JP4914794B2 - ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4914794B2
JP4914794B2 JP2007254523A JP2007254523A JP4914794B2 JP 4914794 B2 JP4914794 B2 JP 4914794B2 JP 2007254523 A JP2007254523 A JP 2007254523A JP 2007254523 A JP2007254523 A JP 2007254523A JP 4914794 B2 JP4914794 B2 JP 4914794B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate
component
core
fiber
sheath
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007254523A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009084736A (ja
Inventor
浩一 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DaiwaboPolytecCo.,Ltd.
Daiwabo Holdings Co Ltd
Original Assignee
DaiwaboPolytecCo.,Ltd.
Daiwabo Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DaiwaboPolytecCo.,Ltd., Daiwabo Holdings Co Ltd filed Critical DaiwaboPolytecCo.,Ltd.
Priority to JP2007254523A priority Critical patent/JP4914794B2/ja
Publication of JP2009084736A publication Critical patent/JP2009084736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4914794B2 publication Critical patent/JP4914794B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

本発明は、ポリカーボネートを含む細繊度の芯鞘型複合繊維の製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、エンジニアリングプラスチックとして大量に使用されている。ポリカーボネートを用いた繊維は、これまでに種々の構成のものが提案されており、優れた透明性を活かし、光ファイバーのような特殊な用途にも使用されている。
例えば、特許文献1には、ポリカーボネートを溶融紡糸にて紡糸し繊維化すること、及び繊維を加熱延伸して繊維を配向せしめれば、繊維性能の優れたポリカーボネート単一繊維が得られることが開示されている。この繊維は、織物、衣類、工業用繊維として利用出来るとされている。
特許文献2は、ポリカーボネートからなる成分とエラストマー性ポリウレタンからなる成分がそれらの長さに沿って接着している複合繊維が開示されている。この繊維は、らせん状に捲縮された2成分織物フィラメントおよびこれからつくられる織物製品を得ることを目的としている。
特許文献3は、ポリカーボネート成分中にポリプロピレン成分よりなる極細繊維が束状をなして分散配列されているポリカーボネート繊維が開示されている。この繊維は、ポリカーボネートにポリプロピレンをペレットの段階で加え、均一に混合溶融し、溶融紡糸して得られた繊維であり、ポリカーボネート成分中に発生したクレイズ(配向)の伝播を遮断、若しくはクレイズの発生を防止する効果を奏し、ポリカーボネート繊維の脆化を抑制する作用・効果を奏するものである。
特許文献4は、芯部が熱可塑性ポリマーを含み、鞘部がポリオレフィンを含む芯鞘型複合繊維が開示されている。この繊維は、芯成分と鞘成分のなじみ性が良好であり、さらに、ゴム組成物等の弾性組成物ともなじみ性が良好であり、弾性材の補強に好適に利用できるものである。
特許文献5は、ポリカーボネートを紡糸孔から溶融紡糸すると同時に隣接した気体吐出孔から高温高速の気体を噴射して極細繊維流とし、シート状に捕集された不織布が開示されている。
特公昭37−018328号公報 特公昭48−013730号公報 特開昭51−072610号公報 特開2003−193332号公報 特開平5−279947号公報
ポリカーボネートを用いた単一成分の繊維は、例えば、特許文献1に、繊度75デニールのポリカーボネート繊維が開示されている。特許文献2は、繊度105デニールのポリカーボネートとエラストマー性ポリウレタンとの芯鞘型複合繊維又は並列型複合繊維を製造する方法を開示している。特許文献3はポリカーボネートとポリオレフィンとを混合した海島構造の繊維を開示している。引用文献4は、熱可塑性ポリマーとポリオレフィンからなる芯鞘型複合繊維の一例として、ポリカーボネートを芯成分とし、ポリオレフィンを鞘成分とする芯鞘型複合繊維が開示されているものの、ポリカーボネートを含む繊維の製造における問題点、及び細繊度のポリカーボネート芯鞘型複合繊維を製造する具体的な方法を示していない。引用文献5はメルトブローによる平均繊維径12ミクロン以下のポリカーボネート繊維からなる長繊維不織布を開示している。
以上のように、ポリカーボネート繊維については、様々な研究がなされ、ポリカーボネートの単一繊維、複合繊維が提案されている。しかし、ポリカーボネートを用いた不織布等に使用する細繊度の繊維は、今まで実用化されてこなかった。その理由は、紡出直後にポリカーボネート成分が脆化しやすく、糸切れが発生しやすくなり、細繊度の繊維を得ることが困難であったからである。また、特許文献5のように同時に隣設した気体吐出孔から高温高速の気体を噴出するいわゆるメルトブローン法によれば、細繊度化は可能であるが、一般に得られる不織布は強力が低く、用途も限定されるという問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、細繊度のポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維を安定して製造する方法を提供する。
本発明のポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法は、加熱溶融されたポリカーボネートと熱可塑性ポリマーを、ノズル吐出口から35℃以上前記ポリカーボネートのガラス転移点未満の雰囲気温度である気体雰囲気中に紡出し、ポリカーボネートを50質量%以上含む成分を芯成分とし、熱可塑性ポリマーを50質量%以上含む成分を鞘成分とした芯鞘型複合繊維からなる未延伸フィラメントを得ることを特徴とする。
本発明は、加熱溶融されたポリカーボネートを、ノズル吐出口から35℃以上前記ポリカーボネートのガラス転移点未満の雰囲気温度で、かつ温風雰囲気中に紡出し、フィラメントを形成することにより、繊維形成されたポリマーの冷却を遅くし、比較的細繊度のポリカーネート繊維を得ることができる。紡出直後のポリカーボネート成分の温度低下を緩和することにより、ポリカーボネート繊維特有の脆化現象が抑制され、糸切れが発生し難くなる。すなわち、繊維形成された紡糸直後のポリマーの冷却を遅くし、冷却速度を緩和することにより、ポリカーボネート繊維特有の脆化現象が抑制される。
一般にポリエステル繊維やポリオレフィン繊維は、ノズル吐出口から紡出フィラメントを10〜25℃程度の雰囲気中へ紡出し、フィラメントを引き取る。これは、紡出直後に、フィラメント同士が融着するのを防止するためである。しかし、ポリエステル繊維やポリオレフィン繊維と同様に紡出フィラメントを10〜25℃程度の雰囲気中へ紡出しポリカーボネートを繊維化すると、紡出直後にポリカーボネート成分が脆化しやすく、細繊度の繊維は得られなかった。そこで、本発明者は、細繊度のポリカーボネート成分を含む細繊度の繊維を得る方法を検討し、特定温度の風を吹き出す雰囲気中に紡出すれば、脆化現象を抑制することができ、ポリカーボネート成分を含む細繊度の繊維が得られることを見出した。
本発明のポリカーボネート繊維の製造方法は、加熱溶融されたポリマーをノズル吐出口から35℃以上ガラス転移点以下に保持できる雰囲気中に紡出し、フィラメントを形成する。このような方法でポリカーボネート繊維成分を少なくとも含む繊維を製造すれば、繊度が0.1〜20dtexである繊維を容易に得ることができる。本発明の加熱溶融されたポリマーは、ポリカーボネート繊維を構成する成分が加熱溶融されたポリマーをいい、本発明の加熱溶融されたポリマーは、ポリカーボネートを50質量%以上含む成分を少なくとも構成成分とするとよい。
ポリマーを紡出する雰囲気温度は、35℃以上ポリカーボネートのガラス転移点未満であり、好ましい下限は、40℃であり、好ましい上限は、ポリカーボネートのガラス転移点より10℃以上低い温度である。例えば、一般的なポリカーボネートを用いる場合には、ポリマーを紡出する雰囲気温度は、35℃〜140℃としてよい。35℃以上の雰囲気中に加熱溶融されたポリマーを紡出すると、ポリカーボネート成分が冷めにくく、脆化を抑制することができ、紡出後のドラフト率を大きくすることができるので、細繊度の繊維を得ることができる。また、雰囲気温度がガラス転移点未満であると、適度な流動性を有し、可紡性がよくなる。また、ポリカーボネート繊維が芯鞘型複合繊維である場合は、フィラメント同士の融着の観点から、雰囲気温度を鞘成分の融着温度より10℃以上低い温度にすることが好ましい。ここで、ガラス転移点は、繊維製造前の樹脂について、示差走査熱量計(DSC)を用いて、−20℃から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温した時のガラス転移温度をいう。
ポリマーを紡出する雰囲気は、気体雰囲気であり、好ましくは温風雰囲気である。温風は、35℃以上の温風を紡糸筒の上方から風速1〜3m/minの範囲で吹き出すのが好ましく、温風は、紡糸筒のチムニー上方から吹き出すのがより好ましい。紡出する雰囲気が気体雰囲気であると、気体の流動性の観点から、雰囲気中の温度管理がしやすい。また、ポリマーを紡出する際の未延伸糸の引き取り速度は150〜850m/minの範囲で適宜選択できる。
本発明のポリカーボネート繊維は、他の成分を構成成分として含む複合繊維である。また、加熱溶融されたポリマーは、ポリカーボネートを50質量%以上含む成分を少なくとも含むポリマーであってよい。つまり、ポリカーボネート繊維が複合繊維である場合は、加熱溶融されたポリマーは、ポリカーボネートを50質量%以上含む成分と他の成分を含むポリマーであってよい。
本発明のポリカーボネート繊維は、ポリカーボネートを50質量%以上含む成分を少なくとも含むことが好ましく、より好ましくは、ポリカーボネートを60質量%〜100質量%含む成分を少なくとも含み、さらに好ましくは、ポリカーボネートを70質量%〜100質量%含む成分を少なくとも含む。ポリカーボネートを含む成分中に、ポリカーボネートが50質量%以上であると、耐熱性、耐衝撃性を得やすく、ポリカーボネートの脆化現象が生じ難く、細繊度の繊維を得る場合には、特に本発明の製造方法が好適である。
本発明のポリカーボネートは、JIS−K−7210に準じて、300℃、荷重11.76N(1.2kgf)で測定されるメルトフローレート(以下、MFRともいう)が20〜120g/10minであることが好ましく、より好ましいポリカーボネートのMFRは50〜80g/10minである。ポリカーボネートのMFRが比較的高いと、硬化する温度が低下することが予想され、さらに脆化現象を抑制できる。
本発明のポリカーボネート繊維が、他の成分を構成成分として含む複合繊維である場合、ポリカーボネート成分は、ポリカーボネートに加えて他の成分を混合してもよい。他の成分として、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6等のポリアミドなどのホモポリマーや共重合体、を用いてもよい。また、ポリカーボネートと他の成分とのポリマーアロイであってもよい。さらに、必要に応じて、ワックス、粘着材、又は難燃剤等の添加剤を添加してもよい。ポリカーボネートに加えて他の成分を混合することで、溶融または軟化温度を任意に調節することができる。
ポリカーボネートに加えて他の成分を混合する場合は、公知の混合装置を用いて混合することができる。公知の装置は、例えば、ヘンシェルミキサーおよびスーパーミキサー等である。あるいは、ポリカーボネートに必要に応じて添加される他の成分を、公知の単軸または2軸押出機等で溶融混合して、繊維化の前に、第一成分をマスターバッチにすると好都合である。
本発明のポリカーボネート繊維は、ポリカーボネートを50質量%以上含む成分と他の成分からなる複合繊維とする。複合繊維の断面形態は、例えば、同心、偏心型の芯鞘型とする。
本発明のポリカーボネート繊維は、ポリカーボネートを50質量%以上含む成分を芯成分とし、熱可塑性ポリマーを50質量%以上含む成分を鞘成分とする芯鞘型複合繊維としてもよい。芯成分がポリカーボネートを含む成分であり、鞘成分が熱可塑性ポリマーを含む成分であると、細繊度の繊維を得ることができる。これは、芯成分のポリカーボネートを鞘成分が被覆し、ポリカーボネートを比較的冷めにくくし、脆化現象を抑制するためであると予想される。
ポリカーボネート繊維が芯鞘型複合繊維である場合、芯成分はポリカーボネートを50質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは、芯成分はポリカーボネートを60質量%〜100質量%含むことであり、さらに好ましくは、芯成分はポリカーボネートを70質量%〜100質量%含むことである。芯成分のポリカーボネートが50質量%以上であると、耐熱性、耐衝撃性を得やすく、ポリカーボネートの脆化現象が生じやすく、細繊度の繊維を得る場合には、特に本発明の製造方法が好適である。
また、ポリカーボネート繊維が芯鞘型複合繊維である場合、鞘成分は熱可塑性ポリマーを50質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは、鞘成分は熱可塑性ポリマーを70質量%〜100質量%含むことである。鞘成分の熱可塑性ポリマーが50質量%以上であると、鞘成分が芯成分のポリカーボネートをさらに冷めにくくする効果がある。鞘成分として用いられる熱可塑性ポリマーとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ナイロン6等のポリアミドのホモポリマーまたは共重合体から1または2以上選択できる。中でも、鞘成分がポリオレフィン系ポリマーであることが好ましい。鞘成分が、これらのポリマーであると、芯成分を保温する効果がより顕著である。また、必要に応じて、ワックス、粘着材、又は難燃剤等の添加剤を添加してもよい。熱可塑性ポリマーに加えて他の成分を混合すると、溶融または軟化温度を任意に調節することができる。
さらに、ポリカーボネート繊維が芯鞘型複合繊維である場合、芯/鞘複合比(容積比)は、2:8〜8:2であることが好ましく、より好ましくは、芯/鞘複合比は3:7〜7:3であり、さらに好ましくは、芯/鞘複合比は4:6〜6:4である。芯/鞘複合比がこの範囲であると、芯成分のポリカーボネートに起因する耐熱性、耐衝撃性を得やすく、十分な鞘成分があるので、鞘成分が芯成分を冷めにくくする効果も十分に得ることができる。
そして、ポリカーボネート繊維が分割型複合繊維である場合、第一成分はポリカーボネートを50質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは、第一成分はポリカーボネートを60質量%〜100質量%含むことであり、さらに好ましくは、第一成分はポリカーボネートを70質量%〜100質量%含むことである。第一成分のポリカーボネートが50質量%以上であると、耐熱性、耐衝撃性を得やすく、ポリカーボネートの脆化現象が生じやすく、細繊度の繊維を得る場合には、特に本発明の製造方法が好適である。
本発明のポリカーボネート繊維は、未延伸フィラメントのままでも使用できるが、延伸しても良い。延伸する場合は、熱水中でも良いし、空気雰囲気中で加熱ピンや熱ローラーを使用しても良い。延伸倍率は、1〜3倍が好ましい。
以下、本発明の内容について実施例を挙げて具体的に説明する。
[軟化点]
繊維製造前の樹脂について、JIS−K−6863に準じて、測定した。
[ガラス転移点]
繊維製造前の樹脂について、示差走査熱量計(DSC)を用いて、−20℃から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温した時のガラス転移温度をガラス転移点とした。
(試料1、参考例
ポリカーボネートからなる単一繊維を製造した。ガラス転移点が約145℃、軟化点が240℃、JIS−K−7210に準じて測定温度300℃、測定荷重11.76N(1.2kgf)におけるメルトフローレートが70g/10minであるポリカーボネート(商品名:ノバレックス7020A、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を、単一型ノズルを用い、紡糸温度285℃として溶融させ、ノズル吐出口から、45℃の
温風吹き出し雰囲気(風速:2m/min)中に紡出し、450m/minの速度で引き取り、繊度11dtexの未延伸フィラメントを得た。紡糸中、フィラメントの糸切れは見られず、良好に紡糸できた。次に、未延伸フィラメントを90℃の熱水中で1.3倍に延伸し、繊度8.9dtexの延伸フィラメントとした。
(試料2)
芯成分と鞘成分とから成る、図1に示すような、繊維断面を有する芯鞘型複合繊維を製造した。芯成分として、ガラス転移点が約145℃、軟化点が240℃、JIS−K−7210に準じて測定温度300℃、測定荷重11.76N(1.2kgf)におけるメルトフローレートが70g/10minであるポリカーボネート(商品名:ノバレックス7020A、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用意した。鞘成分として、融点が135℃、JIS−K−6922−2に規定される測定温度190℃、測定荷重21.18N(2.16kgf)におけるメルトフローレートが7g/10minであるポリエチレン(商品名:HF560、日本ポリエチレン(株)製)を用意した。これらの2つの成分を、芯鞘型複合ノズルを用い、芯/鞘複合比(容積比)を5/5とし、芯成分の紡糸温度を285℃、鞘成分の紡糸温度を270℃として溶融させ、ノズル吐出口から、40℃の温風吹き出し雰囲気(風速:2m/min)中に紡出し、750m/minの速度で引き取り、繊度11dtexの未延伸フィラメントを得た。紡糸中、糸切れは見られず、良好に紡糸できた。次に、前記未延伸フィラメントを90℃の熱水中で1.4倍に延伸し、繊度8.9dtexの延伸フィラメントとした。
(試料3)
鞘成分として、融点が125℃、JIS−K−7210に規定される測定温度230℃、測定荷重21.18N(2.16kgf)におけるにおけるメルトフローレートが25g/10minであるエチレンプロピレンランダム共重合体(商品名:ウィンテック(商標名)、日本ポリプロ(株)製)を用いたこと以外は、試料2と同様にして芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維は、11dtexの未延伸フィラメントであり、この未延伸フィラメントを90℃の熱水中で1.3倍に延伸し、繊度10dtexの延伸フィラメントとした。
(試料4、参考例
第一成分と第二成分とからなる、図2に示すような、分割数が16である繊維断面を有する分割型複合繊維を製造した。第一成分として、ガラス転移点が約145℃、軟化点が240℃、JIS−K−7210に準じて測定温度300℃、測定荷重11.76N(1.2kgf)におけるメルトフローレートが70g/10minであるポリカーボネート(商品名:ノバレックス7020A、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用意した。第二成分として、融点が165℃、JIS−K−7210に準じて測定温度230℃、測定荷重21.18N(2.16kgf)におけるメルトフローレートが24g/10min、密度が0.90g/cm3であるポリプロピレン(商品名:SA03A、日本ポリプロ(株)製)を用意した。これらの2つの成分を、分割数が16である分割型複合ノズルを用い、第一成分/第二成分の複合比(容積比)を5/5とし、第一成分の紡糸温度を275℃、第二成分の紡糸温度を275℃として溶融させ、ノズル吐出口から、40℃の温風吹き出し雰囲気(風速:2m/min)中に紡出し、750m/minの速度で引き取り、繊度11dtexの未延伸フィラメントを得た。紡糸中、糸切れは見られず、良好に紡糸できた。次に、前記未延伸フィラメントを90℃の熱水中で1.4倍に延伸し、繊度7.8dtexの延伸フィラメントとした。
(試料5、参考例
第二成分として、融点が135℃、JIS−K−6922−2に規定される測定温度190℃、測定荷重21.18N(2.16kgf)におけるメルトフローレートが7g/
10minであるポリエチレン(商品名:HF560、日本ポリエチレン(株)製を用いたこと以外は、試料4と同様にして分割型複合繊維を得た。得られた繊維は、11dtexの未延伸フィラメントであり、未延伸フィラメントを90℃の熱水中で1.4倍に延伸し、繊度7.8dtexの延伸フィラメントとした。
(試料6、参考例
分割数が8である分割型複合ノズルを用いたこと以外は試料4と同様にして分割型複合繊維を得た。得られた繊維は、9dtexの未延伸フィラメントであり、この未延伸フィラメントを90℃の熱水中で1.4倍に延伸し、繊度7dtexの延伸フィラメントとした。
Figure 0004914794
(試料7、参考例
20℃の冷風吹き出し雰囲気(風速:2m/min)中に紡出したこと以外は、試料1と同様にしてポリカーボネート単一繊維を製造した。この未延伸フィラメントは、溶融したポリマーの塊ができ、糸切れが多く、紡糸することができなかった。
試料2−3は、紡糸性に優れ、融着した繊維や糸切れした繊維が殆ど無く、細繊度の繊維を得ることができた。
本発明のポリカーボネート繊維の製造方法を用いれば、ポリカーボネート成分を含む細繊度の繊維を良好に紡糸可能である。また、この繊維は、ポリカーボネート繊維の特徴である耐熱性、耐衝撃性、機械的強度に優れているので、例えば、不織布の形態であれば、耐熱フィルター等に好適に用いることができる。
図1は本発明の一実施例における複合繊維の断面図である。 図2は本発明の参考例における複合繊維の断面図である。
1 ポリカーボネート成分
2 ポリカーボネート以外の他の成分

Claims (4)

  1. ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法であって、
    加熱溶融されたポリカーボネートと熱可塑性ポリマーを、ノズル吐出口から35℃以上前記ポリカーボネートのガラス転移点未満の雰囲気温度である気体雰囲気中に紡出し、
    ポリカーボネートを50質量%以上含む成分を芯成分とし、熱可塑性ポリマーを50質量%以上含む成分を鞘成分とした芯鞘型複合繊維からなる未延伸フィラメントを得ることを特徴とするポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法。
  2. 前記気体雰囲気が温風雰囲気であり、風速が1〜3m/minの範囲である請求項1に記載のポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法。
  3. 前記ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の単繊維の繊度が0.1dtex〜20dtexの範囲である請求項1又は2に記載のポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法。
  4. 前記紡糸した未延伸フィラメントを延伸する請求項1に記載のポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法。
JP2007254523A 2007-09-28 2007-09-28 ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法 Active JP4914794B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007254523A JP4914794B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007254523A JP4914794B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009084736A JP2009084736A (ja) 2009-04-23
JP4914794B2 true JP4914794B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=40658519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007254523A Active JP4914794B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4914794B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012067170A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Teijin Fibers Ltd 繊維補強樹脂組成物
JP2012067407A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Teijin Fibers Ltd ポリカーボネート繊維及びその製造方法
CN114729470A (zh) * 2019-09-27 2022-07-08 株式会社可乐丽 聚碳酸酯类纤维、纤维结构体及树脂复合体

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04146210A (ja) * 1990-10-01 1992-05-20 Teijin Ltd 成形品母材樹脂用ポリカーボネートマルチフィラメント糸
JPH06257013A (ja) * 1993-02-25 1994-09-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd ポリカーボネートマルチフィラメント
JP2001254225A (ja) * 2000-03-09 2001-09-21 Daiwabo Co Ltd 繊維およびその繊維組成物
JPWO2005042824A1 (ja) * 2003-10-31 2007-11-29 三井化学株式会社 極細繊維不織布およびその製造方法
JP4337539B2 (ja) * 2003-12-19 2009-09-30 東洋紡績株式会社 ポリエステル繊維の製造方法、及び溶融紡糸用紡糸口金

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009084736A (ja) 2009-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10604866B2 (en) Sea-island composite fiber, composite ultra-fine fiber, and fiber product
JP5355225B2 (ja) ポリ乳酸系長繊維不織布およびその製造方法
CN106133216A (zh) 聚酯粘合剂纤维
JP4914794B2 (ja) ポリカーボネートを含む芯鞘型複合繊維の製造方法
KR101283309B1 (ko) 경량성 및 보온성이 우수한 심초형 복합소재 및 그 제조방법
JP6652855B2 (ja) 連続繊維不織布およびその製造方法
JP3970625B2 (ja) マルチフィラメント糸からなるスパンボンド不織布およびその製造方法
JP5301806B2 (ja) 繊維製品
JPH10266056A (ja) ポリオレフィン複合長繊維不織布及びその製造方法
JP5774820B2 (ja) 異形異繊度混繊糸
JP5463180B2 (ja) ポリカーボネート繊維
JP5248832B2 (ja) ポリカーボネート分割型複合繊維、それを用いた繊維集合物及び不織布
JP6084398B2 (ja) 芯鞘型複合繊維の製造方法
JP2010174400A (ja) 抄紙用ポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法
JP4049940B2 (ja) 熱融着性複合繊維及びその製造方法
JP2002088630A (ja) 耐候性長繊維不織布
JPH03234819A (ja) 軽量海島複合型ポリエステル繊維
JPH10158969A (ja) 複合長繊維不織布及びその製造方法
JP5915165B2 (ja) 繊維構造体
JP2006265788A (ja) 複合繊維の製造方法
JPH04178425A (ja) 低融点結晶性ポリエステル及びその製造方法、並びにポリエステル系熱接着性繊維
JP2016065337A (ja) ポリエステル系複合繊維およびそれを用いた繊維構造物
JP7032780B2 (ja) 連続繊維不織布およびその製造方法
KR20190123127A (ko) 잠재권축성 이형단면 복합섬유를 포함하는 섬유집합체
JP2004232114A (ja) ポリマーアロイ繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4914794

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350