JP4892548B2 - Hivに対して中和活性を有する抗体又はその断片 - Google Patents

Hivに対して中和活性を有する抗体又はその断片 Download PDF

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Description

本発明は、HIVに対する中和活性を有し、かつHIV感染の治療及び/又は予防に役立つ、抗体又はその断片に関する。本発明は、該抗体を含む医薬組成物、診断の組成物及び受動免疫療法を提供する方法に関する。
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)は、動物レトロウィルスのレンチウィルス科の構成員であり、後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因となる因子である。今まで、HIVタイプ1(HIV−1)及びタイプ2(HIV−2)の二つの近縁種が分子レベルで同定されそして特徴付けされている。
逆転写酵素阻害剤のような、HIVに対する抗ウィルス剤の導入は、AIDSに冒された患者の状態を大いに改善することを許す。しかしながら、大抵の場合、これらのAIDSに対する薬剤の治療的な効果は部分的又は一時的であり、そしてさらに、これら薬剤は造血細胞に対する毒性又は成長阻害を示し、かつそれにより、不全となった免疫システムの再構築を阻害する。
それ故に、AIDS予防計画及び抗レトロウィルス薬治療(VALDISERRI, 2003, Nat. Med, 9:881)は有効な殺菌剤及びワクチンと組み合わせられるべきであることが一般に認められている。しかし、そのようなワクチンの設計及び試験は複雑であると示されている(LETVIN, et al. 2002, Annu. Rev. Immunol., 20:73; McMICHAEL & HANKE, 2003, Nat. Med., 9:874)。
粘膜表面はHIV−1の進入のための主要部位である(NICOLOSI, et al. 1994, J. Acquir. Immun. Defic. Syndr., 7:296)。HIV−1の伝染は、***、初乳、母乳、及び膣頸部流体のような、HIV−1に感染した流体に粘膜の表面がさらされることを通じて起こりうる(CHERMANN, 1998, Am. J. Reprod. Immunol., 40:183; MILMAN & SCHARMA, 1994, AIDS, 10:1305)。
HIVと粘膜表面との相互作用の故に、HIVを意図するワクチンの構成部分は、粘膜の免疫システムを、粘膜のウィルス伝染と潜在的な受容体の初期段階を妨げることに従事させる。
AIDSウィルス中和性抗体が、防御において重要な役割を明らかに果たしうることが認められている。
しかしながら、実験室で増やされた特定のウィルス株に対する中和性抗体を得ることは可能だが、広い範囲の株を中和することができ、かつインビボで有効に活性である抗体の実施は、いまだ同様の成功を収めていない。
それ故に、HIVの感染、及び特にHIV−1の感染を中和することを許す抗体の必要がある。
粘膜表面を通じたHIV感染を予防すること及び/又は減らすことを許す抗体の必要がある。
また、受動免疫療法において用いられるべきことが意図された薬剤の製造のために抗体を供給する必要がある。
診断の目的の為に用いられうる抗体の必要がある。
本発明は、それら上述の必要の全て又は一部を満たすことを目的として有する。
発明者らは、上述の満たされていない必要を満たすことを許す効率的なモノクローナル抗体を得た。特に、発明者らは、H鎖可変領域の特定の相補性決定領域3(CDR3)を有する新規の分泌型IgA(S−IgA)抗体Fabを同定し、該抗体はHIV−1のgp41タンパク質由来の特定のペプチドを認識する。この新たに同定された抗体はHIV−1のトランスサイトーシスを阻害し、かつCD4+ T細胞の感染を妨げる能力も有する。
それ故に、その第1の面の一に従い、本発明は配列ID NO 7の配列のペプチド又はその類似体を認識するモノクローナル抗体又はその断片に関係し、そのH鎖可変領域の相補性決定領域3(CDR3)は配列ID NO 1のペプチド配列又はその機能的類似体を含み、さらに、配列ID NO 2及び配列ID NO 3のペプチド配列を夫々有するCDR1及びCDR2又はそれらの機能的類似体を含む。
本明細書で用いられる語「抗体の断片」は、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端の欠失を有するが、残存するアミノ酸配列は天然に発生する配列中において対応する位置と同一である抗体であり、かつその生物学的特性を維持された又は不利に影響されていないものを云う。この抗体の断片は、アミノ酸残基の挿入、欠失、及び/若しくは置換のような追加的な修正、並びに/又はキメラタンパク質を作成するための他のペプチド又はタンパク質との融合を含みうる。語「抗体の断片」は、抗体の様々な部分、すなわち定常、可変、重及び軽鎖をも包含しうる。
本発明の意味において、ペプチドに関する表現「機能的類似体」は、他のアミノ酸配列とのアミノ酸配列の相同性又は同一性を有し、かつ該他のペプチド配列と比較して類似の又は保存された生物学的特性を有するペプチドを云うことが意図されている。典型的には、ペプチド類似体は、天然に発生する配列に対して保存的なアミノ酸の置換(及び/又は挿入及び/又は欠失)を含んだ。
その面の他に従い、本発明は配列ID NO 7のペプチド配列を認識するH鎖可変領域又はその類似体に向けられており、該H鎖可変領域のCDR3は配列ID NO 1のペプチド配列又はその機能的類似体を含む。
その面の他に従い、本発明の抗体又はその断片は、HIVを中和する能力を有する。
その面の他に従い、本発明は、本発明の抗体又はその断片をコードする核酸配列、同様に該核酸配列を含むベクター及び宿主細胞にも関係する。
その面の他に従い、本発明は、活性な剤として、本発明の抗体若しくはその断片、本発明の核酸配列、本発明のベクター又は本発明の宿主細胞、及び適当なキャリアから選ばれる剤の有効量を含む医薬組成物に関する。
その面の他に従い、本発明は、サンプル中のHIV株をインビトロで検出するための、診断の組成物及び方法にも向けられる。
その面の他に従い、本発明は、少なくとも1の本発明の抗体又はその断片の治療的に有効量を投与することを含む、HIVに感染しうる個人の受動免疫療法を提供する方法にも関係する。
抗体
本発明に従う抗体は、完全な免疫グロブリン、又はその断片、及び特にその抗原結合性部分を云う。
免疫グロブリンは4量体分子であり、ポリペプチド鎖の2つの同一なペアからなり、夫々のペアは1つの“軽”(L)鎖(約25kDa)及び一つの“重”(H)鎖(約50〜70kDa)を有する。夫々の鎖のアミノ末端部分は約100〜110又はそれ以上のアミノ酸の可変領域(V)を含み、主として抗原認識に責任がある。夫々の鎖のカルボキシ末端部分は、主としてエフェクター機能に責任がある定常領域(C)を定める。ヒト軽鎖はλ及びκ軽鎖に分類される。重鎖定常領域はμ、δ、γ、α、又はεとして分類され、抗体アイソタイプをIgM、IgD、IgG、IgA、及びIgEとして夫々定める。軽/重鎖ペア夫々の可変領域は、完全な免疫グロブリンが概して少なくとも2つの結合部位を有するように、抗体結合部位を形成する。
本発明の特定の実施態様では、本発明のモノクローナル抗体又はその断片は、IgA、及びより特には分泌型IgA(S−IgA)であってよい。
他の実施態様に従い、本発明のモノクローナル抗体又はその断片はヒト抗体であってよい。
免疫グロブリン鎖は、相補性決定領域又はCDRとも呼ばれるフリーの超可変領域の隣に、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)継ぎ目の同じ一般構造を表す。それぞれのペアの2つの鎖からのCDRは、フレームワーク領域の隣に整列させられており、特定のエピトープ(抗体の抗原を結合する部分)に結合することを可能とする。N末端からC末端にかけて、軽及び重鎖のいずれも、FR1、CDR1、FR2、CRD2、FR3、CDR3及びFR4ドメインを含む。
本発明の抗体は、特にH鎖可変領域のCDR3として、配列ID NO 1のペプチド配列又はその機能的類似体を含む。この配列は、21アミノ酸長であり、中ほどにトリプトファン又はフェニルアラニン(W又はF)のような芳香族疎水性アミノ酸残基を含む(N末端から始まり10番目のアミノ酸、配列ID NO 1において1文字アミノ酸表記においてWとして示される)。
何らかの特定の理論に束縛されないが、発明者らは、この芳香族疎水性アミノ酸残基が抗原、すなわち配列ID NO 7のペプチド配列により同定されるペプチドP1、の認識において重大な役割を果たしうると考える。それ故に、本発明のCDR3配列の任意の機能的類似体も、少なくとも約15アミノ酸、好ましくは少なくとも約18アミノ酸、及びより特には約20〜21アミノ酸の配列の長さを有すべきであり、かつその配列の中ほどにトリプトファン又はフェニルアラニンのような芳香族疎水性残基又はその類似体を含むべきである、と考えられる。
他の実施態様に従い、本発明のモノクローナル抗体又はその断片のH鎖可変領域はさらに、配列ID NO 2及び配列ID NO 3のペプチド配列を夫々有するCDR1及びCDR2又はそれらの機能的類似体から選択される、少なくとも1のCDRを含む。
特定の実施態様に従い、本発明のモノクローナル抗体又はその断片のH鎖可変領域はCDRとして、配列ID NO 2、配列ID NO 3及び配列ID NO 1のペプチド配列を夫々有するCDR1、CDR2及びCDR3を含む。
他の実施態様の範囲内で、本発明は前に定義されたH鎖可変領域にも向けられる。
本発明のH鎖可変領域は、P1と呼ばれかつ配列ID NO 7のペプチド配列を有するペプチド又はその類似体を認識しうる。
ペプチドP1は、ウィルスが標的細胞と相互作用する前にウィルス粒子の表面に露出されるHIVエンベロープタンパク質gp41に存在するアミノ酸配列に対応する。HIV−1株において、この配列はgp41タンパク質のアミノ酸650からアミノ酸685から成る。
溶液中において、このペプチドは構造化された、濃度依存的オリゴマーの状態、すなわち2量体又は4量体の状態を取る(ALFSEN & BOMSEL, 2002, J. Biol. Chem., 277: 25649)。
それ故に、本発明に従う抗体若しくはH鎖可変領域又はそれら断片は、モノマー又はオリゴマーの形態下でペプチドP1を認識しうる。
P1のペプチド配列(配列ID NO 7)は、当技術分野で既知の種々の抗体により認識される種々のエピトープ配列を含む。そのようなエピトープは、モノクローナル抗体IgG 2F5により認識されるエピトープELDKWA、及びモノクローナル抗体IgG 4E10により認識されるエピトープNWFDITである。
本発明の実施態様の範囲内で、本発明に従う抗体又はその断片は、2F5及び4E10として知られるエピトープを認識しない。
本発明の他の実施態様の範囲内で、本発明に従う抗体又はその断片は、配列ID NO 4、配列ID NO 5及び配列ID NO 6のペプチド配列を夫々有するCDR1、CDR2及びCDR3又はそれらの機能的類似体から選択される少なくとも1の相補性決定領域を含むL鎖可変領域をも含みうる。
それ故に、他の実施態様に従い、本発明は配列ID NO 4、配列ID NO 5及び配列ID NO 6のペプチド配列を夫々有するCDR1、CDR2及びCDR3又はそれらの機能的類似体から選択される少なくとも1のCDRを含むL鎖可変領域に関する。
他の実施態様に従い、本発明のL鎖可変領域はCDRとして、配列ID NO 4、配列ID NO 5及び/又は配列ID NO 6のペプチド配列を夫々有するCDR1、CDR2及びCDR3を含む。
他の実施態様に従い、本発明に従うモノクローナル抗体又はその断片は、配列ID NO 8及び配列ID NO 9のアミノ酸配列を夫々有するH鎖可変領域及びL鎖可変領域を含む。
実施態様に従い、本発明に従う抗体は、実施例の部分においてクローン43として同定され、かつ、配列ID NO 8及び配列ID NO 9のアミノ酸配列を夫々有するH鎖可変領域及びL鎖可変領域を含むFabである。
他の実施態様に従い、本発明の抗体は、本発明のH鎖可変領域を含む組み換え抗HIV抗体又はその断片であってよい。
他の実施態様に従い、本発明の組み換え抗体は追加的に本発明のL鎖可変領域を含みうる。
従って、本発明のH鎖可変領域のCDR3、又は全体としてのH鎖可変領域は、例えばIgGアイソタイプのフレームワークのような、IgAアイソタイプと異なるフレームワークを有するキメラの又は組み換え抗体を構築するために用いられうる。そのような構築物は、“Molecular Cloning - A Laboratory Manual” (2nd ed.), Sambrook et al.,1989, Coldspring Harbor Laboratory, Coldspring Harbor Press, N.Y. (Sambrook)に記載されているような当技術分野で既知のいずれかの分子生物学的手段により得られうる。キメラの又は組み換え抗体は、抗体全体又はその断片であってよい。
従って、H鎖可変領域又はL鎖可変領域の本発明のCDRの機能的類似体は、本発明に従って当初配列の代わりにある抗体にいったん挿入されると、配列ID NO 7のペプチド又はその機能的類似体を認識するその能力及びHIVを中和し及び/又はHIV感染を阻害するその能力を維持し又はその能力に不都合な影響を及ぼさない。
本発明は、本発明のヒト抗体に由来するFab断片並びにIgG及び同様物のような他のIgサブタイプに由来するヒトFcドメインを含む抗体にも関する。
それ故に、実施態様に従い、本発明は、前に定義されたH鎖可変領域を含む、本発明に従う抗体又はその断片の抗原結合部分にも向けられる。この抗原結合部分は任意的に前に定義されたL鎖可変領域を含んでよい。
抗原結合部分は、いずれかの既知の組み換えDNA技術により、又は完全な抗体の酵素的又は化学的開裂により製造されうる。抗原結合部分は、とりわけ、Fab(VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる1価断片)、F(ab’)(ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含む2価断片)、Fv(抗体の一つの腕のVL及びVHドメインからなる断片)、Fd(VH及びCH1ドメインからなる断片)、dAb断片(VHドメインからなる)、scFv(VL及びVH領域が対にされて、合成リンカーを介して1価分子を形成している抗体からなる)、キメラ抗体、二重特異性抗体、及び相補性決定領域(CDR)断片を含みうる。
本発明の抗体又はその断片のHIVを中和する能力は、以下に示されそして実施例に表されるように、トランスサイトーシスの阻害分析及びCD4+ T細胞の感染の遮断分析を通じて評価されうる。
抗体の中和活性
HIVに対する、本発明の抗体又はその断片の中和活性は、上皮細胞を横切るHIVトランスサイトーシスの阻害及び/又はCD4+ T細胞のHIV感染の阻害により評価されうる。
実施態様に従い、中和されるHIVは、より特にはHIV−1株である。
本発明のモノクローナル抗体の、細胞を横切るHIVのトランスサイトーシスを阻害する能力の評価は、極性が与えられたいずれかの細胞において実施されうる。一つの実施態様では、極性が与えられた細胞は、例えば腸細胞株HT−29若しくは子宮内膜細胞株HEC−1のような上皮細胞、又はヒト粘膜バイオプシーからの細胞であってよい(Bomsel et al., Immunity, 1998, 3:277)。典型的には、細胞株が、2つの独立したチャンバー(上方のものは上皮単層の頂端面を浴につけ、下方のものは基底面を浴につける)の間の境界面を形成する(例えば0.45μmの孔径を有する)透過性フィルター支持体上に、すき間無い、極性が与えられた単層のように増殖させられるか、あるいはバイオプシーが用いるチャンバー中に据え付けられる。
トランスサイトーシスは、例えばHIV−1に感染した末梢血単核球(PBMC)のような、HIVに感染した細胞を、頂端チャンバー(apical chamber)で接触させることにより開始されうる。
試験されるべき抗体は、HIVに感染した細胞の適用の前若しくは後で、頂端チャンバーに施与されうる、又はHIV−1ウィルス若しくはHIV−1に感染した細胞とともに予備インキュベートされうる。
試験されるべき本発明の抗体は、さまざまな濃度、例えば約0.01から約10ng/ml、特に約0.1から5ng/ml又はさらに特には約0.5から約1ng/mlで適用されてよい。
ウィルストランスサイトーシス及び可能ならばその阻害の評価は、PCR、RT−PCR、又はELISAのような当技術分野で既知のいずれかの技術により、基底側培地中におけるHIVの核酸又はタンパク質の検出により実施されうる。
一つの実施態様では、ウィルストランスサイトーシスの評価のために用いられうるHIVペプチドは、例えばPASTEUR−SANOFI(フランス)により用意されるキットを用いた、ELISA分析により検出されうるp24ペプチドであってよい。
特定の実施形態では、本発明のモノクローナル抗体又はその断片が、約10の、HIV−1に感染したPBMCに、約0.5ng/mlから約5ng/mlの濃度で添加され、そして、約17℃又は約4℃で約1時間培養され、その後頂端チャンバーへ感染した細胞が植え付けられたときは、本発明のモノクローナル抗体又はその断片は、10のHIV−1PBMCの頂端チャンバーへの添加により開始されるウィルストランスサイトーシスを、抗体なしで実施されたウィルストランスサイトーシスに比べて、少なくとも約50%だけ、特には少なくとも約75%だけ、さらに特には少なくとも約95%だけ阻害しうる。
他の実施態様では、HIV感染PBMCの添加に先立って、本発明の抗体又はその断片は頂端チャンバーに添加されうる。そのような実施態様では、トランスサイトーシスの阻害は、抗体なしで実施されたウィルストランスサイトーシスに比べて少なくとも約50%でありうる。
例として、本発明の対象でもあるクローン43のFab及びFdは、HIVトランスサイトーシスを夫々少なくとも約70%及び約80%だけ阻害しうる。
特定の実施態様では、本発明の対象でもあるクローン43のFab及びFdは、本技術分野で既知の慣用の方法に従い、フローサイトメトリー分析により測定されるように、HIV−1(JRCSF クローン R5)に感染したPBMCの表面で発現されているgp41に特異的に結合することができる。
他の実施態様では、本発明に従うモノクローナル抗体又はその断片は、CD4+T細胞のHIV感染を阻害する能力を示す。
特定の実施態様では、本発明の抗体又はその断片と共に、ウィルスを約1ng/mlで約37℃で約30分間の培養した後で、HIVによるCD4+T細胞の感染が、抗体を伴わないで又はウィルスを認識しない非特異的抗体と共に、CD4+T細胞のHIV感染が実施された場合に比べて、少なくとも約75%だけ、及びさらに特には少なくとも約95%だけ阻害されうる。
例として、本発明の対象であるFabクローン43はCD4+T細胞のHIV感染を少なくとも95%だけ阻害しうる。
核酸、ベクター及び宿主細胞
本発明の抗体は、実施例の部分において記載されているように得られるFab IgAファージディスプレイライブラリーのスクリーニングにより同定される。
コンビナトリアルライブラリー生成及び操作の方法は、文献中に広く記載されてきており、かつ当技術分野の当業者の一般的な知識に由来する。
コンビナトリアルFabファージディスプレイライブラリーは、(酵素結合免疫吸着検定(ELISA)プレートのような)固体支持体上に固定化された抗原に対する反復のパンニングにより、配列ID NO 7の配列を有するペプチドP1上でスクリーンされた。本方法はマイクロパンニングとして知られており、Azzay & Highsmith(Clinical Biochemistry, 2002, 35:425-445)中に記載されている。
開始濃度は例えば約125マイクロMでよく、この濃度でペプチドP1は2量体/4量体のオリゴマー化状態を採る。
バクテリオファージの外側で示される、抗原、すなわちペプチドP1、と抗原と結合するドメインの間の相互作用の検出は、当技術分野で既知のいずれかの技術により評価されうる。例えば、ELISA分析が用いられ、プレートのウェル中でペプチドP1が塗布され、そしてその後ライブラリーからのファージが適用される。
夫々のファージに特有である、抗原結合部位をコードする遺伝子は、その後、選択されたファージのファージ核酸から回収され、完全な抗体分子又は上記のFab断片、F(ab’)、又はscFvのようなその類似体のための遺伝子を構築するために配列決定されそして用いられる。
選択されたファージから回収された、抗原結合部位をコードする遺伝子の配列は、当技術分野の当業者に由来する既知のいずれかの技術に従い配列決定されうる。
例えば、配列決定は、Taq蛍光ジデオキシヌクレオチドターミネーターサイクルシーケンシングキット(Applied Biosystems)により、自動化されたDNAシーケンサーを用いることにより実施されうる。二本鎖DNAは、例えばバクテリアから調製され、配列決定は、FabのH及びL鎖(夫々のFab鎖の上及び下流)のクローニングのために用いられるベクターに特異的にアニールするプライマーのセットを用いて実施されうる。例えば、pComb3Xベクターを用いる場合、表2に説明される配列を有するプライマーが用いられうる。
それゆえに、他の実施態様に従い、本発明は、本発明の重及び軽鎖可変領域アミノ酸配列(これら配列は夫々配列ID NO 8及び配列ID NO 9である)をコードするcDNA、RNA、及びその同様物のような核酸分子にも関する。
特に、本発明の核酸配列は、H鎖可変領域については配列ID NO 10であり得、そしてL鎖可変領域については配列ID NO 11の配列でありうる。
もちろん、遺伝コードの縮重により、配列ID NO 8の重鎖可変領域アミノ酸配列及び配列ID NO 9の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む抗体又はその機能的類似体の産生に向けられることができる核酸配列をもたらすであろう配列ID NO 10及び配列ID NO 11に夫々示される重及び軽鎖可変領域の核酸配列において、変異が考慮されてよい。
実施態様に従い、本発明は、本発明の抗体又はその断片をコードする核酸配列にも関する。この核酸は、RNA、cDNA及びその同様物であってよい。本発明の核酸配列は、当技術分野の既知のいずれかの分子生物学的技術によりキメラタンパク質を構築するために、他の核酸配列に融合されうる。例えば、本発明の核酸配列は、その後例えば本発明の抗体を精製することを助けるために用いられうる、HA−TagのHis−Tagをコードする核酸に融合されうる。
他の実施態様に従い、本発明は、本発明によるモノクローナル抗体又はその断片をコードする核酸配列を含む発現ベクターにも関する。
そのような発現ベクターは、様々な種類の細胞中で、本発明に従うモノクローナル抗体又はその断片の発現のために用いられうる。そのようなベクターは、プラスミド又はウィルス性ベクターであってよい。そのようなベクターは、宿主細胞中での自律複製の能力があり、又は宿主細胞のゲノムに組み込まれうる。
本発明を達成するために召集しうる発現ベクターの例として、pComb3X又はpASK88が挙げられうる。
本発明は、バクテリア、哺乳動物細胞(CHO又はHEK293)、昆虫細胞(Sf9細胞のような)、又は植物細胞(タバコ、トマト)のような様々な宿主細胞による、本発明の抗体又はその断片の発現も意図している。
発現後、本発明の抗体は、当技術分野における既知のいずれかの技術により単離され及び精製されうる。例えば、抗体はHis−Tag又はHA−Tagを用いて発現され、そしてその後、ニッケルカラム上で又は当技術分野で通常的に実施されるような特異的な抗体により精製されうる。
それ故に、本発明は、本発明によるモノクローナル抗体又はその断片をコードする核酸配列により形質転換された宿主細胞にも向けられる。宿主細胞は、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム技術、リポフェクション、例えば組み換えウィルスを用いた感染のような、当技術分野で既知のいずれかの形質転換の技術に従い入手されうる。本発明は、バクテリアの場合はエレクトロポレーション、若しくは哺乳動物細胞(CHO)の場合はリポフェクションのような、本発明によるモノクローナル抗体又はその断片をコードする核酸配列により形質転換された宿主細胞に向けられる。
医薬組成物
一つの実施態様に従い、本発明は、活性な剤として、本発明の抗体、特にはクローン43、若しくはその断片、本発明のH鎖可変領域、本発明の組み換え抗HIV抗体若しくはその断片、本発明に従う核酸、本発明に従う発現ベクター又は本発明に従う宿主細胞、及び適当なキャリアから選ばれる剤の少なくとも1の有効量を含む医薬組成物に関する。
他の実施態様に従い、上記の活性な剤が、HIV感染の、及び特にはHIV−1感染の、予防及び/又は治療において用いられることが意図される医薬の製造のために用いられうる。
語「有効量」は、期待される効果、すなわちHIVの中和及び/又はHIV感染の予防、を認めるのに必要な最小の量を意味する。個々の患者に対する本発明に従う抗体又はその断片の治療的又は予防的有効量は、副作用を最小限にしながら、治療的又は予防的効果(すなわち感染の減少又は予防)に至るために個人に与えられた抗体の量として決められうる。有効量は、個人のHIV抗原の量の血清学的な減少により測定されうる。
本発明の抗体又はその断片の治療的又は予防的有効量のための、典型的であり、限定的でない範囲は、約0.1〜100mg/kg、より特には約0.5〜50mg/kg、より特には約1〜20mg/kg、及びさらにより特には約1〜10mg/kgである。
他の実施態様に従い、本発明のモノクローナル抗体若しくはその断片、又は本発明の医薬組成物は、HIVに感染しうる又はHIVにさらされやすい個人に、少なくとも1の本発明に従う抗体若しくはその断片、又は本発明の医薬組成物の治療的有効量を投与することにより、受動免疫療法に用いられうる。本発明の受動免疫療法は、HIV感染により引き起こされたAIDS又は関係する状態を示す個人に、若しくはHIV感染の恐れのある個人に実施されうる。
一つの実施態様に従い、本発明の受動免疫療法は、予防的に、すなわちHIVへの起こりやすい曝露の前に、実施されてもよい。
本発明の医薬組成物は、経口で、注射で(静脈内に若しくは鼻腔内に、又は同様の方法で)、局所的に、経直腸的に、経膣的に、又は同様の方法で投与されうる。
それゆえに、本発明の医薬組成物は、注射可能な又は不溶解性の滅菌溶液、分散物又は懸濁物、錠剤、丸薬、粉薬、リポソーム、座薬及びクリームのような、様々なガレノス形態下に調製されうる。
本発明の医薬組成物の製造において用いられる適当なキャリアは、実施されることが意図されるガレノス形態に従い採用されるべきである。そのような適当なキャリアは、水、生理食塩水、リン酸塩緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、及び同様物、並びにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。湿潤剤若しくは乳化剤、保存剤又は緩衝剤のような医薬的に許容される物質も、本発明の医薬組成物に含まれうる。
本発明の医薬組成物は、本発明の活性な剤に加えて、抗レトロウィルス剤のような、HIVに対する少なくとも1の他の活性な剤も含みうる。他の実施態様に従い、そのような追加的抗レトロウィルス剤は、本発明の医薬組成物との組み合わせで、同時に、別に、又は時間内に連続的に、投与されうる。
他の実施態様の範囲内で、本発明の抗体又はその断片は、治療用の目的のために標識されてもよく、その場合には、標識剤は、放射性同位体又は放射性核種(131I、99Tc、111In又は同様物)、百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、ドキソルビシン及び同様物のような、薬物複合体又は毒素でありうる。
診断用組成物及び応用
本発明のモノクローナル抗体又はその断片は、サンプル中のHIV株、特にはHIV−1株をインビトロで検出するための方法において診断的な剤としても用いられうる。
その実施態様の一つでは、本発明の方法は少なくとも
a)サンプルを少なくともの1の本発明の抗体又はその断片と、該抗体又はその断片と配列ID NO 3の配列を有するペプチド又はその機能的類似体を含むHIVタンパク質の間で複合体を形成する為に適当な条件下で接触させること、及び
b)該複合体の存在を検出すること
の工程を含む。
複合体の検出は、当技術分野で既知のいずれかの免疫アッセイにより実施されうる。
そのようなアッセイは、放射免疫アッセイ、ウェスタンブロットアッセイ、免疫蛍光アッセイ、(ELISAのような)酵素免疫アッセイ、化学発光アッセイ、免疫組織化学的アッセイ、及び同様方法を含むが、これらに限定されない。
さらに検出の容易のために、本発明のモノクローナル抗体又はその断片が、検出可能なマーカーにより標識されうる。標識剤の例として、フルオレセイン若しくはローダミンのような蛍光化合物、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ若しくはルシフェラーゼのような酵素、アビジン若しくはストレプトアビジン結合の間接的測定を通じた検出を許すビオチン、又は例えば放射性同位体若しくは放射性核種としてH、14C若しくは125Iを含む放射性標識されたアミノ酸が挙げられる。
その実施態様の他に従い、本発明は、本発明による抗体又はその断片を含む診断用組成物にも向けられる。
本発明をより理解されるように、以下の実施例が説明される。
これら実施例は、説明の目的のためのみであり、何らかの様式に本発明の範囲を限定するとして解釈されるものでない。
図面の説明
図1:高度に曝露された、持続的にIgG血清陰性(HEPS)の個人の抗HIV−1 IgA含有膣頸部分泌物にさらされたgp41由来のHIV−1タンパク質のイムノブロットを表す。陽性対照として、gp41ペプチドのイムノブロットが、HIV血清陽性の個人から得られた血清を用いて行われた。そして、陰性対照として、同じ実験がHIV血清陰性の個人の血清を用いて行われた。
図2:プラスミドpComb3Xの概略図を表しており、Fab IgAファージライブラリー由来の重及び軽鎖の可変及び定常領域は、夫々制限酵素部位Sac 1とXba 1の間、及びXho 1とSpe 1の間に挿入されている。
図3:選択されたIgA Fabクローンによる子宮内膜HEC−1細胞株を横切るHIV−1のトランスサイトーシスの阻害を表す。陰性対照は、ELISAにおいてP1を認識しなかった非特異的Fabクローンを用いた実験の実施により得られた。陽性対照は、2F5抗体IgAを用いることにより得られた。
図4:HIV−1 Lai2によるHeLa CD4+CXCR4+LTR LacZ細胞の感染の阻害を表し、HIV−1 Lai2は37℃で30分間、1ng/mlの濃度の選択されたFabと共にインキュベートされ、その後、細胞と共に37℃で1時間インキュベートされた。陰性対照(標準)は、Fabを用いずに又はELISAにおいてP1を認識しなかった非特異的Fabクローンを用いて実施された。陽性対照は、2F5抗体IgAを用いて実施された。
図5:本発明に従う抗体のH鎖可変領域の相補性決定領域3(CDR3)(配列ID NO 1)並びにCDR1及びCDR2(配列ID NO 2及び配列ID NO 3)のアミノ酸配列を表す。本発明に従う抗体のL鎖可変領域の、配列ID NO 4、配列ID NO 5及び配列ID NO 6の相補性決定領域CDR1、CDR2及びCDR3のアミノ酸配列も表される。HIV−1のgp41の位置649と684の間に含まれるアミノ酸配列に対応するペプチドP1のアミノ酸配列の配列ID NO 7も表される。
図6A及び6B:クローンFab43の重鎖可変領域(配列ID NO 8及び配列ID NO 10)及び軽鎖可変領域(配列ID NO 9及び配列ID NO 11)のアミノ酸配列及び核酸配列を表す。
図7:オンラインで無料で利用できる(そして、M.P.Lefranc、フランスにより作られた)IMTGプログラムを用いて得られたFab IgAクローン43の軽及び重鎖のフレームワーク(FR)領域及び相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列を表す。IMGT/V−QUEST ソフトウェア(http://imgt.cines.fr)
表1:HEPS個人から得られたDNAを増幅するために用いられたプライマーの配列を表す。
表2:ファージディスプレイライブラリーからFab IgAの核酸配列を同定し及び配列決定するために用いられたプライマーの配列を表す。
実施例1
高度に曝露された、持続的にIgG血清陰性(HEPS)の個人の膣頸部分泌物中の抗HIV−1 IgAの同定
カンボジア出身の56のHEPSの頸部分泌物がHIV−エンベロープ糖タンパク質 S−IgAについて試験された。分泌物は、3mlの滅菌PBSを用いて2日の性的禁欲後に集められた。サンプルは、遠心され、そして冷凍され、そして−80℃で保存された。***によるサンプルの汚染が、インキュベート時間を増加させ及び基質としてオルト−フェニレンジアミンジヒドロクロライドを用いて最適化されたこと以外は製造業者に従う***検出分析(SEMA; HUMANGEN FERTILITY DIAGNOSTICS, Charlottesville, VA)を用いて測定された。汚染されたサンプルは廃棄された。
HIVに対する特異的なIgA抗体の存在が、市販入手可能なキット(New Lav Blot1, Sanofi-Pasteur, フランス)を用いて、製造業者に従う手順を用いて、ウェスタンブロットにより試験された。試験されたサンプルのうち、22は高水準の抗HIVエンベロープgp41分泌型IgA(S−IgA)を含有した(図1)。
実施例2
IgAのFabを発現するコンビナトリアルファージディスプレイライブラリーの構築
実施例1の22の同定されたHEPSの粘膜のB細胞が、IgAのFabを発現するコンビナトリアルファージディスプレイライブラリーを構築するために用いられた。全RNAは、22のHEPS個人の膣頸部分泌物由来の濃縮されたB細胞集団から、標準的な技術を用いて調製された。全RNA(60μg)は、迅速な一段階のグアニジンイソチオシアネート/フェノールクロロホルムに基づくRNA単離により、頸部B細胞から精製された(Chomczynski & Sacchi, Anal. Biochm., 1987, 162:156-9.)。この全RNAは逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を用いて、相補的DNA(cDNA)に転換された。得られたcDNAライブラリーは、表1に表される粘膜Fab IgA特異的プライマーを用いて増幅された。
増幅されたDNAはその後、軽鎖(L)に対してはSac 1及びXba 1、並びに重鎖(H)に対してはXho 1及びSpe 1により消化され、そして消化産物は同じ酵素により消化されたベクターpComb3X(Barbas et al., Proc Natl Acad Sci U S A, 1991, 88:7978-82)中に挿入された。消化されたベクターと消化されたPCR産物はT4ファージのDNAリガーゼを用いて連結された(4の挿入物と1のベクターとT4DNAリガーゼ、14℃で一晩)(図2)。得られた組み換えプラスミドはその後、エレクトロポレーションによりバクテリアE.coli(pilus+,male)TG1を形質転換するために用いられた。
バクテリアの形質転換後の培養液中における抗体cDNAのライブラリーがその後、ヘルパーファージVCS−M13(1012pfu)(Strategene, La Jolla, CA)による重感染によりバクテリオファージ上で発現された。
ファージ調製物が回収された。ファージは20%(重量/体積)ポリエチレングリコール8000及び2.5M NaClの添加と、それに続く1時間の氷上でのインキュベーションにより沈殿された。遠心後、ファージペレットがリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁され、そして数分間微量遠心されペレットデブリにされた。
個々のコロニーからの制限消化分析は、約35%のファージがFab IgAを含むこと、及びライブラリーに含有される力価は概して10cfu/mlであり、そして10の種々のクローンであった。
実施例3
ペプチドP1(配列ID NO 7)上でのFab IgAファージライブラリーのスクリーニング
Fab IgAファージディスプレイライブラリーがマイクロパンニングにより選抜された。マイクロパンニングにおいて抗原濃度はそれぞれのラウンドで異なる状態であった。スクリーニングに用いられた抗原はペプチドP1(Alfsen & Bomsel, 2002, J. Biol. Chem., 277:25649-59; ベルギー王国、Eurogentecより入手)であった。用いられたペプチドP1の開始量は20μgであった、そしてその量はそれぞれのラウンドで2で割られ、最終的に第4回目でその量は2.5μgに至った。
96−プレートのウェル(Exiqon peptide Immobilirez, 10202-111-10)が125マイクロMのペプチドP1で覆われ、この濃度ではペプチドP1は2量体である。その後、ウェルはBSAにより37℃で2時間ブロックされた。ライブラリーから調製された濃縮ファージがその後、ウェルに1012〜1013pfuで加えられ、37℃で2時間置かれた。結合されなかったファージはその後激しい洗浄、第1回目及び第2回目の選抜のラウンドでは、0.1%Tween−20を含有するPBSにより10回、それから界面活性剤を除去するためにPBSにより10回、により除去された。選抜の後のラウンドでは、洗浄は0.1%Tween−20を含むPBSで20回実施され、その後PBSで20回実施された。P1結合性表面Fabのエピトープを持つファージの特異的な溶出が、0.1Mグリシン−HCLによる処理により、pH2.2に調節されて10分間実施された。溶出液はすぐに中和され、そして新鮮な2mlのE.coli TG1 バクテリア培養液(OD600=1)を感染するために用いられた。バクテリアは、30℃で30分間インキュベートされ、培養液の体積は増加させられ、そして培養液は37℃の振とう器中で1時間インキュベートされ、そしてその後1012pfu/mlのVCS−M13ヘルパーファージが、組み換えファージの一晩かけての製造のために添加された。溶出されたファージは、それぞれのパンニングラウンドの間に増幅された。
パンニング後、4つのラウンドからの個々のクローンが増殖させられ、そしてFabの存在が、表2に示される、ベクターにFab軽及び重鎖に対して上流及び下流でハイブリダイズする、特異的なプライマーを用いてPCRにより監視された。Fab IgAを含有するクローンは、E.coliアンバー非サプレッサー株に形質転換することにより可溶化Fabに転換され、そしてIMGT/V−QUESTソフトウェアを用いて重(H)及び軽(L)鎖の可変領域配列を決定するために配列決定された(図7)。
免疫グロブリン遺伝子の配列決定
配列決定は、Taq蛍光ジデオキシヌクレオチドターミネーターサイクルシーケンシングキット(Applied Biosystems)を用いて自動化されたDNAシーケンサーを用いて行われた。二本鎖DNAはバクテリアから調製され、そして配列決定はpComb3Xベクターに夫々のFab鎖の上及び下流で特異的にアニールするプライマーのセット(表2参照)を用いて実施された。
図6は、クローン43のH及びL鎖可変領域の配列決定の結果を示す(配列ID NO 10及び配列ID NO 11)。
図7は、IMGTソフトウェアを用いた相補性決定領域の対応するアミノ酸配列の同定結果を示す。
クローニングのために用いられたベクターは、タグ(His−tag及びHA−tag)配列及びファージタンパク質pIIIの間にアンバーコドンを有し、TG1のようなE.coliサプレッサー株を用いてファージのコートタンパク質と融合された抗体を製造するため、又はTOP10のような非サプレッサー株中においてベクターを発現することにより可溶化抗体を製造するための機会を提供する。この利点を考慮し、ファージのDNAは、PIII融合タンパク質なしで可溶Fab断片を発現するために、TOP−10E.coli(アンバー非サプレッサー株)を形質転換するために用いられた。Fab発現は1mMイソプロピルb−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を用いて誘導された。
本発明のモノクローナル抗体の大規模発現のために、オペロン全体がpComb3XからベクターpASK88に移された(Skerra A,. Gene, 1994, 151(1-2): p. 131-5; Gene, 1994, 141(1): p. 79-84; SkerraA,. et al., Biotechnology(N Y), 1991. 9(3), p.273-8; SkerraA. & A. Pluckthun,Protein Eng, 1991, 4(8):p971-9)。本発明のモノクローナル抗体のFab DNAは、pASK88ベクター中へのサブクローニングに必要とされる制限部位を導入する特異的なプライマーを用いて増幅された。増幅産物はアガロースゲル電気泳動により精製され、そして重鎖の場合は制限酵素Pst1及びNco1により、軽鎖の場合はSac1及びHindIIIにより切断された。Fd(VH−CH1)及び軽鎖(VL−CL)遺伝子は、標準的なプロトコルを用いて、同じ制限酵素により消化されたpASK88中に別個に挿入され、そして連結された。連結産物はサーモコンピテントJM83(Skerra博士より提供)バクテリアの細胞中に形質転換され、個々のクローンにおいて分離するためにプレートされた。いくつかのクローンについてのプラスミドDNAは、制限消化により、及びそれらのうちのいくつかについては、特異的なプライマーを用いた二本鎖配列決定により分析された。
発現ベクターpASK88は、免疫グロブリンの可変ドメイン遺伝子の簡便なクローニング並びにエシェリヒア コリにおいて対応するFab断片のペリプラズムの分泌のために設計された。このプラスミドにおいて、発現はテトラサイクリンプロモーターの制御下にあった。
大量の本発明のモノクローナル抗体が、このベクターを用いて得られた。予備的発現は1リットルスケールで実施され、E.coli K−12 JM83を発現宿主として採用した。細胞は、対数増殖期中期に増殖させられ、そしてその後Fab発現が0.2mg/Lアンヒドロテトラサイクリンにより4時間又は一晩誘導された。
本発明のモノクローナル抗体の精製は、Ni−NTAスピンカラム(Qiagen)上でHis−tagとの相互作用により実施された。滅菌されたペリプラズム画分フィルターがカラム上に適用され、そしてクロマトグラフィーバッファー中の250〜500mMのイミダゾール勾配がサンプルを集めるために加えられた。
実施例4
ファージディスプレイライブラリーからの可溶IgA Fabクローンにより実施されたELISAアッセイ
ELISAはTOP10F’バクテリア(pComb3X 系)から得られた可溶IgA Fabにより及びK−12 JM83バクテリア(pASK88系)から得られた可溶IgA Fabにより実施された。
プレート(固定されたExiqon ペプチド, 10202-111-10又はNUNC, 439454)のウェルがP1ペプチド(HIV−1のgp41のアミノ酸配列649〜684)により覆われ、そしてBSAにより37℃で2時間ブロックされた。それから、精製されたIgAが2ng/mlで添加され、そして37℃で2時間インキュベートされた。検出は、マウス抗Ha抗体(クローン12CA5、Roche)又は抗His(PentaHis、Qiagen 34660)、及び続くホースラディッシュペルオキシダーゼヤギ抗マウス抗体(Caltag Laboratories,H1003)により、行われた。酵素の反応は基質としてTMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン, Kikergaard & Perry Laboratories Inc.)を添加することにより進展され、吸収は、1Mリン酸の添加後に、ELISAリーダーを用いて450nmで測定された。陽性対照は2F5抗体であり、陰性対照はパンニング後に得られた、ELISAでP1を認識しないクローンであった。
実施例5
トランスサイトーシスの阻害
上皮細胞を横切るHIV−1トランスサイトーシス及び抗体によるトランスサイトーシスの中和が、2つの独立したチャンバー(上皮単層の頂端(発光)面を浴につける上部のもの及び基底(漿膜)面を浴につける下部のもの)の間に境界面を形成する透過性フィルター支持体(0.45μm孔径)上に、7日間、すき間の無い、極性が与えられた単層として増殖させられた腸細胞株HEC−1上で実施された。PBMCはLagayaら(J. Virol, 2001, 75:4780)において示されたように得られ、そして調製された。それから、PBMCは、フィトヘマグルチニン(PhA)により48時間活性化され、そしてHIV−1 JRCSFクローンR5又はYU2を接種され、そして感染後7日で用いられた。精製されたS−IgA(5ng/ml)は頂端側のチャンバーに添加され、そして37℃で10分間インキュベートされた。ウィルストランスサイトーシスを開始するために、2.10HIV−1+PBMCが頂端側のチャンバーに添加された。HIV−1+PBMCと上皮細胞単層の間の接触は、HIV−1ウィルス粒子の迅速な発芽を結果し、上皮細胞の頂端側から基底側の極へのそれらのトランスサイトーシスが続いた。2時間後、抗体によるトランスサイトーシスの阻害が、ELISA(Coulter, France or PASTEUR SANOFI, FRANCE)による基底側培地中のHIVのタンパク質p24の検出により決定された。抗体の不存在における若しくはP1非特異的Fabの存在における、又は対照IgA 2F5の存在における、p24の水準が、夫々陰性又は陽性の対照として、夫々100、98及び35%の値で測定された。陰性対照の値は、トランスサイトーシスの100%として扱われ、そして結果を表すために用いられた。
実験は、3つの独立した実験において行われた。
結果は、50%超だけHIVトランスサイトーシスを阻害できた3つのクローンを確認することを許し、それらはクローン43及び44である(図3)。
実施例6
HIV感染の阻害
HIV−1 Lai2が、HeLa CD4+ CXCR4+ LTR LacZ 細胞(Dragic etal.,1992, J. Virol., 66:4794-4802)との37℃で1時間のインキュベーションに先立ち、37℃で30分間1ng/mlの濃度で選択されたFabと共に予備インキュベートされた。結合しなかったウィルスは、37℃で36時間のインキュベーションに先立ち、2回細胞を洗浄することにより除去された。その後、CPRG基質を用いて細胞抽出物中のβ−ガラクトシダーゼ活性を測定すること及び比色測定により細胞のHIV含有が分析された。陰性対照は、Fabを用いないで又はELISAにおいてP1を認識しなかった非特異的Fabクローンを用いて実施された。
図3の結果は、夫々全く同じに実施された少なくとも2の独立した実験の平均である。
結果は、75%超又は95%超だけCD4+細胞のHIV−1感染を阻害することができた5のクローンの確認を許す(図4)。それらクローンの内で、2つはHIVトランスサイトーシスも阻害でき、それらはクローン43及び44である(実施例4参照)。
Figure 0004892548
Figure 0004892548
HIV-1タンパク質のイムノブロットの結果の図である。 プラスミドpComb3Xの概略図である。 選択されたIgA FabクローンによるHIV−1のトランスサイトーシスの阻害結果を表すグラフである。 HIV−1 Lai2によるHeLa CD4+CXCR4+LTR LacZ細胞の感染の阻害結果を表すグラフである。 本発明に従う抗体のH鎖可変領域及びL鎖可変領域の相補性決定領域、並びにペプチドP1のアミノ酸の配列である。 クローンFab43の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列並びにクローンFab43の重鎖可変領域の核酸配列である。 クローンFab43の軽鎖可変領域の核酸配列である。 Fab IgAクローン43の軽及び重鎖のフレームワーク(FR)領域及び相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列である。

Claims (17)

  1. 配列ID NO 7の配列のペプチドを認識するモノクローナル抗体又はその断片であって、そのH鎖可変領域の相補性決定領域3(CDR3)は配列ID NO 1のペプチド配列を含み、該H鎖可変領域はさらに、配列ID NO 2及び配列ID NO 3のペプチド配列を夫々有するCDR1及びCDR2を含む、上記モノクローナル抗体又はその断片。
  2. 配列ID NO 4、配列ID NO 5及び配列ID NO 6のペプチド配列を夫々有するCDR1、CDR2及びCDR3を含むL鎖可変領域を含む、請求項1に従うモノクローナル抗体又はその断片。
  3. IgAである、請求項1又は2に従うモノクローナル抗体又はその断片。
  4. ヒト抗体である、請求項1〜のいずれか1項に従うモノクローナル抗体又はその断片。
  5. 鎖可変領域が配列ID NO 8のアミノ酸配列を有しかつ鎖可変領域が配列ID NO 9のアミノ酸配列を有する、請求項1〜のいずれか1項に従うモノクローナル抗体又はその断片。
  6. HIVを中和する能力を有する、請求項1〜のいずれか1項に従うモノクローナル抗体又はその断片。
  7. 中和されるHIVがHIV−1株である、請求項に従うモノクローナル抗体又はその断片。
  8. 配列ID NO 7のペプチド配列を認識するH鎖可変領域であって、該H鎖可変領域のCDR3は配列ID NO 1のペプチド配列を含み、さらに配列ID NO 2及び配列ID NO 3のペプチド配列を夫々有するCDR1及びCDR2を含む、上記H鎖可変領域。
  9. 請求項に従うH鎖可変領域を含む、組み換え抗HIV抗体又はその断片。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項おいて定義される、モノクローナル抗体又はその断片をコードする核酸
  11. H鎖可変領域の配列が配列ID NO 10であり、かつL鎖可変領域の配列が配列ID NO 11である、請求項10に従う核酸
  12. 請求項11において定義される核酸を含む発現ベクター。
  13. 請求項10あるいは11において定義される核酸により又は請求項12において定義されるベクターにより形質転換された宿主細胞。
  14. 請求項1〜7及び9のいずれか1項において定義される抗体又はその断片、請求項10又は11において定義される核酸、請求項12において定義されるベクター又は請求項13に従う宿主細胞から選ばれる有効量の剤を、活性な剤として、及び適当なキャリアを含む医薬組成物。
  15. 請求項1〜7及び9のいずれか1項において定義される抗体又はその断片、請求項10あるいは11において定義される核酸、又は請求項12において定義されるベクター又は請求項13に従う宿主細胞を、適当なキャリアと一緒にする工程を含む、HIV感染の予防及び/又は治療において用いられることが意図される医薬の製造のために使用する方法。
  16. 請求項1〜7及び9のいずれか1項において定義される抗体又はその断片を含む診断用組成物。
  17. サンプル中のHIV株をインビトロで検出するための方法において、少なくとも
    a)該サンプルと、請求項1〜7及び9において定義される少なくとも1の抗体又はその断片とを、該抗体又はその断片と配列ID NO 7のペプチドを含むHIVタンパク質との間の複合体を形成する為に適当な条件下で、接触させること、及び
    b)該複合体の存在を検出すること
    の工程を含む方法。
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