JP4919221B2 - シート化粧料包装体 - Google Patents
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Description
さらに詳しくは、本発明は、シート素材に粘着性の化粧料が含有されたシート化粧料を断面N型又はM型の包装体の1室に、水を内蔵するカプセル及び水による発熱反応性又は吸熱反応性を発揮する成分を他室に収納し、カプセルを圧壊して発熱反応又は吸熱反応を利用してシート化粧料の肌への貼着域の加温状態又は冷却状態の温度維持性の優れたシート化粧料包装体に関する。
本発明でいう断面N型又はM型の包装体とは、長手方向の断面がN型又はM型で、長手方向のエッジがシールされた状態を意味する。また、貼着とはシート化粧料の含浸液の粘着性により肌にパック化粧に必要な時間貼着している状態を意味する。
しかしながら、一般にパック化粧には少なくとも20分程度必要であることから、従来技術にあるような発熱体によってシート化粧料を加温した場合、加温されたシート化粧料を肌に貼着したとき肌への貼着域の加温状態は20秒程度しか維持できず、上述するような従来品では、温度持続性の上で要求を満たさなかった。
従来技術では、シート化粧料の加熱タイプのものでも、冷却タイプのものでも、パック化粧に必要な時間、肌への貼着性又は密着性の良い実用品の開発が熱望されていた。
普通、パック化粧効果を発揮させるためには、少なくとも20分の温度維持が必要であるのが常識であるので、上述するような従来の加温・冷却タイプのシート化粧料では、その製品の有する持続性と実際に求められる性能との間に大きなギャップがあった。
すなわち、本発明では、シート化粧料の使用時に、加温タイプ、冷却タイプを問わず、求める有効温度を可能な限り長時間持続させたシート化粧料の包装体の提供を課題とする。
本発明において、有効温度の持続とは、加温タイプの場合は常温でシート化粧料を20分間、肌に貼着したときに終始37℃以上の温度を持続できる機能であり、冷却タイプの場合では常温でシート化粧料を20分間、肌に貼着させたときに5℃以下の温度を持続できる機能を意味する。
本発明で使用するラミネートフィルムとしては、加熱タイプ又は冷熱タイプにかかわらず、温度持続性という面でみると、CPP(30μ厚)/PET(12μ厚)/AL(9μ厚)/PET(12μ厚)/CPP(30μ厚)等を用いることができる。また、断熱効果を上げるために表面シートにポリエチレンの独立発泡シートを用いるのもよい。
設定温度による好ましい処方例としては、93℃設定では、水4重量部、塩化マグネシウム4重量部及び流動パラフィン8重量部の混合物、87℃設定では、水と塩化マグネシウムは同量で、流動パラフィン15重量部の混合物、70℃の設定では、水と塩化マグネシウムは同量で、流動パラフィン20重量部が挙げられる。
本発明では、水と上記化合物の配合によって有効温度を持続するように調節されるが、20分間の貼着で37℃以上を持続すれば本発明に適合するとした。
この場合は、水3〜8重量部を内蔵した易破壊性のカプセルと尿素3〜6重量部及び/又は硝酸アンモニウム4〜8重量部を、加熱タイプのものと同ように包装体の収納室に収納する。冷熱タイプの場合は、カプセル内の水の量は、上記冷却剤7〜14重量部に対して水3〜8重量部であるが、これに限られるものではない。
例えば、冷熱タイプの場合、使用時に水を収納するカプセルを圧壊して、−10〜−15℃の範囲に適宜に設定することができる。この場合は、冷却の有効温度を持続するように配合を調節されるが、20分間の貼着でも5℃以下に持続できることにより、本発明の冷熱タイプ包装体に適合するとした。
本発明の化粧料には、保湿剤、美白剤、肌荒れ防止剤、しわ防止剤又は皮膚栄養剤を含有する美肌成分を用いることができる。含有成分の安定化と肌への貼着効果を得るためにポリアクリル酸Na、澱粉・ポリアクリル酸Naグラフト重合体、グリセリン又はキサンタンガム等を配合して粘着性を付与する。
図1は、本発明のN型シート化粧料袋体の閉袋前の横断面概念図、図2は、N型シート化粧料袋体の閉袋後の横断面概念図、図3はN型シート化粧料袋体の閉袋後の平面概念図、図4は、閉袋後のN型シート化粧料(図2、図3)の使用時の概念断面図、図5は本発明のN型シート化粧料袋体(変形例)の閉袋後の横断面概念図、図6は図5のN型シート化粧料袋体の閉袋後の平面概念図、図7は、N型シート化粧料袋体(図5)の使用時の概念断面図、図8は、本発明のM型シート化粧料袋体の閉袋前の横断面概念図、図9はM型シート化粧料袋体の閉袋後の横断面概念図、図10は、M型シート化粧料袋体の閉袋後の平面概念図、図11は、図9のシート化粧料の間隙に熱媒体を挿入した概念図、図12は、M型シート化粧料の使用時の概念斜視図を示す。
次に、折曲線11、12及び、長手方向の終端部14で囲まれる空間Bに、粘着性の高い化粧料を含浸したシート化粧料2の面22を粘着固定させるようにして、ラミネートフィルムの終端部14を折曲線11より若干内側にずらせてヒートシールする。ヒートシール部は、14(11),14’(14’)で囲まれる域である。
シーラントフィルムの長手方向の両方の縁部又はエッジ部をヒートシールする。N型シートの折曲線12と一方端13との間隙にV字カットを設けてラミネートフィルム5を引き裂き、空間Bのシート化粧料が外部に露出させるが、空間Aの粉状又は液状の発熱成分又は冷却成分3は、上述するように使用中に漏れることはない。
本発明のシート化粧料包装体20の使用に際しては、適宜、フラップ9をはがし、ハーフカット4を切り裂いて開口部6を開口し、空間Bのシート化粧料2を開口部6より外面に露出するようにする。シート化粧料2の面21を露出した状態で、上述の包装体10の場合と同様に空間Aに収納されるカプセルを圧壊して発熱反応又は吸熱反応を起こした状態で、図7に示すようにシート化粧料2の面21の側を顔面又は肌に接触させる。図4と同様に肌面に直接的に貼着することもできるが、シート化粧料2自体に適宜の耳かけ紐24をつけて、耳にかけて使用してもよいし、図12に示すようにマスク用のものに収納して使用してもよい。いずれにしろ熱反応又は吸熱反応の継続中は、先の包装体10と同様に肌への適温を保つことが必要である。
気密性の高いラミネートフィルムを長手方向に直角の折曲線16,17、18で折り曲げる。
まず、図8に示すように折曲線16及び18で囲まれる2つの空間Dに固状の発熱成分又は冷却成分3と、水8を収納したカプセル7を収納し、15と17、19と17をそれぞれヒートシールする。19(15)〜19’(15’)で囲まれた斜線部がヒートシール域である。空間Dは、N型の場合と同様に粉状又は液状の発熱成分又は冷却成分3が漏れることのないように完全に密封状態を保ち、開封することはない。
次に図9に示すように粘着性の高い化粧料を含浸したシート化粧料2を折曲線16,17,及び18で囲まれる2つの空間Cにシート化粧料2を収納し、16と18をヒートシールする。他方、同時に長手方向の両方の縁部又はエッジ部をヒートシールする。図10に示すように、折り曲げ線16と18をヒートシール(16(18)〜16‘(18’)で囲まれる斜線部がヒートシール域である)し、使用時にシート化粧料を取り出し易いようにV字カットを設けておく。
熱反応又は吸熱反応の継続中は、上述するような肌への適温を保つことができる。この場合のシート化粧料の形状は、衛生マスクの使用と同様に耳にかけて固定する形が好ましい。
そして、本発明品を用いた場合、加温効果によってパック化粧効果を、冷却効果によって肌美容の快適性を達成することができた。
N型の斜面に8cm×5cmのフラップを感圧接着剤により7cm×4cmの大きさのハーフカット開口部を覆うように貼着した。フラップの剥離により7cm×4cmに開口することになる。
フラップ側の1室に、目付60g/m2で17cm×16cmの大きさにカットしたコットン100%の不織布を8.5cm×5.5cmに折り畳み、表1に示す保湿性の化粧料を含浸して収納した。
他の1室に、水4gを封入した易破壊性のカプセル1個と、炭酸カルシウム4g、塩化マグネシウム4g、流動パラフィン20gを収納した。
カプセルを圧壊して発熱を開始して、フラップを剥離してシート化粧料7cm×4cmを露出させて目の下に貼着した。最高温度は75℃に達し貼着20分で39℃であり有効温度に持続された。中身のシート化粧料を包装体から取出した比較例では、最高温度は75℃に達したが貼着20分で30℃に低下して有効温度に持続されなかった。
最低温度は−13℃に達し、貼着20分しても+1℃を持続しており、有効温度に持続された。中身のシート化粧料を包装体から取出した比較例では、最低温度は直後は−13℃に達したが、貼着10分経過後には、23℃になり、有効温度に持続されなかった。
M型の2つの折曲線同士をヒートシールして形成された中央の収納室に、目付80g/m2のコットン100%の不織布2枚で形成したシート化粧料を収納した。
シート化粧料と一緒に表2に示す保湿性の化粧料を含浸して収納した。
他の2室にともに水8gを封入した易破壊性のカプセルと尿素6g及び硝酸アンモニウム8gとを収納した。
使用時に水を収納するカプセルを圧壊して、水、尿素及び硝酸アンモニウムによる吸熱反応を利用して冷却を開始させて、同時に中央室に収納されたシート化粧料を取出して、吸熱反応を開始した冷熱包装体を2重シートの間隙に収納した状態とし、該シート化粧料を目の付近に貼着した。
最低温度は−15℃に達し、貼着後20分しても、−1℃を保っており、有効温度に持続された。
これに対して、冷熱包装体を収納しないシート化粧料のみの比較例では貼着20分で20℃になり、求めるような冷却温度の持続性がなかった。
発熱体としては、水5gを封入した易破壊性のカプセルと塩化マグネシウム5g及び流動パラフィン15gを収納した。
カプセルを圧壊して発熱を開始して、中身のシート化粧料を取出し、2重シート部に該発熱包装体を折り畳んで収納してシートを額に貼着した。最高温度は78℃に達し、貼着20分で40℃で有効温度に持続された。
これに対して、発熱包装体を収納しない加温したシートのみの比較品では、肌への貼着後20分で常温の28℃となり、有効温度を持続することができなかった。
2. シート化粧料
3. 発熱又は冷却剤
4. ハーフカット
5. シーラントフィルム
6. 開口部
7. 易破壊性カプセル
8. 水
9. フラップ
10. N型シート化粧料包装体
11. N型シートの一方の折曲線
12. N型シートの他方の折曲線
13. N型シートの一方端
13’.13に対応するシール部
14. N型シートの他方端
14’.14に対応するシール部
15. M型シートの一方端
16. M型シートの他方の折曲線
17. M型シートの中央の折曲線
18. M型シートの他方の折曲線
19. M型シートの他方端
20. N型シート化粧料包装体(変形例)
21. シート化粧料の片側面
22. シート化粧料の片側面(21の反対面)
24. マスク紐
25. マスク
30. M型シート化粧料包装体
A. N型の一方の空所
B. N型の他方の空所
C. M型の一方の空所
D. M型の他方の空所
Claims (4)
- シーラントフィルムを用い断面N型で2室の収納部、又は断面M型で3室の収納部を形成した包装体であって、(1)N型袋の1室又はM型袋の中央の1室に粘着性化粧液を含浸したシート化粧料を収納し、(2)N型袋の他の1室又はM型袋の外側2室を(1)の収納部より短い長さで設け該室に、水を内蔵するカプセルと、水による発熱反応又は吸熱反応を生じる成分を収納し、該包装体よりシート化粧料を取り出し、粘着性を有するシート化粧料の一面に、該シート化粧料の取出し残部を貼着し、他の一面を肌に貼着することを特徴とするシート化粧料包装体。
- 上記N型袋であって、シート化粧料を収納した1室の一面をシート化粧料の露出可能な切離用切込みを設け、該切込み部を被覆するフラップを設け、フラップを剥離することにより該シート化粧料の一面を外部に露出させ、露出させたシート化粧料を該包装体とともに肌に貼着することを特徴とする請求項1に記載のシート化粧料包装体。
- シート化粧料が、2重シートで形成されており、該2重シートの中央間隙に発熱反応又は吸熱反応を開始した包装体を畳み込んだ状態でその一面を肌に貼着することを特徴とする請求項1のシート化粧料包装体。
- シート化粧料の基材が、布帛、不織布、ゲルシートより選ばれた素材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート化粧料包装体。
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