JP4897205B2 - 非水系インクジェットインク - Google Patents

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本発明は、顔料の分散安定性に優れるとともに、インクの保存安定性及び吐出安定性に優れる非水系インクジェットインクに関する。
インクジェット記録方式は、オンデマンド(随意噴射)タイプとコンティニアス(連続噴射)タイプに大別され、いずれも流動性の高いインクジェットインクを微細なノズルからインク粒子として噴射し、上記ノズルに対向して置かれた被印刷体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印刷が可能であることから、近年急速に普及している。
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクジェットインクとしては、水系インクと非水系インクとに大別される。水系インクは、酸性染料、直接染料、塩基性染料等の水溶性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものがよく用いられるが、この種のインクを用いたインクジェット記録物は、一般に耐水性に劣るという問題がある。
これに対して、非水系インクは耐水性に優れるものであり、揮発性溶媒を主体とする溶剤系インクと不揮発性溶媒を主体とするオイル系インクに大別される。特に、オイル系インクは、インクノズルにおける目詰まりが生じにくく、当該インクノズルのクリーニング回数が少なくて済むといった理由から、高速インクジェットプリンタ用インクとして適しており、従来より多くの提案がなされている。
例えば、特開昭50−84311号公報は、油溶性染料を液状脂肪酸に溶解し、これを高沸点芳香族炭化水素系溶剤に溶解又は分散させることで、インクジェットヘッドノズルの詰まりを低減させたインクジェットインクを提案している(特許文献1参照)。このインクは、液状脂肪酸が不揮発性であるとともに、油溶性染料の溶解性が良好であるため、液状脂肪酸がヘッドノズルにおいて蒸発せず、油溶性染料を析出させないことから、ヘッドノズル詰まりを低減するものである。このインクは、色材として油溶性染料を用いる場合に有効であるが、耐光性の良好な顔料を用いる場合には応用できないものである。
また、特開2003−261808号公報は、保存安定性の良好な非水系インクジェットインク組成物として、極性有機溶剤をインク全量に対して60重量%以上含有させ、更にこの極性有機溶剤の10重量%以上を脂肪酸エステル系溶剤とすることで、インクの安定性を図る点が提案されている。
特開昭50−84311号公報 特開2003−261808号公報
しかしながら、上記提案に係る非水系インクジェットインクは、確かにインクの保存安定性、即ち経時による粘度及び粒度の変化が少ないという点では良好であったが、インク中に澱状の異物が発生し、インクの吐出性が悪化する場合があった。インクの吐出安定性を維持するためには、経時による物性変化を抑えるとともに、この澱状の異物の発生を抑えることが必要である。
そこで、本発明は、上記従来技術の有する問題を解決して、経時によるインクの物性変化がなくインクの保存安定性に優れ、異物の発生を抑えて吐出安定性に優れた非水系インクジェットインクを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的の下に鋭意検討を重ねた結果、上記澱状の異物は、脂肪酸塩であり、インク中に使用されるアルコール系溶剤、エステル系溶剤及び顔料分散剤に微量ながら存在する遊離脂肪酸や、不飽和脂肪酸が酸化分解される過程で生成される低級飽和脂肪酸が、顔料やインク容器のプラスチック中に存在する金属イオンと反応し、脂肪酸塩が形成され、この脂肪酸塩の溶剤に対する溶解性が低い場合、インク中で上記澱状の異物となって生成することを見出した。そのため、インク中の極性溶剤に不飽和高級脂肪酸およびこれと炭素鎖の構造が同一の極性溶剤を含有させ、前者を特定の配合で併用することで、澱状の異物の発生が抑制できるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、顔料、顔料分散剤および溶剤を少なくとも含んでなる非水系インクジェットインクであって、前記溶剤は、極性溶剤を溶剤全量に対して少なくとも40重量%含み、前記極性溶剤は、不飽和高級脂肪酸およびこれと炭素鎖の構造が同一である極性溶剤を含有し、前記不飽和高級脂肪酸の含有量は、インク全量に対して8重量%未満であり、且つ前記不飽和高級脂肪酸の含有量の当該不飽和高級脂肪酸と炭素鎖の構造が同一である極性溶剤の含有量に対する比は2.5未満であることを特徴とする非水系インクジェットインクが提供される。
本発明によれば、極性溶剤を溶剤の全量に対して40重量%以上含有させ、当該極性溶剤として特定量の不飽和高級脂肪酸およびこれと炭素鎖の構造が同一である極性溶剤を含有することで、インク中の保存安定性を確保しつつ、不飽和高級脂肪酸が顔料等に含まれる金属イオンと優先的に反応し、該金属イオンを捕捉することができる。また、上記不飽和高級脂肪酸の含有量の当該不飽和高級脂肪酸と炭素鎖の構造が同一である極性溶剤の含有量に対する比を2.5未満とすることとしたので、上記金属イオンを捕捉して形成された不飽和高級脂肪酸塩をこれと炭素鎖の構造が同一である極性溶剤中に溶解させることができ、その結果、上記不飽和高級脂肪酸塩が澱状の異物として析出することがない。
本発明の非水系インクジェットインクは、顔料、顔料分散剤及び溶剤を少なくとも含有し、このうち溶剤に特徴を有するものである。
上記溶剤は、インクの保存安定性の観点から、その全量の少なくとも40重量%、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上が極性溶剤で構成される。この極性溶剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、グリコールエーテル等が挙げられ、通常、常温で液体のものが用いられ、さらに、常温で不揮発性のものが好ましい。本発明において、溶剤は、少なくとも不飽和高級脂肪酸及びこれと炭素鎖の構造が同一である極性溶剤を含有することが必須とされる。ここで、上記「高級」とは、いずれの溶剤についても1分子中の炭素数が9以上、好ましくは12〜18のものをいう。
不飽和高級脂肪酸の具体例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられ、これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用できる。この不飽和高級脂肪酸の含有量は、インク全量に対して8重量%未満、好ましくは0.1〜7.5重量%、さらに好ましくは1〜5重量%とされる。高級脂肪酸は、顔料等に含まれる金属イオンを優先的に捕捉するように作用するので、その含有量は上記範囲内で多い方が好ましいが、インク中に8重量%以上含有させた場合、インクの酸価が高くなり、保存安定性が悪くなるとともに、インクと接触するプラスチック等の部材を腐食することがある。
上記不飽和高級脂肪酸と炭素鎖の構造が同一である極性溶剤とは、上記不飽和高級脂肪酸以外の極性溶剤であって、当該不飽和高級脂肪酸のカルボン酸基を還元、エステル化などの処理をすることにより誘導し得る化合物を意味し、具体的には、不飽和高級脂肪酸エステルおよび不飽和高級アルコール等が挙げられる。溶剤中に上記いずれかの不飽和高級脂肪酸を単独で用いる場合、これと炭素鎖の構造が同一である不飽和高級脂肪酸エステルまたは不飽和高級アルコールのいずれか一つを使用してもよいし、これらを組み合わせて使用してもよい。不飽和高級脂肪酸を2種類以上組み合わせて用いる場合には、いずれか一つの不飽和高級脂肪酸と炭素鎖の構造が同一である不飽和高級脂肪酸エステルまたは不飽和高級アルコールのいずれか1つを使用してもよいし、これらを組み合わせて使用してもよく、また、他の不飽和高級脂肪酸と炭素鎖の構造が同一である不飽和高級脂肪酸エステルもしくは不飽和高級アルコールまたはこれらの組み合わせと併用してもよい。
不飽和高級脂肪酸エステルの具体例としては、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル等が挙げられる。また、大豆油メチル、大豆油イソブチル、パーム油メチル等の混合脂肪酸エステルを使用してもよい。これらの不飽和高級脂肪酸エステルは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、不飽和高級アルコールの具体例としては、オレイルアルコール、リノレニルアルコール等の不飽和脂肪族高級アルコールが挙げられる。これらの不飽和高級アルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記不飽和高級脂肪酸の含有量の当該不飽和高級脂肪酸と炭素鎖の構造が同一である極性溶剤の含有量に対する比は、2.5未満、好ましくは0.03〜0.85とされる。この比が2.5以上の場合、顔料等に含まれる金属イオンと不飽和高級脂肪酸との反応により形成された脂肪酸塩が完全に溶解されず、澱状の異物となってインク中に残留することになる。
飽和高級アルコールの具体例としては、イソステアリルアルコール、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール等が挙げられる。また、グリコールエーテルの具体例としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において、溶剤は、上記極性溶剤以外に非極性溶剤を含有してもよい。この非極性溶剤としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の炭化水素溶剤を使用でき、具体的には、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、新日本石油社製「AFソルベント」(商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。
尚、上記不飽和高級アルコールまたは飽和高級アルコールを使用する場合、これらの合計含有量は、極性溶剤全量に対して50重量%以上とするのが特に好ましい。この含有量を50重量%未満とした場合、以下のような場合に印刷物に不具合が発生することがある。すなわち、他の印刷用材料のなかには、着色剤の定着性を高めるために、結着樹脂が使用されているものがあり、この樹脂と溶解性のよい溶剤とを接触させた場合、当該樹脂が膨潤し、着色剤の定着性が損なわれてしまい、印刷物に不具合が生じる。例えば、電子写真方式に用いられるトナーには、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が結着樹脂として用いられている。このトナーにスチレン−アクリル樹脂が含まれる場合、脂肪酸エステルと接触させることにより当該樹脂が膨潤する。その結果、トナーで画像形成された印刷物と、極性溶剤を含むインクを用いて画像形成された印刷物とを重ね合わせて保存するような場合、上記膨潤した樹脂によって印刷物同士が付着したり、画像が乱れたりすることがある。その点、高級アルコールの場合、このような不具合が生じないので、高級アルコールの含有量を上記範囲以上とすることが好ましい。
本発明で使用される顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて使用してもよい。このうち、本発明は、金属元素を含有する顔料を用いる場合に好適である。
顔料は、インク全量に対して0.01〜20重量%の範囲で含有されることが好ましい。
本発明で使用される顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用される。
これらの顔料分散剤は、使用される顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、なかでも高分子分散剤を使用するのが好ましい。具体的には、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、22000、24000、28000」(いずれも商品名)、Efka CHEMICALS社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46,47,48,49,4010,4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名)、花王社製「デモールP、EP、ポイズ520、521、530、ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)」(いずれも商品名)、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)、第一工業製薬社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名)等が挙げられる。
上記顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分にインク中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。
尚、本発明の非水系インクジェットインクには、インクの保存安定性や酸化安定性に影響を与えない限り、上記の溶剤、顔料分散剤及び顔料に加えて、例えば、染料、界面活性剤、防腐剤等を添加できる。
本発明の非水系インクジェットインクは、例えばビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させた後、例えばメンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。具体的には、予め溶剤の一部と顔料及び顔料分散剤の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
このようにして得られる本発明の非水系インクジェットインクの23℃における粘度は、インクジェットヘッドノズルからの吐出に適した5〜30cPsの範囲に設定することが好ましい。また、保存環境によってインクが凍結しないように、インクの凝固点は−20℃以下とするのが好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
使用したインク原料
(1)顔料
カーミン6B(アゾ系顔料)
(2)顔料分散剤
ソルスパース28000(商品名、日本ルーブリゾール社製)
(3)不飽和高級脂肪酸
オレイン酸(和光純薬社製)
リノール酸(和光純薬社製)
(4)不飽和高級脂肪酸エステル
オレイン酸エチル(商品名EOO、日光ケミカル社製)
リノール酸エチル(商品名VFE、日光ケミカル社製)
大豆油メチル(SE−0120−1、ニッカ合成社製、オレイン酸メチル20〜35%含有物)
(5)不飽和高級アルコール
オレイルアルコール(和光純薬工業社製)
(6)飽和高級アルコール
イソステアリルアルコール(商品名FOC180、日産化学工業社製)
(7)非極性溶剤
AF6(商品名、新日本石油社製)
実施例1
金属元素含有量の高いアゾ系顔料としてカーミン6Bを用い、このカーミン6B5重量%と、ソルスパース28000(商品名)3重量%、オレイン酸エチル10重量%、AF6(商品名)10重量部とをプレミックスし、ビーズミルにて約20分間分散させ、顔料分散液を調製した。この顔料分散液に、表1記載の配合となるように残りの溶剤を攪拌しながら添加し、メンブレンフィルターでろ過して非水系インクジェットインクを調整した。
実施例2〜5及び比較例1〜5
表1に示す配合比で各成分を実施例1と同様の方法により混合、分散させた後、メンブレンフィルターで処理して実施例2〜5および比較例1〜6のインクを調製した。
上記実施例及び比較例でそれぞれ得られた非水系インクジェットインクについて、以下の方法によりインクの保存安定性及び吐出安定性の評価を行った。これらの評価結果を表1に示した。
(1)インクの保存安定性
上記各インクの調製直後の粘度を初期粘度として測定した後、各インクを密閉容器にそれぞれ入れて70℃環境下で4週間放置し、放置後の各インクの粘度を測定した。粘度測定には、Haake社レオメータRS75を使用した。これらの測定結果より、次式に基づいて粘度変化率(%)を求めた。この粘度変化率について以下の基準で評価した。
○・・・粘度変化率3%未満
×・・・粘度変化率3%以上
Figure 0004897205
(2)澱状異物発生
調製直後の各インクを70℃環境下に2週間放置した後、各インクをそれぞれ#2000の金属メッシュでろ過し、上記金属メッシュ上に異物が残留するか否かを顕微鏡を用いて観察した。
○・・・異物がほとんど認められない
×・・・異物が多く存在する
(3)インクの吐出安定性
各インクを60℃環境下に1週間放置した後、インクジェットプリンター「ORPHIS HC5000」(理想科学工業社製)のピエゾ圧電方式のライン式インクジェットヘッド内に導入し、1時間連続して各インクを吐出させてから停止する操作を10回行った。このインクの吐出試験の結果を以下の基準で評価した。
○・・・不吐出がほとんどない
×・・・不吐出が多い
Figure 0004897205
表1の結果から、本発明に属する実施例1〜7の場合、極性溶剤を溶剤全量に対して少なくとも40重量%含み、当該極性溶剤は、不飽和高級脂肪酸およびこれと同一の炭素鎖の構造を有する極性溶剤を含有し、前記不飽和高級脂肪酸の含有量は、インク全量に対して8重量%未満であり、且つ前記不飽和高級脂肪酸の含有量の当該不飽和高級脂肪酸と炭素鎖の構造が同一である極性溶剤の含有量に対する比は2.5未満であるので、インクの保存安定性に優れ、異物の発生がほとんどなく、吐出安定性も良好であることが確認された。
これに対し、比較例1の場合、不飽和高級脂肪酸を含有しないため、インク中の異物発生量が多く、インクの吐出安定性にも劣る。比較例2の場合、不飽和高級脂肪酸のインク全量に対する含有量が多いため、インクの保存安定性及び吐出安定性のいずれも劣る。比較例3の場合、極性溶剤の含有量が溶剤全量の40重量%未満であるため、インクの保存安定性に劣る。比較例4の場合、不飽和高級脂肪酸の含有量の当該不飽和高級脂肪酸と炭素鎖の構造が同一である不飽和高級脂肪酸エステルの含有量に対する比が2.5を越えるため、インクの保存安定性及び吐出安定性のいずれも劣り、インク中の異物発生量も多い。比較例5の場合、極性溶剤中の不飽和高級脂肪酸エステルおよび不飽和高級脂肪酸の炭素鎖の構造が異なるため、異物の発生が多く、インクの吐出安定性にも劣る。
本発明の非水系インクジェットインクは、インクの保存安定性に優れるとともに、金属元素含有量の高い顔料成分を使用した場合やインクをインクノズルやプラスチック製の容器中に長期間保存した場合にもインク中に澱状の異物の発生が少なく、インクの吐出安定性にも優れるので、特に高速インクジェット用インクとして適する。

Claims (3)

  1. 顔料、顔料分散剤および溶剤を少なくとも含んでなる非水系インクジェットインクであって、前記溶剤は、極性溶剤を溶剤全量に対して少なくとも40重量%含み、前記極性溶剤は、炭素数9〜18の不飽和高級脂肪酸および当該不飽和高級脂肪酸のカルボン酸基を還元またはエステル化することにより誘導される化合物を含有し、前記炭素数9〜18の不飽和高級脂肪酸の含有量は、インク全量に対して8重量%未満であり、且つ前記炭素数9〜18の不飽和高級脂肪酸の含有量の前記不飽和高級脂肪酸のカルボン酸基を還元またはエステル化することにより誘導される化合物の含有量に対する比は2.5未満であることを特徴とする非水系インクジェットインク。
  2. 前記炭素数9〜18の不飽和高級脂肪酸が、炭素数12〜18の不飽和高級脂肪酸から選ばれたものである請求項1に記載の非水系インクジェットインク。
  3. 前記炭素数9〜18の不飽和高級脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸からなる群より選ばれたものである請求項1に記載の非水系インクジェットインク。
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