JP4894256B2 - 半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発光光を検出するための光検出素子を有する半導体発光装置に係り、特に、光検出精度が高度に要求される用途で好適に適用可能な半導体発光装置に関する。
従来より、光ファイバや、光ディスクなどの用途の半導体発光装置には、これに組み込まれた半導体発光素子の光出力レベルを一定にする目的の一環として、半導体発光素子の発光光を検出する光検出機構が設けられている。この光検出機構は、例えば、発光光の一部を分岐させる反射板と、この分岐した発光光を検出する半導体光検出器とにより構成することも可能である。ところが、このような構成では、部品点数が多くなるだけでなく、反射板や、半導体光検出器を半導体発光素子に対して高精度に配置しなければならない。そこで、そのような問題を解決する方策の1つとして、半導体発光素子と半導体光検出器とを一体に形成して構成することが考えられる。しかし、これらを一体に形成するに際して、半導体発光素子と半導体光検出器との電極を共通化すると、寄生容量が大きくなってしまい、例えば光ファイバ通信のような高速動作の要求される用途には適さない。
そのため、そのような用途では、半導体発光素子と半導体光検出器との電極を別個独立に設けることが必要となり、例えば特許文献1に記載の構成とすることが好ましい。すなわち、図5に示したように、特許文献1に記載の半導体発光装置は、n型半導体層110、光吸収層111、およびp型半導体層112を有する半導体光検出器100と、n型DBR層121、n型クラッド層122、発光領域123Aを含む活性層123、p型クラッド層124、電流狭窄層125、p型DBR層126およびp型コンタクト層127を有する面発光型半導体レーザ200とをこの順に積層して構成される。このとき、面発光型半導体レーザ200用の電極128,129は、p型コンタクト層127からn型DBR層121の一部まで選択的にエッチングすることにより形成されたn型DBR層121の露出部分と、p型コンタクト層127のうち発光領域123Aと対応する領域以外の領域とに形成される。他方、半導体光検出器100用の電極113,114は、n型DBR層121を選択的にエッチングすることにより形成されたp型半導体層112の露出部分と、n型半導体層110の裏面とに形成される。
この半導体発光装置では、電極128,129から面発光型半導体レーザ200に電圧が印加されると、発光領域123Aにおいて生じた発光光により誘導放出が繰り返される結果、レーザ発振が生じ、所定の波長の光がビームとして開口部W100から射出される。このとき、面発光型半導体レーザ200内の光の一部が半導体光検出器100側に漏れ出るので、半導体光検出器100側に漏れ出た光の一部は光吸収層111に吸収され、吸収された光の出力レベルに応じた電気信号(フォトカレント)に変換されたのち、電極113,114を介して光出力モニタ信号として光出力演算回路(図示せず)に出力される。
特表平9−507339
このように、半導体光検出器100は、光を光吸収層111において検出するようになっているが、半導体光検出器100側に漏れ出てきた光はp型半導体層112を通過しないと光吸収層111に到達しない構造となっている。ところが、このp型半導体層112は、光吸収層111内で発生したキャリアをn型半導体層110との相互作用によって移動させるために高濃度の不純物がドープされたものであり、半導体光検出器100側に漏れ出てきた光に損失を与える性質を有する。そのため、p型半導体層112の光の透過性を良くするためにはp型半導体層112をできるだけ薄くすることが好ましい。一方で、このp型半導体層112は、光吸収層111から移動してきたキャリアを電流として取り出すために電極113との接触面(露出面)を確保することが必要である。この接触面は、例えば、上記したように、n型DBR層121を選択的にエッチングすることに形成することができる。このとき、光の透過性を良くするためにp型半導体層112を薄く形成していた場合は、p型半導体層112の厚さがエッチング深さに比べて極めて薄いので、エッチングをし過ぎてp型半導体層112を全て削ってしまったり、p型半導体層112に達する前にエッチングを止めてしまう虞がある。特に、上記したように、2段階に分けてエッチングを行うような場合は、最初の段階で生じたエッチング深さの誤差が次の段階におけるエッチング深さの誤差に重畳されることとなるので、エッチングの制御が極めて困難となり、歩留りが低下する虞がある。そのため、エッチングにより電極113との接触面を形成する場合は、エッチングによる誤差を考慮してp型半導体層112を厚くすることが必要となり、光吸収層への光の入射量をある程度犠牲にせざるを得ず、その結果、光吸収層での光吸収量、ひいては半導体光検出器から出力される電気信号の信号レベルが小さくなってしまうという問題があった。このように、従来は、エッチングの制御性と光吸収層への光の入射量とはトレードオフの関係にあり、これらを両立させることは容易ではなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、エッチングの制御性と光吸収層への光の入射量とを両立させることの可能な半導体発光装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の半導体発光装置は、第1導電型の第1半導体層および光吸収層をこの順に積層してなる半導体光検出器を備えており、さらに、半導体光検出器上に一体的に形成され、発光領域を含む半導体積層構造を有する半導体発光素子を備えている。光吸収層は、半導体積層構造に接すると共に、半導体積層構造側の表面に第2導電型の第2半導体層を有する。半導体積層構造は、第1導電型または第2導電型の第3半導体層と、発光領域を含む活性層と、第3半導体層とは異なる導電型の第4半導体層とを光吸収層側からこの順に積層して構成されている。第3半導体層は、第4半導体層側に露出面を有している。半導体発光素子は、第3半導体層の露出面に第1電極を有しており、半導体光検出器は、第2半導体層上に第2電極を有している。
本発明の半導体発光装置では、発光領域において生じた発光光により半導体積層構造内で誘導放出が繰り返される結果、所定の波長で発振が生じ、その光が積層方向に射出される。このとき、積層方向に射出された光の一部が半導体光検出器側に出力されるので、その一部が半導体光検出器の光吸収層に吸収され、吸収された光の出力レベルに応じた電気信号(フォトカレント)に変換される。これにより、この電気信号を利用して、外部に射出される光の出力レベルを計測することを可能にする。
ここで、第2半導体層は、光吸収層の半導体積層構造側に設けられていることから、半導体発光素子から半導体光検出器側に射出される光が通過する領域とは異なる部分に設けられたものである。従って、半導体光検出器側に射出された光が第1半導体層に直接入射することはないので、第2半導体層が半導体発光素子から半導体光検出器側に射出される光に対して損失を与える虞はない。
本発明の半導体発光装置の製造方法は、以下の(A)から()の工程を含むものである。
(A)第1導電型の第1半導体層、光吸収層、第1導電型または第2導電型の第3半導体層、発光領域を含む活性層、および第3半導体層とは異なる導電型の第4半導体層を結晶成長によりこの順に形成する工程
(B)第4半導体層から第3半導体層の一部までエッチングにより選択的に除去することにより、第3半導体層、活性層および第4半導体層をメサ形状に成型すると共に第3半導体層の一部を露出させる工程
(C)第3半導体層から光吸収層の一部までエッチングにより選択的に除去することにより、光吸収層の一部を露出させる工程
(D)光吸収層において露出した部分に、熱拡散またはイオンインプランテーションにより第2導電型の第2半導体層を形成する工程
(E)第3半導体層において露出した部分に第1電極を形成する工程
(F)第2半導体層上に第2電極を形成する工程
本発明の半導体発光装置の製造方法では、光吸収層において露出した部分に、熱拡散またはイオンインプランテーションにより第2半導体層が形成されるので、エッチングにより第1半導体層を露出させる必要がない。また、第2半導体層は、光吸収層の半導体積層構造側に設けられていることから、メサ形状に成型された第3半導体層、活性層および第4半導体層を含んで構成される半導体発光素子から半導体光検出器側に射出される光が通過する領域とは異なる部分に設けられたものである。従って、半導体光検出器側に射出された光が第1半導体層に直接入射することはないので、第2半導体層が半導体発光素子から半導体光検出器側に射出される光に対して損失を与える虞はない。
本発明の半導体発光装置によれば、第2半導体層を、半導体光検出器側に出力された光が直接入射しない部位に設けるようにしたので、光損失を低減するために第2半導体層の厚さを薄くする必要がない。これにより、厚さの薄い層をエッチングにより露出させる工程がなくなるので、エッチングの制御性が容易となる。また、半導体光検出器側に出力された光が光吸収層に到達するまでに通過する領域には第2半導体層が存在しない。これにより、半導体光検出器側に出力された光を、ほとんど損失の無い状態で光吸収層に入射させることができるので、光吸収層への光の入射量が大きくなる。その結果、光吸収層での光吸収量、ひいては半導体光検出器から出力される電気信号の信号レベルを大きくすることも可能となる。このように、エッチングの制御性と光吸収層への光の入射量とを両立させることができる。
本発明の半導体発光装置の製造方法によれば、エッチングの代わりに、熱拡散またはイオンインプランテーションにより第2半導体層を設けるようにしたので、エッチングにより第2半導体層を設ける必要がない。これにより、厚さの薄い層をエッチングにより露出させる工程がなくなるので、エッチングの制御性が容易となる。また、第2半導体層を、半導体光検出器側に出力された光が直接入射しない部位に設けるようにしたので、半導体光検出器側に出力された光が光吸収層に到達するまでに通過する領域には第2半導体層が存在しない。これにより、半導体光検出器側に出力された光を、ほとんど損失の無い状態で光吸収層に入射させることができるので、光吸収層への光の入射量が大きくなる。その結果、光吸収層での光吸収量、ひいては半導体光検出器から出力される電気信号の信号レベルを大きくすることも可能となる。このように、エッチングの制御性と光吸収層への光の入射量とを両立させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光装置の断面構成を表すものである。なお、図1は、模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なっている。この半導体発光装置は、半導体光検出器1上に、面発光型半導体レーザ2を配置すると共に、これら半導体光検出器1および面発光型半導体レーザ2を一体に形成して構成したものである。この半導体発光装置は、面発光型半導体レーザ2の発光光を開口部W(後述)から外部に射出すると共に、開口部Wから射出された光の出力レベルに応じた電気信号を半導体光検出器1から出力するようになっている。すなわち、この半導体発光装置は、上記電気信号を利用することにより面発光型半導体レーザ2の出力レベルを制御することを可能とするものである。
(半導体光検出器1)
半導体光検出器1は、n型半導体層10上に、光吸収層11と、p型半導体層12と、p側電極13とを有すると共に、n型半導体層10の裏面側に、n側電極14を有するものである。なお、n型半導体層10は本発明の「第1導電型の第1半導体層」、p型半導体層12は本発明の「第2導電型の第2半導体層」のそれぞれ一例に相当する。
n型半導体層10、光吸収層11およびp型半導体層12は、例えばGaAs系の化合物半導体によりそれぞれ構成される。なお、GaAs系化合物半導体とは、短周期型周期表における3B族元素のうち少なくともガリウム(Ga)と、短周期型周期表における5B族元素のうち少なくともヒ素(As)とを含む化合物半導体のことをいう。
n型半導体層10は、例えば、n型Alx1Ga1-x1As(0<x1<1)単層構造や、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を1組としてそれを複数組分積層して構成された多層構造により構成される。ここで、低屈折率層は、例えば厚さがλ/4n1 (λは発振波長、n1 は屈折率)のn型Alx2Ga1-x2As(0<x2<1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ/4n2 (n2 は屈折率)のn型Alx3Ga1-x3As(0<x3<x2)によりそれぞれ形成されている。なお、n型不純物としては、例えばケイ素(Si)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、ゲルマニウム(Ge)またはスズ(Sn)などが挙げられる。n型半導体層10が、上記したような多層構造で構成されている場合は、n型DBR層21(後述)と同様、面発光型半導体レーザ2の共振器の一部として機能するようになる。
このn型半導体層10は、光吸収層11内で発生したキャリアをp型半導体層12との相互作用によって移動させるために、かつ、n側電極14とオーミック接触させるために、高濃度の不純物がドープされたものである。
光吸収層11は、例えば、アンドープのGaAsにより構成され、面発光型半導体レーザ2から半導体光検出器1側に射出されてきた光の一部を吸収すると共に、吸収した光を電気信号に変換するようになっている。この電気信号は、p側電極13およびn側電極14に接続された光出力演算回路(図示せず)に光出力モニタ信号として入力され、光出力演算回路において開口部Wから射出されるレーザ光の出力レベルを計測するために用いられる。なお、光吸収層11は、不純物が含まれていないことが望ましいが、p型またはn型不純物が含まれていてもよい。
また、この光吸収層11には、p型半導体層12を形成するための露出面11A(第1露出面)が、面発光型半導体レーザ1と接していない部分、より具体的には、面発光型半導体レーザ2から半導体光検出器1側に射出される光が通過する領域以外の部分に形成されている。この露出面11Aは、例えば、後述するように、n型半導体層10上に光吸収層11からp型コンタクト層28まで成長させたのち、p型コンタクト層28から光吸収層11の一部まで2段階に分けてエッチングすることにより形成されたものである。このようにして露出面11Aを形成した場合は、図1に示したように、露出面11Aは光吸収層11と面発光型半導体レーザ2とが接している面よりも低い面上に設けられることとなるが、特にその部位に限定されるものではなく、例えば、光吸収層11と面発光型半導体レーザ2とが接している面と同一面上に形成されていてもよい。
p型半導体層12は、例えば、熱拡散またはイオンインプランテーションにより、露出面11Aにp型不純物をドープすることにより形成されたものである。p型半導体層12におけるp型不純物の濃度は、例えば、1x1018cm-3以上、5x1019cm-3以下程度である。なお、p型不純物としては、亜鉛(Zn)、カーボン(C)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)またはカドミウム(Cd)などが挙げられる。
このp型半導体層12は、光吸収層11内で発生したキャリアをn型半導体層10との相互作用によって移動させるために、かつ、p側電極13とオーミック接触させるために高濃度の不純物がドープされたものである。このように、p型半導体層12は高濃度の不純物を含有することから、通過する光に対して損失を与える性質を有する。しかし、このp型半導体層12は、光吸収層11の露出面11Aに形成されていることから、露出面11Aと同様、面発光型半導体レーザ2と共に光吸収層11の共通の面側に設けられたものであり、面発光型半導体レーザ2から半導体光検出器1側に射出される光が通過する領域以外の部分に配置されている。これにより、半導体光検出器1側に射出された光がp型半導体層12に直接入射することはないので、p型半導体層12が面発光型半導体レーザ2から半導体光検出器1側に射出される光に対して損失を与える虞はない。
p側電極13は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層をこの順に積層して構成されたものであり、p型半導体層12上に形成されると共にp型半導体層12と電気的に接続されている。n側電極14は、例えば、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層および金(Au)層とをn型半導体層10の裏面にこの順に積層した構造を有しており、n型半導体層10と電気的に接続されている。
(面発光型半導体レーザ2)
面発光型半導体レーザ2は、半導体光検出器1(具体的には光吸収層11)上に、半導体積層構造20を備える。この半導体積層構造20は、n型DBR層21、n型クラッド層22、活性層23、p型クラッド層24、電流狭窄層25、p型DBR層26、p型コンタクト層27を光吸収層11側からこの順に積層して構成され、p型コンタクト層27側からn型DBR層21の一部まで選択的にエッチングすることによりメサ形状となっている。なお、n型DBR層21およびn型クラッド層22は、本発明の「第1導電型または第2導電型の第3半導体層」の一例に相当し、p型クラッド層24、電流狭窄層25、p型DBR層26およびp型コンタクト層27は、本発明の「第3半導体層とは異なる導電型の第4半導体層」の一例に相当する。
半導体積層構造20は、例えば、上記半導体光検出器1と同様、GaAs系の化合物半導体により構成される。n型DBR層21は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を1組として、それを複数組分積層して構成されたものである。低屈折率層は、例えば厚さがλ/4n3 (n3 は屈折率)のn型Alx4Ga1-x4As(0<x4<1)、高屈折率層は、例えば厚さがλ/4n4 (n4 は屈折率)のn型Alx5 Ga1-x5As(0<x5<x4)によりそれぞれ形成されている。このn型DBR層21には、p型コンタクト層27側からn型DBR層21の一部まで選択的にエッチングすることにより、メサ部30の周辺部分に露出面21A(第2露出面)が形成されている。この露出面21Aは、後述のn側電極29を形成するための領域である。
n型クラッド層22は、例えば、Alx6Ga1-x6As(0<x6<1)により構成される。活性層23は、例えば、量子井戸層(図示せず)と障壁層(図示せず)とを交互に積層してなる多重量子井戸構造を有しており、アンドープのGaAsからなる量子井戸層と、アンドープのAlx7Ga1-x7As(0<x7<1)からなる障壁層とを一組として、それを複数層積層して構成される。この活性層23は、後述の電流注入領域25aと対向する領域に発光領域23Aを有する。なお、活性層23は、多重量子井戸構造以外の構造、例えば単一量子井戸構造やバルク構造を有するものであってもよい。p型クラッド層24は、例えば、Alx8Ga1-x8As(0<x8<1)により構成される。これらn型クラッド層22、活性層23およびp型クラッド層24は、不純物が含まれていないことが望ましいが、p型またはn型不純物が含まれていてもよい。
電流狭窄層25は、外縁領域に電流狭窄領域25bを有しており、中央領域に円形状の電流注入領域25aを有する。電流注入領域25aは、例えば、AlAsにより構成され、積層方向から見て例えば円形状となっている。電流狭窄領域25bは、例えば、メサ部30の側面側からAlAs中のAlを酸化することにより得られたAl2 3 (酸化アルミニウム)を含んで構成され、積層方向から見て例えばドーナツ形状となっている。これにより、電流狭窄層25はp側電極28およびn側電極29(後述)から注入された電流を狭窄する機能を有する。
p型DBR層26は、低屈折率層(図示せず)および高屈折率層(図示せず)を1組として、それを複数組分積層して構成されたものである。この低屈折率層は、例えば、厚さがλ/4n5 (n5 は屈折率)のp型Alx9Ga1-x9As(0<x9<1)、高屈折率層は、例えば、厚さがλ/4n6(n6 は屈折率)のp型Alx10 Ga1-x10 As(0<x10<x9)によりそれぞれ形成されている。p型コンタクト層27は、例えば、p型GaAsにより構成される。
面発光型半導体レーザ2は、さらに、p型コンタクト層27上にp側電極28を、n型DBR層21の露出面21A上にn側電極29を有する。p側電極28は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層をこの順に積層して構成されたものであり、p側コンタクト層27と電気的に接続されている。このp側電極28には、電流注入領域25aと対応する領域に開口部Wが設けられており、p側電極28は積層方向から見て例えばドーナツ形状となっている。n側電極29は、例えば、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層および金(Au)層とを露出面21Aにこの順に積層した構造を有しており、n型DBR層21と電気的に接続されている。
このような構成を有する半導体発光装置は、例えば、次のようにして製造することができる。
図2(A),(B)および図3(A),(B)はその製造方法を工程順に表したものである。半導体発光装置を製造するためには、GaAsからなる基板S上にGaAs系化合物半導体を、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition :有機金属気相成長)法により形成する。この際、GaAs系化合物半導体の原料としては、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン (AsH3)を用いる。
具体的には、まず、基板S上に、n型半導体層10、光吸収層11、n型DBR層21、n型クラッド層22、活性層23、p型クラッド層24、AlAs層25D、p型DBR層26、p型コンタクト層27をこの順に積層する(図2(A))。
次に、p型コンタクト層27上にフォトレジスト(図示せず)を成膜し、フォトリソグラフィ技術に基づき、メサ部30を形成することとなる領域にマスク(図示せず)を形成する。続いて、例えば塩素系のエッチングガスを使ったドライエッチング法によりp型コンタクト層27からn型DBR層21の一部までを選択的に除去する。これにより、n型DBR層21の一部に露出面21Aを含む平面が形成される(図2(B))。その後、マスクを除去する。
次に、上記と同様にして、メサ部30および露出面21Aの表面にマスク(図示せず)を形成したのち、例えば塩素系のエッチングガスを使ったドライエッチング法によりn型DBR層21および光吸収層11の一部を選択的に除去する。これにより、光吸収層11の一部に露出面11Aを含む平面が形成される(図3(A))。その後、マスクを除去する。
このように、本実施の形態では、露出面21Aおよび露出面11Aを形成する際に、2段階に分けてエッチングを行っているが、露出面21Aの形成されるn型DBR層21や、露出面11Aの形成される光吸収層11の厚さは、エッチング深さの精度を求められるような薄さではないので、エッチングの制御性は極めて容易であるといえる。
次に、熱拡散またはイオンインプランテーションにより、露出面11Aにp型不純物をドープする。熱拡散の場合は、上記と同様にして、露出面11A以外の表面にマスク(図示せず)を形成する。続いて、露出面11A上に不純物を堆積させたのち、熱処理を行って露出面11A上の不純物を光吸収層11中に拡散させる。他方、イオンインプランテーションの場合は、表面全体に絶縁膜(図示せず)を成膜したのち、その絶縁膜上に、上記と同様にして、露出面11A以外の表面にマスク(図示せず)を形成し、電磁界で加速させた不純物を絶縁膜を介して露出面11Aから光吸収層11中に打ち込む。これにより、p型半導体層12が形成される。その後、マスクや絶縁膜を除去する(図3(B))。
次に、水蒸気雰囲気中において、高温で酸化処理を行い、AlAs層25Dに高濃度に含まれるAlを選択的に酸化する。これによりAlAs層25Dのうち中央領域以外の領域(外縁領域)がAl2 3 を含む絶縁層となる。すなわち、外縁領域に電流狭窄領域25bが形成され、中央領域が電流注入領域25aとなる(図3(B))。
次に、上記と同様にして、p型コンタクト層27のうち電流狭窄領域25bと対応する領域および露出面11A以外の領域にマスク(図示せず)を形成する。続いて、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition :化学気相成長)法を用いてTi,PtおよびAuをこの順に積層する。その後、マスクを除去する。これにより、p側電極13,28が形成されると共に、開口部Wが形成される(図1)。
次に、例えばCMP( 化学機械研磨:Chemical mechanical planarization) 法により基板Sを除去したのち、上記と同様にして、露出面21Aや、n型半導体層10の裏面に、AuおよびGeの合金,NiおよびAuをこの順に積層することにより、n側電極21A,14が形成される(図1)。このようにして、本実施の形態の半導体発光装置が製造される。
この半導体発光装置では、p側電極28とn側電極29との間にそれぞれ所定の電位差の電圧が印加されると、電流狭窄層25により電流狭窄された電流が活性層23の利得領域である発光領域23Aに注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この発光光により半導体積層構造20内で誘導放出が繰り返される結果、所定の波長でレーザ発振が生じ、その光L1がビームとして開口部Wから射出されると共に、開口部Wとは反対側にも所定の波長の光L2がわずかながら射出される。
このとき、面発光型半導体レーザ2の開口部Wとは反対側には半導体光検出器1が配置されているので、面発光型半導体レーザ2から半導体光検出器1側に射出された光L2は、半導体光検出器2の光吸収層11に直接入射する。光吸収層11に入射した光L2の一部は、光吸収層11に吸収され、吸収された光の出力レベルに応じた電気信号(フォトカレント)に変換される。これより、この電気信号は、開口部Wから射出された光L1の出力レベルに応じた大きさを有する。この電流信号はp側電極13およびn側電極14に接続されたワイヤを介して光出力演算回路(図示せず)に出力される。p側電極13およびn側電極14からの電流信号は、光出力演算回路において光出力モニタ信号として受信され、これにより、開口部Wから射出されるレーザ光の出力レベルが計測される。
このように、本実施の形態の半導体発光装置では、p型半導体層12を、面発光型半導体レーザ2から半導体光検出器1側に射出される光L2が通過する領域とは異なる部分に設けるようにしたので、半導体光検出器1側に射出された光L2がp型半導体層12に直接入射することはない。これにより、面発光型半導体レーザ2から半導体光検出器1側に射出される光L2を、ほとんど損失の無い状態で光吸収層11に入射させることができるので、光吸収層11での光吸収量、ひいては半導体光検出器1から出力される電気信号の信号レベルを大きくすることができる。
また、本実施の形態の半導体発光装置を製造するに際して、p型半導体層を結晶成長により形成したのち、エッチング深さに比べて極めて薄いp型半導体層をエッチングにより露出させるようにしていた従来の製法に代わり、エッチング深さに比べて比較的厚い光吸収層11をエッチングにより露出させたのち、熱拡散またはイオンインプランテーションにより光吸収層11中にp型半導体層12を形成するようにしたので、エッチング深さの精度を求められるような薄さの層をエッチングにより露出させる必要がない。これにより、エッチングをし過ぎて光吸収層11を全て削ってしまったり、光吸収層11に達する前にエッチングを止めてしまうこともない。特に、上記したように、2段階に分けてエッチングを行うような場合は、最初の段階で生じたエッチング深さの誤差が次の段階におけるエッチング深さの誤差に重畳されることとなるが、光吸収層11がその誤差の大きさに比べて十分厚いのでその誤差を考慮しなくても光吸収層11を確実に露出させることができる。従って、本実施の形態の半導体発光装置の製造方法では、エッチングの制御が従来の製法と比べて極めて容易であり、歩留りが向上する。
このように、本実施の形態の半導体発光装置およびその製造方法では、エッチングの制御性と光吸収層11への光の入射量とを両立させることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、半導体材料をGaAs系化合物半導体により構成した場合について説明したが、GaInP系(赤系)材料またはAlGaAs系(赤外系)半導体や、GaN系(青緑色系)などにより構成されていてもよい。
また、本発明は、上記実施の形態で例示した製造方法に限定されるものではなく、他の製造方法であってもよい。
本発明の一実施の形態に係る半導体発光装置の断面構成図である。 半導体発光装置の製造工程を説明するための断面図である。 図2に続く工程を表す断面図である。 半導体発光装置の作用を説明するための断面図である。 従来の半導体発光装置の断面構成図である。
符号の説明
1…半導体光検出器、2…面発光型半導体レーザ、10…n型半導体層、11…光吸収層、11A,21A…露出面、12…p型半導体層、13,28…p側電極、14,29…n側電極、20…半導体積層構造、21…n型DBR層、22…n型クラッド層、23…活性層、23A…発光領域、24…p型クラッド層、25…電流狭窄層、25a…電流注入領域、25b…電流狭窄領域、25D…AlAs層、26…p型DBR層、27…p型コンタクト層、30…メサ部、L1,L2…光、S…基板、W…開口部。

Claims (5)

  1. 第1導電型の第1半導体層および光吸収層をこの順に積層してなる半導体光検出器と、
    発光領域を含む半導体積層構造を有し、前記半導体光検出器上に一体的に形成された半導体発光素子と
    を備え、
    前記光吸収層は、前記半導体積層構造に接すると共に、前記半導体積層構造側の表面に第2導電型の第2半導体層を有し、
    前記半導体積層構造は、第1導電型または第2導電型の第3半導体層と、前記発光領域を含む活性層と、前記第3半導体層とは異なる導電型の第4半導体層とを前記光吸収層側からこの順に積層して構成され、
    前記第3半導体層は、前記第4半導体層側に露出面を有し、
    前記半導体発光素子は、前記露出面に第1電極を有し、
    前記半導体光検出器は、前記第2半導体層上に第2電極を有する
    半導体発光装置。
  2. 前記第2半導体層は、熱拡散またはイオンインプランテーションにより形成されたものであ
    請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記光吸収層は、アンドープの半導体材料により構成されている
    請求項1または請求項2に記載の半導体発光装置。
  4. 第1導電型の第1半導体層、光吸収層、第1導電型または第2導電型の第3半導体層、発光領域を含む活性層、および前記第3半導体層とは異なる導電型の第4半導体層を結晶成長によりこの順に形成し、
    前記第4半導体層から前記第3半導体層の一部までエッチングにより選択的に除去することにより、前記第3半導体層、前記活性層および前記第4半導体層をメサ形状に成型すると共に前記第3半導体層の一部を露出させ、
    前記第3半導体層から光吸収層の一部までエッチングにより選択的に除去することにより、光吸収層の一部を露出させ、
    前記光吸収層において露出した部分に、熱拡散またはイオンインプランテーションにより第2導電型の第2半導体層を形成し、
    前記第3半導体層において露出した部分に第1電極を形成し、
    前記第2半導体層上に第2電極を形成する
    半導体発光装置の製造方法。
  5. 前記光吸収層は、アンドープの半導体材料により構成されている
    請求項4に記載の半導体発光装置の製造方法。
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