JP4916153B2 - Mounting structure for vehicle seat - Google Patents
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Description
本発明は、車両用シートを任意の位置に固定する固定手段を有し、車両の前面衝突時にそのシートを後退させる車両用シートの取付構造に関するものである。 The present invention relates to a vehicle seat mounting structure that has a fixing means for fixing a vehicle seat at an arbitrary position and retracts the seat in the event of a frontal collision of the vehicle.
従来、車両用シートの取付構造として、図15に示すように、フロア2上に車両の進行方向に延びてロアレール3を配設させ、そのロアレール3に対向するようにシートクッション4aにアッパレール6を固定し、シート4を任意の位置に固定する固定手段7と前面衝突時にシート4を後退させる後退手段8とを介してアッパレール6をそのロアレール3に前後方向に移動可能に取付ける車両用シートの取付構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この取付構造におけるシート固定手段7は、アッパレール6にそのアッパレール6と同一長さの第1補助レール7aを前後方向に移動可能に取付け、その第1補助レール7aに長手方向に沿って図示しない孔付プレートを取付け、アッパレール6の長手方向に沿ってかつ軸心を回転中心として回動可能にアッパレール6にL字状の調節ハンドル7cを取付け、孔付きプレートの複数の角孔に先端が選択的に挿入可能に構成された爪部材の基端をその調節ハンドル7cに固着し、その爪部材の先端が角孔に挿入する方向に調節ハンドル7cを回転させるコイルばねをその調節ハンドル7cに巻回したものが開示されている。このシート固定手段では爪部材の先端が挿入する角孔を任意に選択することによりシート4を車両の前後方向における任意の位置に固定できるようになっている。
Conventionally, as a vehicle seat mounting structure, as shown in FIG. 15, a
一方、シート後退手段8は、ロアレール3にそのロアレール3と同一長さの第2補助レール8aを前後方向に移動可能に取付け、その第2補助レール8aをシート固定手段7の第1補助レール7aに固定し、アッパレール6を前進させる方向に付勢する弾性体8bを設けるとともに、ロアレール3に複数の被係止部8cを設け、その被係止部8cに選択的に係止可能に構成されアッパレール6が弾性体8aの付勢力に抗して後退するのを許容しかつ弾性体8bの弾性力により前進するのを阻止する係止具8dを備えている。このシート後退手段8では、車両が前面衝突して車両の前面が車室に進入することにより、シートクッション4aに所定値以上の後ろ向き荷重が作用すると、第1及び第2補助レール7a,8aからなる中間移動部材9とともにアッパレール6が弾性体8bの弾性力に抗して後退し、運転者は衝突した車両から容易に脱出できるようになっている。
しかし、上記従来の車両用シートの取付構造では、シート4のシートクッション4aに固定されたアッパレール6が、第1及び第2補助レール7a,8aを介してフロア2に配設されたロアレール3に取付けられるため、フロア2に対するシート4の位置が高くなる不具合があった。即ち、上記従来の車両用シートの取付構造では、シート4とフロア2の間にアッパレール6と第1補助レール7aと第2補助レール8aとロアレール3が上下方向に重合するように介在する。そして、アッパレール6と第1補助レール7aの間、第2補助レール8aとロアレール3の間にはローラ収容部が形成され、この収容部にはそれら相互の移動を円滑にするために破線で示すローラ7e及びローラ8eがそれぞれ収容される。従って、これらがシート4とフロア2の間に介在することによりフロア2に対するシート4の位置は高くなってしまい、シート4の位置が高くなると、運転者がシート4に着座したときにそのヒップポイントが変化して運転者のシートにおけるハンドルや各種スイッチの操作性に影響を与える問題点があった。
本発明の目的は、フロアに対するシートの取付位置を従来より低減して運転者のシートにおけるハンドルや各種スイッチの操作性に影響を与えない車両用シートの取付構造を提供することにある。
However, in the conventional vehicle seat mounting structure, the
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a vehicle seat mounting structure in which the seat mounting position with respect to a floor is reduced from the conventional level and the operability of the steering wheel and various switches on the driver's seat is not affected.
請求項1に係る発明は、図1及び図10に示すように、フロア11a上に車幅方向に所定の間隔をあけて車両10の進行方向に延びて配設された一対のロアレール16a,16bと、一対のロアレール16a,16bにそれぞれ対向するようにシート13のシートクッション13aに固定され一対のロアレール16a,16bに前後方向に移動可能にそれぞれ取付けられた一対のアッパレール17a,17bと、一対のロアレール16a,16bに前後方向に移動可能に取付けられた移動部材19と、所定値以上の衝撃力が前方からシート13に作用したときに一対のロアレール16a,16bに対して移動部材19を後退させるように移動部材19を一対のロアレール16a,16bに固定する移動部材固定手段30と、一対のアッパレール17a,17bを移動部材19の前後方向の任意の位置に選択的に固定するように構成されたシート固定手段20とを備えた車両用シートの取付構造の改良である。
その特徴ある構成は、一対のロアレール16a,16bに移動部材19の両側に重合する一対の板材18a,18bが設けられ、一対の板材18a,18b又は一対の板材18a,18bに対向する移動部材19の両側に前後方向に長い長孔19aが形成され、移動部材19の両側又は一対の板材18a,18bに長孔19aに対向して係止ピン14が固着され、係止ピン14が長孔19aに挿入係合されて移動部材19が一対のロアレール16a,16bに前後方向に移動可能に取付けられたところにある。
As shown in FIGS. 1 and 10, the invention according to claim 1 is a pair of
The characteristic configuration is that the pair of
この請求項1に記載された車両用シートの取付構造では、ロアレール16a,16bに設けられた一対の板材18a,18bに移動部材19の両端を重合させ、係止ピン14を介して移動部材19を一対のロアレール16a,16bに前後方向に移動可能に取付け、その移動部材19に対してシート固定手段20及び移動部材固定手段30を設けたので、アッパレール17a,17bをロアレール16a,16bに直接取付けることが可能になる。そして、アッパレール17a,17bをロアレール16a,16bに直接取付けることにより、アッパレール及びロアレールが第1及び第2補助レールを介して取付けられる従来の取付構造に比較して、フロア11aに対するシート13の取付位置を低減することができる。
In the vehicle seat mounting structure described in claim 1, both ends of the moving
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、移動部材固定手段30が、一対の板材18a,18bの内側部にそれぞれ設けられた一対の被係止部材31,31と、一対の被係止部材31,31の間の移動部材19に設けられたハウジング32と、ハウジング32に両側部からそれぞれの基端が没入可能に側方に突出して設けられ突出した先端が一対の被係止部材31,31にそれぞれ係止可能に構成された一対の係止具33,33と、ハウジング32に内蔵され所定値以上の衝撃力が前方からシート13に作用しないときに一対の係止具33,33の基端をハウジング32内にそれぞれ没入不能にし、所定値以上の衝撃力が前方からシート13に作用したときのみ一対の係止具33,33の基端のハウジング32内への没入をそれぞれ許容するように制御する係止具制御手段35とを備えた車両用シートの取付構造である。
この請求項2に記載された車両用シートの取付構造では、車両10が前面衝突すると、係止具制御手段35は一対の係止具33,33の没入を許容し、一対の係止具33,33が没入することによりそれらの係止具33,33と一対の被係止部材31,31との係止状態は解除される。するとアッパレール17a,17bはロアレール16a,16bに対して後方向に移動できるので、車両10の前面の車室への侵入やエアバッグ等の膨張によりアッパレール17a,17bをシート13とともに後退させることができる。
The invention according to
In the vehicle seat mounting structure described in
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、更に図2に示すように、シート固定手段20が、一対のロアレール16a,16bの内側部に対向して移動部材19に設けられアッパレール17a,17bの長手方向に沿って複数の凹溝21aが形成された溝付プレート21と、溝付プレート21とアッパレール17a,17bの間に挿入されてアッパレール17a,17bに中央が枢支され先端に複数の凹溝21aに選択的に挿入可能な爪部24aが形成された揺動部材24と、揺動部材24の基端に取付けられた調節ハンドル22と、爪部24aが凹溝21aに挿入する方向に揺動部材24又は調節ハンドル22を付勢するばね材26とを備えた請求項1又は2記載の車両用シートの取付構造である。
この請求項3に記載された車両用シートの取付構造では、調節ハンドル22を揺動部材24とともに回転させてその爪部24aを溝付プレート21における凹溝21aから離脱させ、シート13を移動させて最適な位置で調節ハンドル22をばね材26の付勢力に従って逆方向に回転させ、揺動部材24の爪部24aを凹溝21aに挿入させることにより、比較的容易にシート13を運転者の好みの任意の位置に固定することができる。そして、揺動部材24を溝付プレート21とアッパレール17a,17bの間に挿入することにより、フロア11aに対するシート13の取付位置を変更することなく、このシート固定手段20を取付けることができる。
The invention according to
In the vehicle seat mounting structure described in
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、図13及び図14に示すように、シート固定手段60が、一対のロアレール16a,16bの内側部に対向して移動部材19に設けられアッパレール17a,17bの長手方向に沿って複数の角孔61aが形成された孔付プレート61と、孔付プレート61とアッパレール17a,17bの間に挿入されアッパレール17a,17bの長手方向に沿ってかつ軸心を回転中心として回動可能にアッパレール17a,17bに取付けられた回転ハンドル62と、回転ハンドル62に基端が固着され先端が複数の角孔61aに選択的に挿入可能に構成された爪部材64と、回転ハンドル62に巻回され爪部材64の先端が角孔61aに挿入する方向に回転ハンドル62を回転させるように付勢するねじりコイルばね66とを備えた車両用シートの取付構造である。
この請求項4に記載された車両用シートの取付構造では、回転ハンドル62を爪部材64とともに回転させてその先端を孔付プレート61における角孔61aから離脱させ、シート13を移動させて最適な位置で回転ハンドル62をコイルばね66の付勢力に従って逆方向に回転させ、爪部材64の先端を角孔61aに挿入させることにより、比較的容易にシート13を運転者の好みの任意の位置に固定することができる。そして、回転ハンドル62を孔付プレート61とアッパレール17a,17bの間に挿入することにより、フロア11aに対するシート13の取付位置を変更することなく、このシート固定手段60を取付けることができる。
The invention according to
In the vehicle seat mounting structure described in
本発明の車両用シートの取付構造では、一対のロアレールに移動部材の両側に重合する一対の板材を設け、その一対の板材又は移動部材の両側に前後方向に長い長孔を形成し、それに対向して移動部材の両側又は一対の板材に係止ピンを固着し、係止ピンを長孔に挿入係合することにより移動部材を一対のロアレールに前後方向に移動可能に取付け、この移動部材に対してシート固定手段及び移動部材固定手段を設けたので、アッパレールをロアレールに直接取付けることが可能になり、アッパレール及びロアレールが第1及び第2補助レールを介して取付けられる従来の取付構造に比較して、フロアに対するシートの取付位置を低減することができる。 In the vehicle seat mounting structure of the present invention, the pair of lower rails is provided with a pair of plate members that are superposed on both sides of the moving member, and a long slot is formed in the front-rear direction on both sides of the pair of plate members or the moving member. Then, the locking pin is fixed to both sides of the moving member or a pair of plate members, and the moving member is attached to the pair of lower rails so as to be movable in the front-rear direction by inserting and engaging the locking pin into the elongated hole. On the other hand, since the seat fixing means and the moving member fixing means are provided, it becomes possible to directly attach the upper rail to the lower rail. Compared to the conventional mounting structure in which the upper rail and the lower rail are attached via the first and second auxiliary rails. Thus, the mounting position of the seat with respect to the floor can be reduced.
また、移動部材固定手段が、一対のロアレールの内側部にそれぞれ設けられた一対の被係止部材と、一対の被係止部材の間の移動部材に設けられたハウジングと、ハウジングに両側部からそれぞれの基端が没入可能に側方に突出して設けられ突出した先端が一対の被係止部材にそれぞれ係止可能に構成された一対の係止具と、ハウジングに内蔵され所定値以上の衝撃力が前方からシートに作用したときのみ一対の係止具の基端のハウジング内への没入をそれぞれ許容する係止具制御手段とを備えれば、車両が前面衝突したときにのみ係止具制御手段は一対の係止具の没入を許容してそれらの係止具と一対の被係止部材との係止状態を解除する。するとアッパレールはロアレールに対して後方向に移動できるので、車両の前面の車室への侵入やエアバッグ等の膨張によりアッパレールはシートとともに後退する。この結果、車両の前面衝突時に確実にシートを後退でき、シートの着席車の脱出性を向上することができる。 Further, the moving member fixing means includes a pair of locked members respectively provided on the inner side of the pair of lower rails, a housing provided on the moving member between the pair of locked members, and the housing from both sides. Each base end protrudes laterally so that it can be immersed, and a pair of locking tools each having a protruding tip that can be locked to a pair of locked members, and an impact greater than a predetermined value built in the housing When a force is applied to the seat from the front, the locking tool control means for allowing the base ends of the pair of locking tools to be inserted into the housing is provided. The control means allows the immersion of the pair of locking tools and releases the locking state between the locking tools and the pair of locked members. Then, since the upper rail can move rearward with respect to the lower rail, the upper rail moves backward together with the seat due to the intrusion of the front surface of the vehicle into the passenger compartment or the expansion of the airbag. As a result, the seat can be reliably retracted at the time of a frontal collision of the vehicle, and the escape property of the seated vehicle can be improved.
更に、シート固定手段が、一対のロアレールの内側部に対向して移動部材に設けられアッパレールの長手方向に沿って複数の凹溝又は角孔が形成されたプレートと、そのプレートとアッパレールの間に挿入されてアッパレールに設けられ先端に複数の凹溝又は角孔に選択的に挿入可能な揺動部材又は爪部材を備えれば、プレートにおける凹溝又は角孔から揺動部材又は爪部材の先端を離脱させ、シートを移動させて最適な位置で揺動部材又は爪部材の先端を凹溝又は角孔に再び挿入させることにより、比較的容易にシートを運転者の好みの任意の位置に固定することができる。そして、揺動部材又は爪部材をプレートとアッパレールの間に挿入することにより、フロアに対するシートの取付位置を変更することなく、シート固定手段を取付けることができる。 Further, a sheet fixing means is provided on the moving member so as to face the inner portions of the pair of lower rails, and a plate in which a plurality of grooves or square holes are formed along the longitudinal direction of the upper rail, and between the plate and the upper rail. If a rocking member or claw member that is inserted and provided on the upper rail and can be selectively inserted into a plurality of grooves or square holes at the tip is provided with the tip of the rocking member or claw member from the groove or square hole in the plate The seat is moved, the seat is moved, and the tip of the rocking member or claw member is re-inserted into the groove or square hole at the optimum position, so that the seat can be fixed at any position desired by the driver relatively easily. can do. Then, by inserting the swing member or the claw member between the plate and the upper rail, the seat fixing means can be attached without changing the seat attachment position with respect to the floor.
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図10に示すように、キャブオーバ型トラック10のキャブ11にはステアリングシャフトを回転可能に保持するステアリングコラム12に対向してシート13が設けられる。シート13は運転者の尻部を受けるシートクッション13aと、シートクッション13aの後端にリクライニングアジャスタ13bを介して取付けられ運転者の背部を受けるシートバック13cとを備える。シートクッション13aの下部にはそのシートクッション13aを支えるクッションフレーム13dが設けられる(図2)。キャブ11のフロア11a上にはトラック10の進行方向に延びて一対のロアレール16a,16bが配設され、この一対のロアレール16a,16bにそれぞれ対向するようにシートクッション13aには一対のアッパレール17a,17bが固定される。
Next, the best mode for carrying out the present invention will be described with reference to the drawings.
As shown in FIG. 10, the
図1及び図2に示すように、一対のアッパレール17a,17bは一対のロアレール16a,16bと略同一の長さを有し、かつ一対のアッパレール17a,17bは一対のロアレール16a,16bを上方から覆ってその長手方向に沿って移動可能に取付けられる。図2に示すように、アッパレール17a,17bとロアレール16a,16bの間にはローラ収容部が形成され、アッパレール17a,17bがロアレール16a,16bに沿った移動を容易にするために、この収容部にはローラ15aがそれぞれ収容される。また、ロアレール16a,16bの両外側面と、そのロアレール16a,16bを上方から覆ったアッパレール17a,17bの両内側面の間には球体15bがそれぞれ挿入される。この球体15bは、アッパレール17a,17bがロアレール16a,16bから外れることを防止するとともに、それら転動することによりアッパレール17a,17bのロアレール16a,16bに沿った移動を容易にするように設けられる。
As shown in FIGS. 1 and 2, the pair of
図1及び図2に詳しく示すように、フロア11aと一対のロアレール16a,16bの間には一対の板材18a,18bがその一対のロアレール16a,16bに沿って前後方向に延びて取付けられる。一対の板材18a,18bの間には、この一対の板材18a,18bに両側が下方から重合する移動部材19が設けられる。この実施の形態における移動部材19は平板であって、その一対の板材18a,18bに重合して対向する移動部材19の両側には前後方向に長い長孔19aがそれぞれ形成される。一方、一対の板材18a,18bにはその長孔19aに対向して係止ピン14が固着され、その係止ピン14が長孔19aに挿入係合される。係止ピン14が長孔19aの内部で移動することにより平板からなる移動部材19は前後方向に移動可能に構成され、この移動部材19は一対の板材18a,18bを介して一対のロアレール16a,16bに対して前後方向に移動可能に取付けられる。そして、一対のアッパレール17a,17bをこの移動部材19の前後方向の任意の位置に選択的に固定するシート固定手段20が設けられる。
As shown in detail in FIGS. 1 and 2, a pair of
この実施の形態におけるシート固定手段20は、移動部材19に設けられた溝付プレート21と、溝付プレート21とアッパレール17a,17bの間に挿入されてアッパレール17a,17bに中央が枢支された揺動部材24とを備える。溝付プレート21は移動部材19の両側部にロアレール16a,16bに沿って設けられ、このレール16a,16bの長手方向に沿って多数の凹溝21a(図1)がそれぞれ形成される。揺動部材24はこの溝付プレート24に対向するアッパレール17a,17bの内面に中央が枢支ピン23を介して枢支され。揺動部材24の基端にはU字状の調節ハンドル22の先端が固着され、この揺動部材24の先端は上記多数の凹溝21aに対向するように折り曲げられ、その先端縁には凹溝21aに選択的に挿入可能な爪部24aが形成される。そして、調節ハンドル22には、この調節ハンドル22を付勢してそれぞれの揺動部材24の先端における爪部24aが凹溝21aに挿入する方向にそれぞれの調節ハンドル22を回転させるばね材26が設けられる(図1)。
The sheet fixing means 20 in this embodiment is inserted between the
一方、移動部材19には、所定値以上の衝撃力が前方からシート13に作用したときに一対のロアレール16a,16bに対してこの移動部材19を後退させるようにその移動部材19を一対のロアレール16a,16bに固定する移動部材固定手段30が備えられる。図4〜図6に示すように、この実施の形態における移動部材固定手段30は、一対の板材18a,18bの内側部にそれぞれ設けられた一対の被係止部材31を備える。この被係止部材31は一対のロアレール16a,16bとフロア11aの間に設けられた一対の板材18a,18bの内側を立ち上げることによりその長手方向に沿って設けられる。この被係止部材31には一対のロアレール16a,16bの長手方向に所定の間隔をあけて複数の被係止孔31aが形成される(図5)。
On the other hand, the moving
また、この実施の形態における移動部材固定手段30は、一対の被係止部材31の間の移動部材19に設けられたハウジング32と、このハウジング32の両側から突出して設けられた一対の係止具33とを備える。この係止具33は被係止孔31aに係止可能に構成された係止本体33aとその係止本体33aが先端に設けられた棒状部材33bとにより構成され、棒状部材33bの先端を両側に突出させてその棒状部材33bの基端がハウジング32の両側から没入可能に設けられる。ハウジング32に没入可能に設けられた係止具33の突出した先端における係止本体33aには、その後面33cが傾斜して形成され、被係止孔31aにその先端が進入した状態で被係止孔31aの前面に面接触するように形成される。また棒状部材33bには係止具33をその先端が突出するように付勢するコイルばね40が設けられる(図2)。係止具33の先端における係止本体33aはこのコイルばね40の弾性力により被係止部材31の被係止孔31aに選択的に係止するように構成される。
Further, the moving member fixing means 30 in this embodiment includes a
従って、この移動部材固定手段30では、アッパレール17aに後向きの荷重が作用するとその荷重は移動部材19に伝達され、その移動部材19とともに一対の係止具33はアッパレール17aとともに後方に移動しようとする。すると図8に示すように、被係止孔31aの後面に接触する係止本体33aの傾斜した後面により係止具33はコイルばね40の付勢力に抗してハウジング32に没入し、係止具33が後方に移動して係止具33の先端が今まで係止していた被係止孔31aより後方における次の被係止孔31aに先端が対向した時点で図9に示すようにコイルばね40の付勢力により突出する。そしてその被係止孔31aに係止具33の先端が係止する。即ち、被係止部材31及び係止具33は、アッパレール17a,17bが前進するのを防止する一方で、アッパレール17a,17bが後退するのを許容するように構成される。
Therefore, in this moving member fixing means 30, when a backward load is applied to the
図2,図5及び図6に示すように、ハウジング32には、一対の係止具33,33の基端をハウジング32内にそれぞれ没入させ、又はその没入を不能にする係止具制御手段35が設けられる。この実施の形態における係止具制御手段はハウジング32の内部に収容された摺動駒35であり、この摺動駒35は一対の係止具33,33のそれぞれの基端の間の図6の実線で示す第1位置36と、その第1位置36の前方の係止具33の基端から外れたハウジング32内部の波線で示す第2位置37を移動可能にハウジング32に収容される。また、ハウジング32には駒受け部材38が収容され、その駒受け部材38を付勢する維持スプリング39が更に設けられる。駒受け部材38は、第1位置36と第2位置37の間のハウジング32に収容され、駒受け部材38は、シート13に衝撃力が作用したときに加わる摺動駒35の慣性力によりその摺動駒35の移動方向に直交する方向に没入可能にハウジング32に収容される。維持スプリング39は、駒受け部材38の没入方向に延びてハウジング32に設けられ、駒受け部材38を突出するように付勢して摺動駒35を第1位置36又は第2位置37に維持させるように構成される。ここで符号41は摺動駒35が移動した際の衝撃を緩和するクッションスプリングを示す。
As shown in FIGS. 2, 5, and 6, in the
そして車両10が前面衝突すると第1位置36に位置する摺動駒35には第2位置37へ移動しようとする慣性力が発生し、車両に後方から他の車両が衝突すると第2位置37に位置する摺動駒35には第1位置36へ移動しようとする慣性力が発生する。その慣性力が駒受け部材38に加わり、維持スプリング39の付勢力に打ち勝った状態で駒受け部材38は摺動駒35の移動方向と直交する方向に没入して、摺動駒35における第1位置36から第2位置37への移動、又は第2位置37から第1位置36への移動が許容されるように調整される。
図10に戻って、ステアリングコラム12はシート13の前方のダッシュパネル46にコラムサポートブラケット47を介して支持され、ステアリングコラム12の上端から突出するステアリングシャフトにはステアリングホイール48が固着される。
When the
Returning to FIG. 10, the
このように構成された車両用シートの取付構造の動作を説明する。
トラック10を最初に運転する運転者はその好みによりシート13を前後方向に移動して任意の最適な位置に固定する必要がある。この固定はシート固定手段20により行われ、調節ハンドル22を持ち上げることにより揺動部材24を揺動させてその先端を溝付プレート21における凹溝21aから離脱させる。これによりアッパレール17a,17bは移動部材19と独立してロアレール16a、16bに沿って前後方向に移動可能な状態になり、最適な位置で調節ハンドル22をばね材26の付勢力に従って下方に下げる。これにより揺動部材24の先端における爪部24aが凹溝21aに挿入して移動部材19に対するアッパレール17a,17bの前後方向の移動は禁止される。一方、被係止部材31と係止具33とは互いに係合した状態であるから移動部材19の前後方向に対する移動は禁止されている状態であり、揺動部材24の先端における爪部24aが凹溝21aに挿入された状態でシート13は運転者の好みの任意の位置に固定される。
The operation of the vehicle seat mounting structure thus configured will be described.
The driver who drives the
ここで、この車両用シートの取付構造では、ロアレール16a,16bに設けられた一対の板材18a,18bに移動部材19の両端を重合させ、係止ピン14を介して移動部材19を一対のロアレール16a,16bに前後方向に移動可能に取付け、その移動部材19に対してシート固定手段20及び移動部材固定手段30を設けたので、アッパレール17a,17bをロアレール16a,16bに直接取付けることが可能になる。そして、アッパレール17a,17bをロアレール16a,16bに直接取付けることにより、アッパレール及びロアレールが第1及び第2補助レールを介して取付けられる従来の取付構造に比較して、フロア11aに対するシート13の取付位置を低減することができる。そして、揺動部材24を溝付プレート21とアッパレール17a,17bの間に挿入するので、フロア11aに対するシート13の取付位置を変更することなく、このシート固定手段20を取付けることができる。
Here, in this vehicle seat mounting structure, both ends of the moving
シート13が好みの位置に固定された後、運転者はそのシート13に着座してトラックを運転して走行させる。トラック10の通常走行時にシート13には走行に伴う慣性力が作用する。この慣性力は衝撃的な荷重ではないため、維持スプリング39の付勢力により駒受け部材38が当接して摺動駒35は第1位置36に位置される。一方、トラック10が前面衝突すると、シート13に衝撃的かつ大きな前向き荷重が作用する(図11の(a)の範囲)。すると、第1位置36に位置する摺動駒35には第2位置37へ移動しようとする慣性力が発生する。その慣性力が維持スプリング39の付勢力に打ち勝った状態で駒受け部材38は摺動駒35の移動方向と直交する方向に没入し、図7に示すように摺動駒35は第1位置36から第2位置37へ移動する。これにより係止具33の没入は許容されることになるけれども、被係止部材31及び係止具33によりアッパレール17a,17bが移動部材19とともに前進することは防止される。その後シート13に作用する前向き荷重は減少して後向き荷重に変化し図11の(b)の範囲に移行する。しかし、この後向き荷重は衝撃的な荷重ではないため、維持スプリング39の付勢力により駒受け部材38が当接して摺動駒35は第2位置37に維持させられ、コイルばね40の付勢力により係止具33がハウジング32に没入することはなく、図11の(b)の範囲の荷重によりシート13が後方に移動することは防止される。
After the
トラック10が前面衝突すると、次にステアリングコラム12が後退してシートクッション13aに当接したり或いはエアバッグ(図示せず)が膨張したりすることにより、シート13に後向き荷重が作用する(図11の(c)の範囲)。すると、一対の係止具33,33は移動部材19及びアッパレール17aとともに後方に移動しようとし、図8に示すように、被係止孔31aの後面に接触する係止本体33aの傾斜した後面により係止具33はコイルばね40の付勢力に抗してハウジング32に没入する。すると、一対の係止具33,33は移動部材19及びアッパレール17aとともに後方に移動し、アッパレール17a,17bがシート13とともにロアレール16a,16bに沿って後退する。この結果、トラック10の前面衝突時に確実にシート13を後退でき、シート13の着席者の脱出性を向上できる。また、図9に示すように、アッパレール17a,17bがシート13とともに後退するに従って一対の係止具33,33が順次後方の被係止孔31aに係止していくので、アッパレール17a,17bは後退した位置に保持され、たとえシート13に再び前向き荷重が作用したとしても、シート13が前進することはない。
When the
なお、この実施の形態では、溝付プレート21と揺動部材24を備えたシート固定手段20を説明したが、シート固定手段はこれに限らず、図12及び図13に示すようなシート固定手段60であっても良い。このシート固定手段60は、移動部材19に設けられた孔付プレート61と、アッパレール17a,17bの長手方向に沿ってそのアッパレール17a,17bに取付けられた一対の回転ハンドル62a,62bとを備える。孔付プレート61は移動部材19の両側部にロアレール16a,16bに沿って設けられ、このレール16a,16bの長手方向に沿って多数の角孔61aがそれぞれ形成される。またアッパレール17a,17bの上面にはそれぞれハンドルホルダ63の基端が固着され、このハンドルホルダ63の先端は孔付プレート61とアッパレール17a、17bの間に位置し、この先端に丸孔63aが形成される。孔付プレート61とアッパレール17a、17bの間には回転ハンドル62a,62bがそれぞれ挿入され、丸孔63aにこの回転ハンドル62a,62bが回動可能に挿入されてその軸心を回転中心として回転可能に構成される。孔付プレート61とアッパレール17a、17bの間には爪部材64が挿入され、一対の回転ハンドル62a,62bには爪部材64の基端がそれぞれ固着される。一対の回転ハンドル62a,62bに基端が固着された爪部材64の先端は、それぞれが上記多数の角孔61aに選択的に挿入可能に曲げられる。アッパレール17a,17bにホルダ63を介してそれぞれ設けられた一対の回転ハンドル62a,62bはそれらの前端に設けられた連結部材67及び連結ワイヤ68を介して互いに連結され、一方の回転ハンドル62aには、この回転ハンドル62aを付勢してそれぞれの爪部材64の先端が角孔61aに挿入する方向にそれぞれの回転ハンドル62a,62bを回転させるねじりコイルばね66が巻回される(図12)。
In this embodiment, the sheet fixing means 20 provided with the
このシート固定手段60におけるシート13の固定は、一対の回転ハンドル62a,62bを図12の実線矢印で示すように爪部材24とともに回転させ、図14に示すように爪部材24の先端を孔付プレート61における角孔61aから離脱させる。これによりアッパレール17a,17bは移動部材19と独立してロアレール16a、16bに沿って前後方向に移動可能な状態になり、最適な位置で一対の回転ハンドル62a,62bをコイルばね66の付勢力に従って図12の破線矢印で示すように回転させる。これにより爪部材64の先端は図13に示すように角孔61aに挿入して移動部材19に対する前後方向の移動は禁止される。一方、被係止部材31と係止具33とは互いに係合した状態であるから移動部材19の前後方向に対する移動は禁止されている状態であり、爪部材64の先端が角孔61aに挿入された状態でシート13は運転者の好みの任意の位置に固定される。そして、一対の回転ハンドル62a,62bを孔付プレート61とアッパレール17a,17bの間に挿入するので、フロア11aに対するシート13の取付位置を変更することなく、このシート固定手段60を取付けることができる。
The
また、上述した実施の形態では、移動部材19の両側に長孔19aを形成し、一対の板材18a,18bに係止ピン14が固着された場合を説明したが、移動部材19が一対のロアレール16a,16bに対して前後方向に移動可能である限り、一対の板材18a,18bに前後方向に長い長孔を形成し、移動部材19の両側にその長孔に対向して係止ピン14を固着し、この係止ピン14を長孔に挿入係合しても良い。
In the above-described embodiment, the case where the
また、この実施の形態では、ハウジング32の内部に収容された摺動駒35からなる係止具制御手段を説明し、車両10が前面衝突する際に生じる慣性力によりその摺動駒35を第1位置36から第2位置37に移動させているけれども、車両10の前面衝突を検出したときに作動するアクチュエータや、車両10の前面衝突時に発生するエア圧等の慣性力以外の力により、この係止具制御手段である摺動駒35を第1位置36から第2位置に移動させるように構成しても良い。
Further, in this embodiment, a locking device control means including a sliding
また、この実施の形態では、車両としてキャブオーバ型トラックを挙げたが、乗用車又はその他の車両でもよい。
更に、この実施の形態では、シートとして運転席を挙げたが、助手席又はその他の座席でもよい。
In this embodiment, a cab-over type truck is used as the vehicle. However, a passenger car or other vehicle may be used.
Further, in this embodiment, the driver's seat is used as the seat, but a passenger seat or other seats may be used.
10 トラック(車両)
11a フロア
13 シート
13a シートクッション
14 係止ピン
16a,16b ロアレール
17a,17b アッパレール
19 移動部材
18a,18b 板材
19a 長孔
20,60 シート固定手段
21 溝付プレート
21a 凹溝
22 調節ハンドル
24 揺動部材
24a 爪部
26 ばね材
30 移動部材固定手段
31 被係止部材
32 ハウジング
33 係止具
35 摺動駒(係止具制御手段)
61 孔付プレート
61a 角孔
62 回転ハンドル
64 爪部材
66 ねじりコイルばね
10 Truck (vehicle)
61 Plate with
Claims (4)
前記一対のロアレール(16a,16b)に前記移動部材(19)の両側に重合する一対の板材(18a,18b)が設けられ、
前記一対の板材(18a,18b)又は前記一対の板材(18a,18b)に対向する前記移動部材(19)の両側に前後方向に長い長孔(19a)が形成され、
前記移動部材(19)の両側又は前記一対の板材(18a,18b)に前記長孔(19a)に対向して係止ピン(14)が固着され、
前記係止ピン(14)が前記長孔(19a)に挿入係合されて前記移動部材(19)が前記一対のロアレール(16a,16b)に前後方向に移動可能に取付けられた
ことを特徴とする車両用シートの取付構造。 A pair of lower rails (16a, 16b) and a pair of lower rails (16a, 16b) disposed on the floor (11a) so as to extend in the traveling direction of the vehicle (10) at a predetermined interval in the vehicle width direction. A pair of upper rails (17a, 17b) fixed to the seat cushion (13a) of the seat (13) so as to face each other and attached to the pair of lower rails (16a, 16b) so as to be movable in the front-rear direction, and the pair A movable member (19) attached to the lower rail (16a, 16b) so as to be movable in the front-rear direction, and the pair of lower rails (16a, 16a, 16b) when an impact force of a predetermined value or more acts on the seat (13) from the front. 16b) moving member fixing means (30) for fixing the moving member (19) to the pair of lower rails (16a, 16b) so as to retract the moving member (19), and the pair of upper rails (17a) 17b) is configured to selectively fix the moving member (19) at an arbitrary position in the front-rear direction. In the mounting structure of the vehicle seat that includes a locking means (20, 60),
The pair of lower rails (16a, 16b) is provided with a pair of plate members (18a, 18b) that overlap on both sides of the moving member (19),
Long holes (19a) that are long in the front-rear direction are formed on both sides of the pair of plate members (18a, 18b) or the moving member (19) facing the pair of plate members (18a, 18b),
A locking pin (14) is fixed to both sides of the moving member (19) or the pair of plate members (18a, 18b) facing the long hole (19a),
The locking pin (14) is inserted and engaged with the elongated hole (19a), and the moving member (19) is attached to the pair of lower rails (16a, 16b) so as to be movable in the front-rear direction. A vehicle seat mounting structure.
The seat fixing means (60) is provided on the moving member (19) so as to face the inner side of the pair of lower rails (16a, 16b), and has a plurality of square holes (61a) along the longitudinal direction of the upper rails (17a, 17b). A plate with a hole (61) having a hole formed therein, inserted between the plate with a hole (61) and the upper rail (17a, 17b) and rotated along the longitudinal axis of the upper rail (17a, 17b) A rotary handle (62) attached to the upper rail (17a, 17b) so as to be pivotable as a center, and a base end is fixed to the rotary handle (62), and a tip is selectively attached to the plurality of square holes (61a). A claw member (64) configured to be insertable, and the rotary handle (62) in a direction in which the tip of the claw member (64) is wound around the rotary handle (62) and inserted into the square hole (61a). The mounting structure for a vehicle seat according to claim 1 or 2, further comprising a torsion coil spring (66) biased to rotate.
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