を含む。
さらに別の実施形態において、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を、下流プロセス流れから、圧力スイング吸収システム(pressure swing absorption system)を用いて分離し、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を発熱反応ゾーンに再循環させる。
以下で論じる実施形態から、添付の図面を参照して、本発明のさらに完全な理解が得られるであろう。
図1は本発明の方法の一般化概略図である。 図2は本発明の方法の第一の具体例の概略図である。 図3は本発明の方法の第二の具体例の概略図である。
本発明は、不飽和カルボン酸を対応するC−Cアルカンから製造する方法を提供し、本発明は、C−Cアルカンをその対応するC−Cアルケンに変換し、熱を生じる発熱的酸化的脱水素化反応、ならびに発熱反応からの生成物流れおよび熱を受け取り、追加量のC−Cアルカンを同じ対応するC−Cアルケンに変換する下流の吸熱的脱水素化反応を含む。生成物C−Cアルケンを次に二段階気相触媒部分酸化に付して、対応する不飽和カルボン酸を得る。これら反応は順次行われ、発熱反応において付随的に発生する熱をその後、吸熱的脱水素化反応において用いて、追加量のアルケンを生成させ、これを次に直接、連続して部分酸化プロセスに提供するように統合される。発熱的および吸熱的脱水素化反応を前記の統合された様式で操作することにより、追加の燃料についての必要性を最小限に抑え、かつ生成物アルケンに対する全体的な選択性および収率を増大させ、この生成物アルケンを次に部分酸化リアクターに直接提供することができ、これにより不飽和カルボン酸の選択性および収率を増大させる。
明確にするために次の定義および意味が規定され、以下で使用される。
「炭化水素」という用語は、少なくとも1つの炭素原子および少なくとも1つの水素原子を含む化合物を意味する。
本明細書において用いられる場合、「C〜Cアルカン」という用語は、例えば、エタン、プロパンおよびブタンなどのアルカン分子あたり2から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルカンを意味し、これらは典型的には通常の温度および圧力(例えば、少なくとも10℃、1気圧)で気相である。従って、「C〜Cアルケン」という用語は、例えば、エテン、プロペンおよびブテンなどのアルケン分子あたり2から4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケンを意味する。
「対応するC〜Cアルケン」という用語は、アルケン分子あたり、検討中のアルカンと同じ数の炭素原子を有するアルケンを意味する。
「対応するC〜C不飽和カルボン酸」という用語は、カルボン酸分子あたり、出発アルケンと同じ炭素原子数を有する不飽和カルボン酸を意味する。
さらに、本明細書において用いられる場合、「C〜Cアルカンおよびアルケン」という用語は、前記C〜Cアルカンならびにその対応するC〜Cアルケンの少なくとも1種を包含する。同様に、本明細書において、「C〜Cアルカン」、または「C〜Cアルケン」、または「C〜Cアルカンおよびアルケン」という用語とあわせて用いられる場合、「これらの混合物」という用語は、アルカン分子あたり2から4個の炭素原子を有する少なくとも1種の前記アルカン、およびアルケン分子あたり検討中のアルカンと同じ炭素原子数を有するアルケンを含む混合物を意味し、例えば、プロパンおよびプロペンの混合物、またはn−ブタンおよびn−ブテンの混合物があげられるがこれらに限定されない。
「不活性」物質は、時として「希釈剤」とも称され、実質的に不活性である任意の物質、即ち、関心のある特定の反応に関与せず、この反応により影響を受けず、および/またはこの反応において不活性な物質である。例えば、窒素は、アルカンをその対応するアルケンに変換する反応において不活性である。さらに具体的な例として、窒素は、プロペンをプロパンから製造する酸化的脱水素化反応において不活性である。酸化反応において有用な混合金属酸化物触媒がジルコニウム系物質上に担持されている触媒との関連で、このジルコニウム系物質は不活性であるとみなされ、従って、混合金属酸化物触媒により触媒される酸化反応に直接影響を及ぼさず、かつ直接影響を受けない。(むしろ、理論に限定されないが、ある担体物質、例えば、ジルコニウムは触媒と直接相互作用し、これは次に酸化反応の変換率、選択性などに影響を及ぼし得ると考えられる。)
本明細書において用いられる「酸素含有ガス」という用語は、0.01%から100%までの酸素または酸素含有化合物を含むガス、例えばこれらに限定されないが:空気、酸素富化空気、亜酸化窒素、二酸化窒素、純粋な酸素、純粋な酸素または酸素含有化合物と少なくとも1種の不活性ガス、例えば窒素との混合物、およびこれらの混合物を意味する。酸素含有ガスは純粋な酸素ガスであってもよいが、純度が特に必要とされない場合は、酸素含有ガス、例えば、空気を用いるのが、通常、より経済的である。
本明細書において用いられる「酸化的脱水素化」とは、炭化水素および酸素が反応して、1以上の水素原子が炭化水素から除去されて、酸化生成物を生じさせる化学反応を意味する。従って、この用語が本明細書において用いられる場合、酸化的脱水素化は、必要とされる酸素を生じさせるために、酸素含有ガスまたはガス状酸素含有化合物を必要とする。
本明細書において用いられる「発熱的酸化的脱水素化」は、酸化生成化合物に加えて熱を生じる酸化的脱水素化方法を意味する。
本明細書において用いられる「吸熱的脱水素化」とは、1以上の水素原子が炭化水素から除去され、熱を消費し、従って熱を反応の外部源から供給する必要がある化学反応を意味する。
範囲の端点は、限定的であると考えられ、かつこれらの許容範囲内に当業者の知識範囲内の他の値、例えばこれらに限定されないが、本発明に関連する個々の端点と有意でない差しかない値を組み込んでいると認められる(言い換えると、端点は、各端点に対して「約」または「近い」または「付近」の値を組み込んでいると解釈されるべきである)。本明細書において記載される範囲および比率の限度は組み合わせ可能である。例えば、特定のパラメータについて1〜20および5〜15の範囲が言及される場合、それにより1〜5および1〜15、5〜20、または15〜20の範囲も意図され、包含される。
本発明の方法は、そのそれぞれが特定のC−Cアルカンを同じ対応するアルケンに変換する、逐次的な、熱的に統合された脱水素化反応DH(図1参照);ならびにC−Cアルケン生成物を対応する不飽和カルボン酸に変換する下流の部分酸化反応PO(図1参照);を含む。熱的に統合された脱水素化プロセスDHは、いずれかの脱水素化反応単独よりも大きな全体収率で、より大きな全体的熱効率を伴って、対応するC−Cアルケンを生成させ、その後の部分酸化反応POからの対応する不飽和カルボン酸の最終的収率も、対応するC−Cアルケンから不飽和カルボン酸を生成させる通常の公知酸化方法と比較して増加される。
全体的な統合された方法、ならびこの方法での使用に適した触媒をまず一般的に説明する。次に、本発明の典型的な実施形態である、プロパンをプロペンに変換し、続いてプロペンを二段階気相部分酸化により不飽和カルボン酸(即ち、アクリル酸)を生成させるための発熱酸化的脱水素化反応と吸熱脱水素化反応の組み合わせの詳細な記載が説明され、実施例に記載される。
典型的な実施形態の特異性にもかかわらず、当業者は、関連する技術分野の当業者の通常の技量および一般的な知識に従って、本発明が他の種の反応および生成物に適用可能であり、必要で望まれるならば修正および変更されることを認識し、理解するであろう。例えば、本発明の方法は、当業者により様々な炭化水素、例えば、イソプロパン、エタンおよびエチルベンゼンを脱水素化するために容易に適応され得る。
図1に示される本発明の統合された方法の概略図を参照する、一般に、C−Cアルカン10および酸素12を上流触媒(それ自体は示さず)と発熱反応ゾーン14中で接触させる。上流触媒は、酸素の存在下での、C−Cアルカンの対応するC−Cアルケンへの発熱的変換について触媒的に活性である。酸素12は、当業者に周知のように、酸素含有ガスの形態で供給することができる。C−Cアルカン10および酸素12は発熱反応ゾーン14に別々に、かつ同時に供給されることができるか(図1に示すとおり)、またはそれらは一緒に混ぜられ(図には示さない)、得られた混合流れが発熱反応ゾーン14に供給されうる。1種以上の不活性物質、または希釈剤13も、発熱反応ゾーン14に、別々に、またはC−Cアルカン10および酸素12のいずれか、または両方と混合して供給することもできる。好適な希釈剤としては、窒素、二酸化炭素、希ガスおよび水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない。発熱反応ゾーン14への全フィード組成は、例えば、フィード物質の全体積基準で、5〜50体積%のアルカン、2〜30体積%の酸素、0〜50体積%の二酸化炭素、および残りの窒素であってよい。吸熱反応ゾーンに適したフィード組成の別の例は、限定されるものではないが、フィード物質の全体積基準で、5〜20体積%のアルカン、2〜15体積%の酸素、10〜40体積%の二酸化炭素、および残りの窒素であってよい。
−Cアルカンの一部は、発熱反応ゾーン14において発熱的に変換されて、少なくとも対応するC−Cアルケン、未反応C−Cアルカン、およびC−Cアルカンの前記部分の発熱的変換により生じる熱を含む、加熱された混合生成物ガス16を生じる。加熱された混合生成物ガス16は、一酸化炭素、二酸化炭素、他の炭素含有化合物、および水をはじめとするが、これらに限定されない化合物をさらに含むことができる。
さらに図1を参照して、本発明の方法は、加熱された混合生成物ガス16および穏やかな酸化剤、例えば、二酸化炭素18を、吸熱反応ゾーン20において、下流の触媒(それ自体は示さず)と接触させることをさらに含む。下流触媒は、未反応C−Cアルカンの、発熱反応ゾーン14において生成するのと同じ対応するC−Cアルケンへの吸熱的変換について触媒的に活性である。二酸化炭素18を吸熱反応ゾーン20へ、当業者に周知の方法で供給することができる。例えば、図1に示すように、二酸化炭素18を独立した流れとして直接、吸熱反応ゾーン20に、加熱された混合生成物ガス16と同時に供給することができる。本明細書において示されない他の選択肢としては、これに限定されないが:二酸化炭素18を加熱された混合生成物ガス16とまぜた後、吸熱反応ゾーン20へ供給すること、または二酸化炭素18を発熱反応ゾーン14への1以上のフィード流れ(即ち、C−Cアルカン10および酸素12の一方または両方)に混ぜることが挙げられる。1種以上の不活性物質、または希釈剤19も、吸熱反応ゾーン20へ、別々に、または加熱された混合生成物ガス16および二酸化炭素18のいずれか、または両方と混合して供給することができる。好適な希釈剤としては、これらに限定されないが、窒素、希ガスおよび水蒸気が挙げられる。吸熱反応ゾーン20へのフィード組成物は、例えば、フィード物質の合計体積基準で、5〜50体積%のアルカン、0〜5体積%の酸素、10〜80体積%の二酸化炭素、および残りの窒素であってよい。吸熱反応ゾーンに適したフィード組成物の別の例は、限定されるものではないが、フィード物質の合計体積基準で、5〜20体積%のアルカン、0〜2体積%の酸素、20〜60体積%の二酸化炭素、および残りの窒素であってよい。
未反応C−Cアルカンの少なくとも一部を、吸熱反応ゾーン20において吸熱的に変換して、累積生成物流れ22を生じさせ、これは少なくとも、発熱および吸熱反応ゾーン14、20のそれぞれにおいて形成された対応するC−Cアルケンを含む。累積生成物流れ22は、1種以上の次の化合物:未反応C−Cアルカン、未反応酸素、未反応二酸化炭素、ならびに他の化合物、例えば、これに限定されないが、一酸化炭素、水蒸気、および水素も含むことができる。累積生成物流れ22をさらに処理して、未反応の反応物質および他の化合物の少なくとも一部をこの累積生成物流れ22から分離することにより、所望の対応するC−Cアルケン生成物を精製することができる。分離された未反応の反応物質を脱水素化反応ゾーンの一方または両方に再循環させて戻してもよいし、あるいは他の方法で使用するか、もしくは廃棄してもよい。例えば、累積生成物流れ22を1以上の中間的処理24、例えば限定されるものではないが、乾燥、圧縮、およびストリッピングに付して、少なくとも未反応プロパン、プロペン、および二酸化炭素を含む酸化フィード流れ22aを生じさせることができ、これを次に、以下で詳細に記載するように、部分酸化反応ゾーン28、30に供給することができる。
反応物質(C−Cアルカン、酸素、二酸化炭素など)を発熱および吸熱反応ゾーンのそれぞれへ供給する量および方法の決定は、一般的に入手可能な知識ならびに特定の反応、所望の生成物、および反応ゾーンにおいて使用するために選択された触媒に基づいて、充分に、当該技術分野の当業者の能力の範囲内のことである。例えば、二酸化炭素が選択された上流触媒の性能を妨害することが予想される場合、二酸化炭素を、発熱反応ゾーンに供給される初期反応物質(C−Cアルカンおよび酸素)と混ぜるべきではなく、むしろ、加熱された混合生成物ガスと混ぜるか、または吸熱反応ゾーンに直接供給すべきである。反対に、二酸化炭素を吸熱反応ゾーンに、直接または加熱された混合生成物ガスと混ぜて供給することができない場合、二酸化炭素の存在を許容できる上流触媒を選択するべきである。下流触媒の性能が酸素の存在により悪影響を受ける場合、酸化的反応ゾーンにおける操作条件(例えば、温度および床サイズ)を酸素の全消費量に関して調節することができ、その結果、吸熱反応ゾーンに提供される加熱混合生成物ガスは、好適には酸素を含まないであろう。
本発明の方法での使用に適した触媒は、特に制限されず、当該技術分野において一般的に知られている。好適な上流および下流触媒は、単に、それぞれ、発熱および吸熱反応ゾーンのそれぞれにおいて起こる特定の反応について触媒的に活性なものである。
上流および下流触媒は、現在または将来において、当該技術分野において公知の好適な方法により製造することができる。例えば、触媒は、初期湿潤含浸(incipient wetness impregnation)、化学蒸着、熱水合成、塩融解法、共沈、および他の方法により、製造することができる。以下でさらに詳細に議論するように、C−Cアルカンを発熱または吸熱的に変換して対応するC−Cアルケンを生成させることについて活性な触媒は、典型的には、1種以上の金属および/または金属酸化物を含む。加えて、上流および下流触媒のいずれかまたは両方は、例えば、好適な金属または金属酸化物で促進されることができる。
さらに、上流および下流触媒のいずれかまたは両方は、担体物質をさらに含むことができる。触媒物質を当該技術分野において公知の任意の方法および任意の時点で、例えばこれに限定されないが、触媒物質の製造中、焼成前または焼成後、およびさらにはプロモータの添加前または添加後などに、担体に適用することができる。典型的かつ好適な担体物質としては、これらに限定されないが:酸化マグネシウム、ジルコニア、安定化ジルコニア、ジルコニア安定化アルミナ、イットリウム安定化ジルコニア、カルシウム安定化ジルコニア、アルミナ、チタニア、シリカ、マグネシア、窒化物、炭化ケイ素、コージライト、コージライト−アルファアルミナ、アルミナ−シリカ、マグネシア、ケイ酸ジルコン、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、シリカ−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−セリア、およびこれらの組み合わせが挙げられる。さらに、好適な触媒担体は、希土類金属酸化物、混合金属酸化物、メソ多孔性物質、耐火性物質、およびこれらの組み合わせを含むことができる。担体は、触媒が使用される操作条件を維持するために望まれる適切な構造安定性を達成するために、修飾、安定化、または前処理することができる。
担体は、ワイヤガーゼ(wire gauzes)、モノリス、粒子、ハニカム、リングなどの形状であり得る。担体が粒子の形態である場合、粒子の形状としては、特に制限されず、顆粒、ビーズ、ピル、ペレット、円筒、三葉(trilobes)、球、不整形などが挙げられる。
モノリスは、典型的には、連続製造の物質の単一片、例えば、金属または金属酸化物の小片、発泡体物質またはハニカム構造を含む。所望により、反応ゾーンは、互いに積み重なった2以上のかかる触媒モノリスを含み得ることが当該技術分野においては知られている。例えば、触媒は、コージライトまたはムライトで作られた耐熱性酸化物「ハニカム」直線的チャンネル押出物もしくはモノリス、または圧力降下が最小で高い空間速度を可能にする縦長チャンネルもしくは通路を有する構造でありうるか、またはその上に担持させることができる。
さらに、触媒物質をウォッシュコートとしてモノリス担体上に、当業者に公知の方法により堆積させることができる。さらに、担体物質をウォッシュコートとして堆積させ、連続して、この担体物質ウォッシュコートを活性触媒物質、例えばこれに限定されないが、酸化バナジウムまたは白金で含浸させ、続いて組み合わされた担体および触媒物質を焼成することにより、触媒物質をモノリス担体と組み合わせることができる。
モノリス担体は、安定化ジルコニア(PSZ)発泡体(Mg、CaまたはYで安定化)、またはα−アルミナ、コージライト、セラミック、チタニア、ムライト、ジルコニア安定化α−アルミナ発泡体、またはこれらの混合物を含むことができる。モノリス担体は、金属およびこれらの合金、例えば、アルミニウム、スチール、フェクラロイ、ハスタロイ、および当業者に公知の他のものから作ることもできる。さらに、他の耐火性発泡体および非発泡モノリスは、満足できる担体として機能し得る。プロモータ金属前駆体および任意のベースメタル前駆体を、セラミック酸化物担体形成成分の有無にかかわらず、押し出して、三次元形態または構造、例えば、ハニカム、発泡体または他の好適な蛇行経路または直線状経路構造を製造することができる。
当業者には明らかなように、発熱および吸熱反応ゾーン14、20は、1つのリアクター(図1には図示しないが、図2および3参照)中に含まれ、このリアクターは、当該技術分野において公知の任意の好適なリアクター、例えばこれらに限定されないが、バッチリアクター、撹拌槽リアクター、連続撹拌槽リアクター(CSTR)、管状リアクター、シェル・アンド・チューブ熱交換リアクター、マルチプルパスリアクター、マイクロチャンネルを有するリアクター、短接触時間リアクター、触媒固定床リアクター、および前記特性の組み合わせを有するリアクターであってよい。各反応ゾーン14、20を、そのかわりに、別のリアクター(図に示さず)、およびリアクターの様々な組み合わせ内に配置し、反応ゾーンを配列することができる。操作温度、または触媒組成、もしくは触媒濃度、または当業者に公知の他の方法で異なるサブゾーン(図に示さず)を各反応ゾーン14、20は含んでも、含まなくてもよい。さらに、上流および下流触媒は、そのそれぞれの反応ゾーン中、任意の好適な配置の構造、例えばこれに限定されないが、固定床、流動床、およびスパウト(spouted)床にすることができる。このような構造はすべて当該技術分野において周知である。
以下で典型的な実施形態と併せてさらに詳細に議論するように、所望の特定の生成物、ならびに所望の生成物を製造するために選択された反応および触媒に応じて、発熱および吸熱反応ゾーンのそれぞれについての適切な操作条件を選択することは、関連する技術分野における当業者の能力の範囲内のことである。
ある典型的な実施形態において、上流触媒は、酸素を用いてC−Cアルカンの発熱的触媒酸化的脱水素化を触媒して、対応するC−Cアルケンおよび熱をもたらす酸化的脱水素化触媒(ODH触媒)であることができる。さらに、上流触媒は、例えば、固定床、管状リアクター中に含まれ得る。
当業者は、本発明の方法に従って発熱反応ゾーンにおいてうまく使用できる様々なODH触媒を熟知しているであろう。ODH触媒の好適なカテゴリーとしては、Pt、Pd、Rh、IrおよびRuから選択される1種以上の貴金属を含む触媒;ならびにLi、Mo、W、V、Nb、Sb、Sn、Ga、Zr、Mg、Mn、Ni、Co、Ceおよび希土類金属から選択される金属の少なくとも1種の酸化物を含む触媒;が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、必須元素として、Mo−Sb−WまたはCr−Sb−W、並びにV、Nb、K、Mg、Sn、Fe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属を有する混合金属酸化物触媒;バナジウム−アルミニウム系の混合金属酸化物触媒、これはNb、Cr、Zn、Fe、Mo、Mgおよび希土類元素の1種以上のさらなる金属酸化物を有していてもよいし、有していなくてもよい;さらに、La、Ce、Pr、SmおよびErの1種以上で促進されたバナジウム系触媒;はすべて、プロパンの発熱的酸化的脱水素化を触媒して、プロペンを形成することが示されている。ある典型的な実施形態において、ODH触媒は、必須物質としての酸化バナジウム、並びにニオブ、マグネシウム、モリブデンおよび希土類元素からなる群から選択される金属の少なくとも1種の酸化物を含む。すでに記載したように、ODH触媒は、アルミナ、白金、シリカ、他の金属酸化物、ミクロ多孔質物質、メソ多孔質物質、および耐火性物質などの物質により担持されることができる。例えば、バナジウム−ニオブ−酸化物触媒を、酸化ケイ素担体物質上と組み合わせ、担持させ、本発明の方法の発熱反応ゾーンにおいて有利に使用できる。
本出願者らは、意外にも、高活性ODH触媒、例えば、アルミナ、ジルコニア、またはチタニアなどの特定の物質(例えば、シリカとは対照的に)上に担持されたバナジウム酸化物系触媒は、担持触媒が、モノリス担体上にロードされた場合に、粒子状(粉末)形態で単独で使用される場合よりも、プロパンのプロペンへの発熱的ODH変換をより良好に触媒することを見出した。例えば、シリカ担持バナジウム系ODH触媒は、ウォッシュコートとしてコージライトモノリス上に堆積されているか、または粉末形態(300〜500ミクロンの平均粒子サイズを有する)で単に使用されるかどうかに関わらず、プロパンのODHについて類似の性能をもたらすことが判明した。しかし、意外にも、ウォッシュコートとしてコージライトモノリス担体上にロードされたアルミナ担持バナジウム系触媒組成物は、粉末形態(300〜500ミクロンの平均粒子サイズを有する)において用いられる場合よりも、プロパンのODHについて、より良好に機能した。さらに、モノリス担体がコージライト以外の物質、例えば、金属またはセラミックから、例えば、モノリス、ハニカム、プレート、発泡体、熱交換成分、リアクターチャンバー壁などを包含するが、これらに限定されない一元体の形態で形成される場合でさえも、同様の性能の改良が期待される。
発熱反応ゾーンにおけるC−Cアルカンの酸化的脱水素化に適した作動条件は、当該技術分野において一般に知られており、当業者により決定される。例えば、C−Cアルカン、酸素、および場合によって希釈剤を、典型的には発熱反応ゾーンに、別々に、または互いに様々な組み合わせで、約1,000hr−1から1,000,000hr−1、例えば、約5,000hr−1から200,000hr−1の間、またはさらには5,000hr−1から10,000hr−1の全ガス時間あたり空間速度(GHSV)で供給する。反応圧力は典型的には0.1から約10気圧(atm)の範囲、例えば、0.8から5.0atmであり;反応温度は典型的には、400℃から1100℃の間、例えば、450℃から650℃の間に維持される。反応物質と触媒との接触時間は、典型的には10ミリ秒(ms)(360,000hr−1)から4秒(900hr−1)の範囲である。発熱反応ゾーンに供給されるC−Cアルカンの酸素に対する分子比は、例えば、1:1から10:1、例えば、1:1から5:1の範囲でありうる。
この典型的な実施形態において、選択された上流触媒がODH触媒である場合、下流触媒は、発熱反応ゾーンにおける穏やかな酸化剤の存在下でのODH触媒と同じC−Cアルカンの同じ対応するC−Cアルケンへの吸熱的脱水素化を触媒する吸熱脱水素化触媒であってよい。例えば、上流触媒が、プロパンをプロペンに変換する酸化的脱水素化触媒である場合、下流触媒は、これもまたプロパンをプロペンに変換する吸熱的脱水素化触媒であってよい。穏やかな酸化剤は、例えば、限定されるものではないが、二酸化炭素、水蒸気、またはこれらの組み合わせであってよい。前述のように、多くのかかる吸熱的脱水素化触媒は公知であり、本発明の方法に従って吸熱反応ゾーンを使用するのに適している。
当業者らは、吸熱反応ゾーンにおいて本発明の方法に従ってうまく使用されうる様々な吸熱脱水素化触媒を熟知しているであろう。好適なカテゴリーの吸熱的脱水素化触媒としては、これに限定されないが:酸化クロム系触媒であって、Mo、W、V、Ga、Mg、Ni、Fe、アルカリ元素、アルカリ土類元素、および希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物も含み得るもの;ならびに、酸化バナジウム系触媒であって、Li、Na、KまたはMgで促進され得るもの;白金系触媒であって、ナトリウム、カリウム、セシウム、レニウムおよびスズからなる群から選択される少なくとも1種の金属も含むもの;ならびにGa、Fe、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む触媒が挙げられる。
当業者には容易に認識されるように、本発明の吸熱反応ゾーンにおける使用に適した触媒組成物が多くある。例えば、吸熱的脱水素化触媒は、バナジウム−クロム酸化物、ならびに場合によって銅、銀、および金からなる群から選択される金属の少なくとも1種の酸化物を含むことができる。バナジウム−クロム酸化物触媒は、Cu、Ag、Au、K、Cs、Pt、Rh、およびさらなる金属酸化物からなる群から選択される1種以上の金属の酸化物も含むことができる。さらに、バナジウム−クロム酸化物触媒はリン酸塩および硫酸塩からなる群から選択される1種以上の試薬で修飾されることができる。
すでに記載したように、吸熱的脱水素化触媒を、アルミナ、白金、シリカ、ジルコニア、ゼオライト、他の金属酸化物、ミクロ多孔質物質、メソ多孔質物質、および耐火性物質などの物質と組み合わせ、この物質上に担持させることができる。例えば、酸化ケイ素物質またはメソ多孔質物質、例えば、MCM−41を使用して、酸化バナジウム系触媒、例えば、V/Cr/Si/O、V/Cr/Ag/Si/O、V/Cr/Ag/Cs/Si/Oなどを担持することができる。さらに、他の例としては、限定されるものではないが、アルミナ上に担持されたV/Cr/Mn/W/O触媒、ミクロ多孔質ゼオライト物質、例えばZSM−5上に担持された酸化白金系触媒、および酸化ガリウム物質(例えば、β−Ga)上に担持されたV/Cr/AgO触媒が挙げられる。当業者には容易に認識されるように、本発明の吸熱反応ゾーンにおける使用に適した触媒組成物および担体物質の組み合わせが数多くある。
−Cアルカンの吸熱脱水素化に好適な操作条件は、当業者に一般的に知られており、吸熱反応ゾーンの操作に適用可能である。例えば、二酸化炭素、未反応C−Cアルカンを含む加熱された混合生成物ガス、ならびに場合によって希釈剤を、吸熱反応ゾーンに、別々に、または混合して、約500hr−1から100,000hr−1の全ガス時間あたり空間速度(GHSV)で供給することができる。反応圧力は、典型的には0.1から約10atm、例えば、0.8から5.0atmの範囲であり、反応温度は、典型的には、300℃から900℃の間、例えば、450℃から700℃の間に維持される。反応物質と触媒との接触時間は、典型的には、36ms(100000時−1)から7.2秒(500時−1)、例えば、200msから5秒の範囲である。発熱反応ゾーンに供給される未反応C−Cアルカンの、穏やかな酸化剤、例えば、二酸化炭素に対する分子比は1:0.1から1:10の範囲、またはさらには1:1から1.5の間である。従来の水蒸気分解および非酸化的脱水素化方法の代替法として、短接触時間(SCT)操作条件を使用して、C−Cアルケンの酸化的脱水素化を行ったことが知られており、この場合、反応物質と酸化的脱水素化触媒との接触時間は、典型的には、200℃から1100℃の間の温度、0.3atmから40atmの圧力で、1から650msの範囲である。
脱水素化流出物流れ22をさらに処理した後に、得られた酸化フィード流れは、プロペン、未反応プロパン、および二酸化炭素を含む。図1に戻って参照すると、酸化フィード流れ26を逐次的に部分酸化反応ゾーン(PO)28、30に供給する。特に、図1に概略的に示すように、酸化フィード流れ26を、酸素含有ガス32および、任意に水蒸気34とともに、2つの酸化反応ゾーン28、30の第一ゾーン28に供給する。酸素含有ガスを出発物質に添加することにより、反応系に分子酸素を提供する。酸素含有ガス、例えば、空気を使用するのが通常、経済的であり、その理由は、純度が特に必要とされないからである。
酸化反応ゾーン28、30を収容するか、または保持するために、所望の気相酸化反応を行うために適した任意の種類のリアクターを用いることができる。例えば限定されるものではないが、シェル・アンド・チューブリアクターがこの点で使用するのに好適である。
一酸化炭素、二酸化炭素、またはこれらの混合物、不活性ガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはこれらの混合物の1以上を包含するが、これらに限定されない好適な希釈ガスも第一酸化反応ゾーン28に供給することができる。第一酸化反応ゾーン28への全フィード物質についての、出発物質の好適なモル比(C−Cアルカン、C−Cアルケン、またはこれらの混合物):(酸素):(HO):(希釈ガス)は、例えば、(1):(0.1〜10):(0〜20):(0.2〜70)、例えばこれに限定されないが、(1):(1〜5.0):(0〜10):(5〜40)である。不飽和カルボン酸を製造することが望まれる場合、図1に示すように、および前述のように、出発物質中に水蒸気34を含ませることが有益である。用いられる水蒸気は、反応系中水蒸気ガスの形態で存在することができ、その導入方法は特に制限されない。
水蒸気が出発物質ガスとしてC−Cアルカンおよびアルケンの混合物とともに供給される場合、不飽和カルボン酸についての選択性は明らかに改善され、不飽和カルボン酸を良好な収率で得ることができる。しかし、従来の技術は、出発物質を希釈する目的で、前記のように、希釈ガスを利用する。このような希釈ガスは、当業者には容易に理解されるように、空間速度、酸素分圧および水蒸気分圧を調節するために使用される。
不飽和ニトリルを対応するC−Cアルカンから製造することが望まれる場合、アンモニア(図に示さず)も第一酸化反応ゾーン28に供給しなければならない。このような場合において、アンモニアを同時であるが、酸化フィード流れ26、または他のフィード流れ32、34のいずれかとは別に、供給することができる。別法として、アンモニアを、第一酸化反応ゾーン28への他のフィード流れ26、32、34の1以上と組み合わせることができる。
酸化反応ゾーン28、30に関して、1種以上の酸化触媒(それ自体は図に示さず)は、各酸化反応ゾーン28、30内に含まれる。酸化触媒は、所望の気相酸化反応、この場合は、C−Cアルケン(例えば、プロペン)の対応する不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸)への部分酸化を促進することができる。酸化触媒は、例えばこれらに限定されないが、固定床、移動床および流動床など、異なる配置であってよい。加えて、任意の好適な触媒を使用でき、特定のC−Cアルカン、C−Cアルケン、またはこれらの混合物、および所望の酸化生成物に基づいて選択される。当該技術分野において周知のように、触媒は単独で用いることができるか、またはキャリア、担体、例えば限定されるものではないが、シリカ、アルミナ、チタニア、アルミノシリケートまたは珪藻土と一緒に使用することもできる。さらに、反応の規模または系に応じて、これらは適切な形状および/または粒子サイズに成形することができる。触媒の特定の形状または構造は、本発明に関連して特に制限されない。
触媒、その形状、サイズおよび充填法の選択は、充分に当業者の能力の範囲内のことである。一般に、不飽和アルデヒドまたは酸への反応性炭化水素の二段階気相触媒酸化を触媒できる任意の触媒が、本発明に関する使用に適している。例えば、本発明の複数の触媒系の一つの実施形態は、プロペンをアクリル酸に触媒できる。次の考察は、二段階気相接触酸化によりプロペンからアクリル酸を製造するのに適用されるものとして、複数の触媒系が記載されているが、前述のように、本発明は、このような用途に限定されず、他の種類の反応性炭化水素からの他の不飽和アルデヒドおよび酸の製造における使用に適していることが理解される。
アルケンを対応するアルデヒドへ酸化できる触媒は、以下、「第一酸化触媒」を呼ばれ、以下でさらに詳細に議論するように、本発明に関する使用に適している。加えて、前記アルデヒドを酸化して対応する不飽和カルボン酸にすることができる触媒は「第二酸化触媒」と呼ばれる。第一酸化触媒、もしくは第二酸化触媒のいずれか、または両方は、典型的には、混合金属酸化物組成物であるが、そうである必要はない。
例えば、第一酸化反応ゾーン28は第一酸化触媒を含むことができ、第二酸化反応ゾーン30は第二酸化触媒を含むことができる。複数の触媒系が1種より多い第一酸化触媒および第二酸化触媒、あるいは第一酸化触媒および1種より多い第二酸化触媒を含む、他の実施形態が可能である。さらに、第一および第二酸化反応ゾーン28、30中に含まれる触媒は、1種より多い第一酸化触媒および1種より多い第二酸化触媒を含み得る。前記バリエーションなどは当業者には、以下の説明に基づいて容易に明らかになるであろう。
特に、本発明に関連した使用に適した第一酸化触媒は、VIB族元素の少なくとも1種の原子、VA族元素の少なくとも1種の原子、および少なくとも2種のVIII族原子を含み、アルデヒド、例えば、アクロレインの生成を触媒できる。例えば、第一酸化触媒は、同じVIII族元素の1より多い原子(例えば、VIII原子としては、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptが挙げられる)を含むことができる。別の実施形態において、R1触媒は、異なる元素である2種のVIII族原子を含む。さらに別の実施形態において、第一酸化触媒は、少なくともFe、CoまたはNiを含む。第一酸化触媒のさらに別の実施形態は、Fe、CoまたはNiから選択される少なくとも2種の異なる原子およびこれらの混合物である化合物(例えば、FeCo、FeNi、CoFe、CoNi)を包む。
通常、第一酸化触媒は、VIB族元素(例えば、Cr、Mo、W、またはUnh)の少なくとも1種の原子、例えば、少なくともMoを含む。一つの実施形態において、第一酸化触媒は、VA族元素(例えば、N、P、As、SbまたはBi)の少なくとも1種の原子を含み、別の実施形態において、触媒はMo、Bi、Feと、NiまたはCoの少なくとも1種の原子とを含む。
例えば、プロペンのアクロレインへの酸化に適した触媒は、例えば、米国特許第4,025,565号;第5,821,390号;および第5,929,275号に記載されている。
本発明に関連した使用に適した第二酸化触媒は、VIB族元素(例えば、Cr、Mo、W、またはUnh)の少なくとも1種の原子、VB族元素(例えば、V、Nb、Ta、またはUnp)の少なくとも1種の原子、IB族元素(例えば、Cu、Ag、またはAu)の少なくとも1種の原子、およびVA族元素(例えば、N、P、As、Sb、またはBi)を含む。例えば、第二酸化触媒は:IA(アルカリ金属元素、例えば、H、Li、Na、K、Rb、Cs、またはFr);IIA(アルカリ土類金属元素、例えば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、またはRa);ランタニド系およびアクチニド系の元素も包含するIIIB(例えば、Sc、Y、La、Ac、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、またはLr);IVB(例えば、Ti、Zr、Hf、またはUnq);VB(たとえば、V、Nb、Ta、またはUnp);VIIB(例えば、Mn、Tc、Re、またはUns);VIII(例えば、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt);IIB(例えば、Zn、Cd、またはHg);IIIA(例えば、B、Al、Ga、InまたはTl);IVA(例えば、C、Si、Ge、Sn、またはPb);VA(例えば、N、P、As、Sb、またはBi);あるいはVIA(例えば、O、S、Se、Te、またはPo)を含む群からの1種以上の原子を含み得る。
1つの実施形態において、第二酸化触媒は、Mo、V、Cu、W、およびSbを含む。別の実施形態において、第二酸化触媒は、約5重量%未満の量で、典型的には濃度は3%未満、別の実施形態においては1%未満で、存在するアンチモンを含む。さらに別の実施形態において、第二酸化触媒は、MoOおよびMoOを、それぞれ個々に含むか(即ち、MoOを含み、MoOは含まない;またはMoOを含み、MoOは含まない)、あるいは組み合わせて(即ち、MoOとMoO)含む。
アクロレインのアクリル酸への酸化に適した触媒は、例えば、限定されるものではないが、米国特許第3,775,474号;第3,893,951号;第3,954,855号;第4,075,127号;第4,146,732号;第4,259,211号;第4,339,355号;第5,177,260号;および第5,739,391号に記載されている。
さらに図1を参照して、第一酸化反応ゾーン28において、酸化フィード物質26、32、34をこの反応ゾーン中の第一酸化触媒と接触させ、互いに反応させて、所望の酸化生成物、ならびに使用したC−Cアルカンおよびアルケンの具体的な種類に応じて、様々な副生成物を形成する。C−Cアルケンを含む酸化フィード流れ26が第一酸化反応ゾーン中に含まれる1以上の触媒と接触すると、中間酸化流出物流れ36が形成され、これは、少なくとも対応するアルデヒドを、未反応アルカン、アルケン、二酸化炭素および酸素とともに含む。例えば、制限なく、酸化フィード流れ26中のC−Cアルケンがプロペンを含む場合、流出物流れ36中の対応するアルデヒドはアクロレインを含むであろう。
図1に示すように、中間酸化流出物流れ36を第二酸化反応ゾーン30に、追加の酸素含有ガス、例えば、空気および、場合によって追加の水蒸気40とともに供給する。さらに詳細には、追加の酸素含有ガス38をまず中間酸化流出物流れ36と混合し、次に混合した流れ(図に示さず)として一緒に第二酸化反応ゾーン30に供給することができる。別法として、追加の酸素含有ガス38を第二酸化反応ゾーン30に別のフィード流れとして供給することができる(図1参照)。
第二酸化反応ゾーン30において、対応するアルデヒドおよび酸素は、第二酸化反応ゾーン30中に配置された第二酸化触媒と接触し、互いに反応して、所望の酸化生成物、ならびに使用したアルカンおよびアルケンの具体的な種類に応じて様々な副生成物を形成する。最終酸化流出物流れ42(図1参照)は第二酸化反応ゾーン30から出て、典型的には、これに限定されないが、1種以上の酸化生成物(例えば、不飽和カルボン酸)、未反応酸素、および未反応C−Cアルカンもしくはアルケン、またはこれらの混合物、ならびに反応副生成物を含む(ただし、反応副生成物は、使用される出発物質に応じて、酢酸および二酸化炭素、ならびに、おそらくは未反応水および未反応アンモニアを包含しうるが、これに限定されない)。最終酸化流出物42を追加の処理装置(図に示さず)に供給して、当業者に周知のように分離および精製プロセスを行って、1種以上の酸化生成物を回収することができる。
例えば、実施例と関連して以下でさらに詳細に記載するように、最終酸化流出物流れ42をアブソーバー中の水でクエンチし、続いて1以上の分離工程に付して、不純物を除去し、アクリル酸生成物を濃縮することができる。さらに、一つの実施形態において、アブソーバーからのガスを、例えば、モレキュラシーブドライヤー中で乾燥させ、次いで圧力スイング吸着システム(pressure swing adsorption system)に供給して、未反応プロパンおよび二酸化炭素を回収し、脱水素化反応ゾーンに再循環して戻すことができる。もう一つ別の実施形態においては、圧力スイング吸着は省略し、アブソーバーからの乾燥ガスを単に第一脱水素化反応ゾーン(酸化的脱水素化)に再循環され、ここで再循環量および組成は、未反応プロパンおよび二酸化炭素の分離が必要でないようなものである。
前述の本発明の実施形態は単に例示であり、当業者らは本発明の意図および範囲から逸脱することなく変更および修正をなすことができると理解される。このような変更および修正はすべて 本発明の範囲内に含まれることが意図される。
実施例1
以下の説明は、図2に示されるプロセス装置の概略図に言及する。それぞれ2つの酸化反応ゾーン(それ自体は図に示さないが、図1およびそれに伴う上述の記載を参照)を含む2つの脱水素化リアクター(DH1、DH2)に、好適な触媒(これもそれ自体は図に示さないが、図1およびそれに伴う上述の記載を参照)を導入する。一度に1つのリアクターが運転され、熱的に統合された脱水素化方法を用いてプロパンをプロペンに変換するために使用される。1つのリアクターが使用されていない、即ち、「オフライン」である場合、これは触媒再生を受ける。脱水素化リアクター(DH1、DH2)はプロセスコントロールシステム(図に示さず)により自動的にオンラインおよびオフラインが繰り返される。
脱水素化反応ゾーンに供給される出発物質は:12595kg/時のプロパン(110)、180m/分の空気(STP)(112)、5317kg/時の二酸化炭素(114)、および9348kg/時の窒素(116)、ならびに65788kg/時のプロパンおよび二酸化炭素を含む再循環ガス(118)であり、プロパン、空気および再循環流れ(110、112,118)のそれぞれは下記表1に記載される組成を有する。
Figure 0004927069
空気(112)および再循環ガス(118)を一緒にし、2.6barに圧縮し、プロパン(110)、CO(114)および酸素と一緒にする。一緒にされたプロパンフィード流れ(120)を酸化的脱水素化リアクター流出物(122)と交換することにより525℃に加熱し、次にフィードヒーター(124)中で反応温度625℃に加熱する。
各脱水素化リアクターについて、第一ゾーン(それ自体は図に示さず)に、プロパン(アルカン)を発熱的酸化的脱水素化して対応するアルケン(プロペン)を形成するために、Davisil 646上に担持された4%V−6%Nbを含む触媒が導入され、第二ゾーン(それ自体図に示さず)に、追加量のプロペンを弱い酸化剤(二酸化炭素)の存在下で脱水素化してプロペンを生じさせるために、Merck 10181上に担持された10%Crを含有する触媒が導入される。第一ゾーンにおける接触時間は、0.48秒*ml/gであり、第二ゾーンにおける接触時間は0.50秒*ml/gである。第一および第二脱水素化ゾーン間の熱中和バランスを得るために、そして熱的に統合された脱水素化反応ゾーンを得るために、フィード中の酸素濃度を調節することができ、また第一ゾーン発熱反応からの熱を用いて、熱を第二ゾーン吸熱反応に供給するようにリアクターを設計する。脱水素化反応ゾーンからの流出物ガス(122)の組成を下記表2に記載する。
Figure 0004927069
脱水素化反応ゾーンからの冷却された流出物ガス(122)をモレキュラシーブドライヤー(126)中で乾燥させ、10barおよび−37℃に圧縮し(128)、冷却する(130)。流出物ガスからのプロパン、プロペン、およびCOを溶媒であるヘキサン(134)中に吸収させる。吸収されなかった成分種(136)を焼却するか、または燃料源として使用することができる。有機物に富む溶媒を第二カラム(138)中で、溶媒からプロパン、プロペン、およびCOを空気(140)で205m/分(STP)でストリップすることにより再生する。再生カラムからのヘキサン溶媒(134)をアブソーバー(132)に再循環して戻す。回収されたプロパン、プロペン、およびCO(142)を一緒に225℃に加熱し(144)、8936kg/時の酸素および3362kg/時の水蒸気(146)と組み合わせる。第一プロペン酸化リアクターフィード流れ(148)を2つの部分酸化反応ゾーン(PO)の第一ゾーン(150)に、107602kg/時の速度で供給し、これは下記表3中に記載する組成を有する。
Figure 0004927069
第一部分酸化反応ゾーン(150)において、Mo−W−Bi−Fe−Co−Cs−Siを含有する混合金属酸化物触媒(それ自体図に示さず)の存在下で、プロペンをアクロレインに変換する。第一部分酸化反応ゾーン(150)からのアクロレイン生成物流れ(152)を167m/分(STP)の空気(154)および115kg/時の水蒸気(156)と組み合わせ、第二部分酸化反応ゾーン(158)に供給し、ここで必須化合物としてMo−V−W−Cu−Sb−Ti(それ自体は図に示さず)を含有する混合金属酸化物触媒の存在下で、アクロレインはアクリル酸に変換される。第二部分酸化反応ゾーン(158)からのガス状流出物流れ(160)の組成は次のとおりである。
Figure 0004927069
部分酸化反応ゾーン(PO)からの流出物(160)をアブソーバー(164)中で水(162)でクエンチする。水性粗アクリル酸(166)を分離装置(図に示さず)に導入して、アクリル酸を濃縮し、不純物を除去する。アブソーバー(164)からのガス(168)をモレキュラシーブドライヤー(170)中で乾燥させ、圧力スイング吸着システム(172)に供給して、未反応プロパンおよびCOを分離し、回収する。ODHリアクター(第一脱水素化反応ゾーン)のフィード濃度要件を満たすために、プロパンおよびCOをアブソーバーからのガスから分離し、回収する必要がある。このような回収をしなければ、アブソーバーからのガスのかなりの部分を再循環に使用することはできず、廃棄する必要がある。圧力スイング吸着システム(172)は未反応プロパンの99%およびCOの90%を回収すると推定される。回収されたプロパンおよびCO(118)を脱水素化リアクター(DH1、DH2)に再循環する。回収されない物質(174)をプロパン/プロペンアブソーバー(132)からのガス(136)と組み合わせ、焼却するか、または燃料源として使用することができる。
実施例2
以下の記載は、図3に示すプロセス装置の概略図に言及する。それぞれ2つの反応ゾーン(それ自体は図に示さず)を含む2つの脱水素化リアクター(DH1、DH2)に好適な触媒(これもまた図に示さず)が導入される。一度に1つのリアクターが作動し、熱的に統合された脱水素化方法を用いてプロパンをプロペンに変換するために使用される。1つのリアクターが使用されていない、即ち、「オフライン」である場合、これは触媒再生を受ける。脱水素化リアクターは、プロセスコントロールシステム(図に示さず)によりオンラインおよびオフラインが自動的に繰り返される。
酸化的脱水素化反応ゾーンに供給される出発物質は:27738kg/時のプロパン(210)、45m/分の空気(STP)(212)、15211kg/時COの二酸化炭素(214)、4160kg/時の酸素(216)、並びにプロパン、窒素、および二酸化炭素を含む101194kg/時の再循環ガス(218)であり、プロパン、空気、および再循環流れ(210、212、218)のそれぞれは、下記表5に記載する組成を有する。
Figure 0004927069
空気(212)および再循環ガス(218)を組み合わせ、2.6barに圧縮し、プロパン(210)、CO(214)および酸素(216)と組み合わせる。組み合わせられたプロパンフィード(220)を、酸化的脱水素化リアクター流出物(222)と交換することにより525℃に加熱し、次にフィードヒーター(224)中で、反応温度625℃に加熱する。
各脱水素化リアクター(DH1、DH2)について、プロパン(アルカン)を対応するアルケン(プロペン)に発熱的酸化的脱水素化するために、第一脱水素化反応ゾーン(それ自体は図に示さず)に、Davisil 646上に担持された4%V2O5−6%Nb2O5を含有する触媒(それ自体は図に示さず)が導入され、追加量のプロパンを弱い酸化剤(即ち、二酸化炭素)の存在下で脱水素化してより多くのプロペンを生じさせるために、第二脱水素化反応ゾーン(それ自体は図に示さず)に、Merck 10181上に担持させた10%Cr2O3を含有する触媒(それ自体は図に示さず)が導入される。第一脱水素化反応ゾーンにおける接触時間は0.48秒*ml/gであり、第二脱水素化反応ゾーンにおける接触時間は0.50秒*ml/gである。第一および第二脱水素化ゾーン間の熱中和バランスを得るために、従って、熱的に統合された脱水素化反応ゾーン(DH1、DH2)を得るために、フィード中の酸素濃度を調節することができ、またリアクターデザインは、第一ゾーン発熱反応からの熱を第二ゾーン吸熱反応に熱を提供するために使用するようなものでなければならない。脱水素化反応ゾーンからの流出物ガス(222)の組成を下記表6に記載する。
Figure 0004927069
脱水素化ゾーン(DH1、DH2)からの冷却された流出物ガス(222)をモレキュラシーブドライヤー(226)中で乾燥させ、10barおよび、−37℃に圧縮し(228)、冷却する(230)。流出物ガス(222)からのプロパン、プロペン、およびCOを溶媒ヘキサン(234)中に吸収させる。吸収されなかった成分種(236)は、焼却するか、または燃料源として使用することができる。有機物に富む溶媒(234)を第二カラム(238)中、溶媒(234)からプロパン、プロペン、およびCOを57m/分の空気(STP)(240)でストリップすることにより再生する。再生カラム(238)からのヘキサン溶媒(234)をアブソーバー(232)に再循環して戻す。回収されたプロパン、プロペン、およびCO(242)を225℃に加熱し(244)、11561kg/時の酸素および3362kg/時の水蒸気(246)と組み合わせる。酸化リアクターフィード流れ(248)を2つの部分酸化ゾーン(PO、250、258)の第一ゾーン(250)に112560kg/時の速度で供給し、これは下記表7に記載する組成を有する。
Figure 0004927069
プロペンを第一部分酸化反応ゾーン(250)中で、Mo−W−Bi−Fe−Co−Cs−Siを含有する混合金属酸化物触媒(それ自体は図に示さず)の存在下でアクロレインに変換する。第一部分酸化反応ゾーン(250)からのアクロレイン生成物流れ(252)を167m/分の空気(STP)(254)および115kg/時の水蒸気(256)と組み合わせ、第二部分酸化反応ゾーン(258)に供給し、ここで、アクロレインは、必須化合物としてMo−V−W−Cu−Sb−Tiを含有する混合金属酸化物触媒(それ自体は図に示さず)の存在下で、アクリル酸に変換される。第二部分酸化反応ゾーンからのガス状流出物(260)の組成は次のとおりである。
Figure 0004927069
部分酸化反応ゾーン(PO、250、258)からの流出物(260)をアブソーバー(264)中、水(262)でクエンチする。水性粗アクリル酸(266)を分離装置(それ自体は図に示さず)に導入して、アクリル酸を濃縮し、不純物を除去する。アブソーバー(264)からのガス(268)をモレキュラシーブドライヤー(270)中で乾燥させ、次に酸化リアクター(DH1、DH2)の第一酸化反応ゾーン(酸化的脱水素化)に再循環して戻す。再循環(218)中の再循環量および成分組成は、プロパンおよびCOの分離が必要とされないようなものである。
10 C−Cアルカン
12 酸素
13 1種以上の不活性物質または希釈剤
14 発熱反応ゾーン
16 加熱された混合生成物ガス
18 穏やかな酸化剤、例えば、二酸化炭素
20 吸熱反応ゾーン
22 累積生成物流れ
24 中間的処理
26 酸化フィード流れ
28 第一酸化反応ゾーン
30 第二酸化反応ゾーン
32 酸素含有ガス
34 水蒸気
36 中間酸化流出物流れ
38 追加の酸素含有ガス
40 追加の水蒸気
42 最終酸化流出物流れ
110 プロパン
112 空気
114 二酸化炭素
116 窒素
118 再循環ガス
120 プロパンフィード流れ
122 酸化的脱水素化リアクター流出物
124 フィードヒーター
126 モレキュラシーブドライヤー
128 圧縮
130 冷却
132 アブソーバー
134 溶媒であるヘキサン
136 吸収されなかった成分種
138 第二カラム
140 空気
142 回収されたプロパン、プロペン、およびCO
144 加熱
146 酸素および水蒸気
148 第一プロペン酸化リアクターフィード流れ
150 第一部分酸化反応ゾーン
152 アクロレイン生成物流れ
154 空気
156 水蒸気
158 第二部分酸化反応ゾーン
160 ガス状流出物流れ
162 水
164 アブソーバー
166 水性粗アクリル酸
168 ガス
170 モレキュラシーブドライヤー
172 圧力スイング吸着システム
174 回収されない物質
210 プロパン
212 空気
214 二酸化炭素
216 酸素
218 再循環ガス
220 組み合わせられたプロパンフィード
222 酸化的脱水素化リアクター流出物
224 フィードヒーター
226 モレキュラシーブドライヤー
228 圧縮
230 冷却
232 アブソーバー
234 溶媒ヘキサン
236 吸収されなかった成分種
238 第二カラム
240 空気
242 回収されたプロパン、プロペン、およびCO
244 加熱
246 酸素および水蒸気
248 酸化リアクターフィード流れ
250 第一部分酸化反応ゾーン
252 アクロレイン生成物流れ
254 空気
256 水蒸気
258 第二部分酸化反応ゾーン
260 ガス状流出物
262 水
264 アブソーバー
266 水性粗アクリル酸
268 ガス
270 モレキュラシーブドライヤー

Claims (12)

  1. 不飽和カルボン酸または不飽和ニトリルを対応するC−Cアルカンから製造する方法であって、
    A)C−Cアルカンおよび酸素を発熱反応ゾーンで上流触媒と接触させる工程、ここで、上流触媒は、酸素の存在下でC−Cアルカンをその対応するC−Cアルケンに発熱的に変換するために触媒的に活性である;
    B)発熱反応ゾーンで、C−Cアルカンの一部を対応するC−Cアルケンに発熱的に変換して、対応するC−Cアルケン、未反応C−Cアルカンおよび当該発熱的に変換する工程により生じた熱を含む加熱混合生成物ガスを生じさせる工程;
    C)加熱混合生成物ガスおよび弱い酸化剤を吸熱反応ゾーンで下流触媒と接触させる工程、ここで、弱い酸化剤は二酸化炭素を含み、下流触媒は、弱い酸化剤の存在下で未反応C−Cアルカンを対応するC−Cアルケンに吸熱的に変換するために触媒的に活性である;
    D)吸熱反応ゾーンで、未反応C−Cアルカンの少なくとも一部を対応するC−Cアルケンに吸熱的に変換して、少なくとも、反応ゾーンのそれぞれで生じた対応するC−Cアルケンを含む累積生成物流れを生じさせる工程;
    E)累積生成物流れを冷却し、乾燥する工程;
    F)溶媒で吸収することにより、C−Cアルケン、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を冷却された累積生成物流れから分離して、分離されたC−Cアルケン、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を含む有機物に富む溶媒流れ、ならびに吸収されなかった成分を含む流れを生じさせる工程;
    G)C−Cアルケン、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を有機物に富む溶媒流れから分離して、回収されたC−Cアルケン、C−Cアルカンおよび二酸化炭素を含む回収流れを生じさせる工程;
    H)酸化反応を促進できる少なくとも1種の触媒の存在下で、回収流れのC−Cアルケンを酸化して、対応する不飽和カルボン酸またはニトリルを含む酸化生成物流れを生じさせる工程;
    I)酸化生成物流れを分離して、対応する不飽和カルボン酸またはニトリルを含む水性酸化生成物流れ、ならびに未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を含むガス流れを形成する工程;
    J)前記ガス流れを乾燥して、これから未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を分離する工程;並びに
    K)分離された未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を発熱的に変換する工程に再循環させる工程;を含む方法。
  2. 上流触媒が酸化的脱水素化触媒を含む請求項1に記載の方法。
  3. 酸化的脱水素化触媒が、
    A)Pt、Pd,Rh、IrおよびRuから選択される1種以上の貴金属を含む触媒;並びに
    B)Li、Mo、W、V、Nb、Sb、Sn、Ga、Zr、Mg、Mn、Ni、Co、Ceおよび希土類金属から選択される金属の少なくとも1種の酸化物を含む触媒;
    からなる群から選択される少なくとも1種の触媒組成物を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 酸化的脱水素化触媒が、必須物質として、酸化バナジウム、並びに:ニオブ、マグネシウム、モリブデンおよび希土類元素からなる群から選択される金属の少なくとも1種の酸化物を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 下流触媒が吸熱的脱水素化触媒を含む請求項1に記載の方法。
  6. 吸熱的脱水素化触媒が、
    A)酸化クロム、並びに、場合によって、Mo、W、V、Ga、Mg、Ni、Fe、アルカリ元素、アルカリ土類元素、および希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含む触媒;
    B)酸化バナジウム、並びに、場合によって、Li、Na、KおよびMgからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む触媒;
    C)白金、並びに、場合によって、ナトリウム、カリウム、セシウム、レニウムおよびスズからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む触媒;並びに
    D)Ga、Fe、MnおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む触媒;
    からなる群から選択される少なくとも1種の触媒組成物を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 吸熱的脱水素化触媒が、必須物質として、酸化バナジウム、酸化クロム、ならびに:銅、銀および金からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む、請求項6に記載の方法。
  8. −Cアルカンがプロパンを含み、対応するC−Cアルケンがプロペンを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 分離工程G)が空気でストリッピングすることにより行われる、請求項1に記載の方法。
  10. 酸化工程H)が二段階気相触媒酸化により行われ、ここで、第一酸化反応ゾーンは、C−Cアルケンの対応するアルデヒドへの変換を触媒できる第一酸化触媒を含み、第二酸化反応ゾーンは、第一酸化反応ゾーンの下流に位置し、かつ前記対応するアルデヒドの対応する不飽和カルボン酸またはニトリルへの変換を触媒でき、第一酸化触媒と異なる第二酸化触媒を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 分離工程I)が、アブソーバーにおいて酸化生成物流れを水でクエンチすることにより行われる、請求項1に記載の方法。
  12. アブソーバーからのガス流れから、未反応C−Cアルカンおよび未反応二酸化炭素を分離することが、圧力スイング吸収システムを用いて行われる、請求項1に記載の方法。
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