JP4905896B2 - 充填粒子かさ密度判定装置および方法 - Google Patents
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Description
このようにして完成した焼結金属部品の品質は、金型に充填した際の「粒子層のかさ密度」に大きく影響される。そこで、金型に充填した状態における充填粒子のかさ密度を正確に測定することが重要となる。
さらに特許文献1の手段は、被測定物の空孔に液体が充満するため、計測後に液体を完全に除去する後工程(乾燥等)が必要であり、かつ液体の充満及びその除去工程(乾燥等)で被測定物の物性が変化するおそれがあった。
しかし、焼結金属部品の製造工程では、凝集等により金属粒子の固まりができると、金型に充填される容量が大きく変動し、精度が大幅に低下することがある。
またこの手段では、充填粒子のかさ密度は測定できないため、このような固まりによりかさ密度が変動しても、その計測は例えば加圧成形等した後でないとできず、焼結金属部品の歩留まりの低下は防止できない問題点があった。
前記充填粒子の上面に対し垂直に伸び、断面形状が一定であり、下端に下方に向かって断面寸法が漸減するテーパ部を有する細長い針状ロッドと、
前記針状ロッドの上部または中間部を把持し、前記充填粒子の上面から所定の深さまで一定速度で押し下げ、針状ロッドに作用する上向きの摩擦力を検出する摩擦力検出装置と、
前記摩擦力から充填粒子のかさ密度を判定するかさ密度判定装置とを備えたことを特徴とする充填粒子かさ密度判定装置が提供される。
前記充填粒子の上面に対し垂直に伸び、断面形状が一定であり、下端に下方に向かって断面寸法が漸減するテーパ部を有する細長い針状ロッドの上部または中間部を把持し、
前記針状ロッドを充填粒子の上面から所定の深さまで一定速度で押し下げ、針状ロッドに作用する上向きの摩擦力を検出し、
前記摩擦力を所定の閾値と比較し、充填粒子のかさ密度を判定する、ことを特徴とする充填粒子かさ密度判定方法が提供される。
針状ロッドが前記容器の上部に位置する計測位置と、容器の上部から退避した退避位置との間でアームを水平移動させ、かつ計測位置でアームを上下動させるトラバース装置と、
前記アームに作用する鉛直力を検出する力センサとを有する。
また、後述する実施例から、JISを準拠した従来手段に比較して、充填粒子のかさ密度を精度良く判定することができることが確認された。
従って、かさ密度の変動を加圧成形前に検出することができ、焼結金属部品の歩留まりを高めることができる。
この図において、本発明の充填粒子かさ密度判定装置10は、上方が開口した容器12内に隙間なく充填され、水平な上面1を有する粒子2(以下、充填された状態の粒子を「充填粒子2’」と呼ぶ)の充填粒子かさ密度判定装置であり、細長い針状ロッド14、摩擦力検出装置16およびかさ密度判定装置18を備える。
枠型11aは、水平断面形状が均一な内面を有する中空部材であり、この例では、その上端面が本体3の上面と面一に固定されている。
下部金型11bはその上部が枠型11aの内面と隙間なく嵌合し、図示しないアクチュエータにより上下動可能であり、上昇または下降して内部の充填粒子を外部に取り出しができるようになっている。
摩擦力検出装置16は、この例では、アーム13、トラバース装置15、および力センサ17からなる。
アーム13は、この例では一端(図で右端)に針状ロッド14の上部を把持し、水平に延びた棒状部材である。
トラバース装置15は、この例ではアーム13の末端(図で左端)を片持ちで支持し、針状ロッド14が容器12の上部に位置する計測位置と、容器12の上部から退避した退避位置との間でアーム13を水平移動させ、かつ計測位置でアームを上下動させるようになっている。
力センサ17は、例えばアーム13の一部に取付けられた歪みゲージであり、アーム13に作用する鉛直力を検出する。
(1)充填粒子2’の上面に対し垂直に伸び、断面形状が一定であり、下端に下方に向かって断面寸法が漸減するテーパ部を有する細長い針状ロッド14の上部または中間部を把持する。
(2)針状ロッド14を充填粒子2’の上面から所定の深さhまで一定速度で押し下げ、針状ロッド14に作用する上向きの摩擦力Fを検出する。
(3)検出した摩擦力Fを予め設定した所定の閾値と比較し、充填粒子2’のかさ密度を判定する。
(JIS法による充填粒子かさ密度判定方法と本発明との比較)
焼結金属品を成形する工程において、一定容量の金型容器に鉄粉を注入し、余分量を擦り切りにより除去することで、ほぼ一定の充填量となるとするのがJIS法を準拠した従来の工程管理手段である。
しかし、この方法で充填した充填粒子のかさ密度をその重量を基に正確に計測すると、2.475〜2.570g/cm3の範囲で3〜4%の誤差で充填量(かさ密度)がばらついていることがわかった。このばらつきを小さくすることが焼結金属品の品質を維持する上で重要となるが、製造ラインでの管理のため、その都度質量を測定する固定を組み込むことは困難である。
金型(容器12)に充填された粒子層2’に細いロッド(針状ロッド14)を差し込んだ場合の、粒子充填率の差異に応じたロッド14と粒子間に生じる摩擦力Fの違いを検出する。ロッド14は鉄粉粒子の充填状態を乱さないよう極力細い金属棒を使用する。
図1は、本発明の充填粒子かさ密度判定装置10を金型(容器12)に設置した状態を示す図である。本発明の装置10は上述したように粒子層に差し込む針状のロッド14、ロッドを支持し摩擦力を検出するアーム13、アームを前後、上下させるトラバース装置15、測定装置18a、データ解析および表示用パソコン18bで構成される。
上述した充填粒子かさ密度判定装置10を使用して性能確認試験を行った。
4 試験方法
使用粒子:アルミ粉(粒径:150〜500μm)、鉄粉(粒径:75〜150μm)
アルミ粉のかさ密度(g/cm3):A:1.046〜1.052、B:1の5%増(1.099〜1.106)。C:1の8%増(1.126〜1.133)
鉄粉のかさ密度(g/cm3):A:2.476〜2.484、B:1の3%増(2.536〜2.570)
この図に示すようにかさ密度のわずかな違いによって、針状ロッド14と鉄粉間の摩擦力の違いが顕著に現われ、充填量の良否が瞬時に判断できる。また測定機構が単純なためラインに組み込むことを容易である。
この例におけるロッド14の直径は2.5mmであり、テーパ部は長さ7.5mmの円錐形である。従って、針状ロッド14の直径は、充填粒子の粒径(75〜150μm)の16倍から33倍であり、5倍以上,50倍以下の直径を有する円筒形部材であるのがよい。また、テーパ部は、この例では高さが直径の3倍の円錐形であり、2倍以上,5倍以下の円錐形であるのがよい。
この例では、図2と比較するとばらつきが大きいが、同様にかさ密度のわずかな違いによって、針状ロッド14と鉄粉間の摩擦力の違いが顕著に現われ、充填量の良否が瞬時に判断できることがわかる。また測定機構が単純なためラインに組み込むことを容易である。
この例における針状ロッド14の直径は2.5mmであり、テーパ部はなく下端は同一径の平面であった。ばらつきが大きい理由はテーパ部がないためと考えられる。従って、テーパ部は、図2と同様に高さが直径の3倍の円錐形であり、2倍以上,5倍以下の円錐形であるのがよい。
またこの例で、針状ロッド14の直径は、充填粒子の粒径(150〜500μm)の5倍から17倍であり、5倍以上,50倍以下の直径を有する円筒形部材であるのがよい。
実機適用においては、理想的なかさ密度の粒子層で多数回データを取得し、ばらつきの度合いから上限と下限の許容限界(例えば+2%、−2%等)を設け、許容限界を超えたものについてはNGの判定とするのがよい。
また、実施例から、JISを準拠した従来手段に比較して、充填粒子のかさ密度を精度良く判定することができることが確認された。
従って、かさ密度の変動を加圧成形前に検出することができ、焼結金属部品の歩留まりを高めることができる。
3 本体、
10 充填粒子かさ密度判定装置、11a 枠型、
11b 下部金型、11c 上部金型、
12 容器(金型)、13 アーム、14 針状ロッド、
15 トラバース装置、16 摩擦力検出装置、
17 力センサ、18 かさ密度判定装置、
18a 測定装置、18b パソコン
Claims (4)
- 上方が開口した容器内に隙間なく充填され、水平な上面を有する充填粒子の充填粒子かさ密度判定装置であって、
前記充填粒子の上面に対し垂直に伸び、断面形状が一定であり、下端に下方に向かって断面寸法が漸減するテーパ部を有する細長い針状ロッドと、
前記針状ロッドの上部または中間部を把持し、前記充填粒子の上面から所定の深さまで一定速度で押し下げ、針状ロッドに作用する上向きの摩擦力を検出する摩擦力検出装置と、
前記摩擦力から充填粒子のかさ密度を判定するかさ密度判定装置とを備えたことを特徴とする充填粒子かさ密度判定装置。 - 前記針状ロッドは、充填粒子の粒径の5倍以上,50倍以下の直径を有する円筒形部材であり、前記テーパ部は高さが直径の2倍以上,5倍以下の円錐形である、ことを特徴とする請求項1に記載の充填粒子かさ密度判定装置。
- 前記摩擦力検出装置は、前記針状ロッドの上部または中間部を把持するアームと、
針状ロッドが前記容器の上部に位置する計測位置と、容器の上部から退避した退避位置との間でアームを水平移動させ、かつ計測位置でアームを上下動させるトラバース装置と、
前記アームに作用する鉛直力を検出する力センサとを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の充填粒子かさ密度判定装置。 - 上方が開口した容器内に隙間なく充填され、水平な上面を有する充填粒子の充填粒子かさ密度判定方法であって、
前記充填粒子の上面に対し垂直に伸び、断面形状が一定であり、下端に下方に向かって断面寸法が漸減するテーパ部を有する細長い針状ロッドの上部または中間部を把持し、
前記針状ロッドを充填粒子の上面から所定の深さまで一定速度で押し下げ、針状ロッドに作用する上向きの摩擦力を検出し、
前記摩擦力を所定の閾値と比較し、充填粒子のかさ密度を判定する、ことを特徴とする充填粒子かさ密度判定方法。
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