JP4898692B2 - 電気機械のための回転子−固定子構造 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2004年10月25日に出願された米国特許仮出願第60/622,258号、2004年12月23日に出願された米国特許出願第11/021,417号、および2005年10月20日に出願された“Rotor−Stator Structure for Electrodynamic Machines”という名称の米国特許出願第11/xxx,xxx号の利益を主張し、これらの出願のそれぞれは、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
発明の簡単な説明
[0002]本発明は、広くには、電動モータ、オルタネータ、発電機などに関し、さらに詳しくは、例えば磁束の経路の長さを最小限にすることによって、または界磁極部材を通過する磁束の経路を真っ直ぐにすることによって、さらにはこの両方によって、単位寸法当たり(あるいは、単位重量当たり)の出力トルクを向上させるモータの回転子−固定子構造に関する。さらに、この回転子−固定子構造は、屑の最少化および「後方鉄」材料の削除などによって、製造コストの削減などのようなリソースの節約を実現する。
発明の背景
[0003]分数および亜分数馬力モータのための伝統的な固定子および回転子の構造においては、永久磁石が回転子アセンブリへと一体化され、回転子アセンブリが、典型的には、磁石および電流によって生成される磁束のために磁気戻り経路を提供する強磁性固定子構造と同じ平面内を回転することが多い。電流によって生成される磁束は、アンペアターン(「AT」)生成磁束とも称されるが、固定子部材の構造体の極領域の周囲に巻き付けられたコイル巻線に電流を通すことによって生成される。これらのモータおよび他の電動モータの従来からの固定子および回転子の構造は、機能的ではあるが、後述のようにいくつかの欠点を有する。
[0004]図1は、一般的に使用されている固定子および回転子の構造を例示する伝統的な電動モータを示している。電動モータ100は、固定子構造104、磁気ハブ106、およびシャフト102で構成された円柱形のモータである。モータ100の回転子構造は、1つ以上の永久磁石110を含み、そのすべてが、固定子構造104の内側で回転するように磁気ハブ106を介してシャフト102へと取り付けられている。固定子構造104は、典型的には、界磁極118を備えており、それぞれの界磁極118の周囲にコイル巻線112(1つだけが図示されている)が巻き付けられている。固定子構造104は、製造時に固定子界磁極118の周囲にコイル巻線を巻き付けるため、ワイヤの通路をもたらすために使用されるスロット108を含む。また、スロット108は、隣接する界磁極118の磁気的な分離を提供している。固定子構造104は、磁気戻り経路116の一部として、外周磁束保持セグメント119を含む。多くの場合、固定子構造104は、典型的には等方性(粒子の配向がない)の透磁材料から形成される積層体114で構成されている。磁気戻り経路116は、永久磁石によって生成された磁束およびAT生成の磁束が存在するいくつかの磁気戻り経路のうちの1つであり、外周の磁束保持セグメント119においては実質的に幾分か弓状に示されているが、界磁極領域118へと入る比較的急激な転向を含む。
[0005]電動モータ100を含む伝統的な電動モータの1つの欠点は、磁気戻り経路106が、1つの回転子磁極110から出て、磁気戻り経路116を介して他の回転子磁極110へと巡る磁束のために、磁気回路を完成させるために比較的長い長さを必要としている点にある。さらには、磁束を運ぶためには直線が好ましいが、磁気戻り経路106が直線を有していない。図示のように、磁気戻り経路106は、固定子の経路において90°の転向を2つ有する。磁気戻り経路106が、界磁極領域118から外周磁束保持セグメント119へとまず転向し、次に外周磁束保持セグメント119から他の界磁極領域118へと再び転向している。これら両方の転向は、磁束を効率的に運ぶためには最適ではない。実現されているとおり、磁気戻り経路106が、そうでない場合に界磁極間でこのような磁束を運ぶために必要とされるよりも多くの材料、すなわち「後方鉄」を必要としている。結果として、伝統的な電動モータにおいては、磁気戻り回路106によって重量および寸法が増しており、モータのフォームファクタを大きくさせてしまうとともに、このようなモータの製造のための材料のコストを増加させている。
[0006]従来からの電動モータの他の欠点は、積層体114が、磁束密を最適にするとともに、磁束を運んでいる界磁極118などの磁極および外周磁束保持セグメント119の固定子領域において、ヒステリシス損失を低減するために、異方性の材料を効果的に使用していない点にある。特に、外周磁束保持セグメント119が、真っ直ぐではない磁束の経路を含み、これが、ヒステリシス損失(すなわち、「鉄損」)の最小化においてそのような異方性の材料を使用することを制限している。ヒステリシスは、それ自体の磁化を保持しようとする磁性材料の傾向である。「ヒステリシス損失」は、固定子領域を構成している磁性材料を磁化および消磁するために必要とされるエネルギーであり、磁性材料の量が多くなると、ヒステリシス損失も大きくなる。磁気戻り経路106が、1回以上の90°以上の転向を有するため、粒子を配向させた材料などのような異方性の材料を使用しても、外周磁束保持セグメント119の磁気戻り経路116が積層体114の方向性の配向を横切ることになるため、ヒステリシス損失を効果的に低減することが不可能である。例えば、方向120が積層体114の粒子の配向を表している場合、磁気戻り経路116の少なくとも2つの部位が粒子の方向120を横切っており、固定子の外周磁束保持セグメント119のこれらの部位の磁束密度容量を妨げている。結果として、異方性の材料は、固定子構造104と同様の構造においては、磁束の経路が通常は直線状ではなくて曲線状であって、このような材料を使用することによってもたらされる利益を制限しているため、取り入れられていない。
[0007]従来からの伝導モータのまた別の欠点は、磁気戻り経路116の長さが比較的長い点にある。モータの転流周波数において生じるような磁界の変化が、積層体114において渦電流を、それを誘起する磁界と反対の向きに生じさせる可能性がある。渦電流は、磁束の変化の速度のべき関数に大体比例しており、影響を受ける積層材料の体積に大体比例する電力の損失につながる。
[0008]一般的に使用されている電動モータの他の欠点としては、「コギング」またはディテントトルクの低減のための特殊な技術を使用しなければならないことであり、これらは様々な種類の電動モータ設計への適用にあまり適していない。コギングは、一様でない角度トルクであり、滑らかな回転運動ではなく「脈動」の運動をもたらす。この作用は、通常は低速において最も顕著であり、界磁極118が磁極に対して種々の角度位置にあるときに、負荷に対して加算および減算のトルクを加える。さらに、固有の回転の加速および減速が、聞き取り可能な振動を発生させる。
[0009]他の種類の電動モータにおいては、磁極が、回転子のシャフトの周囲(あるいは、回転子のシャフトからの半径方向の距離)の比較的大きな直径に配置される。これらの磁極、およびこれらの磁極を生じさせている永久磁石は、典型的には、隣接する磁極の極性を交互にしつつ、シャフトの周囲に同軸に配置される。電機子ディスクが、通常は、別個の一体でない磁石としての永久磁石を、回転子のシャフトに直交する平面内に支持している。このような構造は、電動モータ設計の特定の教義に基づいて設計されている。この教義によれば、磁極と回転子のシャフトとの間の半径方向の距離を増すことによって、出力トルクの増大が達成される。したがって、この形式の電動モータの磁極は、回転軸からエアギャップまでのトルクアーム距離を増加させることによって出力トルクを大きくするために、回転子のシャフトからますます大きな距離に配置されるようになってきている。この手法の欠点は、より大きなトルクアーム距離を収容すべく、より大きなモータ構造(磁束戻り経路を形成するために使用される構造など)を形成する際に、追加の材料が消費される点にある。これらの磁束戻り経路は、典型的には、概ね回路状の性質であるより大きな磁束の経路を完成するために、「後方鉄」を使用して形成される。磁気回路を完成させるべく後方鉄を加えることで、磁束が通過する磁性材料の体積が大きくなり、不都合にもヒステリシス損失および渦電流損失(両方をまとめて、「磁心損失」と称することができる)が大きくなる傾向にある。さらには、磁気回路を完成させるべく後方鉄を加えることで、磁束の経路の長さが増加し、磁心損失がさらに大きくなる。この形式のモータのさらなる欠点は、磁極がシャフトから遠く離れて配置されるためにモータの容積が増加し、利用可能な用途およびこの形式のモータの使用を制限する点にある。
[0010]「後方鉄」は、それがない場合には開放されている磁気回路を完成させるためにしばしば使用される物理的構造(ならびに、この物理的構造をもたらしている材料)を説明するために一般的に使用されている用語である。後方鉄構造は、或る透磁性の界磁極から他の界磁極へ、あるいは或る永久磁石の磁極から他の永久磁石の磁極へ、あるいはこの両方など、磁束を或る磁気回路要素から他の磁気回路要素へと運ぶためだけに一般的に使用されている。さらに、「後方鉄」構造は、一般的には、1つ以上のコイルなどのようなアンペアターン生成要素を付随させて受け入れるようには形成されていない。
[0011]以上に照らし、電動モータおよび発電機において上述の欠点を最小限にする回転子−固定子構造を提供し、単位寸法当たり、または単位重量当たり、あるいはこの両方において出力トルクおよび効率を向上させるとともに、製造時および/または動作時においてリソースを節約することが望まれている。
発明の概要
[0012]電動モータ、発電機、オルタネータなどのような電気機械において使用するため、例示的な回転子−固定子構造を実現するためのシステム、装置、および方法が開示される。本発明の一実施形態によれば、電気機械のための回転子−固定子構造が、円柱形の表面が回転軸上に軸方向に配置されている円柱形の磁石を含んでいる。円柱形の磁石には、例えば2つの円柱形の磁石が、2つの円柱形の磁石の分極の方向が実質的に反対の方向であるように配置されている。さらに回転子−固定子構造には、界磁極部材が軸に同軸に配置されている。界磁極部材は、磁束相互作用表面を有することができ、この磁束相互作用表面は、該磁束相互作用表面に直面する円柱形の磁石表面の一部分に隣接して、該界磁極部材の端部に形成されている。磁束相互作用表面と円柱形の表面の上記一部分とが、エアギャップを定めている。さらに、磁束相互作用表面が、界磁極部材を円柱形の磁石へと磁気的に結合させるように構成されている。当然ながら、いくつかの実施形態においては、磁束相互作用表面が、円柱形の磁石と界磁極部材との間の磁界の相互作用を増して出力トルクを向上させるために、エアギャップのそれぞれについて実質的に一様な断面を維持するように輪郭付けられている。少なくとも一実施形態においては、エアギャップが、上記回転軸に直交する平面内の弧状の断面を有することができる。例えば、エアギャップを定める上側および下側の境界の断面が、上記平面内のシャフトを中心とする円の円周の一セグメントに整列できる。
[0013]いくつかの実施形態においては、回転子−固定子構造が、円柱形の磁石が取り付けられるシャフトをさらに含んでおり、このシャフトが回転軸を定め、円柱形の磁石のそれぞれを貫いて延びている。少なくとも一実施形態においては、界磁極部材の少なくとも1つが、第1の磁束相互作用表面と第2の磁束相互作用表面との間に実質的に直線状の磁束の経路をもたらすように構成された実質的に直線状の界磁極部材である。実質的に直線状の磁束の経路は、第1の磁束相互作用表面から第2の磁束相互作用表面まで延びる非直線状の磁束の経路に関するリラクタンスに比べ、より小さいリラクタンスに関係することができる。一例として、非直線状の磁束の経路は、先行の磁束経路セグメントから約90度の角度で偏向する後続の磁束経路セグメントを含み、後続および先行の両磁束経路セグメントが連続している。磁束相互作用表面のそれぞれは、最大のトルク出力を生成するように寸法付けられた表面積を有する。特に、この表面積を、少なくとも、界磁極部材の間の漏れを少なくとも最小化しつつ、円柱形の磁石と界磁極部材との間に最大の磁気的結合をもたらすような界磁極部材の間の周距離の関数として寸法付けることができる。少なくとも一実施形態においては、磁束相互作用表面の各部分に直交する複数の法線ベクトルが、実質的に一様なエアギャップの厚さを定めることができる。すなわち、法線ベクトルのそれぞれが、概ね実質的に一様な長さを有し、上記円柱形の表面の各部位を終端としている。例えば、法線ベクトルのそれぞれが、円柱形の表面の各部位に対して概ね直角である。しかしながら、(例えば、湾曲した表面に関して)互いに平行でない少なくとも2つの法線ベクトルが、特にそれら2つの法線ベクトルが回転軸に直交する平面内に位置する場合に存在する。いくつかの場合には、磁束相互作用表面および円柱形の表面のこれらの部位が、磁束相互作用表面および円柱形の表面のそれぞれの輪郭付けられた表面上の点を代表している。少なくとも一実施形態においては、磁束相互作用表面の各部位に直交する複数の法線ベクトルが、エアギャップについて非一様な厚さを定めることができる。少なくとも1つの場合には、エアギャップに直面する磁極面が、非一様なエアギャップ厚さをもたらすように輪郭付けられる。非一様なエアギャップ厚さをもたらす磁極面の一例は、単一の比較的平坦な平面に実質的に位置する表面(例えば、製造時に界磁極部材を真っ直ぐに切断することによってもたらされる)を有する磁極面である。
[0014]回転子−固定子構造の界磁極部材のそれぞれは、薄板をさらに含むことができ、軸方向に延びる正中面が薄板の枚数をほぼ半分に分けており、正中面の片側において、薄板の少なくとも1つの寸法が、該薄板が正中面から遠くに位置するにつれて概ね減少する。薄板は、透磁性の材料で構成された基板から、透磁性の材料の無駄を少なくする構成にて形成することができる。薄板の少なくとも1つが異方性であってもよいことに、注意すべきである。一実施形態においては、回転子−固定子構造の界磁極部材のそれぞれが、軸方向から見たときに変化する断面を有するように寸法付けられた透磁性の材料をさらに含むことができる。このような寸法を、ディテントトルクの抑制を助け、渦電流損失を少なくし、製造コストを下げ、あるいは上述のすべてを達成するように、定めることができる。寸法の変化する部位の少なくとも1つが、異方性であってもよく、あるいは任意の種類の材料であってもよいことに、注意すべきである。いくつかの場合には、寸法の変化する部位が、磁極片および/または磁極面と同じ材料または異なる材料を含むことができる。
[0015]少なくとも一実施形態においては、磁束相互作用表面のそれぞれが、隣接する界磁極部材の間の界磁極ギャップを斜めにしてディテントトルクを最小にするため、斜めの磁束相互作用表面をさらに含む。いくつかの場合には、斜めの磁束相互作用表面が、界磁極ギャップの第1の面を定めている第1の縁と、別の界磁極ギャップの第2の面を定めている第2の縁とを含み、それにより第1の縁および第2の縁が、円柱形の磁石の少なくとも一方の分極の方向に整列しない角度を維持しており、第1の界磁極部材の1つの第1の縁および第2の界磁極部材の1つの第2の縁が、界磁極ギャップを形成している。
[0016]回転子−固定子構造の記界磁極部材のそれぞれは、回転子−固定子構造の体積寸法を小さくするために、回転軸を中心とする円の一部分と同一延長である外周表面を有する界磁極部材中央部を含むことができる。さらに、界磁極部材の少なくとも1つが、少なくとも1つのアクティブ界磁極部材を形成するため、それ自体の周囲にコイルを巻き付けて備えることができる。回転子構造の分極の方向が、第1の分極の方向および第2の分極の方向を含むことができ、それにより円柱形の磁石のうちの1つの円柱形の磁石が、この第1の分極の方向を有するように向けられ、円柱形の磁石のうちの他の円柱形の磁石が、第2の分極の方向を有するように向けられる。一般的に、第1の分極の方向は、ディテントトルクを最小にするような第2の分極の方向からの分極角度に設定され、この分極角度が、約150度〜180度の任意の角度にある。
[0017]特定の実施形態においては、回転子−固定子構造が、第1の円柱形の磁石、第2の円柱形の磁石、界磁極部材、および2つ以上のエアギャップから基本的になる磁束の経路を生成するように構成され、第1の円柱形の磁石および第2の円柱形の磁石のそれぞれが、一枚岩の磁石である。いくつかの場合には、上記界磁極部材の1つ以上を、それぞれの界磁極部材の一端から他端まで連続的である透磁性の材料、およびアンペアターン(「AT」)磁束を生成するための要素を受け入れるように構成された少なくとも一部分で構成することができる。同様に、円柱形の磁石のそれぞれを、連続的な磁石材料で構成することができる。
[0018]一般に、1つ以上の界磁極部材の個数は、円柱形の磁石の磁極の数とは無関係である。磁極の数が界磁極部材の数と同じであるという一般的要件は存在しない。界磁極部材は、ケイ素−鉄合金、ニッケル−鉄合金、コバルト−ニッケル合金、鋼合金、鉄合金、磁性粉末合金、および/または軟磁性複合材のうちの1つ以上を含むことができる。円柱形の磁石は、一般的には、ネオジム鉄(「NdFe」)、1つ以上の希土類磁石材料、および/または1つ以上のセラミック磁石材料のうちの1つ以上を含む永久磁石である。一態様においては、1つ以上の界磁極部材を、スロットによるコイルの巻き付けまたは中間構造へのコイルの巻き付けを回避することによって、少なくとも1つの界磁極部材へのコイルの巻き付けに関係する製造上の複雑さを最小にするように形作ることができる。コイルは、少なくとも1つのアクティブ界磁極部材の外周からの磁束の漏れを減らすため、軸方向において少なくとも1つのアクティブ界磁極部材の実質的に全長にわたって延びることができる。少なくとも一実施形態においては、界磁極部材のそれぞれが、薄板および第1の磁束相互作用表面と第2の磁束相互作用表面との間の界磁極部材中央部を有する。界磁極部材中央部は、回転軸を中心とする円の少なくとも一部分によって外接される外周表面を有することができ、したがって薄板の少なくとも2つが、寸法の異なる断面を有する。
[0019]本発明の他の実施形態によれば、電気機械のための回転子−固定子構造が、軸を有するとともに、少なくとも回転子アセンブリをさらに含むことができ、回転子アセンブリに、少なくとも2つの実質的に円柱形の磁石が、回転子アセンブリの軸上に軸方向に配置され、互いから離間して取り付けられている。円柱形の磁石は、所定の磁気分極の領域を有する。円柱形の磁石のそれぞれが、上記軸に実質的に平行である主寸法の直面する円柱形の磁石表面を有する。円柱形の磁石は、磁気分極を実質的に反対の方向に向ける様相で、軸に対して配置される。磁気分極を、上記軸に実質的に直角でありつつ、円柱形の磁石表面を通過する平面内に位置すると説明することができる。さらに、回転子−固定子構造は、上記軸に対して同軸に配置された界磁極部材を含んでおり、界磁極部材の端部には、磁束相互作用表面が形成されている。磁束相互作用表面は、直面する磁石表面に概ね隣接して位置しており、磁石表面の主方向と概ね同一延長であってもよい。磁束相互作用表面および直面する磁石表面が、一般的には、機能するエアギャップを定めている。界磁極部材のそれぞれは、透磁性でなければならない。界磁極部材のそれぞれは、実質的に直線状であってもよい。磁束相互作用表面が、界磁極部材を円柱形の磁石に磁気的に結合させるように構成されている。特定の実施形態においては、磁束相互作用表面のそれぞれが、隣接する界磁極部材の間の界磁極ギャップを斜めにしてディテントトルクを最小にするため、斜めの磁束相互作用表面をさらに含む。一実施形態においては、回転子−固定子構造が、2つの円柱形の磁石、界磁極部材、磁束相互作用表面、およびエアギャップのみを横切るように、磁束の経路を制限するように構成されている。
[0020]さらに、回転子−固定子構造は、界磁極部材のうちの1つ以上の周囲に巻き付けられてアクティブ界磁極部材を形成するコイルを含むことができる。さらに、回転子−固定子構造は、後方鉄を排除することができる。後方鉄を排除することで、磁気損失が少なくなるとともに、電気機械の製造に使用される材料の量も少なくなる。界磁極部材を、軸を中心にして円柱形の磁石に対して回転するように構成でき、あるいは円柱形の磁石を、軸を中心にして界磁極部材に対して回転するように構成できる点に、注意すべきである。一実施形態においては、実質的に直線状の界磁極部材のそれぞれが、第1の磁束相互作用表面の表面部分から第2の磁束相互作用表面の表面部分へと延びる磁束の経路の直線逸脱を最小にするように構成されており、この経路セグメントが上記表面部分を終端としている。例えば、逸脱の量および直線からの磁束の逸脱の程度を小さくして、磁束の経路における突然または比較的急な転向を避けることができる。一例では、円柱形の磁石のうちの1つの円柱形の磁石が、第1の分極の方向を有し、円柱形の磁石のうちの他の円柱形の磁石が、第2の分極の方向を有する。第1の分極の方向は、ディテントトルクを最小にするような第2の分極の方向から異なる分極角度にあってもよく、この分極角度は、約150度〜180度の任意の角度である。例えば、第1の方向が、第2の方向から約150度〜180度の分極角度にあってもよい。
[0021]本発明のさらに他の実施形態によれば、電気機械のための回転子−固定子構造が、回転軸を定めるとともに、第1の端部と、中央部と、第2の端部とを有するシャフトを含む。さらに回転子−固定子構造は、それぞれが1つ以上の磁石表面を有する少なくとも第1の磁石構造および第2の磁石構造を含むことができる。第1の磁石構造および第2の磁石構造はそれぞれ、第1の磁石構造の1つ以上の磁石表面の分極の方向が第2の磁石構造の1つ以上の磁石表面の分極の方向と実質的に反対の方向にあるように、シャフトへと同軸に取り付けられる。さらに回転子−固定子構造は、複数組の巻線、およびシャフトに実質的に同軸に配置されている複数の界磁極部材を含む。界磁極部材のそれぞれは、複数の薄板を含むことができる。界磁極部材のそれぞれが、第1の界磁極部材端部に位置する第1の磁極片および第2の界磁極部材端部に位置する第2の磁極片を有する。第1の磁極片が、第1の磁石構造の一部分に隣接するように配置されて、第1の磁束相互作用領域を形成し、第2の磁極片が、第2の磁石構造の一部分に隣接するように配置されて、第2の磁束相互作用領域を形成する。
[0022]第1の磁束相互作用領域および第2の磁束相互作用領域の両方が、エアギャップを含む。エアギャップのそれぞれは、一般的に、実質的に一様な厚さを有することができ、回転軸に直交する平面内に弧状の断面を有することができる。弧は、円の円周の一セグメントとして説明することができる。一実施形態においては、第1の磁束相互作用領域および第2の磁束相互作用領域の界磁極部材の磁極面が、弧状ではなく、比較的平坦である。詳しくは、磁極面の比較的平坦な表面が、軸を含む平面において断面から見たときに、隣接する磁石表面の輪郭に概ね直面している。界磁極部材のそれぞれが、複数組の巻線のうちの1組を周囲に巻き付けることができる少なくとも界磁極部材中央部をさらに有する。第1の磁極片および第2の磁極片のそれぞれが、第1の界磁極部材端部および第2の界磁極部材端部のそれぞれを非直角の角度で界磁極部材中央部に接続する移行領域を含む。これにより、界磁極部材中央部および第1の磁極片または第2の磁極片あるいはこの両方との間の磁束の経路のリラクタンスが小さくなる。移行領域は、界磁極部材中央部に関する第1の磁束経路セグメントから、または第1の磁束経路セグメントに対して鋭角をもたらすとともに、第1の磁極片および第2の磁極片のいずれかに関する第2の磁束経路セグメントから、または第2の磁束経路セグメントに対して同じまたは異なる鋭角をもたらすための移行用の磁束経路を含む。いくつかの場合には、鋭角が、例えば磁束の経路の方向からほぼ0〜60度の間にある。
[0023]一実施形態においては上記第1の磁石構造および上記第2の磁石構造がそれぞれ双極の磁石であり、第1の磁石構造の1つの磁石表面が、第1の方向に向いたN極を有するとともに、第2の磁石構造の1つの磁石表面が、第2の方向に向いたN極を有し、第1の方向および第2の方向が、150〜180度の間の角度によって相違しており、双極の磁石のそれぞれが一枚岩である。いくつかの実施形態においては、第1の磁石構造および第2の磁石構造がそれぞれ多極の磁石であり、第1の磁石構造の1つ以上の磁石表面が、複数のN極およびS極を含み、その1つが第1の方向に向いており、第2の磁石構造の1つ以上の磁石表面が、複数のN極およびS極を含み、その1つが第2の方向に向いており、第1の方向および第2の方向が、150〜180度の間の角度によって相違している。第1の磁石構造および第2の磁石構造は、別個の磁石を含むことができ、別個の磁石のそれぞれが、介在の構造を有することなく他の別個の磁石に隣接する界面を有する。種々の実施形態においては、第1の磁石構造および第2の磁石構造が、それぞれが円柱形の表面を有する1つ以上の円柱形の磁石、またはそれぞれが円錐形の表面を有する1つ以上の円錐形の磁石、あるいはこの両方を含む。一実施形態においては、1つ以上の磁石表面がそれぞれ、別個の磁化の領域を備え、第1の磁石構造および第2の磁石構造がそれぞれ、軸に対して鋭角であり、または軸に対して平行であり、あるいはこの両方である主寸法に、上記磁化の領域を支持するように構成された磁石支持部を備え、磁石支持部がシャフトに取り付けられている。
[0024]回転子−固定子構造を、電動モータを実現すべく電力を少なくとも1つのコイルへの電流として受け取るように構成でき、あるいは発電機を実現すべく機械的な力をシャフトを中心とする回転運動として受け取るように構成できる。あるいは、回転子−固定子構造を、回転子−固定子構造が電動モータにおいて実現される場合に、複合モータまたは直列モータ、あるいはこの両方を実現するように構成でき、さらには回転子−固定子構造が発電機において実現される場合に、複合発電機または直列発電機、あるいはこの両方を実現するように構成することができる。
[0025]少なくとも一実施形態によれば、典型的な回転子−固定子構造を電動モータに配置して、同じ大きさおよび/または重量の従来からの電動モータに比べてより大きな出力トルクを、そのようなモータによってもたらすことができる。一実施形態においては、回転子−固定子構造が、電気機械用の伝統的な固定子−回転子構造に比べ、比較的短くかつ直線的である磁気経路ならびにより効率的な材料の使用をもたらす。異方性(例えば、粒子を配向させた材料)の透磁性材料が本発明の特定の実施形態の界磁極部材を形成するために使用される場合には、このような材料の固有の磁気特性が、磁束運搬領域における磁束密度の向上に貢献する。このような材料を、薄板を形成するために使用してもよく、あるいは使用しなくてもよいことに、注意すべきである。外部の戻り経路(後方鉄を使用して伝統的に実現されてきた戻り経路など)を廃止または少なくとも低減することによって、重量が節約され、本発明の回転子−固定子構造の種々の実施形態を実現する電気機械の全体サイズを小さくすることができる。他の実施形態においては、固定子−回転子構造が、同じ出力トルクを有する同様の大きさの従来からのモータに比べ、より良好なモータ効率をもたらす。この効率向上は、少なくとも部分的には、より低い抵抗の巻線に起因しており、これが伝統的なモータの同様の大きさの梱包またはモータハウジングにて生み出されるアンペアターン生成磁束と同じアンペアターン生成磁束を生み出しつつ、より少ない電流の2乗×抵抗(すなわち、I×R)の電力損失をもたらす。さらには、本発明の回転子−固定子構造は、従来からのモータに比べて製造(例えば、コイル巻き付けのプロセス)が複雑でなく、(例えば、材料の節約によって)より低いコストで製造できる。
例示的な実施形態の詳細な説明
[0026]本発明は、添付の図面と組み合わせて検討される以下の詳細な説明に関して、さらに完全に理解されよう。
[0052]図面のいくつかの図を通して、同様の参照符号が対応する部分を指し示している。参照符号のうちの大部分が、この参照符号が最初に導入された図をおおまかに特定している最も左側の1桁または2桁を含むことに、注意すべきである。
定義
[0053]以下の定義が、本発明のいくつかの実施形態に関して説明される要素のいくつかに対して適用される。これらの定義は、本明細書においてさらに詳しく説明されることもある。
[0054]本明細書において使用されるとき、用語「エアギャップ(air gap)」は、磁石表面とこれに面する磁極面との間の空間またはすき間を指す。このような空間を、少なくとも磁石の表面および磁極面の面積によって区画される体積として物理学的に説明することができる。エアギャップは、回転子と固定子との間の相対回転を可能にすべく機能し、磁束の相互作用の領域を定めるべく機能する。エアギャップは、典型的には空気で満たされているが、そのように限定される必要はない。
[0055]本明細書において使用されるとき、用語「後方鉄(back−iron)」は、それがない場合には開放されている磁気回路を完成させるためにしばしば使用される物理的構造(ならびに、そのような物理的構造をもたらしている材料)を一般的に説明している。特に、後方鉄の構造は、界磁極部材の間または磁極の間にコイルなどのようなアンペアターン生成要素を介在させることなく、或る透磁性の界磁極部材から他の界磁極部材へ、あるいは第1の磁石の磁極から第2の磁石の磁極へ、あるいはこの両方など、磁束を或る磁気回路要素から他の磁気回路要素へと運ぶためだけに、一般的に使用されている。さらに、後方鉄構造は、一般的には、1つ以上のコイルなどのような関連のアンペアターン生成要素を受け入れるようには形成されていない。
[0056]本明細書において使用されるとき、用語「コイル(coil)」は、磁束を生み出すべく透磁性の材料に誘導的に結合するように配置される連続的に回旋された導体の集まりを指す。いくつかの実施形態においては、用語「コイル」を、「巻線」または「コイル巻線」と記載することができる。
[0057]本明細書において使用されるとき、用語「コイル領域(coil region)」は、界磁極部材のうちのコイルが巻き付けられる部位を一般的に指す。
[0058]本明細書において使用されるとき、用語「コア(core)」は、界磁極部材の一部位であって、コイルが通常は磁極片の間に配置されており、一般的には磁束の経路の一部をもたらすために透磁性の材料で構成されている一部位を指す。
[0059]本明細書において使用されるとき、用語「界磁極部材(field pole member)」は、透磁性の材料で構成され、コイルを周囲に巻き付けることができる構造をもたらすように構成されている要素を一般的に指す(すなわち、この要素が、磁束を生成する目的のためにコイルを受け入れるように構成されている)。いくつかの実施形態においては、界磁極部材が、コア(すなわち、コア領域)および少なくとも2つの磁極片を含み、磁極片のそれぞれが、一般的にはコアのそれぞれの端部または端部の付近に配置されている。しかしながら、他の実施形態においては、界磁極部材が、コアおよび単一の磁極片を含むことに注意すべきである。言うまでもないが、界磁極部材は、アンペアターン磁束を生成するようには構成されていない。いくつかの実施形態においては、用語「界磁極部材」を、広く「固定子コア」と記載することができる。いくつかの実施形態においては、界磁極部材が、一般に界磁極部材の長さ(例えば、界磁極部材の両端の間の距離)が幅(例えば、コアの幅)よりも大きいような細長い形状を全体的に有する。
[0060]本明細書において使用されるとき、用語「アクティブ界磁極部材(active field pole member)」は、コア、1つ以上のコイル、および少なくとも1つの磁極片からなる集まりを指す。特に、アクティブ界磁極部材を、アンペアターン磁束を選択的に生成するために1つ以上のコイルが組み付けられた界磁極部材と説明することができる。いくつかの実施形態においては、用語「アクティブ界磁極部材」を、「固定子−コア部材」と一般的に記載することができる。
[0061]本明細書において使用されるとき、用語「強磁性体(ferromagnetic material」は、一般的に、ヒステリシス現象を呈し、その透磁率が磁化力に依存する材料を指す。また、用語「強磁性体」は、その相対的な透磁率が1よりも大きくて磁化力に依存する透磁性の材料も指す。
[0062]本明細書において使用されるとき、用語「磁界相互作用領域(field interaction region)」は、2つ以上の起源から作り出された磁束がそれらの起源に対して機械力および/またはトルクを生み出すことができるような様相でベクトル的に相互作用する領域を指す。一般に、用語「磁束相互作用領域(flux interaction region)」を、用語「磁界相互作用領域」と互換に使用することができる。そのような起源の例としては、界磁極部材、アクティブ界磁極部材、および/または磁石、またはこれらの一部分が挙げられる。磁界相互作用領域は、回転機械の専門用語において「エアギャップ」と称されることも多いが、磁界相互作用領域は、2つ以上の起源からの磁束がベクトル的に相互作用してそれらの起源に対して機械力および/またはトルクを生み出す領域を説明するより幅広い用語であり、したがってエアギャップの定義に限られるわけではない(すなわち、磁石の表面および磁極面の面積ならびに2つの面積の間の外周から延びる平面によって定められる体積に限定されない)。例えば、磁界相互作用領域(または、少なくともその一部分)が、磁石の内部に位置することができる。
[0063]本明細書において使用されるとき、用語「発電機(generator)」は、機械的なエネルギーを電気エネルギーへと変換するように構成されている電気機械を一般的に指し、例えばその出力電圧波形は、どのようなものであってもよい。「オルタネータ」も同様に定義することができ、したがって発電機は、その定義にオルタネータを含む。
[0064]本明細書において使用されるとき、用語「磁石(magnet)」は、それ自体の外側に磁界を生成する物体を指す。したがって、磁石という用語は、永久磁石、電磁石などを包含する。
[0065]本明細書において使用されるとき、用語「モータ(motor)」は、電気エネルギーを機械的なエネルギーに変換するように構成されている電気機械を一般的に指す。
[0066]本明細書において使用されるとき、用語「透磁性(magnetically permeable)」は、磁束密度(「B」)と加えられている磁界(「H」)との間に磁気的に定義可能な関係を有する材料を一般的に指す記述用語である。さらに、「透磁性」は、これらに限られるわけではないが強磁性体、粉末金属、軟磁性複合材(「SMC」)などを含む幅広い用語であるように意図されている。
[0067]本明細書において使用されるとき、用語「磁極面(pole face)」は、磁束相互作用領域(ならびに、エアギャップ)の少なくとも一部分に面して、磁束相互作用領域(ならびに、エアギャップ)の一境界を形成している磁極片の表面を指す。いくつかの実施形態においては、用語「磁極面」を、「固定子表面」、または「磁束相互作用表面(flux interaction surface)」の少なくとも一部分、あるいはこの両方として一般的に説明することができる。
[0068]本明細書において使用されるとき、用語「磁極片(pole shoe)」は、磁極面が回転子(または、その一部位)に面して、エアギャップの形成およびそのリラクタンスの制御に機能するよう、磁極面の配置を容易にする界磁極部材の一部位を指す。界磁極部材の磁極片は、一般的には、コアのそれぞれの端部の付近に位置し、コイル領域またはコイル領域の近傍から出発して磁極面で終わる。いくつかの実施形態においては、用語「磁極片」を、広く「固定子領域」と記載することができる。
[0069]本明細書において使用されるとき、用語「軟磁性複合材(soft magnetic composites)」(「SMC」)は、絶縁コートされた鉄粉末金属材料など、絶縁された磁性粒子で一部が構成されており、本発明の回転子−固定子構造の要素を形成すべく成型できる材料を指す。
[0070]本明細書において使用されるとき、用語「移行領域(transition region)」は、磁束の経路の或るセグメント(例えば、コア領域内のセグメント)を磁束の経路の他のセグメント(例えば、磁極片内のセグメント)へとオフセットまたは偏向させ易くする磁極片の任意の部位を指す。1つ以上の磁極片が、(例えば、コイルを回転軸により近いコンパクトな構成に配置することによって)モータの体積の利用を改善するために、移行領域を実現することができる。具体的には、移行領域が、電気機械を構成する各要素の詰め込みを促進しつつ、界磁極部材のリラクタンスを比較的低く保つ。そのような要素としては、シャフト、界磁極部材、磁石などが挙げられる。
検討
[0071]図2Aは、本発明の具体的な実施形態による例示的な回転子−固定子構造の分解図である。図2Aは、少なくとも2つの円柱形の磁石226aおよび226bがシャフト225に装着されている、または取り付けられている回転子アセンブリ261を示しており、円柱形の磁石226aおよび226bのそれぞれが、それぞれ円柱形である磁石表面(または、その少なくとも一部分)224aおよび224bを有する。本発明の種々の実施形態においては、回転子−固定子構造250を実施するために、円錐形などのような円柱形以外の形状も実用可能である。さらに図2aは、界磁極部材205a、205b、および205cを示しており、界磁極部材205a、205b、および205cがそれぞれ、磁石表面224aの一部分に面する磁極面209a、209b、および209cを有する。すべての磁極面が図示または特定されているわけではないことに、注意すべきである。
[0072]種々の実施形態において、界磁極部材205のそれぞれは、少なくとも界磁極部材を通過する磁束の経路の長さを最小限にすることによって、電動モータの実現において単位寸法当たり(または、単位重量当たり)の生成トルクを増すように構成されている。さらに、界磁極部材205は、磁束の直線逸脱を最小にするため、磁束の経路(または、そのセグメント)を直線状または実質的に直線状にする。典型的には、経路のセグメントが、回転軸に対して概ね平行である。したがって、直線状または実質的に直線状の経路を実現することによって、これらの界磁極部材のそれぞれが、磁束が界磁極領域の間の外周の辺りで(90°程度の角度などで)鋭く転向しなければならない従来からの磁気戻り経路の設計と比べ、比較的低いリラクタンスの磁束経路をもたらす。したがって、いくつかの実施形態における回転子−固定子構造は、直線状または実質的に直線状の経路を実現して、電気機械をより少ない磁気損失およびより高い効率で動作させることができる。本発明の回転子−固定子構造の他の種々の実施形態および特徴を、次に説明する。図2B〜11は、円錐形の磁石を概ね実現する回転子−固定子構造を示しているが、以下の説明は、他の形状を有する磁石またはその均等物にも、適用可能である。
[0073]図2Bは、本発明の具体的な実施形態による例示的な回転子−固定子構造の分解図である。この例では、回転子−固定子構造200が、回転子アセンブリ202および複数のアクティブ界磁極部材204(すなわち、アクティブ界磁極部材204a、204b、および204c)を含んでおり、それによりアクティブ界磁極部材204が、回転子アセンブリ202の磁石に磁気的に結合し、これを駆動するように構成されている。回転子アセンブリ202には、2つの円錐形の磁石220aおよび220bが、円錐形の磁石220aの円錐形の磁石表面221aの少なくとも一部分が円錐形の磁石220bの円錐形の磁石表面221bの少なくとも一部分に面するように、シャフト222に装着されている、または取り付けられいている。詳しくは、円錐形の磁石220aおよび220bの小径端(すなわち、円錐の頂点が存在するならば、そのような頂点に最も近い端部であり、例えば円錐の断頭によって頂点が存在しない場合には、円錐の想像上の頂点に最も近い端部である)が、互いに面している。さらに、円錐形の磁石220aおよび220bはそれぞれ、アクティブ界磁極部材204の端部からなるグループの一方に隣接して位置している。本発明の種々の実施形態においては、円錐形の磁石表面221aおよび221bがそれぞれ、回転軸に対して或る傾きの角度を有し、その角度が、約5度〜約85度である。特定の実施形態においては、傾きの角度が約10度〜約80度であってもよい。少なくとも一実施形態においては、例えば円錐形の磁石220aおよび220bが比較的高性能の磁性材料で構成される場合に(例えば、比較的大きい最大エネルギー積および「Br」の値、ならびに大きな保磁力を有する磁石)、傾きの角度が回転軸に対して約30度である。種々の実施形態において、シャフト222を透磁性の材料で構成できるが、他の実施形態においては、非磁性および/または非導電性の材料で製作してもよい。したがって、回転子−固定子構造200は、シャフト222が磁束の経路を形成することを必要とせず、アクティブ界磁極部材204ならびに円錐形の磁石220aおよび220bが、本発明の少なくとも一実施形態による磁束の経路を形成するために充分である。
[0074]アクティブ界磁極部材204のそれぞれは、界磁極部材206と、それぞれの界磁極部材206の周囲に巻き付けられた絶縁されたコイル208とを含む。界磁極部材206は、シャフト222の軸によって定めることができる回転軸を中心にして同軸に配置されている。コイル208a、208b、および208cは、概ね界磁極部材206a、206b、および206cの中央部の周囲にそれぞれ巻き付けられており、コイル208に電流が供給されたときに、界磁極部材206にアンペアターン生成磁束を生み出す。少なくとも一実施形態においては、1つ以上のアクティブ界磁極部材204が、少なくとも固定子アセンブリ(図示されていない)の一部分を構成している。アクティブ界磁極部材204のそれぞれの端部領域が磁極面207であり、磁極面207のそれぞれが、円錐形の磁石220aおよび220bの円錐形の磁石表面の少なくとも一部分に隣接して位置して、これに面し、磁石表面(または、その一部分)と磁極面との間に機能的なエアギャップを定めている。本発明の特定の実施形態によれば、磁極面207が、円錐形の磁石220aの表面など、磁石の表面に倣うように輪郭付けられている。例えば、磁極面270bが、円錐形の磁石220aの凸状の表面に似た曲率の凹状の表面である。本発明の一実施形態においては、延長端211bなどのような任意の延長端が、界磁極部材206から長手方向に延びており、円錐形の磁石220aおよび220bの外表面を覆い、さらには/あるいはこれらの外表面を過ぎて延びている。他の例としては、延長端217bが、円錐形の磁石220bの外表面を過ぎて延び、回転子−固定子構造200を構成すべく溝242のうちの1つへと挿入されるように構成されている。しかしながら、いくつかの実施形態においては、延長端211ならびに界磁極部材206の他の延長端が存在せず、磁極面207が、大径端(外側磁石表面223aに一致し、あるいは外側磁石表面223aに最も近い方の端部)が界磁極部材206の外表面に関する半径方向の距離まで延びており、あるいは界磁極部材206の外表面に関する半径方向の距離を超えて延びている円錐形の磁石220aおよび220bに直面できることに、注意すべきである。
[0075]回転子アセンブリ202または複数のアクティブ界磁極部材204を、他方に対して回転するように構成できるため、回転子−固定子構造200は、場合によって、ベアリング230ならびに前側取り付けプレート240および後ろ側取り付けプレート248の両方を備えることができる。特定の実施形態においては、取り付けプレート240および248を、非磁性かつ/または非導電性の材料で製作することができる。取り付けプレート240および248の空洞244が、ベアリング230を収容するように設計されており、溝242が、延長端217bなど、アクティブ界磁極部材の延長端の少なくとも一部分を収容するように設計されている。いくつかの場合には、溝242がアクティブ界磁極部材204の動きを制限し、回転子アセンブリ202に対する適切な位置を維持する。保護ハウジング(図示されていない)を、回転子アセンブリ202および界磁極部材204の両方を保護するために追加することができ、1つ以上のコイル208のためのヒートシンクとしても機能させることができる。例示的な回転子−固定子構造200の実現に有用ではあるが、本発明の種々の実施形態は、特に本発明の実施形態による磁束の経路を生成するときに、取り付けプレート240および248ならびにベアリング230および溝242を備えるものに限定されない。
[0076]それぞれの界磁極部材206に絶縁されたコイル208が巻き付けられて示されているが、特定の実施形態によれば、すべての界磁極部材206にコイルが巻き付けられている必要がない点に注意すべきである。例えば、コイル208bおよび208cを、それぞれアクティブ界磁極部材204bおよび204cから省略することができ、コイル208bおよび208cが備えられている場合に比べて、例えば製造コストが低い電気機械を形成することができる。コイル208bおよび208cを備えない場合、部材204bおよび204cは、アクティブ界磁極部材ではない界磁極部材を構成する。また、界磁極部材206a、206b、および206cが、真っ直ぐな界磁極部材として示されているが、界磁極部材206a、206b、および206cが、直線状または実質的に直線状である必要がないことにも、注意すべきである。いくつかの実施形態においては、界磁極部材206a、206b、および206cのうちの1つ以上を、磁束を直線状ではない磁束の経路で運ぶため、界磁極部材に後述のような移行領域を実現するように形作ることができる。例えば、界磁極部材206a、206b、および206cを、コイル208をシャフト222により近付けて配置するように形作り、回転子−固定子構造200を実現する電気機械の体積を小さくすることができる。
[0077]少なくとも特定の一実施形態においては、1つ以上のアクティブ界磁極部材204のそれぞれが、1つ以上のコイル208および界磁極部材(206a、206b、および206cのいずれかなど)のみを含む。いくつかの場合には、アクティブ界磁極部材204が、界磁極部材へと巻き付けられたコイル巻線に実質的な支持を追加することがないテープ、紙、および/または塗装などを含むことができる。一般に、1つ以上のコイル208の巻線は、界磁極部材自体に直接巻き付けられる。1つ以上のコイル208の導体は、一般的には絶縁を備えている。しかしながら、この特定の実施形態においては、アクティブ界磁極部材204のそれぞれは、製造プロセスにおいて追加の材料コストおよび作業を必要とするコイル担持構造などのような他の中間構造を、含んでいない。
[0078]図3は、回転子−固定子200の端面図300を示しており、本発明の一実施形態により、エアギャップを介して直面する円錐形の磁石220aの磁石表面と相互作用するように構成された磁極面の向きを説明している。図3には、前側取り付けプレート240、ベアリング230、および円錐形の磁石220aが存在しておらず、これらはすべて、アクティブ界磁極部材およびコイルの両方の形状の端面図、ならびに界磁極の間の界磁極ギャップ(「G」)を示すために省略されている。図示のように、コイル208a、208b、および208cが、それぞれ界磁極部材206a、206b、および206cを囲んでアクティブ界磁極部材204a、204b、および204cを形成しており、これらのすべてが、(コイル巻線を典型的には図1のスロット108を使用して巻き付けて用いている従来のモータに比べて)回転子−固定子構造200を実現するモータまたは発電機の充填密度を高めるため、コンパクトに配置されている。さらに図3は、延長端311a、311b、および311cの縁、ならびにそれぞれのアクティブ界磁極部材204a、204b、および204cの磁極面307a、207b、および207cを示している。磁極面307a、207b、および207cは、これらの磁極面または表面のそれぞれと円錐形の磁石220aの円錐形の磁石表面の少なくとも一部分との間に磁気エアギャップを形成するように配置されている。さらに、磁極ギャップは、アクティブ界磁極部材204a、204b、および204cを構成する磁極部材の側面(または、縁)によって定められている。例えば、ギャップ「G」は、例えばそれぞれの界磁極部材206bおよび206c(図2B)の側面から延びる平面310および320によって定められる界磁極ギャップを表している。少なくとも特定の一実施形態においては、磁極面307a、207b、および207cのそれぞれに関する表面積が、最適な構成において最大のトルク出力を生むように寸法付けられている。このような構成の例が、円錐形の磁石220aと界磁極部材206a、206b、および206cとの間の磁気的結合が最大量または最大量の付近にありながら、界磁極部材間のギャップ「G」を横切る漏れが最小量または最小量の付近である構成である。磁極面307a、207b、および207cのいずれかの表面積を大きくすることで、磁気的な結合が増すことに注意すべきである。
[0079]図4は、本発明の実施形態による回転子−固定子構造200ならびに磁極面307a、207b、および207c(図3)に隣接して位置する円錐形の磁石220aの他の端面図400を示している。図示のとおり、円錐形の磁石220aの外側磁石表面223aを、突き出している延長端311a、311b、および311cの縁ならびにコイル208とともに見て取ることができる。この例が、円錐形の磁石220aをN極(「N」)およびS極(「S」)を有する双極子磁石(例えば、永久磁石)として示しているが、円錐形の磁石220aが、任意の数のN極およびS極を有してもよいことに、注意すべきである。いくつかの実施形態において、円錐形の磁石220aおよび220bを電磁石を使用して実現してもよいことに、注意すべきである。また、図4は、3つの断面図を定めている。第1の断面図X−Xは、中心線として真っ直ぐに切断されており、界磁極部材206aおよびコイル208aを二等分し、次いで磁石220aを介して他の界磁極部材206bおよび206cの間の界磁極ギャップを通過している。第2の断面図Y−Yは、界磁極部材206aおよびコイル208aを二等分し、次いで磁石220aを介し、界磁極部材206bおよびコイル208bを通過している。第3の断面図Y’−Y’は、第2の断面図Y−Yに類似しており、界磁極部材206aおよびコイル208aを二等分し、次いで磁石220aを介し、界磁極部材206cおよびコイル208cを通過している。断面図X−X、図5Aに示される一方で、断面図Y−YおよびY’−Y’は、どちらも図5Bに示されている類似の図を生み出している。
[0080]図5Aおよび5Bは、本発明の少なくとも一実施形態による例示的な磁束の経路を説明する断面図を示している。図5Aは、回転子−固定子構造500のアクティブ界磁極部材204aの断面を示しており、この断面は、コイル208aおよび界磁極部材206aの断面図X−Xを示している。この例では、アクティブ界磁極部材204aが、磁極面307aおよび505b、磁極片507aおよび507b、コイル領域506、ならびにコイル208aを含む。図5Aの図X−Xにおいて、円錐形の磁石202aおよび202bが、直径方向において反対向きに磁化されており、界磁極部材206aのそれぞれの磁極片507aおよび507bに隣接して位置している。したがって、磁極片507aの磁極面307aが、図2Bの磁石表面221aの少なくとも一部分521a(磁極面307aに直面し、断面として示されている)と協働して磁気エアギャップ551aを形成している。同様に、磁極片507bの磁極面505bが、図2Bの磁石表面221bの少なくとも一部分521b(磁極面505bに直面し、断面として示されている)と協働して磁気エアギャップ551bを形成している。部位521aおよび521bが、それぞれ円錐形の磁石220aおよび220bの軸方向の全長にわたって延びている必要がない点に、注意すべきである。例えば、部位521aおよび521bを、円錐形の磁石220aおよび220bの最大および最小の断面径の間に限られた領域によって定めることができるが、任意の寸法であってもよい。したがって、少なくとも一実施形態によれば、部位521aおよび521bは、磁極面と協働してエアギャップを形成しさえすればよく、円錐形の磁石220aおよび220bの他の表面部分は、エアギャップを形成するように構成されていなくてもよい。さらに、コイル208aが、界磁極部材206aのコイル領域506を囲んでおり、コイル領域506が、界磁極部材206aの一部分を囲んでいるコイル208aの軸方向の長さによってほぼ定められている。図5Aにおいては、エアギャップ(エアギャップ551aなど)よりも大きな空間を包含することができ、例えば円錐形の磁石220aへと延びることができる1つ以上の磁界相互作用領域は、描かれていない。
[0081]本発明の少なくとも一実施形態においては、それぞれの円錐形の磁石220aおよび220bの表面の磁石の部位521aおよび521bの少なくとも一方を、回転軸に対する角度である傾きの角度(「θ」)501によって区画されるものとして定めることができる。図示の例では、回転軸が、シャフト222と同一延長である。特定の実施形態においては、傾きの角度(「θ」)501が、シャフト222から30度である。しかしながら、角度501が任意の角度でよいことに注意すべきである。
[0082]反対向きの極性により、円錐形の磁石220aは、N極(「N」)を方向502に向けて分極され、円錐形の磁石220bは、N極(「N」)を方向504に向けて分極されている。いくつかの実施形態においては、円錐形の磁石220aおよび220bが、直径方向において正確に反対向きに磁化されている(すなわち、方向502および504の間が180度)。しかしながら、他の実施形態においては、例えばディテントトルク(「コギング」)を少なくするため、方向502および504が、両方向の間の角度が180度以外の角度になるようにずらされていてもよい。特定の実施形態においては、方向502および504が、間の角度が約150度〜約180度であるようにずらされている。種々の実施形態において、円錐形の磁石220aおよび220b(または、他の種類の磁石)はそれぞれ、回転軸に実質的に直交する1つ以上の平面内に分極の方向を有するように分極される。
[0083]図5Bは、図3のアクティブ界磁極部材204a、ならびにアクティブ界磁極部材204bまたはアクティブ界磁極部材204cのいずれかの断面を示しており、本発明の一実施形態による磁束の経路を示している。検討を容易にするため、図Y−Yについてのみ検討を行う。図Y−Yは、コイル208aおよび界磁極206aの断面図であって、コイル208bおよび界磁極部材206bを通過している。磁束の経路560が、両方の界磁極部材206aおよび206bならびにこの両方の円錐形の磁石220aおよび220bを通過している。説明の目的で、磁束の経路560(または、磁束経路)を、重ね合わせの原理によって組み合わせられる2つの磁束経路からなるものとして表現することができる。円錐形の磁石220aおよび220bが、第1の磁束経路(すなわち、永久磁石生成磁束)を形成する一方で、コイルのアンペアターンによって生成される磁束が、第2の磁束経路(すなわち、アンペアターン生成磁束)を形成する。この例では、第1の磁束経路としての磁束が、円錐形の磁石220aのN極(「N」)から出て、エアギャップ551aを横切り、磁極面307a(図3)に進入しており、磁極面307aに直面する表面の部位521aに、N極が一致している。その後、この第1の磁束経路は、界磁極部材206aを長手方向に横切り、円錐形の磁石220bに隣接する界磁極部材206aの端部において、磁極面505bを出る。第1の磁束経路は、エアギャップ551bを横切って続き、円錐形の磁石220bのS極(「S」)に進入するが、このS極は、概ね磁石表面221bの表面の部位521bに一致し、磁極面505bに直面している。第1の磁束経路は、円錐形の磁石202bを、N極(磁石表面221bのうちの磁極面231bに直面している表面部位561bに概ね一致している)に向かって通過する。次いで、第1の磁束経路は、エアギャップ551cを横切って磁極面213b(図2B)に進入する。ここから第1の磁束経路は、界磁極部材206bを通過して磁極面207bへと戻り、磁極面207bから出てエアギャップ551dを横切り、円錐形の磁石220aのS極に進入して、第1の磁束経路を完成している。一般に、円錐形の磁石220aのS極は、磁石表面221a(図2B)のうちの磁極面207bに直面する表面部位561aに一致している。図示の例において、磁極面207bを出る磁束が、磁極面207aを出る磁束と同等であることに、注意すべきである。磁束の経路560のいかなる部位を形成するためにも、追加の構造または材料が必要とされていないことに、注目すべきである。すなわち、回転子−固定子構造550は、後方鉄を含んでいない。
[0084]特定の実施形態において、円錐形の磁石220aおよび220bの直径は、円錐形の磁石220aおよび220bのそれぞれにおける磁束経路の長さが、4つのエアギャップ551a〜551dに比べて比較的長くなるように設定され、好ましい磁石負荷曲線を達成している。4つのエアギャップ551a〜551dのそれぞれが、磁極面と磁石との間の(あるいは、磁極面および磁石を通過する)磁束の相互作用を促進するため、磁束相互作用領域をもたらしていることに注意すべきである。さらには、円錐形の磁石220aまたは220bにおける磁束経路が、磁化の軸に沿って整列して(すなわち、S極からN極へと)示されており、これが低い磁石製造コストおよび比較的大きな単位体積(または、寸法)当たりの出力トルクを生成できる磁石に貢献できることに、注意すべきである。磁石の保磁力は、強力な外部磁界の影響のもとで磁石が内部磁束の整列をどのように上手く維持するかを決定する磁石の特性であるが、特定の用途に合わせた適切な磁石材料を使用することによって、最適に選択することが可能である。
[0085]少なくとも一実施形態においては、回転子−固定子構造550(図5B)が、第1の円錐形の磁石220aの磁石表面の表面部位521aの辺りから、第2の円錐形の磁石220bの磁石表面の表面部位521bの辺りまで、実質的に真っ直ぐに延びる磁束の経路560の少なくとも一部分を生成する。一例では、磁束の経路のこの部位が、第1の円錐形の磁石220aの表面部位521a、第2の円錐形の磁石220bの表面部位521b、界磁極部材のうちの少なくとも1つ(界磁極部材206aなど)、および2つ以上のエアギャップ(エアギャップ551aおよび551bなど)から基本的になる。
[0086]本発明の少なくとも一実施形態においては、円錐形の磁石220aおよび220bが、少なくとも以下の2つの磁気特性を有することができる。第1に、円錐形の磁石220aおよび220bが、ガウスというCGS単位にて磁束密度「B」について測定できるような磁束を生成することができる。「CGS」は、センチメートル、グラム、および秒にて記述される単位を指す。第2に、円錐形の磁石220aおよび220bの磁石材料は、磁石が消磁に抵抗するような材料である。消磁に強力に抵抗する能力を有する材料は、当分野において周知のとおり、「高い保磁力」を有すると称されることが多い。適切な値の反磁界を、特定の磁石材料の磁束密度出力をゼロにするために使用することができる。したがって、磁石材料が比較的高い値の保磁力を有するということは、一般的に、磁石材料が、消磁作用に苦しむことなく大きな値の外部反磁界強度に耐えることができることを示している。特定の実施形態においては、円錐形の磁石220aおよび220bが、妥当に予想される動作条件において信頼性を有するよう、動作条件のもとで比較的1.00に近い可逆透磁率および充分な保磁力Hdを有する磁石材料で構成されている。
[0087]磁石材料は、部分的には、そのような材料の最大エネルギー積によって特徴付けられることが多い。さらに、磁石材料を、閉回路において当該磁石材料に測定される外部磁界が加えられていない場合に磁石材料から出力される磁束密度である「Br」によって特徴付けることができる。この最大磁束密度の値が、しばしば「Br」と称される。Brの値が大きいということは、磁石材料が、磁極面積当たりの大きな磁束(すなわち、高い磁束密度)を生成できることを意味している。少なくとも一実施形態においては、円錐形の磁石220aおよび220bが、比較的小さな装置の容積にて比較的大きなトルクが望まれる構成において、高い磁束生成能力を有する磁石(例えば、「Br」の値が大きい)を使用している。
[0088]種々の実施形態においては、円錐形の磁石220aおよび220b(または、他の磁石)が、軸方向が比較的短くてもよく、例えば回転軸から約30度である円錐角を使用できるBrの値が大きい磁石を使用している。しかしながら、いくつかの実施形態においては、円錐形の磁石220aおよび220b(または、本発明の実施に適した他の磁石)が、より低いコストおよびより低いBrの値を有する磁石材料を使用している。この場合、磁石は、一般的には、より大きなBrの値に組み合わせられるエアギャップに比べ、比較的大きな面積を有するエアギャップを備えて実現される。特に、エアギャップの面積の増加が、磁石の軸方向長さを増して、それぞれの磁極面に直面する磁石表面の表面積を増やすことによって形成される。したがって、同じ外形の装置(例えば、モータのハウジング)において、軸方向に長くなるものの、より小さい円錐角度(例えば、30度未満)を使用することができる。多数の実施形態において、出力トルク性能およびKmを同じに維持することができるが、Brの値が小さいバージョンにおいては、軸方向の長さが増加する可能性があるにもかかわらず、製造コストを低くすることが可能である。
[0089]本発明の種々の実施形態が、公知の利用可能な磁石材料のいずれかを使用する多数の設計のモータおよび/発電機の設計を包含するが、少なくとも一実施形態は、反対方向に加えられる磁界の強度の値Hに対するBの値の比が小さい磁石材料を使用する。このような比は、多数の磁石材料のデータシートにおいて典型的に指定されているとおり、それぞれの材料のBr点において測定され、そのような材料の「Brにおける可逆透磁率」を定めている。いくつかの場合においては、磁石材料が、大きな保磁力の値のみに限定される必要はないが、磁石材料は、予測される反磁界または温度条件にさらされたときに、予測できる出力磁束密度を呈していなければならない。したがって、本発明の回転子−固定子構造を使用するモータおよび/または発電機を設計するときに、「可逆透磁率」の値が少なくとも1つの因子となり得る。
[0090]可逆透磁率は、一般的には、Bの値と反対向きに加えられる磁界の強度の値との間の関係の表現である。可逆透磁率の値は、典型的には、CGS単位にて評価され(空気の透磁率がCGS単位において1.0であるため)、Brの付近またはBrにおけるBの値(例えば、ガウスを単位として表現される)を、反対向きに加えられる磁界の強度の値(例えば、Hcの付近またはHcにおけるHであって、エルステッドを単位として表現される)で除算することによって決定できる。いくつかの磁石材料においては、平均の可逆透磁率の値を割り出すことができ、磁石材料の選択に有用であると考えられる。一実施形態においては、可逆透磁率を、International Magneticd Association(「IMA」)によって維持されているととおり、Magnetic Materials Producers Association(「MMPA」)規格0100−00によって、種々の磁石材料について定めることができる。可逆透磁率をMKS単位(すなわち、メートル、キログラム、および秒)にて記述することも可能であることに、注意すべきである。
[0091]一般に、可逆透磁率の値は、CGS単位で表現した場合には1未満にはならない。しかしながら、或る特定の被測定材料において、可逆透磁率の値が1.0に近付くにつれて保磁力が大きくなり得る。本発明の多くの実施形態においては、可逆透磁率の値が、典型的には1.3未満である。ネオジム−鉄(「NdFe」)で構成された磁石およびその変種など、典型的な高保磁力の磁石材料は、CGS単位において約1.04の可逆透磁率の値を有することができる。種々の供給者からの可逆透磁率の値の例は、以下のとおりである。等級32Hについて1.036(Hitachi, Ltd.製);等級35Hについて1.028(Magnetic Component Engineering, Inc.すなわち「MCE」製);ならびに等級22H〜33Hについて1.02、および等級35SA〜N52について1.05(Shin−Etsu Magnetics Inc.製)。そのような変種の例は、ネオジム−鉄−ホウ素、すなわち「NdFeB」である。フェライトセラミックで構成される磁石など、一般的な低コストセラミック磁石は、約1.25である比の値を有することができ、この値であれば、セラミック磁石は、多くの用途において適用できる。典型的な高性能セラミック磁石の平均の可逆透磁率が、通常は多かれ少なかれ、CGS単位において1.06〜1.2の範囲にあることに注意すべきである。或る供給者、すなわちHitach, Ltd.からの値の例は、以下のとおりである。等方性の等級YBM 3について1.2であり、異方性の等級YBM 1および2について1.06。本発明の種々の実施形態における永久磁石は、当業者にとって公知の任意の磁石材料を含むことができる。そのような磁石材料の例として、ネオジム−鉄−ホウ素(「NdFeB」)、サマリウムコバルト(「SmCo」)、および両方の変種など、当分野において公知の1つ以上の希土類磁石材料、ならびにセラミック磁石が挙げられる。
[0092]界磁極部材206のそれぞれの周囲に巻き付けられたコイル208が、第2の磁束経路を形成する。この例では、図5Bのコイル208aおよび208bのアンペアターンによって生成された磁束が、円錐形の磁石220aおよび220b(図2B)ならびに円柱形の磁石226aおよび226b(図2A)が、アンペアターン生成磁束にとって空気と同様の実効特性を有する点を除き、永久磁石による磁束と同様の経路を移動する。したがって、界磁極部材206aの内部(例えば、コイル領域506)で生成されたアンペアターン磁束が、図5Aおよび5Bの円錐形の磁石220aおよび220bならびに図2Aの円柱形の磁石226に隣接する磁極面に存在する。導体としてのコイル208が、円形の断面を有するワイヤであってもよく、あるいは正方形または矩形などのような他の任意の形状を有してもよい点に、注意すべきである。
[0093]少なくとも特定の一実施形態においては、コイル208が、比較的大きな幅および比較的小さな高さの矩形の断面を有する導体である箔状導体を含むことができる。層間に絶縁を備える箔状導体を、利用可能な同じ巻線容積にて巻線抵抗を減らし電流取り扱い容量を高めるために、ワイヤの代わりに使用することができる。さらには、箔状導体を使用することで、巻線のインダクタンスを減らすことができる。一実施形態においては、コアを巡る後続の巻線の箔状導体を絶縁するために、箔の片面に絶縁体が取り付けられる。すなわち、箔状導体の片面のみを絶縁すればよく、なぜならば、この面が箔状導体(または、箔コイル)の先の巻き付け部分の非絶縁の面を絶縁するからである。これにより、コイル208に必要とされる絶縁体の量が有利に削減され、したがってリソースを節約でき、詰め込み密度が高めることができ、導体が完全に絶縁されている(すなわち、絶縁ワイヤなどのようにすべての面が絶縁されている)場合にそのような導体によって占められる空間において、アンペアターンの数を(導体の巻きの数を減らしつつ)増やすことができる。また、箔状導体は、比較的小さな曲げ半径をもたらすため、鋭い曲げを有する導体において通常は一般的である巻線抵抗を減らすことができる。抵抗を減らすことによって、この種の導体は、特に電池駆動のモータの用途において、アンペアターン磁束の生成時に電力を節約することが可能である。
[0094]図5Cは、本発明の一実施形態によるアクティブ界磁極部材によって生成されるアンペアターン磁束について、このアクティブ界磁極部材の磁極面を出る第2の磁束経路の一例を示している。この図において、アンペアターン(「AT」)生成磁束がアクティブ界磁極部材204aにて生成され、次いでほぼ半分に分かれて磁束570aおよび570bを形成しつつ、図5Cの磁極面513a(あるいは、図5Bに磁極面505bとして示されている)から出ている。次いで、アンペアターン磁束570aは磁極面213bに進入し、アンペアターン磁束570bは磁極面513cに進入する。その後、第2の磁束経路の各部位は、残りの界磁極部材(例えば、界磁極部材206bおよび206c)を長手方向に通過して、これらの界磁極部材の他端へと移動し、この第2の磁束経路を最初に生成したアクティブ界磁極部材204aへと戻る。
[0095]図5Dは、本発明の一実施形態によるアクティブ界磁極部材によって生成されたアンペアターン磁束について、このアクティブ界磁極部材の磁極面へと戻る第2の磁束経路の例を示している。図示のとおり、アンペアターン磁束570cおよび570dが、それぞれの磁極面207bおよび207cを出て磁極面307aへと進入し、第2の磁束経路(すなわち、アンペアターン磁束の経路)の磁気回路を完成している。
[0096]概念的には、図5Dのアクティブ界磁極部材204a、204b、および204cのそれぞれの界磁極部材のアンペアターンによって生成された磁界を、アクティブ界磁極部材の端部領域または磁極片の磁極面のそれぞれにおける磁気ポテンシャルの領域として眺めることができる。直面している円錐形の磁石の表面とそれらに隣接する磁極面との間のエアギャップにおいて、第1の磁束経路の磁束および第2の磁束経路の磁束が、当業者にとっておなじみの様相で相互作用し、そのような相互作用が、本発明の少なくとも一実施形態に従い、回転子−固定子構造200を実現している電動モータによってトルクを生成するために有用である。回転子−固定子構造200の第1の磁束経路および第2の磁束経路は、少なくとも一部は、磁束がコイル208を通って流れる電流によって界磁極部材206のコア領域506(図5A)に封じ込まれるため、効率的である。円錐形の磁石220aおよび220bのそれぞれによって生成される磁束は、磁束相互作用領域において、アクティブ界磁極部材204の磁極面からの磁束と相互作用する。したがって、磁束の漏れの経路が、どちらも界磁極部材206の側方および後方を含む磁極片507aおよび507b(図5A)の比較的とても狭い領域に概ね限定される。また、第1の磁束経路および第2の磁束経路が、界磁極部材206の透磁性の材料においてほぼ直線状であるため、これらの界磁極部材が、効率的な方法にて異方性の(例えば、粒子を配向させた)磁性材料で実現するためによく適している。したがって、界磁極部材206を、任意の異方性の磁性材料で構成でき、そのような材料は、等方性の粒子配向していない磁性材料を使用する場合に比べ、より高い磁束密度を有することができ、粒子を配向させた材料の粒子に沿った方向など、帯磁の方向の磁気損失を下げることができる。
[0097]説明のため、例示的な異方性の(例えば、粒子を配向させた)材料が、少なくとも20,300ガウスという磁気飽和値を有することができる一方で、典型的な等方性の積層材料が、19,800ガウスという飽和値を有することができることを考える。本発明の少なくとも一実施形態を実行するために適した異方性の材料の一例は、American Iron and Steel Institute(「AISI」)が定めるとおりの等級M6の材料である。等方性の材料の一例は、AISIによって指定されるとおりのM19材料である。さらに、異方性の材料は、飽和に達するためにわずか126エルステッドの磁界を印加するだけでよいが、等方性の材料は460エルステッドを必要とする。異方性の粒子配向材料(例えば、厚さ0.014インチの積層)のコア損失は、平たく圧延された粒子配向ケイ素−鉄の鋼において15,000ガウスの誘導で、60Hzにおいて1ポンド当たり約0.66ワットであり得る。対照的に、AISIの積層材料M19などのような典型的な等方性の材料は、同様の条件(例えば、0.0185インチの厚さ)において1ポンド当たり約1.72〜1,86ワットのコア損失を有する可能性がある。以上に照らし、界磁極部材206の形成に異方性の材料を使用することは、等方性の材料を使用するよりも有利である。少なくとも一実施形態によれば、界磁極部材206の比較的真っ直ぐな形状が、従来からのモータの磁束の経路と異なり、異方性の材料の効果的な使用を可能にしている。
[0098]従来からのモータの出力トルクの生成と異なり、本発明の種々の実施形態の回転子−固定子構造200によって生成される出力トルクは、シャフト222の回転軸からアクティブなエアギャップ551a〜551d(図5B)までの半径に、必ずしも比例しない。他のすべての因子を同じにして、シャフト222から磁極面およびエアギャップまでの半径方向の距離を大きくしても、出力トルクが、伝統的なモータ設計の公式が示す様相では変化しない。例えば、伝統的なモータ設計の考え方は、アンペアターン磁束を保持する領域を、エアギャップであるアンペアターン磁束の経路の一部を含む低リラクタンスの経路を有するように設計すべきであると教示している。本発明の種々の実施形態によれば、アンペアターン磁束の経路が、永久磁石(円錐形の磁石220など)によって占められた空間を通過する比較的高いリラクタンスの経路を有するにもかかわらず、生成されるピークトルクが、同じ寸法または重量の大部分の伝統的なモータと比べて比較的高い(同様に、他の要因は同じであるとする)。特定の実施形態においては、図2Bの円錐形の磁石220aおよび220b、ならびに/または図2Aの円柱形の磁石226を構成する磁石材料が、空気と同様の透磁率の値を有し、したがって円錐形の磁石220aおよび220bまたは円柱形の磁石226のそれぞれの体積が、アンペアターン磁気回路にとって追加のエアギャップのように見える。少なくとも一実施形態においては、電気機械によって生成される出力トルクが、円錐形の磁石220aおよび220bの体積または円柱形の磁石226の体積に、完全に、あるいは部分的に比例する。
[0099]回転子−固定子構造200の動作時、回転子アセンブリ202の回転を生じさせるために、コイル208に順にエネルギーが供給される。エネルギーが与えられたコイルが、磁極面に磁気ポテンシャルを生成する。これらの磁気ポテンシャルは、磁石(例えば、円錐形の磁石220)の内部磁界の方向を、加えられる外部磁界の方向に向け直そうとする傾向にある。外部の磁界は、事実上、円錐形の磁石220aおよび220bに対して角度方向に向けられた反磁界を呈し、この反磁界が、回転子−固定子構造200を実現しているモータが高トルク負荷のもとにあるとき、比較的大きな振幅に達する可能性がある。この強力な反磁界が、保磁力が不充分である円錐形の磁石220aおよび220bの磁石材料を、不都合にも再磁化する可能性がある。この理由のため、本発明の少なくとも一実施形態は、高トルク負荷に適しており、(1)反対方向に加えられる磁界の強度に対するBの比が小さく、かつ(2)比較的小さな可逆透磁率(例えば、CGS単位で1.3未満など)を有する磁石材料を使用する。
[0100]本発明の実施形態においては、生成されたトルクが、最も低いエネルギーの位置を探すため、磁石(円錐形の磁石220など)の自然の傾きを通過する。したがって、永久磁石であってもよい円錐形の磁石220の磁極が、最大の磁力の領域に向かい、かつ磁力の反発の領域から離れるように回転する傾向にあり、そのような「磁気ポテンシャル」の領域が、アンペアターンによって生成された磁界によって、エネルギーが与えられたアクティブ界磁極部材204の両端のエアギャップに生成される。比較的高い保磁力を有する磁石が、その内部磁界の方向を角度方向に変位させようとする試みに抵抗し、この角度変位に対する抵抗が、永久磁石の本体への機械的なトルクとして現れて、トルクをシャフトへと伝達する。このようにして、磁石(例えば、円錐形の磁石220)がトルクを生じさせ、負荷へと加えられる有用な出力トルクとしてシャフトへと伝達することができる。
[0101]図5Eおよび5Fは、本発明の少なくとも一実施形態による円柱形の磁石を含む他の回転子−固定子構造について、例示的な磁束の経路を説明する断面図を示している。図5Eは、回転子−固定子構造580のアクティブ界磁極部材586aの断面を示しており、この断面は、界磁極部材586aならびに円柱形の磁石590aおよび590bの断面図X−Xを示している。磁極面、磁極片、コイル領域、およびコイルの機能が、図5Aにおける同様の名前の構成要素と同様である一方で、界磁極部材586aは、追加の構造および/または機能要素を含む。すなわち、界磁極部材586aが、図17A〜20の1つ以上において後述されるような機能および構造の移行領域588を含む。図5Fは、図5Bと同様の少なくとも2つのアクティブ界磁極部材の断面図を示しており、本発明の一実施形態による磁束の経路を示している。図5Bに定めた断面図Y−Yと同様、回転子−固定子構造592が、界磁極586aおよび界磁極部材586bの断面図である。磁束の経路594が、両方の界磁極部材586aおよび586bを通過し、両方の円柱形の磁石590aおよび590bを通過している。さらに、移行領域588も示されている。シャフト、磁極面、磁極片、コイル領域、およびコイルの機能が、図5Bにおける同様の名前の構成要素と同様であることに注意すべきである。
[0102]図6A、6B、および6Cは、本発明の他の実施形態による別の例示的な回転子−固定子構造の端面図600を示している。図6Aおよび6Bが、回転子−固定子構造の端面図600を示す一方で、図6Cは、図6Bの部分断面図A−Aである。図6Aは、それぞれが各界磁極部材606の端部に斜めの磁極面607を有するアクティブ界磁極部材604を示している。斜めの磁極面607のそれぞれは、例えば比較的一定のエアギャップ厚さを有するエアギャップを形成するよう、隣接する磁石(円錐形の磁石220aなど)の直面する表面部位の表面の特徴に概ね追従するように輪郭付けられた表面を有する。エアギャップ厚さとは、一般的に、磁極面上の或る点と直面している磁石表面の或る点との間の直交距離を指す。斜めの磁極表面607は、少なくとも部分的には、隣接する磁石の磁化の方向(例えば、分極の方向)に対してわずかに傾けられ、あるいはわずかに斜めにされた界磁極部材606の表面の縁および/または側面によって定められている。斜めの縁および/または側面は、第1の斜めの縁650および第2の斜めの縁652として図6Aに示されており、どちらも界磁極部材606の縁として構成され、アクティブ界磁極部材604が回転子−固定子構造に配置されたときに斜めの界磁極ギャップ660を形成する。一例として、第1の斜めの縁650cが、磁石(図示されていない)の分極の少なくとも1つの方向630に対して或る角度622を形成するように構成されていると考える。さらに、第2の斜めの縁652bが、分極の方向630に対して或る角度620を形成するように構成されていると考える。角度620、622は、同じ角度であってもよく、あるいは1つ以上の磁石の分極の方向に対して斜めである界磁極ギャップ660を形成するために適している他の任意の角度であってもよい。図6Cが、磁気分極の平面631が界磁極の縁650にも界磁極の縁652にも整列しないように構成された斜めの縁を示している部分断面図であることに、注意すべきである。詳しくは、界磁極の縁650cおよび界磁極の縁652bがどちらも、磁化の平面631に対して整列していない(すなわち、斜めになっている)。少なくとも一実施形態においては、界磁極の縁650aおよび界磁極の縁652のそれぞれが第1の平面と平行であり、そのような第1の平面は、磁化の平面631を含む第2の平面または磁化の平面631と平行である第2の平面に対し、或る角度にある。
[0103]図6Bは、界磁極部材606の磁極面の斜めの縁を示す端面図670である。回転子−固定子構造において図6Aの斜めの界磁極ギャップ660を実現することによって、ディテントトルク(「コギング」)が小さくなる。少なくとも一実施形態においては、斜めの界磁極ギャップ660が、円錐形の磁石220など、直径方向に分極した永久磁石とともに使用されるように構成されている。この場合、図6Bの端面図670は、隣接する円錐形の磁石220aに類似する表面の輪郭を有するように構成された磁極面607を示す端面図であり、磁極面607は、図6Aに示した磁極面と同様である。さらに図6Bには、界磁極部材606の他端において(例えば、破線によって示されているように、第1の斜めの縁650および第2の斜めの縁652に組み合わせられた磁極片と反対の残りの磁極片において)磁極面に組み合わせられた第1の斜めの縁680および第2の斜めの縁682が示されている。この場合、第1の斜めの縁680および第2の斜めの縁682は、それぞれ第1の斜めの縁650および第2の斜めの縁652と同様の角度を有するが、例えば円錐形の磁石220bに関する磁石表面に面している。したがって、縁650および652によって形成される界磁極ギャップの角度方向は、縁680および682によって形成される界磁極ギャップの角度方向と反対である。結果として、直径方向に分極した磁石が、一般的には、電動モータにおいてコギングトルクの原因となり得る平面310および320(図3)の間の界磁極ギャップ「G」を形成する側面と同様の磁極面側面を有する界磁極ギャップに、整列しない。縁650および652の間ならびに縁680および682の間の距離を、界磁極ギャップのコギング作用を最小化するために必要なとおりに狭く構成できる点に、注意すべきである。少なくとも一実施形態においては、第1の斜めの縁680および第2の斜めの縁682が、第1の斜めの縁650および第2の斜めの縁652と同様の角度を有することができる。しかしながら、縁680および682は、それぞれ縁650および652と同じ平面に位置している。これは、有利に、シャフトをねじろうとするトルクのバランスを助け、さらには、界磁極部材606の斜めの縁に対する磁気分極の方向から由来する軸方向の力のバランスを助ける。
[0104]図7Aおよび7Bは、本発明の一実施形態による例示的な界磁極部材を説明している。界磁極部材206a、206b、および206cのそれぞれを、透磁性の材料からなる単一の部品(例えば、金属の射出成型プロセス、鍛造、鋳造、または他の任意の製造方法によって形成される部品)で構成することができるが、これらの界磁極部材を、図7Aおよび7Bに示されているように、多数の小片で構成することも可能である。図7Aは、界磁極部材206のうちの1つを、複数の薄板704を一体にまとめて構成される積層界磁極部材700として示している。この例では、積層界磁極部材700が、弧を有する円柱形の外形を有する外表面702と、回転シャフトのための余地を残しつつコイルの詰め込み密度を高めるための比較的真っ直ぐな内表面706とを有する。界磁極部材の端部領域720が、一般的には、界磁極部材700のそれぞれの端部の永久磁石の磁束と相互作用するための磁極面707を含む一方で、中央部722(すなわち、界磁極部材の中央部)は、一般的には、コイル領域506(図5A)などの磁極面707の間のコア領域を含む。コイル(図示されていない)を、多少なりとも中央部722の周囲に巻き付けることができる。図7Bは、積層界磁極部材700および薄板704の斜視図であり、薄板704を異方性の材料で構成することができる。この例では、異方性の材料が、粒子を配向させた材料を含む。
[0105]少なくとも一実施形態においては、界磁極部材700が、外表面702などの外周面を有する界磁極部材中央部722を含む。外周面は、界磁極が薄板で構成されるか否かにかかわらず、回転軸を中心とする円730の一部分と概ね同一延長である。界磁極部材の外周面を、円または同等の形状の内側に適合するように形成することによって、例えば外周面が正方形の一部分に一致する場合に比べ、よりコンパクトな回転子−固定子構造が、より体積の小さい電気機械をもたらす。図7Aに示されているように、界磁極部材700は、薄板ならびに第1の磁束相互作用表面(例えば、磁極面707)と第2の磁束相互作用表面(例えば、他方の磁極面707)との間の界磁極部材中央部722を含む。この例では、外表面702が円730の少なくとも一部分を境界としており、1つ以上の点(例えば、点740aおよび740b)が、円730と交差または接触している。少なくとも一実施形態においては、界磁極部材700の構造を、正中線710として表れる仮想の正中面に関して説明することができる。正中線710は、軸方向に延び、界磁極部材700を構成している薄板をほぼ半分(例えば、50/50〜60/40の割合を含む)に分けている。正中線710の片側に関して、一般的には、薄板の少なくとも1つの寸法が、薄板の位置が正中線710から離れるにつれて小さくなっている。必須ではないが、薄板を透磁性の材料で構成された基板から、透磁性の材料の無駄を少なくできる構成にて形成できることに、注意すべきである。しかしながら、無駄は、必ずしも本発明の積層界磁極の実施形態のそれぞれの設計において、必須の因子ではない。
[0106]図7Cは、本発明の少なくとも特定の一実施形態による界磁極部材の少なくとも中央部の例を示している。界磁極部材の少なくとも中央部の断面の図示を妨げることがないよう、輪郭付けられた磁極面を有する磁極片が省略されていることに、注意すべきである。界磁極部材790が、薄板792から形成されており、界磁極の断面積を大きくして界磁極部材790を通過できる磁束の量を増やすために、正方形のフォームファクタを有するように構成されている。例えば、正方形の断面積794は、図7Aの界磁極部材700の楕円状の形状の断面積と比べ、より多くの磁束を保持することができる。さらに図7Cは、少なくとも一実施形態において実現できる涙滴形の断面積796を示している。詳しくは、涙滴形の断面積796が、実質的に半径方向を有する平面内に位置している。この向きは、界磁極部材790の数が増加するときに、界磁極部材790の収容を容易にする。涙滴形の断面積796を、磁束の要件およびモータの外囲の制約の特定の組において、界磁極部材790を構成している材料(例えば、鉄)に対する巻線(例えば、銅の導体)の比が最適になるように構成できる。
[0107]さらに、図7A〜7Cのいずれの界磁極においても、性能を向上させるために種々の巻線パターンを実現できる点に注意すべきである。例えば、キャンター式(cantered)または全包囲の巻線は、一方の界磁極部材から他の界磁極部材へと漏れる磁束を少なくするため、構造の両端において、界磁極部材700の側面および/または背面の実質的にすべてを覆うことができる。したがって、コイルのワイヤは、必ずしも界磁極部材の長軸に概ね直交する平面内において巻き付けされる必要はなく、斜めの角度に巻き付けされてもよい。コイルを磁気エアギャップの近くに配置することで、それらコイルを、例えば磁極片の領域における磁束の漏れの低減において、より効果的にすることができる。上述の巻線パターンが、本明細書に記載のいずれの界磁極部材へも適用可能であることに、注意すべきである。
[0108]図7Dおよび7Eは、本発明の他の実施形態による別の例示的な界磁極部材を説明している。図7Aに類似しているが、図7Dは、界磁極部材586aおよび586b(図5F)のうちの1つを、積層界磁極部材770として示している。図示のように、界磁極部材770は、一体にまとめられた複数の薄板774で構成されている。界磁極部材の端部領域780が、一般的には、界磁極部材770のそれぞれの端部の永久磁石の磁束と相互作用するための磁極面773を含む一方で、中央部777(すなわち、界磁極部材の中央部)は、一般的には、界磁極部材586a(図5E)の磁極面の間のコア領域を含む。いくつかの実施形態において磁極片と同義であってもよい端部780において、界磁極部材770は、移行領域776を含む。これらの移行領域については、さらに詳しく後述する。図7Eは、積層界磁極部材770および薄板774の斜視図であり、薄板774を異方性の材料で構成することができる。この例では、異方性の材料が、粒子を配向させた材料を含む。
[0109]図8は、本発明の特定の実施形態による斜めの磁極面を有する他の例示的な界磁極部材を説明している。図示のように、斜めの界磁極部材800が、積層界磁極部材700と同様、複数の薄板804から構成されている。薄板804が、斜めの磁極面807をもたらすようにパターン化されている。磁極面807が、第1の斜めの縁850および第2の斜めの縁852の両方によって境界付けされる一方で、他方の磁極片に位置する他方の磁極面807は、第1の斜めの縁880および第2の斜めの縁882によって境界付けされている。縁850、852、880、および882が、それぞれ図6Bの縁650、652、680、および682に相当できる点に、注意すべきである。また、縁850および882を、シャフトをねじり得るトルクをバランスさせ、さらには、界磁極部材800の斜めの縁に対する磁石の分極の方向から由来する軸方向の力のバランスさせるため、それぞれ縁880および852と同じ平面内に位置するように形成することができる点に、注意すべきである。いくつかの場合には、薄板804(ならびに、薄板704)を、製造時の屑を最小にする様相で、単一の基板(例えば、金属の薄板など)または異なる基板から同一にパターン化され、あるいは異なってパターン化される一連の形状にて、有利に形成する(例えば、打ち抜く)ことが可能である。基板は、単一の薄板であってもよく、あるいは例えばスプールから圧延できる素材の細長い帯であってもよい。例えば薄板704(図7B)および804(図8)の製造が、円形の固定子構造に円形の穴を生むために廃棄されることが典型的である材料を無駄にすることがない点に、注目すべきである。
[0110]いくつかの実施形態においては、薄板704および804を、異方性の(例えば、粒子を配向させた)シート材料を帯磁の方向を長手方向(回転軸と平行など)に向けつつ積層して組み立てることができる。これにより、磁束をモータの一端から他端へと軸方向に容易に導くことができる。薄板を、互いに電気的に絶縁することができ、これによって渦電流損失を少なくすることができる。一実施形態においては、薄板704および804が、粒子を配向させた鋼で構成され、比較的低コストの材料で高い透磁率、少ない損失、および/または高い飽和レベルを有する種々の界磁極部材を提供する。薄板704および804を実現するために適した異方性材料の1種類は、冷間圧延粒子配向の鋼、すなわち「CRGO薄板鋼」である。少なくとも一実施形態に従って粒子配向の薄板を使用する利点を例証するため、0.014インチの厚さを有する等級M6の薄板(AISIの指定のとおり)などの冷間圧延粒子配向の鋼は、10,000ガウスの印加磁界にさらされたとき、50,000という典型的な透磁率を有することができる。対照的に、等方性の薄板鋼(例えば、厚さ0.0185インチの「M19」薄板)は、同様の条件のもとで約3700という典型的な透磁率を有することができる。既に述べたように、透磁率が直流(「DC」)透磁率に関する点に注意すべきである。界磁極部材を、本発明の種々の実施形態によって、ケイ素鉄合金、鋼合金、鉄合金、ニッケル鉄合金、コバルトニッケル合金、磁性粉末合金、軟磁性複合材など、多数の様々な透磁性の材料から製作することができる。軟磁性複合材料は、「SMC材料」としてもよく知られているが、電気的に絶縁されており、透磁性でもある粒子を圧密して構成されている。したがって、SMC材料は、比較的高い周波数において伝統的なSiFeの薄板材料と比べたとき、比較的少ない渦電流損失を呈する。SMC材料の他の大きな利点は、適切に設計された圧密用の金型およびダイを使用することによって三次元に形成できる点にある。
[0111]図9A〜9Pは、本発明の種々の実施形態による回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。図2Bに示した磁石は円錐形であるが、用語「円錐」は、シャフトに同軸に取り付けられたときに、少なくとも1つの面が(延長されたときに)回転軸に交差するように、シャフトに対して或る角度にある1つ以上の表面(または、その一部)を形成する1つ以上の形状を含むべく、広く解釈されるように意図されている。したがって、用語「円錐形の磁石」は、少なくとも表面の一部分が、回転軸と同軸な円錐形であり、あるいは回転軸上の点に向かって先細りになっている任意の構成の磁石を含むことを意味している。例えば、円錐形の磁石の少なくとも1種類は、1つ以上の表面を有し、これらの表面のそれぞれにおける磁石の断面が、概ね(あるいは、平均で)、磁石の軸方向の長さに沿って次第に増加または減少している。少なくとも特定の一実施形態においては、円錐形の磁石の表面の一部位を記述するための該当の寸法が、線に対して空間を向くことができる輪郭付けられた表面積などの界面である。図9E、9K、および9Lが、円柱形の磁石を示しており、直面する表面(すなわち、磁極面に直面するように構成された表面)が円柱形以外の部分を含んでいない点に、注意すべきである。すなわち、このような種類の形状は、一般的には、円錐形の磁石であると考えられる定義の範囲に含まれないと考えられる。
[0112]図9Aが、円錐形の磁石の一例として完全な円錐形の磁石を示す一方で、図9Bは、直円錐の頂上を切断する(例えば、切断によって直円錐形の磁石に、下底または外側表面と平行な上底が形成される)ことによって生み出される錐台であって、「直円錐台」と説明される断頭円錐形の磁石である円錐形の磁石を示している。図9Aに示した角度以外の円錐の角度が、本発明の技術的範囲に含まれることに、注意すべきである。図9Cは、円錐形の磁石が、回路内の磁束を最適化するため、円柱形の部位を大径端に(あるいは、いくつかの場合には、図9Jに示されているように小径端に)追加して含むことができる旨を示している。図9Dは、「階段状」または段階的な形態である円錐形の磁石を示している。図9Fおよび9Gは、本発明の実施形態による磁石を実現するために適した代替の形状の例を示しており、円錐形の磁石が半球形の磁石であってもよい。図9Hおよび9Iは、それぞれ種々の実施形態の円錐形の磁石が、任意の種類の凹面および/または任意の種類の凸面を有することができる旨を示している概略図である。
[0113]図9Jは、本発明の一実施形態による例示的な円錐形の磁石を示している。ここで、円錐形の磁石940が、空洞952が形成された外側表面950を含む。空洞952は任意であり、ベアリングなどを収容するために使用することができる。いくつかの実施形態においては、空洞952が、表面954、956、および958の1つ以上の内側を延びている。空洞952の内径が、軸方向の長さに沿って変化してもよいことに、注意すべきである。円錐形の磁石940は、第1の円柱表面954、円錐表面956、および第2の円柱表面958という3つの表面を含む。種々の実施形態においては、円錐形の磁石940が、より少数またはより多数の表面、より大きい直径またはより小さい直径の円柱表面、より深い傾きの角度またはより浅い傾きの角度の円錐表面956などを含むことができる。
[0114]図9Kおよび9Lは、本発明の一実施形態による例示的な円柱形の磁石の端面図および側面図をそれぞれ示している。円柱形の磁石961は、2つの円柱形の磁石960および962で構成されている。この例では、円柱形の磁石962が、円柱形の磁石960の内側に配置(例えば、挿入)されている。一実施形態においては、円柱形の磁石962が、NdFeの磁性材料(または、その変種)で構成され、円柱形の磁石960が、セラミック磁性材料で構成される。いくつかの実施形態においては、円柱形の磁石962が存在せず、円柱形の磁石960(取り付け具は図示されていない)で構成されるリング状の磁石が形成されている。少なくとも特定の一実施形態においては、円柱形の磁石962を、磁石材料ではなく透磁性の材料で構成することができる。一実施形態においては、円柱形の磁石962が、必ずしも円柱形の磁石960を貫いて延びている必要はなく、一端から円柱形の磁石960の内部の任意の軸方向の長さまで延在することができる。図9Mおよび9Nは、本発明の一実施形態による典型的な円錐形の磁石の端面図および側面図をそれぞれ示している。円錐形の磁石971は、2つの円錐形の磁石970および972で構成されている。この例では、円錐形の磁石972が、円錐形の磁石970の内側に配置(例えば、挿入)されている。一実施形態においては、円錐形の磁石970が、NdFeの磁性材料(または、その変種)で構成され、円錐形の磁石972が、セラミック磁性材料で構成される。いくつかの実施形態においては、円錐形の磁石972を、磁石材料の代わりに透磁性の材料で構成することができる。いくつかの実施形態においては、円錐形の磁石972が存在せず、円錐形の磁石970(取り付け具は図示されていない)で構成される中空円錐形の磁石が形成されている。一実施形態においては、円錐形の磁石972が、必ずしも円錐形の磁石970を貫いて延びている必要はなく、一端から円錐形の磁石970の内部の任意の軸方向の長さまで延在することができる。
[0115]図9Oおよび9Pは、本発明のさらに他の実施形態によるさらに別の円錐形の磁石を示している。図9Oは、断頭されているが円錐形の磁石として、任意の数の断頭三角形表面978で形成されるピラミッド状の磁石を示している。図9Pは、少なくとも一実施形態の円錐形の磁石980を示しており、円錐形の磁石980が、内部または表面に磁性領域992が形成されている断頭ピラミッド形の磁石990を含む。磁性領域992は、断頭ピラミッド形の磁石990とは異なる磁石材料を含む。これらの磁性領域992のそれぞれを、任意の所定の極性を有するように選択することができる。一実施形態においては、断頭ピラミッド形の磁石990が、4つの側面を有し、セラミック材料(例えば、磁石材料)で構成され、磁性領域992のそれぞれ(そのうちの2つは、図では隠れている)が、断頭ピラミッド形の磁石990の表面に形成されたNdFe磁石材料で構成されている。他の実施形態においては、ピラミッド形の磁石990が、任意の数の側面を有することができる。種々の実施形態において、ピラミッド形の磁石990は、磁石支持部であって磁石材料で構成される必要はなく、むしろ透磁性の材料で構成することができる。いくつかの実施形態においては、磁石支持部990を、任意の数の磁性領域992を磁石支持部990に配置しつつ、図9A〜9Iに示したような任意の形状を有するものとして形成することができる。その場合、磁性領域992は、磁石支持部990の特定の形状へと配置されるために適した任意の形状であってもよい。例えば、図9Oおよび9Pは、円錐形の磁石を描いているが、図9Oの磁石が実際は円柱形であってもよい(すなわち、円柱形の磁石表面を構成する多数の平面978を備えており、端面図が六角形または他の何らかの多角形状に現れる)。他の例として、図9Pの磁石が、ピラミッド状の形状ではなく、円柱形の磁石支持部990を含むことができる。同様に、図9E、9K、および9Lを除き、上述した円錐形の磁石は、本発明の円錐形の磁石の単なる例に過ぎない。
[0116]本発明の特定の実施形態においては、円錐形の磁石が、異方性であって、反対向きに磁化され、回転軸に対して約30度の円錐角を有する断頭円錐として形作られている。いくつかの実施形態によれば、円錐形および円柱形の磁石が、概ね軸に対して実質的に直交する平面内に位置する方向において、反対向きに磁化される。このような形式の磁石の構成の少なくとも1つの利点は、このような反対向きの円錐形の磁石を、磁石材料の元の帯磁と同じ方向に磁化することができ、これが磁石についてより大きなエネルギー積(すなわち、より強力な磁石)をもたらす点にある。さらに、異方性の磁石は、製造が比較的容易であり、磁石の単位体積当たりの磁気効率が比較的高い。反対向きの(すなわち、2極の)磁石の他の利点は、3つのアクティブ界磁極部材および3相を有するモータにおいて、モータの機械的な回転のそれぞれについて、電気的な回転がわずか1回である点にある。したがって、反対向きの磁石は、全体的または部分的に、渦電流損失、ヒステリシス(「コア」または「鉄」)損失、およびモータ駆動回路における電気的な切り替えの損失を少なくする。いくつかの実施形態において、円錐形の磁石は、(1)中実な磁石材料である代わりに、鋼心を含むことができ、(2)良好な保磁力を呈するリング状の磁石から構成でき、(3)弧状セグメントの磁石から構成でき、(4)シャフトへと直接成型でき、(5)半径方向に分極させることができ、(6)中実な磁石材料である代わりに、中空のコアを備えることができ、あるいは他の任意の同様な特徴を備えることができる。
[0117]図10は、本発明の一実施形態による多極の磁石を示している。この例では、永久磁石1000が、S極(「S」)からN極(「N」)へとアーチ形の磁路1010を有するように磁気的に配向させた4極の磁石である。他の磁極数および帯磁方向も、本発明の技術的範囲および技術的思想に含まれる。さらには、いくつかの実施形態によれば、永久磁石1000などのような多極の磁石が、一枚岩の磁石であっても、非一枚岩の磁石であってもよい。本明細書において使用されるとき、用語「一枚岩」は、永久磁石に関しては、その永久磁石が非分離であって実質的に一様な構造であるよう、一体化された磁極で構成されていることを示唆している。すなわち、一枚岩の永久磁石は、磁極間の物理的な界面を有していない。したがって、一枚岩の磁石は、連続的な磁石材料で構成されている。対照的に、永久磁石1000は、それぞれが外向きのN極およびS極に貢献する別個した磁石で構成された非一枚岩の磁石であってもよく、別個の部分構成要素間に物理的な界面が存在する。このように、非一枚岩の磁石は、接触しているが連続的ではない磁石材料で構成することができる。詳しくは、別個の部分構成要素のそれぞれが、連続的な磁石材料を含むが、物理的な界面が、全体としての磁石を構成している磁石材料に不連続をもたらしている。用語「一枚岩」を、界磁極部材および本発明の種々の回転子−固定子構造の他の構成要素にも適用可能であることに、注意すべきである。少なくとも一実施形態においては、非一枚岩の磁石が、別個の部分構成要素が互いに接することがないように互いから離れて配置されている磁石を含んでもよいことに、注意すべきである。
[0118]図11Aは、本発明の代替の実施形態としての回転子−固定子構造1100の側面図を示している。一般的には、3つのアクティブ界磁極部材が、モータまたは発電機の内側において典型的に利用できる円柱形の体積または空間を効率的に利用している。すなわち、「3つ」のアクティブ界磁極部材が、一般的には、比較的高い詰め込み密度をもたらすために使用されている。しかしながら、よりバランスのとれた動作をもたらすために、4つ以上のアクティブ界磁極部材を使用することが可能である。図示のように、6つのアクティブ界磁極部材1102が同軸に配置され、回転軸を中心として等間隔に位置している。また、4極の磁石1104が、アクティブ界磁極部材1102の磁極面に隣接して位置している。この例では、4極の磁石1104は、個々の磁石弧状セグメントの複合体である。回転子−固定子構造1100は、対向するアクティブ界磁極部材1102のコイルを一般的には同時に励起させることができるため、3つのアクティブ界磁極部材を備える回転子−固定子構造に比べ、磁気的により良好なバランスをもたらすことができる。他の数のアクティブ界磁極部材および他の偶数の磁極を、本発明の回転子−固定子構造を実現するために適切に組み合わせることが可能である。
[0119]図11Bおよび11Cは、本発明の種々の実施形態に従い、界磁極部材および/または磁極の数における変種の部分集合を示している。図11Bは、本発明の一実施形態による6つの界磁極部材1106と2極の磁石1107とを有する回転子−固定子構造1105の側面図を示している。図11Cは、本発明の他の実施形態による12個の界磁極部材1109と4極の磁石1110とを含む回転子−固定子構造1108の側面図を示している。同様に、回転子−固定子構造1100、1105、および1108は、本発明の種々の実施形態による多数ある界磁極部材−磁極の組み合わせのうちのいくつかを示しているに過ぎない。
[0120]本発明の少なくとも特定の一実施形態においては、例示的な回転子−固定子構造が電動モータに配置され、以下の少なくとも1つ以上に依存したトルク振幅を生成する。それらは、磁石の体積、磁束相互作用領域において相互作用する磁界のベクトルの方向、磁束相互作用領域における磁束密度、エアギャップの面積、および磁極面の面積である。したがって、永久磁石によって生成される磁束密度が大であり、かつアクティブ界磁極部材によって生成される磁束密度が大であるほど、生成されるトルクも大きくなる(界磁極部材において有意な飽和に達するまでは)。このような回転子−固定子構造の磁石材料は、意図される用途において部分的または完全な消磁を生じることがないよう、充分な保磁力を有していなければならない。
[0121]図12A〜12Dは、本発明による他の回転子−固定子構造を説明している。図12Aは、少なくとも2つの円柱形の永久磁石1202aおよび1202bがシャフト1204に装着されている、または取り付けられている回転子アセンブリ1200を示している。図示のとおり、円柱形の磁石1202aおよび1202bは、直径の方向に磁化され、それらのN極(「N」)を実質的に反対方向に向けて配置されている。図12Bは、2つの磁極面1224を含む界磁極部材1220の2つの図を示している。この例において、磁極面1224が、円柱形の永久磁石1202aおよび1202bの円柱形の表面の輪郭を倣うように輪郭付けられ、あるいは形作られており、円柱形の表面の一部分または全体にわたって比較的一様なエアギャップ厚さをもたらしている点に注意すべきである。種々の実施形態において、界磁極部材1220を薄板(図示されていない)で構成でき、他の実施形態に関して説明した機能および/または構造を持たせることができる。図12Cは、本発明の特定の実施形態による例示的な回転子−固定子構造の分解図である。この例では、回転子−固定子構造1250が、電動モータの実現において、少なくとも界磁極部材を通過する磁束の経路の長さを最小限にすることによって、単位寸法当たり(または、単位重量当たり)の生成トルクを大きくするように構成されている。界磁極部材1206が、実質的に真っ直ぐな磁束経路セグメントを内部に提供しているため、磁束の直線逸脱を最小化することができる。典型的には、これらの経路セグメントは、回転軸に概ね平行である。さらに、回転子−固定子構造1250は、直線的または実質的に直線的な界磁極部材1206を実現し、これらの界磁極部材のリラクタンスを最小にすることができる。リラクタンスが最小化されるため、磁気損失も最小化される。図12Cに示した例においては、回転子−固定子構造1250が、回転子アセンブリ1200、3つのアクティブ界磁極部材1252(それぞれが、界磁極部材1206およびコイルを備えている)、端部プレート1254および1256、ならびにベアリング1258を含む。円柱形の磁石1202aおよび1202bの円柱形の表面1260(磁石表面とも称される)が、磁極面1224(図12B)に直面するように使用されている点に、注意すべきである。このような磁石表面を、磁極面1224へと入る磁束または磁極面1224を出る磁束がこれらの表面を通過するため、界面的であると説明することができる。磁石表面は、全体的または部分的(すなわち、その円柱形の部分が)に、円柱形の表面1260と磁極面1224との間のエアギャップを定めている。少なくとも一実施形態においては、磁極面1224が、円柱形の磁石1202aおよび1202b(図12C)と界磁極部材1206a、1206b、および1206cとの間の磁束の相互作用を増加させて、出力トルクを予測可能な様相で増加させるために、エアギャップのそれぞれについて一様な厚さを維持するように輪郭付けられている。界磁極部材1206a、1206b、および1206cが薄板で構成されている場合には、磁極面1224が、エアギャップのそれぞれについて実質的に一様な厚さを維持するように輪郭付けられている。
[0122]図12Dは、界磁極部材1220(図12B)の断面側面図を示しており、界磁極部材1220の真っ直ぐな磁束経路セグメント(通過する磁束が、永久磁石によって生成された磁束からのものであっても、あるいはアンペアターン(「AT」)によって生成された磁束からのものであっても)を示す直線1284が描かれている。本発明の種々の実施形態においては、磁束が通過する経路が、全体的または部分的に、界磁極部材1220の形状の関数である。直線1284が、界磁極部材1220の磁極面1224の間の真っ直ぐな磁束経路を表している点に、注目すべきである。
[0123]図13Aおよび13Bは、本発明の少なくとも一実施形態によるさらに他の回転子−固定子構造を示している。図13Aは、この例においてはシャフト1304へと取り付けられた円柱形の磁石1302であるが、単一の磁石を含む回転子アセンブリ1300を示している。図示のとおり、図13Bは、本発明の特定の実施形態による例示的な回転子−固定子構造の分解図である。この例では、回転子−固定子構造1350が、回転子アセンブリ1300、3つのアクティブ界磁極部材1352(すなわち、1352a、1352b、および1352c)、端部プレート1354および1356、ならびにベアリング1358を含む。一実施形態においては、プレート1354が非磁性の端部プレートであり、端部プレート1356が、アクティブ界磁極部材1352の間で磁束を伝達するための透磁性の端部プレートである。いくつかの実施形態においては、端部プレート1356が非磁性の端部プレートであり、回転子−固定子構造1350が、円柱形の磁石1302を通過する磁気回路を完成させるために、透磁性である磁束運搬部材(図示されていない)を含む。磁束運搬部材が、アクティブ界磁極部材1352の磁極面のない他端同士を磁気的に結合させる。アクティブ界磁極部材1352の一部として実現された界磁極部材は、いくつかの点で、図12Bの界磁極部材1220、ならびに図12Cの界磁極部材1206a、1206b、および1206cのいずれか1つに類似している。しかしながら、この例においては、アクティブ界磁極部材1352の界磁極部材のそれぞれが、相互作用の相手となる永久磁石が1つしか存在しないため、磁極面を1つしか含んでいない。単一の磁極面の一例が、磁極面1324である。代替の実施形態においては、円柱形の磁石1302を他の形状の磁石で置き換えて、他の構成の回転子−固定子構造1350を実現することができる。さらに、回転子−固定子構造1350が、本明細書に記載の種々の実施形態の他の特徴を追加で備えてもよい。
[0124]図13Cおよび13Dは、本発明の少なくとも一実施形態によるさらにまた別の回転子−固定子構造を示している。図13Cは、それぞれ円錐形の磁石を1つだけ含む回転子アセンブリ1360および1364を示している。詳しくは、回転子アセンブリ1360には、円錐形の磁石1362がシャフト1363へと、円錐形の磁石1362の円錐形の表面の少なくとも一部分が第1の軸方向(「AD1」)を向くように取り付けられている。対照的に、回転子アセンブリ1364には、円錐形の磁石1366がシャフト1365へと、円錐形の磁石1366の円錐形の表面の少なくとも一部分が第2の軸方向(「AD2」)を向くように取り付けられており、第2の軸方向が第1の軸方向と反対である。少なくとも一実施形態においては、第1の軸方向が、透磁性の端部プレート1356(図13B)などのような磁束運搬部材(図示されていない)の方を向いている。回転子アセンブリ1364が生成する磁束の経路は、回転子アセンブリ1360によって生成される磁束の経路に比べ、比較的長さが長くかつあまり直線的でないが、このような相違は、特定の用途(例えば、モータの性能が重要な要件ではない場合)においては無視することが可能である。円錐形の磁石1362および1366がそれぞれのシャフト1363および1365へと取り付けられている相対位置が、考えられる位置のいくつかの例に過ぎないことに、注意すべきである。すなわち、円錐形の磁石1362および1366のそれぞれを、シャフト1363およびシャフト1365の中央を含むシャフト上の任意の位置に配置できる。図13Dは、本発明の特定の実施形態による例示的な回転子−固定子構造の分解図である。図示のとおり、回転子−固定子構造1370は、回転子アセンブリ1360(図13C)、ならびに3つのアクティブ界磁極部材1372(すなわち、1372a、1372b、および1372c)を含み、3つのアクティブ界磁極部材1372のそれぞれは、図13Bの同様の名前のアクティブ界磁極部材と同様の機能を有する。しかしながら、図13Dの3つのアクティブ界磁極部材1372は、それぞれが磁極面を1つだけ含む界磁極部材を含み、それにより3つのアクティブ界磁極部材1372の単一の磁極面のそれぞれが、回転子アセンブリ1360の円錐形の磁石表面に直面するように輪郭付けられている。さらに、回転子−固定子構造1370は、端部プレート1354および1356ならびにベアリング1358を含む。また、回転子−固定子構造1370は、本明細書に記載の種々の実施形態の他の特徴を追加で含むことができる。
[0125]図14および15は、本発明の種々の実施形態による3つ以上の円錐形の磁石の例示的な実施例を示している。図14は、両方の組の円錐形の磁石が互いに面して配置されている旨を示している。第1の組は、円錐形の磁石1402を含み、第2の組は、円錐形の磁石1406を含み、両方の組が、シャフト1404に取り付けられている。一実施形態においては、直径の異なる円錐形の磁石の組と協働する2組の界磁極部材を、複合モータ1400を形成すべく使用することができる。詳しくは、複合モータ1400が、内側モータ1450および外側モータ1452など、2つ以上のモータを並列に一体化することによって形成されている。この例では、内側モータ1450が、円錐形の磁石1402およびアクティブ界磁極部材1412を含み、円錐形の磁石1402の直径が、円錐形の磁石1406の直径よりも小さい。外側モータ1452は、内側モータ1450ならびに円錐形の磁石1406およびアクティブ界磁極部材1410を含む。一実施形態においては、円錐形の磁石1402および1406が、互いから離れるように向いており、反対の軸方向を向いている。代替の実施形態においては、円柱形などのような他の形状の磁石で、円錐形の磁石1402および1406を置き換えることができる。
[0126]図15は、任意の数の円錐形の磁石1502および1503をシャフト1504へと配置できる旨を示している。詳しくは、第1の組の円錐形の磁石1502が、それらの円錐面を或る1つの軸方向に向けて有し、第2の組の円錐形の磁石1503が、それぞれの円錐面を別の軸方向(円錐形の磁石1502が面する方向と180度異なる方向である)に向けて配置されている。本発明の種々の実施形態によれば、任意の数(例えば、任意の偶数または奇数)の円錐形の磁石を、1つ以上のアクティブ界磁極部材をこれらの円錐形の磁石と相互作用するように構成しつつ、多数の向きまたは方向でシャフト上に配置できる。一実施形態においては、アクティブ界磁極部材1504が、互いに直列である任意の数のモータを形成するため、円錐形の磁石1502および1503の組とともに含まれている。例えば、直列モータ1500が、同じシャフト1580を共有する3つのモータを備えている。それぞれのモータが、1つの円錐形の磁石1502、1つの円錐形の磁石1503、および任意の数のアクティブ界磁極部材1504を備えている。直列モータ1500は、大きなトルクが比較的小さな直径において望まれ、軸方向の長さがほとんど重要ではない下げ孔ドリルおよびポンプにおいて使用するためによく適している。代替の実施形態においては、円柱形などのような他の形状の磁石で、円錐形の磁石1502および1503を置き換えることが可能である。
[0127]図16は、界磁極部材について斜めの配向を有する本発明の一実施形態による回転子−固定子構造の代替の実施例を示している。回転子−固定子構造1600が、回転軸1609の周囲に同軸に配置されて、磁石1602aおよび1602b(両方ともシャフト1622へと組み付けられている)と磁気的に結合するように構成された複数の界磁極部材1630を含んでいる。一例では、磁石1602aおよび1602bが、互いに向かって面する円錐形の表面を有することができる。少なくとも一実施形態においては、界磁極部材1630のそれぞれの向きが、軸1609に対して「斜め」にされており、したがってそれぞれの界磁極部材1630を通過する正中線1640が、軸1609を通過する平面1611に対して或る斜めの角度1650にある。界磁極部材1630を回転軸1609から斜めの角度1650に向けることによって、ディテントを少なくすることができる。特定の一実施形態においては、界磁極部材1630のそれぞれの磁極面を、磁石1602aおよび1602bの表面に直面するように輪郭付けることができる。1つ以上の界磁極部材1630が、アクティブ界磁極部材でなくてもよいことに、注意すべきである。
[0128]図17Aは、本発明の一実施形態による他の回転子−固定子構造を説明する断面図である。図5Aの断面図X−Xと同様である図17Aの断面図において、回転子−固定子構造1700が、界磁極部材1702ならびに円錐形の磁石1720aおよび1720bを含んでいる。界磁極部材1702は、第1の磁極片1707aおよび第2の磁極片1707bを有する。第1の磁極片1707aが、磁石1720aの表面の少なくとも一部分(例えば、直面している部分)に隣接して配置され、したがって磁極面1705aを、磁石1720aの表面の少なくとも一部分と協働して第1の磁束相互作用領域を形成するために使用することができる。同様に、第2の磁極片1707bが、磁石1720bの磁石表面の少なくとも一部分に隣接して配置され、したがって磁極面1705bを、磁石1720bの表面の少なくとも一部分と協働して第2の磁束相互作用領域を形成するために使用することができる。両方の磁束相互作用領域は、一様な厚さまたは実質的に一様な厚さを有するエアギャップを含む。さらに界磁極部材1702は、周囲に1つ以上の巻線を巻き付けることができる界磁極部材中央部1706を有する。図17Aは、界磁極部材1702の特定の領域または部位を、磁極片1707aおよび1707b、移行領域1709aおよび1709b、磁極面1705aおよび1705b、ならびに界磁極部材中央部1706として区別しているが、これらがすべて単なる例示であって、これらに限られるものとして理解すべきではないことに、注意すべきである。したがって、本発明の他の実施形態は、界磁極部材1702において、上述した以外の他の大きさ、長さ、割合、寸法、形状などの領域および部位を含むことができる。
[0129]さらに、第1の磁極片1707aおよび第2の磁極片1707bが、第1の磁極片1707aおよび第2の磁極片1707b(ならびに、磁極面1705aおよび1705b)を界磁極部材中央部1706からずらすために、それぞれ移行領域1709aおよび移行領域1709bを含む。移行領域1709aおよび1709bのそれぞれは、磁極面1705aおよび1705bの間の磁束の経路について、リラクタンスを少なくするように構成されている。例えば、移行領域1709aおよび1709bは、移行領域が界磁極部材中央部1706または第1の磁極片1707aおよび第2の磁極片1707bに対して直角(すなわち、90度)であることを必要とする伝統的な界磁極と比べ、界磁極部材中央部1706ならびに第1の磁極片1707aまたは第2の磁極片1707bを通過する磁束の経路についてリラクタンスの減少をもたらす。一般に、磁束の経路が界磁極部材または任意の同様の「低リラクタンス部材」の内部で鋭く転向(90度または90度付近の角度など)するほど、その磁束の経路のリラクタンスが大きくなる。これが、結果として磁気損失の増加につながる。
[0130]磁束の経路が直線でないことに関係する磁気損失を少なくするため、例示的な界磁極部材1702は、移行用磁束経路セグメントをもたらすために、移行領域1709aおよび1709bなどのような移行領域を実現する。移行用磁束経路セグメント1710が、磁極面1705aおよび1705bなど、磁極面の間を延びる磁束経路の長さに関係するリラクタンスの低減を促進する。図17Aに示されているように、移行の磁束経路(「S2」)1710が、界磁極部材中央部1706に関する磁束経路セグメント(「S1」)1708から移行の磁束経路(「S2」)1710へと鋭角1704(補角にあたる鈍角1750で説明することもできる)をもたらしている。図示のとおり、磁束経路セグメント(「S1」)1708は、移行の磁束経路(「S2」)1710(上記セグメント1708の方向から鋭角1704だけ偏向している)として示されている方向と概ね同じ方向にある。当業者にとって明らかであるとおり、このような偏向を、鈍角1750に関して説明することも可能であることに、注意すべきである。特定の実施形態においては、鋭角1704が約0〜約60度の間(0度および60度の両方を含む)であってもよい。さらに、「非直線」の磁束の経路を、60度〜90度の間の角度1704で連続する2つのセグメント1708および1710を有する経路として説明することが可能である。特定の実施形態においては、非直線の磁束経路が、後続の磁束経路セグメントが先行の磁束経路セグメントから約90度の角度で偏向していて、後続および先行の磁束経路セグメントの両方が連続している経路を含むことができる。すなわち、セグメント1708がセグメント1710に先行(SからNへの磁束の経路)し、セグメント1710がセグメント1708に後続する。いくつかの実施形態においては、用語「実質的に直線」が、直線状の磁束経路をもたらしている界磁極部材(例えば、界磁相互作用領域の間の直線からずれない経路など)、ならびに1つ以上の後続の磁束経路セグメントのそれぞれが先行の磁束経路セグメントから60度以下の角度にあるような磁束経路をもたらしている界磁極部材を指すことができる。
[0131]少なくとも特定の一実施形態において、用語「磁束経路セグメント」は、界磁極部材1702の一領域または一部位の一端から(一端の付近から)他端まで(他端の付近まで)延びている線セグメントを指し、磁束経路セグメントが、おおよその磁束の経路および/または磁極(例えば、磁極面)間を延びる内部磁束線の一部位を代表している。例えば、磁束経路セグメント(「S1」)1708は、ほぼ界磁極部材中央部1706の長さを延びており、移行の磁束経路(「S2」)1710は、ほぼ移行領域1709aの長さを延びている。
[0132]図17Bは、本発明の特定の実施形態による界磁極部材の斜視図を示している。図示のとおり、界磁極部材1702(図17A)が、円錐形の磁石1720aおよび1720bの円錐形の表面に直面するように輪郭付けられた磁極面1705aおよび1705bを含む。他の実施形態においては、磁極面1705aおよび1705bが輪郭付けられていなくてもよい点に、注意すべきである。例えば、図17Aの磁極面1705aおよび1705bがそれぞれ、図17Aが描かれている紙面に直交する概ね平坦な平面内に位置してもよい。
[0133]図18Aおよび18Bは、本発明の実施形態によるエアギャップを示している。図18Aは、円錐形の磁石1860と対応する磁極面(エアギャップ1866を隠してしまうことがないよう図示されていない)とによって形作られるエアギャップ1866を示している。この例では、法線ベクトル1862および1864のそれぞれが、磁極面の表面部分から出発して、円錐形の磁石1860の表面部分1899の対応する点を終点としている。例えば、法線ベクトル1862cは、点1863など、磁極面の一部位から出発し、点1865など、円錐形の磁石1860の表面の部位1899の或る点まで延びている。いくつかの実施形態においては、法線ベクトル1862および1864がそれぞれ、同じ長さを有する。
[0134]しかしながら、いくつかの実施形態においては、法線ベクトル1864の長さが、法線ベクトル1862の長さと相違してもよい。すなわち、弧状の断面1867が、第1の軸方向の位置に第1の一様なエアギャップ断面を定める一方で、弧状の断面1802が、軸(図示されていない)の長さに沿った第2の軸方向の位置に第2の一様なエアギャップ断面を定めている。法線ベクトル1864が、例えば表面部分1899に直交する同じ平面内に位置する一方で、法線ベクトル1862は、同様に表面部分1899に直交する同じ平面内に位置する。しかしながら、両方の平面は別個であり、弧状の断面1802および1867など、エアギャップ1866の別個の断面を生成している。
[0135]いくつかの実施形態においては、エアギャップ1866を横切って隣の界磁極(図示されていない)へと導かれる磁束をよりよく制御するために、例えば円錐形の磁石1860の小径端において狭いエアギャップを生成し、円錐形の磁石1860の大径端において広いエアギャップを生成するように、エアギャップの厚さを変化させることが有利であると考えられる。例えば、法線ベクトル1862の長さが、法線ベクトル1864よりも長くてもよい。結果として、これは、弧状の断面1802においてより広いエアギャップを生み、弧状の断面1867においてより狭いエアギャップを生む。他の例において、円錐形の磁石1860の負荷曲線が、磁石の長さ(「L_magnet」)に対するエアギャップの長さ(「L_gap」)の比を、L_gap/L_magnetとして定めると考える。この比を制御するため、あるいはこの比が変化しないようにするため、エアギャップ1866を、磁石の長さL_magnetが比較的短い円錐形の磁石1860の小径端において狭くすることができ、磁石の長さL_magnetが比較的長い円錐形の磁石1860の大径端においてより広くすることができる。磁石の長さ(「L_magnet」)は、磁束が一方の磁石表面から他方の磁石表面へと横断する円錐形の磁石1860の直径を説明している。
[0136]湾曲した表面を始点および/または終点とする法線ベクトルが、一般的には磁石1860の表面に直交する平面において互いに平行ではない点に、注意すべきである。例えば、或る曲率が組み合わせられている磁極面の表面からどちらも出発している法線ベクトル1862aおよび法線ベクトル1862bは、互いに平行でない。エアギャップ1866は、弧状の断面1867を有する外側境界および弧状の断面1869を有する内側境界を含んでいる。エアギャップ1866が1つだけ示されているが、他の同様なエアギャップを他の磁極面の表面によって形成できることに、注意すべきである。それらのエアギャップは、分かり易くするために省略されている。また、法線ベクトル1862および1864が、必ずしもエアギャップ1866内の磁束線を表しているわけではなく、法線ベクトル1862および1864の目的が、エアギャップの物理的な構造を説明することにあることに、注意すべきである。
[0137]図18Bは、円柱形の磁石1870と対応する磁極面(エアギャップを隠してしまうことがないよう図示されていない)とによって形作られるエアギャップ1876aおよび1876bを示している。この例では、法線ベクトル1872および1874のそれぞれが、磁極面(図示されていない)の表面部分の或る点から出発して、円柱形の磁石1870の表面部分1890の対応する点を終点としている。一般に、法線ベクトル1872および法線ベクトル1874は、それぞれ第1の平面(図示されていない)内および第2の平面(図示されていない)内に位置しており、両平面は、軸に実質的に直交している。したがって、法線ベクトル1872および法線ベクトル1874が、第1の実質的に一様な断面および第2の実質的に一様な断面を定めている。第1の実質的に一様な断面および第2の実質的に一様な断面が、弧状の断面を形成しており、法線ベクトル1872および1874の長さに応じて、同じ大きさであっても、異なる大きさであってもよい。例えば、法線ベクトル1874のそれぞれが同じ長さであるとき、それらは弧状の断面1898(例えば、点A、B、C、およびDによって定められる外周を有する)を形成する。或る場合においては、弧状の断面1890が、軸を中心とする半径方向に一様性をもたらしている。他の場合においては、法線ベクトル1872および1874の長さが同じであるとき、これらから形成される弧状の断面が、軸方向に一様性をもたらし、全体的または部分的に一様なエアギャップ厚さをもたらす。エアギャップを説明するために、法線ベクトルが磁石表面(図示されていない)から出発してもよいことに注意すべきである。少なくとも一実施形態においては、磁極面の表面の表面積を、界磁極部材(図示されていない)の間の周方向の距離「W」の関数として寸法付けることができる。図18Bは、表面積1878を、斜行平行線が付されたエアギャップ1876bの外側境界として示している。表面積1878は、すべて同様に寸法付けることができる他のエアギャップの他の表面積の代表である。図18Bの距離「W」は、円柱形の磁石1870と界磁極部材との間に最大の磁気結合を、磁極面の表面積1878を最大にしつつ、距離「W」を増すことによってエアギャップ1876aおよび1876bに関係する上記界磁極部材間の漏れを最小限にすることによって、もたらすように選択される。「W」の最適値は、磁界の漏れを最小にしつつ、出力トルクの向上をもたらす。
[0138]図19は、本発明のさらに別の実施形態によるさらに他の一般的な界磁極部材の構成を説明する断面図である。図5Aの断面図X−Xと同様である界磁極部材1902の断面図において、界磁極部材1902が、図17Aの界磁極部材1702と同様の領域または部位を含んで図示されている。この例では、界磁極部材1902が、第1の磁極片1907a、第2の磁極片1907b、第1の磁極面1905a、第2の磁極面1905b、および界磁極部材中央部1906を有し、これらのすべては、上述したものと同等の機能を有する。他の実施形態においては、界磁極部材1902の各領域および各部位が、上述とは別の大きさ、長さ、形状、割合、寸法、断面積などであってもよいことに、注意すべきである。
[0139]図19に示されているように、移行領域1909aが、界磁極部材中央部1906に関係する第1の磁束経路セグメント(磁束経路セグメント(「S1」)1908など)との間に鋭角1952をもたらすとともに、第1の磁極片1907aに関係する第2の磁束経路セグメント(磁束経路セグメント(「S3」)1912など)との間に別の鋭角1950をもたらすため、移行の磁束経路(「S2」)1910を含む。いくつかの例では、移行の磁束経路(「S2」)1910の磁束経路セグメント1908および1912からの偏向の角度を、鋭角1952の補角である鈍角1953によって定義することも可能である。いくつかの例では、磁束経路セグメント(「S1」)1908および磁束経路セグメント(「S3」)1912が、シャフト1960によって定められる回転軸からそれぞれ距離1918および1916に位置しており、両セグメント1908および1912が、シャフト1960に実質的に平行である。図19においては、磁束経路セグメント(「S1」)1908および移行の磁束経路(「S2」)1910が、それぞれほぼ界磁極部材中央部1906および移行領域1909aの長さに延びている一方で、磁束経路セグメント(「S3」)1912は、第1の磁極片1907a(または、その一部分)の長さへと延びている。移行領域1909aが、磁束を磁束経路セグメント1908(回転軸1960から距離1918にある)から磁束経路セグメント1912(軸1960から距離1916にある)へと緩やかに移行させるよう、移行の磁束経路部分をもたらしている点を考慮する。あるいは、移行領域1909aが、90度の曲げを伴うことなく軸1960からの半径方向の距離1901だけ磁束を緩やかに移行させるため、移行の磁束経路部分をもたらしている点を考慮する。
[0140]図20は、一実施形態による界磁極部材1902の磁極面1905aへと延びる磁束の一部分の一例として、磁束線2002を示している。磁束線2002は、磁束経路セグメント(「S1」)1908、移行の磁束経路(「S2」)1910、および磁束経路セグメント(「S3」)1912を含む磁束の経路に、ほぼ付帯するように示されている。
[0141]一般的に、回転子−固定子構造200(図2B)などを実現している電動モータのモータ定数(Km)は、界磁極部材のコア(すなわち、巻線領域)の長さを変化させることによって、モータの長さおよび場合によっては重量を除く他のモータの特徴を大きく変化させることなく設定可能である。例えば、外径を一定に保ちつつ巻線長さを2倍にすることによって、巻線の体積を2倍にすることができ、モータにおいて巻き付けることができる巻き数を2倍にすることができる。モータの性能は、アンペアターンによって全面的または部分的に設定されるため、巻きの数が2倍である場合、同じ性能を達成したままで電流を約半分に切り詰めることができる。したがって、同じワイヤサイズの巻きの数を2倍にすることで、巻線抵抗を約2の係数で増やすことができる。モータにおいて失われる電力は、巻線抵抗に電流の2乗を乗算することによって割り出すことができるため、係数2での電流の低減および2倍の抵抗は、巻線における電力損失を半分にすることにつながる。
[0142]本発明の少なくとも一実施形態の回転子−固定子構造を使用することによって電気エネルギーを機械的なトルクに変換する例示的な方法は、以下のように説明される。第1の要素磁束が、2つの永久磁石の偶数の磁極によって生成され、これらの磁石が、それ自体の内部において第1の要素磁束を実質的に半径方向に導き、磁石の磁極表面へと導く。永久磁石は、軸方向に離間しているが、共通の軸に沿って接続されており、磁極がこの軸を含む平面に実質的に整列している。2つの永久磁石の磁極は、軸に沿って眺めたとき磁化の方向が実質的に反対であり、これによって磁気回路を完成させている。第1の要素磁束が、経路が上記軸に実質的に平行である複数の低リラクタンスの経路要素を通過して実質的に軸方向に案内され、このようにして磁気回路の磁束密度が高められている。低リラクタンスの経路要素の少なくとも1つが、第2の磁束を生成するための要素(低リラクタンスの経路要素を囲む電流運搬手段で構成されている)によって実質的に囲まれている。動作時、この第2の磁束要素の電流を、低リラクタンス経路要素の軸方向の端部の磁束の相互作用の領域(固定子表面など)に磁気ポテンシャルを生むように、選択的に切り替えることができる。動作時、この切り替え可能な磁気ポテンシャルが、第1の要素磁束の供給元からの磁束を補助または妨害して、軸に直交する平面において永久磁石にトルクを生み出す。生み出されるトルクの大きさは、第1の要素磁束および第2の要素磁束の方向の間の角度の関数である。いくつかの実施形態においては、低リラクタンス経路要素の軸方向の端部の磁束の相互作用の領域が、上記軸に対して或る角度にあるエアギャップ表面を形成している。代替の実施形態においては、低リラクタンス経路要素の軸方向の端部の磁束の相互作用の領域が、上記軸に平行なエアギャップ表面を形成している。特定の実施形態においては、相対可逆透磁率によって測定された永久磁石の保磁力が、例えばCGS単位において1.3未満である。
[0143]回転子−固定子構造および電動モータを、それらの機能をコンピュータ装置を用いて模擬およびモデル化できるように設計できるため、本発明の少なくとも一実施形態は、電気エネルギーの機械的なトルクへの変換(または、機械的なトルクからの電気エネルギーの生成)のモデル化など、コンピュータで実現される種々の作業を実行するためのコンピュータコードを有するコンピュータで読み取り可能な媒体に関する。特に、本発明の制御の考え方を、プロセッサに組み合わせられるソフトウェアに実装できる。媒体およびコンピュータコードは、本発明の目的にあわせて特別に設計および構成されたものであってもよく、あるいはコンピュータソフトウェアの技術分野の当業者にとって周知かつ利用可能な種類のものであってもよい。コンピュータで読み取り可能な媒体の例としては、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブル論理デバイス(「PLD」)、ならびにROMおよびRAMデバイスなど、プログラムコードを保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が挙げられる。コンピュータコードの例としては、コンパイラによって生成されるような機械語、およびコンピュータによってインタープリタを使用して実行される高級言語を含むファイルが挙げられる。例えば、本発明の実施形態を、Java、C++、または他のオブジェクト指向のプログラミング言語および開発ツールを使用して実現できる。本発明の他の実施形態は、機械で実行できるソフトウェアインストラクションに代え、あるいはそのようなソフトウェアインストラクションと組み合わせて、ハードウェア回路にて実現可能である。さらに、本発明の他の実施形態は、本発明の回転子−固定子構造を使用するモータであって、当業者であれば理解できるとおりに周知の駆動技法によって電気的に駆動されるモータを含む。
[0144]本明細書に記載した回転子−固定子構造を製作および使用する上で、これ以上の説明は当業者にとって不要であるが、好ましさの順に並べられた以下の文献を調査することによって、何らかの有用な案内を見つけることができるであろう。“IEEE 100:The Authoritative Dictionary of IEEE Standard Terms”、Institute of Electrical and Electronics Engineers(Kim Breitfelder and Don Messina、eds.、7th ed. 2000);“General Motor Terminology」、the Small Motor and Motion Association(「SMMA」”による;および“Standard Specifications for Permanent Magnet Materials:Magnetic Materials Producers Association(“MMPA”) Standard No. 0100−00”、International Magnetics Association。
[0145]以上の説明は、あくまで解説の目的で、本発明の完全な理解をもたらすために特定の用語を使用した。しかしながら、そのような特定の詳細が、本発明を実行するために必須ではないことを、当業者であれば理解できるであろう。実際、本明細書を、本発明の特徴または態様をいずれかの実施形態に限定するものとして解釈してはならず、むしろ一実施形態の任意の1つの特徴または態様を、他の何れかの実施形態における他の特徴または態様と、容易に入れ替えることが可能である。上述の実施形態の説明はモータに関係しているが、それらの検討は、発電機などあらゆる電気機械に適用可能である。すなわち、本発明の特定の実施形態についての上述の説明は、例示および説明を目的として提示されたものである。それらは、すべてを説明し尽くそうとするものでも、本発明を開示された形態自体のみに限定しようとするものでもなく、上述した教示に照らして多数の変更および変種が可能であることは明白である。上述した実施形態は、本発明の原理および実際の用途を最もよく解説するために選択および説明されており、当業者が本発明および種々の実施形態を、想定される特定の用途に適する種々の変更を伴いつつ最もうまく利用できるようにしている。当然ながら、本発明のそれぞれの実施形態が、本明細書に記載のすべての利点を実現している必要はなく、特定の実施形態が、上述した利点のうちの1つ以上を提供していればよい。特許請求の範囲およびそれらの均等物が、本発明の技術的範囲を定めるものである。
伝統的な電動モータにおいて実現されて広く使用されている固定子および回転子の構造を例示している。 本発明の一実施形態による円柱形の磁石を備えている例示的な回転子−固定子構造の分解図である。 本発明の一実施形態による磁石の構造が円錐形である例示的な回転子−固定子構造の分解図である。 本発明の一実施形態による図2Bの回転子−固定子構造の端面図を示しており、エアギャップを介して円錐形の磁石の直面する磁石表面と相互作用するように構成されている磁極面の向きを説明するために、磁石は省略されている。 本発明の一実施形態による図2Bの回転子−固定子構造の他の端面図を示しており、磁極面に隣接して位置する円錐形の磁石が示されている。 本発明の少なくとも一実施形態による例示的な磁束の経路を説明する断面図である。 本発明の少なくとも一実施形態による例示的な磁束の経路を説明する断面図である。 本発明の一実施形態によるアンペアターン磁束を生成している固定子部材の磁極面を出る第2の磁束の経路の一例を示している。 本発明の一実施形態による最初に図5Cのアンペアターン磁束を生成したアクティブ界磁極部材の磁極面へと戻る第2の磁束の経路の一例を示している。 本発明の実施形態による他の回転子−固定子構造の例示的な磁束の経路を説明する断面図である。 本発明の実施形態による他の回転子−固定子構造の例示的な磁束の経路を説明する断面図である。 本発明の他の実施形態による他の例示的な回転子−固定子構造の端面図を示している。 本発明の他の実施形態による他の例示的な回転子−固定子構造の端面図を示している。 本発明の一実施形態による図6Aおよび6Bの回転子−固定子構造の部分断面図を示している。 本発明の種々の実施形態による界磁極部材の実現の例を示している。 本発明の種々の実施形態による界磁極部材の実現の例を示している。 本発明の種々の実施形態による界磁極部材の実現の例を示している。 本発明の種々の実施形態による界磁極部材の実現の例を示している。 本発明の種々の実施形態による界磁極部材の実現の例を示している。 本発明の特定の実施形態による斜めの磁極面を有する他の例示的な界磁極部材を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の種々の実施形態による例示的な回転子−固定子構造において実現できる他の形状の永久磁石の例を示している。 本発明の実施形態による多極の磁石を示している。 本発明の種々の実施形態による他の例示的な回転子−固定子構造を示している。 本発明の種々の実施形態による他の例示的な回転子−固定子構造を示している。 本発明の種々の実施形態による他の例示的な回転子−固定子構造を示している。 本発明の種々の実施形態による円柱形の磁石を備えている他の回転子−固定子構造を示している。 本発明の種々の実施形態による円柱形の磁石を備えている他の回転子−固定子構造を示している。 本発明の種々の実施形態による円柱形の磁石を備えている他の回転子−固定子構造を示している。 本発明の種々の実施形態による円柱形の磁石を備えている他の回転子−固定子構造を示している。 本発明の種々の実施形態による磁石を1つだけ備えている他の回転子−固定子構造の一例を示している。 本発明の種々の実施形態による磁石を1つだけ備えている他の回転子−固定子構造の一例を示している。 本発明の種々の実施形態による磁石を1つだけ備えている他の回転子−固定子構造の一例を示している。 本発明の種々の実施形態による磁石を1つだけ備えている他の回転子−固定子構造の一例を示している。 本発明の種々の実施形態による3つ以上の磁石の実装の例を示している。 本発明の種々の実施形態による3つ以上の磁石の実装の例を示している。 本発明の一実施形態による界磁極部材が斜めの方向を有する回転子−固定子構造の代替の実施例を示している。 本発明の特定の実施形態による界磁極部材の例を示している。 本発明の特定の実施形態による界磁極部材の例を示している。 本発明の少なくとも一実施形態による種々の度合いの一様性を有するエアギャップを示している。 本発明の実施形態によるエアギャップの設定可能性を説明している。 本発明のさらに別の実施形態によるさらに別の界磁極部材の全体構成を説明する断面図である。 本発明の一実施形態による界磁極部材の磁極面の間の磁束の例を代表するための例示的な磁束線を示している。

Claims (17)

  1. 電気機械のための回転子−固定子構造であって、
    面が回転軸上に軸方向に配置されている円柱形の磁石であって、当該磁石のうち少なくとも2つが、これらの少なくとも2つの磁石の分極の方向が実質的に反対の方向であるように配置されている、円柱形の磁石と、
    前記軸に同軸に配置され、端部に磁束相互作用表面が形成されており、前記磁束相互作用表面に直面している前記円面の一部分に隣接している界磁極部材であって、前記磁束相互作用表面と前記円面の前記一部分とがエアギャップを定めており、前記磁束相互作用表面によって前記円柱形の磁石と磁気的に結合するように構成されている界磁極部材と、
    を備え、
    前記磁束相互作用表面が、前記エアギャップのそれぞれについて実質的に一様な断面を維持するように輪郭付けられており
    前記分極の方向が、前記回転軸に実質的に直交する1つ以上の平面内に位置しており、
    前記界磁極部材の少なくとも1つが、前記回転軸に沿って延びる実質的に直線状の界磁極部材である、
    回転子−固定子構造。
  2. 前記分極の方向が、前記回転軸に対して実質的に直交する1つ以上の平面内に位置しており、前記円柱形の磁石および前記界磁極部材が、磁束の経路を生成するために充分である、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  3. 前記円柱形の磁石が取り付けられるシャフトをさらに備え、
    前記シャフトが、前記回転軸を定め、前記円柱形の磁石のそれぞれを貫いて延びている、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  4. 前記実質的に一様な断面が、前記軸に実質的に直交する平面内の弧状の断面である、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  5. 前記実質的に一様な断面が、前記円柱形の磁石と前記界磁極部材との間の磁束の相互作用の領域を定める前記エアギャップのそれぞれについて実質的に一様な厚さをもたらすように構成されている、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  6. 前記実質的に一様な断面が、前記エアギャップのそれぞれについて実質的に一様な厚さをもたらしている、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  7. 前記回転軸に沿って延びる前記実質的に直線状の界磁極部材が、前記回転軸に沿って延びる実質的に直線状の磁束の経路をもたらす、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  8. 前記界磁極部材の少なくとも1つが、前記界磁極部材の前記端部の間において磁束経路の一部分が前記軸に対して直角になることがないように保証するため、1つ以上の移行領域を備える、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  9. 前記磁束相互作用表面のそれぞれが、隣接する界磁極部材の間の界磁極ギャップを斜めにしてディテントトルクを最小にするため、斜めの磁束相互作用表面をさらに備える、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  10. 前記界磁極部材のそれぞれが、薄板をさらに備え、軸方向に延びる正中面が、前記薄板の枚数をほぼ半分に分けており、前記正中面の片側において、薄板の少なくとも1つの寸法が、前記薄板が前記正中面から遠くに位置するにつれて概ね減少し、
    前記薄板が、透磁性の材料で構成された基板から、前記透磁性の材料の無駄を少なくする構成にて形成されている、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  11. 前記界磁極部材のそれぞれが、前記回転子−固定子構造の体積寸法を小さくするために、前記回転軸を中心とする円の一部分と同一延長である外周表面を有する界磁極部材中央部をさらに備える、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  12. 前記界磁極部材の少なくとも1つの周囲に巻き付けられて、少なくとも1つのアクティブ界磁極部材を形成するコイルをさらに備える、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  13. 前記分極の方向が、第1の分極の方向および第2の分極の方向を含み、もって、
    前記円柱形の磁石のうちの1つの円柱形の磁石が、前記第1の分極の方向を有するように向けられ、
    前記円柱形の磁石のうちの他の円柱形の磁石が、前記第2の分極の方向を有するように向けられ、
    前記第1の分極の方向が、前記第2の分極の方向から所定の分極角度にあり、前記所定の分極角度が、約150度〜180度の任意の角度にある、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  14. 前記第1の円柱形の磁石と、
    前記第2の円柱形の磁石と、
    前記界磁極部材と、
    2つ以上のエアギャップと、
    から基本的になる磁束の経路を生成するように構成されており、
    前記第1の円柱形の磁石および前記第2の円柱形の磁石のそれぞれが、一枚岩の磁石である、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  15. 前記界磁極部材の1つ以上が、
    それぞれの界磁極部材の一端から他端まで連続的である透磁性の材料と、
    アンペアターン(「AT」)磁束を生成するための要素を受け入れるように構成された
    少なくとも一部分と、
    をさらに備え、
    前記界磁極部材の前記1つ以上の個数が、前記円柱形の磁石の磁極の数と同じでない、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  16. 前記界磁極部材が、ケイ素−鉄合金、ニッケル−鉄合金、コバルト−ニッケル合金、磁性粉末合金、および軟磁性複合材のうちの1つ以上を含み、
    前記円柱形の磁石が、ネオジム鉄(「NdFe」)、1つ以上の希土類磁石材料、および1つ以上のセラミック材料のうちの1つ以上を含む永久磁石である、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
  17. 前記界磁極材料のそれぞれが、細長い形状を有し、前記回転軸から斜めの角度に向けられている、請求項1に記載の回転子−固定子構造。
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