JP4900619B2 - 微細炭素繊維撚糸を連続的に製造する方法、及び装置 - Google Patents

微細炭素繊維撚糸を連続的に製造する方法、及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、化学気相成長によって得られる微細炭素繊維から連続的に撚糸を製造する方法、及び装置に関する。
微細炭素繊維は、電気特性、力学特性等に優れており、電解放出型ディスプレイ、導電性フィラー等をはじめ、様々な産業への利用および応用が期待されている。
近年、カーボンナノチューブからなる微細炭素繊維およびそれを使ったカーボンナノチューブシートが提案されている(特許文献1及び非特許文献1、2、)。
非特許文献1においては、化学気相成長法で基板上に高密度・高配向に成長させた微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維撚糸を形成する方法が開示されている。
特許文献1,非特許文献2においては、化学気相成長法で基板上に高密度・高配向に成長させた微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維シートや微細炭素繊維ロープを形成し得ることが開示されている。
前記の微細炭素繊維撚糸およびシートは、その既存にない形態から、新たな用途への使用が予想され、種々の産業への応用が期待されている。
産業への応用に際しては、上記のような微細炭素繊維撚糸やシートを連続的に、かつ均質に作製して巻き取れることが必須である。微細炭素材料繊維を基板から引き出す時の張力は、通常0.05〜0.5mNと極めて小さい。何らかの原因でこの値を超えると容易に糸切れが起こってしまう。この繊細さが微細炭素材料撚糸を製造する上での最大の克服すべき課題である。
非特許文献1では、モーターの回転軸の先に爪楊枝製のスピンドルを装着し、該スピンドルの先端に複数本の微細炭素繊維を接続した状態で、該スピンドルを回転させながら該スピンドルの先端が微細炭素繊維の集合体基板から離れることで、微細炭素繊維撚糸を製造している。しかしこの方式では、作製可能な微細炭素繊維撚糸の長さはモーターの移動可能距離と等しいため、一度に作製できる微細炭素繊維撚糸の長さは根本的に制限されてしまう。そのため、撚りをかけるスピンドルと、微細炭素繊維の基板との間の距離が大きくなると、引き出した微細炭素繊維撚糸の不安定な揺動が工程の不安定さを誘発して糸切れが多発したり、撚りの伝達具合が変化することによる斑が撚糸に発生してしまう、といった懸念点がある。
一方で通常の天然繊維の紡績に用いられる方法として、リング紡績方式、フライヤ精紡方式等が挙げられる。これらの方法は連続的に撚糸を生産可能であるが、本発明で扱う微細炭素繊維は非常に微細なため摩擦に弱く、工程で摩擦を受ける従来の手法を用いることは困難であった。従ってこのような方法を用いる限り、産業への応用は難しい状況であった。(非特許文献3参照)
国際公開WO2005/102924号パンフレット チャン等、「古代技術を小型化することによる多機能カーボンナノチューブ繊維」、サイエンス誌、米国、米国科学振興協会発行、2004年11月19日、第306巻、1358〜1361頁(Zhang et al., ,Science, AAAS, "Multifunctional Carbon Nanotube Yarns by Downsizing an Ancient Technology",VOL 306,1358-1361, 19 November 2004) チャン等、「強靱で透明な多機能カーボンナノチューブシート」、サイエンス誌、米国、米国科学振興協会発行、2005年8月19日、第309巻、1215〜1219頁(Zhang et al.,Science, AAAS, "Strong, Trasnsparent, Multifunctional, Carbon Nanotube sheets", 309,1215-1219, 19 August 2005) 著者名:熨斗秀夫他、基礎繊維工学[II]、日本繊維機械学会、昭和41年12月20日発行、249頁
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、微細炭素繊維の撚糸を連続的に製造するのに適した方法、及び装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造方法は、基板上に微細炭素繊維の集合体を化学気相成長させる成長工程と、前記基板上の集合体から微細炭素繊維を連続的に引き出してボビンに巻き取る、巻取工程と、前記基板及びボビンの少なくとも一方を回転させることによって、前記基板上の微細炭素繊維の集合体から連続的に引き出されて前記ボビンに巻き取られる微細炭素繊維に撚りをかけ、微細炭素繊維撚糸を形成する、撚り合わせ工程と、を有し、前記撚り合わせ工程と巻取工程とを同時に行うことを特徴とする。
前記撚り合わせ工程において微細炭素繊維に撚りをかける方法が、前記基板を回転させることによるものであり、前記撚り合わせ工程は、前記微細炭素繊維の集合体を有する基板を複数用意し、各基板を通る回転軸線回りに各々の基板を回転させることによって前記集合体から引き出した微細炭素繊維を撚って微細炭素繊維撚糸を形成しつつ、前記複数の基板を共通の回転軸線回りに更に回転させることによって前記微細炭素繊維撚糸どうしをさらに撚合わせても良い。
また、微細炭素繊維撚糸の糸切れをリカバリーするリカバリー工程を更に有し、該リカバリー工程は、前記微細炭素繊維の集合体の側面に極細軸状部を有する引出具の該極細軸状部を突き刺した後、該極細軸状部に前記微細炭素繊維を付着させ、基板から微細炭素繊維を無撚りのまま引き出し、または基板または引出具を回転させて微細炭素繊維の撚糸にして引き出し、引き出した撚糸の端部を、既にボビン上に巻き取った微細炭素繊維撚糸の一端に重ね合わせた後、その重ね合わせた部分に撚りを掛けて両撚糸を接続し、前記引出具の極細軸状部に繋がっている微細炭素繊維撚糸を該引出具から切り離すことにより、2本の撚糸を接続するようにしても良い。
1対のボビンに巻き取られた各々の微細炭素繊維撚糸を繋げる接続工程を更に含み、前記接続工程は、一端が第1のボビンに捲きつけられている第1の撚糸の他端を引き出し、一端が第2のボビンに捲きつけられている第2の撚糸の他端に前記第1の撚糸の他端を重ね合わせ、重ね合わせた部分に撚りを掛けて両撚糸を接続することにより、2本の微細炭素繊維の撚糸を接続するようにしても良い。
接続すべき2本の撚糸の重ね合わせ部分に、微細炭素材繊維の集合体を化学気相成長させた基板から引き出した幅広のシート状の微細炭素繊維で覆った後、該重ね合わせ部分に撚りを掛けて接続しても良い。
前記重ね合わせた部分に炭素数1〜5のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、アセトニトリル、又は、水の中から選ばれた液体を付与した後、該重ね合わせ部分に撚りを掛けることが好ましい。
また、前記成長工程において、微細炭素繊維を平均長さ(L)が0.02mm以上となるように成長させ、前記撚り合わせ工程は、直径(D)がD<(L/π)に設定された極細軸状部を有する引出具を回転させながら、または該引出具を回転させずに、基板上に成長させられた微細炭素繊維の集合体の側面に前記極細軸状部を突き刺して所定距離進入させ、前記引出具を所定回転数で回転させながら微細炭素繊維を引き出す工程を含んでも良い。
さらに、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造方法は、基板上に微細炭素繊維の集合体を化学気相成長させる成長工程と、前記基板上の微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維を連続的に引き出しつつ、ボビンを回転させることによって該微細炭素繊維に撚りをかけて微細炭素繊維撚糸を形成する、引き出し撚り合わせ工程と、引き出されて撚りをかけられた微細炭素繊維撚糸をボビンに巻き取る巻取工程と、を有し、前記引き出し撚り合わせ工程では、前記微細炭素繊維が引き出される方向に巻取回転軸線が沿う第1の配置と、前記微細炭素繊維が引き出される方向と巻取回転軸線が交差する第2の配置とを配置転換可能なボビンを用い、前記第1の配置において該ボビンの一端に前記微細炭素繊維を接続した状態で該ボビンを巻取軸線回りに回転させつつ、前記基板及び前記ボビンの少なくとも一方を互いに離れる方向に移動させることにより、前記基板上の微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維を引き出しつつ撚りをかけ、前記巻取工程では、前記ボビンの回転を停止させた状態で前記第2の配置に配置転換させた後、該ボビンを前記巻取回転軸線回りに回転させるとともに、該ボビンの回転と同期して前記基板と前記ボビンとの距離が縮まるように前記基板及び前記ボビンの少なくとも一方を移動させることにより、第2工程において引き出されて撚りをかけられた微細炭素繊維撚糸を前記ボビンに巻き取り、前記引き出し撚り合わせ工程と前記巻取工程とが、交互に行われることを特徴とする。
また、本発明は、上記の何れかの方法によって製造された直径1〜100nmの微細炭素繊維から成る微細炭素繊維撚糸であって、表面撚り角度が10〜50°であり、引張強度が200MPa以上を有する微細炭素繊維撚糸を提供する。
さらに、上記目的を達成するため、本発明は、基板上に化学気相成長させた微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維の撚糸を連続的に製造する装置であって、前記基板を保持する基板保持部と、前記微細炭素繊維撚糸を巻取駆動するボビンと、前記基板保持部によって保持された基板上の前記集合体から引き出されてボビンに巻き取られる微細炭素繊維に撚りをかけるように、ボビンの巻取駆動と連動し、前記基板保持部及び前記ボビンの少なくとも一方を回転駆動させる、撚り合わせ機構と、を備えることを特徴とする前記装置を提供する。
前記基板保持部は、前記基板上の前記集合体から引き出される微細炭素繊維と該基板との干渉を避けるように、該保持部の回転軸線が前記ボビンの周縁部に向けられ、且つ、前記基板を前記保持部の回転軸線と非平行に保持するように構成されていることが好ましい。
また、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置は、複数の前記基板保持部を支持する支持体と、各基板保持部に保持された基板上の前記集合体の各々から引き出される微細炭素繊維に撚りをかけるために前記複数の基板保持部の各々を回転駆動する複数の第1駆動部と、前記微細炭素繊維撚糸どうしをさらに撚合わせるために前記支持体を回転駆動する第2駆動部と、を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置は、前記前記基板上からの微細炭素繊維の引出位置付近に風防を備えることが好ましい。
また、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置は、基板上の微細炭素繊維切れ又は、基板からの微細炭素繊維の引き出し状態を監視する監視装置を更に備え、該監視装置は、微細炭素繊維を化学気相成長させた基板とボビンとの間に存在する撚りを掛けながら基板から引き出された微細炭素繊維撚糸を撮影する撮像装置と、該撮像装置によって得られた画像データを画面上に拡大して映し出すディスプレイと、該ディスプレイに映し出された映像の画像データを走査し撚糸を構成する画素数が減少した時に糸切れと判定する判定手段と、を有することが好ましい。
また、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置は、前記基板上に成長させられた微細炭素繊維の集合体の側面に突き刺して微細炭素繊維を引き出すための極細軸状部を有する引出具と、該引出具を軸線回りに回転させる回転駆動装置と、を備え、該引出具の極細軸状部の直径(D)は、前記基板上に成長させられた微細炭素繊維の平均長さ(L)に対し、D<(L/π)に設定されていることが好ましい。
前記引出具は、前記極細軸状部の外周面に周溝、螺旋溝、及び突起の少なくとも何れかを有することが好ましい。
また、本発明は、基板上に化学気相成長させた微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維の撚糸を連続的に製造する装置であって、前記基板を保持する基板保持部と、前記微細炭素繊維撚糸を巻取駆動するボビンと、を有し、前記ボビンは、前記微細炭素繊維を接続するための先細端部が巻取回転軸線方向一端に形成されるとともに、該先細端部が前記基板保持部の側を向き前記微細炭素繊維が引き出される方向に巻取回転軸線が沿う第1の配置と、前記微細炭素繊維が引き出される方向と巻取回転軸線が交差する第2の配置とを配置転換可能とされ、前記ボビン及び基板保持部の少なくとも一方が、互いに接近又は離反するように往復動自在に設けられていることを特徴とする前記装置を提供する。
本発明によれば、微細炭素繊維の集合体が形成された基板、及びボビンの少なくとも一方を回転させて前記集合体から引き出される微細炭素繊維に撚りをかけ、ボビンに巻き取ることにより、微細炭素繊維撚糸を連続的に製造することができる。
カーボンナノチューブを高密度・高配向で成長させたシリコン基板を500倍に拡大して示すSEM写真である。 本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置の第1実施形態を示す側面図である。 図2の装置の正面図である。 図2の一部を拡大して示す断面図である。 図2の装置によって製造されたカーボンナノチューブの撚糸を1000倍に拡大して示すSEM写真である。 簡略化した図1の装置と、糸切れをリカバリーする引出具とを示す平面図である。 図6の一部を拡大して示す側面図である。 微細炭素繊維撚糸の糸切れをリカバリーする方法を説明するための説明図である。 2つのボビン上の微細炭素繊維撚糸の接続方法を説明するための説明図である。 シート状微細炭素繊維の引き出し状態を拡大して示す平面図である。 本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置の第2実施形態を概念的に示す斜視図である。 図11に示す装置において、微細炭素繊維の集合体を成長させた基板を縦置きに配置した態様を示す斜視図である。 図11に示した装置によって4つの基板から微細炭素繊維を引き出して製造した撚糸を5000倍に拡大して示すSEM写真である。 本発明に係る微細炭素繊維撚り糸の製造装置の第3実施形態を示す側面図である。 図14の装置のXV−XV視図である。 図15のXVI−XVI断面図である。 本発明に係る微細炭素繊維撚り糸の製造装置の第4実施形態を示す平面図である。 図17の装置の側面図である。 図17の装置の他の作動状態を示す平面図である。 図17の装置の側面図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D…微細炭素繊維撚糸の製造装置
2 基板保持装置
3 ボビン
4 巻取装置
5 基板
6 基板保持部
7 第1駆動部
18 風防
19 撚糸ガイド
20 支持体
21 引出具
21a 極細軸状部
30 基板保持装置
31 先細端部
32 ボビン
33 巻き取り装置
34 第1駆動部
C 微細炭素繊維の集合体
本発明を実施するための最良の実施形態について、以下、図面を参照しつつ説明する。なお、全図、及び全実施形態を通じ、同様の構成部分に同符号を付した。
本発明は、基板上に化学気相成長させた微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維の撚糸を連続的に製造する方法及び装置に関する。
基板上に形成される微細炭素繊維の集合体について、以下に詳細に説明する。
基板は、限定的でなく、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、プラスチック基板;ガラス基板;シリコン基板;鉄、銅等の金属又はこれらの合金を含む金属基板;などを用いることができる。これらの基板の表面には二酸化ケイ素膜が積層されていてもよい。本発明では、特に、熱酸化あるいは蒸着による二酸化ケイ素膜の着いたシリコン基板上に鉄を蒸着又はスパッタリング等することにより得られる鉄皮膜積層シリコン基板を用いることが好ましい。これにより、高密度かつ高配向で形成されたカーボンナノチューブ集合体を製造できる。
基板上に化学気相成長させる微細炭素繊維は、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等の気相成長炭素繊維である。
これら微細炭素繊維の形態は特に限定されるものではないが、容易に微細炭素繊維撚糸を形成しやすいことなどの理由から、好ましくは、基板上に高密度かつ高配向で形成された集合体であることが望ましい。
高密度とは、基板上のカーボンナノチューブの嵩密度が1〜1000mg/cm、好ましくは10〜500mg/cm、さらに好ましくは10〜100mg/cmである。この範囲より嵩密度が小さいと隣接するカーボンナノチューブの分子間の相互作用が弱くなり、引き出し特性が悪くなるおそれがある。この範囲より嵩密度が大きいと、後述する引き出し時に、一度に多量のカーボンナノチューブが引き出されてしまい、均一な太さでかつ長尺な繊維が得られないおそれがある。
高配向とは、微細炭素繊維同士が隣接しながら基板平面に対して垂直状に林立していることを意味する。具体的には、下記式(1)で示される秩序パラメータ(OP)が0.70〜1.0(好ましくは0.90〜0.99)の範囲内である。
式1
Figure 0004900619
(但し、θjは、基板上に形成されている任意のカーボンナノチューブの分子軸と、基板とのなす角度を示す。<cos2(90-θj)>は、基板上に形成されている全てのカーボンナノチューブにおける平均値を示す。)
このように化学気相成長によって高密度で垂直配向させた微細炭素繊維の集合体は、カーボンナノチューブフォレスト(carbon nanotube forest)、或いは、カーボンナノチューブの垂直配向構造体等と呼ばれる。化学気相成長によって形成される微細炭素繊維の長さは、平均で0.02mm以上であればよく、好ましくは、0.03mm以上、より好ましくは、0.05mm以上である。微細炭素繊維材料の平均直径は限定的でなく、通常0.5〜100nm、好ましくは1nm〜100nm程度、より好ましくは5〜50nm程度とすればよい。
気相成長時の温度はいずれの温度で行ってもよいが、特に高温で行うことが好ましく、例えば600〜1000℃程度で行うことが好ましい。気相成長時の圧力は限定的でないが、通常、大気圧で行えばよい。気相成長に用いるガスは、炭素を含んでいればよいが、通常はアセチレン等の炭化水素を使用すればよい。なお、ヘリウム等の希ガスをキャリアガスとして用いてもよい。反応時間は、製造条件により応じて適宜設定できるが、例えば、3分〜2時間程度とすればよい。
上記のようにして基板上に形成された微細炭素繊維であるカーボンナノチューブの集合体の写真を図1に示す。図1は、倍率500倍のSEM写真であり、微細炭素繊維が基板上に高密度で垂直配向している様子が示されている。基板上に高密度・高配向で成長したカーボンナノチューブの集合体の一部、即ち複数本の微細炭素繊維をピンセット等で把持又は細い針状の物の先に接続する等してカーボンナノチューブの集合体から引き離すことにより、カーボンナノチューブは基板上から、ある程度連続した糸状となって引き出される現象を生じる。このような現象が生じるメカニズムは必ずしも明らかではないが、こうして引き出される糸状のカーボンナノチューブに適切に撚りをかけることで、糸切れせずに連続的に引き出すことが可能となる。
次に、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置の第1実施形態について、図2〜4を参照して説明する。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸の製造装置1Aは、図2〜4に示すように、基板5を保持する基板保持部6と、微細炭素繊維撚糸を巻取駆動するボビン3と、を備える。
更に、基板保持部6を備える基板保持装置2は、基板保持部6を回転駆動させる第1駆動部7を備える。第1駆動部7は、ボビン3の巻取駆動と連動する。このように、ボビン3の巻取駆動に連動させて第1駆動部7を回転駆動することにより、基板5上の集合体Cから引き出されてボビン3に巻き取られる微細炭素繊維に撚りをかける撚り合わせ機構が構成される。
基板保持部6は、図4に示すように、一対の保持片6a,6bをボルト8によって連結した構成とすることができる。保持片6a、6bは、基板5を回転軸線Xと非平行に保持するように、保持面が所定の傾斜角度α(図4)を持つように形成されている。
基板5を回転軸線Xと非平行に保持することによって、基板5上の微細炭素繊維の集合体Cから引き出した微細炭素繊維撚糸と基板5とが干渉することを防止し、微細炭素繊維撚糸を安定して作製することができる。また、斯かる干渉を防止するために、基板保持部6が回転軸線Xに対して基板を傾斜させて保持する場合、基板保持部6は、図2に示すように、基板保持部6の回転軸線Xがボビン3の周縁部に向けられていることが好ましい。保持片6a,6bは、複数の保持面傾斜角度のものを用意しておけば、必要に応じて、保持片6a、6bを交換することによって、基板5の取付け角度を変更可能である。
ボビン3を備える巻取装置4は、ボビン3を回転駆動する駆動モーター10がスライダー11に支持されている。スライダー11は、基板保持部6の回転軸線Xと垂直方向に延びるレール12上に摺動自在に支持されるとともに、リニアアクチュエータ13と連結板14によって連結されている。リニアアクチュエータ13は、駆動モーター15、伝動ベルト16、軸受け17a、17bに支持された螺子軸17、及び、螺子軸17に螺入されたナット体(不図示)と、を有し、このナット体が連結板14と連結されている。そして、駆動モーター15を正逆回転させることにより、螺子軸17が正逆回転するのに伴って、スライダー11がレール12上を往復動する。このようにして、ボビン3は、トラバース駆動できるようになっている。
上記のように、基板5上の微細炭素繊維の集合体から連続的に引き出される糸状の微細炭素繊維を回転させながら糸を引き出すことで、撚りの掛かった微細炭素繊維撚糸をボビン3で引き出して巻き取る方式とする。これにより、引き出された微細炭素繊維撚糸は摩擦を受けることなく、ボビン3に安定して連続的に巻き取ることが可能となった。
微細炭素繊維撚糸の製造装置1Aは、基板5上の微細炭素繊維の引き出し位置からボビン3への進入位置までの距離が、10mm〜1000mmの範囲内にあることが好ましい。この距離が短すぎると、回転する送り出し部分と巻き取り部分が干渉してしまうため巻き取ることができない。一方この距離が長すぎると、送り出し部分と巻き取り部分の間に存在する微細炭素繊維撚糸自身の揺動によって、工程安定性が乏しくなるので好ましくない。
なお、本発明においては微細炭素繊維に撚りを掛けるために、微細炭素繊維の集合体を形成した基板5を高速で回転させる。基板5が外れないように基板5の角部の微細炭素繊維を少し削り取って基板を露出させ、その露出した基板の部位を保持することで、確実に固定することが肝要である。
基板5を高速で回転させるため、第1駆動部7は、高速回転可能な高周波モーターが好ましく、1〜60000rpmのものが好ましい。回転数が小さすぎると、微細炭素繊維撚糸に印加できる撚り数が少なすぎることによって、微細炭素繊維撚糸の糸強度が不足してしまうため好ましくない。一方回転数が大きすぎると、微細炭素繊維の集合体からの微細炭素繊維撚糸の引出安定性が低下するため、好ましくない。
微細炭素繊維撚糸の製造装置1Aは、好ましい態様としては、微細炭素繊維の送り出し口付近に、風防18が設けられる。本発明の製造装置においては、送り出し側で微細炭素繊維が形成された基板が高速回転するため、空気抵抗による微細炭素繊維へのダメージが大きい。そこで風防を設けることにより、微細炭素繊維が高速回転する際、風防18の中で空気が供回りすることで、微細炭素繊維へのダメージを抑えることができる。なおこの風防18は、ストロボスコープ等による微細炭素繊維撚糸の糸切れ、又は微細炭素繊維撚糸の引き出し状態を監視するために、透明な部品を用いると好適である。
巻取装置4は、ボビン3の巻き取り速度を0.005〜30m/分とすることが好ましい。巻き取り速度が小さすぎては生産性が乏しく、実用的でない。一方巻き取り速度が大きすぎると、微細炭素繊維撚糸に印加できる撚り数が少なすぎることによって、微細炭素繊維撚糸の糸強度が不足してしまうため好ましくない。
微細炭素繊維撚糸の製造装置1Aは、図2に示すように、基板保持装置2に固定された撚糸ガイド19を設ける一方、ボビン3をトラバースさせることができる。通常、糸をボビンに巻き取る場合は、巻取装置側に備え付けられたトラバースガイドが左右往復動(トラバース)することにより、糸をボビンに均質に巻き取っている。しかしこの方法ではガイドと糸との摩擦が大きいため、本発明で得られるような、極細の微細炭素繊維撚糸の場合には、より摩擦の少ない方法が望まれる。そこで、この実施形態においては、撚糸ガイド19を移動しないように固定しておいて、巻取装置のボビン3をトラバースさせることにより、微細炭素繊維撚糸と撚糸ガイド19との摩擦を小さくすることができる。尚、撚糸ガイド19は、摩擦をできるだけ低減させるために、梨地仕様のものが好ましい。もしくは、撚糸ガイドとしてプーリーを用いれば、より一層、糸と撚糸ガイドとの摩擦を低減させることができる。
微細炭素繊維撚糸の製造装置1Aは、ボビン3の表面に、巻き取り時の滑りを防止するための表面加工が施されていることが好ましい。これにより、より一層の工程安定性を実現することができる。尚、ボビンへの表面加工方法は特に限定されるものではなく、鏡面加工やゴムライニングを施す方法等が挙げられる。
上記の装置により製造された微細炭素繊維撚糸のSEM写真(1000倍)を図5に示す。撚糸の撚り角度は、単位長さ当たりの撚り数によって決まる。撚糸の撚り角度は、微細炭素背に撚糸の製造装置1Aにおいて基板5を保持させた基板保持装置2とボビン3の回転数とにより調整される。本発明者らは、撚り角度と撚糸強度との間に関係があることを見出した。撚り角度が10〜50°の時が良好な強度を示すため、この範囲の撚り角度が好ましい。したがって、撚り角度が10〜50°となるように、基板保持装置2の回転駆動とボビンの巻取駆動とを連動させる。
微細炭素繊維撚糸の製造装置1Aは、図示省略するが、糸切れ検知器を装備することも可能である。例えば、微細炭素繊維を成長させた基板5とボビン3との間に、撚りを掛けながら基板から引き出された極細炭素材料撚糸をCCD等の撮像装置によって撮影し、撮像した画像データをディスプレイ画面上に拡大して映し出し、映し出された映像の画像データをコンピュータ内に取り込んで走査し、画素数をカウントする。この際、背景と撚糸との色の違い(濃淡)を利用し、撚糸を構成する画素数が減少した時に糸切れを検知することができる。より具体的には、撚糸を拡大してディスプレイの画面上に表示し、15秒毎に画像をコンピュータ内に取り込む。この場合、例えば、微細炭素繊維撚糸は黒褐色、背景は薄茶色に見える。そこでこれをグレースケールに変換する。例えば、256階調で変換した場合、100以下を黒として微細炭素繊維撚糸がある部分とし、101以上を微細炭素繊維撚糸が無い背景部分として画面上の全画素数をスキャンしてカウントする。このような2値化して判定する。画像中に占める撚糸の面積の割合が5%以上になるように拡大することが望ましい。糸切れが生じれば画面内の撚糸面積が通常よりも減少する。2画面連続で撚糸部分の面積が減少していれば撚糸の太さむらと間違えることなく糸切れを検知することが可能である。リアルタイムに画面を見て糸切れを検知できることは勿論のことである。
ここで、基板上の微細炭素繊維の集合体から最初に微細炭素繊維を引き出して、ボビン3に渡すまでの好ましい例について説明する。なお、説明の都合上、図示を簡略化して説明する。
微細炭素繊維撚糸の製造装置は、図6および図7に示すように、基板5上の微細炭素繊維の集合体Cの側面から微細炭素繊維を引き出す極細軸状部21aを有する引出具21、引出具21をその軸線21X回りに回転駆動するモーター22を、付属品として備えることができる。
極細軸状部21aを有する引出具21の素材は、鉄、アルミニウム、ステンレス、タングステン−カーバイド等の合金、プラスチック、木材、ガラス等であり、特に制限されるものではない。引出具21は微細炭素繊維に対して適度な摩擦抵抗を有していれば良く、引出具に摩擦を生じさせるために、極細軸状部21aの外周面に周溝や、螺旋溝や、エンボス加工等による微細な突起を有していることが望ましい。
極細軸状部21aの直径は、基板上に成長させられた微細炭素繊維の平均長さに依存して決まる。上記したように、本発明に使用される、基板5上に形成される微細炭素繊維集合体Cの微細炭素繊維の平均長さ(L)は、0.02mm以上である。
基板5上の微細炭素繊維の平均長さ(L)に対し、極細軸状部21aの軸径又は直径(D)がD<(L/π)であることが好ましい。D<(L/π)の直径であれば、基板上の微細炭素繊維の集合体の中で引出具が1回転した時に丁度極細軸状部21aの周りに1周以上捲きついてくる計算になる。高確率で微細炭素繊維を引き出すには1周以上捲きついていることが大事である。刃径0.05mm〜のマイクロドリルが市販されており、これを引出具に用いることもできる。
基板5上に成長している微細炭素繊維の集合体Cの側面から引出具21の極細軸状部21aを突き刺し、進入させる。この進入深さは0.01mm以上であることが望ましい。引出具21を突き刺す高さ位置は基板5上に成長している微細炭素繊維の平均長さの1/2以下の高さが好ましい。この進入時に引出具21は回転していても、回転が停止していてもよい。引出具21の極細軸状部21aが0.01mm以上進入したところで進入を停止させる。この場所に引出具21が留置した状態で引出具21の極細軸状部21aをその軸線回りに回転させる。引出具21を1秒間〜5分間、1〜1000rpmで回転させた後、引出具21を1〜1000rpmで回転させながら基板5から離反させて微細炭素繊維を集合体Cから引き出す。そしてボビン3上まで引出具21を移動させた後、引出具21の移動と回転を止めて静止させる。
上記のようにして基板5上の集合体から引き出した微細炭素繊維の撚糸をボビン3に接触させた後、ボビン3の回転を起動し、基板を回転させて撚りをかけて紡糸を始めることができる。
微細炭素材料繊維を基板から引き出す時の張力は、通常0.05〜0.5mNである。この値を超えると容易に糸切れが起こってしまう。そのため、防止中に糸切れが発生すると、糸切れした2本の微細炭素材料撚糸の両端を、通常の方法、例えば木綿繊維の扱いと同様にして手で結んで接続することは極めて困難である。そこで、次に、微細炭素繊維撚糸の紡糸の最中に糸切れが発生した場合の撚糸の接続方法について、図8を参照しつつ説明する。
先ず、図8(a)に示すように、基板5の上に成長している微細炭素繊維の集合体Cの中へ引出具21の極細軸状部21aを進入させて、上述の要領で再び微細炭素繊維T1を無撚りのまま引き出し、または引出具21を回転させて微細炭素繊維T1の撚糸をボビン3の上部まで持ってくる。また、引出具21の回転を停止し基板5を回転させて微細炭素繊維の撚糸を引き出すこともできる。このようにして引出具21により基板5上の微細炭素繊維の集合体から引き出された微細炭素繊維撚糸を、ボビン3の上方位置まで引き出してぴんと張っておく。
次に、図8(b)に示すように、ボビン3上に残っている微細炭素繊維撚糸T2の切れ端を先細のピンセット等で静かに手繰り出し、引出具21に接続されてぴんと張っている微細炭素繊維撚糸T1の上に静かに置く。
引出具21および基板5が静止している場合は、どちらかをここで静かに回転させることにより、図8(c)に示すように、ボビン上から手繰り出されてきた微細炭素繊維撚糸T2の一端を巻き込み繋げる。この時の引出具21または基板5の回転数は1〜1000rpmであり、回転が速すぎるとボビン3から手繰り寄せてきた微細炭素繊維撚糸T2の切れ端をはじいてしまう。初めはゆっくりと回転させて徐々に高速回転させるのがよい。
この後、引出具21が回転している場合、この回転を止め、基板5を所望の回転数で回転させる。これと同時に引出具21に繋がっている微細炭素繊維撚糸T1を切断して引出具から切り離し(図8(d))、ボビン3を回転させることにより紡糸を再開し、長尺の微細炭素繊維撚糸を製造することができる。
次に、2本のボビンに巻き取った微細炭素繊維撚糸を接続して1本の長尺撚糸にする方法について、図9を参照して説明する。
図9に示すように、一端がボビン3aに捲きつけられている撚糸Taの他端を引き出し、引き出した先に紙製の軽量の錘11aを接続し、ガイド10aを介してぴんと張る。一方、一端が別のボビン3bに捲きつけられている撚糸Tbの他端も同様に引き出し、引き出した先に紙製の軽量の錘11bを接続し、ガイド10bを介してぴんと張る。撚糸Taと撚糸Tbとをガイド10a、10b間で重ね合わせ、ボビン3bを、撚糸を回転中心として回転させ、撚糸Ta,Tbの重ね合わせ部に撚りを掛けて1本の長尺の微細炭素繊維の撚糸を製造することができる。
この時のボビン3bの回転数は1〜1000rpm程度が好適であり、初めはゆっくり回転させることが望ましい。撚糸Ta,Tbの重ね合わせ部に撚りを掛けた後、ボビン3aの巻き戻し回転とボビン3bの巻き取り回転とを同期させ、ボビン3aからボビン3bへ微細炭素繊維撚糸を送り、ボビン3bで巻き取る。
撚糸Ta,Tbの重ね合わせ部での2本の微細炭素繊維撚糸の接合をより強固にするため、図10に示すように、幅広先端部を有する引出具21を用いて、基板に成長している微細炭素繊維TSを幅広のシート状に引き出し、この引き出したシートを前記撚糸Ta,Tbの重ね合わせ部に捲きつけることも非常に有効である。微細炭素繊維のシートの寸法は幅1mm×長さ1mm以上が好ましい。
また、2本の微細炭素繊維撚糸Ta,Tbの重ね合わせ部に液体を付与することも重ね合わせ部の接続強度向上に非常に効果がある。撚糸Ta,Tbの前記重ね合わせ部に液体を付与すると、ばらけていた微細炭素繊維の単糸が凝集して引き締まり、結着力が大きくなる。その後、上述のようにして微細炭素繊維の重ね合わせ部に撚りを掛けて巻き取る。用いられる液体としては、極性を有していることが好ましく、誘電率が5以上の液体を用いるのがよい。炭素数1〜5のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水、酢酸エチル、アセトニトリル等が上げられる。これらの中でもメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリルが好ましい。
次に、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置の第2実施形態を、図11〜12を参照して説明する。
第2実施形態の微細炭素繊維撚糸の製造装置1Bは、図11に概念的に示すように、基板保持装置2は、複数の基板保持部6を支持する支持体20と、複数の保持部6の各々を回転駆動する第1駆動部(不図示)と、支持体20を回転駆動する第2駆動部(不図示)と、を有し、2本以上の微細炭素繊維撚糸同士を、さらに撚り合わせることができる。
通常、2本以上の糸をさらに撚り合わせた糸を作製する場合、一旦撚糸をボビンに巻き取ったものを2本以上用意し、そこから糸を巻き出しながら外力を加えて撚りを付加する。しかしこの方法では、一旦糸をボビンに巻き取るために生産性が思わしくないばかりか、撚りを付加するために糸に摩擦力を印加するため、本発明で得られるような極細の微細炭素繊維撚には適用できないという問題がある。
このような問題を克服するため、本発明の装置においては、支持体20の同一面上に配置された2個以上の基板5を、第1駆動軸6c回りに各々回転させると同時に、支持体20を回転駆動することにより各基板5に共通の回転に軸線G回りに回転させる。これにより、一旦糸をボビンに巻き取ってそれらを複数本用意して後から撚り合わせる場合に比べて、効率良く、かつ糸へのダメージを最小限にとどめながら、2本以上の微細炭素繊維撚糸同士を撚り合わせた糸を作製することができる。
また、第2実施形態に示されているように、微細炭素繊維撚糸同士を撚り合わせるまで、微細炭素繊維撚糸を下方から上方へ引き出す構成とすることにより、微細炭素繊維撚糸のたるみを少なくし、かつ送り出し部と巻き取り部の間における微細炭素繊維撚糸に加わる張力を常に一定に保つことができるので、さらなる工程安定性を実現できる。なお、微細炭素繊維撚糸を上方から下方へ引き出すようにしても良い。また、基板5は、図12に示すように、支持体20に対し、縦置きに配置することもできる。
第2実施形態の微細炭素繊維撚糸の製造装置1Bによって製作された微細炭素繊維撚糸のSEM写真(5000倍)を図13に示す。
次に、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置の第3の実施形態について、図14〜16を参照して説明する。上記第1、第2実施形態は、基板保持部を回転させることによって微細炭素繊維を撚り合わせる装置の例を示したが、以下に説明する第3実施形態及び第4実施形態では、ボビンを回転させることにより微細炭素繊維を撚り合わせる装置の例を示す。
第3実施形態の微細炭素繊維撚糸の製造装置1Cは、図14〜16に示すように、基板保持部6を有する基板保持装置2と、ボビン3を有する巻取装置4Cとを備えている。
巻取装置4Cは、ボビン3を巻取回転軸線回りに回動自在に支持し、外周面に歯を有するリングギア23と、リングギア23の外周歯と噛み合い、リングギア23を回転駆動させる駆動ギア24と、ボビン3の回転軸3aに固定されたピニオンギア25と、ピニオンギア25と噛み合い、ボビン3に巻取回転を付与するためのフェースギア26とを有している。図示例において、リングギア23は、図16に示すように、巻取装置4Cの本体部分41にベアリング等を介して回転自在に支持されている。
上記第3実施形態では、モーター24aを起動させて駆動ギア24を駆動させると、リングギア23が図15の時計回りに回転し、リングギア23の回転によって、ボビン3がリングギア23と共に図15の時計回り(矢印X方向)に回転すると、ピニオンギア25とフェースギア26との噛み合いによって、ボビン3にボビン3の回転軸3a回りに矢印Y方向の回転が付与される。ボビン3は、矢印Y方向の回転によって巻取回転が与えられると同時に、矢印X方向の回転によって撚りをかける回転が与えられる。このようにして、ボビン3の矢印Y方向の巻取駆動と連動し、ボビン3を矢印X方向へ回転駆動させて撚りをかける、撚り合わせ機構が構成されている。この場合も、撚り角度が10〜50°となるように、ボビン3の矢印Y方向の巻取駆動と、ボビン3の矢印X方向の回転駆動とを連動させる。
次に、本発明に係る微細炭素繊維撚糸の製造装置の第4実施形態について、図17〜20を参照して説明する。
第4実施形態の微細炭素繊維の製造装置1Dは、基板保持部30aを備える基板保持装置30と、ボビン32を備えた巻取装置33と、を有している。
巻取装置33は、ボビン32を巻き取り回転駆動するための第1駆動部34を有している。また、巻取装置33は、ボビン32の巻取回転軸A方向の先端に微細炭素繊維を接続するための先細端部31を備えている。さらに、ボビン32は、回転軸線Aと略直交する軸線B(図18)回りに回転自在に配設されて、先細端部31が基板保持部30aの側を向き微細炭素繊維が引き出される方向に巻取回転軸線Aが沿う第1の配置(図17,18)と、微細炭素繊維が引き出される方向と巻取回転軸線Aが交差する第2の配置(図19,20)とを配置転換可能となっている。
基板保持装置30は、リニアアクチュエータ等によって基板保持部30aを往復動自在に支持し、それによって、基板保持部30aが巻取装置33に接近し又は巻取装置33から離反するようになっている。なお、巻取装置33を、基板保持部30aと接近又は離反するように往復動自在とすることもできる。
第4実施形態の微細炭素繊維撚糸の製造装置1Dは、図17,18に示す第1の配置において、ボビン32の一端に微細炭素繊維を接続した状態でボビン32を巻取軸線A回りに回転させつつ、基板5をボビン32から離れる方向に移動させることにより、基板5上の微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維Tを引き出しつつ撚りをかける。
次に、ボビン32の回転を停止させた状態で、ボビン32を図19,20に示す第2の配置に配置転換させた後、ボビン32を再び巻取回転軸線A回りに回転させるとともに、ボビン32の回転と同期して基板5とボビン32との距離が縮まるように基板5を移動させることにより、引き出されて撚りをかけられた微細炭素繊維撚糸をボビン32に巻き取る。
上記のように、引き出して撚り合わせる工程と巻取る工程とを交互に行うことにより、長尺の微細炭素繊維撚糸をボビン32に巻取ることができる。
微細炭素繊維の製造装置1Dにおいて、基板5上の微細炭素繊維の集合体の引き出し位置から先芯31までの距離は、1mm〜1000mmの範囲内となるように、基板保持部3aの往復動距離が設定されていることが好ましい。この距離が短すぎると実質的に生産性が悪い。一方この距離が長すぎると、先細端部31と基板5上の微細炭素繊維との間に存在する微細炭素繊維撚糸自身の揺動によって、工程安定性が乏しくなるので好ましくない。
また、上記の第1実施形態と同様、上記第4実施形態において、第1駆動部34の回転数は1〜60000rpmであることが好ましく、巻取装置33の巻き取り速度は0.005〜30m/分であることが好ましい。
さらに、第4実施形態の場合において、第1駆動部34を下側とし、基板保持装置30を上側として、微細炭素繊維の引き出される方向が上下方向となるように、微細炭素繊維撚糸の製造装置1Dを配置することができる。これにより、微細炭素繊維撚糸のたるみを生じることなく、かつ送り出し部と巻き取り部の間における微細炭素繊維撚糸に加わる張力を常に一定に保つことができるので、さらなる工程安定性を実現できる。
本発明にて得られる微細炭素繊維撚糸は、そのまま用いても良いし、あるいはバインダー等が含まれていてもよい。バインダー等を含むことにより、微細炭素繊維撚糸をより一層丈夫なものとすることができる。なお、バインダーは、微細炭素材料撚糸を結着するものであれば限定されず、ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、本発明の微細炭素繊維撚糸あるいはそれらにバインダーが含まれたものは、結ってロープにしても良いし、あるいは織物や編物への加工を行ってもよい。本バインダーを付与することによりボビン上に巻き取った微細炭素材料撚糸が複数段に重なって巻き取られていても上段と下段の撚糸が絡みついて糸切れすることなく巻き返すことができるようになる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、基板保持部かボビンの何れか一方が回転することにより微細炭素繊維に撚りをかける装置を例示したが、第1実施形態と第3実施形態を組み合わせる等して、基板保持部とボビンの双方を回転させて微細炭素繊維撚糸に撚りをかけることも可能である。また、第4実施形態において、ボビン32の端部を、先細端部31に代えて極細軸状部21aとすることもできる。
以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1
シリコン基板(市販品、1cm)に鉄をスパッタリングすることにより、厚さ4nmの鉄皮膜が積層されたシリコン基板を製造した。
この基板を熱CVD装置内に設置し、熱CVD法を行うことにより基板状にカーボンナノチューブ集合体を形成させた。熱CVD内に供給したガスは、アセチレンガス及びヘリウムガスの混合ガス(アセチレンガス5.77vol%)とした。熱CVD条件としては、温度:700℃、圧力:大気圧下、初期段階におけるアセチレンガス濃度の上昇速度:0.10vol%/秒、反応時間:10分とした。
この基板を用い、アセチレンガス及びヘリウムガスを熱CVD装置内に供給させ、化学気相成長法により、当該基板上に実施例1のカーボンナノチューブを成長させた。成長させたカーボンナノチューブの平均長さは190μm、太さは15.3nm程度であり、基板上のカーボンナノチューブ集合体は嵩密度40mg/cm、秩序パラメータ0.94の高密度かつ高配向で形成されたカーボンナノチューブ集合体の状態となっていた。
上記のようにして得られたカーボンナノチューブ基板から、一部のカーボンナノチューブを削り取り、基板の保持に必要なシリコン部分を露出させ、上記第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させた。この時、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。
上記のようにして取り付けた基板を、8000rpmで回転させながら、巻取り速度0.1m/分で巻き取り、25mに渡って1mあたりの撚数が80000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。この時、巻き取りボビンの長さ15cm、直径6cmで15cmの範囲でゆっくりトラバースさせ、巻き糸が重ならないようにした。巻糸体の撚角度を測定した。撚角度の平均値は48°であり、引っ張り強度は203MPaであった。この基板を用いて紡糸製造をさらに2回繰り返したところ、引っ張り強度は235、310MPaであった。
実施例2
実施例1と同様にして製造した基板上に成長させたカーボンナノチューブを用いて撚糸を作製した。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、8000rpmで回転させながら、巻取り速度0.2m/分で巻き取り、18.2mに渡って1mあたりの撚数が40000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。巻糸体の撚角度を測定した。撚角度の平均値は25°であり、引っ張り強度は305MPaであった。この基板を用いて紡糸製造をさらに3回繰り返したところ、引っ張り強度は560、410、265MPaであった。
実施例3
実施例1と同様にして製造した基板上に成長させたカーボンナノチューブを用いて撚糸を作製した。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、2000rpmで回転させながら、巻取り速度0.1m/分で巻き取り、20.5mに渡って1mあたりの撚数が20000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。撚角度の平均値は15°であり、引っ張り強度は320MPaであった。この基板を用いて紡糸製造をさらに1回繰り返したところ、引っ張り強度は295MPaであった。
比較例1
実施例1と同様にして製造した基板上に成長させたカーボンナノチューブを用いて撚糸を作製した。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、10000rpmで回転させながら、巻取り速度1m/分で巻き取り、16.6mに渡って1mあたりの撚数が10000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。撚角度の平均値は8°であり、引っ張り強度は135MPaであった。この基板を用いて紡糸製造をさらに2回繰り返したところ、引っ張り強度は60MPaであった。
比較例2
実施例1と同様にして製造した基板上に成長させたカーボンナノチューブを用いて撚糸を作製した。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、10000rpmで回転させながら、巻取り速度0.1m/分で巻き取り、15.3mに渡って1mあたりの撚数が100000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。撚角度の平均値は70°であり、引っ張り強度は90MPaであった。この基板を用いて紡糸製造をさらに4回繰り返したところ、引っ張り強度は40、50、100、130MPaであった。
実施例4
実施例1と同様にして製造した基板上に成長させたカーボンナノチューブを用いて撚糸を作製した。成長させたカーボンナノチューブの平均長さは180μm、太さは16.6nm程度であり、基板上のカーボンナノチューブ集合体は嵩密度20mg/cm、秩序パラメータ0.88の高密度かつ高配向で形成されたカーボンナノチューブ集合体の状態となっていた。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、20000rpmで回転させながら、巻取り速度0.5m/分で巻き取り、18.8mに渡って1mあたりの撚数が40000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。撚角度の平均値は24°であり、引っ張り強度は360MPaであった。
実施例5
実施例1と同様にして製造した基板上に成長させたカーボンナノチューブを用いて撚糸を作製した。成長させたカーボンナノチューブの平均長さは160μm、太さは19.0nm程度であり、基板上のカーボンナノチューブ集合体は嵩密度60mg/cm、秩序パラメータ0.96の高密度かつ高配向で形成されたカーボンナノチューブ集合体の状態となっていた。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、40000rpmで回転させながら、巻取り速度1m/分で巻き取り、28.1mに渡って1mあたりの撚数が40000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。撚角度の平均値は23°であり、引っ張り強度は325MPaであった。
実施例6
実施例1と同様にして製造した基板上に成長させたカーボンナノチューブを用いて撚糸を作製した。成長させたカーボンナノチューブの平均長さは175μm、太さは10.0nm程度であり、基板上のカーボンナノチューブ集合体は嵩密度50mg/cm、秩序パラメータ0.95の高密度かつ高配向で形成されたカーボンナノチューブ集合体の状態となっていた。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部6の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、4000rpmで回転させながら、巻取り速度0.1m/分で巻き取り、18.5mに渡って1mあたりの撚数が40000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。撚角度の平均値は26°であり、引っ張り強度は405MPaであった。
実施例7
実施例1と同様にして製造した基板上に成長させたカーボンナノチューブを用いて撚糸を作製した。成長させたカーボンナノチューブの平均長さは185μm、太さは50.0nm程度であり、基板上のカーボンナノチューブ集合体は嵩密度25mg/cm、秩序パラメータ0.95の高密度かつ高配向で形成されたカーボンナノチューブ集合体の状態となっていた。第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)の基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、400rpmで回転させながら、巻取り速度0.01m/分で巻き取り、19.8mに渡って1mあたりの撚数が40000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。撚角度の平均値は24°であり、引っ張り強度は345MPaであった。
実施例8
実施例1と同様にして作製したカーボンナノチューブの平均長さ190μm、太さ6.3nm程度であり、基板上のカーボンナノチューブ集合体は嵩密度40mg/cm、秩序パラメータ0.94である基板を、上記第4実施形態の微細炭素繊維製造装置1D(図17〜図20)の基板保持装置30に基板を保持させた。カーボンナノチューブの一部を回転先芯31に取り付け、次いで、以下の単位操作1および2を、交互に2回繰り返して、1mあたりの撚数が40000T/mの撚糸を作製した。
単位操作1:図17,18のように、回転先芯31の回転軸線Aをカーボンナノチューブ基板の移動方向に向けた状態で、第1駆動部34であるモーターを4000rpmで回転させながら、基板を0.1m/分の速度で回転先芯から離れる方向に50cm移動させた。モーターの回転および基板の移動を一旦停止させた後、回転先芯をモーターごと回転軸線B回りに90°回転させて、図19、20に示すような配置とした。
単位操作2:ボビン32をゆっくり回転させながら、カーボンナノチューブ基板に近づける方向に50cm移動させて、単位操作1によって引き出したカーボンナノチューブ撚糸を巻き取りボビン32に巻き取った。巻き取ったらモーターの回転および基板の移動を停止させ、回転先芯31をモーター34ごと90°回転させ、再び図17、18に示す状態に配置した。
上記単位操作1、2の操作を交互に繰り返して、18.7mに渡って1mあたりの撚数が40000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。作製した巻糸体のSEM観察を行い、撚角度を測定した(但し、上記単位操作1、2が切り替わった部分の撚糸を含む)。撚角度の平均値は27°であり、引張り強度は304MPaであった。
実施例9
第1実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図2,3)において、基板保持装置2から5mm離れた所で基板から引き出したカーボンナノチューブ撚糸に連続的にポバールの0.0001wt%の水溶液を1ml/minの割合で付与した事意外は、実施例1と同様にして撚糸を作製した。基板上に成長させたカーボンナノチューブの平均長さは185μm、太さは60.7nm程度であり、基板上のカーボンナノチューブ集合体は嵩密度25mg/cm、秩序パラメータ0.95の高密度かつ高配向で形成されたカーボンナノチューブ集合体の状態となっていた。基板保持装置2に基板を保持させ、シリコン基板と基板保持部の回転軸線とのなす角(α)は15°とした。また、引き出し位置から巻き取りボビンへの進入位置までの距離は50mmとした。基板を、8000rpmで回転させながら、巻取り速度0.2m/分で巻き取り、25.3mに渡って1mあたりの撚数が40000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。撚角度の平均値は24°であった。この時、巻き取りボビンの直径は3cmでトラバース運動をさせながら巻き取ったが、糸が最大3段に重なって巻き取られた。この糸をほぐす時に問題無くほぐれた。
比較例3
ポバール水溶液を付与することが無い以外は実施例9と全く同様にして撚糸を製造した。製造後糸をほぐすときに糸が巻き取りボビン表面上で重なってしまったところでばらけてくっついてしまい、うまく巻き取りをほぐせないところがあった。
実施例10
第2実施形態の微細炭素繊維撚糸製造装置(図11)において、基板保持装置2上に1.5cm×1.5cm角の実施例1と同じカーボンナノチューブが成長した基板4枚を基板台に対して垂直に固定した。各基板を基板台の中心を回転の中心軸として右周りに5000rpmで回転させ、さらに4枚の基板を乗せた台その中心を回転軸として左周りに5000rpmで回転させた。巻取り速度0.1m/分で巻き取り、15.3mに渡って連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。製作された撚糸が、図13のSEM写真(5000倍)に示されている。
実施例11
実施例1と同様にして微細炭素繊維が成長している基板5から微細炭素繊維から撚りを掛けながら微細炭素繊維の撚糸を紡糸し巻き取りボビン3に巻き取った。この時、基板5と巻き取りボビンの間にCCDカメラを設置して微細炭素繊維の撚糸を倍率5000で拡大して画面上に映した。紡糸している画像を15秒毎にパーソナルコンピュータ上に取り込み、背景と撚糸を構成する画素数を数え上げることにより面積比を求めた。順調に紡糸できているときの画面中に占める撚糸の面積の割合は17.5〜20.1%であった。紡糸開始1.8時間後に糸切れが生じた。この時、画面中に占める撚糸の割合は急速に減少し、45秒後には0%になった。
実施例12
実施例8において第4実施形態の微細炭素繊維製造装置1D(図17〜図20)を基板保持部が上側になり、回転先芯が下側へ移動するように装置を縦方向配置で組みつけた。回転先芯が1mほど下側へ撚糸を引き出した後、この撚糸を巻き取るために上側へ移動させたこと意外は実施例8と同様にして撚糸を製造した。巻き取った撚糸の長さは16mであった。作製した巻糸体のSEM観察を行い、撚角度を測定した(但し、上記単位操作1、2が切り替わった部分の撚糸を含む)。撚角度の平均値は28°であり、引張り強度は253MPaであった。
比較例4
実施例1と同様にしてカーボンナノチューブの集合体を形成した基板から、カーボンナノチューブの一部を、上記第4実施形態の微細炭素繊維製造装置の先細端部31に取り付け、先細端部31の回転軸線Aを基板5の移動方向に向けた状態で、第1駆動部34であるモーターを10000rpmで回転させながら、基板を手で先細端部から離れる方向に移動させた。1mの撚糸を引き出すことはできたが、引き出した撚糸の揺動で撚糸が切れてしまい、1m以上の撚糸を作製することができなかった。
実施例13
第1実施例と同様にして製造されたカーボンナノチューブ基板5を微細炭素繊維撚糸製造装置(図6,7)の基板保持部6に保持させて固定した。直径(刃径)が0.06mm、長さ(刃長)が1mmのドリル刃を有するタングステン−カーバイド製のマイクロドリル(シャンクを除くドリル刃の部分が極細軸状部21aに相当する。)を引出具21として用い、この引出具を回転させずに、極細軸状部21aを基板5上のカーボンナノチューブ集合体Cの側面に突き刺し、1mm進入させて停止した。この場所で引出具を20rpmで10秒間回転させた後、引出具21を0.1mm/秒で後退させ基板から離反させた。引出具が基板から1mm離れたところで基板5を10000rpmで回転させ引出具21の回転を停止し、これを0.1m/分で巻き取りボビン3の上まで移動させた。カーボンナノチューブ撚糸を巻き取りボビン3上に固定した後、カーボンナノチューブ撚糸を引出具から解放した。巻取り速度0.1m/分で巻き取り、1m以上に渡って1mあたりの撚数が100000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製することができた。
この紡糸操作を10回繰り返したところ、7回ほど巻き取りボビン3へのカーボンナノチューブ撚糸の巻き取り工程へ移行することができた。
実施例14
長さ(刃長)が5mm、直径(刃径)が0.03mmのドリル刃を有するマイクロドリルを引出具として用い、この引出具21の極細軸状部21aを基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cへ進入させる深さを2mmにした以外は、実施例13と同様にして基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cからカーボンナノチューブを引き出した。10回試みて8回カーボンナノチューブを引き出すことができ、巻き取りボビン3へのカーボンナノチューブ撚糸の巻き取り工程へ移行することができた。
実施例15
長さが1mm、直径が0.03mmであって、2周期の螺旋上の溝を有するドリル刃を備えたマイクロドリルを引出具として用い、この引出具21の極細軸状部21aを基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cへの進入深さを2mmにした以外は、実施例13と同様にして基板5上のカーボンナノチューブの集合体からカーボンナノチューブを引き出した。10回試みて9回カーボンナノチューブを引き出すことができ、巻き取りボビン3へのカーボンナノチューブ撚糸の巻き取り工程へ移行することができた。
実施例16
長さが1mm、直径が0.03mmであって、微小な突起を多数有する極細軸状部を有する引出具を用い、この引出具21の極細軸状部21aを基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cへ進入する深さを2mmにした以外は、実施例13と同様にして基板5上のカーボンナノチューブの集合体からカーボンナノチューブを引き出した。10回試みて9回カーボンナノチューブを引き出すことができ、巻き取りボビン3へのカーボンナノチューブ撚糸の巻き取り工程へ移行することができた。
実施例17
長さが5mm、直径が0.03mmのドリル刃を有するマイクロドリルを引出具として用い、この引出具21の極細軸状部21aを基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cへ進入する深さを0.2mmにした以外は、実施例13と同様にして基板5上のカーボンナノチューブの集合体からカーボンナノチューブを引き出した。10回試みて6回カーボンナノチューブを引き出すことができ、巻き取りボビン3へのカーボンナノチューブ撚糸の巻き取り工程へ移行することができた。
実施例18
長さが3mm、直径が0.03mmであって、先端部から根元に向かって螺旋上の溝刃を有する引出具を用い、この引出具21の極細軸状部21aを基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cへ進入する深さを2mmにした以外は、実施例13と同様にして基板5上のカーボンナノチューブの集合体からカーボンナノチューブを引き出した。10回試みて9回カーボンナノチューブを引き出すことができ、巻き取りボビン3へのカーボンナノチューブ撚糸の巻き取り工程へ移行することができた。
比較例5
直径が0.08mmの極細軸状部21aを有する引出具21を用いた以外は実施例13と同様にして基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cからカーボンナノチューブを引き出そうとした。5回試みて1回だけカーボンナノチューブを引き出すことができたが、4回は引き出すことができなかった。
比較例6
直径が0.1mmの極細軸状部21aを有する引出具21を用いた以外は実施例13と同様にして基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cからカーボンナノチューブを引き出そうとした。5回試みて5回ともカーボンナノチューブを引き出すことができなかった。
比較例7
長さが1mm、直径が0.03mmであって、鏡面仕上げを施した極細軸状部21aを有する引出具21を、基板5上のカーボンナノチューブの集合体Cへの進入深さを2mmにした以外は、実施例13と同様にして基板5上のカーボンナノチューブの集合体からカーボンナノチューブを引き出した。5回試みて1回だけカーボンナノチューブを引き出すことができた。
実施例19
上記第1実施例と同様にして製造したカーボンナノチューブ基板を図6、7に示す微細炭素繊維撚糸製造装置の基板保持部6に保持させて固定した。直径が0.03mm、長さが1mmの極細軸状部21aを備えた引出具21(市販のマイクロドリルを使用した。)を回転させずに、基板5上のカーボンナノチューブ集合体の側面に引出具21の極細軸状部21aを突き刺し、1mm進入させて停止した。この状態で引出具をその軸線回りに20rpmで10秒間回転させた後、引出具21を0.1mm/秒で後退させ基板から離反させた。引出具21が基板から1mm離れたところで基板を10000rpmで回転させ引出具21の回転を停止し、これを0.1m/分で巻き取りボビン3の上まで移動させた。カーボンナノチューブ撚糸を巻き取りボビン3上に固定した後、カーボンナノチューブ撚糸を引出具21から解放した。巻取り速度0.1m/分で巻き取り、3.1mに渡って1mあたりの撚数が100000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製したところで糸切れが発生したため、巻き取りボビン3および基板の回転を止めた。
図8(a)に示すように、再び基板5の上に成長している微細炭素繊維の集合体Cの中へ引出具の極細軸状部21aを進入させて、上述の要領で再度微細炭素繊維T1を引き出し、引出具21をその軸線回りに回転させながら微細炭素繊維の撚糸を巻き取りボビン3の上部まで持ってきた。ここで引出具の回転を停止した。次に、図8(b)に示すように、巻き取りボビン3上に残っている微細炭素繊維撚糸T2の切れ端を静かに手繰り出し、引出具側の撚糸T1とボビン側の撚糸T2の切れ端との「重ね合わせしろ」を1cmとって、ぴんと張っている微細炭素繊維撚糸の上に静かに置いた。この時の引き出し時の張力は、0.2〜0.4mNであった。図8(c)に示すように、引出具をその回転軸回りに10rpmで回転させて、引出具側の撚糸にボビン側の撚糸の切れ端を巻き込んで、両撚糸を撚りをかけて接続した。この後、図8(c)に示すように、引出具の回転を止め、基板5を10000rpmで回転させると同時に引出具に繋がっているカーボンナノチューブ撚糸を切断し、図8(d)に示すように、巻き取りボビン3を回転させて巻取り速度0.1m/分で紡糸を再開した。こうして長尺の微細炭素繊維撚糸を製造することができた。合計2回の接続作業を行い平均径3μmで10mの長さを有するカーボンナノチューブ撚糸を得た。
実施例20
実施例19に示した方法で製造した長さ1mのカーボンナノチューブ撚糸の巻き糸体2つを図9のような装置にセットした。巻き取りボビン3aからカーボンナノチューブ撚糸Taの一端を引き出し、引き出した先に5mm×5mm(1.9×10−3mg)の紙製の錘11aを接続し、巻き取りボビン3bからもカーボンナノチューブ撚糸Tbの一端を引き出し、その引き出した先に同様の錘11bを接続し、ガイド10a,10bを介してぴんと張り、ガイド間の「重なりしろ」1cmで重ね合わせた。その後、巻き取りボビン3aを、張られた撚糸Taを中心軸とした方向に回転させて重なり部分に撚りを掛けた。巻き取りボビン3aを10rpmで10分間回転させて2本のカーボンナノチューブ撚糸Ta,Tbを接続した。巻き取りボビン3aと3bと0.1m/分で回転させてボビン3aからボビン3bへ撚糸を送りボビン3bで巻き取って、長さ2mのカーボンナノチューブ撚糸を製造した。この方法で2本のカーボンナノチューブ撚糸の接続を10回行い、6回は最初の1回目の接続作業で問題なく接続できた。残りの4回は複数回の接続作業を試みて接続に成功した。
実施例21
実施例20に示した接続操作において重ね合わせ部の「重なりしろ」にエタノールを0.5ml付与した。風乾後、実施例20と同様にして重ね合わせ部に撚りを掛けた後、巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。この方法で2本のカーボンナノチューブ撚糸の接続を10回行い、8回は最初の1回目の接続作業で問題なく接続できた。
実施例22
エタノールの代わりにメタノールを用いた以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例23
エタノールの代わりにイソプロパノールを用いた以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例24
エタノールの代わりにペンタノールを用いた以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例25
エタノールの代わりにアセトンを用いた以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例26
エタノールの代わりにメタノールを用いた以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例27
エタノールの代わりにテトラヒドロフランを用いた以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例28
エタノールの代わりにジメチルホルムアルデヒドを付与し、100℃の温風を1時間送って乾燥した以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例29
エタノールの代わりにジメチルアセトアミドを付与し、100℃の温風を1時間送って乾燥した以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例30
エタノールの代わりに水を付与し、100℃の温風を5分間送って乾燥した以外は実施例21と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
実施例31
図10に示すように、粘着剤を塗布した広幅部を先端に備えた引出具21を用いて2mm幅でカーボンナノチューブを1cmほど引き出した。これをピンセットですくい取った。このすくい取った2mm×8mmのカーボンナノチューブのシートを実施例20に示した接続操作において重ね合わせ部の「重なりしろ」の上に静かに置き、重ね合わせ部を被った。この後、実施例20と同様にしてこの重ね合わせ部に撚りを掛けて接続した後、巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。この方法で2本のカーボンナノチューブ撚糸の接続を10回行い、8回は最初の1回目の接続作業で問題なく接続できた。
実施例32
実施例1と同様にして得られたカーボンナノチューブ基板を微細炭素繊維撚糸製造装置(図6,7)の基板保持装部6に保持させて固定した。直径が0.03mm、長さが1mmの極細軸状部を有する引出具21を回転させずに、基板上のカーボンナノチューブ集合体Cの側面に極細軸状部21aを突き刺し、1mm進入させて停止させた。この状態で引出具21を20rpmで10秒間回転させた後、引出具21を0.1mm/秒で後退させ基板から離反させた。引出具21が基板5から1mm離れたところで基板を10000rpmで回転させ引出具21の回転を停止し、これを0.1m/分で巻き取りボビン3の上まで移動させた。カーボンナノチューブ撚糸を巻き取りボビン3上に固定した後、カーボンナノチューブ撚糸を引出具21から解放した。巻取り速度0.1m/分で巻き取り、2.3mに渡って1mあたりの撚数が100000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製したところで糸切れが発生したため、巻き取りボビン3および基板の回転を止めた。再び基板の上に成長している微細炭素繊維の集合体の中へ引出具21の極細軸状部を進入させて、上述の要領で再度微細炭素繊維を引き出し、引出具の回転を止めると同時に基板を500rpmで回転させてカーボンナノチューブの撚糸を巻き取りボビン3の上部まで持ってきた。次に、巻き取りボビン上に残っている微細炭素繊維撚糸の切れ端を静かに手繰り出して「重ね合わせしろ」を1cmとって、ぴんと張っている微細炭素繊維撚糸の上に静かに置いた。引出具をその回転軸回りに10rpmで回転させて、ボビン側の撚糸の切れ端を引出具側の撚糸に巻き込んだ。この後、引出具の回転を止め、基板を10000rpmで回転させると同時に引出具に繋がっているカーボンナノチューブ撚糸を切断し、巻き取りボビン3を回転させて巻取り速度0.1m/分で紡糸を再開した。こうして長尺の微細炭素繊維撚糸を製造することができた。合計2回の接続作業を行い平均径3μmで10mの長さを有するカーボンナノチューブ撚糸を得た。
実施例33
実施例1と同様にして得られたカーボンナノチューブ基板を微細炭素繊維撚糸製造装置(図6,7)の基板保持部6に保持させて固定した。直径が0.03mm、長さが1mmの極細軸状部21aを備える引出具21を回転させずに、基板上のカーボンナノチューブ集合体Cの側面に極細軸状部を突き刺し、1mm進入させて停止した。この状態で引出具21を20rpmで10秒間回転させた後、引出具21を0.1mm/秒で後退させ基板から離反させた。引出具21が基板から1mm離れたところで基板を10000rpmで回転させ引出具21の回転を停止し、これを0.1m/分で巻き取りボビン3の上まで移動させた。カーボンナノチューブ撚糸を巻き取りボビン3上に固定した後、カーボンナノチューブ撚糸を引出具21から解放した。巻取り速度0.1m/分で巻き取り、1.5mに渡って1mあたりの撚数が100000T/mの連続した撚糸の巻糸体を作製したところで糸切れが発生したため、巻き取りボビン3および基板の回転を止めた。再び基板の上に成長している微細炭素繊維の集合体の中へ引出具21の極細軸状部21aを進入させて、上述の要領で再度微細炭素繊維を引き出し、引出具の回転を止めると同時に基板を500rpmで回転させてカーボンナノチューブの撚糸を巻き取りボビン3の上部まで持ってきた。次に、巻き取りボビン上に残っている微細炭素繊維撚糸の切れ端を静かに手繰り出して「重ね合わせしろ」を1cmとって、ぴんと張っている微細炭素繊維撚糸の上に静かに置いた。引出具を10rpmで回転させて、ボビン3側の撚糸の切れ端を引出具側の撚糸に巻き込んだ。この後、引出具の回転を止め、基板を10000rpmで回転させると同時に引出具に繋がっているカーボンナノチューブ撚糸を切断し、巻き取りボビン3を回転させて巻取り速度0.1m/分で紡糸を再開した。こうして長尺の微細炭素繊維撚糸を製造することができた。合計2回の接続作業を行い平均径3μmで10mの長さを有するカーボンナノチューブ撚糸を得た。
実施例34
実施例31と同様にして基板上のカーボンナノチューブから引き出した微細炭素材料繊維と巻き取りボビン上の微細炭素材料撚糸とを接続する際に、図7に示すように粘着剤を塗布した広幅部を先端に備えた引出具用いて2mm幅でカーボンナノチューブを1cmほど引き出してピンセットですくい取った2mm×8mmのカーボンナノチューブのシートを「重ね合わしろ」部分に静かに置き、重ね合わせ部を被った。このシートで覆った部分に酢酸エチルを0.5ml付与した。以降実施例31と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。この方法で2本のカーボンナノチューブ撚糸の接続を10回行い、9回は最初の1回目の接続作業で問題なく接続できた。
実施例35
酢酸エチルの代わりにアセトニトリルを付与し、風乾した以外は実施例34と同様にして巻き取りボビン3bにカーボンナノチューブ撚糸を巻き取った。
本発明によれば、微細炭素繊維撚糸を、連続的にかつ均質に製造することが可能になり、得られる微細炭素繊維撚糸は、高強度を必要とする防護材料、防弾・防護衣料、産業用資材向けの繊維材料、およびスポーツ向け各種繊維製品や導電性を必要とする電線、各種電気製品の配線・部材等の用途に用いることができる。

Claims (14)

  1. 微細炭素繊維の撚糸を連続的に製造する方法であって、
    基板上に微細炭素繊維の集合体を化学気相成長させる成長工程と、
    前記基板上の集合体から微細炭素繊維を連続的に引き出してボビンに巻き取る巻取工程と、
    前記基板及びボビンの少なくとも一方を回転させることによって、前記基板上の微細炭素繊維の集合体から連続的に引き出されて前記ボビンに巻き取られる微細炭素繊維に撚りをかけ、微細炭素繊維撚糸を形成する撚り合わせ工程と、を有し、
    前記撚り合わせ工程と前記巻取工程とが同時に行われ、
    前記成長工程において、微細炭素繊維を平均長さ(L)が0.02mm以上となるように成長させ、
    前記撚り合わせ工程は、前記基板と前記ホビンとの間を移動可能であり、直径(D)がD<(L/π)に設定された極細軸状部を有する引出具を回転させながら、または該引出具を回転させずに、基板上に成長させられた微細炭素繊維の集合体の側面に前記極細軸状部を突き刺して所定距離進入させ、前記引出具を所定回転数で回転させながら微細炭素繊維を引き出す工程を含むことを特徴とする微細炭素繊維撚糸の製造方法。
  2. 微細炭素繊維の撚糸を連続的に製造する方法であって、
    基板上に微細炭素繊維の集合体を化学気相成長させる成長工程と、
    前記基板上の微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維を連続的に引き出しつつ、ボビンを回転させることによって該微細炭素繊維に撚りをかけて微細炭素繊維撚糸を形成する引き出し撚り合わせ工程と、
    引き出されて撚りをかけられた微細炭素繊維撚糸をボビンに巻き取る巻取工程と、を有し、
    前記引き出し撚り合わせ工程では、前記微細炭素繊維が引き出される方向に巻取回転軸線が沿う第1の配置と、前記微細炭素繊維が引き出される方向と巻取回転軸線が交差する第2の配置とを配置転換可能なボビンを用い、前記第1の配置において該ボビンの一端に前記微細炭素繊維を接続した状態で該ボビンを巻取軸線回りに回転させつつ、前記基板及び前記ボビンの少なくとも一方を互いに離れる方向に移動させることにより、前記基板上の微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維を引き出しつつ撚りをかけ、
    前記巻取工程では、前記ボビンの回転を停止させた状態で前記第2の配置に配置転換させた後、該ボビンを前記巻取回転軸線回りに回転させるとともに、該ボビンの回転と同期して前記基板と前記ボビンとの距離が縮まるように前記基板及び前記ボビンの少なくとも一方を移動させることにより、第2工程において引き出されて撚りをかけられた微細炭素繊維撚糸を前記ボビンに巻き取り、
    前記引き出し撚り合わせ工程と前記巻取工程とが、交互に行われることを特徴とする微細炭素繊維撚糸の製造方法。
  3. 前記撚り合わせ工程において微細炭素繊維に撚りをかける方法が、前記基板を回転させることによるものであり、
    前記撚り合わせ工程は、前記微細炭素繊維の集合体を有する基板を複数用意し、各基板を通る回転軸線回りに各々の基板を回転させることによって前記集合体から引き出した微細炭素繊維を撚って微細炭素繊維撚糸を形成しつつ、前記複数の基板を共通の回転軸線回りに更に回転させることによって前記微細炭素繊維撚糸どうしをさらに撚合わせることを特徴とする請求項1に記載の微細炭素繊維撚糸の製造方法。
  4. 微細炭素繊維撚糸の糸切れをリカバリーするリカバリー工程を更に有し、
    前記リカバリー工程は、前記微細炭素繊維の集合体の側面に極細軸状部を有する引出具の該極細軸状部を突き刺した後、該極細軸状部に前記微細炭素繊維を付着させ、基板から微細炭素繊維を無撚りのまま引き出し、または基板または引出具を回転させて微細炭素繊維の撚糸にして引き出し、引き出した撚糸の端部を、既にボビン上に巻き取った微細炭素繊維撚糸の一端に重ね合わせた後、その重ね合わせた部分に撚りを掛けて両撚糸を接続し、前記引出具の極細軸状部に繋がっている微細炭素繊維撚糸を該引出具から切り離すことにより、2本の撚糸を接続することを特徴とする請求項1に記載の微細炭素繊維撚糸の製造方法。
  5. 1対のボビンに巻き取られた各々の微細炭素繊維撚糸を繋げる接続工程を更に含み、
    前記接続工程は、一端が第1のボビンに捲きつけられている第1の撚糸の他端を引き出し、一端が第2のボビンに捲きつけられている第2の撚糸の他端に前記第1の撚糸の他端を重ね合わせ、重ね合わせた部分に撚りを掛けて両撚糸を接続することにより、2本の微細炭素繊維の撚糸を接続することを特徴とする請求項1に記載の微細炭素材繊維撚糸の製造方法。
  6. 接続すべき2本の撚糸の重ね合わせ部分に、微細炭素材繊維の集合体を化学気相成長させた基板から引き出した幅広のシート状の微細炭素繊維で覆った後、該重ね合わせ部分に撚りを掛けて接続することを特徴とする請求項4又は5に記載の微細炭素繊維撚糸の製造方法。
  7. 前記重ね合わせた部分に炭素数1〜5のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、アセトニトリル、又は、水の中から選ばれた液体を付与した後、該重ね合わせ部分に撚りを掛けることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の微細炭素繊維撚糸の製造方法。
  8. 基板上に化学気相成長させた微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維の撚糸を連続的に製造する装置であって、
    前記基板を保持する基板保持部と、
    前記微細炭素繊維撚糸を巻取駆動するボビンと、
    前記基板保持部によって保持された基板上の前記集合体から引き出されてボビンに巻き取られる微細炭素繊維に撚りをかけるように、ボビンの巻取駆動と連動し、前記基板保持部及び前記ボビンの少なくとも一方を回転駆動させる撚り合わせ機構と
    前記基板と前記ホビンとの間を移動可能であり、前記基板上に成長させられた微細炭素繊維の集合体の側面に突き刺して微細炭素繊維を引き出すための極細軸状部を有する引出具と、
    前記引出具を軸線回りに回転させる回転駆動装置と、を備え、
    前記引出具の極細軸状部の直径(D)は、前記基板上に成長させられた微細炭素繊維の平均長さ(L)に対し、D<(L/π)に設定されていることを特徴とする前記装置。
  9. 基板上に化学気相成長させた微細炭素繊維の集合体から微細炭素繊維の撚糸を連続的に製造する装置であって、
    前記基板を保持する基板保持部と、
    前記微細炭素繊維撚糸を巻取駆動するボビンと、を有し、
    前記ボビンは、前記微細炭素繊維を接続するための先細端部が巻取回転軸線方向一端に形成されるとともに、該先細端部が前記基板保持部の側を向き前記微細炭素繊維が引き出される方向に巻取回転軸線が沿う第1の配置と、前記微細炭素繊維が引き出される方向と巻取回転軸線が交差する第2の配置とを配置転換可能とされ、
    前記ボビン及び基板保持部の少なくとも一方が、互いに接近又は離反するように往復動自在に設けられていることを特徴とする前記装置。
  10. 前記基板保持部は、前記基板上の前記集合体から引き出される微細炭素繊維と該基板との干渉を避けるように、該保持部の回転軸線が前記ボビンの周縁部に向けられ、且つ、前記基板を前記保持部の回転軸線と非平行に保持するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の装置。
  11. 複数の前記基板保持部を支持する支持体と、各基板保持部に保持された基板上の前記集合体の各々から引き出される微細炭素繊維に撚りをかけるために前記複数の基板保持部の各々を回転駆動する複数の第1駆動部と、前記微細炭素繊維撚糸どうしをさらに撚合わせるために前記支持体を回転駆動する第2駆動部と、を有することを特徴とする請求項に記載の装置。
  12. 前記基板上からの微細炭素繊維の引出位置付近に風防を備えることを特徴とする請求項に記載の装置。
  13. 基板上の微細炭素繊維切れ又は、基板からの微細炭素繊維の引き出し状態を監視する監視装置を更に備え、
    前記監視装置は、微細炭素繊維を化学気相成長させた基板とボビンとの間に存在する撚りを掛けながら基板から引き出された微細炭素繊維撚糸を撮影する撮像装置と、前記撮像装置によって得られた画像データを画面上に拡大して映し出すディスプレイと、前記ディスプレイに映し出された映像の画像データを走査し撚糸を構成する画素数が減少した時に糸切れと判定する判定手段と、を有することを特徴とする請求項に記載の微細炭素繊維撚糸の製造装置。
  14. 前記引出具は、前記極細軸状部の外周面に周溝、螺旋溝、及び突起の少なくとも何れかを有することを特徴とする請求項に記載の装置。
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