JP4907360B2 - 弾性ヒンジ式シール - Google Patents

Description

発明の背景
この発明は一般に、流体シールに関し、より具体的には、回転部を取囲む流体シールに関する。

関連する先行技術
流体シールは、回転軸と係合して、油またはグリースを所望の位置に封じ込めることができる。このようなシールの一般的な用途には、エンジンのクランク軸および伝動軸がある。このシールは、弾性変形可能な弾性部材によって支持することができる。弾性部材は変形可能であるので、回転軸とシールを支持する構造とが同心でなかったとしても、シールが軸と連続的に密着した状態を保つ可能性が高くなる。このシールは、ポリテトラフルオロエチレンから形成でき、弾性部材にその全長に沿って接着することができる。

発明の概要
この発明は、弾性部材に接続される第１の部分と、軸の長さに沿って弾性部材を越えて延びる第２の部分とを含むシールを提供する。シールの両部分は、軸と封止状態で係合する。第１および第２の部分は、ポリテトラフルオロエチレンから形成できる。

この発明はまた、環状一体型ヒンジ（living hinge）部を有するシールを提供する。このヒンジ部は、第１の部分と第２の部分との間を延びることができ、かつ弾性部材を越えて延びることができる。このヒンジ部は、外側に面した環状切欠きによって定められる。

この発明の他の用途は、以下に示す、この発明を実施するために考えられたベストモードについての説明を、添付の図面と併せて読むことで、当業者には明らかになるであろう。

ここでは、添付の図面を参照して説明する。図面全体を通して、同一の参照符号は同一の構成要素を示す。

詳細な説明
図１および図２を参照して、この発明は、環状可撓性支持部材２４とシール３２とを含むシール組立品１０を提供する。環状可撓性支持部材２４は縁部２８を含み、縁部２８は、第１の端部６０から第２の端部６２まで延びる環状支持面３０を定める。シール３２は、環状支持面３０に接続される第１の鍔部３４を含む。第１の鍔部３４は、第１のシール面４０を定める。シール３２は、縁部２８の端部６２を越えて端部５０まで延び、第２の鍔部３８を定めることができる。第２の鍔部３８は、環状支持面３０を越えて延び、第２のシール面４６を定めることができる。

シール３２は、回転軸１２またはその軸と不動で連結される当接スリーブ１４と係合し、この軸またはスリーブに対して封止を行なうことができる。当接スリーブ１４は、回転軸１２を包囲し、外側に面した環状シール面１６を定めることができる。シール面４０、４６は、環状シール面１６と接し、環状シール面に対して封止を行なうことができる。面１６、３０、４０、４６は、互いに同心とすることができる。

シール３２は、キャリア１８を環状可撓性支持部材２４と組合せることで、軸１２と係合するように支持することができる。キャリア１８は、当接スリーブ１４から間隔をおいて配置され、かつ当接スリーブ１４とほぼ同心である筒状部２０を含むことができる。キャリア１８は、筒状部２０から延びる径方向フランジ部２２を含むこともできる。径方向フランジ部２２は、開口２６を定めることができる。環状可撓性支持部材２４の部分５２は、開口２６においてフランジ部２２の端部２９を受入れるための溝部５４を定めることができる。この部分５２は、開口２６と不動に結合させることができる。

環状弾性（elastomeric）部材２４は、縁部２８と部分５２との間に配置される一体型ヒンジ部５８を含むことができる。一体型ヒンジ５８は、軸１２と筒状部２０との位置関係がずれたときでも、シール３２と当接スリーブ１４とを連続的に係合させる。環状可撓性支持部材２４は、一体型ヒンジ部５８を中心として曲げて弾性変形させることができるので、面４０、４６が面１６と連続的に密着した状態を維持できる可能性が高まる。弾性部材２４は、残余端５６を含むこともできる。

第１および第２の鍔部３４、３８は、互いに一体的に形成することができる。これらの部分３４、３８はどちらも、ポリテトラフルオロエチレンから形成できる。部分３４、３８の一方または両方は、油を所望の方向に向けるための静圧補助具４２を含むことができる。たとえば、シール３２は、米国特許第６，１６８，１６４号に開示されているような溝または通路を含むことができる。なお、上記特許は引用によりここに援用される。これに代えて、図３に示すように、シール３２ａは、第２の端部５０ａと隣接する溝６６を定め、部分３４ａと隣接するほぼ平坦なシール面を定めることができる。これに代えて、図４に示すように、シール３２ｂは、部分３４ｂと端部５０ｂとの間でほぼ平坦なシール面を定めることができる。これに代えて、図５に示すように、シール３２ｃは、端部５０ｃに隣接する同心円状または螺旋状の溝６６ａおよびシール３２ｃから外側に延びるＵ型突起６８を定めることができる。

図１および図２を参照して、シール３２は、部分３４、３８間に配置される一体型ヒンジ部３６を含むこともできる。一体型ヒンジ部３６は、外側に面した環状の切欠き６４で形成され得る。一体型ヒンジ部３６によって、シール３２の可撓性を高めることができ、不具合が発生する可能性を低減することもできる。たとえば、ヒンジ部３６によって、シール３２を曲がりやすくすることができる。一体型ヒンジ部３６は、シール面４４を定めることができる。シール面４０、４４および４６を一体的に形成することで、実質的に連続するシール面を定めることができる。

この発明を、現時点で最も実用的かつ好ましいと考えられる実施例に関連して説明してきたが、この発明は開示された実施例に限定されるものではない旨を理解されたい。逆に、本願は、特許請求の範囲および精神に含まれるさまざまな変形および等価の構成を対象とするよう意図されている。特許請求の範囲は、法の下で認められるこのような変形および等価の構造を網羅するよう可能な限り広範な解釈を与えるものとする。開示された実施例の特徴は、その他の実施例の他の特徴と組合せて使用できる旨も理解されたい。

この発明の好ましい実施例に従うシールの部分断面図であり、回転軸と封止状態で係合している様子を示す。 図１に示すシールの部分断面図であって、回転軸と係合していない。 この発明に従うシールの代替実施例の部分的な断面図である。 この発明に従うシールの第２の代替実施例の部分断面図である。 この発明に従うシールの第３の実施例の部分断面図である。

Claims (9)

1. 円筒状回転面に関する動的シール界面を確立するためのシール組立品であって、
   硬質のキャリアと、
   弾力性ポリマ材料で造られた環状支持部材を含み、前記管状支持部材は前記硬質のキャリアに固定的に係合されており、かつ可撓性の環状支持面を規定するように前記キャリアから突出して延びる縁部を有し、
   ＰＴＦＥシールをさらに含み、これは、前記可撓性の環状支持面に直接接続されかつ第１のシール面を定める第１の鍔部と、前記縁部の前記環状支持面を越えて自由に延びかつ補強されていない第２のシール面を定める第２の鍔部とを有し、前記第１と第２のシール面は動的シールを確立するように前記円筒回転面に同時に係合し、前記第１の鍔部のみが前記可撓性の環状支持部材によって支えられて補強されていることを特徴とする、シール組立品。
2. 前記第１のシール面は前記環状支持面と同心である、請求項１に記載のシール組立品。
3. 前記第１および第２の鍔部は互いに一体的に形成される、請求項１に記載のシール組立品。
4. 前記環状支持部材はゴムを含む、請求項１に記載のシール組立品。
5. 前記シールは、前記第１および第２のシール面に沿って延びる一体形成された溝をさらに含む、請求項１に記載のシール組立品。
6. 前記環状支持部材の前記縁部を越えた位置において前記第１の鍔部と第２の鍔部との間
   の環状の一体型ヒンジ部をさらに含み、前記環状の一体型ヒンジ部は環状の切欠きで形成されている、請求項１に記載のシール組立品。
7. 請求項１のシール組立品であって、
   回転軸を取囲むようにされ、かつ外側に面した環状シール面を有する当接スリーブを含み、
   前記キャリアは、前記当接スリーブから隔てられかつ前記当接スリーブとほぼ同心である筒状部と、前記筒状部から延びる径方向フランジ部とを有し、
   前記環状支持部材は前記筒状部から延びる前記径方向フランジ部に接続されている、シール組立品。
8. クレーム７のシール組立品であって、
   前記環状支持部材は前記径方向フランジ部の端部に接続されている、シール組立品。
9. 請求項１のシール組立品であって、
   前記環状支持部材は前記硬質のキャリアに対してモールド形成されている、シール組立品。

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