JP4903484B2 - 光ピックアップおよび光情報処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光情報処理装置に用いられる光ピックアップに係り、特に、光源の波長または光記録媒体の透明基板厚が異なることで、記録密度が異なる複数種類の光記録媒体に対して情報を記録,再生する際に、互換性を有する光ピックアップおよび光情報処理装置に関するものである。
映像情報、音声情報、またはコンピュータ上のデータを保存する手段として、記録容量0.65GBのCD、記録容量4.7GBのDVDなどの光記録媒体が普及しつつある。そして、近年、さらなる記録密度の向上および大容量化の要求が強くなっている。
このような光記録媒体の記録密度を向上させる手段としては、光記録媒体に情報の書き込みまたは読み出しを行う光ピックアップにおいて、対物レンズの開口数(以下、NAという)を大きくすること、あるいは、光源の波長を短くすることにより、この対物レンズによって集光され、光記録媒体上に形成されるビームスポットを小径化することが有効である。
そこで、例えば「CD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.50、光源の波長が780nmとされているのに対して、「CD系光記録媒体」よりも高記録密度化がなされた「DVD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.65、光源の波長が660nmとされている。そして、光記録媒体は、前述したように、さらなる記録密度の向上および大容量化が望まれており、そのためには、対物レンズのNAを0.65よりもさらに大きく、あるいは、光源の波長を660nmよりもさらに短くすることが望まれている。
このような大容量の光記録媒体および光情報処理装置として、特許文献1に記載されているような、2つの規格が提案されている。1つは、青色の波長領域の光源とNA0.85の対物レンズを用いて、22GB相当の容量確保を満足する「Blu-ray Disc」の規格(以下、BDという)である。もう1つは、青色波長は同じであるが、NA0.65の対物レンズを用いて、20GB相当の容量確保を満足する「HD−DVD」の規格(以下、HDという)である。
前者はDVD系に比べ短波長化、高NA化の変更により大容量化を行い、後者は高NA化を行わない代わりに信号処理の工夫により線記録密度の向上を可能とし、ランド・グルーブ記録の採用により大容量化を行っている。
また、BDとHDは、光源の発振波長が405nm程度の青紫色半導体レーザ光源を用いる点で共通しているが、光記録媒体は基板厚さがそれぞれ0.1mm、0.6mmと異なる。
BDとHDのような高密度な情報の記録および/または再生を行える光ピックアップであっても、従来から大量に供給されたCD、DVDに対しても情報の記録および/または再生を確保する必要がある。さらに、BD、HDの規格が同時に普及した場合は、BD、HD、DVD、CDの光学系を一体にすることが望ましい。
そして、記録,再生すべき光記録媒体の種類に応じて、適切な波長の光源を選択し、この選択した光束に対して適切な光学処理を施し、それぞれの光記録媒体の基板厚さの違いによって生じる球面収差を補正することが望ましい。
そして、記録,再生すべき光記録媒体の種類に応じて、適切な波長の光源を選択し、この選択した光束に対して適切な光学処理を施し、それぞれの光記録媒体の基板厚さの違いによって生じる球面収差を補正することが望ましい。
4つの異なる光記録媒体を1つの光ピックアップを用いて記録あるいは再生するものとしては、2つの対物レンズを用いる手段が提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−339718号公報 特開2005−209299号公報
しかしながら、前記の特許文献2の手段では、2つの対物レンズを用いるため、部品点数が多くなり、小型化,低コスト化に適さない。さらに、光記録媒体に応じて、対物レンズを可動させる必要があるため、アクチュエータの機構が複雑となる上、情報へのアクセス時間がかかるという課題が生じる。
4種類の光記録媒体を記録,再生する互換型の光ピックアップにおいて、小型化,低コスト化を実現させるためには、対物レンズを含めて、共通の光学系で達成されることが望ましい。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、使用波長に応じた複数の光源を備えながら、単一の対物レンズで、異なる基板厚さを有する4種類の光記録媒体の記録面に、必要な開口数(NA)で光束を収束する光ピックアップおよび光情報処理装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した光ピックアップは、基板厚:0.1mm、開口数:0.85、使用波長:λ1=405nmのBD系光記録媒体、基板厚:0.6mm、開口数:0.65、使用波長:λ1=405nmのHD系光記録媒体、基板厚:0.6mm、開口数:0.65、使用波長:λ2=660nmのDVD系光記録媒体、基板厚:1.2mm、開口数:0.45、使用波長:λ3=785nmのCD系光記録媒体に対して、記録、再生、消去のうち1以上を行い得る光ピックアップであって、前記BD系光記録媒体とHD系光記録媒体とに対応した前記波長:λ1を有する第1の光束を出射する第1の光源と、前記DVD系光記録媒体に対応した前記波長:λ2を有する第2の光束を出射する第2の光源と、前記CD系光記録媒体に対応した前記波長:λ3を有する第3の光束を出射する第3の光源と、前記第1〜第3の光束を、前記4種の光記録媒体の各記録面に集光させる単一の対物レンズと、該対物レンズと前記第1〜第3の光源の間に設けた収差補正手段とを備え、前記対物レンズは、BD系光記録媒体に対して、波長:λ1の光束による収差が最小になるように設計され、前記収差補正手段に、前記第1〜第3の光束が全て、平行光として入射し、該収差補正手段の、光束が通過する光線有効径内に回折面が設けられ、該回折面は、開口数:0.45に相当する中心領域と、開口数:0.45〜0.65に相当する2番目の領域と、開口数:0.65〜0.85に相当する3番目の領域とに同心円状に分割され、前記中心領域および2番目の領域には、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体における基板厚の相違と、使用波長の相違により生じる球面収差を補正し、かつ開口を切り替えるような回折構造が形成され、該回折構造のピッチが、単一の対物レンズを用いて、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体の、基板を透過する際に生じる球面収差を打ち消すように設定され、前記中心領域には、段数:3段の階段形状を繰り返し、該繰り返される各階段形状が、光軸中心から外側に向かって、光軸方向の溝深さが低くなるような第1の回折構造が形成され、該第1の回折構造の段階状の溝深さは、波長:λ1の第1の光束が0次光のまま透過するものと−2次回折するものとに分かれ、波長:λ2の第2の光束が−1次回折し、波長:λ3の第3の光束が−3次回折するように設定され、前記2番目の領域には、段数:3段の階段形状を繰り返し、該繰り返される各階段形状が、光軸中心から外側に向かって、光軸方向の溝深さが低くなるような第2の回折構造が形成され、該第2の回折構造の階段状の溝深さは、波長:λ1の第1の光束が0次光のまま透過するものと−2次回折するものとに分かれ、波長:λ2の第2の光束が−1次回折し、波長:λ3の第3の光束が−3次回折光を発生しないように設定され、前記3番目の領域は平坦であることを特徴とし、4種類の光記録媒体に対して、回折面一面で、発生する収差を補正しかつ開口を切り替えることができ、収差補正と開口制限を単一の素子で構成し共用することができる。
また、請求項2に記載した光ピックアップは、基板厚:0.1mm、開口数:0.85、使用波長:λ1=405nmのBD系光記録媒体、基板厚:0.6mm、開口数:0.65、使用波長:λ1=405nmのHD系光記録媒体、基板厚:0.6mm、開口数:0.65、使用波長:λ2=660nmのDVD系光記録媒体、基板厚:1.2mm、開口数:0.45、使用波長:λ3=785nmのCD系光記録媒体に対して、記録、再生、消去のうち1以上を行い得る光ピックアップであって、前記BD系光記録媒体とHD系光記録媒体とに対応した前記波長:λ1を有する第1の光束を出射する第1の光源と、前記DVD系光記録媒体に対応した前記波長:λ2を有する第2の光束を出射する第2の光源と、前記CD系光記録媒体に対応した前記波長:λ3を有する第3の光束を出射する第3の光源と、前記第1〜第3の光束を、前記4種の光記録媒体の各記録面に集光させる単一の対物レンズと、該対物レンズと前記第1〜第3の光源の間に設けた収差補正手段とを備え、前記対物レンズは、BD系光記録媒体に対して、波長:λ1の光束による収差が最小になるように設計され、前記収差補正手段に、前記第1〜第3の光束が全て、平行光として入射し、該収差補正手段の、光束が通過する光線有効径内に回折面が設けられ、該回折面は、開口数:0.45に相当する中心領域と、開口数:0.45〜0.65に相当する2番目の領域と、開口数:0.65〜0.85に相当する3番目の領域とに同心円状に分割され、前記中心領域および2番目の領域には、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体における基板厚の相違と、使用波長の相違により生じる球面収差を補正し、かつ開口を切り替えるような回折構造が形成され、該回折構造のピッチが、単一の対物レンズを用いて、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体の、基板を透過する際に生じる球面収差を打ち消すように設定され、前記中心領域には、段数:4段の階段形状を繰り返し、該繰り返される各階段形状が、光軸中心から外側に向かって、光軸方向の溝深さが低くなるような第1の回折構造が形成され、該第1の回折構造の段階状の溝深さは、波長:λ1の第1の光束が0次光のまま透過するものと−1次回折するものとに分かれ、波長:λ2の第2の光束が−1次回折し、波長:λ3の第3の光束が−2次回折するように設定され、前記2番目の領域には、段数:3段の階段形状を繰り返し、該繰り返される各階段形状が、光軸中心から外側に向かって、光軸方向の溝深さが高くなるような第2の回折構造が形成され、該第2の回折構造の階段状の溝深さは、波長:λ1の第1の光束が0次光のまま透過するものと−1次回折するものとに分かれ、波長:λ2の第2の光束が−1次回折し、波長:λ3の第3の光束が−3次回折光を発生しないように設定され、前記3番目の領域は平坦であることを特徴とし、4種類の光記録媒体に
対して回折面一面で、収差を良好に補正できる
請求項1、2記載の光ピックアップでは、収差補正手段の回折面へ入射する光束が全て平行光束であるが、参考技術として、回折面へ入射する光束が、4種の光記録媒体の少なくとも1つに対して、有限系であるようにすることも考えられ、このようにすること、により回折面の設計自由度を広げることができる
また、請求項3に記載した光ピックアップは、請求項1または2記載の光ピックアップであって、回折面において分割した領域のうち、中心から3番目の領域に光軸方向の厚さが異なる段差を形成したことによって、回折面一面で、収差を良好に補正し開口を切り替えるができ、かつ波長変動による色収差を補正することができる。
即ち、請求項1、2記載の光ピックアップでは、回折面における中心から3番目の領域は「平坦」であるが、平坦であっても、3番目の領域全体が「単一の平坦面」に限られるわけではなく、請求項3のように「光軸方向の厚さが異なる段差」を有することができるのである
また、請求項4に記載した光ピックアップは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ピックアップであって、収差補正手段と対物レンズが一体に形成され、前記収差補正手段の回折面の回折構造が、前記対物レンズのレンズ面に形成されたことによって、組み付け精度を緩和して、部品点数を減らすことができる。
また、上記請求項1〜4に記載された光ピックアップは、回折面を設けた収差補正手段の回折面と反対側の面に波長板を形成することができ、これによって、部品点数を減らすことできる。
また、参考技術として、回折面を設けた収差補正手段の「回折面と反対側の面」に発散角変換素子を形成することによって、4種類の光記録媒体の少なくとも1種類に対して発散光にして回折面へ入射でき、回折面の設計条件を緩和することも考えられる
また、参考技術として、光源から対物レンズの光路中にビームエキスパンダを備えることにより、4種類の光記録媒体に対して少なくとも1種類で発散光にして回折面へ入射できるようにして、回折面の設計条件を緩和することも考えられる
また、回折面の回折構造は、樹脂材料より構成することにより、回折面を容易に製造でき、かつ軽量化により対物レンズの可動部の負荷を低減することができる
また、回折面を有する収差補正手段の外形形状を回折面と同心円の円形状とすることにより、環境湿度が変動しても形状の変化のない安定した素子の実現が可能である。
また、請求項5に記載した光情報処理装置は、BD系光記録媒体、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体に対して、記録、再生、消去のうち1以上を行う光情報処理装置であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップを備えたことを特徴とし、4種類の光記録媒体に対して、発生する収差を補正でき、効率低下を抑制できる。
本発明によれば、使用波長に応じた複数の光源を備えながら、単一の対物レンズにより基板厚さと記録密度の異なる4種類の光記録媒体の記録面に良好な集光し、安定した記録,再生の動作ができ、小型化,低コスト化,高効率化した高精度な光ピックアップおよび光情報処理装置が実現できるという効果を奏する。
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。以下に挙げる実施形態のうちには
、参考技術の実施形態も含まれているが、混同の恐れは無いと思われるので、各実施形態に1連の番号を付して説明する。
図1は本発明の実施形態1における光ピックアップの概略構成を示す図である。図1に示すように、単一の対物レンズ106で、異なる光源波長を用いて、4種類の光記録媒体(BD系,HD系,DVD系,CD系)を異なる有効瞳半径で記録または再生を行う互換型の光ピックアップである。
BD系,HD系、DVD系,CD系の光記録媒体107,117,127,137の基板厚は、それぞれ0.1mm,0.6mm,0.6mm,1.2mmであり、それぞれBD、HD、DVD、CDの光記録媒体に対応する。開口数は、それぞれNA0.85,NA0.65,NA0.65,NA0.45であり、また第1,第2,第3の光源の波長λ1,λ2,λ3は、それぞれ405nm,660nm,785nmである。
図1に示す光ピックアップは、BD系光記録媒体107,HD系光記録媒体117に対して、半導体レーザ101,コリメートレンズ102,プリズム104,1/4波長板105,対物レンズ106,偏光ビームスプリッタ103,検出レンズ108,受光素子110,収差補正手段501により構成される。第1の光源である半導体レーザ101の中心波長は405nmであり、対物レンズ106の開口数(NA)は0.85である。HD系光記録媒体117に対する対物レンズ106の開口数(NA)は0.65であり、このNAの切り替えは収差補正手段501により制限される。BD系光記録媒体107の基板厚は0.1mm、HD系光記録媒体117の基板厚は0.6mmとする。
半導体レーザ101の出射光は、コリメートレンズ102により略平行光にされる。コリメートレンズ102を通過した光は偏光ビームスプリッタ103に入射し、プリズム104より偏向される。そして、1/4波長板105,収差補正手段501,対物レンズ106を介して集光されることにより、情報の記録,再生がされる。BD系光記録媒体107からの反射光は対物レンズ106,1/4波長板105を通過した後、偏光ビームスプリッタ103により入射光と分離して偏向され、検出レンズ108により受光素子110上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
また、DVD系光記録媒体127に対して、中心波長が660nmの半導体レーザ130aから出射した光は、発散角変換レンズ132,波長選択性ビームスプリッタ133を経て、プリズム104により偏向される。そして、1/4波長板105,収差補正手段501、対物レンズ106を介して、DVD系光記録媒体127に集光される。このDVD系光記録媒体127の基板厚は0.6mmであり、対物レンズ106のNAは0.65である。NAの切り替えは、収差補正手段501により制限される。DVD系光記録媒体127からの反射光は対物レンズ106,1/4波長板105を通過した後、波長選択性ビームスプリッタ133により偏向され、ホログラム素子130bにより入射光と分離して受光素子130c上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
さらに、CD系光記録媒体137に対して、中心波長が785nmの半導体レーザ140aから出射した光は、発散角変換レンズ142,波長選択性ビームスプリッタ143を経て、プリズム104により偏向される。そして、1/4波長板105,収差補正手段501,対物レンズ106を介して、CD系光記録媒体137に集光される。このCD系光記録媒体137の基板厚は1.2mmであり、対物レンズのNAは0.45である。NAの切り替えは、収差補正手段501により制限される。CD系光記録媒体137からの反射光は対物レンズ106,1/4波長板105を通過した後、波長選択性ビームスプリッタ143により偏向され、ホログラム素子140bにより入射光と分離して受光素子140c上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
ここで、対物レンズ106は厚さ0.1mmのBD系光記録媒体107を高精度に記録,再生できるように最適に設計されている。設計波長は405nmであり、405nmでは波面収差が0.01λrms以下と十分小さくなるよう設計されている。なお、本実施形態1の対物レンズ106は、厚さ0.1mmのBD系光記録媒体107に最適に設計されているが、これに限定されるものではない。例えば、情報記録面を2層有する2層のBD系光記録媒体では、情報記録面は光の入射側から0.075mm,と0.1mmの位置に有するため、その中間値の厚さ0.0875mmを設計中央値とするように、異なる厚さの基板厚に最適設計されていても良い。
本実施形態1における対物レンズ106は両面非球面形状であり、面の頂点を原点とし、光源から光記録媒体へ向かう光軸方向をX軸とした直交座標系において、rを近軸曲率半径、κを円錐形数、A,B,C,D,E,F,G,H,J,・・・を非球面係数とするとき、面の光軸方向の距離xと半径Rの関係より、非球面形状は、(数1)
Figure 0004903484
で表される。各面および各領域の面データを(表1)に示す。
Figure 0004903484
ここで、ガラスの硝材は住田光学製のKVC81、対物レンズの有効瞳半径は2.15mmである。なお、対物レンズ106の材料としては、ガラスに限らず、樹脂を用いても良い。
図2〜図4は収差補正手段501を説明するための図であり、図2,図3は拡大された断面図、図4は各回折面を示す図である。
収差補正手段501は、HD系光記録媒体117に対して、405nmの半導体レーザ101から出射した光が、対物レンズ106で基板厚の違いにより発生する球面収差と、DVD系光記録媒体127に対して、中心波長が660nmの半導体レーザ130aから出射した光と、CD系光記録媒体137に対して、中心波長が780nmの半導体レーザ140aから出射した光が、基板厚さの違いと、波長の違いにより発生する球面収差を補正するための互換素子である。さらに、収差補正手段501は、それぞれの光記録媒体に対して、対物レンズ106の開口切り替えするための開口制限の機能を有する。
図2は本実施形態1における収差補正手段501と対物レンズ106の構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、収差補正手段501と対物レンズ106は、鏡筒121により同軸で一体化されている。具体的には、円筒状の鏡筒121の一端に、収差補正手段501を固定し、他端に対物レンズ106を固定して、これらを光軸に沿って同軸に一体化した構成となっている。対物レンズ106は、主として鏡筒121の内側に凸の形状をしたレンズ面を有する。
いま、BD系,HD系,DVD系,CD系光記録媒体107,117,127,137を記録,再生するときに、対物レンズ106はトラッキング制御により、光軸に対して垂直方向に±0.5mm程度の範囲内で移動する。ところが、HD系,DVD系,CD系光記録媒体117,127,137に対しては、収差補正手段501により回折を受けるため、収差補正手段501が移動せずに、対物レンズ106だけが移動すると、収差が発生して集光スポットが劣化してしまう。
そこで、収差補正手段501と対物レンズ106を一体化させ、トラッキング制御時に一体で移動させることにより、良好な集光スポットを得る構成としている。なお、収差補正手段501または対物レンズ106の少なくとも一方にフランジを設け、このフランジを介して直接一体化する構成にしても良い。また、対物レンズ106と鏡筒121、さらには対物レンズ106,鏡筒121,収差補正手段501すべてが一体化する構成にしても良い。
本実施形態1では、第1,第2,第3の光束は、いずれも収差補正手段501に平行光で入射する。つまり、発散光や収束光ではないため、各光記録媒体の記録再生時に、トラッキング制御により一体化された対物レンズ106と収差補正手段501が偏芯しても、コマ収差が発生しないという利点がある。なお、発散光や収束光として入射する構成にしても良い。例えば、本実施形態1において、DVD系光記録媒体127に対してのみ発散光を回折面502へ入射させる構成にすると、より精度良く収差を補正することができる。
図3に本実施形態1の収差補正手段501の断面図を示す。収差補正手段501は、回折構造が形成されている回折面502を有する。ここでいう回折面とは、垂直断面形状を凹凸形状とした回折構造が形成されている面である。平板面または曲面の一部に回折構造が形成されていれば良く、回折構造が形成されていない領域があってよい。
また、収差補正手段501の材料として樹脂を用いる。樹脂は、ガラスと比べて軽く、かつ成型加工が容易であるため大量生産がしやすい。本実施形態1の収差補正手段501は対物レンズ106の可動部120に搭載され、対物レンズ106と一体駆動するため、軽い方が望ましい。樹脂として例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)を用いる。PMMAは、高い透明性,耐候性を有し、特に射出成形に適合する強みがあるため光学部品に最も広く使用されている樹脂のひとつである。また吸湿が小さい日本ゼオン社製の光学樹脂であるZEONEX(ゼオネックス:登録商標)を用いても良い。さらに、収差補正手段501の材料としては、紫外線硬化樹脂を含むあらゆる光学樹脂、光学ガラスに適応可能である。
そして、第1の回折面502は、図4に示すように光束が通過する範囲内に、同心円状に分割された3つの領域、第1の中心領域502a、第2の中心から2番目の領域502b、第3の最外周となる中心から3番目の領域502cを有する。
中心領域502aはCD系光記録媒体137に対するNA0.45の領域に相当し、本実施形態1では半径1.25mmと設定する。中心領域502aには、波長405nmの第1の光束はそのまま透過するものと、回折するものとに分かれるように、また波長660nm,785nmの第2,第3の光束は回折するように回折構造が形成されている。HD系,DVD系,CD系光記録媒体117,127,137の基板厚の違いと、波長の違いより生じる球面収差を補正するように回折構造が形成されている。
2番目の領域502bは、CD系光記録媒体137に対するNA0.45の領域からHD系,DVD系光記録媒体117,127に対するNA0.65の領域に相当し、本実施形態1では半径1.25mmから1.715mmに設定する。2番目の領域502bには、波長405nmの第1の光束は、そのまま透過するものと、回折するものとに分かれるように、波長660nmの第2の光束は回折するように、波長785nmの第3の光束はCD系光記録媒体137の記録面に集光しないように回折構造が形成されている。
3番目の領域502cは、HD系,DVD系光記録媒体117,127に対するNA0.65からBD系光記録媒体107に対するNA0.85の領域に相当し、本実施形態1では半径1.715mmから2.15mmに設定する。3番目の領域502cは回折構造が形成されない平坦部であり、第1,第2,第3の光束をそのまま透過させるため、BD系光記録媒体107に対しては対物レンズ106より集光され、HD系,DVD系,CD系光記録媒体117,127,137に対しては集光されない構造となる。
したがって、回折面502は、HD系,DVD系,CD系光記録媒体117,127,137に対して、発生する収差を補正し、かつ開口を切り替えるような構成となり、4種類の光記録媒体上で良好なスポットを形成できる。
収差補正手段501は、平行光で入射してきた光束を発散方向に回折させることで、収差の補正を行っている。つまり、発散光を対物レンズ106へ入射するときに発生する収差と、基板厚や波長の違いによって発生する収差を逆極性にすることで補正している。発散光を対物レンズ106へ入射させると、対物レンズ106と光記録媒体との距離であるワーキングディスタンスが広がるため、高NAの対物レンズ106で基板厚の厚いものに集光させる際には、都合の良い構成となる。
また、収差補正手段501の中心領域502aの断面は、図3に示されるように同心円状に形成された複数の輪帯状凹凸部からなる。各輪帯状凹凸部は階段形状であり、3つの段数を有する。ここで、段数とは、最下段も含めて数えている。輪帯状凹凸部のピッチは、この回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に狭くなっている。
輪帯状凹凸部のピッチは、HD系光記録媒体117に対しては−2次回折光を用い、DVD系光記録媒体127に対しては−1次回折光を用い、CD系光記録媒体137に対しては−3次回折光を用い、それぞれで発生する収差を補正するよう設定される。
ここで、−1次回折光について図5を参照しながら説明する。図5は入射光201aが、4段の階段形状の回折構造を通過する際の波面の様子を示している。入射光201aの波面は、4段の階段形状の回折構造を通過すると、それぞれ階段形状に応じて位相差が生じ、結果として出射光201bのように−1次回折光として回折される。階段形状の各段の高さは0.75λの位相差が付与されるよう設定されている。
また、−2次回折光について図6を参照しながら説明する。図6は入射光202aが、4段の階段形状の回折構造を通過する際の波面の様子を示している。入射光202aの波面は、4段の階段形状の回折構造を通過すると、それぞれ階段形状に応じて位相差が生じ、結果として出射光202b、202cのように−2次回折光と、+2次回折光として回折される。このとき階段形状の各段の高さは、0.5λの位相差が付与されるよう設定されている。
以上のようにして発生する−2次回折光が対物レンズ106により集光されHD系光記録媒体117に、−1次回折光が対物レンズ106により集光されDVD系光記録媒体127に、−3次回折光がCD系光記録媒体137に良好集光するように、ピッチを設定している。
回折面502の光路差関数は、(数2)
Figure 0004903484
と定義される。
ただし、光軸垂直面の光軸と交わる点を原点とし、光源から光記録媒体へ向かう光軸方向をX軸とした直交座標系において、φは光路差関数、Rは半径(光軸からの距離)、C1,C2,・・・は光路差係数である。中心領域502aの面における光路差係数を(表2)に示す。
Figure 0004903484
図5,図6を比較すると分かるように、同じピッチであれば、回折光の次数の絶対値が大きいほど、回折する角度が大きい。
図7(a),(b),(c)にHD系,DVD系,CD系の各光記録媒体における波面を示す。横軸が瞳径、縦軸が位相(λ)である。CD系光記録媒体に対しては、ワーキングディスタンスを0.3mm以上確保した場合の様子を示す図である。球面収差量は、DVD系よりHD系、HD系よりCD系の光記録媒体の方が大きい。これは基板厚さや波長の差が大きいためである。したがって、収差補正量が大きい光記録媒体に対して用いる回折光の次数を大きくし、球面収差発生量が小さい光記録媒体に対して用いる回折光の次数を小さくすると、HD系,DVD系,CD系光記録媒体に対して同時に、収差を補正することが可能となる。つまり、波長λ1,λ2,λ3の光束で用いる回折光の次数を、それぞれN11,N12,N13とするとき、|N12|<|N11|<|N13|の関係が成り立つ必要がある。
本実施形態1では、N11=−2,N12=−1,N13=−3としている。これは用いる次数が小さいほうが、回折効率が高いためである。前述のような次数を用いると、図8(a),(b),(c)に示すように、波面収差が小さくなり、HD系,DVD系,CD系の各光記録媒体を同時に補正できていることが分かる。
また、収差補正手段501の2番目の領域502bの断面は、図3に示されるように同心円状に形成された複数の輪帯状の凹凸部からなる。各輪帯状の凹凸部は階段形状であり、3つの段数を有する。輪帯状の凹凸部のピッチは、この回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に狭くなっている。
この輪帯状の凹凸部のピッチは、HD系,DVD系光記録媒体に対して、発生する収差を補正するよう設定される。したがって、波長λ1,λ2で用いる回折光の次数を、それぞれN21,N22とするとき、|N22|<|N21|が成り立つよう設定する。本実施形態1ではN21=−2,N22=−1を用いた。
この2番目の領域502bの光路差係数は、(表2)に示した中心領域501aと同じである。なお、異なる光路差係数にしても良い。
また、2番目の領域502bは、CD系光記録媒体137に対しては開口を制限する機能を有するよう、−3次回折光が発生しない階段状の溝深さが設定されている。本実施形態1の中心領域502aと2番目の領域502bのピッチの最小値は52μm、輪帯数は21である。
前述の回折構造は、波長λ1の光束に対しては、そのまま透過させ、BD系光記録媒体に集光し、かつ回折させて、HD系光記録媒体の基板厚の違いにより生じる球面収差を補正するように形成されている。つまり入射光の一部を0次回折光、一部を±1次以上の回折光として出射するため、対物レンズ106と組み合わせた2焦点レンズの構成となる。同じ波長で、異なる基板厚を有するBD系,HD系光記録媒体上にそれぞれ回折限界まで集光するスポットを形成する。この回折面により、回折された光束と回折されない光束は、光軸上の異なる焦点位置に集光され、それぞれの光記録媒体にスポットを形成する。しかし、一方の焦点で情報の記録再生をしているときには、他方の焦点を集光点とする光束は大きく広がっており光強度は小さく、記録再生には影響を与えない。
次に、回折面502の各段の高さについて図9を用いて説明する。回折光学系では、入射光のすべてのエネルギーが射出光に変換されるのではなく、回折効率と呼ばれる効率でしか変換されない。図9の破線に示すような鋸歯状のキノフォーム形状は、ある波長でブレーズ化されると、その波長での回折効率は薄型近似の場合、理論的には100%である。回折面502は、3波長のうち、405nmの第1の光束に対しては0次回折光、660nm,785nmの第2,第3の光束に対しては±1次以上の回折光として使用し、図9のような階段近似した形状とする。
なお、階段形状とは、鋸歯状のキノフォーム形状を近似した形状のことであり、階段形状の傾斜方向とは、鋸歯状の傾斜方向のことである。また、階段形状にすると、理想的なキノフォーム形状を製作するよりも容易となる。さらに、0次回折光とは、入射光の入射する際の進行方向をそのまま保つ透過光のことである。
回折面502における中心領域502aは、入射してくる平行光束で、HD系,DVD系,CD系光記録媒体に対して同時に、収差を補正するため、波長λ1,λ2,λ3の光束で用いる回折光の次数は|N12|<|N11|<|N13|の関係、さらに、第1の光束に対しては、0次回折光を用いる。したがって、それぞれの光束における回折光の効率が大きくなるように、回折構造の高さを設定しなければならない。
図9において階段状の溝深さをD、鋸歯状の溝深さをH、階段形状の段数をMとすると、例えば4段の場合、0次回折光、±1次回折光と±2次回折光の最大の回折効率となる溝深さの位相差は(表3)のようになる。また、(表4)は、M段の場合に一般化したときの、一段あたりの位相差を示している。(表4)のような条件に一段の高さを設定すると、所望の回折次数を最も効率よく得ることができる。
Figure 0004903484
Figure 0004903484
また、各光束で所望の回折次数の効率が大きくなるように、材料と高さを選定する。本実施形態1では、段数を3段にして、第2の光束に対しては−1次回折光、第3の光束に対しては−2次回折光を用いる。材料にPMMAを用いる場合、全段の溝深さDを9.9μmとすると、どの波長に対しても所望の効率を得ることができる。
次に、回折面502の2番目の領域502bは、第1,第2の光束に対しては、回折して収差を補正し、第3の光束に対してはCD系光記録媒体上に集光しないようにする。本実施形態1では、3段で溝深さDを1.9μmとし、第3の光束の−3次光の回折光が発生しない溝深さに設定した。
第3の光束において、図10(a)にCD系光記録媒体137上に集光するときの光束、図10(b)にCD系光記録媒体137上におけるスポットの様子を示す。中心領域502aを通過する光束は−3次光として、CD系光記録媒体137上に集光される。一方、2番目の領域502bを通過する光束は、0次回折光として、そのまま透過するため、CD系光記録媒体137上では、集光せず周辺にフレア光として大きく広がり、記録再生に影響しない。
また、回折面502の3番目の領域502cは、回折構造のない平坦部になっている。図3の第3の領域502bの平坦部の高さは、回折構造の最下段に対して第1の光束の波長の整数倍になるように設定する。本実施形態1では、波長の5倍の位相差に相当する4.0μmに設定した。
この3番目の領域502cの平坦部を透過した光束は、HD系,DVD系、CD系の光記録媒体に対しては有効径外となるため、スポット形成には不要光となり、図10(b)で示したのと同様にフレア光として大きく広がる。一方、第1の光束に対しては、中心領域502a,2番目の領域502bの最下段に対して波長の整数倍の位相差となるように高さを設定した。本実施形態1では波長の5倍の4μmとしたが、これに限定されるものではない。
階段形状の回折素子の回折効率は、段数が多いほど、図9の破線に示すような鋸歯状のキノフォーム形状に近づくため、回折効率は向上する。しかしながら、段数が多いと一段あたりのピッチが狭くなり、製造が困難になり、製造誤差によるだれなどによる影響で効率低下が発生する。
また、ピッチが同じ場合、溝深さDは低いほうが、効率が良い。さらに波長や温度変動による効率低下の影響を受けにくい。そのため、回折構造としては、溝深さDが低く、段数が多い方が望ましいことが知られている。
本実施形態1のように、ピッチが狭くなる周辺部は効率が低下する。その様子を図11に示す。光源の強度分布203に対して、中心領域502aは周辺にいくに従い、光量の低下が著しくなることが分かる。また、2番目の領域502bは中心領域502aよりもさらにピッチが狭くなるが、本実施形態1では、2番目の領域502bは中心領域502aよりも溝深さが低いため、効率の低下を低減することができ、光利用効率を上げることができる。なお、回折構造の段数と高さや材料は、前記の記載に限定されるものではない。
以上のように、溝深さを変えるだけで、容易に不要光が発生しない開口制限を実現することができる。
次に、本実施形態1の収差補正手段の外形形状について、詳細に説明する。図4に示したように、収差補正手段501の外形の形状を、回折部(中心領域502a,2番目の領域502b)と平坦部(3番目の領域502c)との境界と同様の円形状とする。なお、円形状とは、多角形を含み、図12に示すような8角形においても、同様の効果が得られる。
本実施形態1で用いているPMMA等の樹脂は、射出成形ができる等の強みがあるため光学部品に最も広く使用され、かつ大量生産しやすいという特徴があるが、一方で吸湿性が弱点として挙げられる。これは屈折率や透過率といった光学特性を変動させるだけでなく、変形としても現れる。
図13(a)〜(d)に収差補正手段の外形形状が四角の形状の場合の波長405nmの透過光の波面形状を示す。図13(a)は光線有効径内における中心領域502a,2番目の領域502b,3番目の領域502cすべての領域における透過波面測定の結果であり、波面形状を示す。図13(b),(c)は図13(a)の結果を領域(回折部と平坦部)に分割して波面測定した結果である。図13(b)は回折部(回折構造が形成された中心領域502aと2番目の領域502b)領域内のみの透過波面形状502g、図13(c)は平坦部(3番目の領域502c)のみの透過波面形状502fを示す。
波面形状をもとに波面収差を計算したところ、図13(a)の光線有効径内の波面形状はPV(Peak to Valley)値が0.5λ、波面収差0.1λrmsと波面精度が非常に悪い。通常、光学部品の波面収差は0.02λrms以下であることが望ましい。図13(b)の回折部の領域内の波面収差は、0.02λrmsとなり良好な波面精度であるのに対して、図13(c)の平坦部(3番目の領域502c)の波面収差は0.13λrmsと大きく、光線有効径内の波面精度が悪い原因は、平坦部にあることが分かる。図13(d)は平坦部の波面形状を円周方向に沿って、プロットしたものである。平坦部は収差補正手段501の四角の形状に沿って、うねりが発生しており波面劣化の要因となっていると考えられる。
このうねりの要因は、回折部と平坦部との境界において、外形の四角形の辺から近いところ502dと遠いところ502eが存在し、近いところ502dと遠いところ502eではPMMAの吸湿に差異がある。この吸湿の差異が変形の差異となり、うねりが発生している。
図14(a)〜(d)は本実施形態1の収差補正手段501の波長405nmの透過光の波面形状を示す図である。形状は円である。図14(a)は光線有効径内における中心領域502a,2番目の領域502b,3番目の領域502cの透過波面測定の結果であり、波面形状を示す。図14(b),(c)は図13(a)の結果を領域(回折部と平坦部)に分割して波面測定した結果である。図14(b)は回折部(回折構造が形成された中心領域502aと2番目の領域502b)領域内のみの透過波面形状502g、図14(c)は平坦部(3番目の領域502c)のみの透過波面形状502fを示す。
図14(d)は平坦部の波面形状を円周方向に沿って、プロットしたものである。図14(a)の光線有効径内の波面形状より波面収差を計算するとPV値が0.1λ、波面収差0.02λrms、図14(b)の回折部の領域内の波面収差は、0.015λrms、図14(c)の平坦部(3番目の領域502c)の波面収差は0.017λrmsであり、周辺部のうねりはなく良好な波面精度である。
このように、収差補正手段501の外形形状を、回折部と平坦部との境界と同様の円形状にすることで、PMMAの吸湿による形状の変化が均一化され、うねりを低減することができ、高精度な光ピックアップを実現することができる。
図15は、実施形態2の光ピックアップの概略構成を示す図である。本実施形態2の光ピックアップは、実施形態1の図1に示した光ピックアップにビームエキスパンダ109および収差補正手段601を設けて構成した点で相違している。また、図16に収差補正手段601の拡大した断面図を示す。実施形態2は参考技術の実施形態である。
前述の実施形態1がすべて平行光の入射であったのに対して、本実施形態2では、HD系光記録媒体1147に対しては収差補正手段601に発散光を入射させる。このためにビームエキスパンダ109を可動して発散光にする。その他にも、液晶素子を用いて、平行光と発散光を切り替えても良い。
図16に示すように収差補正手段601の回折面602は、光束が通過する範囲内に、同心円状に分割された3つの領域として、中心領域602a,2番目の領域602b,3番目の領域602cを有する。
中心領域602a、2番目の領域602bは、実施形態1と同様に、CD系光記録媒体137に対するNA0.45、DVD系光記録媒体127に対するNA0.65でそれぞれ分割され、半径はそれぞれ1.25mm、1.715mmに設定する。
本実施形態2では、回折光の次数の符号を中心領域602aと2番目の領域602bで反転させることにより、第1,第2,第3の光束の回折効率と凹凸形状と高さの関係を大きく変化させることができる。そのため、効率の良い収差補正手段および記録再生に影響しない開口制限素子としての機能を一面で提供することができる。
また、BD系、HD系、DVD系、CD系の光記録媒体のうちいずれかひとつに対しては、収差補正手段601に発散光を入射させることで、回折光の次数を小さくすることができ、効率の良い光ピックアップを提供できる。
収差補正手段601の中心領域602aの断面は図16に示されるように同心円状に形成された複数の輪帯状凹凸部からなる。各輪帯状凹凸部は階段形状であり、3つの段を有する。輪帯状凹凸部のピッチは、この回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に狭くなっている。
輪帯状凹凸部のピッチは、HD系光記録媒体117に対しては−1次回折光を用い、DVD系光記録媒体127に対しては−1次回折光を用い、CD系光記録媒体137に対しては−2次回折光を用い、それぞれで発生する収差を補正するよう設定される。
実施形態1の中心領域502aと段数,溝深さ,回折光の次数ともに同様であり、回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に狭くなっている。輪帯状凹凸部のピッチは、DVD系光記録媒体127に対しては−1次回折光を用い、CD系光記録媒体137に対しては−2次回折光を用い、発生する収差を補正するよう設定される。HD系光記録媒体117に対しては、ビームエキスパンダ109により発散光に変換された光束を収差補正手段601へ入射させ、−1次回折光により発生する収差を補正している。
また、収差補正手段601の2番目の領域602bの断面も、図16に示されるように同心円状に形成された複数の輪帯状凹凸部からなる。各輪帯状凹凸部は階段形状であり、4つの段を有する。輪帯状凹凸部のピッチは、この回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に狭くなっている。
また、輪帯状凹凸部のピッチは、HD系,DVD系光記録媒体117,127に対しては+1次回折光を用い、発生する収差を補正するよう設定される。
この2番目の領域602bは、CD系光記録媒体137に対しては開口を制限する機能を有するよう、+2次回折光が発生しない階段形状の溝深さが設定されている。
図17(a),(b),(c)にHD系,DVD系,CD系の各光記録媒体における波面を示す。横軸が瞳径、縦軸が位相(λ)である。図17(a),(b),(c)に示すように波面収差が小さくなり、HD系,DVD系,CD系の各光記録媒体を同時に補正できていることが分かる。
図18は本発明の実施形態3における収差補正手段の構成を示す断面図である。本実施形態3の収差補正手段701は、実施形態1,2に示した収差補正手段501,601の平坦部を形成する3番目の領域502c,602cのいずれかの領域に段差704を設けたものである。この段差704により、波長が短く、NAの大きいBD系光記録媒体107に対して発生する色収差を補正する。
光記録媒体に情報の記録,再生を行う光情報処理装置は、半導体レーザを光源としているが、この半導体レーザの発振波長は、個々に異なっていたり、温度の変化に伴い変動したりする。特に、光学材料の屈折率は、波長により変化する性質(分散)を持つため、光源の波長が変動すると3次の球面収差が発生する。したがって、情報の記録,再生時、この球面収差が光学的な課題の一つとなる。この波長が変化したときの球面収差発生量は、光源の短波長化と高NA化により大きくなる。
これは、波長を短くすると光学材料の屈折率変化が大きくなり、波長が変化したときの球面収差変化量が大きくなることと、球面収差変化はNAの4乗に比例して大きくなるためである。したがって、波長が変化したときの記録,再生における光情報の劣化に与える影響はより大きくなる。
図19に、波長405nmにおいてNA0.65とNA0.85の対物レンズを使用したときの波長変動による波面収差の変化を示す。図19に示すように、NA0.65では対物レンズ設計波長である405nmから10nm波長が変動しても、対物レンズの要望性能である0.03λrms以下であるのに対して、NA0.85では3nm波長が変動すると0.03λrmsを超えてしまい、情報の記録,再生が行えなくなるおそれがある。
一般的に光情報処理装置の動作環境として、温度を10℃から80℃まで想定すると、半導体レーザの波長は、3nm程度変動する。また、中心波長ばらつきが±5nm程度と想定する必要がある。したがって、NA0.85の対物レンズを用いる光学系では、このような波長変化による球面収差を補正する必要がある。
また、収差補正手段701の段差704における段差構造は、光軸方向に、光軸を中心とした同心円状に領域に分割されており、光軸から離れるにしたがって、厚みが増すように形成されている。それぞれの領域における厚みの段差は、対物レンズ設計波長405nmの整数倍の光路差を生じるように、形成されている。
図20に形成された段差704の位相段差を示す。横軸は半径位置、縦軸は位相段差数Nを示す。本実施形態3では、N=8,14を用いて、3番目の領域803cに段差を設けた。したがって、この段差に影響を受けるのは、BD系光記録媒体へスポットを形成するときである。
回折面702に段差704がないときの波長変化による球面収差量は、図21の破線のようになるのに対して、前述の段差704を形成すると、図21の実線のように3次の球面収差を補正することができる。ここで例えば、波長が6nm変化した場合の、波面の位相の様子を図22に示す。位相段差を付与したところで、波面の位相が不連続になっていることが分かる。このように波面を不連続に変化させ、3次の球面収差を補正している。
なお、段差704の高さ、段差の境の半径位置は、対物レンズの形状、対物レンズの設計波長、収差補正手段を構成する材料、開口数(NA)によって異なり、本実施形態3に限定されるものではない。
本発明の実施形態4における収差補正手段は、実施形態1〜3に記載した回折面を対物レンズと一体化した構成である。本実施形態4は図23に示すように、例えば実施形態2の収差補正手段601と対物レンズ106を一体化した構成である。図23のように対物レンズ106の面上に回折面602が形成されていると、対物レンズ106と収差補正素子601との軸ずれによる波面劣化が低減できるだけでなく、組み付け工程も低減し、低コスト化を実現できる。
対物レンズ106の面上へ形成する回折面602の形成は、対物レンズ106と一体に成型しても良い。対物レンズ106の面上に回折構造を別途形成しても良い。その場合、回折構造の材料としては、紫外線硬貨樹脂が製造上適している。
図24(a),(b)は本発明の実施形態5における収差補正手段を示す拡大断面図である。本実施形態5における光ピックアップの構成や対物レンズは実施形態1と同じである。図24(a),(b)に示す収差補正手段801には、実施形態1の収差補正手段501の裏面に、図1に示す1/4波長板106に代えて、波長板805が形成されている。
波長板805は光学系が共通化されている光路中に設けられているため、波長405,660nm,785nmという広い範囲で、通過する光束のTM波、TE波に対して0.25±0.05の位相差を与える必要がある。一般的な波長板は、波長板803aのように微細構造を有するもの(図24(a)参照)、波長板805bのように水晶など高価な素材や樹脂フィルム製の位相差フィルムを用いているもの(図24(b)参照)、があげられる。特に、波長板803aのように微細構造を有するものは、広い波長域で安定に位相差を与えることができる。この微細構造は収差補正手段801と同じの材料であっても良いし、異なる材料であっても良い。
本実施形態5のように、波長板805と回折面802を収差補正手段801の両面に形成すれば部品点数を減らすことができ、小型化を実現することができる。また微細構造により波長板805を形成すると、収差補正手段801を一体に成型することができ、製造工程を減らすことができ低コスト化を実現することができる。さらに、有限系にするための液晶素子と回折面を両面に形成した収差補正手段であっても良い。
図25は本発明の実施形態6における光情報処理装置の概略構成を示す図である。本実施形態6は、光情報処理装置の一形態であり、前述の実施形態1〜5のいずれかの光ピックアップを用いて、光記録媒体に対する情報の再生、記録、消去のうちの、少なくとも1つを行う装置である。
図25に示すように、光情報処理装置は光学ピックアップ91、送りモータ92およびスピンドルモータ98等により構成されており、これらは光情報処理装置全体を制御するシステムコントローラ96により制御される。そして、光ピックアップ91のトラッキング方向への移動は、送りモータ92とサーボ制御回路93で構成される制御駆動手段により行われる。例えば、光記録媒体100を再生する場合、システムコントローラ96からのコントロール信号がサーボ制御回路93と変復調回路94に供給される。
サーボ制御回路93では、スピンドルモータ98を設定された回転数で回転させるとともに送りモータ92を駆動する。
変復調回路94には、光ピックアップ91の光検出器により検出されたフォーカシングエラー信号,トラッキングエラー信号および光記録媒体100の何処を読み出しているかの位置情報等が供給される。フォーカシングエラー信号およびトラッキングエラー信号はシステムコントローラ96を介してサーボ制御回路93に供給される。
サーボ制御回路93は、フォーカシング制御信号によってアクチュエータのフォーカシングコイルを駆動し、トラッキング制御信号によってアクチュエータのトラッキングコイルを駆動する。トラッキング制御信号の低域成分はシステムコントローラ96を介してサーボ制御回路93に供給され、送りモータ92を駆動する。これらによって、フォーカシングサーボ、トラッキングサーボおよび送りサーボのフィードバックサーボが行われる。
また、光記録媒体100の何処を読み出しているかの位置情報は変復調回路94により処理され、スピンドル制御信号としてスピンドルモータ98に供給され、光記録媒体100の再生位置に応じた所定の回転数に制御駆動され、ここから実際の再生が開始される。そして、変復調回路94により処理されて復調された再生データは外部回路95を介して外部に伝送される。
データを記録する場合、フォーカシングサーボ,トラッキングサーボおよび送りサーボのフィードバックサーボをかけるまでは再生と同様の過程を経る。
外部回路95を介して入力される入力データを光記録媒体100の何処に記録するかのコントロール信号が、システムコントローラ96からサーボ制御回路93および変復調回路94に供給される。
サーボ制御回路93では、スピンドルモータ98を所定の回転数に制御するとともに、送りモータ92を駆動して光ピックアップ91を情報記録位置に移動させる。
また、外部回路95を介して変復調回路94に入力された入力信号は、記録フォーマットに基づく変調が行われ、光ピックアップ91に供給される。光ピックアップ91では出射光の変調および出射光パワーが制御されて、光記録媒体100への記録が開始される。
光記録媒体100の種類は再生データ信号で判別する。光記録媒体100の種類を判別する方法として、トラッキングサーボ信号やフォーカスサーボ信号を用いても良い。
再生専用の光情報処理装置および記録と再生の両方の処理可能な光情報処理装置に具備される光ピックアップに、本発明の収差補正手段を用いた光ピックアップを具備していれば、基板厚の異なる光記録媒体の情報の記録、再生品質の精度を高めることができる。
以上のように、本実施形態6における光情報処理装置によれば、単一の対物レンズ106により異なる基板厚さを有する4種類の光記録媒体(BD,HD,DVD,CD)の記録面に良好なスポットが形成可能な光ピックアップを用いて、光記録媒体100に対して情報信号の記録,再生または消去の最適な処理を行うことができる。
本発明に係る光ピックアップおよび光情報処理装置は、使用波長に応じた複数の光源を備えながら、単一の対物レンズにより基板厚さと記録密度の異なる4種類の光記録媒体の記録面に良好に集光し、安定した記録,再生の動作ができ、異なる4種類以上の光記録媒体に対して情報を記録,再生する際に、互換性を有する装置として有用である。
本発明の実施形態1における光ピックアップの概略構成を示す図 収差補正手段の近傍を拡大した断面図 収差補正手段を拡大した断面図 収差補正手段の回折面を示す図 入射光が4段の階段形状の回折構造を通過する−1次回折光の波面の様子を示す図 入射光が4段の階段形状の回折構造を通過する±2次回折光の波面の様子を示す図 (a)はHD系、(b)はDVD系、(c)はCD系の各光記録媒体における波面を示す図 (a)はHD系、(b)はDVD系、(c)はCD系の各光記録媒体における補正した波面を示す図 回折面の高さ(溝深さ)を説明する図 (a)はCD系光記録媒体上に集光する光束、(b)はCD系光記録媒体上に形成されるスポットを示す図 回折面と回折光の強度分布の関係を示す図 収差補正手段の外形の形状を示す図 (a)〜(d)は収差補正手段が四角形状で波長405nmの透過光の波面形状を示す図 (a)〜(d)は収差補正手段が円形状で波長405nmの透過光の波面形状を示す図 実施形態2における光ピックアップの概略構成を示す図 収差補正手段の近傍を拡大した断面図 (a)はHD系、(b)はDVD系、(c)はCD系の各光記録媒体における波面を示す図 本発明の実施形態3における収差補正手段を拡大した断面図 波長405nmにおいてNA0.65とNA0.85の対物レンズを使用したときの波長変動による波面収差の変化を示す図 収差補正手段に形成された位相段差を示す図 段差の有無による波長変化の球面収差量を示す図 波長が6nm変化したときの波面位相の様子を示す図 本発明の実施形態4における収差補正手段を対物レンズの面上に一体化した構成図 本発明の実施形態5における(a),(b)は裏面に波長板を設けた収差補正手段の断面図 本発明の実施形態6における光情報処理装置の概略構成を示す図
符号の説明
91 光ピックアップ
92 送りモータ
93 サーボ制御回路
94 変復調回路
95 外部回路
96 システムコントローラ
98 スピンドルモータ
100 光記録媒体
101,130a,140a 半導体レーザ
102 コリメートレンズ
103 偏光ビームスプリッタ
104 プリズム
105 1/4波長板
106 対物レンズ
107 BD系光記録媒体
108 検出レンズ
110,130c,140c,150 受光素子
117 HD系光記録媒体
120 可動部
121 鏡筒
127 DVD系光記録媒体
130b,140b ホログラム素子
132,142,152 発散角変換レンズ
133,143 波長選択性ビームスプリッタ
137 CD系光記録媒体
200 ピッチ
201a,202a 入射光
201b,202b 出射光
203 光源の強度分布
501,601,701,801 収差補正手段
502,602,702,802 回折面
502a,602a,702a 中心領域
502b,602b,702b 2番目の領域
502c,602c,702c 3番目の領域
502d 近いところ
502e 遠いところ
502f 平坦部の透過波面形状
502g 回折部の透過波面形状
704 段差
805,805a,805b 波長板

Claims (5)

  1. 基板厚:0.1mm、開口数:0.85、使用波長:λ1=405nmのBD系光記録媒体、基板厚:0.6mm、開口数:0.65、使用波長:λ1=405nmのHD系光記録媒体、基板厚:0.6mm、開口数:0.65、使用波長:λ2=660nmのDVD系光記録媒体、基板厚:1.2mm、開口数:0.45、使用波長:λ3=785nmのCD系光記録媒体に対して、記録、再生、消去のうち1以上を行い得る光ピックアップであって、
    前記BD系光記録媒体とHD系光記録媒体とに対応した前記波長:λ1を有する第1の光束を出射する第1の光源と、前記DVD系光記録媒体に対応した前記波長:λ2を有する第2の光束を出射する第2の光源と、前記CD系光記録媒体に対応した前記波長:λ3を有する第3の光束を出射する第3の光源と、
    前記第1〜第3の光束を、前記4種の光記録媒体の各記録面に集光させる単一の対物レンズと、該対物レンズと前記第1〜第3の光源の間に設けた収差補正手段とを備え、
    前記対物レンズは、BD系光記録媒体に対して、波長:λ1の光束による収差が最小になるように設計され、
    前記収差補正手段に、前記第1〜第3の光束が全て、平行光として入射し、
    該収差補正手段の、光束が通過する光線有効径内に回折面が設けられ、該回折面は、開口数:0.45に相当する中心領域と、開口数:0.45〜0.65に相当する2番目の領域と、開口数:0.65〜0.85に相当する3番目の領域とに同心円状に分割され、
    前記中心領域および2番目の領域には、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体における基板厚の相違と、使用波長の相違により生じる球面収差を補正し、かつ開口を切り替えるような回折構造が形成され、
    該回折構造のピッチが、単一の対物レンズを用いて、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体の、基板を透過する際に生じる球面収差を打ち消すように設定され、
    前記中心領域には、段数:3段の階段形状を繰り返し、該繰り返される各階段形状が、光軸中心から外側に向かって、光軸方向の溝深さが低くなるような第1の回折構造が形成され、該第1の回折構造の段階状の溝深さは、波長:λ1の第1の光束が0次光のまま透過するものと−2次回折するものとに分かれ、波長:λ2の第2の光束が−1次回折し、波長:λ3の第3の光束が−3次回折するように設定され、
    前記2番目の領域には、段数:3段の階段形状を繰り返し、該繰り返される各階段形状が、光軸中心から外側に向かって、光軸方向の溝深さが低くなるような第2の回折構造が形成され、該第2の回折構造の階段状の溝深さは、波長:λ1の第1の光束が0次光のまま透過するものと−2次回折するものとに分かれ、波長:λ2の第2の光束が−1次回折し、波長:λ3の第3の光束が−3次回折光を発生しないように設定され、
    前記3番目の領域は平坦であることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 基板厚:0.1mm、開口数:0.85、使用波長:λ1=405nmのBD系光記録媒体、基板厚:0.6mm、開口数:0.65、使用波長:λ1=405nmのHD系光記録媒体、基板厚:0.6mm、開口数:0.65、使用波長:λ2=660nmのDVD系光記録媒体、基板厚:1.2mm、開口数:0.45、使用波長:λ3=785nmのCD系光記録媒体に対して、記録、再生、消去のうち1以上を行い得る光ピックアップであって、
    前記BD系光記録媒体とHD系光記録媒体とに対応した前記波長:λ1を有する第1の光束を出射する第1の光源と、前記DVD系光記録媒体に対応した前記波長:λ2を有する第2の光束を出射する第2の光源と、前記CD系光記録媒体に対応した前記波長:λ3を有する第3の光束を出射する第3の光源と、
    前記第1〜第3の光束を、前記4種の光記録媒体の各記録面に集光させる単一の対物レンズと、該対物レンズと前記第1〜第3の光源の間に設けた収差補正手段とを備え、
    前記対物レンズは、BD系光記録媒体に対して、波長:λ1の光束による収差が最小になるように設計され、
    前記収差補正手段に、前記第1〜第3の光束が全て、平行光として入射し、
    該収差補正手段の、光束が通過する光線有効径内に回折面が設けられ、該回折面は、開口数:0.45に相当する中心領域と、開口数:0.45〜0.65に相当する2番目の領域と、開口数:0.65〜0.85に相当する3番目の領域とに同心円状に分割され、
    前記中心領域および2番目の領域には、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体における基板厚の相違と、使用波長の相違により生じる球面収差を補正し、かつ開口を切り替えるような回折構造が形成され、
    該回折構造のピッチが、単一の対物レンズを用いて、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体の、基板を透過する際に生じる球面収差を打ち消すように設定され、
    前記中心領域には、段数:4段の階段形状を繰り返し、該繰り返される各階段形状が、光軸中心から外側に向かって、光軸方向の溝深さが低くなるような第1の回折構造が形成され、該第1の回折構造の段階状の溝深さは、波長:λ1の第1の光束が0次光のまま透過するものと−1次回折するものとに分かれ、波長:λ2の第2の光束が−1次回折し、波長:λ3の第3の光束が−2次回折するように設定され、
    前記2番目の領域には、段数:3段の階段形状を繰り返し、該繰り返される各階段形状が、光軸中心から外側に向かって、光軸方向の溝深さが高くなるような第2の回折構造が形成され、該第2の回折構造の階段状の溝深さは、波長:λ1の第1の光束が0次光のまま透過するものと−1次回折するものとに分かれ、波長:λ2の第2の光束が−1次回折し、波長:λ3の第3の光束が−3次回折光を発生しないように設定され、
    前記3番目の領域は平坦であることを特徴とする光ピックアップ。
  3. 請求項1または2記載の光ピックアップにおいて、
    前記回折面における、中心から3番目の領域に、光軸方向の厚さが異なる段差を形成したことを特徴とする光ピックアップ
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ピックアップにおいて、
    前記対物レンズと収差補正手段が一体に形成され、前記収差補正手段の回折面の回折構造が、前記対物レンズのレンズ面に形成されたことを特徴とする光ピックアップ。
  5. BD系光記録媒体、HD系光記録媒体、DVD系光記録媒体、CD系光記録媒体に対して、記録、再生、消去のうち1以上を行う光情報処理装置であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップを備えたことを特徴とする光情報処理装置
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