JP4894319B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶分子がホモジニアス配向した液晶層を有する液晶表示素子に関する。
従来、液晶表示素子の視野角特性を改善するため、特許文献1に示されるように、ディスコティック液晶により形成された視野角補償フィルムが用いられている。
特開2004−334010号公報
しかし、上記ディスコティック液晶により形成された視野角補償フィルムを用いた場合、表示面の左右横方向及び上下縦方向の各視野方位においてコントラストが向上し視野角が改善されるものの、一つの色の色相が各視野方位毎に変化する(以下、視野方位毎の色相ズレという)という問題が発生する。すなわち、例えば白表示において、その色度が上下、左右、それぞれの視野方位毎に異なってしまう。
本発明の目的は、視野角が改善されると共に各視野方位毎の色相の変化を抑制した高表示品位の液晶表示素子を提供することである。
本発明の第1の観点による液晶表示素子は、第1の基板と、前記第1の基板に予め定めた間隙を設けて対向配置した第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板と対向する面に形成された少なくとも1つの第1の電極と、前記第2の基板の前記第1の基板と対向する面に形成された少なくとも1つの第2の電極と、前記第1の基板の前記第1の電極が形成された面に形成され、予め定めた第1の方向に配向処理が施された第1の配向膜と、前記第2の基板の前記第2の電極が形成された面に形成され、前記第1の方向に対して平行で、且つ、逆方向に配向処理が施された第2の配向膜と、前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に挟持され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電界が印加されないときに、液晶分子が前記第1の配向膜及び前記第2の配向膜の配向処理に従ってホモジニアス配向で配列する液晶層と、前記第2の基板との間に前記第1の基板が介在するように配置され、前記第1の方向に対して実質的に45°で交差する方向にその透過軸の方向を一致させて配置された第1の偏光板と、前記第1の基板との間に前記第2の基板が介在するように配置され、前記第1の偏光板の透過軸に対してその透過軸を実質的に直交させて配置された第2の偏光板と、前記第1の基板と前記第1の偏光板との間に、その光学軸を第1の方向と平行でかつ同じ向きに配置したディスコティック液晶を有する視野角補償フィルムと、前記視野角補償フィルムと前記第1の偏光板との間に、その遅相軸を前記第1の方向と平行にして配置された第1の二軸性位相板と、前記第2の基板と前記第2の偏光板との間に、その遅相軸を前記第1の方向と直交させて配置された一軸性位相板と、を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の第2の観点による液晶表示素子は、第1の基板と、前記第1の基板に予め定めた間隙を設けて対向配置した第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板と対向する面に形成された少なくとも1つの第1の電極と、前記第2の基板の前記第1の基板と対向する面に形成された少なくとも1つの第2の電極と、前記第1の基板の前記第1の電極が形成された面に形成され、予め定めた第1の方向に配向処理が施された第1の配向膜と、前記第2の基板の前記第2の電極が形成された面に形成され、前記第1の方向に対して平行で、且つ、逆方向に配向処理が施された第2の配向膜と、前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に挟持され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電界が印加されないときに、液晶分子が前記第1の配向膜及び前記第2の配向膜の配向処理に従ってホモジニアス配向で配列する液晶層と、前記第2の基板との間に前記第1の基板が介在するように配置され、前記第1の方向に対して実質的に45°で交差する方向にその透過軸の方向を一致させて配置された第1の偏光板と、前記第1の基板との間に前記第2の基板が介在するように配置され、前記第1の偏光板の透過軸に対してその透過軸を実質的に直交させて配置された第2の偏光板と、前記第1の基板と前記第1の偏光板との間に、その光学軸を第1の方向と平行でかつ同じ向きに配置したディスコティック液晶を有する第1の視野角補償フィルムと、前記第2の基板と前記第2の偏光板との間に、その光学軸を第2の方向と平行でかつ同じ向きに配置したディスコティック液晶を有する第2の視野角補償フィルムと、前記第1の視野角補償フィルムと前記第1の偏光板との間に、その遅相軸を前記第1の方向と平行にして配置された二軸性位相板と、前記第2の視野角補償フィルムと前記第2の偏光板との間に、その遅相軸を前記第2の方向と直交させて配置された一軸性位相板と、を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、視野角が改善されると共に各視野方位毎の色相の変化を抑制した高表示品位の液晶表示素子を提供することができる。
(第1実施形態)
図1(a)は本発明の第1実施形態としての液晶表示素子の光学構成を示す分解平面図で、図2はその内部構成を拡大して示す模式的断面図である。
本実施形態の液晶表示素子は、アクティブマトリクス方式の液晶表示素子であり、図1(a)に示されるように、平面外形が矩形をなす液晶セル1を挟んで表示の観察側となる前側に、同様の矩形をなす前位相板2と前偏光板3がそれぞれ順次配置され、その後側に、同じく矩形をなす視野角補償フィルム4、後位相板5及び後偏光板6がそれぞれ順次配置されてなる。
液晶セル1は、ホモジニアス液晶セルであり、図2に示されるように、一対の前、後ガラス基板11、12が、枠状シール材(不図示)により所定の間隙を保ち接合され、これら前後ガラス基板11、12間の枠状シール材で囲まれた空間内に液晶分子をホモジニアス配向させて液晶100が封入されてなる。
接合された一対のガラス基板11、12のうちの一方の前ガラス基板11の対向面(内面)には、画素に対応する複数の開口13aを形成するブラックマスク13が設置されている。
ブラックマスク13の各開口13aには、赤、緑、青の3種類のカラーフィルタ14R 、14G 、14B が所定の配置でそれぞれ設置されている。ここで、各カラーフィルタ14R 、14G 、14B は、各開口13aよりも全周にわたり適長幅だけ大きい面積を備えており、周縁部をブラックマスク13の開口縁部に重畳させて設置されている。そして、カラーフィルタ14R 、14G 、14B の各厚さは、各色カラーフィルタ14R 、14G 、14B の配置されたそれぞれの画素における液晶層厚(セルギャップ)dr 、dg 、db が各透過波長光毎の屈折率異方性の相違をキャンセルできる層厚となるように、各色フィルタ14R 、14G 、14B 毎に異なった値に設定されている。この液晶層厚の最適化構造(以下、マルチギャップ構造という)については、後程詳細に説明する。
厚さがそれぞれ異なる赤、緑、青の各色カラーフィルタ14R 、14G 、14B の表面には、これを一括して覆う一枚膜状の透明導電膜からなる共通電極15が被着されている。そして、共通電極15の表面には、液晶分子の配向を規制する前水平配向膜16が一様に被着されている。この前水平配向膜16の表面には、図1に示すように、表示面の左右横方向(水平方向)1hに対して直交する矢印16a方向に向けてラビング法により配向処理が施されている。
一方、後ガラス基板12の内面には、透明導電膜からなる複数の画素電極17がマトリックス状に配置されている。各画素電極17には、能動素子としての薄膜トランジスタ18が、それぞれ接続されている。前記各画素電極17と前記共通電極15と互いに対向する領域によってそれぞれ1つの画素が定義され、それぞれの画素が前述したブラックマスク13の開口13aに対応している。そして、全ての画素電極17や薄膜トランジスタ18等を覆って後水平配向膜19が一様に被着されている。この後水平配向膜19には、図1に示すように、上述した前水平配向膜16の配向処理方向16aに平行で且つ逆方向19aに向けて、ラビング法により配向処理が施されている。
上述のように配向処理された前、後水平配向膜16、19によって挟持された液晶100の各液晶分子は、電界が印加されていない初期状態においては、両水平配向膜16、19それぞれに施された配向処理方向16a、19aの配向規制力を受け、ねじれの無いホモジニアス配向している。
すなわち、各液晶分子は、前、後水平配向膜16、19の配向規制力を受け、各配向処理方向16a、19aに沿って所定のプレチルト角で傾斜した状態で一方の後水平配向膜19の表面から他方の前水平配向膜16の表面に向かって配向方向を揃えて配列している。この液晶表示素子では、その各液晶分子の長軸方向が揃う方向であって白抜き矢印の方向20で示される方位が、最も良好なコントラストが得られる視角方位である。
上述のように液晶分子がホモジニアス配向した液晶層100は、屈折率異方性が、透過する光の波長によって変化する波長依存性を有しているため、色再現性の高いカラー表示を行うために、液晶層100を透過する赤、緑、青の各波長光に対してそれぞれ実質的にλ/2の複屈折作用を与えるように、各色の画素毎に異なる液晶層厚が設定されている。
液晶層100の複屈折作用は、液晶材料の屈折率異方性Δnと層厚dの積Δn・dに基づいて発現される。従って、本実施形態の液晶セル1においては、赤、緑、青の各画素毎の液晶層厚dr 、dg 、db を、各波長光に対する屈折率異方性Δnに応じ、Δn・dが280nm〜360nmの範囲内となるように設定してある。
すなわち、赤色カラーフィルタ14R と緑色カラーフィルタ14G が配設された各画素の液晶層厚dr 、dg が共に3.8μmに、青色カラーフィルタ14B が配設された画素の液晶層厚db が3.6μmになるように、各色カラーフィルタ14R 、14G 、14B の膜厚が設定されている。
液晶セル1の前ガラス基板11の外面には、前位相板2が設置されている。この前位相板2は、波長が540nmの光(緑色波長光)に対する面内位相差が135nm±20nm(115nm〜155nm)の一軸性位相差板で、図1に示されるように、その遅相軸2aを表示面の左右横方向(以下、単に横方向という)1hに平行に位置させて設置されている。従って、遅相軸2aは、液晶セル1の前水平配向膜に施された配向処理方向16aに対して直交している。
ここで、前位相板2の各透過波長光毎の屈折率異方性Δnは、青色波長光に対する屈折率異方性Δnbと緑色波長光に対する屈折率異方性Δngの比が、
Δnb/Δng=1.00±0.05
赤色波長光に対する屈折率異方性Δnrと緑色波長光に対する屈折率異方性Δngの比が、
Δnr/Δng=1.00±0.05
であり、それぞれの屈折率異方性の値は互いに10%以内で相違している。すなわち、前記一軸性位相板の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr、Δng、Δnbは、それらの比Δnb/Δngの値が0.95〜1.05の範囲に、比Δnr/Δngの値が0.95〜1.05の範囲に、それぞれ設定されている。
前位相板2の観察側(以下、前側という)には、前偏光板3が設置されている。前偏光板3は、その透過軸3aを横方向1hに対して−45°(時計回り方向を+とする)で交差する方向に位置させて設置されている。従って、その吸収軸3bは、横方向1hに対し+45°で交差している。尚、これらの透過軸3aと吸収軸3bの設置角度はそれぞれ±5゜の誤差の範囲を持っている。
一方、液晶セル1の後ガラス基板12の外面には、視野角補償フィルム4が設置されている。視野角補償フィルム4は、図2に示されるように、透明なフィルム基板41の一方の面に配向膜42を形成し、この配向膜42の表面にディスコティック液晶の層43が積層されてなる。ディスコティック液晶の層43では、円板状のディスコティック液晶分子43aがその盤面に垂直な各分子軸43bを所定の方向に揃えたまま個々の角度を連続的に変えて傾いた状態に配列しており、各分子軸43bが傾く方向は、配向膜42に施された配向処理方向に沿った方向である。この場合、配向膜42に近接するディスコティック液晶分子43aはその各分子盤面をフィルム基板41に略平行に沿わせて配向し、配向膜42の表面から離れるのに伴ってディスコティック液晶分子43aの盤面のフィルム基板41に対する傾斜角度つまりチルト角度が大きくなっている。つまり、ディスコティック液晶層43は、各ディスコティック液晶分子43aの分子軸43bの傾斜角度を平均した方向に屈折率が最小となる光学軸を持ち、この視野角補償フィルムのフィルム面と平行な面上で屈折率が最小となる方向を配向軸とする負の光学的異方性を発現する。
本実施形態においては、図1に示されるように、視野角補償フィルム4が、その配向軸4aを横方向1hに対して直交する方向に位置させるとともに、その向きを液晶セル1の後水平配向膜に施されている配向処理方向19aと同じ向きに揃えて設置されている。
視野角補償フィルム4のさらに後側には、後位相板5が設置されている。この後位相板5は、光学的に2つの軸を有する二軸性位相板で、図1(a)に示されるように、その遅相軸5aを横方向1hに直交させて設置されている。従って、遅相軸5aは、液晶セル1の後水平配向膜に施された配向処理方向19aに対して平行である。
ここで、後位相板5の3次元方向の各屈折率nx、ny、nzは、
−0.4≦(nx−nz)/(nx−ny)≦0.6
の関係を満たすように設定され、且つ、各透過波長光毎の屈折率異方性Δnは、青色波長光に対する屈折率異方性Δnbと緑色波長光に対する屈折率異方性Δngの比が、
Δnb/Δng=1.05±0.05
赤色波長光に対する屈折率異方性Δnrと緑色波長光に対する屈折率異方性Δngの比が、
Δnr/Δng=0.95±0.05
に設定されている。すなわち、後位相板5の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr、Δng、Δnbは、それらの比Δnb/Δngの値が1.00〜1.10の範囲に、比Δnr/Δngの値が0.90〜1.00の範囲に前記液晶層の屈折率異方性Δnと層厚dの積Δn・dは、その値が280nm〜360nmの範囲にそれぞれ設定されている。
そして、この二軸性位相板の後位相板5における波長が540nmの光(緑色波長光)に対する面内位相差は、前述した一軸性位相板の前位相板2における波長が540nmの光(緑色波長光)に対する面内位相差よりも35nm±20nm(15nm〜55nm)だけ小さい範囲に設定されている。すなわち、前記前位相板2の面内位相差が115nm〜155nmに設定されているから、後位相板5の波長が540nmの光(緑色波長光)に対する面内位相差は、60nm〜140nmの範囲に設定される。
後位相板5の後側には、後偏光板6が設置されている。この後偏光板3は、その透過軸6aを前偏光板3の透過軸3aに直交させて配置されている。従って、透過軸6aは、横方向1hに対し+45°±5°で交差し、後位相板5の遅相軸5aに対し−45°±5°で交差している。また、その吸収軸6bは、後位相板5の遅相軸5aに対し+45°±5°で交差している。
次に、上述のように構成された本液晶表示素子における作用効果について、主に図1(b)、(c)に基づき説明する。ここで、図1(b)は液晶層に電界が印加されていないオフ時における光学作用を示し、図1(c)は液晶層に充分に大きい電界が印加されたオン時における光学作用を示している。
オフ時においては、図1(b)に示されるように、自然光や光源からの照射光等の非偏光の光1Rが後偏光板6を透過し、偏光面が後偏光板6の透過軸6aに平行な直線偏光P1 となり、後位相板5に入射する。入射した直線偏光P1 は、その偏光面が後位相板5の遅相軸5aに対して45°で交差しているため、後位相板5による複屈折作用と前記視野角補償フィルム4の複屈折効果により楕円偏光P2 となり出射する。
視野角補償フィルム4を透過した楕円偏光P2 は、ホモジニアス液晶セル1を透過する際にその複屈折作用により波長λの1/2分の位相差が付与され、その結果、楕円偏光P2 の楕円長軸の方向s1 が90°回転されると共に逆回りの楕円長軸の方向s2 を持った楕円偏光P3 となって出射する。
楕円偏光P3 は、前位相板2に対して、その楕円長軸方向を前位相板2の遅相軸2aに−45°で交差させた状態で入射し、前位相板2を透過する際にその複屈折作用を受け、楕円偏光P3 の楕円長軸方向と平行な偏光面を持った直線偏光P4 となって出射する。
すなわち、直線偏光P4 の偏光面の方向は、表示面の横方向1hに対して−45°で交差する方向であり、この方向は前偏光板3の透過軸3aと平行な方向である。従って、直線偏光P4 は、前偏光板3をそのまま透過し、明表示(白表示)がなされる。
このように、電界オフ時においては、ホモジニアス型液晶セル1が楕円偏光P2 の楕円長軸の方向を90°回転させ、かつ逆回りの楕円偏光に変換する複屈折性光学素子として機能し、白表示を行う。このように、この実施形態のホモジニアス型液晶セル1は、楕円偏光を入射して、その楕円偏光の偏光状態を制御するようにしたので、複屈折性の視野方位に対する依存性が緩和され、左右、上下の各視野方位毎の色相の変化が有効に抑制される。
図3(a)と図3(b)は、それぞれ、本実施形態の液晶表示素子と、比較例としての液晶表示素子における上下、左右の各視野方位毎の45°視角での白色と20%階調灰色及び50%階調灰色の各色度を示したCIE色度図である。なお、比較例の液晶表示素子は、図10に示されるように、液晶分子を90°にわたりツイスト配向させたTN型液晶セル101を挟んでその両側に、ディスコティック液晶からなる前視野角補償フィルム102、と後視野角補償フィルム103が各配向軸102a、103aを対応する側の配向膜に施された配向処理方向101a、101bに平行に位置させてそれぞれ配置され、さらにその両側に、前、後偏光板104、105が各透過軸104a、105aを対応する側の視野角補償フィルム102、103の各配向軸102a、103aに直交させて配置されたものである。
図3(a)、(b)から明らかなように、本実施形態の液晶表示素子によれば、上下、左右の各視野方位毎の45°視角での白色と20%階調灰色及び50%階調灰色の各色度のばらつきが、比較例の液晶表示素子による場合に比べて小さくなっている。その結果、全視野方位にわたり略均等に色相ズレが抑制され、色再現性に優れた高品位のカラー表示が得られる。
一方、暗表示を行うためにホモジニアス型液晶セル1の液晶層100に充分に電界を印加したオン時においては、液晶層100の液晶分子が基板垂直方向(電界方向)に立上がり、ホモジニアス型液晶セル1の複屈折性が大略消滅する。
従って、図1(c)に示されるように、オフ時と同様に、非偏光の照射光1Rが後偏光板6と後位相板5及び視野角補償フィルム4を順次透過して、長軸偏光面s3 が横方向1hに対して45°で交差する楕円偏光P2 となり、液晶セル1内に入射する。
このとき、液晶セル1の液晶層100は電界が印加されて各液晶分子が基板11、12面に対して略垂直に立ち上がった配向状態となっているから、入射した楕円偏光P2 に複屈折作用を及ぼすことはなく、従って、入射した楕円偏光P2 は偏光状態を実質的に変化させることなく出射する。
液晶セル1を出射した楕円偏光P2 は、次順の前位相板2を透過する際にその複屈折作用を受け、直線偏光P5 となって出射する。この出射する直線偏光P5 の偏光面の方向は、入射楕円偏光P2 の長軸偏光面s3 と平行な方向、つまり横方向1hに対して45°で交差する方向である。
前位相板2を出射した直線偏光P5 は、前偏光板3に入射するが、その偏光面の方向は前偏光板3の透過軸3aに直交する方向、つまりその吸収軸3bに平行な方向であるから、ここで吸収されて出射されず、これにより、暗表示(黒表示)がなされる。
このように、電界オン時においては、液晶分子が基板面に略垂直に立ち上がり透過光に対して複屈折作用を及ぼさない配向状態となり、楕円偏光P2 が液晶セル1を偏光面s3 の方向を変えずに透過することにより、黒表示が得られる。
ところで、液晶分子の立上がり配向状態において、両水平配向膜16、19近傍の液晶分子は、中央部の液晶分子に比べて両水平配向膜16、19による配向規制力をより強く受けているため、中央部の液晶分子のように垂直に立ち上がることができず、傾斜した状態で配向している。従って、その傾斜配向した液晶分子による複屈折作用(残留リタデーション)を受けた光はその偏光面の方向を変化させるため、前偏光板3で吸収されずに出射し、その結果、黒表示の透過率が上昇しコントラストが低下することになる。
しかし、本実施形態の液晶表示素子においては、ディスコティック液晶からなる視野角補償フィルム4を、その配向軸4aを液晶分子の配向処理方向16a、19aに平行に位置させて設置したから、前記残留リタデーションが有効に補償され、図4に示されるように、オン時(印加電圧が約4.4V)において透過率が充分に低下し、その結果、正面コントラストが極めて高くなる。
図4は、本液晶表示素子の印加電圧に対する各波長光毎の透過率の変化を示すグラフ図であり、透過率を示す縦軸は対数目盛りとなっている。図10に示される前記比較例のTN型液晶表示素子による緑色波長光の透過率特性を、二点鎖線で示してある。この透過率特性図から明らかなように、本液晶表示素子では、印加電圧が約4.4Vの電界印加時(オン時)における透過率が緑色波長光で0.002%と、比較例の同印加電圧における透過率の約0.2%に比べて1/100程度に急激に低下しており、その結果、電界無印加時(オフ時)における透過率は略同じであるから、正面コントラストが約100倍に上昇している。
以上のように、本実施形態の液晶表示素子においては、視野角補償フィルム4を設置したホモジニアス液晶セル1を挟んでその前後に、前位相板2と前偏光板3及び後位相差5と後偏光板6を、それぞれ各光学軸を45°で交差させるとともに各偏光板3、6を外側にして配置したことにより、入射光を楕円偏光の状態にしてホモジニアス液晶セルを透過させることができ、その結果、左右、上下、各視野方位毎の色相の変化の度合いを有効に緩和することができ、正面コントラストが高く視野方位毎の色相のずれが抑制された高表示品位を安定して得ることができる。
また、液晶分子の屈折率異方性の波長依存性を緩和するためにホモジニアス液晶セル1と視野角補償フィルム4を挟んで配置される前、後位相板2、5同士のそれぞれの赤、緑、青各波長光毎の屈折率異方性Δnr 、Δng 、Δnb の比率に応じて、位相板を設置することにより、液晶分子の屈折率異方性の波長依存性に基づく色ずれ等の表示不良を低減することができる。その結果、色再現性及び視野角特性に優れた高品位カラー表示が得られる液晶表示素子を部材コストや製造工数を低減して安価に製造することが可能となる。
更に、ホモジニアス液晶セル1を挟んで配設する前、後位相板2、5のうち、一方の後位相板5を直交する3つの方向の屈折率の比率を予め定めた値の範囲の二軸性位相板としたから、本実施形態の液晶表示素子の視野角が全視野方位にわたり略均等に広げられ、且つ、ホモジニアス液晶セル1を用いるためにより生じ易い視角の方位20での中間階調における階調の反転の発生が有効に抑制される。
なお、視野角補償フィルム4は、二軸性位相板である後位相板5と同じ側のホモジニアス液晶セル1の後側に配置したが、一軸性位相板の前位相板2と同じ側つまり前位相板2とホモジニアス液晶セル1との間に配置してもよく、このような構成としても奏される効果は変わらない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5乃至図7に基づき説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の液晶表示素子は、図5に示されるように、ホモジニアス液晶セル1と視野角補償フィルム4を挟んでその前後最外側に一対の前、後偏光板3、6を配置した構成は、上記第1実施形態と同じであるが、前側にも視野角補償フィルム7を更に追加して配置し、ホモジニアス液晶セル1を一対の前、後視野角補償フィルム7、4で挟み、前偏光板3と前視野角補償フィルム7との間に前位相板8を、後偏光板6と後視野角補償フィルム4との間に後位相板9を、それぞれ設置したものである。なお、ホモジニアス液晶セル1のマルチギャップ構造は第1実施形態の構造と同じであり、赤、緑、青各画素のΔn・dの値が、280nm〜360nmの範囲に設定されている。
追加して設置された前視野角補償フィルム7は、後視野角補償フィルム4と同じディスコティック液晶により形成された視野角補償フィルムであり、その配向軸7aをホモジニアス液晶セル1の対応する側の水平配向膜に施された配向処理方向16aに平行且つ同じ向きに配置して設置されている。
すなわち、本実施形態においては、一対の前、後視野角補償フィルム7、4が、各配向軸7a、4aをホモジニアス液晶セル1の対応する基板側の配向処理方向16a、19aにそれぞれ平行で且つ同じ向きに配置し、ホモジニアス液晶セル1を挟んでその前、後に設置されている。これにより、ホモジニアス液晶セル1のオン時における残留リタデーションが第1実施形態の場合に比べてより確実に補償される。
そして、上述した前、後視野角補償フィルム7、4の配置構成に対応させて、前、後位相板8、9のそれぞれの光学軸配置と面内位相差等が適宜設定される。
すなわち、前位相板8は、緑色波長光に対する面内位相差が135nm±20nm(115nm〜155nm)の一軸性位相板で、図5に示されるように、その遅相軸8aを表示面の横方向1hに平行に位置させて設置されている。従って、遅相軸8aは、液晶セル1の前水平配向膜に施された配向処理方向16aに対して直交している。
また、前位相板8の各透過波長光毎の屈折率異方性Δnは、青色波長光に対する屈折率異方性Δnb と緑色波長光に対する屈折率異方性Δng の比が、
Δnb /Δng =0.90±0.05
赤色波長光に対する屈折率異方性Δnr と緑色波長光に対する屈折率異方性Δng の比が、
Δnr /Δng =1.05±0.05
に設定されている。
すなわち、前記前位相板8の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr 、Δng 、Δnb は、それらの比Δnb /Δng の値が0.85〜0.95の範囲に、比Δnr /Δng の値が1.00〜1.10の範囲に設定されている。
後位相板9は、緑色波長光に対する面内位相差が115nm〜155nmの二軸性位相板で、その遅相軸9aを表示面の横方向hに直交させて、従って、液晶セル1の後水平配向膜に施された配向処理方向19aに平行にして、設置されている。この後位相板9は、光学的に2つの軸を有する二軸性位相板で、3次元方向の各屈折率nx、ny、nzは、
−0.4≦(nx−nz)/(nx−ny)≦0.6
の関係を満たすように設定されている。
そして、後位相板9の各透過波長光毎の屈折率異方性Δnは、青色波長光に対する屈折率異方性Δnb と緑色波長光に対する屈折率異方性Δng の比が、
Δnb /Δng =1.05±0.05
赤色波長光に対する屈折率異方性Δnr と緑色波長光に対する屈折率異方性Δng の比が、
Δnr /Δng =0.95±0.05
に設定されている。
すなわち、前記後位相板9の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr 、Δng 、Δnb は、それらの比Δnb /Δng の値が1.00〜1.10の範囲に、比Δnr /Δng の値が0.90〜1.00の範囲に、設定されている。
以上のように構成された本液晶表示素子では、オン時の液晶層の前、後水平配向膜双方の近接領域において、液晶分子が垂直に立ち上がらず傾斜した配向状態となることによりリタデーションが残留しているが、この液晶層の前後両側の傾斜配向液晶分子による残留リタデーションは、ホモジニアス液晶セル1の前後両側に配置された前、後視野角補償フィルム7、4により確実に補償される。
すなわち、本実施形態では、上述したように、ホモジニアス液晶セル1の前後両側に、ディスコティック液晶からなる前、後視野角補償フィルム7、4が、各配向軸7a、4aを対応する側の配向処理方向16a、19aに平行且つ同一の向きに揃えてそれぞれ配置されているから、液晶層の前後両側に残留するリタデーションが対応する前、後視野角補償フィルム7、4により確実に補償される。
図6(a)、(b)は、それぞれ、この第2実施形態の液晶表示素子による電界オン時での左右横視野方位及び上下縦視野方位の各視野方位における視角に対する光透過率の変化特性を前記第1実施形態と比較して示しており、これら両図から明らかなように、第2実施形態の液晶表示素子においては、左右横視野方位及び上下縦視野方位の各視野方位において、オン時における光透過率が視角に拘わらず略一定して最低レベルに維持されている。これは、上記第1実施形態の液晶表示素子による同透過率特性に比べても極めて安定して低い。
また、図7は、本実施形態の液晶表示素子における上下、左右の各視野方位毎の45°視角での白色と20%階調灰色及び50%階調灰色の各色度をCIE色度図で示している。この図7から明らかなように、本実施形態の液晶表示素子の各視野方位毎の色相ズレは小さく抑えられている。
従って、この第2実施形態の液晶表示素子によれば、各視野方位毎の色相ズレが抑えられた高度なカラー表示品質が得られるという第1実施形態と同様に奏される良好な効果に加えて、全視野方位にわたりより高度なコントラストが略均等に得られて視野角が一層広げられるという有用な効果が奏される。
(第3実施形態)
本第3実施形態の液晶表示素子は、図8に示すように、第1実施形態の液晶表示素子の構造に加えて、後位相板5と後偏光板6との間に位相板10を、更に追加して設置したものである。ここで、第1実施形態に設けられていた後位相板5を第1後位相板とし、追加設置された位相板10を第2後位相板とする。なお、ホモジニアス液晶セル1のマルチギャップ構造は第1実施形態の構造と同じであり、赤、緑、青各画素のΔn・dは、280nm〜360nmの範囲に設定されている。
追加設置された第2後位相板10は、第1後位相板5と同じ二軸性位相板であり、緑色波長光に対する面内位相差が135nm±20nmで、その遅相軸10aを横方向1hに対して−45°±5°で交差させて設置されている。従って、この遅相軸10aは、後偏光板6の透過軸6aに直交し、液晶セル1の後水平配向膜に施された配向処理方向19aに対し+45°±5°で交差している。そして、この第2後位相板10の互いに直交する3方向の屈折率nx、nz、ny及び波長光毎の屈折率異方性Δnb 、Δng 、Δnr は、第1後位相板5と同一に設定されている。
以上のように構成された本実施形態の液晶表示素子では、後偏光板6に隣接させて第2後位相板10をその遅相軸10aを後偏光板6の透過軸6aに直交させて配置したから、この第2後位相板10では入射光のz方向の位相差が主に補償され、これにより、表示の正面特性に影響を及ぼすことなく、特に問題となる視角方位(本実施形態では6時方位)における中間階調での階調反転の発生がより一層確実に抑制される。
また、本実施形態の液晶表示素子は、第1実施形態の液晶表示素子の構成を備えているから、第1実施形態の液晶表示素子と同様に、各視野方位毎の色相ズレが顕著に小さく抑えられる。
図9は、本実施形態の液晶表示素子における上下、左右の各視野方位毎の45°視角での白色と20%階調灰色及び50%階調灰色の各色度をCIE色度図で示している。この図9から明らかなように、本実施形態の液晶表示素子における各視野方位毎の色相ズレは、小さく抑えられている。

従って、本第3実施形態の液晶表示素子によれば、各視野方位毎の色相ズレが抑えられた高度なカラー表示品質が得られるという第1実施形態と同様に奏される良好な効果に加えて、視角方位における中間階調での階調反転の発生がより一層確実に抑制されるという有用な効果が奏される。
なお、第2後位相板10は、その遅相軸10aを後偏光板6の透過軸6aに平行にして設置してもよい。また、第2後位相板10は、前位相板2と前偏光板3の間にその遅相軸10aを前偏光板3の透過軸3aに平行または直交させて配置してもよい。さらに、前位相板2と前偏光板3の間及び後位相板5と後偏光板6の間の双方に、第2後位相板10と同じ位相板を上述と同じ光学軸配置でそれぞれ配置してもよい。これら本第3実施形態の変形例によっても、奏される効果は変わらない。
本発明は、上記の第1乃至第3実施形態に限定されるものではない。例えば、第3実施形態は、第1実施形態の液晶表示素子に第2後位相板10を追加配置した実施形態であるが、これに限らず、第2実施形態の液晶表示素子における前偏光板3と前位相板8間及び/又は後偏光板6と後位相板9間に、第3実施形態の第2後位相板10と同一の位相板を同じ光学軸配置で設置してもよい。
また、第1乃至第3実施形態においては、前位相板として一軸性位相板を配置し、後位相板として二軸性位相板を配置したが、これに限らず、前位相板として二軸性位相板を配置し、後位相板として一軸性位相板を配置してもよく、また、前、後位相板を共に二軸性位相板或いは一軸性位相板としてもよい。
さらに、第1乃至第3実施形態においては光の入射側をホモジニアス液晶セルに対する後側として説明したが、第1乃至第3実施形態の構成は光の入射側が逆転しても、つまり例えば第1実施形態で前側偏光板3の方から光を入射させる構成としても、本発明の液晶表示素子として有効に成立し、同様の効果が奏される。
加えて、本発明は、カラーフィルタを設けたカラー液晶表示素子に限らず、モノクロ表示を行う液晶表示素子にも有効に適用できる。
(a)は本発明の第1実施形態としての液晶表示素子を示す分解平面図で、(b)はそのオフ時における光学的作用を示す説明図、(c)はオン時における光学的作用を示す説明図である。 上記液晶表示素子の内部構成を部分的に拡大して示す模式的断面図である。 視野方位毎の45°視角での白色と20%階調灰色及び50%階調灰色の各色度を示す色度分布図で、(a)は上記液晶表示素子での、(b)は比較例としての液晶表示素子での、それぞれの色度分布特性をそれぞれ示している。 上記液晶表示素子における各波長光毎の印加電圧に対する透過率の変化特性を示すグラフ図である。 本発明の第2実施形態としての液晶表示素子を示す分解平面図である。 第1実施形態と第2実施形態の各液晶表示素子におけるオン時の視角に対する透過率変化を示すグラフ図で、(a)は横方向の視角に対する透過率変化を、(b)は縦方向の視角に対する透過率変化を、それぞれ示している。 第2実施形態の液晶表示素子における視野方位毎の45°視角での白色と20%階調灰色及び50%階調灰色の各色度をCIE色度図で示す色度分布図である。 本発明の第3実施形態としての液晶表示素子を示す分解平面図である。 第3実施形態の液晶表示素子における視野方位毎の45°視角での白色と20%階調灰色及び50%階調灰色の各色度をCIE色度図で示す色度分布図である。 比較例の液晶表示素子を示す分解平面図である。
符号の説明
1、101 液晶セル
2、8 前位相板
3、104 前偏光板
4、7、102、103 視野角補償フィルム
5、9、10 後位相板
6、105 後偏光板
11、12 ガラス基板
13 ブラックマスク
14R 、14G 、14B 赤、緑、青カラーフィルタ
15 共通電極
16 前水平配向膜
17 画素電極
18 薄膜トランジスタ
19 後水平配向膜
100 液晶層

Claims (16)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板に予め定めた間隙を設けて対向配置した第2の基板と、
    前記第1の基板の前記第2の基板と対向する面に形成された少なくとも1つの第1の電極と、
    前記第2の基板の前記第1の基板と対向する面に形成された少なくとも1つの第2の電極と、
    前記第1の基板の前記第1の電極が形成された面に形成され、予め定めた第1の方向に配向処理が施された第1の配向膜と、
    前記第2の基板の前記第2の電極が形成された面に形成され、前記第1の方向に対して平行で、且つ、逆方向に配向処理が施された第2の配向膜と、
    前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に挟持され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電界が印加されないときに、液晶分子が前記第1の配向膜及び前記第2の配向膜の配向処理に従ってホモジニアス配向で配列する液晶層と、
    前記第2の基板との間に前記第1の基板が介在するように配置され、前記第1の方向に対して実質的に45°で交差する方向にその透過軸の方向を一致させて配置された第1の偏光板と、
    前記第1の基板との間に前記第2の基板が介在するように配置され、前記第1の偏光板の透過軸に対してその透過軸を実質的に直交させて配置された第2の偏光板と、
    前記第1の基板と前記第1の偏光板との間に、その光学軸を第1の方向と平行でかつ同じ向きに配置したディスコティック液晶を有する視野角補償フィルムと、
    前記視野角補償フィルムと前記第1の偏光板との間に、その遅相軸を前記第1の方向と平行にして配置された第1の二軸性位相板と、
    前記第2の基板と前記第2の偏光板との間に、その遅相軸を前記第1の方向と直交させて配置された一軸性位相板と、
    備えることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記視野角補償フィルムは、
    透明なフィルム基板の一方の面に配向膜を形成し、前記配向膜表面にディスコティック液晶層が積層され、
    前記ディスコティック液晶層は、円板状のディスコティック液晶分子を有し、
    前記配向膜に近接する前記ディスコティック液晶分子は、その各分子の円盤面を前記フィルム基板に平行に沿わせて配向し、
    前記配向膜の表面から離れた前記ディスコティック液晶分子は、前記配向膜から離れるにつれて、その各分子の円盤面のフィルム基板に対する傾斜角度が大きくなり、
    前記ディスコティック液晶層は、前記円盤面に対して垂直な分子軸の傾斜角度を平均した方向に屈折率が最小となる前記光学軸を有し、負の光学的異方性を発現する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記液晶層は、その屈折率異方性Δnとその層厚dとの積Δn・dが320nm±40nmの範囲に設定され、
    前記一軸性位相板は、緑色波長光に対する面内位相差が135nm±20nmの範囲に設定され、
    前記第1の二軸性位相板は、緑色波長光に対するその面内位相差が前記一軸性位相差の緑色波長光に対する面内位相差よりも35nm±20nm小さい100nm±40nmの範囲に設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  4. 前記第1の二軸性位相板の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr、Δng、Δnbは、それらの比Δnb/Δngの値が1.05±0.05の範囲に、比Δnr/Δngの値が0.95±0.05の範囲に、
    前記一軸性位相板の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr、Δng、Δnbは、それらの比Δnb/Δngの値が1.00±0.05の範囲に、比Δnr/Δngの値が1.00±0.05の範囲に、
    それぞれ設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  5. 前記第1の二軸性位相板の板面と平行な平面内において互いに直交する2方向の屈折率nx、nyと板面に垂直な方向の屈折率nzが
    −0.4≦(nx−nz)/(nx−ny)≦0.6
    を満たす範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  6. 前記第1の偏光板と前記第1の二軸性位相板との間に、その遅相軸を前記第1の偏光板の透過軸と平行又は直交させて配置された第2の二軸性位相板と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  7. 前記第2の二軸性位相板は、緑色波長光に対する面内位相差が135nm±20nmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示素子。
  8. 前記第2の二軸性位相板の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr、Δng、Δnbは、それらの比Δnb/Δngの値が1.05±0.05の範囲に、比Δnr/Δngの値が0.95±0.05の範囲に設定されていることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示素子。
  9. 前記第2の二軸性位相板の板面と平行な平面内において互いに直交する2方向の屈折率nx、nyと板面に垂直な方向の屈折率nzが
    −0.4≦(nx−nz)/(nx−ny)≦0.6
    を満たす範囲に設定されていることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示素子。
  10. 前記第1の電極及び前記第2の電極が対向する画素部毎に互いに異なる波長光を選択透過させる複数色のカラーフィルタがそれぞれ配設され、異なる色のカラーフィルタに対応する画素部毎に液晶層厚がそれぞれ異なる値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  11. 第1の基板と、
    前記第1の基板に予め定めた間隙を設けて対向配置した第2の基板と、
    前記第1の基板の前記第2の基板と対向する面に形成された少なくとも1つの第1の電極と、
    前記第2の基板の前記第1の基板と対向する面に形成された少なくとも1つの第2の電極と、
    前記第1の基板の前記第1の電極が形成された面に形成され、予め定めた第1の方向に配向処理が施された第1の配向膜と、
    前記第2の基板の前記第2の電極が形成された面に形成され、前記第1の方向に対して平行で、且つ、逆方向に配向処理が施された第2の配向膜と、
    前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に挟持され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電界が印加されないときに、液晶分子が前記第1の配向膜及び前記第2の配向膜の配向処理に従ってホモジニアス配向で配列する液晶層と、
    前記第2の基板との間に前記第1の基板が介在するように配置され、前記第1の方向に対して実質的に45°で交差する方向にその透過軸の方向を一致させて配置された第1の偏光板と、
    前記第1の基板との間に前記第2の基板が介在するように配置され、前記第1の偏光板の透過軸に対してその透過軸を実質的に直交させて配置された第2の偏光板と、
    前記第1の基板と前記第1の偏光板との間に、その光学軸を第1の方向と平行でかつ同じ向きに配置したディスコティック液晶を有する第1の視野角補償フィルムと、
    前記第2の基板と前記第2の偏光板との間に、その光学軸を第2の方向と平行でかつ同じ向きに配置したディスコティック液晶を有する第2の視野角補償フィルムと、
    前記第1の視野角補償フィルムと前記第1の偏光板との間に、その遅相軸を前記第1の方向と平行にして配置された二軸性位相板と、
    前記第2の視野角補償フィルムと前記第2の偏光板との間に、その遅相軸を前記第2の方向と直交させて配置された一軸性位相板と、
    を備えることを特徴とする液晶表示素子。
  12. 前記第1の視野角補償フィルム及び前記第2の視野角補償フィルムは、
    透明なフィルム基板の一方の面に配向膜を形成し、前記配向膜表面にディスコティック液晶層が積層され、
    前記ディスコティック液晶層は、円板状のディスコティック液晶分子を有し、
    前記配向膜に近接する前記ディスコティック液晶分子は、その各分子の円盤面を前記フィルム基板に平行に沿わせて配向し、
    前記配向膜の表面から離れた前記ディスコティック液晶分子は、前記配向膜から離れるにつれて、その各分子の円盤面のフィルム基板に対する傾斜角度が大きくなり、
    前記ディスコティック液晶層は、前記円盤面に対して垂直な分子軸の傾斜角度を平均した方向に屈折率が最小となる前記光学軸を有し、負の光学的異方性を発現する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の液晶表示素子。
  13. 前記液晶層は、その屈折率異方性Δnとその層厚dとの積Δn・dが320nm±40nmの範囲に設定され、
    前記二軸性位相板は、緑色波長光に対する面内位相差が135nm±20nmの範囲に設定され、
    前記一軸性位相板は、緑色波長光に対する面内位相差が135nm±20nmの範囲に設定されている、ことを特徴とする請求項11に記載の液晶表示素子。
  14. 前記二軸性位相板の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr、Δng、Δnbは、それらの比Δnb/Δngの値が1.05±0.05の範囲に、比Δnr/Δngの値が0.95±0.05の範囲に、
    前記一軸性位相板の赤、緑、青の各波長光毎の屈折率異方性Δnr、Δng、Δnbは、それらの比Δnb/Δngの値が0.90±0.05の範囲に、比Δnr/Δngの値が1.05±0.05の範囲に、
    それぞれ設定されていることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示素子。
  15. 前記二軸性位相板の板面と平行な平面内において互いに直交する2方向の屈折率nx、nyと板面に垂直な方向の屈折率nzが
    −0.4≦(nx−nz)/(nx−ny)≦0.6
    を満たす範囲に設定されていることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示素子。
  16. 前記第1の電極及び前記第2の電極が対向する画素部毎に互いに異なる波長光を選択透過させる複数色のカラーフィルタがそれぞれ配設され、異なる色のカラーフィルタに対応する画素部毎に液晶層厚がそれぞれ異なる値に設定されていることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示素子。
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