JP4900938B2 - ドロップケーブル - Google Patents

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この発明は、屋外で使用される、架空線から需用場所の取付点に引き入れた引込み線又は光ドロップケーブル(以下、ドロップケーブルと称す)に関し、特に、クマゼミが産卵管を突き刺すことによる心線の損傷を防止したドロップケーブルに関する。
従来の防蝉光伝送ケーブルは、中心に光ファイバ心線を、その両側に間隔をあけてテンションメンバを配し、両者の上に長軸/短軸の比を1〜2とする保護被覆を施し、保護被覆と光ファイバ心線との間に微小ギャップを設け、保護被覆の表面長さ方向に、谷底が円弧状で、谷面と外周面とが交わる部分に微小アールを設けたV字状凹溝を形成し、上記保護被覆の外側に外被を施した支持線を配したものであり、上記V字状凹溝の深さを、保護被覆の短軸の1/12〜1/7とし、円弧の半径を、保護被覆の短軸の1/18〜1/8としたものである(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のドロップ光ファイバケーブルは、光ファイバケーブル本体のシースの光ファイバ心線が位置する部分の両側部に形成された引き裂き用の切り欠き部を、その先端をシースの断面の短辺方向に延長する直線が、光ファイバ心線の中心から0.6mm以上離れた位置となるように配置する(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の光ドロップケーブルは、光ファイバ心線と、この光ファイバ心線の両側に間隔をおいて並行配置された第1及び第2の抗張力体と、これらを一括被覆する断面がほぼ矩形の外被を備えたケーブル本体と、このケーブル本体を支持する支持線を備えた支持線部とを有する光ドロップケーブルにおいて、ケーブル本体の外被表面の光ファイバ心線を挟んだほぼ対角の位置に、それぞれの先端が光ファイバ心線近傍に達する第1及び第2のスリット状ノッチを設ける(例えば、特許文献3参照)。
さらに、従来の自己支持型引込用光ケーブルは、防護テープで挟持した光ファイバ心線の幅方向両端に高張力の引裂き紐を隣接して縦添えし、これらをケーブルシースで被覆して光エレメント部を構成し、該光エレメント部の上記シースの幅方向両端を、上記引裂き紐で引裂くことにより上記シースが表側と裏側とに分割されて光ファイバ心線が露出し取り出せるようにした(例えば、特許文献4参照)。
また、従来のテープドロップケーブルは、光ファイバケーブル心線をケーブル外被で被覆してなるテープドロップケーブルにおいて、ケーブル外被の内部に防護壁を設けた(例えば、特許文献5参照)。
また、従来のテープドロップケーブルは、光ファイバケーブル心線をケーブル外被で被覆してなるテープドロップケーブルにおいて、ケーブル外被の外側に、ケーブル外被との界面を融合させることなく外装被覆を設ける(例えば、特許文献6参照)。
特開2006−65288号公報 特開2002−328276号公報 特開2006−163337号公報 特開2006−113219号公報 特開2006−195109号公報 特開2006−195110号公報
従来の防蝉光伝送ケーブルは、光ファイバ心線がギャップ内で自由に動き、産卵管の先端が光ファイバ心線から外れ直接アタックできなくなり、光ファイバ心線が損傷あるいは断線に至る可能性が小さくなるのではあるが、その後、保護被覆に残る刺入疵から雨水がギャップ内に浸入する場合がある。このため、光ファイバ心線がギャップ内に浸入した水分を吸水し劣化することで、通信障害を引き起こす可能性があるという問題点があった。また、冬季には、ギャップ内の水分が凍結し膨張することで、光ファイバ心線に損傷を与え、通信障害を引き起こす可能性があるという問題点があった。
また、従来の防蝉光伝送ケーブルは、クマゼミが止まり難い形状とし、保護被覆の硬度は90(HDA)以上としているが、本願発明者は、ほぼ同様の形状及び硬度のケーブルにて検証したところ、クマゼミはケーブルの形状に無関係に止まるものであり、硬度90(HDA)以上の保護被覆によっても産卵管が光ファイバ心線に到達してしまい、十分な効果が得られないことがわかった。また、ほぼ同様の形状及び硬度のケーブルを、隣り合う樹木間を水平、及び樹木の幹に沿って垂直に布設して検証したところ、水平布設と比較して垂直布設では、クマゼミがケーブルに産卵管を突き刺す可能性が非常に低く、適正な評価ができないことがわかった。特に、実際に通信に使用するドロップケーブルにおいては、ドロップケーブルを樹木の幹に沿って垂直に布設することはほとんどないことから、従来の防蝉光伝送ケーブルの垂直布設による評価が必ずしも適切であるとは言えないものである。
また、従来のドロップ光ファイバケーブル及び光ドロップケーブルについては、本願発明者は、ほぼ同様の形状のケーブルにて検証したところ、切り欠き部(ノッチ)がない部分にも産卵管が突き刺され、光ファイバ心線まで到達しており、十分な効果が得られないことがわかった。
また、従来の自己支持型引込用光ケーブル及びテープドロップケーブルは、防護テープ、防護壁又は外装被覆を、ケーブルの構成部材として新たに追加する必要があるために、ケーブルの製造が困難となるうえに、ケーブルのコストが高くなるという問題点があった。
さらに、従来の防蝉光伝送ケーブル(ドロップ光ケーブル、光ドロップケーブル、自己支持型引込用光ケーブル、テープドロップケーブル)に使用される保護被覆(シース、外被、ケーブルシース、ケーブル外被、外装被覆)は、被覆された光ファイバ心線を保護被覆から取り出し易くするために、軟質塩化ビニル樹脂や低密度ポリエチレンなどの比較的柔らかい材料である。このため、クマゼミが保護被覆に対して容易に産卵管を突き刺すことができるうえに、保護被覆が変形し易いために、産卵管を突き刺した際に、保護被覆内にある産卵管の体積分に相当する保護被覆の一部がケーブルの表面側に突出することで、保護被覆内に卵を産み付ける空間が容易に形成できてしまう。したがって、クマゼミにとって、ケーブルは格好の産卵場となってしまい、光ファイバ心線に被害を受けてしまう可能性が高くなるという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ドロップケーブルの部材点数を増加することがなく、クマゼミの産卵管を心線に到達させない保護被覆を備えたドロップケーブルを提供するものである。
この発明に係るドロップケーブルにおいては、心線を単層の保護被覆で被覆してなるドロップケーブルであって、前記保護被覆は、引張弾性率100%モジュラスが12〜30MPaであり、引張強度が15〜40MPaであり、ショアD硬度がHDD50〜80であるオレフィン系樹脂の熱可塑性樹脂からなる。
た、この発明に係るドロップケーブルにおいては、必要に応じて、前記保護被覆は、比重が0.9〜1.15である。
この発明に係るドロップケーブルにおいては、心線を単層の保護被覆で被覆してなるドロップケーブルであって、前記保護被覆は、引張弾性率100%モジュラスが12〜30MPaであり、引張強度が15〜40MPaである熱可塑性樹脂からなることにより、クマゼミが産卵管をドロップケーブルに突き刺したとしても、保護被覆が膨張するような変形が生じず、卵を産み付けるための空間を保護被覆内に確保することができないために、クマゼミに保護被覆内への産卵を断念させるとともに、ドロップケーブルに対する産卵管の突き刺しを断念させる可能性がある。
また、この発明に係るドロップケーブルにおいては、前記保護被覆は、ショアD硬度がHDD50〜80であるオレフィン系樹脂の熱可塑性樹脂からなることにより、クマゼミの産卵管が心線に到達することがないために、心線を損傷することがなく、通信障害に至ることがないドロップケーブルを提供することができる。また、クマゼミが産卵管をドロップケーブルに突き刺したとしても、保護被覆が膨張するような変形が生じず、産卵管を奥まで突き刺すことができず、卵を産み付けるための空間を保護被覆内に確保することができないために、クマゼミに保護被覆内への産卵を断念させるとともに、ドロップケーブルに対する産卵管の突き刺しを断念させる可能性がある。
さらに、この発明に係るドロップケーブルにおいては、必要に応じて、前記保護被覆は、比重が0.9〜1.15であることにより、同じ厚さの従来の保護被覆と比較してドロップケーブルが軽量化されることで、クマゼミがドロップケーブルに止まった場合に、ドロップケーブルが振動しやすく、ドロップケーブルに産卵管を奥深く突き刺すことなく、他の安定した場所に向けて飛び立たせる可能性がある。
(本発明の第1の実施形態)
図1はこの発明を実施するための第1の実施形態における光ドロップケーブルを示す横断面図である。図1において、この第1の実施形態における光ドロップケーブル100は、保護被覆1で被覆される本体部10と支持線部20とをブリッジ部30で接合して形成される。
本体部10は、保護被覆1に被覆された二心の光ファイバ心線2と、この光ファイバ心線2の両側に配設されるアラミド繊維強化プラスチック製の二本の補強線3とを備える構成である。また、本体部10の保護被覆1の表面における側面対向位置にノッチ部11が形成され、このノッチ部11により管路入線の際に管路内壁に対する接触面積を極力小さくして摩擦係数を小さくすると共に、本体部10自体の適当な屈曲性を獲得している。特に、このノッチ部11は、保護被覆1から光ファイバ心線2を引き出す場合に切開作業を簡易確実に行なうことができる。
支持線部20は、鋼製のメッセンジャーワイヤ4を本体部10と同じ保護被覆1で被覆して構成される。
ここで、光ファイバ心線に対する保護被覆の厚さは、約0.6mm以上であり、この第1の実施形態における光ドロップケーブル100においても、保護被覆1は、本体部10において、光ファイバ心線2の放射状方向に0.6mm以上の厚さで被覆されている。
保護被覆1は、後述する実施例で示すように、引張弾性率100%モジュラスが12MPa以上であり、引張強度が15MPa以上である、オレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂又はゴム系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる。
なお、保護被覆1は、本体部10自体の適当な屈曲性を獲得することや、保護被覆1から光ファイバ心線2を引き出す場合に切開作業を簡易確実に行なうことができるために、引張弾性率100%モジュラスが30MPa以下であり、引張強度が40MPa以下である熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
また、保護被覆1は、前述した特性を有すると共に、後述する実施例で示すように、ショアD硬度がHDD50以上である熱可塑性樹脂からなることがさらに好ましい。また、保護被覆1は、本体部10自体の適当な屈曲性を獲得することや、保護被覆1から光ファイバ心線2を引き出す場合に切開作業を簡易確実に行なうことができるために、ショアD硬度がHDD80以下である熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
さらに、保護被覆1は、前述した特性を有すると共に、比重が1.15以下である熱可塑性樹脂からなることにより、同じ厚さの従来の保護被覆と比較して光ドロップケーブル100が軽量化されることで、クマゼミが光ドロップケーブル100に止まった場合に、光ドロップケーブル100が振動しやすく、光ドロップケーブル100に産卵管を奥深く突き刺すことなく、他の安定した場所に向けて飛び立たせることとなり好ましい。また、保護被覆1は、使用する可能性のある材料により、比重が0.9以上である熱可塑性樹脂を選択することが考えられる。
以上のように、この第1の実施形態に係る光ドロップケーブル100は、保護被覆1の材料を、引張弾性率100%モジュラス及び引張強度が最適な範囲の熱可塑性樹脂からなることにより、クマゼミが産卵管を光ドロップケーブル100に突き刺したとしても、保護被覆1が膨張するような変形が生じず、卵を産み付けるための空間を保護被覆1内に確保することができないために、クマゼミに保護被覆1内への産卵を断念させるとともに、光ドロップケーブル100に対する産卵管の突き刺しを断念させることができる。
また、保護被覆1の材料を、ショアD硬度が最適な範囲の熱可塑性樹脂からなることにより、クマゼミの産卵管が光ファイバ心線2に到達することがないために、光ファイバ心線2を損傷することがなく、通信障害に至ることがない。
また、保護被覆1の材料を、比重が最適な範囲の熱可塑性樹脂からなることにより、同じ厚さの従来の保護被覆と比較して光ドロップケーブル100が軽量化されることで、クマゼミが光ドロップケーブル100に止まった場合に、光ドロップケーブル100が振動しやすく、光ドロップケーブル100に産卵管を奥深く突き刺すことなく、他の安定した場所に向けて飛び立たせることができる。
(本発明の第2の実施形態)
図2(a)はこの発明を実施するための第2の実施形態における二心の光ドロップケーブルを示す横断面図、図2(b)はこの発明を実施するための第2の実施形態における四心の光ドロップケーブルを示す横断面図、図3はこの発明を実施するための第2の実施形態における他の光ドロップケーブルを示す横断面図、図4はこの発明を実施するための第2の実施形態におけるさらに他の光ドロップケーブルを示す横断面図である。図2乃至図4において、図1と同じ符号は、同一または相当部分を示し、その説明を省略する。
この第2の実施形態においては、ノッチ部の形状が異なるところのみが第1の実施形態と異なるところであり、後述するノッチ部による作用効果以外は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
図2(a)において、この第2の実施形態に係る光ドロップケーブル100は、前述した第1の実施形態と同様に、本体部10と支持線部20とをブリッジ部30で接合して形成される一方、異なる点として、保護被覆1表面のノッチ部12が、くさび状の断面形状とされ、ノッチ部12の入口側から奥側に向うノッチ部中心線12aが、補強線3同士を結ぶ直線に対し所定角度分傾いて光ファイバ心線2を通らない斜め向きの線となるように配置される構成を有するものである。
本体部10は、保護被覆1に被覆された二心の光ファイバ心線2と、この光ファイバ心線2の両側に配設されるアラミド繊維強化プラスチック製の二本の補強線3とを備える構成である。また、本体部10の保護被覆1の表面における本体部10を中心とした回転対称位置にくさび状のノッチ部12が斜めに形成され、保護被覆1から光ファイバ心線2を引き出す場合に保護被覆1の切裂き作業を容易に行なえるようにする本来の作用の他に、管路入線の際にこのノッチ部12の外側にある保護被覆1の薄い突出片部分が撓むことにより、管路内壁や既設ケーブルに対する接触面積を極力小さくして摩擦係数を小さくすることができる。さらに、ノッチ部12の深さ方向が光ファイバ心線2からずれていることで、このような狭隙部分に産卵管を刺し入れる性質のあるセミ等の昆虫による心線損傷の被害を避けられることとなる。
ノッチ部12は、そのノッチ部中心線12aが補強線3同士を結ぶ直線に対し15°〜45°の傾きをなし、且つノッチ部中心線12aの延長上に補強線3が位置するように配置するのが好ましい。また、ノッチ部12のくさび状断面の開き角は30°以下とするのが好ましい。さらに、本体部10の断面形状が図2に示すような矩形状である場合に、ノッチ部12は本体部10の隅部にノッチ部12の開口が位置するように配置するのが、識別用表示の配置やケーブル取扱い性の点で望ましい。
支持線部20は、前述した第1の実施形態と同様に、鋼製のメッセンジャーワイヤ4を本体部10と同じ保護被覆1で被覆して構成される。
以上のように、この第2の実施形態に係る光ドロップケーブル100は、前述した第1の実施形態と同様に、クマゼミが卵を産み付けるための空間を保護被覆1内に確保することができないことや産卵管が光ファイバ心線2に到達しないことに加え、本体部10にノッチ部12を適切に配置することで、光ファイバ心線2の損傷の危険性を小さくでき、架空配線状態での耐久性やケーブルとしての信頼性を高めることができる。
なお、前述した各実施形態に係る光ドロップケーブル100において、本体部10内に光ファイバ心線2が二本を縦に並べて配置される構成としているが、この構成に限らず、図2(b)又は図4に示すように、光ファイバ心線2の数やその並べ方は本体部10に適切に収められる範囲で適宜設定することができる。また、光ファイバ心線2については、単心の光ファイバ心線2を一又は複数本配置する構成に限らず、複数本の光ファイバ心線2が共通被覆で一体となった束状やテープ状の心線を一又は複数組配置する構成とすることもできる。
また、前述した各実施形態に係る光ドロップケーブル100においては、保護被覆1表面のノッチ部11,12を、光ファイバ心線2を中心として回転対称となる二箇所にそれぞれ設ける構成としているが、この構成に限らず、手による外被の切裂き、心線取り出し操作が容易に行なえるものであれば、配置位置は光ファイバ心線2周囲のどの位置でもかまわない。また、ノッチ部の配置数も二つに限らず、一つ若しくは三つ以上とすることもでき、ノッチ部の配置数を増やせば本体部10における屈曲性増大も図れることとなる。
さらに、心線取り出し用の工具が常時使用できる場合や、ノッチ部の存在による強度低下や心線損傷の危険性増大といったリスクをなるべく小さくしたい場合には、図3に示すように、前述した各実施形態と同様に、光ファイバ心線2と補強線3を保護被覆1で被覆した本体部10及び支持線部20を備える構造を有しながら、ノッチ部を全く設けない構成の光ドロップケーブル100とすることもできる。
また、前述した各実施形態に係る光ドロップケーブル100において、メッセンジャーワイヤ4を保護被覆1で被覆した支持線部20が本体部10と一体化されて光ドロップケーブル100をなす構成としているが、宅内引込時など必要に応じて支持線部20を分離除去して本体部10のみ管路挿入等で取扱うことができる。
さらに、図4に示すように、当初から支持線部20を用いず、光ファイバ心線2と補強線3を保護被覆1で被覆し、表面にノッチ部13を設けた本体部10のみで光ドロップケーブル100をなす構成とすることもでき、架空状態での強度がそれほど必要でない場合に簡略な構造を採用することでコストダウンが図れると共に、宅内引込時等の管内挿入作業への移行も、支持線部20との切離し等の手間なく容易且つ速やかに行なえ、切離し後のブリッジ部30の残り等も存在しないことで摩擦抵抗を減らしてスムーズに作業が行なえる。
さらに、前述した各実施形態に係る光ドロップケーブル100において、補強線3を光ファイバ心線2及びメッセンジャーワイヤ4と直線上に並ぶ配置として二本配設する構成としているが、これに限らず、ケーブルの用途や設置環境に応じて心線に対する補強線3の配置位置や配置数を適宜変更してもかまわない。
なお、前述した各実施形態においては、心線が光ファイバ心線2である光ドロップケーブル100について説明したが、電話線などの金属性導体を心線とする引込み線についても、クマゼミが産卵管を突き刺すことにより、引込み線内に雨水が浸入し、金属製導体が腐食して断線する通信障害に至るという事例がある。このため、前述した各実施形態に係る光ドロップケーブル100と同様の特性を持った保護被覆1によって引込み線の心線を被覆することで、同様の作用効果を奏することができる。
つぎに、前述した各実施形態に係る光ドロップケーブル100による作用効果を、本発明に係る実施例及び比較例を用いた検証試験の結果を示して説明する。
図5は実施例及び比較例の特性を示した説明図、図6は引張弾性率100%モジュラス及び引張強度と産卵との関係を示した説明図、図7はショアD硬度と産卵管による刺し傷の深さとの関係を示した説明図、図8は産卵管による刺し傷の測算結果を示した説明図である。
図5において、実施例1乃至実施例6は、引張弾性率100%モジュラスが12MPa以上であり、引張強度15MPa以上である特性を有する保護被覆1からなる光ドロップケーブル100である。特に、実施例1及び実施例2は、ショアD硬度がHDD50以上の特性を有する保護被覆1からなる光ドロップケーブル100である。
まず、外形寸法が横断面において、幅が約2mm又は3mm、高さが約5mm又は6mmであり、図3に示す構造に、実施例1乃至実施例6又は比較例1乃至比較例5を保護被覆1としてそれぞれ適用した光ドロップケーブルを試作して、フィールドで検証試験を行なった。
フィールドでの検証試験は、試作した光ドロップケーブルを、隣り合う樹木間を布設長が13mで水平に布設した状態と、樹木の幹に沿って布設長が2mで垂直に2本布設した状態とにおいて、光ドロップケーブル内のクマゼミによる産卵の有無を確認した。また、産卵管による刺し傷の深さを測定した。この結果を図6及び図7に示す。
図6及び図7において、黒丸(●)が各実施例を示し、白丸(○)が各比較例を示しており、丸数字(1)乃至(11))が図5における各実施例及び各比較例の丸数字にそれぞれ対応
している。
図6に示すように、光ドロップケーブル100は、二点鎖線で囲まれた領域である、引張弾性率100%モジュラスが12MPa以上であり、引張強度が15MPa以上である特性を有する保護被覆1からなることにより、クマゼミによる産卵を防止できることがわかる。
特に、実施例6を保護被覆1とした光ドロップケーブル100は、図7に示すように、産卵管による刺し傷の深さが1.7mmにも達しているにも関わらず、クマゼミによる産卵が無かった。このことは、保護被覆1が膨張するような変形が生じず、卵を産み付けるための空間を保護被覆1内に確保することができないために、クマゼミに保護被覆1内への産卵を断念させたものと考えられる。
しかしながら、産卵管による刺し傷の深さが1.7mmにも達しているということは、前述したように、この発明に係る光ドロップケーブル100における保護被覆1は、本体部10において、光ファイバ心線2の放射状方向に0.6mm以上の厚さで被覆されていることにより、例えば、最小値である0.6mmの厚さの保護被覆1に被覆された光ドロップケーブル100においては、産卵管が光ファイバ心線2に到達してしまう可能性がある。
そこで、クマゼミが産卵管を突き刺す深さが0.6mm以下となるように、図7に示す近似曲線から、産卵管による刺し傷の深さ0.6mmに対応するショアD硬度としてHDD50を算出し、クマゼミの産卵管が光ファイバ心線2に到達しないショアD硬度の下限値を特定した。
つぎに、外形寸法が横断面において、幅が約2mm又は3mm、高さが約5mm又は6mmであり、図2(a)、図2(b)又は図3に示す各構造に、実施例1又は比較例2を保護被覆1としてそれぞれ適用した光ドロップケーブルを試作して、フィールドで検証試験を行なった。
なお、実施例1又は比較例2は、ショアA硬度はHDA95で同等であるが、日本工業規格のJIS K 7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)に記載されているように、デュロメータのタイプを選ぶ場合には、タイプAデュロメータで90以上のときは、タイプDデュロメータを用いるのが望ましいことにより、ショアD硬度についても測定している。このショアD硬度においては、実施例1と比較例2とは顕著な差異がある。
フィールドでの検証試験は、試作した光ドロップケーブルを、隣り合う樹木間を布設長が13mで水平に布設した状態と、樹木の幹に沿って布設長が2mで垂直に2本布設した状態とにおいて、クマゼミの産卵管による刺し傷の個数を、光ドロップケーブルの構成部毎に集計した。また、刺し傷の心線への到達の有無及び光ドロップケーブル内の産卵の有無を確認した。
図8に示すように、保護被覆の材料の違いにおいて、比較例2は、実施例1と比較して、産卵管による刺し傷の数が2.4倍以上(ノッチ部の有無の違いでは5倍以上)となり格段に多いことがわかる。また、刺し傷の深さを観察すると、比較例2は光ファイバ心線まで到達しているが、実施例1は光ファイバ心線には全く到達していなかった。
ここで、クマゼミは、枯れ枝の中に卵を産み付ける習性があり、光ドロップケーブルと枯れ枝との見分けがつかないようで、光ドロップケーブルに産卵管を突き刺すのである。これに対し、実施例1は、保護被覆1の奥深くに産卵管を突き刺すことができず、突き刺した光ドロップケーブルが枯れ枝でなかったと認識したために、刺し傷はあるものの、再度の突き刺しが行なわれず、比較例2と比較して、産卵管による刺し傷の数が極端に少なくなったものと考えられる。
また、光ドロップケーブルの横断面形状の違いにおいて、支持線部、ブリッジ部、本体部及びノッチ部に関係なく刺し傷があることがわかる。すなわち、ノッチ部は、産卵管を突き刺すときのガイドのような役割を果たしているわけではないことがわかる。ただし、ノッチ部及びブリッジ部は、支持線部及び本体部と比較して、刺し傷の深さは深いものであった。このため、前述した第2の実施形態における、ノッチ部中心線12aが光ファイバ心線2を通らない斜め向きの線となるように配置される構成を有するノッチ部12であれば、効果があると考えられる。
また、布設状態の違いにおいて、水平布設は、垂直布設と比較して、産卵管による刺し傷が格段に多く、樹木に接している部分近傍に刺し傷が集中していた。特に、垂直布設した場合には、樹木の幹に産卵管を突き刺す可能性が高くなり、光ドロップケーブルには突き刺されないものと考えられる。
この発明を実施するための第1の実施形態における光ドロップケーブルを示す横断面図である。 この発明を実施するための第2の実施形態における光ドロップケーブルを示す横断面図であり、(a)は二心の光ドロップケーブルを示す横断面図であり、(b)は四心の光ドロップケーブルを示す横断面図である。 この発明を実施するための第2の実施形態における他の光ドロップケーブルを示す横断面図である。 この発明を実施するための第2の実施形態におけるさらに他の光ドロップケーブルを示す横断面図である。 実施例及び比較例の特性を示した説明図である。 引張弾性率100%モジュラス及び引張強度と産卵との関係を示した説明図である。 ショアD硬度と産卵管による刺し傷の深さとの関係を示した説明図である。 産卵管による刺し傷の測算結果を示した説明図である。
符号の説明
1 保護被覆
2 光ファイバ心線
3 補強線
4 メッセージワイヤ
10 本体部
11,12,13 ノッチ部
12a ノッチ部中心線
20 支持線部
30 ブリッジ部
100 光ドロップケーブル

Claims (2)

  1. 心線を単層の保護被覆で被覆してなるドロップケーブルであって、
    前記保護被覆は、引張弾性率100%モジュラスが12〜30MPaであり、引張強度が15〜40MPaであり、ショアD硬度がHDD50〜80であるオレフィン系樹脂の熱可塑性樹脂からなることを特徴とするドロップケーブル。
  2. 前記請求項1に記載のドロップケーブルであって、
    前記保護被覆は、比重が0.9〜1.15であることを特徴とするドロップケーブル。
JP2006310361A 2006-11-16 2006-11-16 ドロップケーブル Active JP4900938B2 (ja)

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