JP4899857B2 - 点火コイル用の絶縁部材 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用エンジン等の内燃機関に使用する点火コイルに用いる各種の絶縁部材に関する。
車両用エンジン等の内燃機関に使用する点火コイルにおいては、同一軸線を中心に内周側と外周側に重ねて巻回した一次コイル(一次側コイル)と二次側コイル(二次コイル)とを用い、電磁誘導作用を利用して例えば20〜40kVの高電圧を二次コイルに発生させている。そして、この高電圧により、二次コイルに接続したスパークプラグにおける一対の電極間にスパークを発生させ、このスパークにより内燃機関における燃焼動作を行っている。
そして、点火コイルに用いる各種の絶縁部材においては、高電圧に耐え得るように、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、エポキシ等の樹脂が使用されている。
例えば、特許文献1の内燃機関用点火コイルにおいては、点火コイルのケース及び一次ボビンを、従来のPBT樹脂に代えてPPS樹脂を用いて成形することにより、点火コイルの出力エネルギを損なうことなく、その小型化を図っている。
ところで、近年、車両用エンジン等においては、高出力、低燃費、低エミッションのエンジンが開発されており、点火系に対する要求電圧が年々高くなっていきている。そのため、点火コイルに用いる絶縁部材においても、高電圧に長時間耐え得るコロナ寿命(耐久性)の向上が必要となり、使用する材料に更なる工夫が必要とされる。
特開平8−339928号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、コロナ寿命(耐久性)を飛躍的に向上させることができる点火コイル用の絶縁部材を提供しようとするものである。
第1の発明は、一次コイル及び二次コイルを備えた点火コイルに用いる絶縁部材であって、
該絶縁部材は、プラグホール内において、上記一次コイルを巻回した一次スプール、上記二次コイルを巻回した二次スプール、上記一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケースの少なくともいずれかに連結され、上記二次コイルの高電圧側端部と導通される高電圧端子を内部に収容する高電圧タワーであり、かつ、ベースとなる絶縁材料としてのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂に、脱水分解反応を生じさせる脱水分解反応剤を上記絶縁部材の全体に対して5wt%以上添加してなることを特徴とする点火コイル用の絶縁部材にある(請求項1)。
第2の発明は、一次コイル及び二次コイルを備えた点火コイルに用いる絶縁部材であって、
該絶縁部材は、上記一次コイルを巻回した一次スプール、上記二次コイルを巻回した二次スプール、上記一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケースの少なくともいずれかに連結され、上記二次コイルの高電圧側端部と導通される高電圧端子を内部に収容する高電圧タワーと、該高電圧タワーに取り付けられ、スパークプラグを絶縁して装着するためのプラグ装着部材と、をプラグホール内において連結するジョイント部材であり、かつ、ベースとなる絶縁材料としてのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂に、脱水分解反応を生じさせる脱水分解反応剤を上記絶縁部材の全体に対して5wt%以上添加してなることを特徴とする点火コイル用の絶縁部材にある(請求項2)。
点火コイル用の絶縁部材においては、高電圧の環境下に曝されることが多く、この高電圧に長時間耐え得ることが要求される。そこで、本発明の点火コイル用の絶縁部材においては、ベースとなる絶縁材料に上記脱水分解反応剤を添加してなる。これにより、本発明の絶縁部材は、高電圧の環境下に長時間(例えば、従来の絶縁部材に比べて約5倍以上の時間)耐え得ることができ、絶縁部材のコロナ寿命(耐久性)を飛躍的に向上させることができる。
上記絶縁部材を上記脱水分解反応剤を用いて形成したことにより、コロナ寿命を向上させることができる理由は、以下のように考える。
すなわち、本発明の絶縁部材においては、脱水分解反応剤が脱水分解反応を生じさせることにより、ベースとなる絶縁材料におけるコロナ熱(熱)を吸収する効果、又はベースとなる絶縁材料を冷却する効果が得られると考えられる。これにより、絶縁部材が高温に加熱されることが抑制され、絶縁部材の劣化抑制により、コロナ寿命を向上させることができると考える。
参考発明は、一次コイル及び二次コイルを備えた点火コイルに用いる絶縁部材であって、
該絶縁部材は、ベースとなる絶縁体の表面に、脱水分解反応を生じさせる脱水分解反応剤を含有する絶縁材料をコーティングしてなることを特徴とする点火コイル用の絶縁部材にある
本発明の点火コイル用の絶縁部材においては、ベースとなる絶縁体の表面に上記脱水分解反応剤をコーティングしてなる。これにより、本発明の絶縁部材も、高電圧の環境下に長時間(例えば、従来の絶縁部材に比べて約5倍以上の時間)耐え得ることができ、絶縁部材のコロナ寿命(耐久性)を飛躍的に向上させることができる。
また、本発明における絶縁材料としては、絶縁体に対する接着性の高い樹脂、ゴム等を用いることができる。
なお、上記絶縁部材を上記脱水分解反応剤を用いて形成したことにより、コロナ寿命を向上させることができる理由は、上記第1の発明と同様に考える。
上述した第1、第2の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1、第2の発明において、上記絶縁材料は、絶縁性を有する熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂の材料、絶縁性を有するゴムの材料等とすることができる。
上記第2の発明において、上記絶縁体は、絶縁性を有する熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂の成形品、絶縁性を有するゴムの成形品等とすることができる。
また、上記絶縁部材は、上記一次コイルを巻回した一次スプール、上記二次コイルを巻回した二次スプール、上記一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケース、上記一次スプール、上記二次スプールもしくは上記コイルケースの少なくともいずれかに連結され、上記二次コイルの高電圧側端部と導通される高電圧端子を内部に収容する高電圧タワー、又は該高電圧タワーに取り付けられ、スパークプラグを絶縁して装着するためのプラグ装着部材上記高電圧タワーとを連結するジョイント部材いずれかである
これにより、点火コイルにおいて、高電圧の環境下に曝されることが多い各種の部材、一次スプール、二次スプール、コイルケース、高電圧タワー、プラグ装着部材、ジョイント部材又は充填材のコロナ寿命を飛躍的に向上させることができる。
また、上記脱水分解反応剤は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムであることが好ましい(請求項)。
この場合には、脱水分解反応剤の入手が容易であり、絶縁部材を容易に成形することができる。
上記第1、第2の発明において、上記脱水分解反応剤の上記絶縁部材の全体に対する添加量は、5wt%以上である
上記絶縁部材のコロナ寿命を飛躍的に向上(例えば従来に比べて約5倍以上)させるためには、脱水分解反応剤の添加量は5wt%以上とすることが好ましい。一方、脱水分解反応剤の添加量が5wt%未満になると、絶縁部材のコロナ寿命を十分に向上させることが困難になる。
また、上記脱水分解反応剤の上記絶縁部材の全体に対する添加量は、35wt%以下であることが好ましい(請求項)。
脱水分解反応剤は、高電圧の環境下に曝される時間に対応して消費されると考えるため、その添加量は多いほどコロナ寿命を長くすることができると考える。一方、脱水分解反応剤の添加量を多くし過ぎると、絶縁部材の機械的強度(曲げ、引張強度等)、成形性等を低下させるおそれがある。そのため、点火コイルに使用可能な脱水分解反応剤の添加量は、35wt%以下が好ましいと考える。
以下に、本発明の点火コイル用の絶縁部材にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の点火コイル1用の絶縁部材は、図1に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22を備えた点火コイル1に用いるものである。この絶縁部材は、ベースとなる絶縁材料に、脱水分解反応を生じさせる脱水分解反応剤を添加してなる。
以下に、本例の点火コイル1用の絶縁部材につき、図1〜図4と共に詳説する。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22を備えたコイル部2を、エンジン(シリンダヘッドカバー)のプラグホール81内に配置して用いるスティックタイプのものである。一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、軟磁性材料からなる中心コア23が配置してあり、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、軟磁性材料からなる外周コア24が配置してある。
一次コイル21は、断面円環形状を有する熱可塑性樹脂からなる一次スプール211の外周に巻回してなる。また、二次コイル22は、一次コイル21よりも細径の電線を用い、断面円環形状を有する熱可塑性樹脂からなる二次スプール221の外周に、一次コイル21の巻回数よりも多い巻回数で巻回してなる。一次コイル21、二次コイル22、中心コア23及び外周コア24は、熱可塑性樹脂からなるコイルケース31内に収容してある。
図1に示すごとく、コイルケース31の高電圧側端部には、断面円環形状を有する熱可塑性樹脂からなり、二次コイル22の高電圧側端部225と導通される高電圧端子42を内部に収容する高電圧タワー33が連結してある。この高電圧タワー33には、断面円環形状を有するゴムからなり、スパークプラグを装着するためのプラグ装着部材34が取り付けてある。このプラグ装着部材34の内周側には、高電圧タワー33と導通され、プラグ装着部材34の内周側に装着したスパークプラグの端子部と接触するスプリング43が配置してある。
コイルケース31の低電圧側端部には、当該点火コイル1をエンジンのECU(電子制御ユニット)に電気接続するためのコネクタ接続部321を備えたコネクタケース部32が形成してある。本例のコネクタケース部32内には、電力制御回路を備えたイグナイタ41が配置してある。
また、点火コイル1における間隙、すなわちコネクタケース部32、コイルケース31及び高電圧タワー33によって囲まれた空間における間隙には、熱硬化性樹脂からなる充填材11が充填してある。
また、図1に示すごとく、中心コア23は電磁鋼板(珪素鋼板等)を軸方向に直交する方向に積層してなり、中心コア23の外周には、電磁鋼板のエッジ部(角部)によって充填材11に亀裂等が入ることを防止するための保護部材231(テープ、チューブ等)が巻き付けてある。この保護部材は、樹脂又はゴムから形成することができる。
また、外周コア24の高電圧側端部には、この外周コア24の磁化方向(軸方向)に作用する圧縮応力を緩和するための弾性部材241が配置してある。この弾性部材241は、ゴムから形成することができる。
本例の絶縁部材は、一次スプール211、二次スプール221、高電圧タワー33、プラグ装着部材34、充填材11、保護部材231及び弾性部材241のいずれか1つ又は複数を構成する。そして、一次スプール211及び二次スプール221は、ベースとなる絶縁材料をPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂とし、このPPE樹脂に脱水分解反応剤を添加して構成することができる。高電圧タワー33は、ベースとなる絶縁材料をPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂とし、このPPS樹脂に脱水分解反応剤を添加して構成することができる。プラグ装着部材34は、ベースとなる絶縁材料をシリコンゴムとし、このシリコンゴムに脱水分解反応剤を添加して構成することができる。充填材11は、ベースとなる絶縁材料をエポキシ樹脂とし、このエポキシ樹脂に脱水分解反応剤を添加して構成することができる。
また、絶縁部材は、ベースとなる絶縁材料に、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)等の脱水分解反応剤を添加して構成することができる。そして、絶縁部材の全体に対する脱水分解反応剤の添加量は、5〜35wt%とすることが好ましい。また、絶縁部材は、ベースとなる絶縁材料、脱水分解反応剤の他にも、フィラー等の補強剤、その他添加剤等を含有して成形することができる。
本例の点火コイル1において、ECUからのパルス状のスパーク発生信号によって、一次コイル21に電流を流したときには、中心コア23及び外周コア24を通過する磁界が形成される。次いで、一次コイル21に流す電流を遮断したときには、自己誘導作用により一次コイル21に電圧が生ずると共に、相互誘導作用により二次コイル22に高電圧の誘導起電力が発生し、点火コイル1に取り付けたスパークプラグにおける一対の電極間にスパークを発生させることができる。
本例の点火コイル1用の絶縁部材においては、ベースとなる絶縁材料に脱水分解反応剤を5〜35wt%(絶縁部材全体に対して)添加したことにより、高電圧の環境下に長時間(例えば、従来の絶縁部材に比べて約5倍以上の時間)耐え得ることができ、コロナ寿命(耐久性)を飛躍的に向上させることができる。
この理由は、本例の絶縁部材においては、脱水分解反応剤が脱水分解反応を生じさせることにより、ベースとなる絶縁材料におけるコロナ熱(熱)を吸収する効果、又はベースとなる絶縁材料を冷却する効果が得られると考えられる。これにより、絶縁部材が高温に加熱されることが抑制され、絶縁部材の劣化抑制により、コロナ寿命を向上させることができると考える。
また、絶縁部材を適用する点火コイルとしては、図2に示すごとく、一次コイル21および二次コイル22をエンジン(シリンダヘッドカバー)のプラグホール81外に配置して用いる矩形タイプの点火コイル1Aとすることもできる。この場合に、高電圧タワー33は、一次コイル21、二次コイル22、中心コア23等を収容するコイルケース31から形成し、高電圧タワー33には、ゴムからなる第1ジョイント部材35を介して樹脂からなる第2ジョイント部材36を連結し、第2ジョイント部材36にプラグ装着部材34を取り付けることができる。また、充填材11は、コイルケース31内における間隙を充填することができる。
この矩形タイプの点火コイル1Aにおいて、絶縁部材は、一次コイル21を巻回した一次スプール211、二次コイル22を巻回した二次スプール221、高電圧タワー33、第1ジョイント部材35、第2ジョイント部材36、プラグ装着部材34及び充填材11のいずれか1つ又は複数を構成することができる。そして、一次スプール211、二次スプール221、高電圧タワー33、プラグ装着部材34及び充填材11は、上記スティックタイプの点火コイル1と同様の絶縁材料に、脱水分解反応剤を添加して構成することができる。また、第1ジョイント部材35は、ベースとなる絶縁材料をシリコンゴムとし、このシリコンゴムに脱水分解反応剤を添加して構成することができる。第2ジョイント部材36は、ベースとなる絶縁材料をPPS樹脂とし、このPPS樹脂に脱水分解反応剤を添加して構成することができる
また、図示は省略するが、上記絶縁部材は、ベースとなる絶縁体の表面に、脱水分解反応を生じさせる脱水分解反応剤を含有する絶縁材料をコーティングして形成することもできる。この場合において、絶縁体としては、絶縁性の高い種々の樹脂、ゴム等の成形品を用いることができ、絶縁材料としては、絶縁体に対する接着性の高い樹脂又はゴムの接着剤等を用いることができる。また、この絶縁材料のコーティングを行った絶縁部材は、上記と同様にスティックタイプの点火コイル1及び矩形タイプの点火コイル1Aのいずれにも用いることができる。
本例においては、PPS樹脂に脱水分解反応剤を添加してなる絶縁部材による効果を確認するための試験を行った。具体的には、脱水分解反応剤の添加量を0wt%、5wt%、10wt%としたときの絶縁部材に対して、高電圧(20kV、50Hz)を継続して印加し、絶縁破壊時間(高電圧の印加を開始してから絶縁部材が絶縁性を維持できなくなるまでの時間)を測定した。
図3は、横軸に脱水分解反応剤の添加量をとり、縦軸に寿命倍率をとって、絶縁破壊時間の測定結果を示す。ここで、寿命倍率は、脱水分解反応剤の添加量が0wt%のときの基準絶縁破壊時間を1(倍率)とし、脱水分解反応剤の添加量を5wt%、10wt%としたときの絶縁破壊時間が、基準絶縁破壊時間の何倍であったかによって示す。
同図より、脱水分解反応剤の添加量が5wt%以上になる付近から、寿命倍率は約5倍以上に飛躍的に向上することがわかる。一方、脱水分解反応剤の添加量を多くし過ぎると、絶縁部材の機械的強度(曲げ、引張強度等)、成形性等を低下させるおそれがあるため、点火コイルに使用可能な脱水分解反応剤の添加量は、35wt%以下が好ましいと考える。
図4は、横軸に絶縁破壊時間をとり、縦軸に電圧をとって、絶縁部材の絶縁破壊電圧(JIS規格による絶縁部材が絶縁破壊するときの電圧)及び絶縁破壊時間を説明するグラフである。同図より、本例の脱水分解反応剤を添加した絶縁部材(発明品)と、従来の脱水分解反応剤を含有しない絶縁部材(従来品)との絶縁破壊電圧には、ほとんど差がないことがわかる。これに対し、発明品においては、絶縁破壊が生じるまでの時間を延長することができ、そのコロナ寿命を長くできることがわかる。
実施例における、点火コイルを示す断面説明図。 実施例における、他の点火コイルを示す断面説明図。 実施例における、横軸に脱水分解反応剤の添加量をとり、縦軸に寿命倍率をとって、絶縁破壊時間の測定結果を示すグラフ。 実施例における、横軸に絶縁破壊時間をとり、縦軸に電圧をとって、絶縁部材の絶縁破壊電圧及び絶縁破壊時間を説明するグラフ。
符号の説明
1 点火コイル
11 充填材
2 コイル部
21 一次コイル
211 一次スプール
22 二次コイル
221 二次スプール
31 コイルケース
32 コネクタケース部
33 高電圧タワー
34 プラグ装着部材
35 第1ジョイント部材
36 第2ジョイント部材

Claims (4)

  1. 一次コイル及び二次コイルを備えた点火コイルに用いる絶縁部材であって、
    該絶縁部材は、プラグホール内において、上記一次コイルを巻回した一次スプール、上記二次コイルを巻回した二次スプール、上記一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケースの少なくともいずれかに連結され、上記二次コイルの高電圧側端部と導通される高電圧端子を内部に収容する高電圧タワーであり、かつ、ベースとなる絶縁材料としてのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂に、脱水分解反応を生じさせる脱水分解反応剤を上記絶縁部材の全体に対して5wt%以上添加してなることを特徴とする点火コイル用の絶縁部材。
  2. 一次コイル及び二次コイルを備えた点火コイルに用いる絶縁部材であって、
    該絶縁部材は、上記一次コイルを巻回した一次スプール、上記二次コイルを巻回した二次スプール、上記一次コイル及び二次コイルを収容するコイルケースの少なくともいずれかに連結され、上記二次コイルの高電圧側端部と導通される高電圧端子を内部に収容する高電圧タワーと、該高電圧タワーに取り付けられ、スパークプラグを絶縁して装着するためのプラグ装着部材と、をプラグホール内において連結するジョイント部材であり、かつ、ベースとなる絶縁材料としてのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂に、脱水分解反応を生じさせる脱水分解反応剤を上記絶縁部材の全体に対して5wt%以上添加してなることを特徴とする点火コイル用の絶縁部材。
  3. 請求項1又は2において、上記脱水分解反応剤は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムであることを特徴とする点火コイル用の絶縁部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記脱水分解反応剤の上記絶縁部材の全体に対する添加量は、35wt%以下であることを特徴とする点火コイル用の絶縁部材。
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