JP4910760B2 - 結晶成長速度制御方法、化合物結晶とその製造方法、および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

結晶成長速度制御方法、化合物結晶とその製造方法、および半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、化合物結晶の結晶成長速度制御方法および製造方法に関する。また、これらの方法を用いて製造した化合物結晶と、これらの方法を利用した半導体デバイスの製造方法にも関する。本発明は、特にGaN結晶等の周期表第13族金属の窒化物結晶の結晶成長速度制御方法や製造方法を含むものである。
窒化ガリウム(GaN)に代表される第13族金属と窒素との化合物結晶は、発光ダイオード、レーザダイオード、高周波対応の電子デバイス等で使用される物質として有用である。GaNの場合、実用的な結晶の製造方法としては、サファイア基板または炭化珪素等のような基板上にMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により気相エピタキシャル成長を行う方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、上記方法では、格子定数および熱膨張係数の異なる異種基板上にGaN結晶をエピタキシャル成長させるため、得られたGaN結晶には多くの格子欠陥が存在する。そのような格子欠陥が多く存在するGaN結晶を用いた場合、電子素子の動作に悪影響を与え、青色レーザ等の応用分野で用いるためには満足すべき性能を発現することはできない。このため、近年、基板上に成長したGaNの結晶の品質の改善、GaNの塊状単結晶の製造技術の確立が強く望まれている。
現在、気相法によるヘテロエピタキシャルGaN結晶成長法では、GaN結晶の欠陥濃度を減らすために、複雑かつ長い工程が必要とされている。このため、最近では、液相法によりGaNの単結晶化について精力的な研究がなされており、窒素とGaを高温高圧下で反応させる高圧法(非特許文献2参照)が提案されているが、過酷な反応条件のため工業的に実施することは困難である。そこで、反応条件をより低圧化させたGaN結晶成長方法の報告が多くなされている。例えば、GaとNaN3とを昇圧下で反応させる方法(非特許文献3)や、フラックス成長法(特許文献3、非特許文献4、5、8、9参照)等が提案されている。フラックスにはアルカリ金属が使われる場合が多いが、Ga融液にアルカリ金属を添加した合金融液を用いても、この合金融液に溶解するN量またはGaN量が非常に小さいため、GaN結晶を大型化することが困難とされている。さらに、アモノサーマル法によるGaNの合成法(非特許文献6参照)も報告されているが、結晶サイズと格子欠陥数に問題があり、また製造装置が高価なことから工業化されるに至っていない。
また、GaN粉末とアルカリ金属ハロゲン化物の混合物を加熱し、GaN結晶を作成する方法も提案されているが(特許文献1参照)、アルカリ金属ハロゲン化物へのGaNの溶解度は小さく、かつ窒素を安定に溶解させるために高圧で結晶成長を行う必要があるため、この方法は工業的に結晶成長を行う上で不利である。また、非特許文献7にもGaN粉末とアルカリ金属ハロゲン化物の混合物を用いた結晶成長が報告されているが、特許文献1と同様の技術と考えられる。また特許文献2にはリチウムの化合物を補助溶融剤として用いると記載されているが、この文献では溶融塩を用いた溶液を用いておらず、合金融液からの結晶成長であるため非特許文献4、5と同様の問題を抱えている。
特開2005−112718号公報 中国特許公開第1288079A号公報 特開2005−306709A号公報 J. Appl. Phys. 37 (1998) 309頁 J. Crystal Growth 178 (1977) 174頁 J. Crystal Growth 218 (2000) 712頁 J. Crystal Growth 260 (2004) 327頁 金属 Vol.73 No.11(2003)1060頁 Acta Physica Polonica A Vol.88 (1995) 137頁 J. Crystal Growth Vol.281 (2005) 5頁 J. Mater. Sci. Ele. 16 (2005) 29項 J. Crystal Growth 284 (2005) 91頁
上記のように、気相法による基板上へのヘテロエピタキシャル結晶成長法では格子欠陥が少ない第13族金属の窒化物結晶は得られない。また、他の高圧を用いる方法では装置が大掛かりとなり、経済性が低い。さらに、超臨界状態のアンモニアを使うアモノサーマル法では装置や使う材料が非常に高価である。また、アルカリ金属をフラックスとして使った方法などでも低圧での窒素溶解度が低く、また反応系内の液相の均一性に問題があり工業的に利用するには解決すべき課題が残されている。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、10MPa以下の低圧または常圧においても良質な化合物結晶を工業的に安く製造できるようにすることを目的とする。また本発明は、前記製造方法を用いた発光ダイオード、レーザダイオード、高周波用、パワーIC用等の半導体デバイスの製造方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、工業的に利用可能であり、さらに経済的な方法により、半導体デバイスに応用可能な結晶サイズを有し、かつ高品質な化合物半導体結晶を成長させる方法につき鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、下記の結晶成長速度制御方法、化合物結晶とその製造方法、および半導体デバイスの製造方法により達成される。
[1] 化合物ABXをイオン性溶媒に溶解した溶液中で化合物AXを結晶成長させる際の結晶成長速度を制御する方法であって、
結晶成長場における溶液中の溶質成分BXの濃度を調整することにより、化合物AXの結晶成長速度を制御することを特徴とする結晶成長速度制御方法。
[前記Bは1族金属元素または2族金属元素であり、
前記Aは第13族金属元素であり且つ前記Xは第15族元素であるか、前記Aは第12族金属元素であり且つ前記Xは第16族元素であるか、または、前記Aは第14族元素であり且つ前記Xは炭素元素である。]
[2] 結晶成長場から溶質成分BXを除去することにより、結晶成長場における溶液中の溶質成分BXの濃度を下げることを特徴とする[1]に記載の結晶成長速度制御方法。
[3] 前記溶液から溶質成分BXを蒸発させて除去することにより、結晶成長場における前記溶液中の溶質成分BXの濃度を下げることを特徴とする[1]に記載の結晶成長速度制御方法。
[4] A金属と溶質成分BXとを前記溶液中で反応させることにより、または、溶質成分BXと反応する気相物質Gと溶質成分BXとを前記溶液中または前記溶液と気相との界面において反応させることにより、結晶成長場における溶液中の溶質成分BXの濃度を下げることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[5] 溶液からの溶質成分BXの除去量を検知し、検知された除去量に応じて溶質成分BXの除去速度を制御することを特徴とする[2]〜[4]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[6] 結晶成長場において前記溶液の流れを生じさせることによって、結晶成長場における溶液中の溶質成分BXの濃度を調整することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[7] 前記溶液の流れを機械的手段により生じさせることを特徴とする[6]に記載の結晶成長速度制御方法。
[8] 前記溶液の流れをシードを回転させることにより生じさせることを特徴とする[7]に記載の結晶成長速度制御方法。
[9] 前記溶液の流れを反応容器の局所的な加熱により生じさせることを特徴とする[6]に記載の結晶成長速度制御方法。
[10] 化合物AXの結晶成長場と化合物ABXの溶解部との距離をほぼ一定に保ちながら連続的な結晶成長を行うことを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[11] 化合物ABXを連続的に溶解する領域と化合物AXの結晶成長を行う領域の間に、2つの領域相互間の溶液流通量を制限する隔壁が設けられていることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[12] 溶質成分BXの除去を化合物AXの結晶成長を行う領域でのみ行うことを特徴とする[11]に記載の結晶成長速度制御方法。
[13] 下記(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とする[1]〜[12]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
(1)イオン性溶媒中において化合物ABXを溶解する工程
(2)前記化合物が溶解した溶質を含む溶液を化合物AXの結晶成長場に輸送する工程、
(3)結晶成長場において化合物AXの結晶成長を行う工程
(4)結晶成長場の溶液を溶質成分BXを減少させる場へ輸送する工程
(5)溶質成分BXを減少させる場において溶液中の溶質成分BXの濃度を減少させる工程
(6)溶質成分BXの濃度を減少させた溶液を前記(1)、(2)または(3)の工程に用いるために輸送する工程
[14] 前記(1)において、塊状、粒状または粉状の化合物ABXの間隙を前記溶液が通過することを特徴とする[13]に記載の結晶成長速度制御方法。
[15] 化合物ABXと、化合物ABXの間隙に侵入している前記溶液を加熱して前記溶液に上昇流を起こすことによって、化合物ABXの間隙において前記溶液を強制的に通過させることを特徴とする[14]に記載の結晶成長速度制御方法。
[16] 前記(2)の輸送が層流状の流路でなされ、前記(3)の結晶成長を経た後に流路が拡大していくことを特徴とする[15]に記載の化合物結晶の製造方法。
[17] 前記(2)の輸送の方向と結晶成長場の結晶成長面がほぼ直交していることを特徴とする[15]または[16]に記載の化合物結晶の製造方法。
[18] 前記(2)の輸送の方向と結晶成長場の結晶成長面がほぼ平行であることを特徴とする[15]または[16]に記載の化合物結晶の製造方法。
[19] 前記結晶成長面が回転していることを特徴とする[15]または[16]に記載の結晶成長速度制御方法。
[20] 溶質成分BXを構成するBが、第1族金属元素と第2族金属元素からなる群より選択される1以上の元素であることを特徴とする[1]〜[19]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[21] 前記イオン性溶媒が一種類または複数種の金属ハロゲン化物であることを特徴とする[1]〜[20]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[22] 前記イオン性溶媒の組成を調整することによって、溶質成分BXの除去量を制御することを特徴とする[1]〜[21]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[23] 前記溶液中にドーピング元素を溶解させておくことによって、前記元素をドープした結晶を成長させることを特徴とする[1]〜[22]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[24] ドーピング元素を含む溶媒を用いて前記溶液を調整することを特徴とする[23]に記載の結晶成長速度制御方法。
[25] 化合物ABXから溶質成分BXを除去してABXの化学量論組成に近づけてから前記結晶成長に用いることを特徴とする[1]〜[24]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[26] 化合物ABXをイオン性溶媒に溶解する前に、化合物ABXから溶質成分BXを除去することを特徴とする[25]に記載の結晶成長速度制御方法。
[27] 化合物AXの結晶成長を、標準生成エネルギーが1000Kにおいて−930kJ/mol以下である酸化物を主成分とする内壁を有する反応容器内で行うことを特徴とする[1]〜[26]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[28] 化合物ABXの調製を、標準生成エネルギーが1000Kにおいて−930kJ/mol以下である酸化物を主成分とする内壁を有する反応容器内で行うことを特徴とする[1]〜[27]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[29] 前記反応容器の内壁がシリコンカーバイドを主成分とすることを特徴とする[27]または[28]に記載の結晶成長速度制御方法。
[30] 化合物AXの結晶が極性面を有する結晶であり、極性面を有する結晶基板のX面に結晶成長を行うことにより、成長した結晶面積を前記基板面積よりも増大させることを特徴とする[1]〜[29]のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
[31] [1]〜[29]のいずれか一項に記載の工程を含むことを特徴とする化合物結晶の製造方法。
[32] [31]に記載の結晶成長方法により成長させた化合物結晶。
[33] [32]の化合物結晶に、不純物除去操作および結晶表面の平滑研磨を行った後に、当該結晶表面に気相成長を行うことを特徴とする化合物結晶基板の製造方法。
[34] [31]に記載の結晶成長方法により化合物結晶を製造する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
本発明によれば、10MPa以下の低圧または常圧で良質の化合物結晶を製造することができる。特に、従来の課題であった高圧下における多核発生や低圧下における液中の窒素濃度の低下の問題を解決し、結晶のシード成長を行うことができる。すなわち、原料となる複合化合物を高温でイオン性溶媒に溶解した後、結晶成長場において、結晶成長に使われない溶質成分の濃度を制御することによって、結晶成長の速度、品質、結晶の大きさを制御することができる。
これにより本発明によれば、高温、高圧工程を経ることなく、かつ反応容器も周期表第2〜3族金属元素を含む耐火材(すなわち、Mg、Ca、Al,Ti,Y,Ce等の酸化物からなる耐火材、特に、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ジルコニア等の安価な耐火材料)の容器を用いて、半導体デバイスに応用するのに十分なサイズを有する化合物結晶を製造することができる。
さらに、本発明の半導体デバイスの製造方法によれば、パワーIC、高周波対応可能な半導体デバイス等を広く製造することができる。
以下に、本発明の第13族金属窒化物結晶の製造方法、半導体デバイスの製造方法について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書において「シード」とは、第13族金属窒化物結晶以外に、サファイア、SiC、ZnO等の異種基板のほか、結晶成長によって形成された第13族金属窒化物結晶も含まれる。
[化合物結晶の製造方法と成長速度制御]
(元素A,B,Xの組み合わせ)
本発明では、化合物ABXをイオン性溶媒に溶解した溶液中で化合物AXを結晶成長させる。
AとXは組み合わせが限定されている。すなわち、(i)Aが第13族金属元素であり且つXが第15族元素であるか、(ii)Aが第12族金属元素であり且つXが第16族元素であるか、または、(iii)Aが第14族元素であり且つXが炭素元素である。
(i)のAが第13族金属元素であり且つXが第15族元素であるとき、Aが採りうる第13族金属元素としては、Ga、Al、In、GaAl、GaIn等が挙げられ、Xが採りうる第15族元素としてはN、Pが挙げられ、化合物単結晶AXとしてはGaN、AlN、InN、AlGaN、InGaN、AlGaInN、AlGaInP、GaP、InP、InGaPが挙げられる。また、B元素としては、Li、Na、Ca、Sr、Ba、Mg等が挙げられ、中でもLi、Ca、Ba、Mgが好ましい元素として挙げられる。化合物BXとしては、Li3N、Ca32、Ba32、Sr32、Ca32が挙げられる。結晶成長の際に用いる溶媒としては、1族金属ハライドや2族金属ハライド等のアルカリハライド溶融塩が挙げられ、具体的にはLiCl、LiCl−NaCl等の混合イオン性溶媒が挙げられる。
(ii)のAが第12族金属元素であり且つXが第16族元素であるとき、Aが採りうる第12族金属元素としてはZn,Cdが挙げられ、Xが採りうる第16族元素としてはO、Sが挙げられ、化合物単結晶AXとしてはZnO、ZnS、ZnSeが挙げられる。また、B元素としては、Li,Na,K,Rb,Cs等の1族金属、Mg,Ca,Sr,Ba等の2族金属等が挙げられ、化合物BXとしては、Li2O、Na2O、Li2S、Na2S等が挙げられる。結晶成長の際に用いる溶媒としては、1族金属や2族金属の炭酸塩等が挙げられる。
(iii)のAが第14族元素であり且つXが炭素元素であるとき、Aが採りうる第14族元素としては、Si,Ge,Sn等が挙げられ、化合物BXとしては1族金属や2族金属のカーバイドが挙げられる。結晶成長の際に用いる溶媒としては、1族金属や2族金属の炭酸塩等が挙げられる。
以下において、(i)のAが第13族金属元素であり且つXが第15族元素である場合を代表例として詳しく説明する。なかでも、A金属をGa、B金属をLi、X元素をN(窒素)とする態様について特に詳しく説明する場合があるが、本発明の範囲はこの態様に限定されるものではない。また、以下の具体的態様に関する説明事項は、上記(ii)、(iii)に含まれる態様についても適宜当業者に自明な改変を加えて適用しうるものである。
(反応式)
本発明の反応式について、原料化合物ABXとしてガリウムおよびリチウムの複合窒化物(Li3GaN2)を用いた場合を例にとって説明する。この場合、溶媒にLi3GaN2を溶解させた溶液からのGaNの析出は以下の式で表される。
GaN粉、Ga金属、LiGa合金などをリチウム化合物と加熱混合してGaN結晶を生成することは、J. Crystal Growth 247(2003)275-278頁および上記特許文献3にも記載されている。しかしながら、上記特許文献3ではリチウム化合物はGaNの原料ではなくGaNの溶解度が低いことを補う補助溶融剤である。またGa,LiGaなど金属融液を用いる場合には金属融液中の成分の密度の違いにより濃度分布が生じやすく均一な融液を作成・制御することが難しいという問題点がある。これらの問題に対して本発明ではLi3GaN2を溶融塩中に溶解させることにより、GaN生成に十分な量の窒素が含まれる均一な溶液または融液を作成することに特徴がある。Li3GaN2はイオン性溶媒中でイオン種GaN2 3-の様な化学種を形成して溶解すると考えられる。そこでイオン性溶媒を用いることで高い窒素濃度の均一な溶液または融液を10MPa以下の低圧または常圧で作成することが可能となり、系内の物質・濃度分布の管理が容易になり結晶の成長環境が安定することから大型の結晶を成長させることができる。つまり、溶液中の各溶質組成を変化させることによって、GaN結晶を溶解から析出する条件まで自由に制御できるため、単結晶の製造プロセスが初めて可能になる。
一方、上記特許文献3などに記載されている従来のフラックス成長法では、Gaに対する窒素の溶解量を増加させるために1族金属であるNaやLiなどを補助溶融剤として添加しているが、低圧および常圧では溶液または融液中に溶解する窒素の量は系内のGa全てを窒化させる量に比べて非常に少ない。このためフラックス法では気相から溶液または融液への窒素の溶解がGaN析出の律速となっている。圧力が低いとGaNが成長するために十分な窒素濃度が得られないためGaN結晶を析出させるためには気相の窒素に高圧をかける必要がある。一方、結晶成長速度に対して気相窒素の圧力が高すぎると多数の微小結晶核が発生し、無数のGaN小結晶が生成するためGaN結晶を大きく成長させることができない問題も抱えている。高圧条件下で気相の圧力を結晶成長速度に合わせて適切に制御することは困難であり、これが従来のフラックス法で大型結晶を得られない原因と考えられる。
これに対して本発明では、例えばLi3GaN2を原料として用いLiClを溶媒として用いるために、常圧または10MPa以下という低圧においても十分な窒素溶解度を得られ、GaNの析出を圧力ではなく制御し易い方法で制御することが可能である。
(イオン性溶媒)
本発明では、化合物ABXをイオン性溶媒に溶解した溶液中で化合物AXを結晶成長させる。本発明で用いるイオン性溶媒は、本発明における化合物AXの結晶成長を阻害しないものであれば特に制限されない。本発明では、以下の(A)〜(D)の条件を満たすイオン性溶媒やその溶液を選択することが好ましい。
(A)生成する化合物結晶AXが実質的に不溶であり、複合化合物ABXが溶解すること。ここで、実質的に不溶とは、結晶成長温度(例えば760℃)において、溶解度が0.001重量%以下であることを意味し、溶解するとは溶解度が0.01重量%以上であることを意味する。
(B)化合物BXが溶解すること。
(C)化合物BXをその溶媒に溶解した溶液に対して、化合物結晶AXが溶解度を有すること。ここで溶解度を有するとは溶解度が0.01重量%以上であることを意味する。
(D)化合物結晶AXの前記溶液に対する溶解度が溶液中の化合物BXの溶質濃度によって、変化すること。具体的には、溶液中の化合物BXの溶質濃度が高くなったときに化合物結晶AXの溶液に対する溶解度が上がり、溶液中の化合物BXの溶質濃度が低くなったときに化合物結晶AXの溶液に対する溶解度が下がることが好ましい。
上記(A)〜(D)の各条件について、A金属をGa、B金属をLi、X元素をN(窒素)とし、AX結晶をGaN、化合物BXをLi3N、複合窒素化合物をLi3GaN2とする場合を例にとって以下において具体的に説明する。
(A)については、GaN結晶が溶媒に溶解する性質があると結晶品質が悪くなるため、溶媒には実質的に不溶性であることが好ましい。LiCl等のアルカリハライド溶融塩は、GaN結晶を溶解しない点で好ましい溶媒である。Li3GaN2等の複合窒化物の溶解機能をもつものとして、イオン性融体である1族金属ハライド、2族金属ハライド等の溶融塩が挙げられる。複合窒化物としてLi3GaN2を用いる場合にはLiCl単独、あるいは、LiCl−NaCl等の混合イオン性溶媒を用いることができる。
(B)を満たす溶媒としては、1族金属ハライド、2族金属ハライド等のイオン性溶媒が挙げられるが、特に複合窒化物に含まれる周期表第13族以外の金属元素を含むイオン性溶媒を用いると溶解度が高いという性質があり好ましい。特に、この場合、窒化物Li3Nの溶媒としては、Liを含むイオン性溶媒LiClやその混合塩を用いることが好ましい。
(C)については、例えばLi3NをLiClに溶解した溶液や、Li3NをLiClとNaCl等との混合塩に溶解した溶液がGaN結晶を溶解する機能をもつ。
(D)については、例えばLi3Nを溶解したLiCl溶液や、Li3Nを溶解したLiClとNaCl等との混合塩溶液へのGaN結晶の溶解度は、溶液中のLi3N溶質成分の濃度によって変化させることができる。
(溶融塩)
本発明で用いるイオン性溶媒は溶融塩を主成分とすることが好ましい。具体的には、使用するイオン性溶媒の50重量%以上が溶融塩であることが好ましく、70重量%以上が溶融塩であることがより好ましく、90重量%以上が溶融塩であることがさらに好ましい。
溶融塩の種類は、シードへのエピタキシャル成長を阻害しないものであれば特にその種類は制限されないが、原料である複合窒化物中の第13族金属元素以外の金属元素窒化物と化学的に親和力の強いものが好ましく、それらが化学平衡的に化合物をつくるものがより好ましい。例えば、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩、イオウ化物等を挙げることができる。また、例えば前記窒化物がLi3Nであるような場合は、この溶解量が多いLiClを含む溶融塩であることが好ましい。一般には、安定で窒素化合物の溶解性が高いハロゲン化物を用いることが好ましく、また溶融塩は、1族金属および/または2族金属を含む塩で窒素イオン源の生成反応に供されるような化合物であることがさらに好ましい。
具体的には、溶融塩は、Li、Na、K、Cs等の1族金属塩および/またはMg、Ca、Sr、Ba等の2族金属塩からなる溶融塩であることが好ましい。さらに溶融塩は、LiCl、KCl、NaCl、CsCl、CaCl2、BaCl2、LiBr、KBr、CsBr、LiF、KF、NaF、LiI、NaI、CaI2、BaI2等の金属ハロゲン化物であることも好ましく、LiCl、KCl、NaCl、CsCl、CaCl2、BaCl2およびそれらの混合塩のいずれかであることも融点が下がるため好ましい。
上記溶融塩に水等の不純物が含まれている場合は、反応性気体を吹き込んで予め溶融塩を精製しておくことが望ましい。反応性気体としては、例えば、塩化水素、ヨウ化水素、臭化水素、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができ、塩化物の溶融塩に対しては、特に塩化水素や塩素を用いることが好ましい。
化合物ABXとしてLi3GaN2を用いる場合は該化合物中にLiが含まれているため、溶解時の親和性、溶媒イオンと溶質イオンの密度差からもイオン性溶媒として用いる溶融塩にはLiが含まれていることが好ましい。Liが含まれる溶融塩としてはLiClが特に好ましい。
前記溶液において、Li3GaN2に対するLiClの比が小さ過ぎる(LiClが少なすぎる)と、溶媒としての量が少ないためにLi3GaN2が十分に溶解せず、その結果、得られるGaN量が少なくて大きな結晶が得られなくなるという問題がある。逆にLi3GaN2に対するLiClの比が大き過ぎる(LiClが多すぎる)と、溶媒中のLi3GaN2濃度が低下し結晶折出が困難になり量が少なく大きな結晶が得られないという問題がある。
実際の結晶成長においては、砕いた粉状、または塊状のLi3GaN2固相をLiClまたは、LiCl−NaCl溶媒中に入れておき、前記溶媒を循環させることによってLi3GaN2を少しずつ、連続的に溶解していく方法が好ましく採用される。
使用する溶融塩は、式(A)によって生成するLi3Nを溶解させる性質を持つものであることが望ましい。Li3Nを溶解させる性質を持たない溶融塩を用いると、溶液または融液中からの式(A)の反応が固相のGaNの析出と固相のLi3Nの析出が同時に生じることとなり、結晶成長の制御が難しくなるためである。
また溶融塩は、複数の化合物の混合物であってもよく、例えば複数の1族金属ハロゲン化物の混合物でもよい。2成分以上の1族金属ハロゲン化物の混合物の溶融塩を溶媒として用いることでLi3GaN2の溶解度およびGaNの溶解度をGaNの析出が最適になるように調整する際の制御の幅が広がり、GaNの結晶析出に最適な溶媒条件に合わせることができる。また溶融塩中の複合窒化物の溶解度および第13族金属窒化物以外の金属窒化物の溶液からの蒸発量を制御することもできる。各種1族金属ハロゲン化物の混合溶融塩の中ではLiClとNaClの混合溶融塩を用いることが望ましい。複数の塩の混合物の溶融塩は2種類以上の塩を別々の固体として反応系内に導入し、加熱溶融させて作成することも可能であるが、混合塩(例えばLiClとNaClの混合塩)を加熱溶融させて作成することが、系内の均一性の観点から望ましい。
(Li3N濃度の制御)
式(A)にしたがって生成したLi3Nは1族金属ハロゲン化物の溶融塩中に溶解するため、反応の進行とともに溶媒中のLi3N濃度の成分は上昇し、Li3N濃度を制御しない場合の反応は平衡に達して停止する。本発明者らは、こうした理由から従来の技術では結晶の成長が遅く、また、小さな結晶しか得られないと考え、この問題を解決する手段を有する本発明に到達した。すなわち、本発明においては、式(A)の反応の進行とともに上昇する溶媒中のLi3N濃度を何らかの手段で取り除くことにより、濃度を制御することによってGaNを析出させることができる。Li3N濃度の制御方法としては蒸発、分解反応、他の化学種(例えばGaなどのA金属や、タングステンなど)との反応、反応場以外の溶媒中への拡散などによっても可能である。Li3Nの濃度を制御する方法は、これらの方法のうちの一つの方法を用いても、いくつかの方法を組み合わせて行ってもよい。
例えば、蒸発による除去方法として、N2流通下においてLi3Nを連続的に蒸発させて反応系内から取り除くことで、結晶成長を連続的に進行させることができる。高圧下においては、蒸発によるLi3Nの除去が妨げられるため式(A)の平衡が右にずれにくくなり、溶液または融液中のGaN溶解度は低下する。従って結晶成長は低圧、具体的には10MPa以下で成長を行うことが望ましい。Li3Nの蒸発の程度を調整することによって、結晶の成長速度や大きさや質を制御することが可能である。Li3Nの蒸発の程度を調整するには、例えば圧力、雰囲気ガスの流量や流速、蒸発時間、攪拌、LiClに混合する他のアルカリハライドの割合などの条件を適宜調整すればよい。
また、溶融塩中のLi3N溶質成分を溶液表面からの蒸発によって除去する方法では、LiCl中にNaClを混合するとLi3N溶質成分の蒸発速度が増すため、好ましい。このとき、LiCl(100重量部)に対してNaClを0.01〜70重量部用いることが好ましく、0.1〜50重量部用いることがより好ましく、0.1〜40重量部用いることがさらに好ましい。
また溶媒としての溶融塩の量を十分多く取ることで、拡散により結果として結晶成長部でのLi3N濃度の変化を小さくすることもできる。具体的には、原料である化合物ABXに対して、溶媒としての溶融塩を質量比で2〜1000倍量用いることが好ましく、5〜100倍量用いることがより好ましい。
溶融塩中のLi3Nを分解によって除去する方法としては、例えば塩化水素または塩素をキャリアーガスとともに反応容器内に導入し、気−液界面で反応させるか、あるいは直接溶液の中に吹き込むことによって、Li3NをLiClとN2、H2(塩化水素の場合)に分解してもよい。反応をもっと穏やかに進める場合は、塩化アンモニウムを気体で供給し溶融塩の表面で分解した塩化水素を利用してもよい。このような反応性ガスをキャリアーガスとともに反応容器内に導入する際の反応ガス濃度は、ガス全体の0.01〜50%であることが好ましく、0.01〜10%であることがより好ましく、0.05〜5%であることがさらに好ましい。また、反応性ガスを含むキャリアガスの流量は1〜1000ml/minであることが好ましく、1〜500ml/minであることがより好ましく、10〜100ml/minであることがさらに好ましい。
また、GaなどのA金属かまたはA金属元素を含む化合物を、溶液中であって、結晶成長場とは離れた場所に配置し、下記式(B)の反応式にしたがって、Li3Nを除去することもできる。
式(B)にしたがって発生するLiは、例えばGaと合金化することにより除去される。また、Liは、結晶成長に必要な溶質成分Li3GaN2の原料ともなり得る。
このようにして第13族窒化物結晶の成長において、系内のLi3Nの濃度を適切に制御することにより式(A)の平衡で反応を停止することなく、厚膜状またはバルク状の第13族金属窒化物の結晶を連続的に成長させることが可能になる。すなわち、窒化物結晶の原料である複合窒化物Li3GaN2を上記(A)の機能を用いることによって溶媒に溶解し、上記(D)の機能を利用して、窒化物GaN結晶の成長速度を精密に制御することによって、高品質のGaN単結晶を得ることができる。反応容器内では、基板以外にも自核発生したGaNの微結晶も存在し、結晶基板付近の溶質濃度にも影響を与えることがある。こうした場合は、基板結晶への成長速度を一定に保つために、Li3Nを取り除く速さを、結晶成長容器内の状況に応じて制御することが好ましい。例えば、製造装置においては、溶液からのLi3N除去量を何らかの手段でモニターしながら、Li3Nの除去速度を制御することができる。本発明によって得られる第13族窒化物結晶の品質、成長速度はこのようにして制御される反応の速度にも左右される。
(化合物ABX)
本発明では、化合物AXを結晶成長させるための原料として、化合物ABXを用いる。化合物ABXを構成するA,B,Xのそれぞれについては、上で説明した通りである。好ましい化合物ABXとして、Li3GaN2、Ca3Ga24、Ba3Ga24、Mg3GaN3等を挙げることができる。
一般的に、液相の結晶成長では、原料として、製品の単結晶と同じ粉、あるいは微結晶を用いる。例えば、GaN単結晶の製造を考える場合、原料のGaN粉を作るのにもコストがかかるが、本発明による方法では、低コストで製造可能な複合窒化物を使うため、工業プロセスとして有利という特徴がある。
本発明で用いる化合物ABXは、化学的に合成したものであってもよいし、反応性スパッター等のドライプロセスで得たものであってもよい。XがNである複合窒化物を合成する際に通常用いられる方法は、第13族金属と13族以外の金属元素との合金をつくっておき、窒素雰囲気中で温度を上げながら溶解する方法であり、容易に合成することができる。通常、アモノサーマル法等では、目的の第13族金属窒化物結晶の微粉または微結晶を合成し、これを溶媒に溶解するが、こうしたプロセスから較べると、非常に容易に原料を作ることができ、工業的な価値は大きい。また、経済性は劣るが、第13族金属窒化物結晶の微粉と第13族金属以外の元素の窒化物(例えばLi3N、Ca32)とを混合した後、高温で固相反応させることによっても合成することができる。また、複合窒化物は化学的に合成された結晶性のものでなくともよく、例えば、それらの合金からなるターゲットを反応性スパッターにより、窒素プラズマとの反応で作製したサファイア基板や石英等の基板上に生成した化学量論組成からずれたアモルファス状の物質であってもよい。複合窒化物の種類によっては、合成の時にB金属成分をやや多く含ませた方が、反応が進行しやすい場合がある。こうしたドライプロセスで作られた複合窒化物薄膜は、溶融塩と接触させておくと、窒化物薄膜から溶融塩へ窒化物が少しずつ溶解し、界面付近に拡散支配の窒化物溶解相を形成でき、シードをこの界面付近に置くことによって容易に結晶成長が達成できる。また、ドライプロセスを用いる特徴としては、化学的に合成が難しいような窒化物でも容易に作製ができることが挙げられる。
本発明では、化合物ABXを2種類以上用いてもよい。
(Li3GaN2の合成)
Li3GaN2は、GaNとLi3Nを約700℃で反応させるか(方法A)、あるいはGa−Li合金を窒素雰囲気中で600〜800℃で加熱処理する(方法B)ことによって作製することができる。また、イオン性溶媒中でGaNとLi3Nを反応させて製造することもできる。この方法では複合窒化物は生成した際に既にイオン性溶媒に溶解した溶液または融液となっているため、この溶液または融液の温度を低下させる手法により複合窒化物とイオン性溶媒が混合した固体が得られる。この混合固体を結晶成長の原料として用いると、複合窒化物とイオン性溶媒の両者を別々に結晶成長装置に投入する場合に比べて、均一な溶液または融液を得やすい利点がある。また、別の方法として、Li金属、Ga−Li合金をターゲットとして、窒素プラズマによる反応性スパッターを行い、Li−N、Ga−Li−Nの混合組成アモルファス膜を作り、これをLi3GaN2の代用とすることもできる。この場合は薄膜状の結晶を作るのに好都合であるばかりでなく、化学的には合成が困難な材料系でも作製が可能という長所がある。
Li3GaN2を作成する際の反応容器としては周期表第2〜3族金属を含む酸化物、具体的にはMg,Ca,Al,Ti,Y,Ce等の酸化物からなる耐火材、特に酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の安価な耐火材を用いることができる。
Li3GaN2以外の複合窒化物についても、上記のLi3GaN2に類する方法により作製することができる。
一方、Li3GaN2の上記合成法には問題もある。すなわち、方法Aで原料を化学量論比であるLi3N:GaN=1.00の組成比で用いるか、または上記方法BでLi/Ga=3.0の組成比の合金を用いると、Li3GaN2中の含Li成分が気化して失われるために、高純度のLi3GaN2を合成できないという問題がある。この問題を解決するためにはLi3NをGaNに対して過剰、あるいはLi/Ga=3.0を超える比の合金を用いる必要がある。しかしこのようなLi過剰な組成比でLi3GaN2を合成すると、不純物としてLi3Nが含まれる問題点がある。Li3Nが不純物としてLi3GaN2に含まれると、生成したGaNあるいはシードとしてのGaNがLi3Nと反応し溶解(メルトバック)して消失してしまう。
この課題を解決するために本発明では下記の1)または2)の手法を採用することが好ましい。
1) 結晶育成する際にシードを投入する前にLi3GaN2中の不純物Li3Nを除去する手法
2) Li3GaN2を合成した後、結晶育成に供する前にLi3Nを除去する手法
1)の具体例としては、シードを投入する前に蒸発、HClとの反応などによって過剰Li3Nを系外に除去あるいは分解する手法が挙げられる。また、2)の具体例としてはLi3GaN2を合成後に600℃などの高温真空下に保持し、過剰なLi3Nを除去する方法が挙げられる。保持時間は好ましくは0.1〜100時間であり、より好ましくは0.1〜10時間であり、さらに好ましくは0.5〜5時間である。
Li3GaN2の量論組成よりもLi3Nが過剰に存在している状態で溶液を調製するとGaN濃度が低くなってしまうため、結晶成長にとって好ましくない。したがって、本発明において、Li3N成分を化学量論組成から僅かに多く含むLi3GaN2を用いる場合には、Liを含むイオン性溶媒(例えばLiClや、LiCl−NaCl等の混合イオン性溶媒)に溶解し、この溶液から過剰なLi3N溶質成分を除去してLi3N濃度を制御することによりGaNの結晶成長を促進することができる。Li3Nの除去方法については、上記の方法を適宜選択して用いることができる。
(BX以外の添加物)
また複合金属窒化物の溶解度を増加させるために溶融塩中に第13族金属元素以外の金属元素の窒化物を添加させることもできる。この第13族金属元素以外の金属元素の窒化物としてはLi3Nの他、Ca32、Sr32、Ba32などを用いることが好ましい。
また、結晶中への第13族金属以外の物質をドーピングする場合は、例えばMg32、Mg3GaN3等の窒化物の形にして溶融塩に溶解するか、あるいは溶媒の一部として、例えばMgCl2等を加えておけばよい。
(シード)
本発明において化合物AXを結晶成長させる際には、第13族金属窒化物結晶または基板を結晶成長のためのシード (種結晶)として用いることが好ましい。シードの形状は特に制限されず、平板状であっても、棒状であってもよい。また、ホモエピタキシャル成長用のシードであってもよいし、ヘテロエピタキシャル成長用のシードであってもよい。具体的には、気相成長させたGaN、InGaN、AlGaN等の13族金属窒化物のシードを挙げることができる。また、サファイア、シリカ、ZnO、BeO等の金属酸化物や、SiC、Si等の珪素含有物や、GaAs等の気相成長等で基板として用いられる材料を挙げることもできる。これらのシードの材料は、本発明で成長させる第13族金属窒化物結晶の格子定数にできるだけ近いものを選択することが好ましい。棒状のシードを用いる場合には、最初にシード部分で成長させ、次いで水平方向にも結晶成長を行いながら、垂直方向に結晶成長を行うことによってバルク状の結晶を作製することもできる。
また、極性面をもつウルツ構造のGaN等をシードに使う場合は、N極性面に溶融塩中でエピタキシャル成長を行うと、扇状に成長面積が増加し、小さなシードから大きな面積の結晶を製造することができるので、好ましい。
メルトバックを防いで効率よく結晶成長させるためには、シードの表面粗さ(Ra)は5nm以下であることが好ましく、1nm以下であることがより好ましく、0.5nm以下であることがさらに好ましい。
(反応雰囲気)
本発明では反応雰囲気として気相に窒素を含まない系でも実施することが可能であり、例えばアルゴン雰囲気中で実施することができる。アルゴンは窒素に比べて酸素の混入を抑え易く、アルゴン雰囲気下で結晶成長を行うことで結晶への酸素の混入を低減させることができる。なお、反応雰囲気とは、Li3GaN2を溶融塩中に溶解させた溶液を含む反応容器の周囲の気相成分を意味している。
(反応温度および圧力)
本発明において、第13族金属窒化物結晶を析出させるための反応温度は、通常200〜1000℃であり、好ましくは400〜850℃、さらに好ましくは、600〜800℃である。本発明では、複合窒化物を溶融塩に溶解させて用いるため、複合窒化物の融点より低温で用いることが可能になっている。
本発明において、第13族金属窒化物結晶を析出させるための反応容器内の圧力は、通常10MPa以下であり、好ましくは3MPa以下、さらに好ましくは0.3MPa以下、より好ましくは0.11MPa以下である。
(容器材料)
本発明に用いられる前記溶液に触れる反応容器や結晶成長のための部品は、熱的および化学的に安定な酸化物を主成分とするものであることが好ましい。以下の表1は、各酸化物の標準生成エネルギー(Ihsan Barin : Thermochemical dada of pure substances (VCH))を示したものであり、負であればあるほど化学的に安定であることを示す。
ここでいう主成分とは、反応容器内の溶液または融液に触れる壁面(内壁)を構成する材質に含まれる酸化物成分において90重量%以上を占める成分を意味し、好ましくは反応容器内の溶液または融液に触れる壁面を構成する材質に含まれる酸化物成分において95重量%以上を占める成分である。反応容器が均一な材質からなる場合は、反応容器全体を構成する材質に含まれる酸化物成分において90重量%以上、好ましくは95重量%以上を占める成分に等しい。また、ここでいう酸化物は、Mg、Ca、Al、Ti、Y、Ce、La等の周期表第2〜3族金属元素を含む酸化物であることが好ましい。より好ましくは標準生成エネルギーが1000Kにおいて−930kJ/mol以下であり化学的に安定な酸化物、具体的にはY23、CaO、La23、MgOなどが好ましく、特に好ましくは標準生成エネルギーが1000Kにおいて−1000kJ/mol以下である酸化物、具体的にはY23、CaO、La23などが好ましい。
(具体的な製造方法)
次に本発明の製造方法を、図面を参照しながらさらに具体的に説明する。図1〜3および17〜18は、本発明を実施する際に用いる第13族金属窒化物結晶成長のための製造装置の構成例を示すものであり、図4、図5、図11、図12、図15、図16は、本発明の実施例にて使用した装置を示す図である。また、図6は、溶融塩の精製装置の概略説明図であり、結晶成長に用いられる溶融塩はあらかじめこの装置により精製(主として脱水)される。
(溶融塩の精製装置)
塩化物等の溶融塩は、一般に吸湿性が強いために多くの水分を含んでいる。本発明を実施する際に水分を含んでいる溶融塩を用いると、反応容器内で第13族金属の酸化物が形成され、また、反応容器が腐食しやすくなることから好ましくない。そこで、図6に示すような試料密封型の前処理装置(溶融塩、熱技術の基礎、(株)アグネ技術センター発行p266参照)を用いて、予め水等の不純物を取り除いておくことが好ましい。図6に示す装置を用いて精製するときは、まず精製しようとする金属塩を精製容器21中に入れ、真空下またはガス排出口19から精製容器21内を真空に引きながら、塩精製装置用電気炉15の温度を昇温させ、さらにアルゴンガス等の不活性ガスまたは塩化水素ガス等の反応性ガス雰囲気に切り替えて金属塩を溶融させる。その後、溶融状態の金属塩に、塩化水素ガス等の反応性ガスをガス導入管20から多孔質フィルター22を介して約1時間以上吹き込んでバブリングを行う。バブリング終了後に、ガス導入管20側を減圧し、必要に応じてガス排出口19側から不活性ガスを用いて圧力をかけることにより、溶融塩を試料溜め23に移す。冷却後、真空状態にして試料溜め23の上部を封じ切ることで、精製試料を真空封入して保存する。なお、溶融塩中に上記方法では除去できない重金属等が含まれている場合には、この塩をさらにゾーンメルト法によって精製することが好ましい。
次に、本発明にしたがって第13族金属窒化物結晶を成長させる工程を具体的に説明する。ここでは、第13族の金属元素と第13族以外の金属元素からなる複合窒化物Li3GaN2を原料とし、溶融塩として図6の装置により精製したLiClを含む溶融塩を用いた場合を例にとって説明する。以下の説明は、これら以外の材料を選択した場合にも応用しうる。
(図1の装置による製造)
図1は、本発明を実施する際に用いる典型的な製造装置の模式図である。まず、酸化マグネシウム、または、酸化カルシウムの反応容器14中に精製したLiCl塩6を入れ、650〜780℃で溶解する。仕切り板5で仕切られた部分に、予め作製しておいたLi3GaN2複合窒化物8を置き、溶融塩6中へ溶解させる。溶解したLi3GaN2複合窒化物は、溶媒であるLiClと錯塩を作りながら溶解すると考えられ、この状態でGaN結晶1の表面に到達し、式(A)の反応でGaN結晶が成長し、副生成物であるLi3Nの濃度がその周辺で上昇する。結晶表面での均一な結晶成長を促すためには、溶液または融液中でのLi3N濃度も斑がない方が好ましいため、GaN結晶1は、基板2、基板保持機構3を通じて、緩やかに溶液または融液中で運動させることが好ましい。溶融塩の量が十分にあり、また、成長させるGaN結晶1の厚さも、それほど必要でない場合は、結晶成長にともなうLi3N濃度の上昇で自然に結晶成長が停止する所まで反応させればよいが、バルク状の大きな結晶を成長させるためには、図1で示すように、GaN結晶1の背後にGa金属を置くようにするとよい。結晶成長部付近で濃度が上昇したLi3NはGa金属との反応でGaLi合金になると同時に、GaLi合金表面付近で、GaN、Li3GaN2を生成する。Li3GaN2は、再び結晶のエピタキシャル成長の原料として働く。このようにして、Li3GaN2の原料が存在する限りにおいて、連続的にGaNの結晶を成長させることができる。また、Li3GaN2の溶解部分は高温にし、結晶の成長部分は低温にしておくと結晶化の速度が上がるという利点がある。
(図16の装置による製造)
図16は、本発明を実施する際に用いる典型的な製造装置の模式図である。まず、酸化イットリウム、または、シリコンカーバイドの反応容器14中に精製したLiClとNaCl塩6を入れ、650〜780℃で溶解する。反応容器14の底部には、予め作製しておいたLi3GaN2複合窒化物8を置き溶融塩6中へ溶解させる。ヒータ27は、複合窒化物8の下に設置されており、溶媒であるLiClに溶解したLi3GaN2溶液が加熱されて矢印で示すように上昇流となる。加熱による熱対流は、塊状、粒状または粉状の前記複合化合物ABXの間隙を前記溶液が強制的に通過するようにできるため、原料の溶液への溶解効率が高いという特徴がある。また、この加熱されることによって発生した上昇流は一般的に層流的で、あまり広がらずに、したがって、Li3GaN2の溶質濃度も下がらずに上昇する。Li3GaN2は溶媒であるLiClと錯塩を作りながら溶解すると考えられ、この状態でGaN結晶1の表面に到達し、式(A)の反応でGaN結晶が成長し、副生成物であるLi3Nの 濃度がその周辺で上昇する。結晶表面での均一な結晶成長を促すためには、溶液または融液中でのLi3N濃度も斑がない方が好ましいため、GaN結晶1は、基板2、基板保持 機構3を通じて、緩やかに溶液中で運動させることが好ましい。Li3N濃度の上がった溶液は結晶から外側に広がり、溶質自体の濃度も下がりながら、一部はLi3Nが蒸発、または、HClとの反応を起こす気-液界面の方に向かい、また、一部は、反応容器の壁伝いに下降流となって再び結晶成長の原料であるLi3GaN2 8がある部分に循環する。上部と下部の循環流は互いに交わる部分で混合が起こり、上部でLi3Nが減少した溶液も下部の循環流に一部合流する。また、結晶成長によってはき出されたLi3N溶質成分濃度の上がった溶液が容器の壁伝いに下降流を作るため、壁では、式(A)の反応によるGaN結晶の析出は起こりにくくなるというメリットもある。バルク状の大きな結晶を成長させるためには、溶媒であるLiClにNaClを0.1〜50%添加しておくと、Li3Nの蒸発が促進され、GaN結晶1が連続的に成長する。また、10で示すキャリアガス導入口から、極僅かなHClを混入したキャリアガスを反応器に導入し、溶液表面で、Li3N成分の溶質を分解するようにするようにすると結晶の成長速度を流すガス流量によって自由に制御できる。また、結晶を大きく成長させる場合、結晶の成長面とLi3GaN2原料との距離がほぼ一定になるように、結晶の成長に伴って、結晶の回転保持機構3を上部に引き上げるようにするとよい。
(図17の装置による製造)
図17に示す装置は、図16で示した製造装置の模式図とほぼ同じであるが、基板を垂直方向に立てることによって、同時に多数の基板を結晶装置内に入れることができ、比較的小さなサイズの基板を効率よく作るのに適した装置である。まず、酸化イットリウム、または、シリコンカーバイドの反応容器14中に精製したLiCl塩6を入れ、650〜780℃で溶解する。反応容器14の底部には、予め作製しておいたLi3GaN2複合窒化物8を置き溶融塩6中へ溶解させる。ヒータ27は、複合窒化物8の下に設置されており、溶媒であるLiClに溶解したLi3GaN2溶液が加熱されて矢印で示すように上昇流となる。GaN結晶1は、基板保持機構3を通じて、緩やかに溶液中で運動させることが好ましい。図16で示した製造装置と異なる点は、結晶基板を多数入れるような大きな容器内では、熱対流のみで浴全体の循環流をつくることは難しいため、29で示した隔壁を容器内に設置し、攪拌羽28によって循環流を作り出すようにするとよい。結晶成長後Li3N濃度の上がった溶液は、液面表面で蒸発させるか、または、HClとの反応を起こすことによって分解する。Li3N濃度が下がった溶液は、大きな循環流にのって、Li3GaN2原料8の部分に戻る。この場合も、バルク状の大きな結晶を成長させるためには、溶媒であるLiClにNaClを0.1〜50%添加しておくとLi3Nの蒸発が促進され、GaN結晶1が連続的に成長する。また、10で示すキャリアガス導入口から、極僅かなHClを混入したキャリアガスを反応器に導入し、溶液表面で、Li3N成分の溶質を分解するようにすると結晶の成長速度を流すガス流量によって自由に制御できる。溶液の循環流の一部分にGaなどのA金属を配置しておいてもよい。
式(A)の反応において、Li3N溶質成分を除去することによって、GaN結晶がシード上に成長するが、結晶の成長の様式は、平衡に近い部分では、膜状に、また鏡面状に成長するが、平衡から離れるにしたがい、平滑な膜ではなく柱状の結晶が林立するような様式になり、さらにもっと平衡から離れてしまうと、GaNの粉状の結晶がシード上に析出する。工業的に価値のある結晶は膜状に成長する結晶であり、この条件を成長時間中、安定に保つために、Li3N溶質成分の除去速度をモニターしながら、または、成長時間中に適宜、溶液をサンプリングしてLi3N溶質濃度をモニターしながら、除去速度を制御することが好ましい。
LiClにNaClを0.1〜50%添加した場合、Li3N溶質成分は、式(A)の反応で発生するLi3Nに較べて、自然蒸発する方が時間とともに多くなる傾向にあり、式(A)において、上記膜状の結晶成長の範囲に制御するためには、時間の経過とともにるつぼの上部にある、蒸着されたLi3Nの膜厚モニターのデータを元に、るつぼの上部にある蓋を少しずつ締めて、蒸発量を減らし、溶液中の溶質成分を膜状の成長が可能になるように一定に制御する。
また、溶媒がLiClのみである場合は、式(A)の反応で発生するLi3Nは制限なく溶媒中に溶解し、また、Li3Nは蒸発しないため、制御をしないと、平衡点に達し、結晶の成長は停止してしまう。こうした系については、10で示すキャリアガス導入口から、極僅かなHClを混入したキャリアガスを反応器に導入し、溶液表面で、Li3N成分の溶質を分解するようにするようにすると結晶成長が始まる。導入すべきガス量は、上記分解反応で生じる分解ガス(H2またはN2)の量をモニターしながら制御するようにするとよい。
(図18の装置による製造)
図18に示す装置は、図17で示した製造装置の模式図に似ているが、Li3GaN2原料8を溶解する領域と結晶成長領域を分離し、溶解領域では、強制的な機械攪拌を行って溶解速度を高くする。この場合、結晶の析出条件にならないように、この領域は密閉し、Li3N溶質成分は、蒸発、分解されないようになっており、溶質を溶解した溶液は結晶成長領域の方に運ばれ、図17で示した製造装置と同じ原理で結晶成長が行われる。
(図2の装置による製造)
図2は、本発明を実施するのに適した別の縦型形式の結晶成長装置である。酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムの反応容器14中に、精製したLiClまたは2元共晶塩LiCl−NaCl等の低融点をもつ溶融塩6を入れ、別途作製したLi3GaN2複合窒化物8にタングステンのネット9をかぶせ、反応容器14の底に沈め、この上部に回転機能を備えた基板支持棒3の先につけたシード2を置くと、Li3GaN2が溶解した溶液または融液からGaN結晶が折出し、液相からのエピタキシャル成長が起こる。結晶表面でGaN結晶が成長すると、溶液または融液中で、Li3N成分が増加して行くが、結晶の回転に伴って図中で示した矢印の方向の溶液または融液の流れに乗り、一部は上昇して行き溶液または融液中のLi3N成分の濃度が上がって行く。薄膜状の結晶をシードに成長させる場合は溶液または融液の量を多くしておけばよいが、バルク状の結晶を連続的に成長させるためには、溶液または融液中のLi3N成分を連続的に除去する必要がある。図2においては、ガス吹き込み管12から塩化水素を溶液または融液中に吹き込み、Li3N成分を、LiCl、N2、H2に分解する。あるいは、もっと穏やかな条件にするには、ガス導入管10,11から窒素、あるいはアルゴンをキャリアガスとして使い、塩化アンモニウムの気体を反応容器14内に導くことで、溶液または融液界面から分解した塩化水素が溶融塩中に拡散させるようにしてもよい。
なお、シード2としては、例えばサファイア、SiC等を用いることができるが、板状のGaN結晶を用いることが好ましい。板状のGaN結晶にGaN結晶をホモエピタキシャル成長させ、これらから何枚かのウエハーを作り、それらの一枚を次の結晶成長用の基板とするのが好ましい。
(図3の装置による製造)
図3は、スパッター等のドライプロセスを使って、石英、サファイア、GaN等の基板2の上に、Ga−Li−N等の混合物からなる薄膜17をつくり、これをLiCl溶融塩6に溶解させて、基板2上にGaN結晶を成長させるものである。図中、18は、結晶成長部分以外での窒化物薄膜17とLiCl溶融塩6の反応を防ぐための仕切り板であり、材料としては、タングステン等が使われる。
また、反応容器14内の雰囲気7は、窒素またはアルゴン等の不活性雰囲気とする。
生成したGaNの解離圧は、生成の自由エネルギーから計算すると650℃で1気圧となり、一般には、常圧で650℃以上の温度になると分解が始まるといわれている。しかし、本発明によれば、常圧600〜800℃の温度であっても溶融塩中でGaNがGa金属と窒素ガス等に分解することはない。また、式(A)から明らかなように、溶融塩中のLi3N濃度によりGaN結晶の溶解・析出を制御できるため、結晶成長の固液界面において再溶解と再結晶を繰り返すことができる。その結果、結晶の高品質化を図ることができるため、本発明は極めて有利である。
[半導体デバイスの製造方法]
本発明の製造方法は、半導体デバイスの製造方法における第13族金属窒化物結晶を製造する工程に用いることができる。その他の工程における原料、製造条件および装置は一般的な半導体デバイスの製造方法で用いられる原料、条件および装置をそのまま適用できる。本発明の製造方法によれば、パワーIC、高周波対応可能な半導体デバイス等を製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、実施例において結晶成長の溶媒として用いたLiCl、NaClは、図6で示される装置を用いて上記説明にしたがって精製したものである。
(製造例1) 複合窒化物の合成例1
多結晶窒化ガリウムおよび窒化リチウム試薬(三津和化学製)を乳鉢を使ってLi3N/GaN=1.05のモル比で混合し、得られた混合物約2gをY23の反応容器(坩堝)に入れて、60ml/minの窒素流通下で焼成することにより、複合窒化物を作製した。焼成を行う際には、室温から700℃まで1時間で昇温し、700℃で20時間保持したのちに、電気炉電源を切り自然放冷した。サンプルは、焼成前は灰色、赤紫の混合色であったが、焼成後は白っぽい灰色に変化した。このサンプルのX線データを図7に示す。Li3GaN2が生成したことが分かる。得られたLi3GaN2を以下の実施例2〜6で用いた。
(製造例2) 複合窒化物の合成例2
Li3N/GaN比を1.07に変更したこと以外は製造例1と同じ方法にしたがって、700℃で20時間保持してLi3GaN2を合成した。得られたLi3GaN2を以下の実施例7のNo.71で用いた。
(製造例3) 複合窒化物の合成例3
製造例2にしたがって700℃で20時間保持してLi3GaN2を合成した後、630℃で2時間真空引きし過剰なLi3Nを除去した。過剰なLi3Nが除去されたことはLi3GaN2から赤みが消えたこと、及びXRDで確認した。得られたLi3GaN2を以下の実施例7のNo.72で用いた。
(実施例1)
図2の装置内に、GaN粉末を0.3g、LiClを5.2g、Li3Nを表2に示す量添加し、窒素雰囲気中で室温から760℃まで1時間で昇温し、その後20時間保持した。20時間保持した後の溶液中のGa濃度を分析した結果と、溶液中でのGaN結晶成長の有無について、表2に示す。得られたGaN結晶の光学顕微鏡写真、SEM写真、XRDパターンを図8〜10に示す。
Li3Nを添加しなかったNo.11では、溶液中にGaNが溶解しておらず、GaNの単結晶の成長が確認できなかった。これに対して、Li3Nを添加したNo.12〜15では、溶液中にGaNが溶解しており、この溶液を用いて結晶成長を行うことによりGaNの単結晶が成長することが確認された。また、Li3Nの添加量を調整することによって、GaNの単結晶の成長速度や大きさを制御できることが明らかになった。
(実施例2)
LiClを3.4gとNaClを1.8g混合した溶媒に、製造例1で合成したLi3GaN2を0.52g添加して、Li3Nが蒸発できるように蓋を外した装置を用いて、N2雰囲気中で1時間かけて760℃に昇温した。その後、表3に記載されるタイミングで390mgのGaNシードを投入し、10時間保持したのちシードを取り出して変化を確認した。結果を表3に示す。得られたGaN結晶のSEM写真、X線回折の(002)回折ピークのロッキングカーブ測定結果を図13と図14に示す。
過剰Li3Nの蒸発が終了しないうちにGaNシードを溶液に投入したNo.21では、過剰のLi3NによりGaNシードが溶解するメルトバックが観察されシード重量が減少した。これに対して、過剰なLi3Nを蒸発させてからGaNシードを投入したNo.22では、メルトバックは観察されず、シード表面上にGaN成長層が生成した。Li3Nの蒸発量を調整することによって、GaNの単結晶の成長速度や大きさを制御できることが明らかになった。
(実施例3)
図2の装置内に、製造例1で合成したLi3GaN2を0.30g、Li3Nを0.03g、LiClとNaClをそれぞれ表4に示す量添加して、N2雰囲気中で室温から1時間かけて760℃に昇温し、Li3Nを蒸発させながら760℃で20時間結晶成長を試みた。GaN単結晶の生成量を表4に示す。
No.31では、系内からLi3Nを除去できないため、GaN単結晶の生成が認められなかった。これに対して、No.32およびNo.33では、系内からLi3Nを蒸発させながら結晶成長を行うことができ、GaN単結晶が生成した。このとき、LiClとNaClの添加量を調整することにより、GaNの単結晶の成長速度や大きさを制御できることが明らかになった。
(実施例4)
図12の装置内に、製造例1で合成したLi3GaN2を0.52gとLiClを5.2g加えて、表5に示す量のHClを含むArガスを50ml/minの速度で流通させた雰囲気中にて1時間かけて760℃に昇温して、760℃に8時間保持した。GaN単結晶の生成量を表5に示す。
Arガス中にHClを含有させることによって溶液中のLi3Nを除去したNo.42では、GaN単結晶が生成した。Li3Nと反応性のガスを流通させることにより、GaNの単結晶の成長速度や大きさを制御できることが明らかになった。
(実施例5)
図16の装置内に、製造例1で合成したLi3GaN2を0.52g、LiClを6.8g、NaClを3.6g添加し、窒素雰囲気中で1時間かけて760℃に昇温して、8時間保持してGaN結晶を成長させた。このとき、No.52では底部のみをヒーターで770℃に加熱し、それ以外の箇所を760℃としてるつぼ内に熱分布を形成した状態で結晶成長させた。GaN単結晶の生成量を表6に示す。
No.52では、底部をヒーターで加熱することにより、熱対流により溶液にはLi3GaN2の間隙を通る上昇流が形成され、その結果、より多くのGaN単結晶が生成した。対流を生じさせることにより、Li3GaN2の溶解速度が上がり、その結果、GaNの単結晶の成長速度や大きさを制御できることが明らかになった。
(実施例6)
内径25mmのY23製るつぼ内に、製造例1で合成したLi3GaN2を0.52g、LiClを6.8g、NaClを3.6g投入した。このるつぼ内の中央部には、5mm角の攪拌翼2枚が設置されている。窒素雰囲気中で1時間かけて室温から760℃に昇温し、20時間保持してGaNを結晶成長させた。このとき、No.62では760℃に到達後20rpmで攪拌翼を回転させ、溶液を攪拌しながら20時間保持した。GaN単結晶の生成量を表7に示す。
No.62では、攪拌することにより溶液にはLi3GaN2の間隙を通る流れが形成され、その結果、より多くのGaN単結晶が生成した。機械的手段による溶液の流れを形成することにより、GaNの単結晶の成長速度や大きさを制御できることが明らかになった。
(実施例7)
図11の装置内に、表8に記載される種類のLi3GaN2を0.52g、LiClを6.8g、NaClを3.6添加し、窒素雰囲気中で1時間かけて760℃に昇温し、760℃に到達してすぐにシードを投入し、12時間保持してGaN結晶を成長させた。
No.71では、過剰なLi3Nによりメルトバックが生じ、シードの重量が減少した。これに対して、過剰なLi3Nを除去したLi3GaN2を用いたNo.72では、GaN単結晶が生成した。あらかじめ過剰なLi3Nを除去たLi3GaN2を用いて結晶成長を行うことにより、GaNの単結晶の成長速度や大きさを改善しうることが明らかになった。
本発明によれば、10MPa以下の低圧または常圧で良質の化合物結晶を製造することができる。このため、従来の課題であった高圧下における多核発生や低圧下における液中の窒素濃度の低下の問題を解決しつつ、結晶成長の速度、品質、結晶の大きさを制御することができる。また、本発明によれば比較的安価な容器を用いて、半導体デバイスに応用するのに十分なサイズを有する化合物結晶を製造することができる。特にこれまでに製造が困難とされていた周波対応可能な半導体デバイスの製造に利用することができるため、産業的に大きなメリットがある。
本発明に用いる好適な結晶成長装置(その1)を示す概略説明図である。 本発明に用いる好適な結晶成長装置(その2)を示す概略説明図である。 本発明に用いる好適な結晶成長装置(その3)を示す概略説明図である。 実施例で用いた結晶成長装置(その1)を示す概略説明図である。 実施例で用いた結晶成長装置(その2)を示す概略説明図である。 本発明で用いられる溶融塩の精製装置の一実施態様を示す概略説明図である。 製造例1で得られたLi3GaN2結晶のXRDパターンである。 実施例1で得られたGaN結晶の光学顕微鏡写真である。 実施例1で得られたGaN結晶のSEM写真である。 実施例1で得られたGaN結晶のXRDパターンである。 実施例で用いた結晶成長装置(その3)を示す概略説明図である。 実施例で用いた結晶成長装置(その4)を示す概略説明図である。 実施例2で得られたGaN結晶のSEM写真である。 実施例2で得られたGaN結晶のX線ロッキングカーブ測定結果である。 実施例で用いた結晶成長装置(その5)を示す概略説明図である。 実施例で用いた結晶成長装置(その6)を示す概略説明図である。 本発明に用いる好適な結晶成長装置(その4)を示す概略説明図である。左図は装置の正面図であり、右図はその装置の左側面図である。 本発明に用いる好適な結晶成長装置(その5)を示す概略説明図である。左図は装置の正面図であり、右図はその装置の左側面図である。
符号の説明
1 GaN結晶
2 基板またはシード
3 基板または結晶保持および回転機構
4 Ga−Li合金
5 仕切り板
6 溶融塩
7 窒素またはアルゴン
8 複合窒化物
9 ネット
10 ガス導入管
11 ガス導入管
12 ガス吹き込み管
13 窒素
14 反応容器(第1反応容器)
15 電気炉
16 ガス吹き込み管
17 Ga−Li−N薄膜
18 仕切り板
19 ガス排出口
20 ガス導入管
21 精製容器
22 多孔質フィルター
23 試料溜め
24 塩化水素ガス
25 第2反応容器
26 蓋
27 ヒータ
28 攪拌羽
29 隔壁

Claims (27)

  1. 化合物ABXをイオン性溶媒に溶解した溶液中で化合物AXを結晶成長させる際の結晶成長速度を制御する方法であって、
    結晶成長場における溶液中の溶質成分BXの濃度を調整することにより、化合物AXの結晶成長速度を制御することを特徴とする結晶成長速度制御方法。
    [前記Bは1族金属元素または2族金属元素であり、
    前記Aは第13族金属元素であり且つ前記Xは第15族元素であるか、前記Aは第12族金属元素であり且つ前記Xは第16族元素であるか、または、前記Aは第14族元素であり且つ前記Xは炭素元素である。]
  2. 結晶成長場から溶質成分BXを除去することにより、結晶成長場における溶液中の溶質成分BXの濃度を下げることを特徴とする請求項1に記載の結晶成長速度制御方法。
  3. 前記溶液から溶質成分BXを蒸発させて除去することにより、結晶成長場における前記溶液中の溶質成分BXの濃度を下げることを特徴とする請求項1に記載の結晶成長速度制御方法。
  4. A金属と溶質成分BXとを前記溶液中で反応させることにより、または、溶質成分BXと反応する気相物質Gと溶質成分BXとを前記溶液中または前記溶液と気相との界面において反応させることにより、結晶成長場における溶液中の溶質成分BXの濃度を下げることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  5. 結晶成長場において前記溶液の流れを生じさせることによって、結晶成長場における溶液中の溶質成分BXの濃度を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  6. 前記溶液の流れを機械的手段により生じさせることを特徴とする請求項5に記載の結晶成長速度制御方法。
  7. 前記溶液の流れをシードを回転させることにより生じさせることを特徴とする請求項6に記載の結晶成長速度制御方法。
  8. 前記溶液の流れを反応容器の局所的な加熱により生じさせることを特徴とする請求項5に記載の結晶成長速度制御方法。
  9. 化合物AXの結晶成長場と化合物ABXの溶解部との距離をほぼ一定に保ちながら連続的な結晶成長を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  10. 化合物ABXを連続的に溶解する領域と化合物AXの結晶成長を行う領域の間に、2つの領域相互間の溶液流通量を制限する隔壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  11. 溶質成分BXの除去を化合物AXの結晶成長を行う領域でのみ行うことを特徴とする請求項10に記載の結晶成長速度制御方法。
  12. 下記(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
    (1)イオン性溶媒中において化合物ABXを溶解する工程
    (2)前記化合物が溶解した溶質を含む溶液を化合物AXの結晶成長場に輸送する工程、
    (3)結晶成長場において化合物AXの結晶成長を行う工程
    (4)結晶成長場の溶液を溶質成分BXを減少させる場へ輸送する工程
    (5)溶質成分BXを減少させる場において溶液中の溶質成分BXの濃度を減少させる工程
    (6)溶質成分BXの濃度を減少させた溶液を前記(1)、(2)または(3)の工程に用いるために輸送する工程
  13. 前記(2)の輸送が層流状の流路でなされ、前記(3)の結晶成長を経た後に流路が拡大していくことを特徴とする請求項12に記載の化合物結晶の製造方法。
  14. 前記(2)の輸送の方向と結晶成長場の結晶成長面が直交していることを特徴とする請求項12または13に記載の化合物結晶の製造方法。
  15. 前記(2)の輸送の方向と結晶成長場の結晶成長面が平行であることを特徴とする請求項12または13に記載の化合物結晶の製造方法。
  16. 溶質成分BXを構成するBが、第1族金属元素と第2族金属元素からなる群より選択される1以上の元素であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  17. 前記イオン性溶媒が一種類または複数種の金属ハロゲン化物であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  18. 前記イオン性溶媒の組成を調整することによって、溶質成分BXの除去量を制御することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  19. 前記溶液中にドーピング元素を溶解させておくことによって、前記元素をドープした結晶を成長させることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  20. ドーピング元素を含む溶媒を用いて前記溶液を調整することを特徴とする請求項19に記載の結晶成長速度制御方法。
  21. 化合物ABXから溶質成分BXを除去してABXの化学量論組成に近づけてから前記結晶成長に用いることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  22. 化合物ABXをイオン性溶媒に溶解する前に、化合物ABXから溶質成分BXを除去することを特徴とする請求項21に記載の結晶成長速度制御方法。
  23. 化合物AXの結晶成長を、標準生成エネルギーが1000Kにおいて−930kJ/mol以下である酸化物を主成分とする内壁を有する反応容器内で行うことを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  24. 化合物ABXの調製を、標準生成エネルギーが1000Kにおいて−930kJ/mol以下である酸化物を主成分とする内壁を有する反応容器内で行うことを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の結晶成長速度制御方法。
  25. 前記反応容器の内壁がシリコンカーバイドを主成分とすることを特徴とする請求項23または24に記載の結晶成長速度制御方法。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項に記載の工程を含むことを特徴とする化合物結晶の製造方法。
  27. 請求項26に記載の結晶成長方法により化合物結晶を製造する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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