JP4899462B2 - 機械加工物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工物(以下、ワークという)を機械加工する際、ワークに固定剤を設置してバリを防止しつつ、ワークから固定剤を容易に取り除くことができる機械加工物の製造方法に関する。
従来より、ワークを機械加工する際に生ずるバリの発生を防止する方法が、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、特許文献1では、バリを防止するものとして半溶融または溶融状態の水溶性尿素樹脂を加工材に充填するか、あるいは溶融状態の水溶性尿素樹脂の中に加工材を浸漬し、加工材に水溶性尿素樹脂を密着させて凝固させた後、加工材に機械加工を行い、加工後に加工材を水洗することで密着している水溶性尿素樹脂を除去する方法が提案されている。
特開昭63−11244号公報
しかしながら、上記従来の技術では、バリ防止のために水溶性尿素樹脂を用いている。この水溶性尿素樹脂は、加工材との密着性が良いため、加工材と強く接合する。これにより、加工材を水洗いしたとしても、加工材から完全に除去することはできず、加工材に少なからず残ってしまう。このため、加工材に残った水溶性尿素樹脂を完全に取り除くために、例えば工具を使って人為的に削り落とす工程が必要であった。
なお、上記従来技術では、ワークに発生するバリを防止する場合について述べているが、ワークを加工し始めるときにワークが変形するかえりも発生する可能性がある。
本発明は、上記点に鑑み、ワークを加工する際、固定剤でバリもしくはかえりを防止しつつ、加工後にワークから固定剤を容易に除去することができる機械加工物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴では、温度に応じて融解または凝固する固定剤(30)を加熱溶融し、溶融した固定剤をワークのうちバリ発生箇所に付着して凝固することにより、ワークのバリ発生箇所に固定剤を固定する。この後、固定剤が固定されたバリ発生箇所を固定剤と共に加工する。そして、加工したワークを加熱して固定剤を溶融し、ワークから固定剤を除去する。
このような方法によれば、ワークを加工した後、ワークのうちバリ発生箇所に設置した固定剤を加熱して融解することにより、固定剤を液化することができるため、固定剤を容易にワークから取り除くことができる。このようにして固定剤を取り除く場合、固定剤の融点をお湯の温度よりも低く設定しておくと、固定剤にお湯を注ぐだけで固定剤を容易に溶融することができ、ワークから固定剤を洗い流すことができる。
また、固定剤はワークのうちバリ発生箇所に密着して固定されているため、ワークを加工する際、バリ等の発生を防止することができる。
上記バリ発生箇所とは、ワークを加工するための工具がワークから固定剤に向かう場所を少なくとも含んでいることが好ましい。すなわち、工具の加工部分がワークから離れるときにバリが発生するため、上記のようなバリ発生箇所もしくは被加工部分に固定剤を設置することが好ましい。これにより、バリの発生を抑制することができる。
本発明の第2の特徴では、温度に応じて融解または凝固する固定剤(30)を加熱溶融し、溶融した固定剤をワーク(10、40)の被加工部分に付着して凝固することにより固定する。この後、固定剤が固定された被加工部分を固定剤と共に加工する。そして、加工したワークを加熱して固定剤を溶融し、ワークから固定剤を除去する。
このような方法によれば、ワークを加工した後、ワークのうち被加工部分に設置した固定剤を加熱して融解することにより、固定剤を液化することができるため、固定剤を容易にワークから取り除くことができる。上記と同様に、お湯で洗い流すことも可能である。
また、固定剤はワークのうち被加工部分に密着して固定されているため、ワークを加工する際、バリ等の発生を防止することができる。
上記被加工部分とは、上記と同様に、ワークを加工するための工具がワークから固定剤に向かう場所を少なくとも含んでいることが好ましい。
上記固定剤として、パラフィンもしくはポリエチレングリコールを主成分としたものを用いることができる。
さらに、パラフィンとしては、以下(1)〜(5)に示すノルマルパラフィンと非ノルマルパラフィンとを組み合わせたパラフィンも使用できる。なお、組成割合の%はすべて重量%である。また、パラフィンの融解開始温度と融解終了温度との温度差は後述するように5℃以下であることが好ましいが、さらに小さい温度差であることが好ましい。以下では、その温度差が小さいものについて示す。
(1)ノルマルパラフィンの成分合計88.99%、残部非ノルマルパラフィンからなるパラフィン
『ノルマルパラフィンの組成』
炭素数18のノルマルパラフィン:0.08%
炭素数19のノルマルパラフィン:0.41%
炭素数20のノルマルパラフィン:1.76%
炭素数21のノルマルパラフィン:5.61%
炭素数22のノルマルパラフィン:10.66%
炭素数23のノルマルパラフィン:14.76%
炭素数24のノルマルパラフィン:14.50%
炭素数25のノルマルパラフィン:12.42%
炭素数26のノルマルパラフィン:9.08%
炭素数27のノルマルパラフィン:6.58%
炭素数28のノルマルパラフィン:4.04%
炭素数29のノルマルパラフィン:2.88%
炭素数30のノルマルパラフィン:2.09%
炭素数31のノルマルパラフィン:1.50%
炭素数32のノルマルパラフィン:1.02%
炭素数33のノルマルパラフィン:0.72%
炭素数34のノルマルパラフィン:0.37%
炭素数35のノルマルパラフィン:0.24%
炭素数36のノルマルパラフィン:0.14%
炭素数37のノルマルパラフィン:0.08%
炭素数38のノルマルパラフィン:0.05%
以上ノルマルパラフィンの成分合計は88.99%であり、残部が非ノルマルパラフィンである。
このような組成(1)からなるパラフィンの平均炭素数は24.74であり、分子量分布の標準偏差は2.86であり、この標準偏差が小さいほどシャープな分子量分布を示す。また、この組成(1)のパラフィンの最大分子量は534、最小分子量は254である。従って、分子量分布幅は280となる。
このような組成(1)のパラフィンの融解開始温度:50.4℃、融解終了温度:51.7℃である。従って、融解開始温度と融解終了温度の温度差は1.3℃と僅少値に設定できる。
(2)ノルマルパラフィンの成分合計88.64%、残部非ノルマルパラフィンからなるパラフィン
『ノルマルパラフィンの組成』
炭素数18のノルマルパラフィン:0.07%
炭素数19のノルマルパラフィン:0.28%
炭素数20のノルマルパラフィン:1.10%
炭素数21のノルマルパラフィン:3.38%
炭素数22のノルマルパラフィン:6.92%
炭素数23のノルマルパラフィン:10.86%
炭素数24のノルマルパラフィン:12.67%
炭素数25のノルマルパラフィン:12.74%
炭素数26のノルマルパラフィン:11.17%
炭素数27のノルマルパラフィン:9.18%
炭素数28のノルマルパラフィン:6.43%
炭素数29のノルマルパラフィン:4.73%
炭素数30のノルマルパラフィン:3.01%
炭素数31のノルマルパラフィン:2.16%
炭素数32のノルマルパラフィン:1.42%
炭素数33のノルマルパラフィン:0.98%
炭素数34のノルマルパラフィン:0.55%
炭素数35のノルマルパラフィン:0.36%
炭素数36のノルマルパラフィン:0.22%
炭素数37のノルマルパラフィン:0.15%
炭素数38のノルマルパラフィン:0.11%
炭素数39のノルマルパラフィン:0.09%
炭素数40のノルマルパラフィン:0.06%
以上ノルマルパラフィン成分合計は88.64%、残部が非ノルマルパラフィンである。
このような組成(2)からなるパラフィンの平均炭素数は25.61、分子量分布の標準偏差は3.05、最大分子量は562、最小分子量は254である。従って、分子量分布幅366となる。この組成(2)のパラフィンの融解開始温度:52.5℃、融解終了温度:53.7℃である。従って、融解開始温度と融解終了温度の温度差は1.2℃と僅少値に設定できる。
(3)ノルマルパラフィンの成分合計89.57%、残部非ノルマルパラフィンからなるパラフィン
『ノルマルパラフィンの組成』
炭素数19のノルマルパラフィン:0.09%
炭素数20のノルマルパラフィン:0.34%
炭素数21のノルマルパラフィン:1.31%
炭素数22のノルマルパラフィン:3.50%
炭素数23のノルマルパラフィン:7.09%
炭素数24のノルマルパラフィン:10.36%
炭素数25のノルマルパラフィン:12.57%
炭素数26のノルマルパラフィン:12.68%
炭素数27のノルマルパラフィン:11.75%
炭素数28のノルマルパラフィン:8.80%
炭素数29のノルマルパラフィン:6.99%
炭素数30のノルマルパラフィン:4.74%
炭素数31のノルマルパラフィン:3.41%
炭素数32のノルマルパラフィン:2.42%
炭素数33のノルマルパラフィン:1.70%
炭素数34のノルマルパラフィン:0.93%
炭素数35のノルマルパラフィン:0.54%
炭素数36のノルマルパラフィン:0.25%
炭素数37のノルマルパラフィン:0.10%
以上ノルマルパラフィンの成分合計は89.57%、残部が非ノルマルパラフィンである。
このような組成(3)からなるパラフィンの平均炭素数は26.56、分子量分布の標準偏差は2.94、最大分子量は520、最小分子量は268である。従って、分子量分布幅は252となる。この組成(3)のパラフィンの融解開始温度:54.6℃、融解終了温度:55.6 ℃である。従って、融解開始温度と融解終了温度の温度差は1.0℃と僅少値に設定できる。
(4)ノルマルパラフィンの成分合計71.11%、残部非ノルマルパラフィンからなるパラフィン
『ノルマルパラフィンの組成』
炭素数23のノルマルパラフィン:0.08%
炭素数24のノルマルパラフィン:0.16%
炭素数25のノルマルパラフィン:0.39%
炭素数26のノルマルパラフィン:0.87%
炭素数27のノルマルパラフィン:1.52%
炭素数28のノルマルパラフィン:1.99%
炭素数29のノルマルパラフィン:2.68%
炭素数30のノルマルパラフィン:3.14%
炭素数31のノルマルパラフィン:3.71%
炭素数32のノルマルパラフィン:3.94%
炭素数33のノルマルパラフィン:4.07%
炭素数34のノルマルパラフィン:4.37%
炭素数35のノルマルパラフィン:4.94%
炭素数36のノルマルパラフィン:5.49%
炭素数37のノルマルパラフィン:6.00%
炭素数38のノルマルパラフィン:5.44%
炭素数39のノルマルパラフィン:4.50%
炭素数40のノルマルパラフィン:3.71%
炭素数41のノルマルパラフィン:3.01%
炭素数42のノルマルパラフィン:2.53%
炭素数43のノルマルパラフィン:1.94%
炭素数44のノルマルパラフィン:1.55%
炭素数45のノルマルパラフィン:1.06%
炭素数46のノルマルパラフィン:0.84%
炭素数47のノルマルパラフィン:0.58%
炭素数48のノルマルパラフィン:0.45%
炭素数49のノルマルパラフィン:0.33%
炭素数50のノルマルパラフィン:0.32%
炭素数51のノルマルパラフィン:0.26%
炭素数52のノルマルパラフィン:0.21%
炭素数53のノルマルパラフィン:0.19%
炭素数54のノルマルパラフィン:0.17%
炭素数55のノルマルパラフィン:0.15%
炭素数56のノルマルパラフィン:0.13%
炭素数57のノルマルパラフィン:0.11%
炭素数58のノルマルパラフィン:0.09%
炭素数59のノルマルパラフィン:0.08%
炭素数60のノルマルパラフィン:0.06%
炭素数61のノルマルパラフィン:0.05%
以上ノルマルパラフィンの成分合計は71.11%であり、残部が非ノルマルパラフィンである。
このような組成(4)からなるパラフィンの平均炭素数は36.34、分子量分布の標準偏差は5.70、最大分子量は856、最小分子量は324である。従って、分子量分布幅は532となる。この組成(4)のパラフィンの融解開始温度:72.1℃、融解終了温度:73.4℃である。従って、融解開始温度と融解終了温度の温度差は1.3℃と僅少値に設定できる。
(5)ノルマルパラフィンの成分合計75.78%、残部非ノルマルパラフィンからなるパラフィン
『ノルマルパラフィンの組成』
炭素数29のノルマルパラフィン:0.08%
炭素数30のノルマルパラフィン:0.23%
炭素数31のノルマルパラフィン:0.69%
炭素数32のノルマルパラフィン:1.36%
炭素数33のノルマルパラフィン:1.77%
炭素数34のノルマルパラフィン:2.02%
炭素数35のノルマルパラフィン:2.21%
炭素数36のノルマルパラフィン:2.41%
炭素数37のノルマルパラフィン:3.02%
炭素数38のノルマルパラフィン:3.58%
炭素数39のノルマルパラフィン:3.52%
炭素数40のノルマルパラフィン:3.94%
炭素数41のノルマルパラフィン:4.13%
炭素数42のノルマルパラフィン:5.15%
炭素数43のノルマルパラフィン:4.95%
炭素数44のノルマルパラフィン:5.54%
炭素数45のノルマルパラフィン:4.55%
炭素数46のノルマルパラフィン:4.71%
炭素数47のノルマルパラフィン:3.53%
炭素数48のノルマルパラフィン:3.08%
炭素数49のノルマルパラフィン:2.38%
炭素数50のノルマルパラフィン:2.16%
炭素数51のノルマルパラフィン:1.68%
炭素数52のノルマルパラフィン:1.35%
炭素数53のノルマルパラフィン:1.21%
炭素数54のノルマルパラフィン:1.00%
炭素数55のノルマルパラフィン:0.85%
炭素数56のノルマルパラフィン:0.80%
炭素数57のノルマルパラフィン:0.63%
炭素数58のノルマルパラフィン:0.59%
炭素数59のノルマルパラフィン:0.49%
炭素数60のノルマルパラフィン:0.41%
炭素数61のノルマルパラフィン:0.34%
炭素数62のノルマルパラフィン:0.38%
炭素数63のノルマルパラフィン:0.36%
炭素数64のノルマルパラフィン:0.30%
炭素数65のノルマルパラフィン:0.23%
炭素数66のノルマルパラフィン:0.15%
以上ノルマルパラフィンの成分合計は75.78%であり、残部が非ノルマルパラフィンである。
このような組成(5)からなるパラフィンの平均炭素数は43.69、分子量分布の標準偏差は6.81、最大分子量は926、最小分子量は408である。従って、分子量分布幅は518となる。この組成(5)のパラフィンの融解開始温度:86.2℃、 融解終了温度:87.9℃である。従って、融解開始温度と融解終了温度の温度差は1.7℃と僅少値に設定できる。
また、ポリエチレングリコールとしては次のようなものを使用できる。例えば、平均分子量:1540のポリエチレングリコールは、融解開始温度:46℃、融解終了温度:47.2℃である。したがって、この融解開始温度と融解終了温度の温度差は1.2℃という僅少値に設定できる。
また、平均分子量4000のポリエチレングリコールは、その分子量の最大値は5464、最小値は1689、数平均分子量Mn:2866、重量平均分子量Mw:2935、Z平均分子量Mz:3004、分子量分布分散度(1に近いほどシャープな分布を示す)Mw/Mn:1.0238、Mz/Mw:1.0237である。この平均分子量4000のポリエチレングリコールの融解開始温度:55.1℃、融解終了温度:56.4℃である。したがって、融解開始温度と融解終了温度の温度差は1.3℃という僅少値に設定できる。
さらに、固定剤としてセラック樹脂(例えば粉末状)にロジン(例えば粉末状)を混合したものを用いることができる。使用する粉末状セラックとしては粒径:180ミクロン以下、外観は茶褐色、軟化点:約80℃、20℃における固体比重:1.02〜1.12、揮発分:2.0%、温アルコール不溶分:0.21%、ワックス分:3.31%のものを使用することができる。一方、粉末状ロジンとしては粒径:180ミクロン以下、外観は飴色で軟化点:81℃、25℃における固体比重:1.05のものを使用することができる。上記セラック樹脂は熱硬化性の天然樹脂であるので、加熱により熱硬化反応が一定程度進行して変質する。そして、加熱温度が高く、かつ、加熱時間が長いほど強くなる。
上記のような場合において、固定剤として、ワークの硬度以上の硬度を有するものを用いることが好ましい。このとき、固定剤に添加物を添加することにより、固定剤の硬度をワークの硬度以上に設定することができる。
例えば、硬度が要求される場合は、固定剤1重量%〜100重量%に対して、例えば金属材料等を0重量%〜99重量%を添加することができる。ただし、添加量が多くなると粘性が大きくなるため、目的に応じた粘度調整(または硬度調整)が必要になる。固定剤に添加する添加物としては、例えば、(1)セラミック材料(アルミナ、SiC、Si、窒化珪素、ガラス材料などのほとんどのセラミック材料)、(2)カーボン、(3)天然材料(紙、羊毛、繊維、絹、竹、松、杉など天然に存在する材料などのほとんどの材料)、(4)樹脂材料(PET、フッ素樹脂、塩化ビニル、エポキシ樹脂などのほとんどの樹脂材料)、(5)金属材料(鉄、アルミニウム、銅、SUS、黄銅などのほとんどの金属材料)の粉末を混入することができ、これら添加物やその添加量に応じて固定剤の硬度調整を行うことができる。
また、固定剤の融解開始温度と融解終了温度を、18℃〜140℃(セラック樹脂追加で温度が上昇)の範囲内にすることができる。
このような融解開始温度または融解終了温度の範囲を実現するため、上記と同様に、例えばパラフィンに上記した(1)セラミック材料、(2)カーボン材料、(3)天然材料、(4)樹脂材料を添加することで、固定剤の硬度を設定でき、固定剤の融点を例えば18〜140℃(セラック樹脂追加で温度が上昇)の間で設定することができる。このようにパラフィン等に添加する材料は、加工するワークの材質に応じて設定することができる。すなわち、パラフィンに添加する材料に応じて、固定剤の粘度や硬度、そして融点等を自由に設計することができる。これにより、加工に最適な固定剤を用意することができるのである。
さらに、固定剤として、融解開始温度と融解終了温度との温度差が5℃以下であるものを用いることができる。この温度差は小さいほど好ましく、温度差が2℃であることが好ましい。また、上記のようにさらに小さい1℃の温度差であるとさらに好ましい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態では、ワークに対して切削、研磨、ドリル加工、穴あけ加工、切断等の機械加工を行う際、ワークにバリやかえり等を発生させずに加工すると共に、バリを防止するためのバリ防止部材(後述する固定剤)をワークから容易に除去することが特徴である。
図1は、本発明に係る製造方法によって形成されたワークの概略図である。図1に示されるように、ワーク10は、例えば立方体の金属ブロックとして構成され、その端面11が例えば砥石によって研磨されたものである。
以下に、ワーク10の端面11を研磨する方法について説明する。図2は、図1に示されるワーク10の端面11を砥石で研磨する工程を示した図である。以下、図2に従って説明する。
第1工程として、ワーク10の端面11を表面研磨に際し、ワーク10に対して砥石20の進行方向の終端面としての側面12に固定剤30を設置する。この固定剤30は、ワーク10を加工する際にワーク10にバリやかえり等を発生させないようにするためのものである。まず、固定剤30について説明する。
固定剤30は、パラフィンを主成分とするもので構成されている。具体的には、パラフィンに例えばアルミナを40重量%添加したものが採用される。このような固定剤30が溶融した際の固定剤30の粘度は、例えば500mPa・s〜1000mPa・s(ミリパスカル秒)である。なお、水の粘度が1mPa・s〜3mPa・sであるので、上記粘度の固定剤30はワーク10に付着させる場合等に好適である。また、パラフィンを主成分とするものとは、パラフィン単体のものも含んでいる。
さらに、固定剤30として、パラフィンに例えばアルミナを70重量%添加したものを採用しても良い。このような固定剤30が溶融した際の固定剤30の粘度は、例えば2000mPa・s〜3000mPa・sである。
本実施形態では、この固定剤30の融解開始温度(融点)は例えば53℃であり、融解終了温度は例えば55℃〜58℃である。すなわち、固定剤30は、温度幅が2℃〜5℃で溶融または凝固の各状態への変化が完了する。このため、固定剤30の温度をわずか2〜5℃変化させるだけで固定剤30を容易に融解・凝固させることができる。なお、わずかな温度差で固定剤30を融解・凝固するため、固定剤30の溶融開始温度と溶融終了温度との温度差が2℃(またはそれ以下)のものを用いることが好ましい。
上記パラフィン材料はCnHmの分子式(n、mは任意の整数)で記述される。ここで、分子式のnが小さくなると融解温度が低くなり、nが大きくなると融解温度が高くなる。つまり、nが大きいものや小さいものが混ざることで融解温度に幅ができてしまうのである。そこで、上記のように融解開始温度と融解終了温度との温度幅が2℃〜5℃になるようにするため、パラフィンの純度を向上させる。
具体的に、パラフィンの純度はパラフィンの分子量分布幅が狭いほど高くなる。融解・凝固する温度幅を2℃として、例えば室温付近で融解するパラフィン材料においては、分子量分布幅が約50〜3000のものを用いる。また、50℃付近で融解するパラフィン材料においては、分子量分布幅が100〜10000のものを用いる。さらに、90℃付近で融解するパラフィン材料においては、分子量分布幅が500〜100000の幅のものが好ましい。
分子量分布幅を狭める方法は、パラフィン材料の精製による。したがって、精製を精度良く行うと、分子量分布幅は小さくなる。そして、分子量分布幅が狭いと純度が高くなると共に、融解温度の幅が小さくなり、狭い温度範囲で融解・凝固を起こすことができるのである。この固定剤30は、融解・凝固を何度繰り返しても使えるものである。
本実施形態では、固定剤30の融点は53℃に設定されているが、上記のようにパラフィンの分子量や分子量分布幅等を調整することにより、固定剤30の融点を例えば18〜100℃の範囲で設定することができる。
また、固定剤30の硬度は、ワーク10の硬度以上に設定されている。この硬度は、パラフィンに添加する添加物とその含有量に応じて設定することが可能である。例えば、パラフィンに対してアルミナ、SiC、Si、SiO、ダイヤモンドの粉末、セラミックス、鉄材、ステンレス材、銅、アルミニウム等の金属、ベークライト、塩化ビニル、B−PET、尿素樹脂、アクリル、フッ素樹脂等の樹脂類、ガラス等の多くの材料を混合することができる。これら添加物の粒子径を調整することによっても、硬度を調整することができる。
本実施形態では、パラフィンに添加したアルミナの粒子径は1μm〜3μmである。上記のように、添加物の粒子径が大きいものの方が固定剤30の硬度を高くすることができるが、粒子が大きいときは、狭い場所等への固定剤30の充填が困難になる。そこで、経験的に、添加物の粒子径は100μm以下のものが好ましい。
なお、ワーク10の硬度を調べる方法として、例えばビッカーズ硬度計、ロックウェル硬度計やモース硬度計等を採用することができる。これらの硬度計を用いてワーク10の硬度を調べ、その硬度に応じた固定剤30を用意すれば良い。
以上のような特性を有する固定剤30として、カタメルチャック(商品名、登録商標、Thermofix、米国登録商標)を用いることができる。
そして、上記固定剤30を、ワーク10のうち被加工部分、詳しくはバリが発生しうるバリ発生箇所に設置する。これらバリ発生箇所もしくは被加工部分とは、ワーク10を加工するための工具がワーク10から固定剤30に向かう場所を少なくとも含んでいる。
本実施形態では、図2に示されるような砥石20の進行方向でワーク10の端面11を研磨する場合、ワーク10および固定剤30は、固定剤30がワーク10よりも砥石20の進行方向側に位置する配置関係となっている。したがって、図2に示されるように、固定剤30はワーク10において砥石20の進行方向側の側面12に配置されると共に、側面12のうち端面11側に配置される。すなわち、本実施形態では、ワーク10の側面12がバリ発生箇所となる。
具体的には、ワーク10を固定剤30の融点よりも例えば1℃〜5℃程度低い温度に保っておき、溶融した固定剤30をワーク10に塗布する。このように塗布する場合、上記のように固定剤30の粘度が高いため、例えばヘラでワーク10に盛りつけるようにすることができる。また、例えばスポイトで溶融した固定剤30を塗布する方法や、加熱したノズルから溶融した固定剤30をワーク10のバリ発生箇所に吹き付ける方法を採用しても良い。
このようにして、溶融した固定剤30をワーク10に付着し、固定剤30が融点よりも低い温度に冷やされて凝固することにより、固定剤30を固化してワーク10に密着させ、バリ発生箇所に固定剤30を固定する。
なお、ワーク10の温度を固定剤30の融点よりも低くしておけば足りるが、溶融した固定剤30をワーク10に塗布した際にワーク10の側面12で固定剤30が丸くなってしまうことを防止するためには、ワーク10を固定剤30の融点よりも低く、かつ、その融点に近い温度に加熱しておくことが好ましい。
第2工程として、ワーク10を研磨する。すなわち、図2に示されるように、砥石20を例えば数百回転〜数万回転で回転させ、ワーク10の端面11を研磨する。具体的に、砥石20およびワーク10を相対移動させることでワーク10を加工する。本実施形態では、ワーク10を図示しない固定治具に固定し、ワーク10に対して砥石20を移動させることにより、ワーク10の端面11を研磨する。なお、砥石20を固定治具で固定しておき、ワーク10を移動させてワーク10の端面11を研磨するようにしても構わない。
このようにして砥石20でワーク10の端面11を研磨していくと、砥石20がワーク10の端面11の側面12付近に近づく。そして、砥石20でワーク10の端面11の外縁部を固定剤30と共に一体的に研磨する。
このとき、ワーク10の側面12には固定剤30が密着しているため、砥石20がワーク10の端面11の外縁部に与える加工応力によってワーク10の側面12から逃げる力が押さえられる。
具体的に、ワーク10の端面11に砥石20の加工応力が与えられると、その加工応力に反発する力(反発力)がワーク10に発生する。この加工応力がワーク10の端面11の外縁部に印加されると、ワーク10に生じた加工応力に対する反発力は、ワーク10の側面12が変形する(すなわちバリ、かえり等となる)ことによって逃げようとする。しかしながら、ワーク10の側面12には固定剤30が密着しているので、ワーク10の側面12が変形しようとする力が固定剤30によって抑制される。すなわち、固定剤30には、ワーク10の側面12が変形しようとする力に対して逆向きに作用する力が働き、ワーク10の側面12と固定剤30との界面で力が釣り合った(相殺された)状態となるのである。
言い換えると、ワーク10および固定剤30は、ワーク10の側面12に固定剤30が連結した一体物になっている。このため、砥石20がワーク10の側面12と固定剤30との界面に与える力が均一になり、ワーク10の端面11の外縁部は変形することなく、ワーク10の側面12と固定剤30との界面にバリは発生しない。以上のようにして、固定剤30によってワーク10に発生するバリを防止しつつ、ワーク10の端面11を研磨することができる。
また、ワーク10の側面12に固定剤30が密着していることから、研磨工具がワーク10の端面11の外縁部に与える加工応力によってその外縁部分が欠けてしまうことを防止することもできる。
第3の工程として、固定剤30を除去する。本実施形態では、固定剤30にお湯を注ぎ、ワーク10から固定剤30を剥離する。具体的には、上述のように、固定剤30は温度によって融解・凝固するので、固定剤30の溶融終了温度(55℃〜58℃)よりも高い温度のお湯をワーク10に注ぐことにより、ワーク10の側面12に密着した固定剤30を溶融し、流し落とす。こうして、ワーク10から固定剤30を取り除く。
なお、固定剤30の融点以上の温度のお湯にワーク10を浸漬させても良い。このようにして固定剤30をワーク10から剥離する際、固定剤30の比重は水よりも小さい(例えば0.8〜0.9)ため、固定剤30はお湯に浮く。このため、ワーク10を容易に洗浄することができる。また、パラフィンに添加されたアルミナは水に沈殿する。このようにワーク10をお湯に浸す際、お湯の中にパラフィン材料を完全に溶解した状態にする添加剤(湯水中でパラフィンを溶かし、温度が低くなっても、液中に溶解させた状態に保つことができるもの)を入れておく。これにより、固定剤30が凝固してお湯に浮き、水面に固定剤30の膜を張るという現状を避けることができる。また、より洗浄効果を促進する方法としては、超音波洗浄や超微細気泡洗浄の他、上記のように洗浄剤を導入する方法等がある。
以上のようにして、機械加工が施された図1に示されるワーク10が完成する。そして、ワーク10から除去した固定剤30を回収し、リサイクルまたはリユースすることにより、固定剤30を何度でも利用することができる。
上記のような機械加工方法に際し、ワーク10に固定剤30を設置した場合とそうでない場合とのバリ等の発生状況を調べた。
図3は、バリ等の発生状況を調べるためのワークの平面図である。図3に示されるワーク40は、SUS304で構成された板状部材であり、そのサイズは100mm×50mm×3mmである。また、このワーク40には、6個の貫通孔41〜46(φ15)が設けられており、ワーク40の長辺方向に3個ずつ、短辺方向に2列で配置されている。そして、これら6個の貫通孔41〜46のうち、一方の列の貫通孔41〜43に固定剤30を充填し、他方の列の貫通孔44〜46には固定剤30を設置しないようにした。
また、ワーク10の各貫通孔41〜43に充填する固定剤30の硬度をワーク40と同じ硬度にした。
そして、図3に示されるワーク40に対し、各貫通孔41〜43に固定剤30を充填すると共に、砥石20の回転数を2500rpm、目の荒さを#400番、切り込み量を0.1mmとしてワーク40の端面40aを研磨加工した。この後、ワーク40の各貫通孔41〜46のエッジ部分の状態を観察した。なお、観察を行う前に、ワーク40から固定剤30を除去した。観察結果を図4に示す。
図4は、図3に示されるワーク40の各貫通孔41〜46の各エッジ部分を拡大した図である。まず、ワーク40に設けられた各貫通孔41〜46のうち固定剤30が充填されたもの(貫通孔41〜43)では、図4(a)〜(c)に示されるように、そのエッジ部分にバリ等は発生しなかった。つまり、固定剤30でバリ等を防止することができた。
しかしながら、ワーク40に設けられた各貫通孔41〜46のうち固定剤30が充填されていないもの(貫通孔44〜46)では、図4(d)〜(e)に示されるように、各貫通孔44〜46のエッジ部分にそれぞれバリ44a、45a、46aが発生していた。
このように、ワーク40のうち、バリ等が発生しうる場所に固定剤30を設置することで、バリ等を確実に防止しつつ機械加工を施すことができる。
なお、固定剤30として、パラフィンにアルミナを70重量%添加したものを用意し、ワーク40に対して上記と同様の機械加工を行った。その結果、上記と同様に、固定剤30を充填した貫通孔ではバリを完全に防止することができた。上記のようにパラフィンにアルミナを70重量%添加した固定剤30の硬度は、ワーク40の硬度より高いものであった。
そこで、固定剤30の硬度を変化させて、上記研磨加工を繰り返し行ったところ、固定剤30の硬度はワーク40の硬度と同じもしくはそれ以上であることが好ましいことが分かった。これについては、以下のような理由が考えられる。すなわち、ワーク10、40に固定剤30が密着していることで、ワーク10および固定剤30は一体になってはいるが、それぞれもともと別体のものである。したがって、ワーク10の端面11の外縁部は、ワーク10の中心部分よりも局所的に強度(例えば靭性)が低くなっていると考えられる。このため、固定剤30の硬度をワーク10、40のそれよりも高くしておくことで、ワーク10、40の変形しやすさを確実に抑制することができると考えられる。
以上説明したように、本実施形態では、ワーク10を固定剤30と共に加工した後、ワーク10のうちバリ発生箇所に設置した固定剤30を加熱して融解することが特徴である。これにより、固定剤30を液化して、固定剤30を容易にワーク10から取り除くことができる。すなわち、従来では、水溶性尿素樹脂を用いていたため、水洗によって尿素樹脂を完全に取り除けない可能性があったが、本実施形態では固定剤30を熱で溶融し、ワーク10から流し落とすようにしているため、ワーク10に固定剤30が残らないようにすることができる。
また、固定剤30はワーク10のうちバリ発生箇所に密着してワーク10と一体になっているため、ワーク10を加工する際、工具の加工応力によってワーク10に発生しうるバリ等を防止することができる。
従来では、上述のように尿素樹脂を用いており、その樹脂の硬度によってはバリ等の発生を抑制しきれなかった可能性があるが、本実施形態では、ワーク10の硬度以上の硬度を有する固定剤30を用いているため、バリ等の発生を確実に抑制することができる。
さらに、従来の尿素樹脂の融点(150℃)に対して固定剤30の融点(本実施形態では53℃)が低いため、ワーク10にダメージを与える可能性も低くなる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、樹脂で構成される図示しないワークを用意し、このようなワークをフライス切削加工する際にバリ等を防止することが特徴である。
まず、固定剤30として、パラフィンにアルミナ粒子を5重量%〜10重量%添加したものを用意する。このとき、固定剤30の硬度は、ワークである樹脂の硬度と同程度になるように調整したものとする。
そして、第1実施形態と同様に、樹脂のワークの端部に固定剤30を密着させる。この後、切り込み深さが例えば0.2mm〜0.3mmのフライス切削加工を実施する。このように、ワークが樹脂であっても、バリ発生箇所に固定剤30が設置されているため、バリ等の発生を防止することができる。
以上のように、ワークとして樹脂のように軟らかいものを機械加工する場合においても、バリ等が発生するであろう場所に固定剤30を設置することにより、ワークにバリが発生することを防止することができる。また、第1実施形態と同様に、加工後にお湯を注ぐだけでワークから容易に固定剤30を除去することができる。
なお、お湯で樹脂が溶けてしまうような材料をワークとして用いる場合、固定剤30の融点をワークの融点よりも低く設定すれば良い。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、金属の中空パイプとして構成される図示しないワークを用意し、このようなワークを旋盤加工することが特徴である。
まず、ワークとして例えば中空銅パイプを用意する。また、固定剤30としてパラフィンにアルミナを20重量%〜40重量%添加したものを用意する。そして、固定剤30を溶融し、溶融した固定剤30をパイプの中空部分に充填すると共に、パイプの外壁部分に塗布し、固定剤30を冷やして凝固させる。
この後、上記のワークに対して切り込み深さが例えば0.2mm〜0.3mmの旋盤加工を行う。この場合においても、固定剤30がワークに密着して一体となっているため、刃具がワークに与える加工応力によってバリやかえり等が発生することなく、ワークを加工することができる。
以上のように、パイプ状のワークを機械加工する場合においても、固定剤30にてバリ等の防止を行うことができる。また、パイプの外壁に固定剤30が設置されているため、刃具が直接パイプに当たることはなく、刃具がパイプに直接当たることによってパイプの表面に生じる欠け等を防止することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第3実施形態で用意された中空パイプとしてのワークを切断する場合について説明する。
まず、第3実施形態で示された図示しないワークおよび固定剤30を用意する。そして、固定剤30を溶融し、溶融した固定剤30をパイプの中空部分全体に充填すると共に、パイプの外壁部分全体に付着し、固定剤30を冷やして凝固することにより、固定剤30を固定する。なお、ワークに対して固定剤30を設置する場所は、上記のようにワーク全体にではなく、バリ発生箇所に少なくとも設置されていれば良い。
この後、ワークを切断加工する。このとき、切断刃具によってワークに印加された加工応力は固定剤30にて受け止められるため、加工応力がワーク内において逃げようとしてワークの端部を変形させてバリやかえりを発生させてしまうことを防止できる。
また、パイプの中空部分に固定剤30が充填されているため、パイプの中空部分が密の状態になっている。これにより、刃具のパイプを切断する力によってパイプが変形してしまうことを防止することができる。同様に、パイプの外壁部分に固定剤30が設置されているため、切断刃具は固定剤30と共にワークを切断してゆく。これにより、切断刃具がパイプの外壁に直接当たることによってパイプの表面が欠けてしまうことを防止することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、上記第1〜第4実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、固定剤30として、パラフィンを主成分とするものを用いていたが、本実施形態では、固定剤30として、粉末状セラック樹脂を主成分としたものを用いることを特徴とする。
具体的に、セラック樹脂を主成分とする固定剤30について説明する。この固定剤30は、非加熱の粉末状セラック樹脂:50重量%と、粉末状ロジン:50重量%とを等量混合したものとして構成されている。ここで、粉末状セラック樹脂と粉末状ロジンは容器内で良く攪拌して均一に混合する。
粉末状セラック樹脂は、ラックカイガラムシという昆虫の樹脂状分泌液の固形物を原料として、熱を加えない化学的方法により精製した非加熱の天然樹脂であって、熱硬化性樹脂である。ここで、使用する粉末状セラックとしては粒径:180ミクロン以下、外観は茶褐色、軟化点:約80℃、20℃における固体比重:1.02〜1.12、揮発分:2.0%、温アルコール不溶分:0.21%、ワックス分:3.31%のものを使用した。ここで、固定剤30の融解温度は、固定剤30の軟化点よりも20〜40℃高い温度である。すなわち、固定剤30の溶融温度範囲の上限を140℃とすることができる。
また、粉末状ロジンは松ヤニを精製した天然樹脂であって、熱可塑性樹脂である。粉末状ロジンとしては粒径:180ミクロン以下、外観は飴色で軟化点:81℃、25℃における固体比重:1.05のものを使用した。
上記の粉末状セラック樹脂:50重量%と粉末状ロジン:50重量%とを等量混合してなる粉末状固定剤の物性値は次の通りであった。モース硬度:2.3、接着強度:21.9kg/cm 、軟化点:80℃、20℃における固体比重1.03、150℃における液体比重:1.00であった。
上記のような固定剤30として、粉末固定剤と融解品とを用意することができる。粉末固定剤とは、上記両方の粉末を一定割合で秤量し、容器の中で均一の割合で良く混じるように攪拌したものであり、一度も加熱硬化処理が施されていないものである。これに対し、融解品とは、この粉末混合品を140℃で1分間加熱融解した後、室温まで冷却して凝固させ、固形にしたものである。そのため、この固定剤30は、一度加熱硬化処理が施されていることになる。
粉末混合品における粉末状セラック樹脂は未加熱であり、一度も加熱硬化反応を起こしていないので、加熱硬化反応による変質を生じていない。その結果、未加熱の粉末混合品による接着強度は、融解品に対してロジン添加量のほぼ全範囲において上回る。
ここで、ロジン添加量が95重量%を超えると接着強度が急低下するので、ロジン添加量の上限を95重量%とすることが好ましい。一方、ロジン添加量が10重量%未満に減少すると、洗浄時間が急増するので、ロジン添加量の下限を10重量%とすることが好ましい。
したがって、セラック樹脂に対するロジン添加量は10重量%〜95重量%であることが望ましい。なお、ロジン添加量を、より具体的には35〜80重量%の範囲に設定すると、接着強度をより一層向上できる。
上記固定剤30を用いて、ワークを機械加工する際にワークに発生しうるバリ等を防止する。具体的に、上記固定剤30を用いた機械加工方法を示す。
まず、本実施形態では、固定剤30が融解し液状になるときの固定剤30の温度を調べたところ110℃であった。そこで、本実施形態では、この110℃よりも一定温度(30℃)高い140℃を固定剤30の加熱温度として設定し、固定剤30の温度が140℃となるまで加熱する。これにより、固定剤30が融解し、液状になってワークに塗布される。
次に、固定剤30の温度が凝固温度より低下して固定剤30を凝固することにより、ワークに固定剤30を固定する。この後、ワークに対する表面研磨加工等の機械加工を実行する。そして、加工終了後に、上記各実施形態と同様に、ワークから固定剤30を除去する。
なお、本実施形態で用いられる固定剤30においては、グリコール・エーテル系水溶液を用いて溶解することにより洗浄することが可能である。すなわち、固定剤30をグリコール・エーテル系水溶液中の親油性層に溶解させることにより、ワークから固定剤30を分離できる。ここで、グリコール・エーテル系洗浄剤は具体的には水により希釈した水溶液の形態で使用する。また、グリコール・エーテル系とは、一般式R−O−An−Rで表され、Rは水素元素、メチル基、エチル基などであり、Aはエトキシ基、プロポキシ基などであり、nは1〜2のものである。
以上のように、セラック樹脂を主成分とする固定剤30を用いてワークのバリ等の発生を抑制することも可能である。
(第6実施形態)
本実施形態では、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、非加熱の粉末状セラック樹脂:20重量%と粉末状ロジン:80重量%とを混合した固定剤30を作っている。このセラック樹脂とロジンの混合比率が第5実施形態に対して相違している。この第6実施形態による固定剤30の物性値は次の通りであった。接着強度:20.1kg/cm、軟化点:80℃である。
なお、第6実施形態によると、ロジンの混合比率が第5実施形態よりも高くなっているので、グリコール・エーテル系水溶液による固定剤30の洗浄時間を第5実施形態に比較して短くできる。
(第7実施形態)
本実施形態では、第5、第6実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第7実施形態では、非加熱の粉末状セラック樹脂:40重量%と粉末状ロジン:50重量%に、更に、平均粒径1ミクロンの粉末状アルミナを10重量%混合して固定剤30としている。
この第7実施例による固定剤30の物性値は次の通りであった。モース硬度:2.5、接着強度:16.2kg/cm、軟化点80℃、20℃における固体比重:1.13であった。
なお、固定剤30の塗布温度の目安とするため、固定剤が即時に液化する温度を調べたところ130℃であった。したがって、第7実施形態における固定剤30の塗布温度(加熱溶解温度)は第5、第6実施形態よりも高くすることが好ましい。
第7実施形態による固定剤30は、第5実施形態に比較してアルミナの添加により粘性が高いので垂れ落ちにくい特性を持っている。また、ワークに対して砥石を用いた切断加工を行なった場合、刃に固定剤30が固着しにくい特徴がある。
(第8実施形態)
本実施形態では、第5〜第7実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第8実施形態では、非加熱の粉末状セラック樹脂:30重量%と粉末状ロジン:50重量%に、更に、粉末状カーボンブラックを20重量%混合して固定剤30としている。
この第8実施形態による固定剤30の物性値は次の通りであった。モース硬度:6.0、接着強度:15.2kg/cm、軟化点80℃、20℃における固体比重:1.10、体積固有抵抗:190kΩ・cmであった。
なお、固定剤30の塗布温度の目安とするため、固定剤30が即時に液化する温度を調べたところ130℃であった。
この第8実施形態による固定剤30は非水溶性で導電性があるので、ワークに対してワイヤー放電加工を実施できる。また、第8実施形態による固定剤30は粉末状カーボンブラックを添加することにより、第5実施形態に比較して粘性が高く、硬度が大きいという特性をもっている。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、ワーク10として、金属、樹脂について説明したが、言うまでもなく、ワーク10の材質はこれらに限定されるものではない。
上記実施形態では、研磨加工、フライス切削加工、旋盤加工、切断加工の例を挙げたが、他の機械加工を行うようにしても構わない。例えば、ドリル加工、穴あけ加工等の機械加工を行うようにしても良い。
上記各実施形態では、溶融した固定剤30をワーク10に塗布するようにしているが、ワーク10のバリ発生箇所(被加工部分)に固化した固定剤30を置き、ワーク10を加熱することで、固定剤30を溶融し、ワーク10を冷却して固定剤30を凝固することにより、ワーク10に固定剤30を固定するようにしても構わない。
上記第1〜第4実施形態では、固定剤30は、パラフィンを主成分とするもので構成されているが、ポリエチレングリコールを主成分とするもので構成されていても構わない。
また、セラック樹脂にロジンを混合した固定剤30においては、非加熱粉末混合品の接着強度も、比較例としての融解品の接着強度も両方ともロジン添加量が0〜30重量%までは接着強度がほぼ横ばいであり、ロジン添加量が35〜80重量%の範囲になると、ロジン添加量=0〜30重量%の範囲であるときよりも接着強度が向上する。
ロジン添加量が80%以上に増加すると、接着強度が急激に低下しはじめる傾向がある。一方、洗浄時間は、ロジン添加量が多いほど短くなり、特にロジンを10%以上添加すると、洗浄時間短縮の効果が大きい。すなわち、ロジン添加量=10〜95重量%の範囲なら固定剤30として使用でき、特にロジン添加量=35〜80重量%の範囲内では、接着強度向上と洗浄時間短縮の両立を良好に達成できる。
本発明に係る製造方法によって形成されたワークの概略図である。 図1に示されるワークの端面を研磨する工程を示した図である。 バリ等の発生状況を調べるためのワークの平面図である。 図3に示されるワークの各貫通孔のエッジ部分を拡大した図である。
符号の説明
10、40…ワーク、20…砥石、30…固定剤。

Claims (8)

  1. 温度に応じて融解または凝固する固定剤(30)をワーク(10、40)のうちバリ発生箇所に設置すると共に、前記ワークを加工する工程を有し、前記工程によって機械加工物を製造する機械加工物の製造方法であって、
    前記ワークを加工する工程は、
    前記固定剤を加熱溶融する工程と、
    前記溶融した固定剤を前記バリ発生箇所に付着し、前記固定剤を凝固することにより前記バリ発生箇所に前記固定剤を固定する工程と、
    前記固定剤が固定された前記バリ発生箇所を前記固定剤と共に加工する工程と、
    前記加工した固定剤を加熱して前記固定剤を溶融し、前記ワークから前記固定剤を除去する工程と、を含んでおり、
    前記固定剤を加熱溶融する工程では、前記固定剤として、前記ワークの硬度以上の硬度を有するものを用いることを特徴とする機械加工物の製造方法。
  2. 前記固定剤を加熱溶融する工程では、前記固定剤として、前記ワークの硬度以上となるように前記固定剤に添加物を添加したものを用いることを特徴とする請求項に記載の機械加工物の製造方法。
  3. 温度に応じて融解または凝固する固定剤(30)をワーク(10、40)のうちバリ発生箇所に設置すると共に、前記ワークを加工する工程を有し、前記工程によって機械加工物を製造する機械加工物の製造方法であって、
    前記ワークを加工する工程は、
    前記固定剤を加熱溶融する工程と、
    前記溶融した固定剤を前記バリ発生箇所に付着し、前記固定剤を凝固することにより前記バリ発生箇所に前記固定剤を固定する工程と、
    前記固定剤が固定された前記バリ発生箇所を前記固定剤と共に加工する工程と、
    前記加工した固定剤を加熱して前記固定剤を溶融し、前記ワークから前記固定剤を除去する工程と、を含んでおり、
    前記固定剤を加熱溶融する工程では、前記固定剤として、前記融解開始温度と前記融解終了温度との温度差が5℃以下であるものを用いることを特徴とする機械加工物の製造方法。
  4. 前記溶融した固定剤を前記バリ発生箇所に付着する工程では、前記バリ発生箇所として、前記ワークを加工するための工具が前記ワークから前記固定剤に向かう場所に少なくとも前記溶融した固定剤を付着することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の機械加工物の製造方法。
  5. 温度に応じて融解または凝固する固定剤(30)をワーク(10、40)の被加工部分に設置すると共に、前記ワークを加工する工程を有し、前記工程によって機械加工物を製造する機械加工物の製造方法であって、
    前記ワークを加工する工程は、
    前記固定剤を加熱溶融する工程と、
    前記溶融した固定剤を前記被加工部分に付着し、前記固定剤を凝固することにより前記被加工部分に前記固定剤を固定する工程と、
    前記固定剤が固定された前記被加工部分を前記固定剤と共に加工する工程と、
    前記加工した固定剤を加熱して前記固定剤を溶融し、前記ワークから前記固定剤を除去する工程と、を含んでおり、
    前記固定剤を加熱溶融する工程では、前記固定剤として、前記ワークの硬度以上の硬度を有するものを用いることを特徴とする機械加工物の製造方法。
  6. 前記溶融した固定剤を前記バリ発生箇所に付着する工程では、前記被加工部分として、前記ワークを加工するための工具が前記ワークから前記固定剤に向かう場所、もしくは前記ワークを加工するための工具が前記固定剤から前記ワークに向かう場所に少なくとも前記溶融した固定剤を付着することを特徴とする請求項に記載の機械加工物の製造方法。
  7. 前記固定剤を加熱溶融する工程では、前記固定剤として、パラフィンもしくはポリエチレングリコールを主成分としたもの、またはセラック樹脂にロジンを混合したものを用いることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の機械加工物の製造方法。
  8. 前記固定剤を加熱溶融する工程では、前記固定剤として、融解開始温度と融解終了温度が18℃〜140℃の範囲内にあるものを用いることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の機械加工物の製造方法。
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