JP4914241B2 - 剥離シートおよび粘着体 - Google Patents

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Description

本発明は、剥離シートおよび粘着体に関するものである。さらに詳しくは、特定の化学構造を有するシリコーン化合物を活性エネルギー線照射により硬化してなる剥離剤層を剥離シート基材上に有する剥離シートおよび前記と同じ剥離剤層と粘着剤層とが接するように貼合された構成を有する粘着体に関するものである。本発明の剥離シートおよび粘着体における剥離剤は硬化性に優れ、形成された剥離剤層は剥離シート基材への密着性および耐溶剤性に優れている。
一般に、剥離シートは、紙、プラスチックフィルム、ポリエチレンラミネート紙などの剥離シート基材の少なくとも片面に、反応性化合物を含む剥離剤組成物を塗布し、硬化させて剥離剤層を設けたものであって、例えば粘着テープおよび粘着シート等の粘着体や樹脂シート製造時のキャリアーシート、それらの保護シート、セラミックグリーンシート成膜用工程フィルムなどとして用いられる。
上記粘着体には、例えば紙や高分子フィルム等からなる粘着シート基材、その表面に形成された粘着剤層、およびその粘着剤層と剥離剤層とが接するように貼合された剥離シートから構成されたものや、粘着シート基材の粘着剤層を設ける面とは反対の面に剥離剤層を設け、剥離剤層と粘着剤層とが接するように貼合されロール状に巻回された構成のものがある。
反応性化合物を含む剥離剤組成物を硬化させる方法としては、例えば、熱硬化性化合物を含む剥離剤組成物を加熱硬化させる方法、活性エネルギー線硬化性化合物を含む剥離剤組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させる方法などが挙げられる。
熱硬化性化合物を含む剥離剤組成物を加熱硬化させる方法としては、ビニル基を官能基とするポリジメチルシロキサンと架橋剤(ポリメチルハイドロジェンシロキサン)からなる主剤を主成分とした付加反応型シリコーン樹脂組成物(特許文献1)、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、白金系触媒からなる組成物(特許文献2)、ジメチルシロキサンユニットとメチル-ビニルシロキサンユニットの比率を一定の範囲にコントロールしたシリコーン樹脂を主成分として含む剥離剤組成物(特許文献3)が例示される。
活性エネルギー線硬化性化合物を含む剥離剤組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させる方法としては、活性エネルギー線として電子線を照射して基材上に塗布された各種シリコーン化合物を硬化させて剥離剤層を形成させたものが報告されている (例えば、特許文献4)。
また、活性エネルギー線として紫外線を用いたものとしては、アクリル・トリアルコキシシリル官能基又はアクリル・トリアリルオキシシリル官能基を末端基として有する反応性ポリオルガノシロキサンを主成分とする組成物(特許文献5)、分子鎖末端にビニル基を有する分岐状のオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンを主成分とする組成物(特許文献6)、2個のラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン、3級アミン化合物、光開始剤からなる組成物(特許文献7)、フェニル基と分子末端のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、メルカプトアルキル基を含有するオルガノポリシロキサン及び光開始剤を主成分とする組成物(特許文献8)が例示される。
しかしながら、上記硬化性化合物を含む剥離剤組成物はいずれも重合性または架橋性官能基を有しているため、貯蔵安定性(ポットライフ)に問題がある。
また、電子線硬化型シリコーンを用いた場合、酸素による表面の反応阻害を解消するために、不活性ガスによるイナーティングが必須であるなどの問題点があった。
特開2001−205746号公報 特開2002−200160号公報 特開2005−194482号公報 特開平4−85027号公報 特開平7−224133号公報 特開平9−78032号公報 特開平11−12556号公報 特開平11−60953号公報
このような状況の下、本発明の課題は、従来から用いられてきた上記のような重合性または架橋性官能基を有する硬化型シリコーン化合物における上記のような問題を解決することにある。
本発明者らは、種々研究を重ねた結果、剥離剤として用いられるシリコーン化合物が(メタ)アクリロイル基のような重合性または架橋性官能基を含んでいなくても、一定量のアリール基を含んでいれば、活性エネルギー線により硬化させることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記
(1)置換基を有していてもよいアリール基およびアルキル基を有し、重合性または架橋性官能基を含まないシリコーン化合物のみを架橋剤、触媒および開始剤の不存在下、紫外線により硬化してなる剥離剤層を剥離シート基材上に有する剥離シート、
(2)シリコーン化合物がオルガノポリシロキサンである上記(1)に記載の剥離シート、
(3)アリール基がフェニル基であり、アルキル基がメチル基である上記(1)または(2)に記載の剥離シート、
(4)アリール基とアルキル基の比率が個数基準で2/98〜50/50である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の剥離シート、
)剥離剤層の厚みが0.05〜2μmである上記(1)〜()のいずれかに記載の剥離シート、および
)上記(1)〜()のいずれかに記載の剥離剤層と粘着剤層とが接するように貼合された構成を有する粘着体を提供する。
本発明によれば、粘着剤層に対する適度な剥離力、硬化性、密着性および耐溶剤性をバランスよく有する剥離剤層が形成され、同剥離剤層を剥離シート基材上に有する剥離シートおよび同剥離剤層と粘着剤層が同じ基材の両面にそれぞれ形成された粘着シート、ならびに、前記剥離シートと基材上に形成された粘着剤層とを貼合してなる粘着シートが得られる。
本発明におけるシリコーン化合物中に含まれない重合性または架橋性官能基とは具体的には、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、ビニルアミド基、ヒドロシリル基、アセチレン基、グリシジル(エポキシ)基、イソシアナート基等をいう。通常、官能基に分類されるヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、シラノール基、ジアゾ基、チオール基、ハロゲン基等はその基自身で架橋または重合しないのでシリコーン化合物中に含まれていても良い。
本発明における重合性または架橋性官能基を含まないシリコーン化合物中のアリール基としては、フェニル基、クロルフェニル基、ニトロフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。工業的に製造され、入手のし易さの観点でアリール基としてフェニル基を有するシリコーン化合物が好ましく用いられる。
アリール基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基のようなアルキル基、前記したような官能基に分類されることのあるヒドロキシル基等のその基自身で架橋または重合しない基である。
本発明における重合性または架橋性官能基を含まないシリコーン化合物中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられるが、工業的に製造され、入手のし易さの観点でアルキル基としてメチル基を有するシリコーン化合物が好ましく用いられる。
シリコーン化合物は1分子中に2個以上のアリール基を有するものである。アリール基とアルキル基の比率は、個数基準で通常2/98〜50/50、好ましくは5/95〜45/55、より好ましくは10/90〜40/60程度である。1分子中のアリール基の数を2個以上とすることにより、剥離剤層が良好な皮膜強度を有するものとなり、比率を50/50以下とすることにより、粘着剤層に対する剥離力が過度に高くなるのを防止できる。
本発明における重合性または架橋性官能基を含まないシリコーン化合物はより具体的には、オルガノポリシロキサンであり、下記式(I)のようなアリール基およびアルキル基を有するシロキサンユニットを基本骨格として有するオルガノポリシロキサンである。
1 3SiO(R2SiO)nSiR1 3・・・(I)
ここで、Rは置換基を有していてもよいアリール基またはアルキル基、R1はRまたは水酸基であり、nは正の整数を表す。なお、RまたはR1のうち2個以上は置換基を有していてもよいアリール基である。
市販のものとしては、東レ・ダウコーニング社製の品番BY24−842、BY24−850、BY16−846、BY16−873、SH7090、SH200、SH203、SH230、SH710、SF8416、SR2306等が挙げられる。
本発明において、剥離剤であるシリコーン化合物は通常、0.1〜10質量%、好ましくは1〜3質量%程度になるように有機溶剤に溶解した溶液として後で述べる剥離シート基材または基材に塗布される。
用いられる有機溶剤としては、公知の溶剤の中から適宜選択して用いることができる。このような溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、シクロヘキサンのような炭化水素系の溶剤;メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノールのようなアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;テトラヒドロフランのような環状エーテル類などが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコーン化合物の溶解性および乾燥性の観点からトルエン、メチルエチルケトンが好ましく用いられる。
剥離シート基材または基材上に形成される剥離剤層の厚さは、特に限定されないが、0.05〜2.0μmであるのが好ましく、0.1〜1.5μmであるのがより好ましい。剥離剤層の厚さをこのような範囲とするためのシリコーン化合物の塗布量としては0.05〜5.0g/m2程度である。
剥離剤層の厚さを前記下限値以上とすることにより、剥離性能が不安定となるのを防止する。一方、剥離剤層の厚さを前記上限値以下とすることにより、剥離シートまたは粘着シートをロール状に巻き取ったときのシリコーン化合物塗工面が、剥離シート背面または粘着剤面とブロッキングし易くなり、シリコーン塗工面の剥離性能がブロッキングにより、低下するのを防止する。シリコーン化合物の有機溶剤溶液は剥離シート基材または基材の全面または剥離性の必要な箇所に部分的に塗布する。剥離シート基材または基材に塗布した後、70〜220℃程度で、1.5〜120秒程度の加熱によって有機溶剤を蒸発させ、次いで、後で述べる紫外線のような活性エネルギー線を照射して硬化させて、本発明の剥離シートまたは粘着シートを得る。
本発明の剥離シートは、下記のような剥離シート基材を用意し、この剥離シート基材上に剥離剤であるシリコーン化合物の有機溶剤溶液を塗工して剥離剤層を形成させることにより作製するが、剥離剤を剥離シート基材上に塗工する方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の既存の方法が使用できる。
剥離シート基材の材料としては、特に限定されず、従来から剥離シートにおいて基材として用いられているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような剥離シート基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙、ポリエチレンラミネート上質紙、ポリエチレンラミネートクラフト紙などのラミネート紙、含浸紙、合成紙等の紙基材、これら紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートした紙等で構成されている。
剥離シート基材としてプラスチックフィルムを用いる場合には、プラスチックフィルムと剥離剤層との密着性を向上させるなどの目的で、所望により、プラスチックフィルムの剥離剤層が設けられる側の面に、酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、剥離シート基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が、効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、プライマー処理を施すこともできる。
本発明において、シリコーン化合物を硬化させるために用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線等があるが、紫外線を用いるのが好ましい。紫外線発生源として、従来公知のもの、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、無電極紫外線ランプなどを用いることができるが、紫外線発光効率、赤外線照射量などから、剥離シート基材に対する熱損傷が少なく、かつシリコーン化合物の硬化性が良いことなどから、無電極紫外線ランプが好ましい。
紫外線を照射する際の出力については、通常は30W/cm〜600W/cm、好ましくは50W/cm〜360W/cmである。紫外線の照射量は1〜150mJ/cm2 の範囲が好ましく、特に2〜100mJ/cm2 の範囲が好ましい。また、紫外線を照射する際の温度については特に制限はなく、インラインにおいて紫外線照射処理を行うのであれば、加熱処理直後の加熱された状態や、室温状態などのいずれであってもよい。さらに、紫外線等の活性エネルギー線を照射する際の雰囲気中の酸素濃度については特に制限はなく、酸素による表面の反応阻害を解消するための、不活性ガスによるイナーティングは不要である。通常、大気中下での酸素濃度約21%の条件で硬化を行うことができる。
このようにして、剥離シート基材上に、シリコーン化合物の硬化層が密着性良く形成され、熱収縮による皺などがなく、極めて高い平坦性を有すると共に、粘着剤層等からの剥離性に優れる剥離シートが生産性よく得られる。
硬化性の化合物を電子線以外の活性エネルギー線で硬化させる際、通常、架橋剤、触媒または光重合開始剤が用いられるが、本発明においては、それらを用いなくても硬化して剥離層を形成させることができ、貯蔵安定性(ポットライフ)に優れていることから、液換え作業なしでの長時間塗工が可能であり、経済性および剥離物性の安定性という観点で好ましい。従来、付加反応タイプのシリコーン系化合物を硬化させる場合は、架橋剤としてはヒドロシリル基含有のもの、硬化触媒としては白金系触媒が用いられ、光硬化タイプのシリコーン系化合物を硬化させる場合は、光重合開始剤が用いられていたが、いずれも貯蔵安定性(ポットライフ)に問題があった。
本発明は剥離シートとともに粘着体も提供する。
本発明の粘着体は、剥離剤層と粘着剤層とが接するように貼合された構成を有する粘着体であれば特に限定されないが、例えば、後で述べる粘着シート基材の表面に後で述べる粘着剤層が形成され、その粘着剤層と剥離剤層とが接するように貼合された剥離シートを有する形態のものや、粘着シート基材の粘着剤層を設ける面とは反対の面に剥離剤層を設け、剥離剤層と粘着剤層とが接するように貼合されロール状に巻回された構成のものがある。
粘着シート基材としては、粘着剤層を支持する機能を有しており、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、無塵紙、合成紙等の単体もしくは複合物等が用いられる。
粘着シート基材の厚さは、特に限定されないが、5〜300μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。
粘着シート基材は、その表面(粘着剤層が形成される面と反対側の面)に印刷や印字が施されていてもよい。また、粘着剤層や剥離剤層との密着性を向上させる等の目的で、粘着シート基材は、前記剥離シート基材の説明において述べたコロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
粘着剤層は、粘着剤を主剤とした粘着剤組成物で構成されており、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタンアクリレート系粘着剤、シリコーン系粘着剤(付加反応型、過酸化物硬化型)、ポリイソブチレン系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系、スチレン/ブタジエンラテックス系、熱可塑性ゴム系、ブチルゴム系)等が挙げられる。中でも、粘着剤はアクリル系など、シリコーン系粘着剤とは異なる種類の材料を用いることが好ましい。剥離剤層を形成するシリコーン化合物と類似のシリコーン系粘着剤を用いると剥離力が強くなりすぎて剥がれにくくなることがある。
粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、5〜200μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより好ましく、この程度の厚さにするには粘着剤の塗布量は10〜200g/m2が好ましく、より好ましくは、30〜80g/m2である。
粘着剤組成物を粘着シート基材に塗工する方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の既存の方法が使用できる。
この場合の粘着剤組成物の形態としては、溶剤型、エマルション型、ホットメルト型等が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
重合性または架橋性官能基を含まないシリコーン化合物としてフェニル基含有ポリオルガノシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、BY24−842、フェニル基/メチル基の個数比率33/67、末端基:ジメチルシラノール基、固形分50質量%のトルエン溶液)をトルエンでシリコーン化合物の濃度が1.0質量%になるように溶解して剥離剤の有機溶剤溶液とした。
この有機溶剤溶液をメイヤーバーを用いて乾燥後の膜厚が0.1μmとなるように剥離シート基材である厚み38μmのPETフィルム(三菱ポリエステルフィルム社製、T100)の片面に塗工し、100℃で30秒間乾燥させることにより剥離シート基材上に塗工層を形成させた。
次いで、フュージョンHバルブ(240W/cm)を1灯(高圧水銀灯)具備するベルトコンベヤー式紫外線照射装置[フュージョンUV社製、VP5−6]により、コンベヤー速度40m/分の条件(紫外線照射量:100mJ/cm2)にて、塗工層に紫外線照射を行い、硬化させて剥離剤層を有する本発明の剥離シートを得た。
〔実施例2〕
剥離剤の有機溶剤溶液に光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア184)を0.05質量部添加した以外は実施例1と同様にして本発明の剥離シートを得た。
〔比較例1〕
BY24−842の替わりに、重合性または架橋性官能基もフェニル基も含有していないポリジメチルオルガノシロキサン(東レ・ダウコーニング社製:BY24−850、固形分30質量%、末端基:トリメチルシラン基)を用いた以外は実施例1と同様にして比較用の剥離シートを得た。
〔比較例2〕
BY24−842の替わりにBY24−850を用い、剥離剤の有機溶剤溶液に光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア184)を0.05質量部添加した以外は実施例1と同様にして比較用の剥離シートを得た。
〔比較例3〕
塗工層に紫外線照射を行わなかった以外は実施例1と同様にして比較用の剥離シートを得た。
〔比較例4〕
塗工層に紫外線照射を行わなかった以外は実施例2と同様にして比較用の剥離シートを得た。
〔応用例および比較応用例〕
上記実施例および比較例で作製された剥離シートまたは比較用の剥離シート上に形成された剥離剤層面上にアクリル系粘着剤(東洋インキ製:BPS−5127)を塗工(塗工量:24g/m2)し、粘着シート基材であるPETフィルム(東レ製:ルミラーE20#50、厚さ50μm)と上記粘着剤の塗工面を貼合させ、19.6Nの荷重をかけたローラーで1往復させて本発明の粘着体および比較用の粘着体を作製した。温度23℃・湿度50%RHの条件下に1日放置後、各々の剥離力を測定し、結果を表1に示した。
<評価項目と測定方法>
1.剥離力
測定は、万能引っ張り試験機(オリエンテック製:TENSILON UTM−4−100)を用いて、温度23℃・50%RHの条件下で本発明の粘着体または比較用の粘着体の粘着シート基材側を180°方向に300mm/分の速度で剥離させることにより行った。
2.硬化性
本発明の剥離シートまたは比較用の剥離シートの剥離剤の層を指で10回擦り、曇り(スミヤー)発生の有無を目視により確認し判定した。
評価基準は以下の通りである。
○:スミアーなし(硬化性良好)
×:スミアーあり(硬化性不良)
3.密着性
本発明の剥離シートまたは比較用の剥離シートの剥離剤の層を指で10回擦り、市販の粘着シート(日東電工製31Bテープ)の粘着剤の層を貼り合わせ、剥離した際の処理面の剥離性の変化を確認し、塗膜剥がれ(ラブオフ)発生有無により密着性の判定を行なった。評価基準は以下の通りである。
○:ラブオフなし。剥離力変化がほとんど見られないもの(密着性良好)
×:ラブオフあり。重剥離化が生じたもの(密着性不良)
なお、剥離力が1000mN/20mmを超えると重剥離化しており、実質的に使用不可である。
4.耐溶剤性
トルエンを含浸させたウェスを用いて本発明の剥離シートまたは比較用の剥離シートの剥離剤層を10回擦った後、市販の粘着シート(日東電工製31Bテープ)を貼り合わせ、前記剥離力を測定し、剥離した際の処理面の剥離性の変化を確認し、次のように評価した。評価基準は以下の通りである。
○:剥離力に変化が殆ど見られないもの(皮膜がトルエンに不溶)
×:重剥離化が生じたもの(皮膜がトルエンに可溶)

なお、剥離力が1000mN/20mmを超えると重剥離化しており、実質的に使用不可である。
Figure 0004914241
表1から明らかなように、実施例で得られた本発明の剥離シートは比較用の剥離シートと比べて硬化性、密着性および耐溶剤性の点で優れていることがわかる。また、光重合開始剤を用いない場合は、剥離力の点でも優れていることが明らかである。実施例で得られた本発明の剥離シートの中でも、光重合開始剤を用いた場合は、硬化性等の性能は良いが、剥離力がやや大であまり好ましくないことが明らかである。
本発明の剥離シートは粘着ラベルや樹脂シート製造時のキャリアーシート、それらの保護シート、セラミックグリーンシート成膜用工程フィルムなどとして用いられる。本発明の粘着体は粘着ラベルや医療用貼付材、各種粘着テープ等に好ましく用いられる。

Claims (6)

  1. 置換基を有していてもよいアリール基およびアルキル基を有し、重合性または架橋性官能基を含まないシリコーン化合物のみを架橋剤、触媒および開始剤の不存在下、紫外線により硬化してなる剥離剤層を剥離シート基材上に有する剥離シート。
  2. シリコーン化合物がオルガノポリシロキサンである請求項1に記載の剥離シート。
  3. アリール基がフェニル基であり、アルキル基がメチル基である請求項1または2に記載の剥離シート。
  4. アリール基とアルキル基の比率が個数基準で2/98〜50/50である請求項1〜3のいずれかに記載の剥離シート。
  5. 剥離剤層の厚みが0.05〜2μmである請求項1〜のいずれかに記載の剥離シート。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の剥離剤層と粘着剤層とが接するように貼合された構成を有する粘着体。
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