JP4894276B2 - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents
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例えば、特開平5−86234号公報には、再成形品の強度及び合成を当初の合成樹脂よりも低下しないようにすることを目的とする成形用樹脂組成物として、マトリックス樹脂がポリプロピレンであり、マトッリクス樹脂より高い融点を有する液晶性ポリマーを含有し、且つ成形物中に複合された液晶ポリマーの液晶化物がアスペクト比3以上を有する成形用樹脂組成物が記載されている。
すなわち、本発明の一は、
全芳香族ポリエステル繊維(A)とポリオレフィン樹脂(B)とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であって、
(A)の重量と(B)の重量との比(A/B)が、5/95〜70/30であるポリオレフィン樹脂組成物に係るものである。
全芳香族ポリエステル繊維(A)と不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で変性された変性ポリオレフィン樹脂(C)とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であり、
(A)の重量と(C)の重量との比(A/C)が、5/95〜70/30であるポリオレフィン樹脂組成物に係るものである。
全芳香族ポリエステル繊維(A)と、ポリオレフィン樹脂(B)と、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で変性された変性ポリオレフィン樹脂(C)とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であって、
(A)の重量と、(B)と(C)のそれぞれの重量の合計との比(A/(B+C))が、5/95〜70/30であり、
(B)の重量と(C)の重量との比(B/C)が、99.5/0.5〜60/40であるポリオレフィン樹脂組成物に係るものである。
上記のポリオレフィン樹脂組成物からなるペレット、および、上記のポリオレフィン樹脂組成物またはそのペレットからなる成形体に係るものである。
溶融異方性(すなわち、溶融相において光学的異方性(液晶性)を示すこと)は、例えば、試料をホットステージにのせ、窒素雰囲気下で加熱し、試料の透過光を観察することによって確認できる。
本発明で用いられる溶融異方性を示す全芳香族ポリエステル繊維として、好ましくは、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸または芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する反復構成単位からなる全芳香族ポリエステル繊維であり、より好ましくは、
(1)下記に示す式(1−1)と式(1−2)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(2)下記に示す式(2−1)と式(2−2)と式(2−3)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(3)下記に示す式(3−1)と式(3−2)と式(3−3)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(4)下記に示す式(4−1)と式(4−2)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(5)下記に示す式(5−1)と式(5−2)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(6)下記に示す式(6−1)と式(6−2)と式(6−3)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(7)下記に示す式(7−1)と式(7−2)と式(7−3)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(8)下記に示す式(8−1)と式(8−2)と式(8−3)と式(8−4)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(9)下記に示す式(9−1)と式(9−2)と式(9−3)と式(9−4)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(10)下記に示す式(10−1)と式(10−2)と式(10−3)と式(10−4)と式(10−5)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(11)下記に示す式(11−1)と式(11−2)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維である。
(5)式(5−1)と式(5−2)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(8)式(8−1)と式(8−2)と式(8−3)と式(8−4)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維、
(9)式(9−1)と式(9−2)と式(9−3)と式(9−4)のそれぞれの反復構成単位の組み合わせからなる全芳香族ポリエステル繊維であり、
なお、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体に含有されるエチレンの含有量、α−オレフィンの含有量またはエチレンとα−オレフィンの含有量の合計は、50モル%未満である(ただし、プロピレンとエチレンとα−オレフィンのそれぞれの含有量の合計を100モル%とする)。エチレンの含有量、α−オレフィンの含有量またはエチレンとα−オレフィンの含有量の合計は、“新版 高分子分析ハンドブック”(日本化学会、高分子分析研究懇談会編 紀伊国屋書店(1995))に記載されているIR法またはNMR法を用いて測定される。
なお、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体に含有されるプロピレンの含有量、α−オレフィンの含有量またはプロピレンとα−オレフィンの含有量の合計は、50モル%未満である(ただし、エチレンとプロピレンとα−オレフィンのそれぞれの含有量の合計を100モル%とする)。
なお、α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン−エチレンランダム共重合体、α−オレフィン−プロピレン−エチレンランダム共重合体に含有されるプロピレンの含有量、エチレンの含有量またはプロピレンとエチレンの含有量の合計は、50モル%未満である(ただし、α−オレフィンとプロピレンとエチレンのそれぞれの含有量の合計を100モル%とする)。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(B)がポリプロピレン樹脂の場合、ポリプロピレン樹脂の好ましい製造方法として、上記の製造方法が挙げられる。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(B)がポリプロピレン樹脂の場合、ポリプロピレン樹脂の製造方法に用いられる好ましい触媒として、上記の触媒が挙げられる。
(C−a)オレフィンの単独重合体に、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂。
(C−b)少なくとも二種のオレフィンを共重合して得られる共重合体に、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂。
(C−c)オレフィンを単独重合した後に少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られるブロック共重合体に、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂。
(C−d)少なくとも1種のオレフィンと、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を共重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂。
また、クエン酸やリンゴ酸のように、ポリオレフィンにグラフトする工程で脱水して不飽和カルボン酸を生じるものを用いてもよい。
(C−e)エチレンおよびプロピレンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来する単位を主な構成単位として含有するポリオレフィン樹脂に、無水マレイン酸またはメタクリル酸グリシジルエステルまたはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルをグラフト重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂。
(C−f)エチレンおよびプロピレンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンと、無水マレイン酸またはメタクリル酸グリシジルエステルまたはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを共重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂。
上記の(C−b)少なくとも二種のオレフィンの共重合体に、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂である場合、または、
上記の(C−c)オレフィンを単独重合した後に少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られるブロック共重合体に、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂である場合、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構成単位の含有量として、好ましくは0.1〜10重量%である。
(A)の重量と、(B)と(C)のそれぞれの重量の合計との比(A/(B+C))が、5/95〜70/30であり、好ましくは、剛性や衝撃強度等の機械的強度を向上させるという観点や、製造安定性の観点から、8/92〜68/32であり、より好ましくは、10/90〜60/40である。
(1)各成分の全部を混合して均一な混合物とした後、その混合物を溶融混練する方法。
(2)各成分を任意に組み合わせて、それぞれを個別に混合して均一な混合物とした後、その混合物を溶融混練する方法。
(3)プルトルージョン法。
上記の(1)または(2)の方法において、均一な混合物を得る方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等によって混合する方法が挙げられる。そして、溶融混練する法としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸または二軸押出機等によって溶融混練する方法が挙げられる。
(3−1)樹脂のエマルジョン、サスペンジョンあるいは溶液を入れた含浸槽の中に繊維束を通し、繊維束に樹脂を含浸させる方法。
(3−2)樹脂の粉末を繊維束に吹き付けたのち、または、粉末を入れた槽の中に繊維束を通し繊維に樹脂を付着させたのち、樹脂を溶融して繊維束に含浸させる方法。
(3−3)クロスヘッドの中に繊維束を通しながら、押出機等からクロスヘッドに樹脂を供給し、繊維束に含浸させる方法。
外装部品としては、例えばフェンダー、オーバーフェンダー、グリルガード、カウルルーバー、ホイールキャップ、サイドプロテクター、サイドモール、サイドロアスカート、フロントグリル、サイドステップ、ルーフレール、リアスポイラー、バンパー、テールゲート等が挙げられ、内装部品としては、例えばインストルメンタルパネル、トリム、テールゲート等が挙げられ、エンジン内の部品としては、例えばバンパービーム、クーリングファン、ファンシュラウド、ランプハウジング、カーヒーターケース、ヒューズボックス、エアクリーナーケース等が挙げられる。
(1)繊維
A−1:クラレ株式会社製全芳香族ポリエステル繊維(商品名:ベクトラン)
(167tex,繊維径20μm)
D−1:ポリエチレンテレフタレート繊維(110tex,繊維径20μm)
B−1:プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分)
(商品名:住友化学株式会社製ノーブレンU501E−1)
B−2:プロピレン単独重合体(MFR=320g/10分)
特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法により製造した
C−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂
(MFR=60g/10分、マレイン酸グラフト量=0.6重量%)
C−2:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル変性ポリプロピレン樹脂
(MFR=77g/10分、グラフト量=2.3重量%)
C−3:メタクリル酸グリシジル変性ポリプロピレン樹脂
(MFR=13g/10分、グラフト量=0.7重量%)
(1)繊維強化ペレットの製造方法
特開平3−121146号公報に記載されている方法に従って、表1に示した組成で繊維強化ペレットを製造した。
含浸温度 : 220℃(実施例1〜4)
200℃(比較例1,2)
引取速度 : 13m/分
測定用サンプルは、下記の日本製鋼所製成形機を用いて、下記の条件で、上記(1)で得られた繊維強化ペレットを、射出成形して評価用サンプルを製造した。
〔成形機〕
成形機 :日本製鋼所製成形機J150E
型締力 :150t
スクリュー :長繊維用深溝スクリュー
スクリュー径 :46mm
スクリューL/D:20.3
〔成形条件〕
シリンダー温度 :220℃(実施例1〜4)
200℃(比較例1,2)
金型温度 :50℃
(1)引張強度(単位:MPa)
A.S.T.M. D638に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:3.2mm
引張速度 :10mm/分
A.S.T.M. D790に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:3.2mm
スパン :50mm
引張速度 :2mm/分
A.S.T.M. D790に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:3.2mm
スパン :50mm
引張速度 :2mm/分
A.S.T.M D256に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:3.2mm[Vノッチあり]
特開平3−121146号公報に記載されている方法に従って、表1に記載した組成で、繊維の含有量が19重量%であり、ペレット長が9mmの繊維強化ペレットを作成した。1本のストランドは、4本の繊維より構成させた。成分(A)としては、クラレ株式会社製全芳香族ポリエステル繊維(商品名:ベクトラン)(167tex,繊維径20μm)を用いた。クラレ株式会社製全芳香族ポリエステル繊維(商品名:ベクトラン)の融点は450℃以上であり、分解開始温度は495℃である。
用いたポリオレフィン樹脂(B)は、プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分,商品名:住友化学株式会社製ノーブレンU501E−1)(B−1)であった。
得られた繊維強化ペレットを射出成形し、得られたサンプルの引張強度、曲げ弾性率、曲げ強度、IZOD衝撃強度を測定し、その結果を表1に示した。
特開平3−121146号公報に記載されている方法に従って、表1に記載した組成で、繊維の含有量が17重量%であり、ペレット長が9mmの繊維強化ペレットを作成した。1本のストランドは、4本の繊維より構成させた。成分(A)としては、クラレ株式会社製全芳香族ポリエステル繊維(商品名:ベクトラン)(167tex,繊維径20μm)を用いた。
用いたポリオレフィン樹脂(B)は、プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分,商品名:住友化学株式会社製ノーブレンU501E−1)(B−1)であり、用いた不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で変性された変性ポリオレフィン樹脂(C)は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=60g/10分、無水マレイン酸グラフト量=0.6重量%)(C−1)であった。なお、用いた不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で変性された変性ポリオレフィン樹脂(C−1)は、特開2004−197068公報の実施例1に記載された方法に従って作成した。
得られた繊維強化ペレットを射出成形し、得られたサンプルの曲げ弾性率、曲げ強度、IZOD衝撃強度を測定し、その結果を表1に示した。
特開平3−121146号公報に記載されている方法に従って、表1に記載した組成で、繊維の含有量が17重量%であり、ペレット長が9mmの繊維強化ペレットを作成した。1本のストランドは、4本の繊維より構成させた。成分(A)としては、クラレ株式会社製全芳香族ポリエステル繊維(商品名:ベクトラン)(167tex,繊維径20μm)を用いた。
用いたポリオレフィン樹脂(B)は、プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分,商品名:住友化学株式会社製ノーブレンU501E−1)(B−1)であり、用いた不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で変性された変性ポリオレフィン樹脂(C)は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル変性ポリプロピレン樹脂(MFR=77g/10分、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルグラフト量=2.3重量%)(C−2)であった。
なお、用いた不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で変性された変性ポリオレフィン樹脂(C−2)は、ポリプロピレン樹脂のパウダー([η]=3.0dl/g、エチレン含量0.2重量%)100重量部に、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート2重量部、有機多孔質パウダー(MEMBRANA社製 MP−1000)3重量部、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート0.3重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、製造した。
テクノベル社製二軸押出機KZW15−45MG(L/D=45,シリンダー径=15mm)を用い、シリンダー温度は180℃に設定し、スクリュー回転数は500rpmで行った。
MFR(単位:g/10分)は、A.S.T.M D1238に従って、測定温度230℃、荷重21.2Nで測定した。
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルグラフト量は、以下の手順で定量した。
サンプルを沸騰キシレンに溶解し、得られたサンプルの溶液を大量のメタノールに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収した。回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μm程度のフィルムを作成した。この作成したフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1730cm-1付近の吸収からグラフト量を定量した。
特開平3−121146号公報に記載されている方法に従って、表1に記載した組成で、繊維の含有量が17重量%であり、ペレット長が9mmの繊維強化ペレットを作成した。1本のストランドは、4本の繊維より構成させた。成分(A)としては、クラレ株式会社製全芳香族ポリエステル繊維(商品名:ベクトラン)(167tex,繊維径20μm)を用いた。
用いたポリオレフィン樹脂(B)は、プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分,商品名:住友化学株式会社製ノーブレンU501E−1)(B−1)であり、用いた不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で変性された変性ポリオレフィン樹脂(C)は、メタクリル酸グリシジル変性ポリプロピレン樹脂(MFR=13g/10分、メタクリル酸グリシジルグラフト量=0.7重量%)(C−3)であった。
得られた繊維強化ペレットを射出成形し、得られたサンプルの曲げ弾性率、曲げ強度、IZOD衝撃強度を測定し、その結果を表1に示した。
なお、メタクリル酸グリシジル変性ポリプロピレン樹脂は、以下の方法により製造した。
ポリプロピレン樹脂のパウダー([η]=3.0、エチレン含量0.2重量%)100重量部に、メタクリル酸グリシジル2重量部、スチレン2重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシ イソプロピル)ベンゼン0.8重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤IRG1010 0.1重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行った。
東洋精機製二軸押出機2D25−S(L/D=25,シリンダー径=20mm)を用い、シリンダー温度は250℃に設定し、スクリュー回転数は70rpmで行った。
MFR(単位:g/10分)は、A.S.T.M D1238に従って、測定温度230℃、荷重21.2Nで測定した。
メタクリル酸グリシジルグラフト量は、以下の手順で定量した。
サンプル1.0gをキシレン10mlに溶解した。サンプルの溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収した。回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μmのフイルムを作成した。この作成したフイルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1730cm−1付近の吸収よりグラフト量を定量した。
成分(A)のクラレ株式会社製全芳香族ポリエステル繊維(商品名:ベクトラン)(167tex,繊維径20μm)(A−1)の代わりに、ポリエチレンテレフタレート繊維(110tex,繊維径20μm)を用い、繊維の含有量を16wt%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
成分(A)のクラレ株式会社製全芳香族ポリエステル繊維(商品名:ベクトラン)(167tex,繊維径20μm)の代わりに、ポリエチレンテレフタレート繊維(110tex,繊維径20μm)を用い、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で変性された変性ポリオレフィン樹脂(C)の含有量を2重量%に変更し、繊維の含有量を27重量%に変更した以外は実施例2と同様にして評価を行った。
B−1:プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分,商品名住友化学株式会社製ノーブレンU501E−1)
B−2:プロピレン単独重合体(MFR=320g/10分)特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法により製造した。
C−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=60g/10分、マレイン酸グラフト量=0.6重量%)
C−2:2−ヒドロキシエチルメタクリレート変性ポリプロピレン樹脂(MFR=77g/10分、グラフト量=2.3重量%)
C−3:グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレン樹脂(MFR=13g/10分、グラフト量=0.7重量%)
D−1:ポリエチレンテレフタレート繊維(110tex,繊維径20μm)
これに対して、本発明の要件である成分(A)を満足しない比較例1、2は、機械的強度が不充分であることが分かる。
Claims (5)
- 全芳香族ポリエステル繊維(A)と、ポリオレフィン樹脂(B)と、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルで変性された変性ポリオレフィン樹脂(C)とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であって、
(A)の重量と、(B)と(C)のそれぞれの重量の合計との比(A/(B+C))が、5/95〜70/30であり、
(B)の重量と(C)の重量との比(B/C)が、99.5/0.5〜60/40であるポリオレフィン樹脂組成物。 - ポリオレフィン樹脂(B)がポリプロピレンである請求項1に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
- 全芳香族ポリエステル繊維(A)の重量平均繊維長が1〜50mmである請求項1または2に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物からなるペレットであって、プルトルージョン法によって得られ、ペレット長が2〜50mmであるペレット。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物または請求項4に記載のペレットからなる成形体。
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