JP4903486B2 - 濾過器 - Google Patents

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Description

本発明は、異物を含有する液体を流入し、濾過エレメントにより異物を除去した状態の液体を流出させる濾過器に関するものである。
かかる濾過器は、種々の産業分野で利用されている。例えば、火力発電所や原子力発電所における冷却水、水力発電用に用いる水、生活用水である上下水道、農業用水、製鉄・窯業・化学工業における加熱炉・圧延機・圧縮機・化学反応機・蒸留装置などの冷却設備、海水から淡水を製造する製造装置、スプリンクラー散水設備などにおいて利用される。すなわち、水、河川水、湖沼水、海水などの水処理が必要とされ、この水処理の初期段階で、水処理機械などを保護する目的などで濾過器による異物除去を行う必要がある。対象となる異物としては、土砂・ヘドロ・木片・金属片・プラスチック片・魚・貝・藻など様々である。
かかる濾過器の基本構造は、円筒状の本体容器と、この内部に設けられる濾過エレメント(フィルター)を備え、本体容器に水や海水などの濾過対象の液体を導入し、この液体に含まれる異物を濾過エレメントにより除去している。
異物が除去された液体は、流出管から送り出され、冷却水、再循環水などとして前述のごとく種々の目的に利用される。除去された異物は、流入された液体と共に、適宜のタイミングでドレイン管から排出された後、処分される。かかる目的の濾過器の1種に旋回渦濾過器(渦巻ストレーナ)がある。かかる濾過器としては、下記特許文献1〜4に開示されるものが知られている。これらの濾過器はいずれも、流入管と、流出管と、異物を排出する排出管を有する濾過槽とを有し、この濾過槽内に固定される円筒状の濾過エレメントを備えている。流入管から流入した液体は、濾過槽内で旋回流を構成する。旋回流を発生させることで、液体中に含まれる異物を遠心力により分離濃縮させることができ、ドレイン管を介して液体と共に排出することができる。また、旋回流を発生させることで、濾過エレメントの表面に付着する異物を剥離効果により自己洗浄させる機能も有している。
特開2003−181214号公報 特開2002−263411号公報 特開2000−334223号公報 特開2001−347114号公報
かかる濾過器における課題を説明する。濾過器で取り扱う液体の中には、不要な異物が含まれるだけでなく、自然に存在する空気中の酸素、炭酸ガスなどの気体が液中に溶解している。例えば、1m3の水中には、常圧で約10リットル程度の酸素が溶存している。また、下水などの生活用水や産業汚水においては、金属を腐食させる硫化水素などの有毒ガスが溶解していることがある。
かかる空気や有毒ガスが濾過器内に導入されると、流入管により液体が流入する入口付近において、高速乱流状態となるため液体は大きな剪断力を受けることになる。その結果、液中に溶解した状態の気体の一部が液体から遊離した微小泡となる。この微小泡はお互いに衝突することで大径化し、旋回流と共に旋回しながら浮力により浮上し、濾過器の上部領域において旋回する。このような気泡は、濾過器の上部で旋回した後、濾過エレメント内部に流入し、濾過された液体に気泡が混在した状態で流出されていた。
一方、生活用水の場合は、健康上及び環境上の理由により、使用する河川水、海水の設備内での貝・藻・バクテリアの繁殖を防止する必要がある。そのため、薬剤処理を行い、水中に存在する生物や微生物を含む有機物を酸化させることで、殺菌・分解・生育抑制などの対処を行なっている。かかる薬剤処理は設備保護のためにも必要である。かかる薬剤処理においては、オゾン(酸化電位2.07V)、過酸化水素(酸化電位1.77V)、次亜塩素酸(酸化電位1.49V)のいずれか、あるいは、これらの組み合わせが使用されることが多い。
オゾンの場合は、2O3→3O2
過酸化水素の場合は、2H22→2H2O+O2
次亜塩素酸の場合は、2HOCL→HCL+O2
に示される分解反応により、夫々酸素ガスや硫化水素を発生する。また、食塩水の電気分解法による次亜塩素酸発生装置では、副反応により
2H2O→2H2+O2
に示す水の分解反応により、酸素ガスと水素ガスを生成する。
これらの硫化水素、酸素ガス、水素ガスは、液中に溶存している空気組成物と共に、清流型の濾過器においては、水中に溶存した状態が保持されるが、高速旋回流を発生させるタイプの濾過器の場合、これら溶存している気体の分離が発生して気泡となり、液中において気泡(気体)として混在する状態となる。このような気泡は、以下説明するような種々の障害を引き起こす可能性がある。
すなわち、可燃性ガスである硫化水素、メタンガス、水素ガスなどは、水処理設備などの配管や、装置内の空気溜りに蓄積され爆発事故につながる恐れが生じる。また、液中に気泡が存在すると、熱交換器、化学反応装置、発電機などの冷却水管内に気体が溜り、熱伝導性を低下させ設備の冷却不足を生じさせる。水力発電用の水車、大型ポンプの水潤滑軸受の軸封水に気泡が混在すると、潤滑不良を引き起こし、その結果、軸摩耗を増大させる。
ポンプのインペラーにおいては、キャビテーションの不具合とインペラーのコロージョン摩耗と異常振動によるポンプや発電機の回転部の損傷原因となる。気体量が多い場合は、エアロック現象を発生してポンプとしての機能を果たせなくなることがある。プランジャー式定量ポンプの場合、ポンプ内の弁が正常に作動しなくなる。製鉄圧延や農業散水などにおけるノズル散水の場合は、気泡の存在により散水量と散水位置が不正確となり、所望の性能を発揮できなくなる。配管中においては、送水量の低下と配管の異常振動により、騒音発生や各種センサーなどの損傷原因となる。
特に、気泡が酸素ガスを含む場合には、金属腐食を促進させるという問題も生じる。例えば、鋼・ステンレスの腐食において、酸素がミクロセル腐食電池を形成し、ほぼ酸素濃度に比例して金属が腐食摩耗する。また、高速の旋回流を生じさせる場合、金属の保護性不動態皮膜の剥離によるマクロセル腐食が発生する。腐食性ガスである硫化水素も同様に、腐食を保護している不動態皮膜の破壊による腐食を進行させてしまう。このように濾過された液体中に気泡が存在すると、種々の弊害を生じさせる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、濾過対象の液体を濾過するに際し、液体中に含まれる気泡を確実に分離して排出することが可能な濾過器を提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係る濾過器は、
中心軸が垂直に設置される円筒状の本体容器と、
この本体容器内に本体容器と同軸に設けられ、液体に含まれる異物を除去する筒状の濾過エレメントと、
本体容器の円周壁面に対して接線方向に設けられ、分離対象物が含まれる液体を導入する流入管と、
濾過エレメントにより濾過された液体を流出する流出管と、
本体容器の底部側に、本体容器の円周壁面に対して接線方向に設けられ、分離対象物を液体と共に排出させる異物排出管と、
本体容器の上部側に、本体容器の円周壁面に対して接線方向に設けられ、液体に含まれる気泡を液体と共に排出させる気泡排出管とを備えたことを特徴とするものである。
かかる構成による濾過器の作用・効果を説明する。円筒状の本体容器は中心軸が垂直となるように設置される。この本体容器の内部には、異物が含まれる液体を濾過する濾過エレメントが設けられている。濾過エレメントは、筒状に形成され本体容器と同軸になるように設けられる。本体容器の円周壁面に対して接線方向に流入管が設けられている。接線方向に設けられているため、流入管から流入する液体の運動量により、旋回流が生じる。この旋回の遠心力により、液体に含まれる異物は、本体容器の内壁面側に集まり高濃縮化される。本体容器の底部側には、本体容器の円周壁面に対して接線方向に異物排出管が設けられ、旋回流により旋回しながら下降した異物は、液体と共に異物排出管から排出させることができる。濾過エレメントを通過した液体は濾過されて流出管から流出される。
また、本体容器の上部側には、本体容器の円周壁面に対して接線方向に気泡排出管が設けられる。旋回流により、液体中に含まれる空気やその他のガスが気泡となった場合、液体に比べて比重が軽いため、本体容器の上方に上昇する。本体容器の上部においても旋回流が生じており、その旋回力により気泡排出管から液体と共に気泡を排出させることができる。これにより、濾過された液体と気泡とを分離することができる。なお、異物排出管や気泡排出管については、常時開放しておく構成でもよいし、適宜のタイミングで開放する構成でもよく、本発明としては、特定の態様に限定されるものではない。その結果、濾過対象の液体を濾過するに際し、液体中に含まれる気泡を確実に分離して排出することが可能な濾過器を提供することができる。
本発明において、濾過エレメントの上側であって、前記気泡排出管が向かい合う位置に濾過機能を有しない第1円筒面もしくは第1テーパ面を設けたことが好ましい。
気泡排出管が向かい合う位置に、濾過機能を有しない面を設けることにより、発生した気泡が濾過エレメントの内部に侵入することを防止し、確実に気泡を気泡排出管から排出させることができる。
本発明において、前記気泡排出管が配置される位置よりも上部側に、攪拌機能を有する羽部材を配置することが好ましい。
旋回流により発生した気泡は、液体との比重差により本体容器の上部に移動するが、上部においても旋回流は生じているものの、旋回速度は低下している。そこで、攪拌機能を有する羽部材を設けることで、液体に対して衝撃を付与し、発生した気泡が液体に再溶解することを防止する。これにより、気泡の排出効率を高めることができる。
本発明において、前記流入管が向かい合う位置に濾過機能を有しない第2円筒面もしくは第2テーパ面を設けることが好ましい。
流入管が向かい合う位置にかかる面を設けることで、流入した液体が直接濾過エレメント内に進入しようとすることを抑制することができ、より高速の旋回流を発生させることができる。これにより、異物を分離させる効果も高めることができる。
本発明において、濾過エレメント内に、気泡の進入を抑制するための気泡進入抑制部材を設け、この気泡進入抑制部材は、円周方向に沿って配置され、かつ、プレート状に垂直方向に伸びる縦格子であることが好ましい。
かかる気泡進入抑制部材を設けることで、濾過エレメントの外と内において速度勾配を積極的に生じさせ、濾過エレメントの外側で発生した気泡が濾過エレメント内へ進入してくることを抑制することができる。
本発明に係る濾過器の好適な実施形態を図面を用いて説明する。
<第1実施形態>
<構成>
本体容器1は円筒状に形成され、その中心軸xは垂直状態になるように設置される。本体容器1は、例えば、SS400鋼により製作され、防食のために内壁面をゴムライニングすることが好ましい。本体容器1の下部には底蓋2が溶接などにより本体容器1に対して結合され、本体容器1の上部には上蓋3が取り付けられる。本体容器1の最上部の外周面には、フランジ1aが一体的に形成されており、ボルト・ナット機構4により、上蓋3が着脱可能に取り付けられる。
本体容器1の中心軸x方向の中央よりも上部側(本体容器1の全長に対し下から約2/3の位置)に、流入管5が取り付けられている。流入管5は、本体容器1の円周壁面に対して接線方向となるように取り付けられている。従って、流入管5から導入された濾過対象の液体は、中心軸xを中心に旋回する旋回流を形成する。また、流入管5と本体容器1の境界部分には堤6が設けられている。この堤6は、流入管5から流入する液体が直接濾過エレメント7の方向に向かうことを抑制し、液体を本体容器1の内壁面の方向に向かわせる。これにより、より強い旋回流を生じさせることができる。
本体容器1の内部には、筒状の濾過エレメント7が設けられており、本体容器1と同軸になるように設置される。濾過エレメント7は、板をプレス打ち抜き加工で多数の小孔7aを打ち抜くことで製作される。素材としては、例えば、SUS316のステンレス鋼が用いられる。濾過エレメント7は、上部が大径で下部が小径の円錐台状に形成されており、小径下部には、流出管8の端部が接合されている。流出管8は、濾過された液体が流出されるものであり、底蓋2側から本体容器1の内部に侵入する形で取り付けられ、濾過エレメント底部でシールされている。
濾過エレメント7の大径上部には、円筒管9(第1円筒面に相当する)が溶接等により一体的に接合されている。円筒管9の表面には穴は形成されておらず、従って、濾過機能を有しない。円筒管9の面はテーパ面としてもよい。本体容器1の内壁面最上部から突出した取り付け部1bと、円筒管9の円筒面から突出した取り付け部9aをボルト・ナット10により連結する。これにより、濾過エレメント7が本体容器1に対して固定される。このような取り付け部1b,9aは、例えば、円周方向に沿って3箇所程度設けられる。また、これら取り付け部1b,9aの取り付け面は垂直面となっており、後述するように液体の流れを攪拌させる機能を有する羽部材に相当するものである。円筒管9は、例えば、SUS316ステンレス鋼により製作され、ボルト・ナット10も同様にSUS316により製作される。ボルト・ナット10を外すことで、濾過エレメント7を取り外してメンテナンスを行なうことができる。
円筒管9の内壁面には、6つの犠牲陽極11が取り付けられている。犠牲陽極11は、例えば、ナカボーテック社製のアルミニウム合金陽極アラップを用いることができ、濾過エレメント7の腐食を防止する。なお、犠牲陽極11の取り付け個数については、適宜変更することができる。
本体容器1の底部側には、濾過対象の液体に含まれる異物を排出するための異物排出管12が設けられている。異物排出管12は、本体容器1の円周壁面に対して接線方向に設けられており、異物を液体と共に排出することができる。この接線方向は、旋回流の方向(渦順方向)に沿っており、旋回力を利用してスムーズに排出することができる。
本体容器1の上部側には、液体内に含まれる気泡を排出するための気泡排出管13が設けられている。気泡排出管13も、本体容器1の円周壁面に対して接線方向に設けられており、気泡を液体と共に排出することができる。この接線方向は、渦の順方向に沿っており、旋回力を利用してスムーズに気泡を排出することができる。この気泡排出管13や異物排出管12は、常時開放した状態にしてもよいが、適宜のタイミングで開放して異物や気泡を排出するように動作させてもよい。例えば、断続的に異物排出管12を開放して異物を排出するようにすることができる。
<作用>
次に、第1実施形態に係る濾過器の濾過作用について説明する。流入管5から濾過対象である異物を含む液体が導入される。液体は、接線方向から導入されるため、この液体の運動量により強制渦が生じ液体は旋回する。強制渦とは、外径側に向かうほど流速が大きくなる状態の渦である。流入管5の内径は、本体容器1の内径と比較して1/3強の大きさを有しており、流入された液体の一部が直接濾過エレメント7の方向に向かおうとする。そこで、前述のように堤6を設けており、液体をできるだけ本体容器1の内壁面の方向に向かわせるようにしている。これにより、より高速の旋回流を形成することができる。
この旋回流による遠心力で高比重の異物は、内壁面側に分離・濃縮された状態となり、重力により異物は旋回しながら本体容器1の内壁面に沿って下降していく。そして、底面部に設けられた異物排出管12を介して異物は液体と共に本体容器1外に排出することができる。旋回流を形成する効果として、内壁面に異物を濃縮させることのほかに、濾過エレメント2の表面に付着する異物を旋回流により剥離させる作用も行う。
一方、導入された液体に溶存する空気の一部は、本体容器1内における高速旋回流により発泡し気泡が形成される。空気以外のガス成分に関しても同様である。このような気泡は、液体に対して比重が軽いため、上方に移動していき、本体容器1内の最上部に溜まる。最上部においては、旋回力はあるものの、旋回速度はかなり弱まっている。従って、発泡した気泡が再溶解して液体中に溶け込み、そのまま流出管8から流出される可能性がある。これを抑制するために、液体に対して衝撃を付与(攪拌効果)できるように、前述の取り付け部1b,9aが配置されている。これにより、気泡の再溶解を防止すると共に、気泡を気泡排出管13を介して効率よく排出させることができる。本体容器1の上部では、旋回速度は弱まっているものの、気泡排出管13を接線方向に設けているので、旋回流により排出させることが可能である。
また、異物の中でも液体よりも比重の軽い異物は、旋回流と共に上昇していき、気泡と共に気泡排出管13から排出させることができる。
本実施形態による濾過器を石油精製のための蒸留塔冷却用の熱交換器に使用する海水中の異物除去に使用してみたところ、熱交換器の安定かつ安全運転に寄与することができた。また、気泡排出管13と異物排出管12は三方弁に接続し、気泡排出管13と異物排出管12の片方ずつを交互に動作させるようにした。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る濾過器を説明する。第1実施形態と同じ機能をする部分については、同じ符号を付している。第1実施形態と異なる点を中心に説明する。この点は、第3実施形態以降についても同様である。
本体容器1は、第1実施形態と同様に中心軸xが垂直方向になるように設置され、好ましくは、SUS304のステンレス鋼により製作される。濾過エレメント7は、好ましくは、SUS304ステンレス鋼を素材として使用し、板をプレス打ち抜き加工で多数の小孔7aを打ち抜くことで製作された板を外側とし、内側を目の開きが小孔7aより小さい平織金網の2重構造とした。濾過エレメント7は、上部から下部まで円筒状に形成されており、本体容器1とほぼ同じ軸方向長さを有している。濾過エレメント7の上部には、リング状のフランジ板7bが溶接結合されている。このフランジ板7bの縁部分を本体容器1のフランジ1aと上蓋3とで挟持することで、濾過エレメント7が本体容器1に対して固定される。濾過エレメント7の最上部であって、フランジ板7bの下部に羽部材20が濾過エレメント7の外側に円周方向に沿って等間隔に配置されている。羽部材20は、全部で6箇所に取り付けられているが、個数に関しては適宜変更することができる。羽部材20の機能は、第1実施形態で説明した取り付け部1b,9aと同じような液体の攪拌機能を提供するものである。
上蓋3は、上方に球面状に突出した凸部3aが形成され、その中央には排気口3bが設けられる。この排気口3bは、濾過運転を開始する前に濾過器の内部に充填されている空気を外部に排出するために設けられており、濾過運転中は、この排気口3bは閉鎖した状態にしておく。
流入管5は、本体容器1のほぼ真ん中の高さの位置に設けられている。流出管8は、第1実施形態と同様に底板2から濾過エレメントの内部に侵入し濾過エレメントの下側1/4の高さに流入口が位置している。
本実施形態による濾過器を製鉄所圧延鋼板メッキ加工での酸洗工程で使用する水洗洗浄ノズル用水に使用してみたところ、気泡排出管13から連続的に気泡を排出させることができ、安定した洗浄を行なうことができた。さらに定期的に濾過水入口弁を閉じた状態にし、濾過水出口側より清浄水を圧送して濾過エレメント7を洗浄するための逆洗水を、異物排出管12と気泡排出管13の両方より排出し濾過エレメント7の洗浄を行った。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る濾過器を説明する。この実施形態では、上蓋3の中央部分が本体容器1の内部に突出した形状を有しており、本体容器1の上部側にテーパ面3cを形成している。このテーパ面3cは、ちょうど気泡排出管13と向かい合う位置にある。テーパ面3cは、上方に行くほど大径に形成された円錐台形状を構成している。このテーパ面3cには小孔は形成されていないため、濾過機能を備えていない。旋回流により気泡が発生した場合、この気泡は旋回流により上昇していくが、テーパ面3cを設けていることにより、気泡が濾過エレメント7内に進入することを防止することができる。
テーパ面3cの最下部には嵌合部3dが一体形成されており、濾過エレメント7の上端部が嵌合される。濾過エレメント7の下端部は、流出管8の端部に形成されるフランジ8aに嵌合される。これにより、濾過エレメント7が本体容器1内に固定される。本体容器1及び濾過エレメント7は、SUS316ステンレス鋼により製作することができ、濾過エレメント7はプレス加工により多数の小孔7aを打ち抜き加工することができる。濾過エレメント7は、円筒状に形成されている。
上蓋3の嵌合部3dには、犠牲陽極11が固定されており、本体容器1や濾過エレメント7の防食機能を果たしている。犠牲陽極11は、例えば、日本防触工業社製の亜鉛合金陽極CPZを用いることができる。犠牲陽極11は、濾過エレメント7の内部であって、上端部の近傍に配置される。
この濾過器を火力発電所の冷却海水取り入れの縦型大型ポンプ軸封水の異物除去用として使用した。気泡排出管13から気泡を連続的に排出させ、排出した海水中には微小な気泡が認められ、ポンプの安定的な運転に寄与することができた。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る濾過器を説明する。本体容器1の底蓋2は、下部に球面状に突出した凸部が形成されている。本体容器1はSS400ステンレス鋼で製作され、腐食防止のために内壁面に不飽和ポリエステルガラス繊維強化樹脂がライニングされている。濾過エレメント7は、SUS304ステンレス鋼である。濾過エレメント7の最上部にはフランジ板7bが溶接により取り付けられており、このフランジ板7bを本体容器1のフランジ1aと上蓋3で挟持することにより、濾過エレメント7が本体容器1に対して固定される。
濾過エレメント7の内側には、縦格子14(気泡進入抑制部材に相当)が円周方向に沿って等間隔に配置されている。この縦格子14はプレート状に垂直方向に伸びており、濾過エレメント7の垂直方向の長さとほぼ同じ程度の長さを有する。縦格子14の配置個数については、適宜変更することができる。濾過エレメント7の外側においては、高速旋回流が生じているが、液体が濾過エレメント7を外側から内側へと通過する際に、濾過エレメント7との衝突により運動量が消費される。ただし、それでも濾過エレメント7の内側において外側と同じ方向の旋回流(速度は弱まっている)が保持される。そこで、濾過エレメント7内に縦格子14を配置することで、濾過エレメント7内の旋回流を抑制し、旋回速度勾配の効果で気泡が濾過エレメント7内に進入することを抑制することができる。この効果は、縦格子14の断面を円形にしても達成することができた。
この濾過器を下水処理施設の固形異物除去の濾過器として汚水を用いて使用した。気泡排出管13と異物排出管12は三方弁に接続し、異物排出と気泡排出の片方ずつを交互に行なった。その結果、下水処理の安全運転と安定運転に寄与することができた。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る濾過器を説明する。本体容器1と底蓋2と上蓋3は、SS400鋼により製作され、腐食を防止するために、その内面側はSUS316鋼が張り合わせ加工されている。濾過エレメント7は、SUS316ステンレス鋼により製作される。濾過エレメント7は、全体として逆円錐台形状に形成され、上部に行くほど大径に形成されている。濾過エレメント7の上端部には、第4実施形態と同様にフランジ板7bが結合されている。
濾過エレメント7の上部には第1テーパ面7cが形成されており、これは第3実施形態におけるテーパ面3cと同じ機能を有している。また、濾過エレメント7の高さ方向の中央部には、第2テーパ面7dが形成されており、ちょうど流入管5と向かい合う位置に形成されている。第2テーパ面7dは、第1テーパ面7cと同様に小孔は形成されておらず、濾過機能を有していない。従って、流入管5から流入した液体は、濾過エレメント7内に直接進入することを抑制することができ、高速の旋回流を形成することができる。
第1テーパ面7cと第2テーパ面7dは、濾過エレメント7の網目が形成されている部分と同じテーパ角度とすることができるが、角度を異ならせてもよい。第1テーパ面7cと第2テーパ面7dは、円筒面に形成してもよい。
本実施形態では、濾過エレメント7の目詰まりを防止するための洗浄機構が設けられている。本体容器1の中心軸に沿って回転軸15が設置され、この回転軸15に対して半径方向に多数のノズル16が取り付けられている。ノズル16は、上下方向に複数設けられており、その先端部から濾過エレメント7に向けて高圧水を噴霧することができる。ノズルは、例えば、スプレーイングシステム社製のミニマックスを使用することができる。
回転軸15の上部(上蓋3の上部)には、電動機17が設置されており、回転軸15を回転させることができる。また、回転軸15は中空に形成されており、回転軸15の下方側に設けられた供給パイプ18から洗浄液が供給される。従って、回転軸15を回転させながら洗浄液を供給することで、濾過エレメント7の内面側の全域を洗浄することができる。底蓋2の中心部には、垂直方向に流出補助管8bが設けられ、この流出補助管8bに対して流出管8が接続される。
この濾過器を発電所での逆浸透海水淡水化装置の海水供給用濾過器として使用した。気泡排出管13から気泡を連続的に排出した。濾過エレメント7の洗浄は、洗浄液として工業用水を用い、1.2MPaの水圧で濾過エレメント7内部の洗浄を行なった。この方法で濾過器の内部を開放して清掃する頻度を低減することができた。
<別実施形態>
本発明に関する5つの実施形態を説明してきたが、更に種々の実施形態を採用することができる。また、各実施形態において採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。
本体容器1、流入管5、流出管8、異物排出管12、気泡排出管13、濾過エレメント7の材質については、本実施形態で説明した材料以外の種々の材料を選択することができる。
第1実施形態に係る濾過器の構成を示す図 第2実施形態に係る濾過器の構成を示す図 第3実施形態に係る濾過器の構成を示す図 第4実施形態に係る濾過器の構成を示す図 第5実施形態に係る濾過器の構成を示す図
符号の説明
1 本体容器
1a フランジ
1b 取り付け部
2 底蓋
3 上蓋
3c テーパ面
5 流入管
6 堤
7 濾過エレメント
7a 小孔
7b フランジ板
7c 第1テーパ面
7d 第2テーパ面
8 流出管
9 円筒管
9a 取り付け部
11 犠牲陽極
12 異物排出管
13 気泡排出管

Claims (5)

  1. 中心軸が垂直に設置される円筒状の本体容器と、
    この本体容器内に本体容器と同軸に設けられ、液体に含まれる異物を除去する筒状の濾過エレメントと、
    本体容器の円周壁面に対して接線方向に設けられ、分離対象物が含まれる液体を導入する流入管と、
    濾過エレメントにより濾過された液体を流出する流出管と、
    本体容器の底部側に、本体容器の円周壁面に対して接線方向に設けられ、分離対象物を液体と共に排出させる異物排出管と、
    本体容器の上部側に、本体容器の円周壁面に対して接線方向に設けられ、液体に含まれる気泡を液体と共に排出させる気泡排出管とを備えたことを特徴とする濾過器。
  2. 濾過エレメントの上側であって、前記気泡排出管が向かい合う位置に濾過機能を有しない第1円筒面もしくは第1テーパ面を設けたことを特徴とする請求項1に記載の濾過器。
  3. 前記気泡排出管が配置される位置よりも上部側に、攪拌機能を有する羽部材を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の濾過器。
  4. 前記流入管が向かい合う位置に濾過機能を有しない第2円筒面もしくは第2テーパ面を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の濾過器。
  5. 濾過エレメント内に、気泡の進入を抑制するための気泡進入抑制部材を設け、この気泡進入抑制部材は、円周方向に沿って配置され、かつ、プレート状に垂直方向に伸びる縦格子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の濾過器。
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