以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態の説明においては、図1〜図3を参照して複数の無線通信装置を含むワイヤレスUSBネットワークについて説明した後に、図4および図5を参照して各無線通信装置の信号送受信のタイミングを説明し、図6および図7を参照して各無線通信装置が送受信する信号のデータ構造を説明し、図8〜図11を参照して本実施形態にかかる無線通信装置の構成および動作を説明する。
また、ワイヤレスUSB規格においては、ビーコンをフレーム周期ごとに送受信するSBデバイス(Self Beaconing Devices)、ホスト通信装置からの指示に基づいてビーコンの送信および受信を行なうDBデバイス(Directed Beaconing Devices)、およびNBデバイス(Non Beaconing Devices)について記載されているが、本実施形態において示すデバイス通信装置はDBデバイスを指すものとする。
かかるDBデバイスは、ホスト通信装置からの指示に応じてキャプチャーパケット、およびトランスミットパケットを行なう。キャプチャーパケットは、ホスト通信装置から指定された時間帯に周囲の信号を受信し、受信した信号をホスト通信装置に送信する動作を含む。ホスト通信装置は、DBデバイスによるキャプチャーパケットに基づいて隠れ端末の存在を把握することができる。
また、トランスミットパケットは、ホスト通信装置から受信した自装置が属するネットワークに関する情報に基づき、周囲に該ネットワークに関する情報を送信する動作を含む。ホスト通信装置は、DBデバイスにかかるトランスミットパケット動作を行なわせることにより、該ネットワークに含まれない他の通信装置に該ネットワークの存在、または状態などを通知することができる。以上をふまえ、このようなホスト通信装置とデバイス通信装置(DBデバイス)を含むワイヤレスUSBネットワークの構成例について説明する。
図1は、閉じたワイヤレスUSBネットワークの構成例を示した説明図である。図1に示したワイヤレスUSBネットワークは、ホストとして動作する無線通信装置であるホスト通信装置10と、デバイスとして動作する無線通信装置であるデバイス通信装置12Aと、デバイス通信装置12Bを含む。また、ホスト通信装置10の電波到達範囲11、デバイス通信装置12Aの電波到達範囲13A、デバイス通信装置12Bの電波到達範囲13B、をそれぞれ点線で示している。以下、特に区別する必要が無い場合は、ワイヤレスUSBネットワークを構成するデバイス通信装置12Aおよびデバイス通信装置12Bをデバイス通信装置12と総称し、デバイス通信装置12Aの電波到達範囲13Aおよびデバイス通信装置12Bの電波到達範囲13Bを電波到達範囲13と総称する。
図1においては、デバイス通信装置12Aおよびデバイス通信装置12Bがホスト通信装置10の電波到達範囲11に含まれ、ホスト通信装置10に接続されることにより、ホスト通信装置10、デバイス通信装置12Aおよびデバイス通信装置12Bが同一のワイヤレスUSBネットワークを構成している。このようにホスト通信装置10と、ホスト通信装置10と接続されているデバイス通信装置12との組を無線通信システムと称する場合もある。
なお、同一のワイヤレスUSBネットワークは、互いに認証がとれた無線通信装置群を含むネットワークであっても、ネットワークIDの一例として同一のクラスタID(clusterID)を有する無線通信装置群を含むネットワークであってもよい。
また、図1に示した例では、ホスト通信装置10の電波到達範囲11に含まれないものの、デバイス通信装置12の電波到達範囲13に含まれる、いわゆるホスト通信装置10から見た隠れ端末となる通信装置が存在しない。
図1に示した例では隠れ端末は存在しないが、ホスト通信装置10は隠れ端末が現れるか分からない。したがって、ホスト通信装置10は、スーパーフレーム周期でデバイス通信装置12にキャプチャーパケットおよびトランスミットパケットを行なわせれば、隠れ端末の存在を迅速に把握し、対応することができる。
しかし、デバイス通信装置12はキャプチャーパケットを指示されると、周囲のデータを受信し、受信した全てのデータをホスト通信装置10に転送する。したがって、デバイス通信装置12は、隠れ端末が存在しない場合には同一のワイヤレスUSBネットワークを構成する他のデバイス通信装置12から送信されたデータなど不要、かつ冗長なデータをホスト通信装置10に転送する必要があった。
また、ホスト通信装置10の側から見ると、デバイス通信装置12の数が多ければ転送されてくる情報量が不要に増大する問題があった。また、ホスト通信装置10はトランスミットパケットを指示する際に、デバイス通信装置12に例えばビーコンデータを繰り返し送信する必要があった。
このように、隠れ端末の存在の把握、および対応のためにホスト通信装置10が例えば定常的にスーパーフレーム周期でデバイス通信装置12にキャプチャーパケット動作およびトランスミットパケット動作を行なわせると、ホスト通信装置10およびデバイス通信装置12における通信データ量が増大してしまうという問題があった。
そこで、上記問題を一着眼点にして本実施形態にかかるホスト通信装置10を創作するに至った。本実施形態にかかるホスト通信装置10によれば、ホスト通信装置10およびデバイス通信装置12における通信データ量を抑制することができる。具体的には、図1に示したようにホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在しない場合には、ホスト通信装置10は、キャプチャーパケットの指示頻度を抑制し、トランスミットパケットの指示を解除することで不要なトラフィックを削減可能である。
図2は、ワイヤレスUSBネットワークの近隣に他の通信装置が存在する様子を示した説明図である。図2に示した例では、ホスト通信装置10とデバイス通信装置12とを含むワイヤレスUSBネットワークの近隣に、該ワイヤレスUSBネットワークに属さない他の無線通信装置(以下、他通信装置と称する。)15Aおよび15Bが存在する。
他通信装置15Aはホスト通信装置10の電波到達範囲11に含まれるため、ホスト通信装置10は他通信装置15Aの送信するビーコンを検出し、他通信装置15Aの存在を把握することができる。しかし、図2に示した例では、他通信装置15Bのようにホストから見た隠れ端末が存在する可能性があるため、ホスト通信装置10はデバイス通信装置12にキャプチャーパケットなどを指示し、ワイヤレスUSBネットワークを安定的に運用できる。
図3は、ワイヤレスUSBネットワークの近隣に他通信装置が存在する他の様子を示した説明図である。図3に示した例では、ホスト通信装置10とデバイス通信装置12とを含むワイヤレスUSBネットワークの近隣に、他通信装置15Aおよび15Bが存在する。また、他通信装置15Aが、ホスト通信装置10の電波到達範囲11の範囲外であって、デバイス通信装置12Bの電波到達範囲13Bの範囲内に存在するため、デバイス通信装置12Bは他通信装置15Aが送信するビーコンを受信できるが、ホスト通信装置10は他通信装置15Aが送信するビーコンを受信できない。さらに他通信装置15Aの遠方には他通信装置15Bが存在する。
この場合、本実施形態にかかるホスト通信装置10は、デバイス通信装置12Bにキャプチャーパケットを指示し、デバイス通信装置12Bに他通信装置15Aが送信するビーコンを収集、転送させることにより、他通信装置15Aの存在および動作を把握することができる。
また、ホスト通信装置10は、デバイス通信装置12Bに対してトランスミットパケットを指示し、デバイス通信装置12Bに例えばビーコンを送信させることにより、他通信装置15に対してワイヤレスUSBネットワークが稼働中であることを通知することができる。
以上、ワイヤレスUSBネットワークの構成例を説明した。続いて、かかるワイヤレスUSBネットワークにおいて各無線通信装置が信号、またはデータ送信するタイミング例を図4および図5を参照して説明する。
図4は、スーパーフレームの構成例を示した説明図である。スーパーフレーム周期は、所定の時間(例えば、約65.5ms)により定義され、256個のメディアアクセススロット(MAS;Media Access Slot)に細分化されている。ワイヤレスUSBネットワークを構成する無線通信装置(ホスト通信装置10およびデバイス通信装置12)は、該スーパーフレーム周期を所定周期のフレームとして共有し、上記細分化されたMASを単位としてメッセージの転送が行われる。
さらに、スーパーフレームの先頭には、ビーコン(ビーコン信号)により管理情報の送受信を行うための管理領域としてのビーコン期間(BP)があり、所定の間隔をおいてビーコンスロット(BS)が配置されている。また、無線通信装置ごとに、固有のビーコンスロットが設定され、周囲の無線通信装置との間で、ネットワークの管理やアクセス制御を行うためのパラメータが交換される。図4においては、ビーコン周期として、BS0〜BS8の9個のビーコンスロットが設定されている例を示した。なお、ビーコン期間として設定されていない期間は、通常、データ伝送領域として利用される。
図5は、デバイス通信装置12A〜デバイス通信装置12Eが一のワイヤレスUSBネットワークを形成している場合に、各デバイス通信装置12がビーコンを送信するビーコンスロット位置を示した概念図である。かかるビーコンスロット位置は、ホスト通信装置10により指定されても、一のワイヤレスUSBネットワークを構成する各デバイス通信装置12が、利用されていないビーコンスロットを通知しあうことで、自己の利用するビーコンスロットを選定してもよい。
この例では、デバイス通信装置12AはBS2で自己のビーコンを送信し、デバイス通信装置12BはBS3で自己のビーコンを送信する。同様に、デバイス通信装置12CはBS4で自己のビーコンを送信し、デバイス通信装置12DはBS5で自己のビーコンを送信する。デバイス通信装置12EはBS6で自己のビーコンを送信する。このように、図5においては、各デバイス通信装置12が、例えばトランスミットパケットの指示に基づいて、それぞれ固有のビーコンスロットを占有し、ビーコンを送信している状態を示している。
なお、当該ワイヤレスUSBネットワークに新規参入するデバイス通信装置12Hなどの為に、必要に応じてBS1、BS2、BS7及びBS8が確保されている。通常、自己のビーコンスロットの後方に所定数の空きビーコンスロットが設けられている。これらの空きビーコンスロットは、デバイス通信装置12の新規参入に備えて準備されているものである。また、各デバイス通信装置12のビーコン期間は、周囲に存在するデバイス通信装置12のビーコンに応じて、適宜、拡張することが可能な構成となっている。
以上、図4および図5を参照してスーパーフレーム周期およびビーコンスロットについて説明した。続いて、図6を参照してビーコンスロットにおいて送信されるビーコンの構成例を説明する。
図6は、ビーコンスロットにおいて送信されるビーコンの構成例を示した説明図である。図6Aはビーコンのビーコンフレーム構成例を示した説明図である。図6Aに示したように、ビーコンフレームは、MACヘッダ情報60、ヘッダーチェックシーケンス(HCS)61、ビーコンパラメータ62、情報エレメント(その1)63、情報エレメント(その2)64、情報エレメント(そのN)65およびフレームチェックシーケンス(FCS)66などの所定の管理情報を含む。
さらに、MACヘッダ情報60は、フレーム制御情報601と、受信先の無線通信装置を識別する届け先アドレス602と、送信元無線通信装置を識別するための送り元アドレス603と、シーケンス番号などのシーケンス制御情報604と、アクセス制御に必要なパラメータが記載されたアクセス制御情報605とを含む。
また、ビーコンパラメータ62は、無線通信装置のMACアドレス情報などが記載されたデバイス識別子621と、自装置がビーコンの送信を行なっているビーコンスロットを示すビーコンスロット番号622と、無線通信装置固有の情報を含んだデバイス制御情報623と、を含む。
また、ビーコンフレームには、ビーコンペイロード情報として任意の情報エレメントを付加することができ、図6Aでは、情報エレメントの一例として情報エレメント(その1)63、情報エレメント(その2)64、および情報エレメント(そのN)65を示している。上記(そのN)の「N」は、ビーコンに付加されて送信される情報エレメントの数を示しており、情報エレメントの数「N」は送信されるビーコンごとに相異なるようにしてもよい。
フレームチェックシーケンス(FCS)66は、ビーコンフレームの誤りを検出する際に用いられる情報である。なお、上記の各種パラメータを、必要に応じて追加、削除してビーコンフレーム20を構成してもよい。
図6Bは、ビーコンに含ませる情報エレメントの一例として、ビーコン期間に収集したビーコンの情報を記載する際に用いられるビーコン期間利用情報エレメント(BPOIE)を示している。ビーコン期間利用情報エレメントは、エレメント識別子631、情報長632、ビーコン期間長さ633、ビーコンスロット情報ビットマップ634、デバイスアドレス(その1)635、デバイスアドレス(そのN)636を含む。
エレメント識別子631は、各情報エレメントに付される情報であり、該情報エレメントが何に関する情報エレメントであるかを示す識別情報である。したがって、図6Bに示したエレメント識別子631はビーコン期間利用情報エレメントを示す。情報長632は該ビーコン期間利用情報エレメントの情報量を示す。
ビーコン期間長さ633は、例えばデバイス通信装置12において設定されているビーコン期間の長さを示す。ビーコンスロット情報ビットマップ634は、ビーコンの受信があったビーコンスロットを全て示す。デバイスアドレス(その1)635、デバイスアドレス(そのN)636は、受信したビーコンの送信元装置のアドレスを示す。
図6Cは、ビーコンに含ませる情報エレメントの一例として、ワイヤレスUSBベンダー定義情報エレメントを示している。ワイヤレスUSBベンダー定義情報エレメントは、エレメント識別子641、情報長642、ベンダー独自情報643、ワイヤレスUSB利用アドレス情報を含む。
エレメント識別子641は、各情報エレメントに付される情報であり、該情報エレメントが何に関する情報エレメントであるかを示す識別情報である。したがって、図6Cに示したエレメント識別子641はワイヤレスUSBベンダー定義情報エレメントを示す。情報長642は該ワイヤレスUSBベンダー定義情報エレメントの情報量を示す。
ベンダー独自情報643は、ホスト通信装置10やデバイス通信装置12が本実施形態において説明する無線通信方法に対応するか否かを示す情報である。ワイヤレスUSB利用アドレス情報644は、ホスト通信装置10が現在利用しているアドレスを示す情報である。かかるワイヤレスUSBベンダー定義情報エレメントは、ホスト通信装置10やデバイス通信装置12が本実施形態において説明する無線通信方法に対応するか否かを判断するために用いられてもよい。
図7は、ワイヤレスUSB規格における制御パケットの構成例を示した説明図である。デバイス通信装置12は、ホスト通信装置10から送信される当該制御パケットに基づいてビーコンを送受信することができる。
図7(a)は、ホスト通信装置10がデバイス通信装置12の特定の機能を有効化する際に用いられるセットフィーチャーの構成例を示している。セットフィーチャーは、bmRequestType711と、bRequest712と、wValue713と、wIndex714と、wLength715と、Date716と、を含む。
かかるセットフィーチャーにおいては上記wIndex714が機能セレクタとしての役割を有し、wIndex714に「DEV_XMIT_PACKET」が設定されていればデバイス通信装置12におけるトランスミットパケットの機能を有効化させ、「COUNT_PACKET」が設定されていればデバイス通信装置12におけるカウントパケットの機能を有効化させ、「CAPTURE_PACKET」が設定されていればデバイス通信装置12におけるキャプチャーパケットの機能を有効化させる。
図7(b)は、ホスト通信装置10がデバイス通信装置12に対してトランスミットパケットで送信すべきビーコンデータを通知する際に用いられるセットワイヤレスUSBデータの構成例を示している。かかるセットワイヤレスUSBデータは、bmRequestType721と、bRequest722と、wValue723と、wIndex724と、wLength725と、Date726と、を含む。
図7(b)に示したセットワイヤレスUSBデータにおいては上記wValue723がデータセレクタとしての機能を有し、wValue723に「0002H」が設定されていると、Date726にデバイス通信装置12が送信するビーコンを構築するために用いられるデータがWUSBデータとして記載されていることを示す。該WUSBデータは、MACヘッダと、ビーコンデータとして用いられるペイロードを含んでもよい。
図7(c)は、ホスト通信装置10が、デバイス通信装置12に対してキャプチャーパケットやカウントパケットにより受信すべき信号のチャネル設定や、受信開始と受信終了のタイミングを通知する際に用いられるセットワイヤレスUSBデータの構成例を示している。かかるセットワイヤレスUSBデータは、bmRequestType731と、bRequest732と、wValue733と、wIndex734と、wLength735と、Date736と、を含む。
図7(c)に示したセットワイヤレスUSBデータにおいては、上記wValue733がデータセレクタとしての機能を有し、wValue733に「0004H」が設定されていると、Date736に受信パラメータがWUSBデータとして記載されていることを示す。該WUSBデータには、受信フィルター、受信チャネル、受信開始時刻、受信終了時刻などを含んでもよい。
図7(d)は、ホスト通信装置10からの要求に応じてデバイス通信装置12がパケット数に関する受信データを送信する際に用いられるゲットステータスの構成例を示している。かかるゲットステータスは、bmRequestType741と、bRequest742と、wValue743と、wIndex744と、wLength745と、Date746と、を含む。
図7(d)に示したゲットステータスにおいては上記wIndex744が状態セレクタとしての機能を有し、wIndex744に「0003H」が設定されていると受信データを示し、Date746に記載されたデータが状態セレクタデータとして値が返送される。状態セレクタデータは、パケット数と、該パケット数に応じたパケット情報ブロックを含み、パケット情報ブロックは受信時刻、ヘッダ情報、受信品質などを含んでもよい。
図7(e)は、ホスト通信装置10からの要求に応じ、デバイス通信装置12が周囲から受信したデータを送信する際に用いられるゲットステータスの構成例を示している。かかるゲットステータスは、bmRequestType751と、bRequest752と、wValue753と、wIndex754と、wLength755と、Date756と、を含む。
図7(e)に示したゲットステータスにおいては上記wIndex754が状態セレクタとしての機能を有し、wIndex754に「0003H」が設定されていると受信データを示し、Date756に記載されたデータが状態セレクタデータとして値が返送される。状態セレクタデータは、受信常態、受信時刻、ヘッダ情報、ペイロード(デバイス通信装置12が受信した全ての)、受信品質などのパラメータを含んでもよい。
以上、図6および図7を参照してワイヤレスUSB規格におけるキャプチャーパケットやトランスミットパケットなどを指示する制御パケットの構成例を説明した。続いて、図8〜図11を参照し、本実施形態にかかるホスト通信装置10およびデバイス通信装置12の構成および動作を説明する。
図8は、本実施形態にかかるデバイス通信装置12の構成を示した機能ブロック図である。デバイス通信装置12は、アンテナ101と、ベースバンド受信部102と、無線アクセス制御部103と、ベースバンド送信部104と、ビーコン受信処理部105と、WUSBシステムビーコン判定部106と、ビーコン送信処理部107と、カウントパケット処理部108と、キャプチャーパケット処理部109と、トランスミットパケット処理部110と、USBポート111と、USB送信部112と、USBアクセス制御部113と、USB受信部114と、を備える。なお、図8においては、デバイス通信装置12の一例としてデバイスワイヤーアダプタを示している。
アンテナ101は、ホスト通信装置10や他の無線通信装置から送信された信号を受信したり、ベースバンド送信部104により変調処理された信号を送信する送受信部としての機能を有する。ベースバンド受信部102は、アンテナ101が受信した信号の復号処理を行う。
無線アクセス制御部103は、信号を無線送受信するタイミングの制御を行なう。ベースバンド送信部104は、アンテナ101を介して送信する信号の変調処理を行う。ビーコン受信処理部105は、ベースバンド受信部102により復号された信号からビーコンフレームを抽出し、ビーコンフレームの解析を行なう。
WUSBシステムビーコン判定部106は、ビーコン受信処理部105により抽出されたビーコンフレームがワイヤレスUSBシステムにおけるビーコンであるか否かを判定する。ビーコン送信処理部107は送信するビーコンのパラメータを構築する。
カウントパケット処理部108は、ホスト通信装置10からの指示に基づいて、ビーコン期間に受信したパケット数をカウントする。キャプチャーパケット処理部109は、ホスト通信装置10からの指示に基づいて、ホスト通信装置10から指示された帰還に周囲の無線通信装置から送信された信号を取得し、該取得した信号がホスト通信装置10に送信されるようにする(キャプチャーパケット動作)。トランスミットパケット処理部110は、ホスト通信装置10からの指示に基づいて、ホスト通信装置10から指定されたビーコンが送信されるように処理する(トランスミットパケット動作)。
USBポート111は、デバイス通信装置12がUSBデバイスとして各種機器に接続(あるいは内部で接続)される接続部としての機能を有する。USB送信部112は、デバイス通信装置12が無線受信した信号をUSB信号に変換し、USBポート111を介して接続された各種機器に送信する。
USBアクセス制御部113は、USBシステムにおける通信の時間管理やバスのアクセス制御を行なう。また、USBアクセス制御部113は、ホスト通信装置10の情報を記憶している。USB受信部114は、USBポート111を介して接続された各種機器から受信した情報のうち、無線による送信が必要な情報を抽出し、ベースバンド送信部104またはトランスミットパケット処理部110などに出力する。
図9は、上述のようなデバイス通信装置12を制御するホスト通信装置10の構成を示した機能ブロック図である。ホスト通信装置10は、アンテナ201と、ベースバンド受信部202と、無線アクセス制御部203と、ベースバンド送信部204と、ビーコン受信処理部205と、他のデバイス存在検出部206と、ビーコン送信処理部207と、デバイスビーコン管理部208と、デバイス制御パケット設定部209と、USBポート211と、USB送信部212と、USBアクセス制御部213と、USB受信部214と、を備える。なお、図9においては、ホスト通信装置10の一例としてホストワイヤーアダプタを示している。
アンテナ201は、デバイス通信装置12や他の無線通信装置から送信された信号を受信したり、ベースバンド送信部204により変調処理された信号を送信する送受信部としての機能を有する。ベースバンド受信部202は、アンテナ201が受信した信号の復号処理を行う。
無線アクセス制御部203は、信号を無線送受信するタイミングの制御を行なう。ベースバンド送信部204は、アンテナ201を介して送信する信号の変調処理を行う。ビーコン受信処理部205は、ベースバンド受信部202により復号された信号からビーコンフレームを抽出し、ビーコンフレームの解析を行なう。
他のデバイス存在検出部206は、ワイヤレスUSB規格以外のビーコンやホスト通信装置10から見て隠れ端末となる無線通信装置の有無を判断する判断部として機能する。ビーコン送信処理部207は、送信するビーコンのパラメータを構築する。
デバイスビーコン管理部208は、ホスト通信装置10の管理下にあるデバイス通信装置12におけるビーコン受信状況を管理する。デバイス制御パケット設定部209は、デバイス通信装置12に対して、デバイス通信装置12における受信設定としてキャプチャーパケットを指示する受信設定部としての機能、およびデバイス通信装置12における送信設定としてトランスミットパケットを指示する送信設定部としての機能などを有する。
また、かかるデバイス制御パケット設定部209は、ホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在すると他のデバイス存在検出部206により判断されるとデバイス通信装置12にキャプチャーパケットを指示する頻度を高め、ホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在しないと他のデバイス存在検出部206により判断されるとデバイス通信装置12にキャプチャーパケットを指示する頻度を低めてもよい。
かかる構成によれば、ホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在しない間、キャプチャーパケット指示に基づいてデバイス通信装置12がホスト通信装置10に送信する信号のデータ量を抑制することができる。
また、かかるデバイス制御パケット設定部209は、デバイス通信装置12によるキャプチャーパケットの結果、ホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在すると他のデバイス存在検出部206により判断された場合にのみデバイス通信装置12にトランスミットパケットを指示してもよい。
ここで、デバイス通信装置12にトランスミットパケットを行なわせるのは、ホスト通信装置10から見た隠れ端末に自己のワイヤレスUSBネットワークの存在や状態を通知することを一つの目的としている。したがって、デバイス通信装置12が他のワイヤレスUSBネットワークに属する無線通信装置から送信された信号を受信した場合にデバイス通信装置12に自己のワイヤレスUSBネットワークに関する情報を送信させ、効率的にホスト通信装置10から見た隠れ端末に自己のネットワークの存在や状態を通知することができる。
USBポート211は、ホスト通信装置10をUSBホストとして機能するドライバーに接続(あるいは内部で接続)される接続部としての機能を有する。USB送信部212は、ホスト通信装置10が無線受信した信号をUSB信号に変換し、USBポート211を介して接続された各種機器に送信する。
USBアクセス制御部213は、USBシステムにおける通信の時間管理やバスのアクセス制御を行なう。また、USBアクセス制御部213は、ワイヤレスUSBのホストとして機能するための設定を行う。USB受信部214は、USBポート211を介して接続されたドライバーから受信した情報のうち、無線による送信が必要な情報を抽出し、ベースバンド送信部204などに出力する。
図10は、本実施形態にかかるデバイス通信装置12の動作を示したフローチャートである。まず、デバイス通信装置12は、所定のスキャン周期を設定し(S301)、該スキャン周期が到来するとフレーム受信処理を行う(S302、S303)。そして、デバイス通信装置12は、ホスト通信装置10からの信号を受信した場合(S304)、受信した信号からホスト通信装置10の情報を抽出する(S305)。
続いて、デバイス通信装置12は所定の登録処理(アソシエーション処理)を経て自装置の内部に格納されている登録済みホスト情報を参照し(S306)、ホスト通信装置10が登録済みのホストであると検出し、ホスト通信装置10と接続処理がなされていない場合には(S307、S308)、ホスト通信装置10へ接続要求(コネクト要求)を行なう(S309)。
その後、デバイス通信装置12は所定の設定時間が経過してタイムアウトしたか否かを判断し(S310)、タイムアウトまでにホスト通信装置10から接続要求に対する応答(コネクト受領)を受信した場合、ホスト通信装置10を接続中ホストとして設定する(S311、S312)。一方、デバイス通信装置12は、タイムアウトするまでにホスト通信装置10から接続要求の応答を受信しなければ、ホスト通信装置10との接続が認められなかったものと判断し、S302の処理に戻る。
また、デバイス通信装置12は、スキャン周期でない間、ホスト通信装置10からトランスミットパケットの設定および指示があった場合、ホスト通信装置10から受信した送信パラメータを登録しておき(S313、S314)、ホスト通信装置10から受信した送信パケットデータを格納しておく(S315、S316)。そして、デバイス通信装置12は、トランスミットパケットの送信タイミングが到来すると、ホスト通信装置10から受信し、登録または格納しておいたデータに基づいた信号を送信する(S317、S318)。
また、デバイス通信装置12は、ホスト通信装置10からキャプチャーパケットまたはカウントパケットの設定および指示があった場合(S319)、ホスト通信装置10から受信した受信パラメータを登録する(S320)。そして、デバイス通信装置12は、キャプチャーパケットまたはカウントパケットの受信期間が到来すると(S321)、該受信期間に受信した全データを格納し、(S322)、受信したデータのパケット数および受信状況を格納する(S323)。
その後、デバイス通信装置12は、ホスト通信装置10からキャプチャーパケットの獲得要求があれば(S324)、上記受信期間に受信した全データをホスト通信装置10に送信し(S325)、ホスト通信装置10からカウントパケットの獲得要求があれば(S326)、上記受信期間に受信したデータのパケット数および受信状況などホスト通信装置10に送信する(S327)。
さらに、デバイス通信装置12が、接続保証時間(トラストタイムアウト)にわたってホスト通信装置10から信号を受信しなければ(S328)、ホスト通信装置10が接続中ホストであるとする設定を解除し(S329)、所定のスキャン周期を設定し(S330)、S302の処理に戻る。一方、デバイス通信装置12は、接続保証時間中にホスト通信装置10から何かしらの信号を受信した場合S313の処理に戻る。
図11は、本実施形態にかかるホスト通信装置10において実行される無線通信方法の流れを示したフローチャートである。まず、ホスト通信装置10は、ワイヤレスUSBネットワークの識別子としてのクラスタIDなどのパラメータを設定し(S401)、事前に複数のスーパーフレーム周期にわたってビーコン受信を継続して行い、自装置のビーコン送信設定し(S402)、以降、定常的にビーコンの送受信を繰り返す。
そして、ホスト通信装置10は、新たなデバイス通信装置12から接続要求を受信した場合、デバイス通信装置12の接続を許可するとデバイス通信装置12に接続要求の応答を送信する(S403、S404)。ここで、デバイス通信装置12がDBデバイスであれば、デバイス通信装置12に所定のビーコンスキャン周期でキャプチャーパケットを行なわせる受信設定を行う(S405、S406)。デバイス通信装置12からの接続要求が無い場合や、デバイス通信装置12がDBデバイスで無い場合は、S406の処理は行われない。
その後、ホスト通信装置10は、ビーコンスキャン周期が到来した場合、デバイス通信装置12がキャプチャーパケットして受信したデータを獲得する(S407、S408)。そして、ホスト通信装置10は、該獲得したデータに基づき、自装置が属するワイヤレスUSBネットワークと異なるネットワークあるいはシステムに属する無線通信装置から送信されたビーコンが存在し(S409)、かつホスト通信装置10から見た隠れ端末となる無線通信装置から送信されたビーコンが存在すると判断した場合(S410)、デバイス通信装置12にキャプチャーパケットを行なわせる周期を毎スーパーフレーム周期(第1の頻度)に設定する(S411)。
さらに、ホスト通信装置10は、デバイス通信装置12に送信させるビーコン情報を構築し(S412)、デバイス通信装置12にトランスミットパケットの指示および設定を行う(S413)。ホスト通信装置10が属するワイヤレスUSBネットワークと異なるネットワークあるいはシステムに属する無線通信装置から送信されたビーコンが存在しない場合や、ホスト通信装置10から見た隠れ端末となる無線通信装置から送信されたビーコンが存在しないと判断された場合はS411〜S413の処理は行われない。
また、ビーコンスキャン周期でない間、ホスト通信装置10はビーコン期間が到来するとビーコン受信処理を行う(S414、S415)。ホスト通信装置10は、ビーコンを受信した場合(S416)、隠れ端末となる無線通信装置から送信されたビーコンが存在し、ホスト通信装置10が属するワイヤレスUSBネットワークと異なるネットワークあるいはシステムに属する無線通信装置から送信されたビーコンが存在すると判断した場合(S417、S418)、ホスト通信装置10と同一のワイヤレスUSBネットワークを構成する無線通信装置に対してビーコン交換を開始するように設定する(S419)。
さらに、ホスト通信装置10は、ホスト通信装置10と同一のワイヤレスUSBネットワークを構成する無線通信装置にDBデバイス(デバイス通信装置12)が含まれている場合(S420)、S411の処理に移行し、キャプチャーパケットをデバイス通信装置12に行わせる頻度を変更し、トランスミットパケットの設定を行う。ホスト通信装置10と同一のワイヤレスUSBネットワークを構成する無線通信装置にDBデバイスが存在しない場合、S411〜S413の処理は行われず、S403の処理に戻る。
S416〜S418において、ホスト通信装置10がビーコンを受信しなかった場合、隠れ端末となる無線通信装置から送信されたビーコンが存在しないと判断された場合、または、ホスト通信装置10が属するワイヤレスUSBネットワークと異なるネットワークあるいはシステムに属する無線通信装置から送信されたビーコンが存在しないと判断された場合、ホスト通信装置10は、隠れ端末となる無線通信装置から送信されたビーコンが消滅し(S421)、ホスト通信装置10が属するワイヤレスUSBネットワークと異なるネットワークあるいはシステムに属する無線通信装置から送信されたビーコンが存在しなくなったと判断すると(S422)、同一のワイヤレスUSBネットワークを構成する無線通信装置に対してビーコン交換を休止するように設定する(S423)。
さらに、ホスト通信装置10と同一のワイヤレスUSBネットワークを構成する無線通信装置にDBデバイス(デバイス通信装置12)が含まれている場合(S424)、ホスト通信装置10は毎スーパーフレームのビーコン期間にキャプチャーパケットをデバイス通信装置12に行なわせる設定を解除し(S425)、頻度が低い所定のビーコンスキャン周期(第2の頻度)でデバイス通信装置12にキャプチャーパケットを行なわせるよう設定し(S426)、トランスミットパケットの設定を解除する(S427)。
なお、ホスト通信装置10と同一のワイヤレスUSBネットワークを構成する無線通信装置にDBデバイス(デバイス通信装置12)が存在しない場合、S425〜S427の処理は行われず、S403の処理に戻る。
以上説明したように、本実施形態にかかるホスト通信装置10によれば、DBデバイスとして動作するデバイス通信装置12に対して、ホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在する場合にのみデバイス通信装置12にトランスミットパケットを指示することができる。また、ホスト通信装置10は、ホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在する場合にデバイス通信装置12にキャプチャーパケットを指示する頻度を高め、ホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在しない場合にデバイス通信装置12にキャプチャーパケットを指示する頻度を低めることができる。
かかる構成により、ホスト通信装置10から見た隠れ端末が存在しない間、キャプチャーパケット指示に基づいてデバイス通信装置12がホスト通信装置10に送信する信号のデータ量、およびデバイス通信装置12がトランスミットパケット指示に基づいて送受信する信号のデータ量を抑制することができる。また、必要以上にデバイス通信装置12にビーコン交換処理を行わせなくてよいため、低消費電力動作が可能となり、バッテリー駆動でも長時間動作可能となる。
また、隠れ端末となる無線通信装置から送信されたビーコンを受信したデバイス通信装置12に対して個別にビーコン交換処理を起動できるため、本来ビーコン交換が不要であったデバイス通信装置12のビーコン交換処理を起動させないことも可能である。
また、デバイス通信装置12が他の無線通信装置から送信されたビーコンのキャプチャーパケットを行なうことにより、ホスト通信装置10が隠れ端末となる無線通信装置の存在を容易に把握し、隠れ端末となる無線通信装置のビーコン情報を効率良く得ることができる。また、ホスト通信装置10は、デバイス通信装置12によるキャプチャーパケットの結果に応じてデバイス通信装置12にトランスミットパケットを指示することが可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、SBデバイスとして動作するデバイス通信装置18が、主体的にビーコンの送受信を制御することができる。以下、図12および図13を参照し、本実施形態にかかるデバイス通信装置18の構成および動作を説明する。
図12は、本実施形態にかかるSBデバイスとして動作するデバイス通信装置18の構成を示した機能ブロック図である。デバイス通信装置18は、アンテナ101と、ベースバンド受信部102と、ベースバンド送信部104と、ビーコン受信処理部105と、WUSBシステムビーコン判定部106と、ビーコン送信処理部107と、USBポート111と、USB送信部112と、USBアクセス制御部113と、USB受信部114と、無線アクセス制御部120と、を備える。なお、図12においては、デバイス通信装置18の一例としてSBデバイスとして動作するデバイスワイヤーアダプタを示している。
また、本実施形態にかかるデバイス通信装置18は、第1の実施形態で説明したデバイス通信装置12と構成が実質的に同一である部分も多いので、第1の実施形態にかかるデバイス通信装置12と異なる構成に重点をおいて説明する。
WUSBシステムビーコン判定部106は、ビーコン受信処理部105により抽出されたビーコンフレームが、自装置が属するワイヤレスUSBネットワーク(第1のネットワーク)と異なる他のネットワーク(第2のネットワーク)に属する無線通信装置から送信されたものを含むか否かを判定する判断部としての機能を有する。
無線アクセス制御部120は、ビーコン受信処理部105により抽出されたビーコンフレームが他のネットワークに属する無線通信装置から送信されたものを含むと判定された場合、ビーコン送信部107に自装置が属するワイヤレスUSBネットワークに関する情報を含むビーコンを構築させ、ビーコンをベースバンド送信部104およびアンテナ101を介して送信させる。
一方、無線アクセス制御部120は、ビーコン受信処理部105により抽出されたビーコンフレームが他のネットワークに属する無線通信装置から送信されたものを含まないと判定された場合、ベースバンド送信部104およびビーコン送信部107にビーコンの送信処理を停止させる。
かかる構成により、デバイス通信装置18が送信するデータ量を抑制することができる。すなわち、デバイス通信装置18は他のネットワークに属する無線通信装置に自装置が属するワイヤレスUSBネットワークの存在や状態を通知するために例えばビーコンを送信するが、他のネットワークに属する無線通信装置が周囲に存在しない場合は当該ビーコンの有効性が低いため、かかるビーコンの送信を停止することでネットワークの効率的な運用を図ることができる。
また、無線アクセス制御部120は、ビーコン受信処理部105により抽出されたビーコンフレームが他のネットワークに属する無線通信装置から送信されたものを含まないと判定された場合、アンテナ101およびベースバンド受信部102にビーコンを受信させる周期または頻度を少なくさせてもよい。
なお、本実施形態においてはアンテナ101および/またはベースバンド受信部102が受信部として機能し、アンテナ101および/またはベースバンド送信部104が送信部としての機能を有する。
図13は、本実施形態にかかるデバイス通信装置18において実行される無線通信方法の流れを示した説明図である。まず、デバイス通信装置18は、冗長な時間(例えば数秒の間隔で)ビーコンスキャン周期を設定し(S501)、ビーコン受信処理を行なう(S502)。上記ビーコン受信処理は、例えば、いくつかのスーパーフレーム周期にわたりビーコン受信を継続することで、既存の無線通信装置を検出する構成としてもよい。
そして、ビーコン受信があれば(S503)、デバイス通信装置18は、所定のアソシエーション手順を用いて事前に交換されている接続可能なワイヤレスUSBホストの情報を獲得し(S504)、ビーコンの送信元装置が受信したビーコンなどの情報から接続可能なワイヤレスUSBホストであると判断し(S505)、しかも現在ワイヤレスUSBホストと未接続であれば(S506)、ビーコンの送信元装置に対して所定のコネクション接続要求を送付し、一連の認証処理を起動する(S507)。なお、ワイヤレスUSBホストと接続が確立していれば、一連の認証処理は起動しなくてもよい。
一方、デバイス通信装置18は、ワイヤレスUSBシステム以外のビーコンを受信した場合には(S508)、そのビーコン期間にわたり受信したビーコン受信情報を獲得(キャプチャー)しておき(S509)、さらに、自己のビーコン送信を設定する(S510)。さらに、デバイス通信装置18は、次回のビーコンスキャンが起動するよう設定し(S511)、その後、ビーコン期間が到来した時にビーコンを送信し(S512、S513)、S502に戻りビーコンスキャンが再起動される。なお、このときのビーコンスキャンは、ビーコン期間のみのスキャンであってもよい。
また、ビーコンの受信がない場合、ワイヤレスUSBホストのビーコンが存在しない場合、またはワイヤレスUSBシステム以外のビーコンを受信しない場合、デバイス通信装置18は、ビーコン送信を一時的に停止するため、次回のビーコンスキャン周期が到来するとS502に戻りビーコンスキャンが再起動される(S514)。
以上説明したように、本実施形態にかかるデバイス通信装置18は、他のネットワークに属する無線通信装置から送信されたビーコンを受信していない間、ビーコンの送信処理を停止する。ここで、他のネットワークに属する無線通信装置が周囲に存在しない場合はビーコンを送信する有効性が低いため、デバイス通信装置18がビーコンの送信を停止することでネットワークの効率的な運用を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書のホスト通信装置10、デバイス通信装置12、デバイス通信装置18の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしてもよい。
また、ホスト通信装置10、デバイス通信装置12、デバイス通信装置18に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述したホスト通信装置10、デバイス通信装置12、デバイス通信装置18の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。また、図8、9、12の機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
また、上記実施形態では、ホスト通信装置10の一例としてホストワイヤーアダプタを示し、デバイス通信装置12およびデバイス通信装置18の一例としてデバイスワイヤーアダプタを示しているが、ホスト通信装置10はホスト機能および無線通信機能が実装された無線通信装置であってもよく、デバイス通信装置12およびデバイス通信装置18はデバイス機能および無線通信機能が実装された無線通信装置であってもよい。
また、上記実施形態では、隠れ端末が存在する場合にデバイス通信装置12にキャプチャーパケットを行なわせる第1の頻度として、毎スーパーフレーム周期を例にあげて説明したが、隠れ端末が存在しない場合にデバイス通信装置12にキャプチャーパケットを行なわせる第2の頻度より少なければどのような頻度であってもよい。例えば、第2の頻度が6秒に一回または6秒周期であった場合、第1の頻度は4秒に1回、1秒に24回、512μs周期などであってもよい。
また、ホスト通信装置10がデバイス通信装置12にトランスミットパケットを指示し、デバイス通信装置12に送信させるホスト通信装置10およびデバイス通信装置12が属するネットワークに関する情報は、例えば、該ネットワークのビーコン期間、予約状況、ホスト通信装置10のアドレス、デバイス通信装置12のアドレスなどであってもよい。