JP4921644B2 - 波面測定装置および波面測定方法 - Google Patents

波面測定装置および波面測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズやプリズム、その他の光学素子を有する光学系(以下、被検光学系という)の光学性能を評価する波面測定装置および測定方法に関する。特に、被検光学系が液浸光学系であった場合においても、不要な反射光の影響や収差の影響を受けない波面測定装置および測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検光学系の性能評価を行うために用いられる従来の測定装置を図8に示す。測定装置はフィゾー干渉光学系を備えており、光源1、集光レンズ2、ピンホール3、ビームスプリッタ4、コリメートレンズ5、参照部材である半透過ミラー6、凹面部材8、スペーシャルフィルタ9、リレーレンズ10、撮像素子であるCCDカメラ11で構成されている。そして被検光学系として対物レンズ7が半透過ミラー6と凹面部材8との間に配置されている。
【0003】
光源1から射出した光は、集光レンズ2で一旦ピンホール3上に集光される。ピンホール3の開口部分を通過した光はコリメートレンズ5で平行光束になり、半透過ミラー6に入射する。半透過ミラー6では、所定の反射率(あるいは透過率)に応じて反射する光と透過する光が生じる。ここで、半透過ミラー6に入射した光のうち、半透過ミラー6で反射された光を参照光とする。参照光はコリメートレンズ5を通過し、ビームスプリッタ4で反射される。そして、スペーシャルフィルタ9、リレーレンズ10を通過してCCDカメラ11に入射する。
【0004】
一方、半透過ミラー6を透過した光は、対物レンズ7に入射する。ここで、被検光学系(対物レンズ7)を通過した光のことを被検光とする。対物レンズ7に収差があると、被検光の波面が変形する。対物レンズ7で集光された被検光は、その後発散して凹面部材8に入射する。凹面部材8の凹面は、入射した光の反射方向が入射方向と同じになるような曲率を有している。よって、凹面部材8の凹面で反射された被検光は再び対物レンズ7に入射し、平行光束となって対物レンズ7から射出する。対物レンズ7を射出した平行光束は、半透過ミラー6を透過し、参照光と同じようにCCDカメラ11に入射する。
ビームスプリッタ4で反射された光には、参照光と被検光が含まれている。よって、両者によって干渉が生じる。そして、リレーレンズ10によってCCDカメラ11上に干渉縞が形成されるので、この干渉の様子を観察することができる。なお、半透過ミラー6を光軸に沿って移動させることにより、測定に適した干渉縞を得ることができる。CCDカメラ11上に形成された干渉縞には、対物レンズ7の収差に関する情報が含まれている。よって、この干渉縞を解析することで対物レンズ7の波面収差等を求めることができる。
なお、図8の構成では、参照光が通過する光路、すなわち半透過ミラー6からビームスプリッタ4まで(あるいはCCDカメラ11まで)が参照光路に該当する。また、被検光が通過する光路、すなわち凹面部材8からビームスプリッタ4まで(あるいはCCDカメラ11まで)が被検光路に該当する。また、光源1からビームスプリッタ4までは共通光路である。同様に、ビームスプリッタ4からCCDカメラ11までも共通光路といえる。
【0005】
図8と同様に、干渉光学系を利用して被検光学系の光学特性を測定する類似技術として、特開平10−90113号公報に開示されている技術がある。特開平10−90113号公報では、凹面部材8の代わりに半球状レンズを用いている。半球状レンズを用いた理由は、半球状レンズの硝材が持つ屈折率によって、光束の広がり角を小さくできるからである。そして、これにより、被検レンズから射出した光を反射させて再び被検レンズに戻すための光学部材(図8の凹面鏡8や特開平10−90113号公報の半球レンズ)を、小さくそして軽く作製することができるという特徴を備える。また、半球レンズの厚みにカバーガラス厚も考慮することで、補正板が不要になるという効果を得ている。
【0006】
また、特開平9−184787号公報に開示されている技術は、被検レンズに液浸対物レンズを用いた場合でも測定が可能となるようにする技術である。特開平9−184787号公報では、被検レンズを3組用意し、そのうちの2組を対向させて波面測定を行う。そして、これを3通りの組合せで行い、演算によって波面を求めている。この時、3通りの測定において座標系が狂っていると正確な演算が行えないので、座標系の位置関係が保持されるようにしている。なお、被検レンズが液浸対物レンズの場合、対向させた被検レンズの間を液体で満たすことが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−90113号公報では、半球状レンズを使用した場合には確かに素子自体を小さく作製することは可能である。しかしながら、半球状レンズの平面部での反射光の影響が避けられないという問題を有している。例えば、特開平10−90113号公報の図1に示されているように、被検レンズのうち先端部のレンズと半球状レンズとの間は空気である。そのため、被検レンズから射出して半球状レンズに入射する光のうち、半球状レンズの平面部で約4%程度の反射が生じる。一方、半球状レンズの凸面の反射率も約4%である。
よって、半球状レンズの凸面で反射した被検光に加えて、本来は必要のない半球状レンズの平面で反射した光が加わることになる。平面プレートの反射率を約4%に設定しておくと、参照光と被検光の光強度がほぼ同じになる、そのため、干渉によって形成される干渉縞は、本来得られる干渉縞と同程度でかなり高いコントラストを有する。ところが、半球状レンズの平面部で反射光が生じると、この反射光も被検光と一緒になって参照光と干渉する。この時、この反射光の光強度は被検光とほぼ同じである。よって、この反射光による干渉縞のコントラストは、参照光と被検光によって生じる干渉縞のコントラストとほぼ同じになる。
【0008】
このように、特開平10−90113号公報の構成では、参照光と被検光によって生じる干渉縞だけでなく、参照光と半球状レンズの平面部で反射した光によって生じた干渉縞が、CCDカメラ上に形成される。ところが、これら2つの干渉縞はコヒーレントな足し算(振幅の足し算)として得られるため、干渉縞を撮像した後で分離することはできない。すなわち、本来必要とする参照光と被検光によって生じた干渉縞から、参照光と半球状レンズの平面で反射した光によって生じた干渉縞を除去することができない。この結果、正しい波面測定が行えないという問題が生じる。
【0009】
平面部で生じる反射光を低減する目的で、平面部に反射防止コート等をつけることも考えられる。しかしながら、被検光学系の開口数が高い場合、平面に入射する光の角度は最大で約70°程度になる。通常、0°から70°の幅広い入射角に対し反射率をゼロ近くとするような反射防止コートをつけることは、実際上非常に困難である。また、被検レンズと半球状レンズとの間が空気であるために、半球状レンズが完全な半球(カバーガラスの補正分を除いて)からずれた場合、これが収差となって現れてしまうために十分な測定ができないという問題もある。
【0010】
一方、特開平9−184787号公報 に示された技術は、被検光学系に乾燥系だけでなく液浸系も考慮された構成となっているが、被検光学系が少なくとも3セット必要となる。また、各組合せにおいて座標系を合わせなければならず、光学系の調整が非常にシビアで困難であるという問題を有している。
【0011】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、凹面部材を使った従来の測定方法と同等の取扱い易さで、被検光学系の波面測定が行える波面測定装置及び波面測定方法を提供することを目的とする。また、被検光学系として、対象物と光学系の間が液体で満たされている液浸光学系においても良好な測定が行えることを目的とする。また、被検光学系から射出する光を反射する光学部材において、被検光学系に最も近い面で反射が生じても、この反射の影響をほとんど受けない波面測定装置及び波面測定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の波面測定装置は、被検光学系の波面を測定する波面測定装置であって、該波面測定装置は光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、前記被検光学系が配置される被検光路とを有し、該被検光路の前記被検光学系の前記光源とは反対側には、肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材が前記被検光学系側に平面を向けて配置され、前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間を媒質で満して測定を行い、前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間にある媒質の屈折率をnmed、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnopt、曲率半径をr、肉厚をdとした時、以下の条件(3)を満足することを特徴とする。
|nmed−nopt|×|r−d|≦0.01mm (3)
【0014】
また、本発明の波面測定方法は、光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、前記被検光学系が配置される被検光路とを有する測定光学系を用いて、被検光学系の波面を測定する波面測定方法であって、肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材を、前記被検光学系側に平面を向けて前記被検光路中の前記被検光学系の前記光源とは反対側に配置し、前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間を媒質で満して測定を行い、
前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間にある媒質の屈折率をnmed、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnopt、曲率半径をr、肉厚をdとした時、以下の条件(3)を満足することを特徴とする。
|nmed−nopt|×|r−d|≦0.01mm (3)
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の波面測定装置は被検光学系の波面を測定するもので、波面を測定するために干渉を利用している。本発明の実施の形態における第1の構成では、干渉を生じさせるために、光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、被検光学系が配置される被検光路とを有している。被検光路には、肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材が、前記被検光学系側に平面を向けて配置されている。そして、被検光学系と平凸形状の光学部材の間を液体で満して測定を行う。
【0018】
第1の構成は、被検光学系と平凸形状の光学部材(以下、平凸部材という)の間を液体で満たすことにより、平凸部材の平面部を境にして被検光学系側と平凸部材の内部側との屈折率差を小さくするものである。この屈折率差は平凸部材の屈折率と液体の屈折率によって異なってくるが、第1の構成と被検光学系と平凸部材の間が空気の場合とを比べると、両者の平凸部材が同じ屈折率であるならば、第1の構成の方が平凸部材の平面部における光の反射を格段に小さくすることができる。
【0019】
このように、第1の構成では平凸部材の平面部における反射光(以下、ノイズ光とする)の発生を小さく抑えることができる。ノイズ光の発生が小さければ、ノイズ光と参照光によって生じる干渉縞もほとんど発生しなくなる。よって、第1の構成では、本来必要とする被検光と参照光による干渉縞のみを検出することができる。
【0020】
また、液体と平凸部材との屈折率差を小さくすることによって、平凸部材が完全な半球でなくてもここで発生する収差が格段に小さくなる。例えば、平凸部材の中心肉厚が完全な半球よりも大きいとする。この場合、被検光学系と平凸部材の間に、平行平面板が存在していることと等価になる。ここで、液体と平凸部材との屈折率差が大きければ、平行平面板に相当する部分で収差が生じる。しかしながら、液体と平凸部材との屈折率差が小さければ、平行平面板に相当する部分は液体とみなすことができる。これは、平行平面板が存在しないのと同じになる。よって、収差の発生が非常に少なくなる。なお、平凸部材の中心肉厚が、完全な半球よりも小さい場合も同様のことがいえる。
【0021】
このように、液体と平凸部材との屈折率差を小さくすることによって、平凸部材を完全な半球にする必要がなくなるので、平凸部材を製作する際の製作精度を緩くすることができる。そのため、平凸部材の製作性を良くすることができる。また、この第1の構成は、被検光学系を複数用意する必要がない点や、凹面部材を使った光学系の測定と同等の操作性で液浸光学系の波面測定ができる点で優れている。
【0022】
なお、この第1の構成で用いられる液体としては、例えば顕微鏡で用いられるようなイマージョンオイルなどが考えられる。ただし、被検光学系が液浸光学系の場合、通常、被検光学系は所定の浸液を介して使用することを前提に設計されている。よって、第1の構成で用いられる液体は、被検光学系が使用することを前提としている浸液と同じもの、あるいは略同じ屈折率のものであるのが良い。
【0023】
次に、第1の構成において、液体の屈折率をnliq、平凸形状の光学部材の屈折率をnoptとした時、以下の条件(1)を満足することが好ましい。
|nliq−nopt|≦0.1 (1)
条件(1)はノイズ光の発生を、より小さく抑えるための条件である。この条件(1)について説明する。高精度な(十分に収差が補正された)光学系の測定を行う場合には、装置で発生する誤差成分を極力抑えることが必要である。誤差成分には色々あるが、ここで問題としているのはノイズ光である。条件(1)はこのノイズ光の発生をより小さく抑えるための条件で、上限値の0.1を超えるとノイズ光の光強度が強くなる。そのため、本来必要とする干渉縞に加えて、このノイズ光による不要な干渉縞(ノイズ成分)が形成されてしまうので好ましくない。
【0024】
これに対して、条件(1)を満足するように液体と平凸部材を選ぶと、ノイズ光の光強度を十分に小さくすることができる。この結果、不要な干渉縞の発生を抑えることができ、本来必要とする干渉縞のみを得ることが可能になる。また、平凸部材が完全な半球でなかったとしても、これによる収差発生量を小さく抑えることができる。よって、特に高精度な光学系の測定を行う場合に有効である。
【0025】
本発明の実施の形態における第2の構成は、光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、被検光学系が配置される被検光路とを有している。また、被検光路には、肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材が、被検光学系側に平面を向けて配置されている。そして、被検光路と参照光路との光路長が略等しく設定されている。また、光源のコヒーレンス長をL、平凸形状の光学部材の肉厚をd、屈折率をnoptとした時、以下の条件(2)を満足する。
【0026】
L<2×nopt×d (2)
第2の構成は、ノイズ光が発生した場合でも、このノイズ光による干渉縞が形成されないようにするもので、条件(2)はそのための条件である。
【0027】
前述の第1の構成は、被検光学系と平凸部材との間を液体で満たすことにより、この平凸部材の平面部で生じる反射を抑えるものである。しかしながら、原理的にこの反射を抑えることが非常に困難な場合がある。例えば、平凸部材がガラスで、被検光学系が水浸光学系の場合である。この場合、被検光学系と平凸部材の間を満たす液体は水になる。ところが、水の屈折率は油の屈折率に比べて低いため、液体と平凸部材の屈折率差を小さくできない。
【0028】
具体的には、被検光学系が水浸光学系の場合、平凸部材の平面での反射は約0.4%程度になる。平凸部材の凸面での反射が約4%であるので、1割程度のノイズ光が存在することになる。約0.4%程度のノイズ光によって生じる干渉縞が測定に影響するか否かは、必要とする測定精度によって異なるが、少なくとも高精度な測定を行う場合には無視できない。
【0029】
ところで、干渉は参照光路と被検光路の光路差が光源のコヒーレンス長(可干渉距離)以下の場合に生じる現象である。第2の構成において参照光と干渉する可能性があるのは、主に被検光とノイズ光の2つである。被検光とノイズ光との違いは、被検光が平凸部材の平面部と凸部の間を往復して被検光学系に戻るのに対して、ノイズ光は平凸部材の平面部で反射されて被検光学系に戻る点である。すなわち、撮像素子に到達するまでの光路長を比べると、ノイズ光の光路長に比べて被検光の光路長の方が2×nopt×d長いということである。
【0030】
そこで、第2の構成では、撮像素子に達するまでの距離が被検光と参照光がで略等しくなるように被検光路と参照光路を構成し、更に、2×nopt×dよりも小さいコヒーレンス長Lを有する光源を用いる。このようにすると、被検光と参照光の光路長はほぼ同じであるので、光路差がほとんどゼロである。すなわち、光路差が光源のコヒーレンス長よりも小さい。よって、被検光と参照光とで干渉縞が生じる。一方、ノイズ光と参照光の光路差は2×nopt×dよりも大きい。すなわち、光路差が光源のコヒーレンス長Lを超えている。よって、ノイズ光と参照光とでは干渉縞が生じない。
【0031】
この結果、第2の構成では、被検光と参照光によって形成された干渉成分(明暗成分)と、ノイズ光によるバックグラウンド成分(均一な明るさ成分)の2つが重なった強度分布が撮像素子上に形成される。ただし、この強度分布は両成分はそれぞれの強度の和である。そのため、バックグラウンド成分は、後工程の画像処理で除去(引き算)することができる。よって、被検光と参照光によって形成された干渉縞のみを取り出すことができる。このように、第2の構成では、ノイズ光によるノイズ成分を除去することができるので、高精度な光学系の測定にも対応することができる。
【0032】
ただし、図8のようなフィゾー干渉光学系の場合は、参照光路と被検光路の間に元々光路差がある。よって、第2の構成にフィゾー干渉光学系を用いた場合には干渉縞が全く得られず、本来の測定自身ができない可能性がある。したがって、第2の構成を用いる干渉光学系としては、被検光路と参照光路との光路長が等しくできる干渉光学系、例えば、マイケルソン干渉光学系やマッハ・ツェンダー干渉光学系などが好ましい。
【0033】
なお、光源としてコヒーレンス長の長いレーザなどを用いると、条件(2)を満足するためには平凸部材の肉厚dを大きくしなけでばならない。そうすると、平凸部材が大きくなるので、平凸部材の製作が難しくなる。また、測定装置の大型化を招く。よって、光源としては、コヒーレンス長の短い光源、例えばスーパールミネッセンスダイオードや、発光ダイオード、あるいは水銀ランプのような低コヒーレンス光源を使用するのが好ましい。
【0034】
また、上記第1の構成や第2の構成において、被検光学系と平凸形状の光学部材の間にある媒質の屈折率をnmed、屈折率をnopt、曲率半径をr、肉厚をdとした時、以下の条件(3)を満足するのが好ましい。
【0035】
|nmed−nopt|×|r−d|≦0.01mm (3)
条件(3)は、平凸部材において生じる収差を小さくするための条件である。ここで、平凸部材において生じる収差とは、平凸部材の形状が完全な半球からはずれた場合によって生じる収差のことである。より詳しくは、平凸部材の肉厚が所定の肉厚と異なることによって生じる収差のことである。
【0036】
平凸部材において収差が生じると、被検光の波面が持つ収差は、被検光学系自体で生じた収差に平凸部材において生じた収差が加わったものになる。前述のように、被検光の波面の情報は、参照光との干渉によって干渉縞となって現れる。しかしながら、干渉縞が形成された状態では、被検光学系自体で生じた収差と平凸部材において生じた収差とを分離することはできない。そのため、被検光学系自体で生じた収差のみを、検出することができなくなる。
【0037】
条件(3)を満足すると、平凸部材において生じる収差を小さくすることができる。例えば、|r−d|が大きいと被検光学系と平凸部材の間に平行平面板が存在する状態になる。しかしながら、|nmed−nopt|が小さいため、条件(1)で説明したように平行平面板が存在しないことと等価になる。よって、平凸部材で発生する収差を小さく抑えることができる。一方、|r−d|が小ければ、当然、平行平面板が存在しなくなるので、平凸部材で発生する収差を小さく抑えることができる。なお、|r−d|が小さいと|nmed−nopt|を多少大きくできるが、|nmed−nopt|大きくなると平凸部材の平面部でのノイズ光が発生するので、あまり大きくしない方が良い。
【0038】
このように、条件(3)を満足すると、平凸部材の平面部での反射光の存在はやむを得ないとしても、平凸部材が完全な半球でないために発生する収差を少なくとも抑えることができる。なお、|nmed−nopt|の値としては、可視領域の波長で、被検光学系が水浸光学系であった場合には、半球レンズの材質によって異なるが、0.2〜0.5程度が考えられる。また、赤外領域の波長で、被検光学系が通常光学系であった場合、半球レンズの材質としてシリコンを用いたときには、4程度が考えられる。ここで、通常光学系とは、物体と被検光学系の間が空気で満たされているような光学系である。
【0039】
さらに、被検光路と参照光路に配置されている光学部材において、少なくとも平凸部材の凸面に反射コーティングが施されていることが望ましい.図8に示した構成においては、一般的に凹面部材8はガラス等の素材面の反射を用いているので、約4%の反射光で測定を行っている。しかしながら、このような測定は、光源から射出された光の利用効率の点からみると非常に効率が悪い。効率を上げるために凹面部材8の凹面に反射コーティングを施すことも考えられるが、先に説明したようにこれはコーティング面の面精度等が確保できないために困難である。そこで、本発明のように反射コーティングを施す部材が平凸部材であれば、反射面の精度は素材の凸面の面精度で決まるため、極端に言うと反射コーティングはただ単に凸面の表面につけばよいということになる。したがって、コーティングに関して技術的な困難を伴わずに、光源からの光を有効に活用することが可能となる。また、平凸レンズの平面でノイズ光が発生したとしても、凸面に反射コーティングを施すことで被検光の光量を大きくできる。よって、SN比の良い測定が可能となる。
【0040】
なお、参照光を発生させる参照部材の方にも、反射コーティングを施すのが好ましい。このように、参照光と被検光の強度の絶対値を大きくし、しかも両者の強度を同程度にすれば、ノイズ光によって形成される干渉縞のコントラストに比べて、被検光によって形成される干渉縞のコントラストを相対的にを高くできる。よって、さらにSN比の良い測定が可能となる。
【0041】
以下本発明の実施例について、図を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施例)
本発明の波面測定装置の第1実施例について説明する。図1は第1実施例の波面測定装置の構成を示す図である。波面測定装置100は図8と同じく、フィゾー干渉光学系をベースとしている。よって、図8と同じ構成要素には同じ番号を付し、説明は省略する。本実施例の波面測定装置100は、図8で用いられていた凹面部材8の代わりに、平凸レンズ(平凸部材)13を用いている。また、被検光学系12は液浸光学系であるため、被検光学系12と平凸レンズ13との間を浸液14で満たしている。
【0042】
光源1から射出して被検光学系12を通過した被検光は、平凸レンズ13の凸面で反射される。そして、再び被検光学系12を通過し、ビームスプリッタ4で反射されてCCDカメラ11に達する。一方、光源1から射出した光の一部は半透過ミラー(参照部材)6で反射され、被検光と同様にCCDカメラ11に達する。被検光と参照光の干渉により、CCDカメラ11上に干渉縞が形成される。この干渉縞を画像解析装置に取り込んで各解析を行えば、被検光学系の波面の測定、すなわち被検光学系で生じる各種収差を測定することができる。このように、本実施例の波面測定装置は、従来の波面測定装置と同じような操作で、液浸光学系の波面測定が行える。
【0043】
また、本実施例の光源1はHe−Neレーザで、浸液14はオイルである。そして、浸液14の屈折率nliq(nmed)は波長633nmにおいて1.513である。一方、平凸レンズ13の硝材の屈折率noptは、波長633nmにおいて1.51462である。よって、波長633nmにおける両者の屈折率差|nliq(nmed)−nopt|は0.00162となり、本発明の条件(1)を満足している。このように、本実施例の波面測定装置は条件(1)を満足しているので、平凸レンズ13の平面部13aで反射する光はほとんどゼロである。また、|nliq(nmed)−nopt|の値が小さいので、平凸レンズ13の肉厚の公差(製造誤差)は、それほど厳しい値は要求されない。
【0044】
また、本実施例で使用している平凸レンズ13は、凸面の曲率半径rは12.504±0.002mmで、肉厚dは12.5mmであるから、差の絶対値|r−d|は、最大で0.006mmとなる。よって、条件(3)を満足する。なお、平凸レンズ13としては、曲率半径rと肉厚dの差の絶対値|r−d|が、0.03mm以内で作製されたものを使用するのが好ましい。
【0045】
ただし、この|r−d|の値は、被検光学系12の光学性能に依存することは言うまでもない。例えば、被検光学系7が高精度・高性能の光学系であった場合は、測定に要求される精度も厳しくなる。よって、このような場合にはこの|r−d|の値も小さくする必要がある。
【0046】
また、被検光学系12が水浸対物レンズのように、浸液として水を使用する光学系の場合は、平凸レンズに用いる材質を商品名Cytop(旭硝子社製)のような樹脂にすれば、同様の測定を行うことができる。これは、波長633nmにおいて、水である浸液14の屈折率が1.331で、Cytop の屈折率が1.34で、|nliq(nmed)−nopt|=0.009となり、条件(1)を満足するからである。
【0047】
(第2実施例)
本発明の波面測定装置の第2実施例について説明する。図2は、第2実施例の波面測定装置の構成を示す図である。第2実施例では、波面測定装置200はマイケルソン干渉光学系をベースとしている。マイケルソン干渉光学系の場合、光源1からのレーザ光は、ビームスプリッタ4をそのまま直進する透過光と、透過光と異なる方向(実施例2では直交方向)方向に進む反射光とに分離される。
【0048】
本実施例では、透過光側に半透過ミラー6が配置されており、半透過ミラー6で参照光を発生させている。よって、ビームスプリッタ4と半透過ミラー6の間が参照光路になる。一方、反射光側には対物レンズ12と平凸レンズ13が配置され、その間は浸液14で満たされている。よって、ビームスプリッタ4と平凸レンズ13の間が被検光路になる。
【0049】
また、第1実施例と異なり、本実施例ではコリメートレンズ5がビームスプリッタ4よりも光源側に配置されている。そのため、ビームスプリッタ4を透過、あるいは反射した光は平行である。また、ビームスプリッタ4とスペーシャルフィルタ9の間には、第1のリレーレンズ10aが配置されている。そして、スペーシャルフィルタ9を通過した光(干渉光)を第2のリレーレンズ10bで集光し、干渉縞をCCDカメラ11上に形成している。このように、最終的にCCDカメラ11で得られる干渉縞は、第1実施例と同じものである。よって、第1実施例と同様の測定が行える。また、干渉光学系はマイケルソン干渉光学系やフィゾー干渉光学系に限られるものでなく、他の干渉光学系を用いることも可能である。
【0050】
(第3実施例)
本発明の波面測定装置の第3実施例について説明する。図3は、第3実施例の波面測定装置の構成を示す図である。第3実施例は第2実施例と同じく、波面測定装置300はマイケルソン干渉光学系をベースとしている。
【0051】
本実施例では、光源15に低コヒーレンス光源を使用している。低コヒーレンス光源としては、第1実施例や第2実施例で使用したレーザ光源1に比べて非常にコヒーレンス長が短いレーザ、水銀ランプ、スーパールミネッセントダイオード等がある。本実施例では、低コヒーレンス光源を使用しているため、測定を行う際にはビームスプリッタ4と平凸レンズ13の凸面までの光路長と、ビームスプリッタ4から半透過ミラー6までの光路長が等しくなるようにしている。この光路長の調整は、1)半透過ミラー6を光軸に沿って移動させる、2)対物レンズ16と平凸レンズ13を一緒に光軸に沿って移動させる、という2つの方法があるが、半透過ミラー6を移動させる方が容易である。
【0052】
なお、上記構成において、平凸レンズ13は、平面部13aと凸面13bとの間の往復光路長(2×n×d)が、光源15のコヒーレンス長よりも長くなるように作製されている。すなわち、ビームスプリッタ4から平凸レンズ13の平面部13aまでの往復光路長とビームスプリッタ4から半透過ミラー6の反射面までの往復光路長と差が、光源15のコヒーレンス長よりも長い。そのため、これらの光どうしは干渉しない。ゆえに、平凸レンズ13の平面部13aでの反射光が存在したとしても、これは干渉縞に対してバックグラウンドとして一様に存在するものとなる。したがって、測定対象の干渉縞自体には影響を与えない。また、このバックグラウンド成分は後処理で除去することができるので、適当な処理を行えば、その後の縞解析の精度を向上させることもできる。
なお、本実施例では、光源15のコヒーレンス長Lは150μmで、平凸レンズの肉厚dは12.5mm、屈折率noptは1.51825であるから、条件(2)を満足している。
【0053】
また、本実施例では、被検光学系16が水浸光学系であるため、被検光学系16と平凸レンズ13の間の浸液17は水である。ここで、水のe線での屈折率nliq(nmed)が1.334で、平凸レンズ13のe線での屈折率noptが1.51825なので、|nliq(nmed)−nopt|=0.18425となり、条件(1)は満足していない。しかしながら、平凸レンズ13の曲率半径rは12.504±0.002mmであるから、最大で|r−d|=0.006mmとなる。よって、条件(3)を満足している。
【0054】
このように、本実施例では、平凸レンズ13の平面部13aによる反射光が干渉縞に及ぼす影響はあまり排除できないが、平凸レンズで生じる収差の影響は排除できる。なお、平凸レンズ13としては、曲率半径rと肉厚dの差の絶対値|r−d|が、0.03mm以内で作製されたものを使用するのが好ましい。
【0055】
(第4実施例)
本発明の波面測定装置の第4実施例について説明する。図4は、第4実施例の波面測定装置の構成を示す図である。第4実施例は第3実施例と同じく、波面測定装置400はマイケルソン干渉光学系をベースとしている。本実施例では、被検光学系18が液浸光学系ではなく通常の光学系である点が異なる。ここで、通常の光学系とは被検光学系と標本の間が空気で満たされている光学系のことで、乾燥系光学系ともいう。
【0056】
このような通常の光学系であっても、光源15としてコヒーレンス長の短いものを用いれば、第3実施例で説明した通り、平凸レンズ13の平面部13aでの反射光は干渉に寄与しない。すなわち、CCDカメラ11上に形成される干渉縞には被検光学系のみの波面の情報が含まれるので、通常の光学系の測定においても精度良く波面測定が行える。
【0057】
なお、本実施例では、被検光学系18と平凸レンズ13との間が空気で満たされているので、屈折率noptは1.51825、屈折率nmedは1である。よって、|nliq(nmed)−nopt|=0.51825となる。一方、平凸レンズの肉厚dは12.5mm、曲率半径rは12.504±0.002mmであるから、最大で|r−d|=0.006mmとなる。よって条件(3)を満足している。
【0058】
このように、本実施例でも、平凸レンズ13の平面部13aによる反射光が干渉縞に及ぼす影響をあまり排除できないが、平凸レンズで生じる収差の影響は排除できる。なお、平凸レンズ13としては、曲率半径rと肉厚dの差の絶対値|r−d|が、0.01mm以内で作製されたものを使用するのが好ましい。
【0059】
(第5実施例)
本発明の波面測定装置の第5実施例について説明する。図5は、第5実施例の波面測定装置の構成を示す図である。第5実施例の波面測定装置500は、マッハツェンダ干渉光学系を変形した光学系をベースとしている。光源1から出た光は、ビームスプリッタ4で透過光と反射光に分けられる。本実施例では、ビームスプリッタ4で反射されミラー20aに至る光路が参照光路である。参照光路にはミラー20aと20bが配置されており、参照光をビームコンバイナ19に導く。一方、ビームスプリッタ4を透過した光は、ビームコンバイナ19を通過して、被検光学系12に入射する。よって、こちらが被検光路となる。
【0060】
本実施例において、光源1はコヒーレンス長の長いレーザで、被検光学系12は液浸光学系であるが、光源としてコヒーレンス長の短い光源15を用いることもできる。コヒーレンス長の短い光源15を用いた場合には、参照光路と被検光路の光路長調整を行う必要がある。本実施例では矢印で示すように、被検光学系12、浸液14、平凸レンズ13を一体にして光軸方向に移動することで、光路長調整を行っている。
【0061】
(第6実施例)
本発明の波面測定装置の第6実施例について説明する。図6は、第6実施例の波面測定装置の構成を示す図である。第6実施例の波面測定装置600は、干渉光学系部(参照光路と被検光路)をプリズムで構成している点が特徴である。このように、干渉光学系部をプリズム21で一体化することで、空気のゆらぎといった外乱の影響を受けにくくすることができる。
【0062】
(第7実施例)
本発明の波面測定装置の第7実施例について説明する。図7は、第7実施例の波面測定装置の構成を示す図である。第7実施例の波面測定装置700は、基本構成は第1実施例と同じである。ただし、被検光学系16が水浸光学系であり、平凸レンズ22の凸面22bにアルミが蒸着されている点が異なる。
光源1から出た光は、半透過ミラー6で反射する参照光と、半透過ミラー6を透過し被検光学系12を通過する被検光とになる。被検光は平凸レンズ22に入射して、凸部22bに達する。凸部22bには反射コーティング(アルミ蒸着)が施されている。本実施例では、反射コーティングによって凸面22bの反射率が約90%となっている。一方、半透過ミラー6にも反射率が約35%になる反射コーティングが施されている。これらの反射コーティングが無くても液浸光学系等では測定を行うことは可能であるが、測定精度を上げるためには反射コーティングを施すのが好ましい。
【0063】
また、平凸レンズの凸面に反射コーティングを施す構成は、以下の点で有利である。従来の構成において、凹面部材8の凹面に反射コーティングを施した場合を考える。この場合、被検光は反射コーティングの空気接触面側で反射する。よって、空気接触面側のコーティング精度(コーティング形状の正確さやなめらかさ)を高精度に確保する必要がある。このため、高度なコーティング技術が必要になる。これに対して、本実施例のように平凸レンズの凸面反射コーティングを施した場合を考える。この場合、被検光は平凸レンズ22の凸部22bと反射コーティングの境界部で反射する。ところが、この境界部の面精度(面形状の正確さや面の粗さ)は平凸レンズの凸部の加工精度で決まる。すなわち、反射コーティングの空気接触面側の面精度には依存しない。したがって、本実施例の場合、反射コーティングは、極端なことをいえばコーティングの厚みにムラがあっても良く、とにかく凸部についていれば良いということである。したがって、高度なコーティング技術を必要としないので、簡単に被検光の光量を増加させることができる。
【0064】
なお、第1乃至第6実施例において、平凸レンズ13の凸面13bに反射コーティングを施しても良いことは明らかである。この場合は、半透過ミラー6にも平凸レンズ13の凸面13bと同じく反射コーティングすればよい。また、コーティングに使用するのはアルミ以外の金属であっても良いし、誘電体多層膜であっても良いことは言うまでもない。
【0065】
なお、本発明には以下のような構成や方法も含まれる。
[1] 被検光学系の波面を測定する波面測定装置であって、
該波面測定装置は光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、前記被検光学系が配置される被検光路とを有し、
該被検光路には、肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材が前記被検光学系側に平面を向けて配置され、
前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間を液体で満して測定を行うことを特徴とする波面測定装置。
[2] 前記液体の屈折率をnliq、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnoptとした時、以下の条件(1)を満足することを特徴とする[1]に記載の波面測定装置。
|nliq−nopt|≦0.1 (1)
[3] 被検光学系の波面を測定する波面測定装置であって、
該波面測定装置は光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、前記被検光学系が配置される被検光路とを有し、
該被検光路には、肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材が前記被検光学系側に平面を向けて配置され、
前記被検光路と前記参照光路との光路長が略等しく、
前記光源のコヒーレンス長をL、前記平凸形状の光学部材の肉厚をd、屈折率をnoptとした時、以下の条件(2)を満足することを特徴とする波面測定装置。
L<2×nopt×d (2)
[4] 前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間にある媒質の屈折率をnmed、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnopt、曲率半径をr、肉厚をdとした時、以下の条件(3)を満足することを特徴とする[1]乃至[3]に記載の波面測定装置。
|nmed−nopt|×|r−d|≦0.01mm (3)
[5] 少なくとも前記平凸形状の光学部材の凸面に反射コートが施されていることを特徴とする[1]乃至[4]に記載の波面測定装置。
[6] 光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、前記被検光学系が配置される被検光路とを有する測定光学系を用いて、被検光学系の波面を測定する波面測定方法であって、
肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材を、前記被検光学系側に平面を向けて前記被検光路中に配置し、
前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間を液体で満して測定を行うことを特徴とする波面測定方法。
[7] 前記液体の屈折率をnliq、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnoptとした時、以下の条件(1)を満足することを特徴とする請求項6に記載の波面測定方法。
|nliq−nopt|≦0.1 (1)
[8] 光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、前記被検光学系が配置される被検光路とを有する測定光学系を用いて、被検光学系の波面を測定する波面測定方法であって、
肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材を、前記被検光学系側に平面を向けて前記被検光路中に配置し、
前記被検光路と前記参照光路との光路長を略等しくし、
前記光源のコヒーレンス長をL、前記平凸形状の光学部材の肉厚をd、屈折率をnoptとした時、以下の条件(2)を満足するようにして測定を行うことを特徴とする波面測定方法。
L<2×nopt×d (2)
[9] 前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間にある媒質の屈折率をnmed、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnopt、曲率半径をr、肉厚をdとした時、以下の条件(3)を満足することを特徴とする[6]乃至[8]に記載の波面測定方法。
|nmed−nopt|×|r−d|≦0.01mm (3)
[10] 少なくとも前記平凸形状の光学部材の凸面に反射コートが施されていることを特徴とする[6]乃至[10]に記載の波面測定方法。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の波面測定装置は、従来の凹面部材を使った波面測定装置と同等の扱いやすさで、液浸の被検光学系の波面測定が行える。
【0067】
また、被検光を反射する平凸部材の平面部において、ノイズ光が発生することを抑えることができる。また、平凸部材の形状誤差に基づく収差の発生を、小さく抑えることができる。よって、被検光学系のみの収差による波面を、干渉縞として検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波面測定装置の第1実施例を示す図である。
【図2】本発明の波面測定装置の第2実施例を示す図である。
【図3】本発明の波面測定装置の第3実施例を示す図である。
【図4】本発明の波面測定装置の第4実施例を示す図である。
【図5】本発明の波面測定装置の第5実施例を示す図である。
【図6】本発明の波面測定装置の第6実施例を示す図である。
【図7】本発明の波面測定装置の第7実施例を示す図である。
【図8】従来の波面測定装置を示す図である。
【符号の説明】
1、15 光源
2 集光レンズ
3 ピンホール
4 ビームスプリッタ
5 コリメートレンズ
6 半透過ミラー(参照部材)
7、12、16、18 被検光学系
8 凹面部材
9 スペーシャルフィルタ
10、10a、10b リレーレンズ
11 CCDカメラ
13、22 平凸レンズ(平凸部材)
14、17 浸液
19 ビームコンバイナー
20a、20b 反射ミラー
21 プリズム
100、200、300、400、500、600、700 波面測定装置

Claims (6)

  1. 被検光学系の波面を測定する波面測定装置であって、
    該波面測定装置は光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、前記被検光学系が配置される被検光路とを有し、
    該被検光路の前記被検光学系の前記光源とは反対側には、肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材が前記被検光学系側に平面を向けて配置され、
    前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間を媒質で満して測定を行い、
    前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間にある媒質の屈折率をnmed、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnopt、曲率半径をr、肉厚をdとした時、以下の条件(3)を満足することを特徴とする波面測定装置。
    |nmed−nopt|×|r−d|≦0.01mm (3)
  2. 光源と、参照光を生じる参照部材が配置された参照光路と、前記被検光学系が配置される被検光路とを有する測定光学系を用いて、被検光学系の波面を測定する波面測定方法であって、
    肉厚と凸面の曲率半径が略等しい平凸形状の光学部材を、前記被検光学系側に平面を向けて前記被検光路中の前記被検光学系の前記光源とは反対側に配置し、前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間を媒質で満して測定を行い、
    前記被検光学系と前記平凸形状の光学部材の間にある媒質の屈折率をnmed、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnopt、曲率半径をr、肉厚をdとした時、以下の条件(3)を満足することを特徴とする波面測定方法。
    |nmed−nopt|×|r−d|≦0.01mm (3)
  3. 前記媒質の屈折率を med 、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnoptとした時、以下の条件(1)を満足することを特徴とする請求項1記載の波面測定装置。
    med −nopt|≦0.1 (1)
  4. 少なくとも前記平凸形状の光学部材の凸面に反射コートが施されていることを特徴とする請求項1または3に記載の波面測定装置。
  5. 前記媒質の屈折率を med 、前記平凸形状の光学部材の屈折率をnoptとした時、以下の条件(1)を満足することを特徴とする請求項2に記載の波面測定方法。
    med −nopt|≦0.1 (1)
  6. 少なくとも前記平凸形状の光学部材の凸面に反射コートが施されていることを特徴とする請求項2または5に記載の波面測定方法。
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