JP4925339B2 - 高速反転パルス電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気めっき等に使用する高速反転パルス電源装置に関するものである。
ある種の電気めっきでは周期的に反転する電流を流すとその鍍膜の物性が良くなることが知られており、銅めっきでは古くからPR銅めっきとして実用化されている。この銅のPRめっきは数秒以上の周期で極性を反転させるものであるが、近年数ミリ秒単位の周期で高速に極性を反転させると、ある種の貴金属めっきやプリント基板のスルーホールめっきのめっき品質に顕著な改善効果があることが見出されており、こうしためっきをするための、例えば特許文献1に示されるような電源装置が提案されている。
この特許文献1で開示されている電源装置は、第1直流電源装置と、第2直流電源装置と、上記第1直流電源装置の一方の出力端と、上記第2直流電源装置の他方の出力端及び負荷の一端との間に設けられた第1リアクトルと、高速でオン、オフする第1主スイッチング素子との直列回路と、上記第2直流電源装置の一方の出力端と、上記第1直流電源装置の他方の出力端及び負荷の他端との間に設けられた第2リアクトルと、上記第1主スイッチング素子のオン、オフに対応し相補的にオフ、オンする第2主スイッチング素子との直列回路と、上記第1リアクトルの出力と上記第1直流電源装置の他方の出力端との間に上記第1主スイッチング素子のオン、オフに対応し相補的にオフ、オンする第1補助スイッチング素子と、上記第2リアクトルの出力と上記第2直流電源装置の他方の出力端との間に、上記第2主スイッチング素子のオン、オフに対応し相補的にオフ、オンする第2補助スイッチング素子と、第1、第2補助スイッチング素子とそれぞれ並列に接続され、第1、第2クランプ用ダイオードと上記第1、第2クランプ用ダイオードにそれぞれ直列に接続され定常時ピーク電圧で充電される第1、第2クランプ用コンデンサにより構成される第1、第2クランプ回路と、上記第1又は第2補助スイッチング素子の両端をそれぞれ検出する第1又は第2電圧検出器と、上記第1又は第2電圧検出器の検出信号が所定電圧以上のときに上記第1又は第2補助スイッチング素子をオンさせる制御装置とにより構成されたものである。
この構成では第1補助スイッチング素子がオンの間は第1直流電源装置の出力が第1リアクトルにより短絡され、また、第2補助スイッチング素子がオンの間は第2直流電源装置の出力が第2リアクトルにより短絡されてそれぞれのリアクトルにエネルギーが蓄積される。第1主スイッチング素子がオンになると第1補助スイッチング素子がオフになり、第1リアクトルに蓄積されたエネルギーは正の電流として負荷に供給され、第2主スイッチング素子がオンになると第2補助スイッチング素子がオフになり、第2リアクトルに蓄積されたエネルギーは負の電流として負荷に供給されることになる。
この方式はリアクトルに流しておいた電流を負荷に移行させるものであり、各通電時の電流の立ち上がりは良好であるが、通電時以外も、変圧器、補助スイッチング素子、リアクトル及び半導体素子に電流を流し続けることから損失が大きくなり、使用率が低くても大型のリアクトルを要することから装置を小型にできないという問題があった。
特開2002−129397号公報
本発明は上記の問題点を解決し、どのようなパルス幅であっても良好な反転パルス波形を出力することができる高速反転パルス電源装置を提供するためになされたものである。
上記の問題を解決するためになされた本発明の高速反転パルス電源装置は、DC−DCコンバータと該DC−DCコンバータの出力を開閉する半導体スイッチとから構成した正極性電流供給用の電源と、パルス電力を通過させるに充分な電圧時間積を有する複数のパルス変圧器の一次コイルの一端をそれぞれ個別に第一の半導体スイッチを介して直流電源の一極に接続し、該パルス変圧器の一次コイルの他端は一括第二の半導体スイッチを介して直流電源の他極に接続し、各パルス変圧器の一次コイルと各第一の半導体スイッチの接続点と直流電源の他極との間にそれぞれ第一のダイオードを定常時電流の流れない極性として接続し、パルス変圧器の一次コイルと第二の半導体スイッチの接続点と直流電源の一極との間に第二のダイオードを定常時電流の流れない極性として接続し、前記各パルス変圧器の二次コイルを直列に接続して出力とし、パルス変圧器の二次コイルの直列回路と直列に出力を開閉する半導体スイッチを接続して構成した負極性電流供給用の電源とを設け、前記正極性電流供給用の電源の出力と負極性電流供給用の電源の出力とを極性を逆にして並列接続したことを特徴とするものである。
ここにおいて、負極性通電期間中第二の半導体スイッチを継続してオンにするとともに負極性通電の開始時には複数の第一の半導体スイッチを同時にオンにし、負極性の負荷電流が立ち上がった後においては負荷電流が一定になるように第一の半導体スイッチを順次オン、オフする駆動信号を生成する制御手段を設けることが好ましい。
また、同一の問題を解決するためになされた請求項3の発明の高速反転パルス電源装置は、正極性電流供給用の電源を構成するDC−DCコンバータとは別に第二のDC−DCコンバータを設け、該第二のDC−DCコンバータの出力を請求項1に記載の高速反転パルス電源装置のパルス変圧器の二次コイルと直列に接続したことを特徴とするものである。ここにおいて、負極性通電期間中第二の半導体スイッチを継続してオンにするとともに負極性通電の開始時には複数の第一の半導体スイッチを同時にオンにし、負極性の負荷電流が立ち上がった後においては第一の半導体スイッチをオフにするとともに負荷電流が一定になるように第二のDC−DCコンバータを制御する制御手段を設けることが好ましい。
請求項1の発明において、負極性通電の開始時に複数の第一の半導体スイッチが同時にオンになるようにしておけば、複数のパルス変圧器の二次電圧の合計の高い電圧が負荷に加わるので、負極性の負荷電流が早く立ち上がることになる。また、負荷電流が立ち上がった後において電流が一定になるように第一の半導体スイッチを順次オン、オフするようにしておけば、出力電圧はパルス変圧器の二次電圧1個分と高くないので、第一の半導体スイッチのオン時間が極端に短くなることはなく、各第一の半導体スイッチのスイッチング周波数が低下するので、第一の半導体スイッチのスイッチング損失が低く抑えられ、出力電流のリップルが小さくなる利点がある。
また、請求項3の発明では第二のDC−DCコンバータが設けてあるので、負極性通電の開始時に複数の第一の半導体スイッチが同時にオンになるようにしておけば、複数のパルス変圧器の二次電圧と第二のDC−DCコンバータの出力電圧の合計の高い電圧が負荷に加わり、負極性の負荷電流が早く立ち上がることになる。負荷電流が立ち上がった後は第二のDC−DCコンバータから負荷電流が供給されるので、パルス変圧器を電圧時間積の小さなものとすることができる利点がある。
このように、正極性通電期間から負極性通電期間への切り替わり時には、複数のパルス変圧器の二次電圧の合計あるいは複数のパルス変圧器の二次電圧とDC−DCコンバータの出力の合計の高い電圧が加わって負極性の負荷電流が早く立ち上がり、負極性通電期間から正極性通電期間への切り替わり時にはパルス変圧器の二次側に誘起される逆電圧の合計の高い電圧により負極性の負荷電流が短時間の内に減衰して正極性の電流に移行するので、極性の切り替わり時間が短く、正極性通電期間中及び負極性通電期間中の電流の変動が少ない良好な反転パルス波形が出力される利点がある。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態を示す主回路の結線図であって、整流器1、コンデンサ2により交流入力端子3から供給される交流電力を直流電力に変換する直流電源が設けてある。直流電源のプラス極には半導体スイッチ4a、4bのプラス極が接続してあり、該半導体スイッチ4a、4bのマイナス極にはそれぞれマイナス極を直流電源のマイナス極に接続した半導体スイッチ5a、5bのプラス極が接続してある。
半導体スイッチ4a、5aの接続点と半導体スイッチ4b、5bの接続点との間には変圧器6の一次コイルが接続してあり、該変圧器6の二次コイルにはセンタータップを設けるとともに両端にそれぞれダイオード7a、7bのアノードを接続し、整流回路が構成してある。これらの半導体スイッチ4a、4b、5a、5bと変圧器6及びダイオード7a、7bはいわゆるDC−DCコンバータを構成し、このDC−DCコンバータは負荷に正極性の電流を供給する電源として機能する。変圧器6のセンタータップは出力端子8bに接続してあり、ダイオード7a、7bのカソードは半導体スイッチ9を介して出力端子8aに接続してある。
また、直流電源のプラス極には第一の半導体スイッチである複数の半導体スイッチ10a、10bのプラス極と第二のダイオードであるダイオード11のカソードが接続してあり、半導体スイッチ10a、10bのマイナス極にはそれぞれアノードを直流電源のマイナス極に接続した第一のダイオードであるダイオード12a、12bのカソードが接続してある。さらに、ダイオード11のアノードにはマイナス極を直流電源のマイナス極に接続した第二の半導体スイッチである半導体スイッチ13のプラス極が接続してある。
半導体スイッチ10a、10bのマイナス極と半導体スイッチ13のプラス極との間にはそれぞれパルス変圧器14a、14bの一次コイルが接続してあり、該パルス変圧器14a、14bの二次コイルは直列に接続したうえ一端を出力端子8bに、他端を半導体スイッチ15を介して出力端子8aに接続してある。ここで、出力端子8bに接続するパルス変圧器14a、14bの二次コイルの一端は、半導体スイッチ10a、10bのいずれか又は両方と半導体スイッチ13とがオンになってパルス変圧器14a、14bの一次コイルに電圧が加わったときに誘起される電圧がプラスになる側としてあり、半導体スイッチ15はこの誘起される電圧による電流をオン、オフすることができる極性としてある。
上記の回路を構成する半導体スイッチ4a、4b、5a、5b、半導体スイッチ9、半導体スイッチ10a、10b、半導体スイッチ13、半導体スイッチ15とダイオード7a、7b、ダイオード11、ダイオード12a、12bには高速な素子を使用するのが望ましい。半導体スイッチ4aと5b、半導体スイッチ4bと5aにはそれぞれ同時に駆動信号を与えるため、駆動信号は絶縁して与えるようにしてある。また、パルス変圧器14a、14bはパルス電力を通過させるに充分な電圧時間積を有するものとしてある。パルス変圧器14a、14bは鉄心をカットし、カット面にギャップを挿入することにより電圧時間積を大きくすることができる。
半導体スイッチ4a、4b、5a、5b、半導体スイッチ9、半導体スイッチ10a、10b、半導体スイッチ13、半導体スイッチ15にはそれぞれ図示しない制御装置から駆動信号を与えるようにしてある。正極性通電期間中は半導体スイッチ9にその期間中連続して駆動信号を与え、半導体スイッチ4a、5bと半導体スイッチ4b、5aに交互に駆動信号を与えるようにしてある。また、負極性通電期間中は半導体スイッチ15と半導体スイッチ13にその期間中継続して駆動信号を与え、半導体スイッチ10a、10bに負極性通電期間開始時は同時に、負極性の負荷電流が立ち上がった後は負極性通電期間終了時まで交互に、駆動信号を与えるようにしてある。
図示していないが出力電流を検出する電流センサーが設けてあり、正極性通電期間中は該電流センサーにより検出された電流検出信号と設定された正極性側の基準信号とを比較し、正極性の電流が設定された電流になるように半導体スイッチ4a、5bと半導体スイッチ4b、5aに与える駆動信号の幅をパルス幅制御するようにしてある。また、同様に負極性通電期間中は電流検出信号と負極性側の基準信号とを比較し、負極性の負荷電流が立ち上がった後は負極性の電流が設定された電流になるように半導体スイッチ10a、10bに与える駆動信号の幅をパルス幅制御するようにしてある。
負極性通電期間終了時は半導体スイッチ15に引き続き駆動信号を与え、半導体スイッチ10a、10bと半導体スイッチ13に駆動信号を与えるのを止める。電流検出信号と正極性側の基準信号とを比較し、負荷電流が正極性の設定された電流に到達したときには半導体スイッチ15に駆動信号を与えるのを止めて完全に負極性通電期間を終了し、半導体スイッチ9に連続して駆動信号を与え、半導体スイッチ4a、5bと半導体スイッチ4b、5aに交互に駆動信号を与えて正極性通電期間に移行するようにしてある。
以下このように構成された高速反転パルス電源装置の動作について説明する。基本的には正極性のパルスと負極性のパルスを交互に出力するのであるが、めっき用の場合正極性通電期間に鍍膜が形成されるので、通常正極性通電時間は負極性通電期間の数倍以上となる。図2は2個の正極性のパルスが出力される間に1個の負極性のパルスが出力されるときの要部の波形を示すもので、Aは半導体スイッチ9の駆動信号、Bは半導体スイッチ15の駆動信号、Cは半導体スイッチ4aと5bの駆動信号、Dは半導体スイッチ4bと5aの駆動信号、E、Fはそれぞれ半導体スイッチ10a、10bの駆動信号、Gは半導体スイッチ13の駆動信号であり、Hは出力電圧、Jは出力電流である。
交流入力端子3から供給された交流電力は整流器1により直流電力に変換され、コンデンサ2に貯えられている。図2のt1の時点以前の左側部分は正極性通電期間であり、半導体スイッチ9に駆動信号が与えられ、半導体スイッチ4a、5bと半導体スイッチ4b、5aに交互に駆動信号が与えられている。これにより半導体スイッチ4a、5bと半導体スイッチ4b、5aが交互にオンとなり、変圧器6の一次コイルには交流電流が流れる。変圧器6の二次コイルに誘起した交流電力はダイオード7a、7bにより整流され、半導体スイッチ9を通して出力端子8a、8bに出力される。出力される電圧は出力端子8a側がプラス、出力端子8b側がマイナスとなるので、出力端子8aに陽極板、出力端子8bに被めっき物を接続し、めっき液に浸漬しておけば正極性の通電が行なわれ、めっき皮膜が形成される。このとき電流が正極性側の設定電流になるように半導体スイッチ4a、4b、5a、5bはパルス幅制御される。
正極性通電期間が終って図2のt1の時点を過ぎると半導体スイッチ4a、4b、5a、5bと半導体スイッチ9に駆動信号が与えられなくなり、半導体スイッチ15と半導体スイッチ13に駆動信号が与えられ、負極性通電期間となる。半導体スイッチ10a、10bには同時に駆動信号が与えられるのでパルス変圧器14a、14bの一次コイルに同時に電圧が加えられる。これによりパルス変圧器14a、14bの二次コイルに誘起された電圧の合計の電圧が半導体スイッチ15を通して出力端子8a、8bに出力されることになるが、その電圧は出力端子8a側がマイナス、出力端子8b側がプラスとなるので負極性の通電となり、二次コイルに誘起された電圧の合計の高い電圧により負極性の負荷電流が短時間の内に立ち上がる。この負極性の通電では被めっき物からめっき皮膜が剥離される。
電流が立ち上がると半導体スイッチ10a、10bに駆動信号が同時に与えられることはなくなり、電流が負極性側の設定電流になるようにパルス幅制御されて駆動信号が交互に与えられるようになる。パルス変圧器14a、14bの一次コイルには、半導体スイッチ10a、10bがオンの間は半導体スイッチ10a、10bと半導体スイッチ13を通って電流が流れ、半導体スイッチ10a、10bがオフになると半導体スイッチ13とダイオード12a、12bを通って電流が流れる。このとき出力される電圧はパルス変圧器14a、14bの二次コイルに誘起される電圧の1個分と高くないので、パルス幅が極端に短くなることはなく、出力電圧、出力電流のリップルが小さくなる利点がある。また、個々の半導体スイッチ10a、10bのスイッチング周波数が低くなるのでスイッチング損失が低減する利点がある。
この負極性通電期間中、パルス変圧器14a、14bの一次コイルには一方向の電圧が加えられ、鉄心が飽和する方向に向かうが、パルス変圧器14a、14bはこの間のパルス電力を通過させるに充分な電圧時間積を有するものとしてあるので飽和にまで到ることはない。パルス変圧器14a、14bにはこの間の励磁電流により磁気エネルギーが蓄積される。所定の負極性通電期間が経過してt2の時点に至ると、半導体スイッチ10a、10bと半導体スイッチ13に駆動信号が与えられなくなり、半導体スイッチ10a、10bと半導体スイッチ13は全てオフになる。
パルス変圧器14a、14bの一次コイルに流れていた電流はダイオード12a、12bとダイオード11を通してコンデンサ2に流れ込み、パルス変圧器14a、14bに蓄積された磁気エネルギーが回収されるので鉄心の磁束がリセットされ、次回のパルス電力を通過させることが可能となる。このときパルス変圧器14a、14bの一次コイルには、電流を引き続き流す方向のそれまでとは逆極性の電圧が発生し、この逆極性の電圧はパルス変圧器14a、14bの二次コイルに誘起して負荷に加わる。二次コイルに誘起した電圧の合計の逆極性の高い電圧により負荷電流は短時間の内に減衰し、さらに逆転して正極性電流となる。この負荷電流がt3の時点で正極性側の設定電流に到達すると半導体スイッチ15に駆動信号が与えられなくなり、半導体スイッチ9、半導体スイッチ4a、4b、5a、5bに駆動信号が与えられる。このようにして再度正極性通電期間となり、以後同様に正極性通電と負極性通電が繰り返される。
図3は請求項3の発明の実施の形態を示す主回路の結線図であって、基本的なところは図1に示すものと同一で、図示しない制御装置と出力電流を検出する電流センサーが設けてあり、同一部分には同一符号が付してある。異なるのは直流電源のプラス極とマイナス極との間に2個直列に接続した半導体スイッチ4c、5cと、変圧器16と、ダイオード17a、17bを設け、変圧器16の一次コイルを半導体スイッチ4c、5cの接続点と半導体スイッチ4b、5bの接続点との間に接続し、変圧器16の二次コイルにセンタータップを設けるとともに両端にそれぞれダイオード17a、17bのアノードを接続し、センタータップには図1に示す構成において出力端子8bに接続していたパルス変圧器14a、14bの二次コイルの一端を出力端子8bから切り離して接続し、ダイオード17a、17bのカソードを出力端子8bに接続したことである。
半導体スイッチ4b、4c、5b、5cと変圧器16及びダイオード17a、17bはいわゆるDC−DCコンバータを構成しており、このDC−DCコンバータの出力は直列接続されているパルス変圧器14a、14bの二次コイルにさらに直列接続され、負荷に負極性の電流を供給する電源の一部として機能する。半導体スイッチ4b、5bは前記の正極性の電源として機能するDC−DCコンバータを構成しているものであり、これを共用するようにしているが、別途専用の半導体スイッチを設けてもよいことは言うまでもない。半導体スイッチ4cと5b、半導体スイッチ4bと5cにはそれぞれ同時に駆動信号を与えるため、駆動信号は絶縁して与えるようにしてある。
半導体スイッチ4a、4b、4c、5a、5b、5c、半導体スイッチ9、半導体スイッチ10a、10b、半導体スイッチ13、半導体スイッチ15にはそれぞれ図示しない制御装置から駆動信号を与えるようにしてある。正極性通電期間中は半導体スイッチ9にその期間中継続して駆動信号を与え、半導体スイッチ4a、5bと半導体スイッチ4b、5aに交互に駆動信号を与えるようにしてあり、これは前記図1に示す構成のものと同様である。この間、電流検出信号と設定された正極性側の基準信号とを比較し、正極性の電流が設定された電流になるように半導体スイッチ4a、4b、5a、5bに与える駆動信号の幅をパルス幅制御するようにしてあることも同様である。
負極性通電期間中は半導体スイッチ15と半導体スイッチ13にその期間中継続して駆動信号を与え、半導体スイッチ4c、5bと半導体スイッチ4b、5cに交互に駆動信号を与えるようにしてある。また、負極性通電期間開始時には半導体スイッチ10a、10bに負極性の負荷電流が立ち上がるまでの間駆動信号を与えるようにしてある。負極性の負荷電流が立ち上がった後は負極性の電流が設定された電流になるように半導体スイッチ4c、5bと半導体スイッチ4b、5cに与える駆動信号の幅をパルス幅制御するようにしてある。負極性通電期間終了時は半導体スイッチ15と半導体スイッチ4b、4c、5b、5c及び半導体スイッチ13に駆動信号を与えるのを止め、電流検出信号を監視して負荷電流が零になったとき半導体スイッチ9及び半導体スイッチ4a、5bと半導体スイッチ4b、5aに交互に駆動信号を与え、正極性通電期間に移行するようにしてある。
以下このように構成された高速反転パルス電源装置の動作について説明する。図4は2個の正極性のパルスが出力される間に1個の負極性のパルスが出力されるときの要部の波形を示すもので、Aは半導体スイッチ9の駆動信号、Bは半導体スイッチ15の駆動信号、Cは半導体スイッチ4aと5bの駆動信号、Dは半導体スイッチ4bと5aの駆動信号、Kは半導体スイッチ4cと5bの駆動信号、Lは半導体スイッチ4bと5cの駆動信号、E、Fはそれぞれ半導体スイッチ10a、10bの駆動信号、Gは半導体スイッチ13の駆動信号であり、Hは出力電圧、Jは出力電流である。
図4のt1の時点以前の左側部分は正極性通電期間であり、半導体スイッチ9、半導体スイッチ4a、4b、5a、5bには前記図1に示す構成のものと同様に駆動信号が与えられ、出力端子8a側がプラス、出力端子8b側がマイナスの電圧が出力される。図4のt1の時点を過ぎると半導体スイッチ9、半導体スイッチ4a、4b、5a、5bに駆動信号が与えられなくなり、半導体スイッチ15に駆動信号が与えられ、半導体スイッチ4c、5bと半導体スイッチ4b、5cに交互に駆動信号が与えられて負極性通電期間となる。これにより半導体スイッチ4c、5bと半導体スイッチ4b、5cが交互にオンとなり、変圧器16の一次コイルには交流電流が流れ、変圧器16の二次コイルに誘起した交流電力はダイオード17a、17bにより整流される。
また、半導体スイッチ13に駆動信号が与えられ、半導体スイッチ10a、10bにも同時に駆動信号が与えられるのでパルス変圧器14a、14bの一次コイルに同時に電圧が加えられ、パルス変圧器14a、14bの二次コイルには同時に電圧が誘起する。出力端子8a、8bには半導体スイッチ15を通してパルス変圧器14a、14bの二次コイルに誘起した電圧とダイオード17a、17bにより整流された電圧とを合計した電圧が出力され、その高い電圧により負荷電流は短時間の内に立ち上がることになる。出力される電圧は出力端子8a側がマイナス、出力端子8b側がプラスであるので負極性の通電となる。
電流が立ち上がると半導体スイッチ10a、10bには駆動信号が与えられなくなり、半導体スイッチ10a、10bと半導体スイッチ13を通ってパルス変圧器14a、14bの一次コイルに流れていた電流は半導体スイッチ13とダイオード12a、12bを通って流れる。半導体スイッチ4c、5bと半導体スイッチ4b、5cには引き続き駆動信号が交互に与えられ、半導体スイッチ4b、4c、5b、5c等で構成されるDC−DCコンバータが動作し、負極性の電流が設定された電流になるように半導体スイッチ4c、5bを駆動する駆動信号の幅がパルス幅制御される。これにより、出力端子8a、8bにはDC−DCコンバータの電圧だけが出力される。
この負極性通電期間中、パルス変圧器14a、14bの鉄心が飽和にまで到ることはないこと、パルス変圧器14a、14bにこの間の励磁電流により磁気エネルギーが蓄積されることは前記図1に示す構成のものと同様である。所定の負極性通電期間を経過してt2の時点に至ると、半導体スイッチ15には引き続き駆動信号が与えられるが半導体スイッチ4c、5bと半導体スイッチ4b、5cには駆動信号が与えられなくなる。これにより半導体スイッチ4b、4c、5b、5c等で構成されるDC−DCコンバータは動作しなくなり、DC−DCコンバータの電圧は出力されなくなる。
また、半導体スイッチ13にも駆動信号が与えられなくなり、パルス変圧器14a、14bの一次コイルに流れていた電流はダイオード12a、12bとダイオード11を通してコンデンサ2に流れ込む。これにより、図1に示す構成のものと同様にパルス変圧器14a、14bの鉄心の磁束がリセットされ、パルス変圧器14a、14bの二次コイルに逆極性の電圧が誘起して負荷に加わる。負荷電流は二次コイルに誘起された電圧の合計の逆極性の高い電圧により短時間の内に減衰するが、負荷電流が零になるとダイオード17a、17bに阻止されるので逆方向の電流すなわち正極性の電流が流れることはない。t3の時点で負荷電流が零になると半導体スイッチ15に駆動信号が与えられなくなり、半導体スイッチ9、半導体スイッチ4a、4b、5a、5bに駆動信号が与えられる。このようにして再度正極性通電期間となり、以後同様に正極性通電と負極性通電が繰り返される。
以上説明したように、前記の各実施の形態のものによれば、正極性通電期間では半導体スイッチ4a、4b、5a、5b等で構成されるDC−DCコンバータから正極性の電流が供給され、その正極性電流が一定に制御される。正極性通電期間から負極性通電期間に切り替わる際には、パルス変圧器14a、14bの二次電圧の合計、あるいはパルス変圧器14a、14bの二次電圧と半導体スイッチ4b、4c、5b、5c等で構成されるDC−DCコンバータの出力電圧との合計の高い電圧が負荷に加わるので負極性の負荷電流が早く立ち上がることになり、その後負極性電流は一定に制御される。また、負極性通電期間から正極性通電期間に切り替わる際には、パルス変圧器14a、14bの二次側に誘起される電圧の合計の高い逆電圧が負荷に加わるので負極性の負荷電流が短時間の内に減衰し、正極性の電流に移行することになる。
これにより、極性の切り替わり時間が短く、正極性通電期間中及び負極性通電期間中の電流の変動が少ない良好な反転パルス波形が出力されることになる。
なお、前記実施の形態のものではパルス変圧器14a、14b、半導体スイッチ10a、10bをそれぞれ2個としているが、これを3個以上としてもよく、半導体スイッチ9、15はいずれも出力端子8a側に接続しているが、半導体スイッチ9は変圧器6のセンタータップ側に接続してもよく、半導体スイッチ15は出力端子8b側あるいは直列に接続されているパルス変圧器14a、14bの二次コイル等のいずれの接続点に接続してもよいことは言うまでもない。
請求項1の発明の構成を示す主回路の結線図である。 動作時の要部の波形図である。 請求項2の発明の構成を示す主回路の結線図である。 動作時の要部の波形図である。
符号の説明
1 整流器
2 コンデンサ
3 交流入力端子
4a、4b、4c、5a、5b、5c 半導体スイッチ
6 変圧器
7a、7b ダイオード
8a、8b 出力端子
9、10a、10b 半導体スイッチ
11、12a、12b ダイオード
13 半導体スイッチ
14a、14b パルス変圧器
15 半導体スイッチ
16 変圧器
17a、17b ダイオード

Claims (4)

  1. DC−DCコンバータと該DC−DCコンバータの出力を開閉する半導体スイッチとから構成した正極性電流供給用の電源と、パルス電力を通過させるに充分な電圧時間積を有する複数のパルス変圧器の一次コイルの一端をそれぞれ個別に第一の半導体スイッチを介して直流電源の一極に接続し、該パルス変圧器の一次コイルの他端は一括第二の半導体スイッチを介して直流電源の他極に接続し、各パルス変圧器の一次コイルと各第一の半導体スイッチの接続点と直流電源の他極との間にそれぞれ第一のダイオードを定常時電流の流れない極性として接続し、パルス変圧器の一次コイルと第二の半導体スイッチの接続点と直流電源の一極との間に第二のダイオードを定常時電流の流れない極性として接続し、前記各パルス変圧器の二次コイルを直列に接続して出力とし、パルス変圧器の二次コイルの直列回路と直列に出力を開閉する半導体スイッチを接続して構成した負極性電流供給用の電源とを設け、前記正極性電流供給用の電源の出力と負極性電流供給用の電源の出力とを極性を逆にして並列接続したことを特徴とする高速反転パルス電源装置。
  2. 負極性通電期間中第二の半導体スイッチを継続してオンにするとともに負極性通電の開始時には複数の第一の半導体スイッチを同時にオンにし、負極性の負荷電流が立ち上がった後においては負荷電流が一定になるように第一の半導体スイッチを順次オン、オフする駆動信号を生成する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の高速反転パルス電源装置。
  3. 正極性電流供給用の電源を構成するDC−DCコンバータとは別に第二のDC−DCコンバータを設け、該第二のDC−DCコンバータの出力を請求項1に記載の高速反転パルス電源装置のパルス変圧器の二次コイルと直列に接続したことを特徴とする高速反転パルス電源装置。
  4. 負極性通電期間中第二の半導体スイッチを継続してオンにするとともに負極性通電の開始時には複数の第一の半導体スイッチを同時にオンにし、負極性の負荷電流が立ち上がった後においては第一の半導体スイッチをオフにするとともに負荷電流が一定になるように第二のDC−DCコンバータを制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の高速反転パルス電源装置。
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