JP4896468B2 - 粘着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水性エマルジョンから得られる粘着剤に関する。
一般に、粘着剤は溶剤型と無溶剤型の2つに大別でき、現在も溶剤型の粘着剤がその主流を占めている。代表的なものとしては有機溶剤型のアクリル系とゴム系の粘着剤があり、広範囲の用途に使用されている。
このような有機溶剤型の粘着剤は一般的に火気に対する危険性がある上、人体や環境への悪影響から、近年、有機溶剤の使用を規制する動きが強まっている。このような状況下に、未水添のスチレン系ブロック共重合体の水性ラテックスとポリブチレン類の水性ラテックスを必須成分とする粘着剤、スチレン系ブロック共重合体と界面活性剤からなるエマルジョンと粘着付与剤エマルジョンが混合調合されている水分散型コンタクト粘着剤などが提案されている(特許文献1および2参照)。しかし、これらの粘着剤は、熱水や酸、アルカリに侵食される問題があった。
特開昭51−76334号公報 特開昭59−36175号公報
しかして、本発明の目的は、従来の水性エマルジョンから得られる粘着剤が抱える耐食性の課題を改善し、かつタック、接着力、クリープ性などの粘着性能をバランス良く兼ね備えた粘着剤を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体(I)、保護コロイド(II)、粘着付与樹脂(III)および水を含んでなり、保護コロイド(II)が、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩であり、水添ブロック共重合体(I)100質量部に対する保護コロイド(II)および粘着付与樹脂(III)の割合がそれぞれ3〜30質量部および5〜300質量部である水性エマルジョンから得られる粘着剤を提供することによって達成される。
本発明によれば、従来の水性エマルジョンから得られる粘着剤が課題としてきた耐食性を有し、かつ粘着性(タック)に富み、オレフィン樹脂や金属などへの接着力が強く、長期時間のずり剪断に対しても優れたクリープ性を有する粘着剤が提供される。また、本発明の粘着剤は、繁雑なプロセスを要することなく製造することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明における水添ブロック共重合体(I)は、ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBからなるブロック共重合体を水素添加してなるものである。重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合形式は、重合体ブロックAをAで、重合体ブロックBをBで表した時に、例えば(A−B)n[以下、これをA−B型ということがある]、A−(B−A)n[以下、これをA−B−A型ということがある]、B−(A−B)n、(A−B)nX(nは1以上の整数を表し、Xはカップリング剤残基を表す)などで示すことができる。これらは1種または2種以上の混合物であってもよいが、得られる粘着剤の性能バランスの観点から、A−B型とA−B−A型の組み合わせが好ましく、A−BとA−B−Aの組み合わせがより好ましい。A−B型は粘着剤に良好なタックを与え、A−B−A型は粘着剤に良好なクリープ性と接着力を与える。A−B−A型とA−B型の割合(質量比)は、得られる粘着剤の性能バランスの観点から、90/10〜30/70の範囲内であるのが好ましく、80/20〜35/65の範囲内がより好ましい。
重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合物単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどから誘導される構造単位が挙げられる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンから誘導される構造単位が好ましく用いられる。重合体ブロックAは、前記したビニル芳香族化合物単位の1種のみから構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロックAにおけるビニル芳香族化合物単位の含有量としては、重合体ブロックAの全質量に基づいて、90%以上であるのが好ましく、95%以上であるのがより好ましい。また重合体ブロックAは、本発明の効果を損なわない範囲でビニル芳香族化合物以外の共重合可能な単量体から誘導される構造単位を含んでいてもよい。該共重合可能な単量体としては、例えば、イソプレン、ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、それらの結合形態はランダム、テーパードまたはそれらの組合せからなることができる。
上記したA−B型水添ブロック共重合体においては、重合体ブロックAの含有率が5〜50質量%の範囲内であるのが好ましく、10〜40質量%の範囲内がより好ましい。また、A−B型水添ブロック共重合体の重量平均分子量は、5,000〜50,000の範囲内が好ましく、10,000〜40,000の範囲内がより好ましい。
また、上記したA−B−A型水添ブロック共重合体においては、重合体ブロックAの含有率が10〜40質量%の範囲内であるのが好ましく、15〜35質量%の範囲内がより好ましい。また、A−B−A型水添ブロック共重合体の重量平均分子量は、50,000〜1,000,000が好ましく、60,000〜500,000の範囲内がより好ましい。
なお、ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の分子量である。
一方、重合体ブロックBを構成する共役ジエン単位としては、例えば、イソプレン、ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどから誘導される構造単位が挙げられる。重合体ブロックBは、前記した共役ジエン単位の1種のみから構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。これらの中でも、イソプレンおよび/またはブタジエンから誘導される構造単位が好ましく、得られる粘着剤のタックと低温特性(低温でも粘着性能があること)の観点から、イソプレンから誘導される構造単位からなるのがより好ましい。一般的に、イソプレンをアニオン重合する場合、1,4−結合量が90%程度となり、1,2−結合と3,4−結合が10%程度となる。得られる粘着剤の低温特性を損なわないために、1,4−結合量を65%以上にすることが好ましく、そのためのミクロ構造を抑制する手段として、テトラメチレンジアミン、テトラヒドロフランなどのビニル化剤を添加する方法が知られている。
水添ブロック共重合体(I)の水素添加率(以下、これを水添率と称することがある)としては、共役ジエンに基づく不飽和結合量の80%以上が水素添加されているのが好ましく、90%以上がより好ましい。水素添加率が80%未満の場合には、得られる粘着剤の耐候性、耐熱性、耐食性が低下する傾向がある。なお、水添率は、重合体ブロックB中の共役ジエンに基づく不飽和結合の水添前後の含有量をヨウ素価測定、赤外分光光度計、核磁気共鳴などにより測定し、その値から求めることができる。
水添ブロック共重合体(I)は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中および/または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基の1種または2種以上を有していてもよい。また、水添ブロック共重合体(I)として、官能基を有するものと官能基を有しないものを混合して使用することもできる。
水添ブロック共重合体(I)は、公知のアニオン重合法を適用することによって製造することができ、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム化合物を開始剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の不活性有機溶媒中で、ビニル芳香族化合物、共役ジエンを逐次重合させてブロック共重合体を得、これを水素添加することにより製造することができる。この水素添加反応は、例えば、上記で得られたブロック共重合体をシクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒中で、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、珪藻土などの担体に担持させた不均一触媒;コバルト、ニッケルなどの第8〜10族の金属からなる有機金属化合物とトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物または有機リチウム化合物などの組合せからなるチーグラー系の触媒;チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属のビス(シクロペンタジエニル)化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウムなどからなる有機金属化合物の組合せからなるメタロセン触媒などの水添触媒の存在下で、通常、反応温度20〜150℃、水素圧力0.1〜15MPaの条件下で行うことができる。
本発明における水性エマルジョンは、必要に応じて非芳香族系ゴム用軟化剤を含むことができる。非芳香族系ゴム用軟化剤としては、従来から公知のものを使用することができ、例えば、非芳香族系の鉱物油;ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体などの液状または低分子量の合成軟化剤などが挙げられる。一般に鉱物油は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖を含む混合物であって、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以上を占めるものを芳香族(アロマ)系と区別している。本発明で用いられる非芳香族系の鉱物油とは、上記のパラフィン系鉱物油とナフテン系鉱物油を指す。中でも、得られる粘着剤の粘着力とクリープ性の観点から、パラフィン系鉱物油が好ましく、芳香族(アロマ)系成分の含有量が少ないものがより好ましい。非芳香族系ゴム用軟化剤の割合は、特に限定されるものではないが、水添ブロック共重合体(I)100質量部に対して、200質量部以下であるのが好ましく、5〜150質量部の範囲内がより好ましく、10〜100質量部の範囲内がさらに好ましい。
本発明における水性エマルジョンを構成する保護コロイド(II)とは、疎水コロイドを電解質に対して安定化する目的で加えられる親水性高分子(分子内に多数の親水部と疎水部とが混在するもの)を指し、これが疎水コロイド粒子を包んで安定化に寄与する。保護コロイド(II)としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体;(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩;イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体の水溶性塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水溶性塩、マレイン化ポリブタジエンの水溶性塩、ポリアクリル酸の水溶性塩などが挙げられる。これらの中でも、得られる粘着剤の耐食性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩および/またはポリビニルアルコールを用いるのが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩を用いるのがより好ましい。
上記した(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステルが挙げられ、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、モノメチルイタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体は、これらの単量体の他に、スチレンなどがさらに共重合されていてもよい。
(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩としては、アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、メタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、スチレン−アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、スチレン−メタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の水溶性塩が好ましく用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩として水溶化する前の共重合体の重量平均分子量は、3,000〜50,000の範囲内であるのが好ましい。また、該共重合体の酸価は、得られる粘着剤の耐食性と水性エマルジョンの安定性の観点から、50〜300mg−KOH/gであるのが好ましく、70〜250mg−KOH/gがより好ましい。これらの共重合体は、カルボン酸のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などとして水溶化される。
保護コロイド(II)の含有量は、水性エマルジョンの製造と得られる粘着剤の耐食性の観点から、水添ブロック共重合体(I)100質量部(非芳香族系ゴム用軟化剤を含有する場合は、水添ブロック共重合体(I)と非芳香族系ゴム用軟化剤との合計100質量部)に対して3〜30質量部の範囲内であり、3〜25質量部の範囲内が好ましく、3〜15質量部の範囲内がより好ましい。保護コロイド(II)の含有量が3質量部未満の場合には乳化不良となりエマルジョンが得られ難く、30質量部を超えると粘着剤の耐食性が低下する。
また、これら保護コロイド(II)と共に、本発明の効果を損なわない範囲で、一般の陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を併用してもよい。ただし、界面活性剤は入れ過ぎると粘着剤の耐食性を損なうので、必要最小量に留める必要がある。界面活性剤の含有量としては、水添ブロック共重合体(I)100質量部に対して3質量部以下であるのが好ましい。なお、ここでいう界面活性剤とは、1つの親水部と1つの疎水部からなる低分子化合物を指し、多数の分子が疎水コロイドに対して配向して取り囲んで安定化に寄与する。
本発明における水性エマルジョンに用いられる粘着付与樹脂(III)としては、例えば、ロジン、ガムロジン、トール油ロジン、水添ロジングリセリンエステル等のロジン系樹脂;テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等のテルペン系樹脂;イソプレン、ピペリレン、2−メチルブテン−1、2−メチルブテン−2等を主成分として共重合された固体オリゴマーのC系石油樹脂;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン等を主成分として共重合された固体オリゴマーのC系石油樹脂;キシレン樹脂、脂環族系水添石油樹脂などが挙げられる。これらは1種のみを用いても、2種以上を用いてもよい。これらの中でも、C系石油樹脂、脂環族系水添石油樹脂が好ましく、脂環族系水添石油樹脂がより好ましい。
粘着付与樹脂(III)の含有量は、水添ブロック共重合体(I)100質量部に対して5〜300質量部の範囲内であり、15〜200質量部の範囲内が好ましい。粘着付与樹脂(III)の割合が5質量部未満ではタックと接着力が十分ではなく、300質量部を超えるとクリープ性と接着力が低下する。
本発明における水性エマルジョンは、本発明の主旨を損なわない範囲で、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリメチルメタクリレート等の熱可塑性重合体、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、滑剤、架橋剤などを含有することもできる。
本発明における水性エマルジョンは、例えば次のような方法により調整することができる。水添ブロック共重合体(I)、粘着付与樹脂(III)および必要に応じて非芳香族系ゴム用軟化剤をトルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解し、保護コロイド(II)、水および必要に応じて界面活性剤を加え、ホモミキサー等の攪拌機で、室温〜85℃の温度下で撹拌することにより乳化分散体が得られる。この分散液を、必要に応じて高圧ホモジナイザーによりさらに微粒子化することもできる。続いて、得られた分散液の有機溶剤を減圧−加温下に留去することにより、所望の水性エマルジョンを得ることができる。乳化方法としては、上記した方法に限らず、反転乳化法、転相温度乳化法、D相乳化法、ゲル乳化法などの化学的乳化方法を採用することもできる。
また、本発明における水性エマルジョンは、水添ブロック共重合体(I)、保護コロイド(II)および水からなるエマルジョンと、粘着付与樹脂(III)のエマルジョンを混合することによっても製造することができる。これらのエマルジョンは、上記した方法と同様の方法により製造することができる。また、粘着付与樹脂(III)のエマルジョンとして市販のものを用いることもでき、例えば、中京油脂株式会社製の「セロゾール」が挙げられる。
水性エマルジョン中の水添ブロック共重合体(I)の含有率は、得られる粘着剤の厚さや乾燥に要する時間などを考慮して任意に選択することができるが、水性エマルジョンの安定性と取扱い性の観点から、その含有率は2〜60質量%の範囲内とするのが好ましい。
このようにして得られた水性エマルジョンを乾燥し、必要に応じて熱処理することにより、本発明の粘着剤を製造することができる。水性エマルジョンの乾燥方法は特に制限されず、例えば、刷け、スプレー、ロール、バーコーターなどを用いて、PET、セロハン、PP、PVC等からなるフィルム、不織布、織布、紙、ゴム、金属、ガラス板等の基材に塗工して乾燥させる方法を採用することができる。その際、エマルジョンの乾燥固形分によっても異なるが、得られる粘着剤の厚みが10μm〜50μmになるように塗工するのが好ましい。乾燥温度としては、通常、室温〜80℃の範囲内の温度が用いられる。また、上記の熱処理の温度としては、実用上30〜150℃の範囲内の温度が好ましく用いられる。
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
参考例1:A−B−A型水添ブロック共重合体1の製造
攪拌装置付き耐圧容器にスチレン50g、シクロヘキサン3,000gを仕込み、窒素雰囲気下でs−ブチルリチウム0.56gを添加して、60℃で1時間重合を行った。次いで、イソプレン300gを加え1時間重合した。さらにスチレン50gを加えて1時間重合して、ブロック共重合体を得た。続いて、これにニッケル/アルミ系水添触媒を添加し、水素雰囲気下で、80℃で5時間水添反応を行って、A−B−A型水添ブロック共重合体1(スチレン含有量=25%、重量平均分子量=15×10、水添率=98%)を得た。
参考例2:A−B−A型水添ブロック共重合体2の製造
s−ブチルリチウムを0.84gとした以外は参考例1と同様の方法で、A−B−A型水添ブロック共重合体2(スチレン含有量=25%、重量平均分子量=10×10、水添率=98%)を得た。
参考例3:A−B型水添ブロック共重合体1の製造
攪拌装置付き耐圧容器にスチレン100g、シクロヘキサン3,000gを仕込み、窒素雰囲気下でs−ブチルリチウム4.2gを添加して、60℃の温度下で1時間重合を行った。次いで、イソプレン300gを加えて1時間重合を行ない、ブロック共重合体を得た。これを参考例1と同様の水添反応によって、A−B型水添ブロック共重合体1(スチレン含有量=25%、重量平均分子量=2×10、水添率=98%)を得た。
参考例4:A−B型水添ブロック共重合体2の製法
s−ブチルリチウムを2.1gとした以外は参考例3と同様の方法で、A−B型水添ブロック共重合体2(スチレン含有量=25%、重量平均分子量=4.0×10、水添率=98%)を得た。
実施例1〜比較参考例1、比較例1〜2
ホモミキサー付き攪拌槽に、表1に示した内容の保護コロイド(または界面活性剤)18.8g、トルエン280gに溶解したブロック共重合体100g、非芳香族系ゴム用軟化剤50gおよび蒸留水500gを順次加え、10000rpm×10分間の攪拌後、加圧式ホモジナイザーに移してさらに乳化を行った。次に、ロータリーエバポレーターで、減圧−加温(60℃)下にトルエンを留去して、水性エマルジョンを得た。
得られた水溶性エマルジョンを攪拌機付きの容器に入れ、そこに粘着付与樹脂のエマルジョン「セロゾールA−43−C」(商品名、中京油脂株式会社製;石油樹脂)を所定量(水添ブロック共重合体100質量部に対する粘着付与樹脂の割合が100質量部になる量)、徐々に投入して、水性エマルジョンを得た。
得られた水性エマルジョンを厚み100μmのPETフィルム上に、バーコーターを用いて、40μmの厚みに塗工し、30分間風乾した後、100℃×1時間の熱処理を行って粘着剤を得た。得られた粘着剤の耐食性を下記の方法により評価した結果を表1に示す。
また、この粘着剤が塗工されたPETフィルムをカッターで幅1cmに裁断して粘着テープを作製した。得られた粘着テープを用いて、下記の方法により粘着性能を評価したところ、表1に示すとおりであった。






























粘着性能および耐食性の評価方法
a)タック;JIS Z0237に準じて、25℃でのボールタック試験を行った。ボールタックの数字が大きくなる程、強いタックを有する。
b)クリープ性;ステンレス板に25mm×25mmの貼合わせ部を持った粘着テープを貼り、テープ下部に1kgのおもりを吊り下げて60℃の雰囲気下で放置した。おもりが落下した時間を記録し、クリープ性の評価とした。
c)接着力;幅1cmの粘着テープを厚さ1mmのステンレス板とポリエチレン(PE)シートにそれぞれ貼り付け、25℃で30分放置した後、引張り速度30cm/分の条件で180度角の剥離強度を測定した。
d)耐食性;粘着テープを作製したのと同様の方法により、粘着剤が塗工されたガラス板を作製し、蒸留水に室温×3日間浸漬させ(耐水性試験)、状態変化を目視にて観察した。同様に30%硫酸水溶液に室温×3日間浸漬させ(耐酸性試験)、または30%KOH水溶液に室温×3日間浸漬させ(耐アルカリ性試験)、状態変化を目視にて観察した。その結果を、以下の基準によって評価した。
◎:粘着剤層の外観が浸漬前の状態と同じであった場合
○:粘着剤層が部分的に白化を起こした場合
△:粘着剤層全体が白化を起こした場合
×:粘着剤層が溶解した場合
Figure 0004896468
表1の結果から明らかなように、本発明の要件を満足する実施例1〜の粘着剤は、優れた耐食性を有し、タック、接着力、クリープ性などの粘着性能をバランス良く兼ね備えている。これに対して、保護コロイドの代わりに界面活性剤を使用した比較例1の粘着剤は、耐食性が著しく不良になり、水添されていないブロック共重合体を使用した比較例2の粘着剤は、クリープ性および耐食性が不良になる。
本発明の粘着剤は、耐食性に優れ、タック、接着力、クリープ性などの粘着性能をバランス良く兼ね備えていることから、例えば、セロハンテープに代表される透明テープ、OPPテープやクラフトテープ等の包装用粘着テープ、塩ビテープや電気絶縁テープ、両面テープ、ばん創膏、貼り薬、医科用テープ、表面保護テープ、ラベル糊やアルバム糊など幅広い用途に有効に使用することができる。

Claims (4)

  1. ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体(I)、保護コロイド(II)、粘着付与樹脂(III)および水を含んでなり、保護コロイド(II)が、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩であり、水添ブロック共重合体(I)100質量部に対する保護コロイド(II)および粘着付与樹脂(III)の割合がそれぞれ3〜30質量部および5〜300質量部である水性エマルジョンから得られる粘着剤。
  2. 水性エマルジョンが、さらに非芳香族系ゴム用軟化剤を含んでなり、かつ保護コロイド(II)の割合が水添ブロック共重合体(I)と非芳香族系ゴム用軟化剤との合計100質量部に対して3〜30質量部であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤。
  3. (メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩が、アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩及びメタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の水溶性塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着剤。
  4. 水添ブロック共重合体(I)が、重量平均分子量50,000〜1,000,000のA−B−A型ブロック共重合体と、重量平均分子量5,000〜50,000のA−B型ブロック共重合体からなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤。
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