JP4888049B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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本発明は、自発分極を有する単安定型の強誘電性液晶を用いた液晶表示素子に関するものである。
液晶表示素子は薄型で低消費電力などといった特徴から、大型ディスプレイから携帯情報端末までその用途を広げており、その開発が活発に行われている。これまで液晶表示素子は、TN方式、STNのマルチプレックス駆動、TNに薄層トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動等が開発され実用化されているが、これらはネマチック液晶を用いているために、液晶材料の応答速度が数ms〜数十msと遅く、動画表示に充分対応しているとはいえない。
強誘電性液晶(FLC)は、応答速度がμsオーダーと極めて短く、高速デバイスに適した液晶である。強誘電性液晶はクラークおよびラガーウォルにより提唱された電圧無印加時に安定状態を二つ有する双安定性のものが広く知られているが(図14上段)、明、暗の2状態でのスイッチングに限られ、メモリー性を有するものの、階調表示ができないという問題を抱えている。
近年、電圧無印加時の液晶層の状態がひとつの状態で安定化している(以下、これを「単安定」と称する。)強誘電性液晶が、電圧変化により液晶のダイレクタ(分子軸の傾き)を連続的に変化させ透過光度をアナログ変調することで階調表示を可能とするものとして注目されている(非特許文献1参照、図14下段)。単安定性を示す液晶としては、一般に、降温過程においてコレステリック相(Ch)−カイラルスメクチックC(SmC)相と相変化し、スメクチックA(SmA)相を経由しない強誘電性液晶が用いられる(図13上段)。
一方、強誘電性液晶としては、降温過程においてコレステリック相(Ch)−スメクチックA(SmA)相−カイラルスメクチックC(SmC)相と相変化し、SmA相を経由してSmC相を示す材料がある。現在報告されている強誘電性液晶材料の中では、前者のSmA相を経由しない材料に比べて、後者のSmA相を経由する相系列を持つものが大半である。後者のSmA相を経由する相系列を持つ強誘電性液晶は、通常、1層法線に対して二つの安定状態を有し(図13下段)、双安定性を示すことが知られている。
また、近年、カラー液晶表示素子の開発が活発に行われている。カラー表示を実現する方法としては、一般にカラーフィルタ方式とフィールドシーケンシャルカラー方式がある。カラーフィルタ方式は、バックライトとして白色光源を用い、R・G・Bのマイクロカラーフィルタを各画素に付随させることによりカラー表示を実現させるものである。これに対し、フィールドシーケンシャルカラー方式は、バックライトをR・G・B・R・G・B…と時間的に切り替え、それに同期させて強誘電性液晶の白黒シャッターを開閉し、網膜の残像効果により色を時間的に混合させ、これによりカラー表示を実現させるものである。このフィールドシーケンシャルカラー方式は、1画素でカラー表示ができ、透過率の低いカラーフィルタを用いなくてすむので、明るく高精細なカラー表示が可能となり、低消費電力および低コストを実現することができる点で有用である。
フィールドシーケンシャルカラー方式は1画素を時間分割するものであるので、良好な動画表示特性を得るためには白黒シャッターとしての液晶が高速応答性を有していることが必要である。強誘電性液晶を用いればこの課題を解決することができる。この際に用いられる強誘電性液晶としては、上述したようにアナログ変調による階調表示を可能とし、高精細なカラー表示を実現するために、単安定性を示すものであることが特に望ましい。また、単安定性を示す強誘電性液晶には、正負両極性の電圧に応答するもの(図14下段右)と、正負いずれかの極性の電圧のみに応答するもの(図14下段左)がある。中でも、薄膜トランジスタ(TFT)素子を用いて強誘電性液晶を駆動させる場合には、正負いずれかの極性の電圧に応答するものの方が、自発分極による反転電流の影響が少ないため、特に好ましい。
ここで、TFT素子を用いたフィールドシーケンシャルカラー方式による液晶表示素子の駆動シーケンスの一例を図15に示す。図15において、液晶表示素子への印加電圧を0〜±V(V)として、正の極性の電圧でデータ書込み走査を行い、負の極性の電圧でデータ消去走査を行うとする。そして、単安定性を示し、正負いずれかの極性の電圧にのみ応答する強誘電性液晶を用いたとする。
単安定性を示し、正負いずれかの極性の電圧にのみ応答する強誘電性液晶の応答としては、図12に例示するように、正の極性の電圧で応答して明状態となる場合(図12(a))と、負の極性の電圧で応答して明状態となる場合(図12(b))とがある。したがって、図15に示すように、図12(a)の応答(液晶応答1)を示す強誘電性液晶を用いた場合は正の極性の電圧を印加したときに明状態となり、図12(b)の応答(液晶応答2)を示す強誘電性液晶を用いた場合は負の極性の電圧を印加したときに明状態となる。
TFT素子を用いた強誘電性液晶の駆動は、TFT基板に対向する共通電極基板の共通電極に一定の電圧を印加し、TFT基板の各画素の画素電極に電圧を印加することで行う。ここで、共通電極に対して、画素電極の電圧が相対的に高い場合を正の極性の電圧印加、画素電極の電圧が相対的に低い場合を負の極性の電圧印加とする。
強誘電性液晶として、正の極性の電圧のみに応答するものを用いた場合にも電荷のバランスをとるため、正の極性の電圧印加(書き込み)と負の極性の電圧印加(消去)を交互に行う。TFT素子を用いた場合、全ての画素に同時に電圧を書き込むことはできないため、1ライン毎に走査する。そのため、1ライン目の書き込みとLライン目の書き込みはタイミングがずれる。消去についても同様で、図15に示す例では、全てのラインの書き込みが終了した後に、1ライン目から消去を行う。
さらにフィールドシーケンシャルカラー方式では、書き込みと消去をバックライトの点滅に同期させて行う。図15において、+(R)とはR(赤色)のバックライトに同期させて書込み走査(正の極性の電圧印加)したことを示し、−(R)とはRのバックライトに同期させて消去走査(負の極性の電圧印加)したことを示す。同様に、+(G)、−(G)、+(B)、−(B)についても、それぞれG(緑色)、B(青色)のバックライトに同期させて走査したことを示す。
このようにフィールドシーケンシャルカラー方式では、バックライトのR・G・B…の時間的な切り替えに同期させて、書込み走査および消去走査を行い、強誘電性液晶を応答させるので、Rのバックライトに同期させて走査する際には、液晶応答1を示す強誘電性液晶を用いた場合は、1ライン目の書込み走査(+(R))およびLライン目の書込み走査(+(R))のいずれにおいても、Rのバックライトの点灯中に明状態となる。一方、液晶応答2を示す強誘電性液晶を用いた場合は、1ライン目とLライン目とで書込み走査(+(R))および消去走査(−(R))が時間的にずれるので、Rのバックライトに同期させたLライン目の消去走査(−(R))によって、Gのバックライトの点灯時に明状態となってしまう(図15の太枠)。また、Gのバックライトに同期させて走査する際には、Gのバックライトに同期させたLライン目の消去走査(−(G))によって、Bのバックライトの点灯時に明状態となってしまう(図15の太枠)。
なお、図15おいて、明(R)とはR(赤色)のバックライトに同期させた走査によって明状態となることを示し、暗とはR(赤色)・G(緑色)・B(青色)のそれぞれのバックライトに同期させた走査によって暗状態となることを示す。また同様に、明(G)、明(B)についても、それぞれG(緑色)、B(青色)のバックライトに同期させた走査によって明状態となることを示す。
通常の液晶表示装置では、正の極性の電圧および負の極性の電圧のいずれで、書込み走査を行うか、消去走査を行うかは決まっており、容易に変更することはできないので、上述した不具合を回避するには、単安定性を示す強誘電性液晶が応答する電圧の極性を、印加電圧の極性に合わせる必要がある。この強誘電性液晶の応答性は、強誘電性液晶の自発分極の向きで決まるため、自発分極の向きを制御することができれば、強誘電性液晶が応答する電圧の極性を制御することができる。
強誘電性液晶は、ネマチック液晶に比べて分子の秩序性が高いために配向が難しい。特に、SmA相を経由しない強誘電性液晶は、層法線方向の異なる二つの領域(以下、これを「ダブルドメイン」と称する。)が発生する(図13上段)。このようなダブルドメインは、駆動時に白黒反転した表示になり、大きな問題となる。このため、様々な配向処理方法が検討されている。
例えば、ダブルドメインを改善する方法として、液晶セルをコレステリック相以上の温度に加熱し、直流電圧を印加したまま徐々に冷却する電界印加徐冷法が知られている(非特許文献2参照)。この電界印加徐冷法を用いた場合には、印加する電界の向きにより自発分極の向きを制御することができる。しかしながら、この方法では、再度相転移点以上に温度が上がると配向乱れが生じてしまい、また、製造工程が複雑になり、画素電極の間の電界が作用しない部分で配向乱れが発生する等の問題がある。
また、強誘電性液晶を単安定化する方法として、上下の配向膜として光配向膜を用い、これらの光配向膜にそれぞれ異なる組成の材料を用いる方法が提案されている(特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。この方法において、上下の光配向膜に異なる組成の材料を用いることにより良好な配向状態が得られる理由は明らかではないが、上下の光配向膜のそれぞれと強誘電性液晶との相互作用の相違によるものと考えられている。しかしながら、この方法により得られる液晶表示素子では、実際に駆動してみなければ強誘電性液晶の自発分極の向きを知ることができない。
さらに、強誘電性液晶を単安定化する他の方法として、上下の配向膜のいずれか一方に、反応性液晶を塗布して配向させ固定化することにより反応性液晶層を形成し、この反応性液晶層を配向膜として作用させる方法が提案されている(特許文献4参照)。この方法では、反応性液晶が強誘電性液晶と構造が比較的類似していることから、強誘電性液晶との相互作用が強くなるため、配向膜のみを用いた場合よりも効果的に配向を制御することができ、上下の配向膜の一方に反応性液晶層を形成することにより、ダブルドメイン等の配向欠陥を生じることなく強誘電性液晶を配向させることができる。しかしながら、この方法により得られる液晶表示素子においても、実際に駆動してみなければ強誘電性液晶の自発分極の向きを知ることができない。
特開2005−208353号公報 特開2005−234549号公報 特開2005−234550号公報 特開2005−258428号公報 NONAKA, T., LI, J., OGAWA, A., HORNUNG, B., SCHMIDT, W., WINGEN, R., and DUBAL, H., 1999, Liq. Cryst., 26, 1599. PATEL, J., and GOODBY, J. W., 1986, J. Appl. Phys., 59, 2355.
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、単安定性を示す強誘電性液晶を用いた液晶表示素子において、強誘電性液晶の自発分極の向きを制御することが可能な液晶表示素子を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1基材と、上記第1基材上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜とを有する第1配向処理基板、および、第2基材と、上記第2基材上に形成された第2電極層と、上記第2電極層上に形成され、光二量化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光二量化型材料を含有する光配向膜、またはラビング膜である第2配向膜とを有する第2配向処理基板を、上記第1配向膜と上記第2配向膜とが対向するように配置し、上記第1配向膜と上記第2配向膜との間に強誘電性液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、上記強誘電性液晶が、単安定性を示し、かつ、上記第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、上記強誘電性液晶の分子方向が上記第1配向処理基板面に対して平行に上記強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化するものであることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
本発明によれば、光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜と、光二量化型材料を含有する光配向膜、またはラビング膜である第2配向膜とでは、光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜側に、強誘電性液晶の自発分極が向く傾向にあることを利用して、強誘電性液晶の自発分極の向きを制御し、強誘電性液晶の配向を単安定化させることが可能である。したがって、上述の背景技術の欄に記載したような不具合を回避することができる。
上記発明においては、上記第1配向処理基板が、上記第1基材上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)を有するTFT基板であり、上記第2配向処理基板が、上記第2電極層が共通電極である共通電極基板であることが好ましい。このような構成とすることにより、TFT素子のスイッチがオフのときにゲート電極付近で光漏れが発生するのを防ぐことができるからである。
また本発明の液晶表示素子は、薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリックス方式により駆動させるものであることが好ましい。TFT素子を用いたアクティブマトリックス方式を採用することにより、目的の画素を確実に点灯、消灯できるため高品質なディスプレイが可能となるからである。
さらに本発明の液晶表示素子は、フィールドシーケンシャルカラー方式により駆動させるものであることが好ましい。上記強誘電性液晶は単安定性を示すので階調表示が可能であり、フィールドシーケンシャルカラー方式により駆動させることにより、低消費電力かつ低コストで、視野角が広く、明るく高精細なカラー動画表示を実現できるからである。
本発明においては、第1配向膜に光異性化型材料を含有する光配向膜を用い、また第2配向膜に光二量化型材料を含有する光配向膜、またはラビング膜を用いることにより、光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜側に、強誘電性液晶の自発分極が向く傾向にあることを利用して、強誘電性液晶の自発分極の向きを制御することができるという効果を奏する。
本発明者らは、強誘電性液晶の自発分極の向きについて調べるため、以下に示す実験を行った。
まず、光異性化型材料を含有する光配向膜と光二量化型材料を含有する光配向膜との間に強誘電性液晶が挟持された液晶表示素子を作製した。
ITO電極が形成されたガラス基板上に、光異性化型材料(大日本インキ社製、商品名:LIA01)をスピンコートし、100℃で3分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約1000mJ/cm照射し、配向処理を行った。また、ITO電極が形成されたガラス基板上に、光二量化型材料(Rolic technologies 社製、商品名:ROP103)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で15分間乾燥させた後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
次に、光二量化型材料を含有する光配向膜が形成された基板(本実験において、第2配向処理基板とする。)上に、強誘電性液晶(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:R2301)を等方相の状態で、インクジェット法により塗布した。次いで、この第2配向処理基板の周縁部に、紫外線加熱硬化型シール剤(協立化学産業株式会社製、商品名:WORLD ROCK 718)を、シールディスペンサーを用いて塗布した。
次に、真空チャンバー内に配置したホットプレートを110℃に加熱して、このホットプレート上に、強誘電性液晶が塗布された第2配向処理基板を置いた。次いで、光異性化型材料を含有する光配向膜が形成された基板(本実験において、第1配向処理基板とする。)を、110℃に加熱した吸着プレートで吸着し、第2配向処理基板および第1配向処理基板をそれぞれの配向膜の配向処理方向が平行になるように対向させた。続いて、両基板間が十分減圧になるように、真空チャンバーの排気を行った状態で、両基板を密着させ、一定の圧力をかけた後、真空チャンバー内を常圧に戻した。次いで、紫外線を1J/cm照射して紫外線加熱硬化型シール剤を硬化させ、両基板を接着させた。次に、液晶セルを室温まで徐冷することによって強誘電性液晶を配向させ、液晶表示素子を作製した。
第2配向処理基板の電極が負極になるように電圧を印加すると、強誘電性液晶の分子方向がチルト角の約2倍変化した。強誘電性液晶の分子方向がチルト角の約2倍変化したものは全体の約75%であった。
また、光異性化型材料および光二量化型材料の種類や組み合わせを変えて、上記と同様に、光異性化型材料を含有する光配向膜と光二量化型材料を含有する光配向膜との間に強誘電性液晶が挟持された液晶表示素子を作製したところ、上記と同様の結果が得られた。
次に、光異性化型材料を含有する光配向膜とラビング膜との間に強誘電性液晶が挟持された液晶表示素子を作製した。
ITO電極が形成されたガラス基板上に、光異性化型材料(大日本インキ社製、商品名:LIA01)をスピンコートし、100℃で3分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約1000mJ/cm照射し、配向処理を行った。また、ITO電極が形成されたガラス基板上に、ポリイミド(日産化学社製、商品名:SE-7962)を印刷し、ラビング処理することによりラビング膜を形成した。
次に、ラビング膜が形成された基板(本実験において、第2配向処理基板とする。)上に、強誘電性液晶(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:R2301)を等方相の状態で、インクジェット法により塗布した。次いで、この第2配向処理基板の周縁部に、紫外線加熱硬化型シール剤(協立化学産業株式会社製、商品名:WORLD ROCK 718)を、シールディスペンサーを用いて塗布した。
次に、真空チャンバー内に配置したホットプレートを110℃に加熱して、このホットプレート上に、強誘電性液晶が塗布された第2配向処理基板を置いた。次いで、光異性化型材料を含有する光配向膜が形成された基板(本実験において、第1配向処理基板とする。)を、110℃に加熱した吸着プレートで吸着し、第2配向処理基板および第1配向処理基板をそれぞれの配向膜の配向処理方向が平行になるように対向させた。続いて、両基板間が十分減圧になるように、真空チャンバーの排気を行った状態で、両基板を密着させ、一定の圧力をかけた後、真空チャンバー内を常圧に戻した。次いで、紫外線を1J/cm照射して紫外線加熱硬化型シール剤を硬化させ、両基板を接着させた。次に、液晶セルを室温まで徐冷することによって強誘電性液晶を配向させ、液晶表示素子を作製した。
第2配向処理基板の電極が負極になるように電圧を印加すると、強誘電性液晶の分子方向がチルト角の約2倍変化した。強誘電性液晶の分子方向がチルト角の約2倍変化したものは全体の約70%であった。
また、光異性化型材料およびラビング膜の材料の種類や組み合わせを変えて、上記と同様に、光異性化型材料を含有する光配向膜とラビング膜との間に強誘電性液晶が挟持された液晶表示素子を作製したところ、上記と同様の結果が得られた。
次に、一対の光異性化型材料を含有する光配向膜間に強誘電性液晶が挟持された液晶表示素子を作製した。
ITO電極が形成された2枚のガラス基板上に、それぞれ光異性化型材料(大日本インキ社製、商品名:LIA01)をスピンコートし、100℃で3分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約1000mJ/cm照射し、配向処理を行った。
次に、一方の基板上に、強誘電性液晶(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:R2301)を等方相の状態で、インクジェット法により塗布した。次いで、この基板の周縁部に、紫外線加熱硬化型シール剤(協立化学産業株式会社製、商品名:WORLD ROCK 718)を、シールディスペンサーを用いて塗布した。
次に、真空チャンバー内に配置したホットプレートを110℃に加熱して、このホットプレート上に、強誘電性液晶が塗布された基板を置いた。次いで、他方の基板を、110℃に加熱した吸着プレートで吸着し、両基板をそれぞれの配向膜の配向処理方向が平行になるように対向させた。続いて、両基板間が十分減圧になるように、真空チャンバーの排気を行った状態で、両基板を密着させ、一定の圧力をかけた後、真空チャンバー内を常圧に戻した。次いで、紫外線を1J/cm照射して紫外線加熱硬化型シール剤を硬化させ、両基板を接着させた。次に、液晶セルを室温まで徐冷することによって強誘電性液晶を配向させ、液晶表示素子を作製した。
一方の基板の電極が負極になるように電圧を印加すると、一部の強誘電性液晶の分子方向はチルト角の約2倍変化したが、一部の強誘電性液晶の分子方向は変化しなかった。強誘電性液晶の分子方向がチルト角の約2倍変化したものは全体の約50%であった。
また、上記と同様して、一対の光二量化型材料を含有する光配向膜間に強誘電性液晶が挟持された液晶表示素子、ならびに、一対のラビング膜間に強誘電性液晶が挟持された液晶表示素子を作製したところ、上記と同様の結果が得られた。
上述の実験の結果から、本発明者らは、一方の配向膜に光異性化型材料を含有する光配向膜を用い、他方の配向膜に光二量化型材料を含有する光配向膜、またはラビング膜を用いると、光異性化型材料を含有する光配向膜側に、強誘電性液晶の自発分極が向く傾向があるとの知見を得た。
以下、本発明の液晶表示素子について、詳細に説明する。
本発明の液晶表示素子は、第1基材と、上記第1基材上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜とを有する第1配向処理基板、および、第2基材と、上記第2基材上に形成された第2電極層と、上記第2電極層上に形成され、光二量化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光二量化型材料を含有する光配向膜、またはラビング膜である第2配向膜とを有する第2配向処理基板を、上記第1配向膜と上記第2配向膜とが対向するように配置し、上記第1配向膜と上記第2配向膜との間に強誘電性液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、上記強誘電性液晶が、単安定性を示し、かつ、上記第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、上記強誘電性液晶の分子方向が上記第1配向処理基板面に対して平行に上記強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化するものであることを特徴とするものである。
本発明に用いられる強誘電性液晶は、上述したように、単安定性を示し、かつ、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、強誘電性液晶の分子方向が上記第1配向処理基板面に対して平行に上記強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化するものである。
強誘電性液晶は、図1に例示するように、液晶分子1が層法線zから傾いており、層法線zに垂直な底面を有する円錐(コーン)の稜線に沿って回転する。このような円錐(コーン)において、液晶分子1の層法線zに対する傾き角をチルト角θという。
なお、「単安定性を示す」とは、電圧無印加時の強誘電性液晶の状態がひとつの状態で安定化している状態をいう。具体的に説明すると、図1に示すように、液晶分子1は層法線zに対しチルト角±θだけ傾く二つの状態間をコーン上に動作することができるが、電圧無印加時に液晶分子1が上記コーン上のいずれかひとつの状態で安定化している状態をいう。
本発明の液晶表示素子について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の液晶表示素子の一例を示す概略断面図である。図2に例示する液晶表示素子2においては、第1基材3上に第1電極層4および第1配向膜5が順に形成された第1配向処理基板6と、第2基材13上に第2電極層14および第2配向膜15が順に形成された第2配向処理基板16とが対向しており、第1配向処理基板6の第1配向膜5と第2配向処理基板16の第2配向膜15との間には強誘電性液晶が挟持され、液晶層10が構成されている。また、第1配向膜5は、光異性化型材料を含有する光配向膜であり、第2配向膜15は、光二量化型材料を含有する光配向膜、またはラビング膜である。さらに、第1配向膜5および第2配向膜15は、それぞれの配向処理方向が平行になるように配置されている。
上述の実験結果から、第1配向膜に光異性化型材料を含有する光配向膜を用い、第2配向膜に光二量化型材料含有する光配向膜、またはラビング膜を用いると、光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜側に、強誘電性液晶の自発分極が向く傾向にあることがわかった。これは、強誘電性液晶と、第1配向膜表面および第2配向膜表面との相互作用である、極性表面相互作用が影響しているものと考えられる。
本発明に用いられる強誘電性液晶の配向状態の一例を図3に示す。上述の実験結果から、光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜と、光二量化型材料を含有する光配向膜、またはラビング膜である第2配向膜とでは、第2配向膜の方が相対的に正の極性が強い傾向にあるため、電圧無印加状態では、図3に例示するように、極性表面相互作用によって、液晶分子1の自発分極Psが第1配向膜5側を向く傾向にある。なお、図3において、第1基材および第2基材は省略されており、強誘電性液晶については液晶分子を示している。
また、図4に例示するように、第1電極層4が正極(+)、第2電極層14が負極(−)となるように電圧を印加すると、印加電圧の極性の影響により、液晶分子1の自発分極Psは第2配向膜15側を向くようになる。なお、図4において、第1基材および第2基材は省略されている。
さらに、第1電極層が負極(−)、第2電極層が正極(+)となるように電圧を印加すると、印加電圧の極性の影響によって、図3に例示するように、液晶分子1の自発分極Psは第2配向膜14側を向くようになる。この場合、自発分極の向きは、電圧無印加状態と同様になる。
自発分極の向きがこのような方向になるのは、自発分極の向きが、強誘電性液晶の分極と配向膜の分極または電圧の極性とが電気的につり合う方向になるため、液晶分子が電気的に安定な状態になるからである。
電圧無印加状態あるいは第2電極層への正の極性の電圧印加状態(図3)から、第2電極層への負の極性の電圧印加状態(図4)としたとき、この印加電圧の負の極性と、液晶分子の自発分極の負の極性との反発によって、図5に例示するように、液晶分子1が角度約2θ回転する。すなわち、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、強誘電性液晶の分子方向が、第1配向処理基板面に対して平行に、強誘電性液晶のチルト角θの約2倍変化するのである。
このように本発明においては、第1配向膜側に、強誘電性液晶の自発分極が向く傾向にあることを利用して、液晶分子の自発分極の向きを制御することが可能である。
一般に、強誘電性液晶を用いた液晶表示素子では、対向する2つの配向膜は、それぞれの配向処理方向が平行になるように配置される。例えば図2に示す液晶表示素子においては、電圧無印加状態では、図6(a)に例示するように液晶分子1が第1配向膜および第2配向膜の配向処理方向dに沿って配向し、一様な配向状態となる。また、第1電極層が正極(+)、第2電極層が負極(−)となるように電圧を印加すると、図6(b)に例示するように印加電圧の極性の影響によって自発分極Psの向きが反転する。この場合も、液晶分子1は一様な配向状態となる。さらに、第1電極層が負極(−)、第2電極層が正極(+)となるように電圧を印加すると、図6(a)に例示するように印加電圧の極性の影響によって自発分極Psの向きが反転する。この場合、液晶分子1は電圧無印加状態と同様の配向状態となる。
なお、図6(a)は、図3の上面からの液晶分子の配向状態を示す模式図であり、自発分極Psは紙面手前から奥方向に向いている(図6(a)中の×印)。また、図6(b)は、図4の上面からの液晶分子の配向状態を示す模式図であり、自発分極Psは紙面奥から手前方向に向いている(図6(b)中の●印)。
本発明においては、上述したように自発分極の向きを制御することができるので、配向欠陥を生じることなく、強誘電性液晶の配向を単安定化させることができる。すなわち、強誘電性液晶が単安定性を示すのである。また、電界印加徐冷法によらずに、強誘電性液晶を配向させるので、相転移温度以上に昇温してもその配向を維持し、配向欠陥の発生を抑制することができるという利点を有する。
第2電極層が負極となるように電圧を印加したとき、強誘電性液晶の分子方向がチルト角の約2倍変化するものは70%以上することが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。上記範囲であれば、良好なコントラスト比を得ることができるからである。
なお、上記の比率は、次のようにして測定することができる。
例えば図7に示すように、第1基材3上に第1電極層4および第1配向膜5が積層された第1配向処理基板6と、第2基材13上に第2電極層14および第2配向膜15が積層された第2配向処理基板16との間に、強誘電性液晶を含む液晶層10が形成された液晶表示素子において、第1配向処理基板6および第2配向処理基板16の外側にそれぞれ偏光板17aおよび17bを設け、偏光板17a側から光が入射し、偏光板17b側から光が出射するものとする。2枚の偏光板17aおよび17bは、それぞれの偏光軸が略垂直に、かつ、偏光板17aの偏光軸と第1配向膜4の配向処理方向(液晶分子の配向方向)とが略平行になるように配置されている。
電圧無印加状態では、偏光板17aを透過した直線偏光と液晶分子の配向方向とが一致するため、液晶分子の屈折率異方性が発現されず、偏光板17aを透過した直線偏光はそのまま液晶分子を通過し、偏光板17bにより遮断され、暗状態となる。一方、電圧印加状態では、液晶分子がコーン上を移動し、偏光板17aを透過した直線偏光と液晶分子の配向方向とが所定の角度を持つようになるため、偏光板17aを透過した直線偏光は液晶分子の複屈折により楕円偏光となる。この楕円偏光のうち、偏光板17bの偏光軸と一致する直線偏光のみが偏光板17bを透過し、明状態となる。
このため、第2電極層が負極となるように電圧を印加したとき、強誘電性液晶の分子方向がチルト角の約2倍変化すると明状態が得られる。一方、第2電極層が負極となるように電圧を印加したとき、例えば強誘電性液晶の分子方向が変化しないものが部分的に存在する場合には、部分的に暗状態が得られる。したがって、電圧印加時に得られる白黒(明暗)表示の白・黒の面積比から、第1電極層が負極となるように電圧を印加したときに強誘電性液晶の分子方向がチルト角の約2倍変化するものの比率を算出することができる。
また、上記のように偏光板が設けられた液晶表示素子においては、電圧無印加状態および第1電極層への負の極性の電圧印加状態のときに暗状態、第1電極層への正の極性の電圧印加状態のときに明状態となる。したがって、液晶表示素子をフィールドシーケンシャルカラー方式により駆動した場合には、図8に例示するように、例えばG(緑色)のバックライトの点灯時にR(赤色)のバックライトに同期させた走査によって明状態となるのを回避することが可能である。
なお、図8中の記号等については、図15に示した記号等と同様である。
本発明の液晶表示素子は、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式により駆動することができる。この場合、第1配向処理基板が、第1基材上に形成されたTFTを有するTFT基板であり、第2配向処理基板が、第2電極層が共通電極である共通電極基板であることが好ましい。図9にTFTを用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子の一例を示す概略斜視図を示す。
図9に例示する液晶表示素子2は、第1基材3上にTFT素子25がマトリックス状に配置されたTFT基板(第1配向処理基板)6と、第2基材13上に共通電極(第2電極層)14が形成された共通電極基板(第2配向処理基板)16とを有するものである。TFT基板(第1配向処理基板)6には、ゲート電極24x、ソース電極24yおよび画素電極(第1電極層)4が形成されている。ゲート電極24xおよびソース電極24yはそれぞれ縦横に配列しており、ゲート電極24xおよびソース電極24yに信号を加えることによりTFT素子25を作動させ、強誘電性液晶を駆動させることができる。ゲート電極24xおよびソース電極24yが交差した部分は、図示しないが絶縁層で絶縁されており、ゲート電極24xの信号とソース電極24yの信号とは独立に動作することができる。ゲート電極24xおよびソース電極24yにより囲まれた部分は、本発明の液晶表示素子を駆動する最小単位である画素であり、各画素には少なくとも1つ以上のTFT素子25および画素電極(第1電極層)4が形成されている。そして、ゲート電極およびソース電極に順次信号電圧を加えることにより、各画素のTFT素子を動作させることができる。なお、図9において、液晶層および第1配向膜は省略されている。
上記の液晶表示素子においては、例えばゲート電極を30V程度の高電位にするとTFT素子のスイッチがオンになり、ソース電極によって信号電圧が強誘電性液晶に加えられ、ゲート電極を−10V程度の低電位にするとTFT素子のスイッチがオフになる。スイッチオフ状態では、図10に例示するように、共通電極(第2電極層)14およびゲート電極24x間には、共通電極(第2電極層)14側が正になるように電圧が印加される。このスイッチオフ状態のとき、強誘電性液晶は動作しないので、その画素は暗状態となる。
本発明においては、上述したように電圧無印加状態では、極性表面相互作用によって液晶分子の自発分極が第1配向処理基板側を向く傾向にある。すなわち、スイッチオフ状態のとき、図10に例示するように、液晶分子1の自発分極PsがTFT基板(第1配向処理基板)6側を向く。したがって、自発分極の向きは、共通電極(第2電極層)14およびゲート電極24x間に印加された電圧の影響を受けることがない。
一方、例えば電圧無印加状態にて自発分極が共通電極基板(第2配向処理基板)側を向く場合には、スイッチオフ状態のときに共通電極およびゲート電極間に印加された電圧の影響によって、ゲート電極が設けられている領域付近で自発分極の向きが反転してしまう。そうすると、ゲート電極が設けられている領域付近では、スイッチがオフであるにもかかわらず、強誘電性液晶が動作して光漏れが生じる。
これに対し、上述したように本発明においては、自発分極の向きは、共通電極およびゲート電極間に印加された電圧の影響を受けないので、光漏れが生じることがない。したがって本発明においては、自発分極の向きを制御し、第2配向処理基板を共通電極基板とすることにより、ゲート電極付近の光漏れを防止することができる。
以下、本発明の液晶表示素子における各構成について説明する。
1.強誘電性液晶
本発明に用いられる強誘電性液晶は、単安定性を示し、かつ、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、強誘電性液晶の分子方向が第1配向処理基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化するものである。
なお、「第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、強誘電性液晶の分子方向が第1配向処理基板面に対して強誘電性液晶のチルト角θの約2倍変化する」とは、電圧無印加時に液晶分子がコーン上のひとつの状態で安定化しており、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、液晶分子が単安定化状態からコーン上の一方の側に傾き、第2電極層が正極となるように電圧を印加したときに、液晶分子が、単安定化状態を維持するか、または単安定化状態から第2電極層が負極となるように電圧を印加したときとは逆側に傾き、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときの、液晶分子の単安定化状態からの傾斜角が、第2電極層が正極となるように電圧を印加したときの、液晶分子の単安定化状態からの傾斜角よりも大きいことをいう。
図11は、単安定性を示す強誘電性液晶の配向状態の一例を示す模式図である。図11(a)は電圧無印加の場合、図11(b)は第2電極層が負極となるように電圧を印加した場合、図11(c)は第2電極層が正極となるように電圧を印加した場合をそれぞれ示す。電圧無印加の場合、液晶分子1は、コーン上のひとつの状態で安定化している(図11(a))。第2電極層が負極となるように電圧を印加した場合、液晶分子1は、安定化している状態(破線)から一方の側に傾く(図11(b))。また、第2電極層が正極となるように電圧を印加したときに、液晶分子1は、安定化している状態(破線)から第2電極層が負極となるように電圧を印加したときとは逆側に傾く(図11(c))。このとき、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときの傾斜角δは、第2電極層が正極となるように電圧を印加したときの傾斜角ωよりも大きい。なお、図11において、dは配向処理方向、zは層法線を示す。
第2電極層が負極となるように電圧を印加したとき、液晶分子は、印加電圧の大きさに応じた角度で、単安定化状態からコーン上の一方の側に傾く。また、強誘電性液晶では、図11(a)に例示するように、位置A(液晶分子1の方向)と、位置B(配向処理方向d)と、位置Cとが、必ずしも一致するわけではない。そのため、図11(b)に例示するように、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときの最大の傾斜角δは、チルト角θの約2倍(角度2θ)となる。
例えば図5に示すように、液晶分子1の方向は、第1配向処理基板面に対して平行に、チルト角θの約2倍(角度2θ)変化するのであるが、ここでチルト角θの約2倍変化するとは、2θ〜2θ−5°変化する場合をいう。
なお、強誘電性液晶の分子方向が第1配向処理基板面に対して平行に変化した角度は、次のようにして測定することができる。まず、偏光板をクロスニコルに配置した偏光顕微鏡および液晶表示素子を、一方の偏光板の偏光軸と液晶層の液晶分子の配向方向とが平行になるように配置し、この位置を基準とする。電圧を印加すると液晶分子が偏光軸と所定の角度を持つようになるため、一方の偏光板を透過した偏光が他方の偏光板を透過して明状態となる。この電圧を印加した状態で液晶表示素子を回転させ暗状態にする。そして、このときの液晶表示素子を回転させた角度を測定する。液晶表示素子を回転させた角度が、強誘電性液晶の分子方向が第1配向処理基板面に対して平行に変化した角度である。
上述したように、第2電極層が負極となるように電圧を印加したとき、液晶分子は、印加電圧の大きさに応じた角度で、単安定化状態からコーン上の一方の側に傾くので、実際に液晶表示素子を駆動している際、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、液晶分子の方向がチルト角の約2倍変化するわけではない。
このような強誘電性液晶として具体的には、例えば図12に示すような正負いずれかの電圧を印加したときにのみ液晶分子が動作する、half−V shaped switching(以下、HV字型スイッチングと称する。)特性を示す強誘電性液晶が用いられる。このようなHV字型スイッチング特性を示す強誘電性液晶を用いると、白黒シャッターとしての開口時間を十分に長くとることができ、これにより時間的に切り替えられる各色をより明るく表示することができ、明るいカラー表示の液晶表示素子を実現することができる。
なお、「HV字型スイッチング特性」とは、印加電圧に対する光透過率が非対称な電気光学特性をいう。
強誘電性液晶の相系列は、カイラルスメクチックC相(SmC)を発現するものであれば特に限定されるものではない。例えば、相系列が、降温過程において、ネマチック相(N)−コレステリック相(Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化するもの、ネマチック相(N)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化するもの、ネマチック相(N)−スメクチックA相(SmA)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化するもの、ネマチック相(N)−コレステリック相(Ch)−スメクチックA相(SmA)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化するもの、などを挙げることができる。
一般に、図13下段に例示するようなSmA相を経由する相系列を有する強誘電性液晶は、相変化の過程において、スメクチック層の層間隔が縮まり、その体積変化を補償するためにスメクチック層が曲がったシェブロン構造を有し、この曲げの方向によって液晶分子の長軸方向が異なるドメインが形成され、その境界面にジグザグ欠陥やヘアピン欠陥と呼ばれる配向欠陥が発生しやすい。また一般に、図13上段に例示するようなSmA相を経由しない相系列を有する強誘電性液晶は、層法線方向の異なる二つの領域(ダブルドメイン)が発生しやすい。本発明においては、このような配向欠陥を生じさせることなく、強誘電性液晶の配向を単安定化することができるのである。
このような強誘電性液晶としては、一般に知られる液晶材料の中から要求特性に応じて種々選択することができる。
特に、Ch相からSmA相を経由しないでSmC相を発現する液晶材料は、HV字型スイッチング特性を示すものとして好適である。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ社製「R2301」が挙げられる。
また、SmA相を経由する液晶材料としては、材料選択の幅が広いことから、Ch相からSmA相を経由してSmC相を発現するものが好ましい。この場合、SmC相を示す単一の液晶材料を用いることもできるが、低粘度でSmC相を示しやすいノンカイラルな液晶(以下、ホスト液晶とする場合がある。)に、それ自身ではSmC相を示さないが大きな自発分極と適当な螺旋ピッチを誘起する光学活性物質を少量添加することにより、上記のような相系列を示す液晶材料が、低粘度であり、より速い応答性を実現できることから好ましい。
上記ホスト液晶としては、広い温度範囲でSmC相を示す材料であることが好ましく、一般に強誘電性液晶のホスト液晶として知られているものであれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、下記一般式:
Ra−Q−X−(Q−Y−Q−Rb
(式中、RaおよびRbはそれぞれ、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、Q、QおよびQはそれぞれ、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基であり、これらの基はハロゲン原子、水酸基、シアノ基等の置換基を有していてもよく、XおよびYはそれぞれ、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−C≡C−または単結合であり、mは0または1である。)で表される化合物を使用することができる。ホスト液晶としては、上記化合物を1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記ホスト液晶に添加する光学活性物質としては、自発分極が大きく、適当な螺旋ピッチを誘起する能力を持った材料であれば特に限定されるものではなく、一般にSmC相を示す液晶組成物に添加する材料として知られるものを使用することができる。特に少量の添加量で大きな自発分極を誘起できる材料であることが好ましい。このような光学活性物質としては、例えば、下記一般式:
Rc−Q−Za−Q−Zb−Q−Zc−Rd
(式中、Q、Q、Qは上記一般式と同じ意味を表し、Za、ZbおよびZcは−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=N−、−N(→O)=N−、−C(=O)S−または単結合であり、Rcは不斉炭素原子を有していてもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、Rdは不斉炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、RcおよびRdはハロゲン原子、シアノ基、水酸基で置換されていてもよい。)で表される化合物を使用することができる。光学活性物質としては、上記化合物を1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
SmA相を経由する強誘電性液晶として、具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ社製「FELIXM4851−100」などが挙げられる。
単安定性を示す強誘電性液晶を用いた液晶表示素子においては、透過率は、電圧を印加したときの液晶分子の傾斜角に依存する。正負いずれかの電圧を印加すると液晶分子がコーン上を傾くので、例えば図12に示すように印加電圧の大きさに応じて液晶分子の傾斜角が変化して透過率が変化する。このとき、液晶分子の単安定状態からの傾斜角が45°の場合に透過率が最大になる。
したがって、高い透過率を実現するためには、実際の駆動時に第2電極層が負極となるように電圧を印加した場合に、液晶分子の単安定状態からの傾斜角が45°になり得る強誘電性液晶を用いることが好ましい。
例えば、図11に示すような液晶分子の単安定状態からの最大の傾斜角δが45°よりも大きい強誘電性液晶を用いた場合には、実際に液晶表示素子を駆動している際、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、液晶分子の単安定状態からの傾斜角を45°とすることができる。上述したように、実際の駆動時に第2電極層が負極となるように電圧を印加した場合に、液晶分子の方向がチルト角の約2倍変化するわけではないからである。
本発明においては、第1配向膜と第2配向膜との間に上記強誘電性液晶が挟持され、液晶層が構成される。
液晶層には、上記の強誘電性液晶の他に、液晶表示素子に求められる機能に応じて任意の機能を備える化合物が含有されていてもよい。このような化合物としては、重合性モノマーの重合物を挙げることができる。液晶層中にこのような重合性モノマーの重合物が含有されることにより、上記液晶材料の配列がいわゆる「高分子安定化」され、配向安定性に優れた液晶表示素子を得ることができる。
重合性モノマーの重合物に用いられる重合性モノマーとしては、重合反応により重合物を生じる化合物であれば特に限定されるものではなく、加熱処理により重合反応を生じる熱硬化性樹脂モノマー、および活性放射線の照射により重合反応を生じる活性放射線硬化性樹脂モノマーを挙げることができる。中でも、活性放射線硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。熱硬化性樹脂モノマーを用いる場合は、重合反応を生じさせるために加温処理をすることが必要であるので、このような加温処理により強誘電性液晶の規則的な配列が損なわれたり、相転移が誘起されてしまったりするおそれがある。一方、活性放射線硬化性樹脂モノマーを用いる場合は、このようなおそれがなく、重合反応が生じることによって強誘電性液晶の配列が害されることが少ないからである。
活性放射線硬化性樹脂モノマーとしては、電子線の照射により重合反応を生じる電子線硬化性樹脂モノマー、および光照射により重合反応を生じる光硬化性樹脂モノマーを挙げることができる。中でも、光硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。光硬化性樹脂モノマーを用いることにより、製造工程を簡略化できるからである。
光硬化性樹脂モノマーとしては、波長が150nm〜500nmの範囲内の光を照射することにより、重合反応を生じるものであれば特に限定されるものではない。中でも波長が250nm〜450nmの範囲内、特に300nm〜400nmの範囲内の光を照射することにより重合反応を生じる紫外線硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。照射装置の容易性等の面において利点を有するからである。
紫外線硬化性樹脂モノマーが有する重合性官能基は、上記波長領域の紫外線照射により、重合反応を生じるものであれば特に限定されるものではない。特に、アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂モノマーを用いることが好ましい。
また、紫外線硬化性樹脂モノマーは、一分子中に一つの重合性官能基を有する単官能性モノマーであってもよく、また、一分子中に二つ以上の重合性官能基を有する多官能性モノマーであってもよい。中でも、多官能性モノマーを用いることが好ましい。多官能性モノマーを用いることにより、より強いポリマーネットワークを形成することができるため、分子間力および配向膜界面におけるポリマーネットワークを強化することができる。これにより、温度変化による強誘電性液晶の配列の乱れを抑制することができる。
多官能性モノマーの中でも、分子の両末端に重合性官能基を有する2官能性モノマーが好ましく用いられる。分子の両端に重合性官能基を有することにより、ポリマー同士の間隔が広いポリマーネットワークを形成することができ、重合性モノマーの重合物を含むことによる強誘電性液晶の駆動電圧の低下を防止できるからである。
また、紫外線硬化性樹脂モノマーの中でも、液晶性を発現する紫外線硬化性液晶モノマーを用いることが好ましい。このような紫外線硬化性液晶モノマーが好ましい理由は次の通りである。すなわち、紫外線硬化性液晶モノマーは液晶性を示すことから、配向膜の配向規制力により規則的に配列することができる。このため、紫外線硬化性液晶モノマーを、規則的に配列した後に重合反応を生じさせることにより、規則的な配列状態を維持したまま固定化することができる。このような規則的な配列状態を有する重合物が存在することにより、強誘電性液晶の配向安定性を向上させることができ、優れた耐熱性および耐衝撃性を得ることができる。
紫外線硬化性液晶モノマーが示す液晶相としては、特に限定されるものではなく、例えば、N相、SmA相、SmC相を挙げることができる。
本発明に用いられる紫外線硬化性液晶モノマーとしては、例えば、下記式(1)〜(3)に示す化合物を挙げることができる。
Figure 0004888049
上記式(1),(2)において、A、B、D、EおよびFはベンゼン、シクロヘキサンまたはピリミジンを表し、これらはハロゲン等の置換基を有していてもよい。また、AおよびB、あるいはDおよびEは、アセチレン基、メチレン基、エステル基等の結合基を介して結合していてもよい。MおよびMは、水素原子、炭素数3〜9のアルキル基、炭素数3〜9のアルコキシカルボニル基、またはシアノ基のいずれであってもよい。さらに、分子鎖末端のアクリロイルオキシ基とAまたはDとは、炭素数3〜6のアルキレン基等の結合基を介して結合していてもよい。
また、上記式(3)おいて、Yは、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルキルオキシ、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、ホルミル、炭素数1〜20のアルキルカルボニル、炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ、ハロゲン、シアノまたはニトロを表す。
上記の中でも、好適に用いられるものとして、下記式の化合物を例示することができる。
Figure 0004888049
Figure 0004888049
Figure 0004888049
また、上記重合性モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上の異なる重合性モノマーを用いる場合には、例えば、上記式で示される紫外線硬化性液晶モノマーと他の紫外線硬化性樹脂モノマーとを用いることができる。
重合性モノマーとして紫外線硬化性液晶モノマーを用いた場合、重合性モノマーの重合物としては、主鎖に液晶性を示す原子団を有することにより主鎖が液晶性を示す主鎖液晶型重合物であってもよく、側鎖に液晶性を示す原子団を有することにより側鎖が液晶性を示す側鎖液晶型重合物であってもよい。中でも、重合性モノマーの重合物が側鎖液晶型重合物であることが好ましい。液晶性を示す原子団が側鎖に存在することにより、この原子団の自由度が高くなるため、液晶性を示す原子団が配向しやすくなるからである。また、その結果として強誘電性液晶の配向安定性を向上させることができるからである。
液晶層中における重合性モノマーの重合物の存在量は、強誘電性液晶の配列安定性を所望の程度にできる範囲内であれば特に限定されないが、通常、液晶層中に0.5質量%〜30質量%の範囲内が好ましく、より好ましくは1質量%〜20質量%、さらに好ましくは1質量%〜10質量%の範囲内である。上記範囲よりも多いと、駆動電圧の増加や、応答速度の低下を生じる場合があるからである。また、上記範囲よりも少ないと強誘電性液晶の配列安定性が不十分となり、液晶表示素子の耐熱性や耐衝撃性を損なってしまう可能性があるからである。
ここで、液晶層中における重合性モノマーの重合物の存在量は、液晶層中の単分子液晶を溶剤で洗い流した後、残存する重合性モノマーの重合物の重量を電子天秤で測量することによって求めた残存量と、上記液晶層の総質量とから算出することができる。
本発明においては、強誘電性液晶が単安定性を示すものであるので、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式による駆動が可能であり、電圧変調により階調制御が可能な液晶表示素子を得ることができる。
液晶層の厚みは、1.2μm〜3.0μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.3μm〜2.5μm、さらに好ましくは1.4μm〜2.0μmの範囲内である。液晶層の厚みが薄すぎるとコントラストが低下するおそれがあり、逆に液晶層の厚みが厚すぎると強誘電性液晶が配向しにくくなる可能性があるからである。上記液晶層の厚みは、ビーズスペーサ、柱状スペーサ、隔壁等により調整することができる。
液晶層の形成方法としては、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができ、例えば真空注入方式、液晶滴下方式等を用いることができる。
真空注入方式では、例えばあらかじめ第1配向処理基板および第2配向処理基板を用いて作製した液晶セルに、加温することによって等方性液体とした強誘電性液晶を、キャピラリー効果を利用して注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。
また液晶滴下方式では、例えば第2配向処理基板の第2配向膜上に、加温した強誘電性液晶を滴下し、第1配向処理基板の周縁部にシール剤を塗布し、減圧下で第1配向処理基板および第2配向処理基板を重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより液晶層を形成することができる。
2.第1配向処理基板
本発明に用いられる第1配向処理基板は、第1基材と、この第1基材上に形成された第1電極層と、この第1電極層上に形成され、光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜とを有するものである。以下、第1配向処理基板における各構成について説明する。
(1)第1配向膜
本発明に用いられる第1配向膜は、第1電極層上に形成されるものであり、光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光異性化型材料を含有する光配向膜である。
ここで、光異性化反応とは、光照射により単一の化合物が他の異性体に変化する現象をいう。第1配向膜に光異性化型材料を用いることにより、光照射により、複数の異性体のうち安定な異性体が増加し、それにより配向膜に容易に異方性を付与することができる。また、光配向処理は非接触配向処理であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用である。
本発明に用いられる光異性化型材料としては、光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与するものであれば特に限定されるものではないが、光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光異性化反応性化合物を含むものであることが好ましい。このような光異性化反応性化合物を含むことにより、光照射により、複数の異性体のうち安定な異性体が増加し、それにより配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
光異性化反応性化合物としては、上記のような特性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、偏光方向により吸収を異にする二色性を有し、かつ、光照射により光異性化反応を生じるものであることが好ましい。このような特性を有する光異性化反応性化合物の偏光方向に配向した反応部位の異性化を生じさせることにより、配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
また、光異性化反応性化合物が生じる光異性化反応としては、シス−トランス異性化反応であることが好ましい。光照射によりシス体またはトランス体のいずれかの異性体が増加し、それにより配向膜に異方性を付与することができるからである。
このような光異性化反応性化合物としては、単分子化合物、または、光もしくは熱により重合する重合性モノマーを挙げることができる。これらは用いられる強誘電性液晶の種類に応じて適宜選択すればよいが、光照射により配向膜に異方性を付与した後、ポリマー化することにより、その異方性を安定化することができることから、重合性モノマーを用いることが好ましい。このような重合性モノマーの中でも、配向膜に異方性を付与した後、その異方性を良好な状態に維持したまま容易にポリマー化できることから、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマーであることが好ましい。
上記重合性モノマーは、単官能のモノマーであっても、多官能のモノマーであってもよいが、ポリマー化による配向膜の異方性がより安定なものとなることから、2官能のモノマーであることが好ましい。
このような光異性化反応性化合物としては、具体的には、アゾベンゼン骨格やスチルベン骨格などのシス−トランス異性化反応性骨格を有する化合物を挙げることができる。
この場合に、分子内に含まれるシス−トランス異性化反応性骨格の数は、1つであっても2つ以上であってもよいが、強誘電性液晶の配向制御が容易となることから、2つであることが好ましい。
上記シス−トランス異性化反応性骨格は、液晶分子との相互作用をより高めるために置換基を有していてもよい。置換基は、液晶分子との相互作用を高めることができ、かつ、シス−トランス異性化反応性骨格の配向を妨げないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、カルボキシル基、スルホン酸ナトリウム基、水酸基などが挙げられる。これらの構造は、用いられる強誘電性液晶の種類に応じて、適宜選択することができる。
また、光異性化反応性化合物としては、分子内にシス−トランス異性化反応性骨格以外にも、液晶分子との相互作用をより高められるように、芳香族炭化水素基などのπ電子が多く含まれる基を有していてもよく、シス−トランス異性化反応性骨格と芳香族炭化水素基は、結合基を介して結合していてもよい。結合基は、液晶分子との相互作用を高められるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、−COO−、−OCO−、−O−、−C≡C−、−CH−CH−、−CHO−、−OCH−などが挙げられる。
なお、光異性化反応性化合物として、重合性モノマーを用いる場合には、上記シス−トランス異性化反応性骨格を、側鎖として有していることが好ましい。上記シス−トランス異性化反応性骨格を側鎖として有していることにより、配向膜に付与される異方性の効果がより大きなものとなり、強誘電性液晶の配向制御に特に適したものとなるからである。この場合に、前述した分子内に含まれる芳香族炭化水素基や結合基は、液晶分子との相互作用が高められるように、シス−トランス異性化反応性骨格と共に、側鎖に含まれていることが好ましい。
また、上記重合性モノマーの側鎖には、シス−トランス異性化反応性骨格が配向しやすくなるように、アルキレン基などの脂肪族炭化水素基をスペーサーとして有していてもよい。
上述したような単分子化合物または重合性モノマーの光異性化反応性化合物の中でも、本発明に用いられる光異性化反応性化合物としては、分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物であることが好ましい。アゾベンゼン骨格は、π電子を多く含むため、液晶分子との相互作用が高く、強誘電性液晶の配向制御に特に適しているからである。
以下、アゾベンゼン骨格が光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与できる理由について説明する。まず、アゾベンゼン骨格に、直線偏光紫外光を照射すると、下記式に示されるように、分子長軸が偏光方向に配向しているトランス体のアゾベンゼン骨格が、シス体に変化する。
Figure 0004888049
アゾベンゼン骨格のシス体は、トランス体に比べて化学的に不安定であるため、熱的にまたは可視光を吸収してトランス体に戻るが、このとき、上記式の左のトランス体になるか右のトランス体になるかは同じ確率で起こる。そのため、紫外光を吸収し続けると、右側のトランス体の割合が増加し、アゾベンゼン骨格の平均配向方向は紫外光の偏光方向に対して垂直になる。本発明においては、この現象を利用することにより、アゾベンゼン骨格の配向方向を揃え、配向膜に異方性を付与し、その膜上の液晶分子の配向を制御することができるのである。
このような分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物のうち、単分子化合物としては、例えば、下記式(4)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004888049
上記式(4)において、R41は各々独立して、ヒドロキシ基を表す。R42は−(A41−B41−A41−(D41−で表される連結基を表し、R43は(D41−(A41−B41−A41−で表される連結基を表す。ここで、A41は二価の炭化水素基を表し、B41は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−または−OCONH−を表し、mは0〜3の整数を表す。D41は、mが0のとき二価の炭化水素基を表し、mが1〜3の整数のとき−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−または−OCONH−を表し、nは0または1を表す。R44は各々独立して、ハロゲン原子、カルボキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基またはメトキシカルボニル基を表す。ただし、カルボキシ基はアルカリ金属と塩を形成していてもよい。R45は各々独立して、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、アミノ基またはヒドロキシ基を表す。ただし、カルボキシ基またはスルホ基はアルカリ金属と塩を形成していてもよい。
上記式(4)で表される化合物の具体例としては、下記式(5)〜(8)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004888049
また、上記アゾベンゼン骨格を側鎖として有する重合性モノマーとしては、例えば、下記式(9)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004888049
上記式(9)において、R51は各々独立して、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルオキシ基、ビニルオキシカルボニル基、ビニルイミノカルボニル基、ビニルイミノカルボニルオキシ基、ビニル基、イソプロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシカルボニル基、イソプロペニルイミノカルボニル基、イソプロペニルイミノカルボニルオキシ基、イソプロペニル基またはエポキシ基を表す。R52は−(A51−B51−A51−(D51−で表される連結基を表し、R53は(D51−(A51−B51−A51−で表される連結基を表す。ここで、A51は二価の炭化水素基を表し、B51は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−または−OCONH−を表し、mは0〜3の整数を表す。D51は、mが0のとき二価の炭化水素基を表し、mが1〜3の整数のとき−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−または−OCONH−を表し、nは0または1を表す。R54は各々独立して、ハロゲン原子、カルボキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基またはメトキシカルボニル基を表す。ただし、カルボキシ基はアルカリ金属と塩を形成していてもよい。R55は各々独立して、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、アミノ基またはヒドロキシ基を表す。ただし、カルボキシ基またはスルホ基はアルカリ金属と塩を形成していてもよい。
上記式(9)で表される化合物の具体例としては、下記式(10)〜(13)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004888049
本発明においては、このような光異性化反応性化合物の中から、要求特性に応じて、シス−トランス異性化反応性骨格や置換基を種々選択することができる。なお、これらの光異性化反応性化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、光異性化型材料は、上記光異性化反応性化合物のほか、配向膜の光配列性を妨げない範囲内で添加剤を含んでいてもよい。上記光異性化反応性化合物として重合性モノマーを用いる場合には、添加剤としては、重合開始剤、重合禁止剤などが挙げられる。
重合開始剤または重合禁止剤は、一般に公知の化合物の中から、光異性化反応性化合物の種類によって適宜選択して用いればよい。重合開始剤または重合禁止剤の添加量は、光異性化反応性化合物に対し、0.001質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。重合開始剤または重合禁止剤の添加量が小さすぎると重合が開始(禁止)されない場合があり、逆に大きすぎると、反応が阻害される場合があるからである。
光異性化型材料が光異性化反応を生じる光の波長領域は、紫外光域の範囲内、すなわち10nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、250nm〜380nmの範囲内であることがより好ましい。
次に、光配向処理方法について説明する。まず、第1電極層上に、上述の光異性化型材料を有機溶剤で希釈した第1配向膜形成用塗工液を塗布し、乾燥させる。
第1配向膜形成用塗工液中の光異性化反応性化合物の含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.2質量%〜2質量%の範囲内であることがより好ましい。含有量が上記範囲より少ないと、配向膜に適度な異方性を付与することが困難となり、逆に含有量が上記範囲より多いと、塗工液の粘度が高くなるので均一な塗膜を形成しにくくなるからである。
第1配向膜形成用塗工液の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ロッドバーコート法、スプレーコート法、エアナイフコート法、スロットダイコート法、ワイヤーバーコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
上記第1配向膜形成用塗工液を塗布して得られる膜の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3nm〜100nmの範囲内である。膜の厚みが上記範囲より薄いと十分な光配列性を得ることができない可能性があり、逆に膜の厚みが上記範囲より厚いとコスト的に不利になる場合があるからである。
得られた膜は、偏光を制御した光を照射することにより、光異性化反応を生じさせて異方性を付与することができる。照射する光の波長領域は、用いられる配向膜の構成材料に応じて適宜選択すればよいが、紫外光域の範囲内、すなわち100nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは250nm〜380nmの範囲内である。また、偏光方向は、光異性化反応を生じさせることができるものであれば特に限定されるものではない。
さらに、光異性化型材料として、上記の光異性化反応性化合物の中でも重合性モノマーを用いた場合には、光配向処理を行った後、加熱することにより、ポリマー化し、配向膜に付与された異方性を安定化することができる。
(2)第1電極層
本発明に用いられる第1電極層は、一般に液晶表示素子の電極として用いられているものであれば特に限定されるものではないが、第1配向処理基板の第1電極層および第2配向処理基板の第2電極層のうち少なくとも一方が透明導電体で形成されることが好ましい。透明導電体材料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)等が好ましく挙げられる。
本発明により得られる液晶表示素子を、TFTを用いたアクティブマトリックス方式で駆動させる場合には、第1配向処理基板および第2配向処理基板のうち、一方に上記透明導電体で形成される全面共通電極を設け、他方にはゲート電極とソース電極をマトリックス状に配列し、ゲート電極とソース電極で囲まれた部分にTFT素子および画素電極を設ける。
第1電極層の形成方法としては、化学蒸着(CVD)法や、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の物理蒸着(PVD)法などが挙げられる。
(3)第1基材
本発明に用いられる第1基材は、一般に液晶表示素子の基材として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板、プラスチック板などが好ましく挙げられる。
(4)その他の構成
本発明における第1配向処理基板においては、第1基材上に隔壁が形成されていてもよい。第2配向処理基板において第2基材上に隔壁が形成されている場合には、第1配向処理基板において第1基材上には隔壁が形成されない。すなわち、第1配向処理基板に隔壁が形成されていてもよく、第2配向処理基板に隔壁が形成されていてもよい。
隔壁の材料は、一般に液晶表示素子の隔壁に用いられる材料を使用することができる。具体的には、隔壁の材料としては、樹脂を挙げることができ、中でも感光性樹脂が好ましく用いられる。感光性樹脂はパターニングが容易であるからである。
隔壁の形成方法としては、所定の位置に隔壁を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なパターニング方法を適用することができ、例えば、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
隔壁は複数形成されるものであり、複数の隔壁が所定の位置に規則的に形成されていることが好ましく、特に略平行に等間隔で形成されていることが好ましい。液晶滴下方式により液晶表示素子を作製する場合には、複数の隔壁の形成位置が無秩序であると、強誘電性液晶の塗布量を正確に制御することが困難となる場合があるからである。
また、隔壁の配置としては、特に限定されるものではないが、非画素領域に隔壁が形成されていることが好ましい。隔壁付近では強誘電性液晶の配向不良が生じやすいので、画像表示に影響のない非画素領域に隔壁が形成されていることが好ましいからである。例えば第1配向処理基板がTFT基板である場合には、マトリックス状に形成されたゲート電極およびソース電極上に、隔壁を配置することができる。
複数の隔壁はパターン状に形成されるが、例えば隔壁がストライプ状に形成されていてもよく、マトリックス状に形成されていてもよく、枠状に形成されていてもよい。隔壁がマトリックス状に形成されている場合には、耐衝撃性を向上させることができる。また、隔壁が枠状に形成されている場合であって、液晶滴下方式により液晶表示素子を作製する場合には、第1基材の周縁部に枠状の隔壁を形成して、枠状の隔壁の外周にシール剤を塗布することにより、強誘電性液晶と未硬化状態のシール剤とが接触するのを防ぎ、シール剤中の不純物等の混入によって強誘電性液晶の特性が劣化するのを回避することができる。
さらに、隔壁がストライプ状に形成されている場合であって、液晶滴下方式により液晶表示素子を作製する場合には、ストライプ状の隔壁の長手方向が第1配向膜の配向処理方向に対して略垂直になるように隔壁が形成されていることが好ましい。強誘電性液晶をストライプ状の隔壁に沿って塗布することにより、強誘電性液晶が第1配向膜の配向処理方向に対して略平行に流動するように誘起することができ、強誘電性液晶の配向性を向上させ、配向欠陥の発生を抑制することができるからである。
なお、「略垂直」とは、ストライプ状の隔壁の長手方向と、第1配向膜の配向処理方向とのなす角度が90°±5°の範囲であることをいい、この角度は90°±1°の範囲であることが好ましい。上記の角度は、偏光顕微鏡を用いて、液晶分子の配向方向(第1配向膜の配向処理方向)およびストライプ状の隔壁の長手方向を観察することによって測定することができる。
隔壁のピッチは、100μm〜10mm程度とされ、好ましくは200μm〜1.5mmの範囲内、より好ましくは1.0mm〜5.0mmの範囲内である。隔壁のピッチが上記範囲より狭いと、隔壁付近での強誘電性液晶の配向不良によって表示品位が低下する可能性があるからである。逆に、隔壁のピッチが上記範囲より広いと、液晶表示素子の大きさによって異なるが、所望の耐衝撃性が得られなかったり、セルギャップを一定に保つことが困難になったりする場合があるからである。なお、隔壁のピッチとは、隣接する隔壁の中心部から中心部までの距離をいう。
また、隔壁の幅は、1μm〜20μm程度とされ、好ましくは2μm〜10μmの範囲内、より好ましくは5μm〜10μmの範囲内である。第1基材の周縁部に枠状の隔壁が形成されている場合には、この枠状の隔壁の幅は、強誘電性液晶と未硬化状態のシール剤との接触を防ぐことが可能な幅であればよく、具体的には10μm〜3mm程度とされ、好ましくは10μm〜1mmの範囲内、より好ましくは10μm〜500μmの範囲内である。隔壁の幅が上記範囲より広いと、隔壁が画素領域にも設けられることになり、有効画素面積が狭くなって良好な画像表示が得られない場合があり、また、隔壁の幅が上記範囲より狭いと、隔壁の形成が困難となる場合があるからである。
さらに、隔壁の高さは、通常、セルギャップと同程度とされる。
なお、上記隔壁のピッチ、幅および高さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて隔壁の断面を観察することによって測定することができる。
隔壁の数としては、複数であれば特に限定されるものではなく、液晶表示素子の大きさによって適宜選択される。
隔壁は第1基材上に形成されていればその形成位置としては特に限定されるものではなく、例えば、第1基材上に隔壁が形成されていてもよく、第1電極層上に隔壁が形成されていればよい。
また、本発明における第1配向処理基板においては、第1基材上に柱状スペーサが形成されていてもよい。第2配向処理基板において第2基材上に柱状スペーサが形成されている場合には、第1配向処理基板において第1基材上には柱状スペーサが形成されない。すなわち、第1配向処理基板に柱状スペーサが形成されていてもよく、第2配向処理基板に柱状スペーサが形成されていてもよい。
柱状スペーサの材料は、一般に液晶表示素子の柱状スペーサに用いられる材料を使用することができる。具体的には、柱状スペーサの材料としては、樹脂を挙げることができ、中でも感光性樹脂が好ましく用いられる。感光性樹脂はパターニングが容易であるからである。
柱状スペーサの形成方法としては、所定の位置に柱状スペーサを形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なパターニング方法を適用することができ、例えば、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
柱状スペーサは複数形成されるものであり、複数の柱状スペーサは所定の位置に規則的に形成されていることが好ましく、特に等間隔で形成されていることが好ましい。液晶滴下方式により液晶表示素子を作製する場合には、複数の柱状スペーサの形成位置が無秩序であると、強誘電性液晶の塗布量を正確に制御することが困難となる場合があるからである。
柱状スペーサのピッチは、100μm〜3mm程度とすることができ、好ましくは200μm〜1.5mmの範囲内、より好ましくは300μm〜1.0mmの範囲内である。柱状スペーサのピッチが上記範囲より狭いと、柱状スペーサ付近での強誘電性液晶の配向不良によって表示品位が低下する可能性があるからである。逆に、柱状スペーサのピッチが上記範囲より広いと、液晶表示素子の大きさによって異なるが、所望の耐衝撃性が得られなかったり、セルギャップを一定に保つことが困難になったりする場合があるからである。なお、柱状スペーサのピッチとは、隣接する柱状スペーサの中心部から中心部までの距離をいう。
また、柱状スペーサの大きさとしては、例えば柱状スペーサが円柱形状である場合、底面の直径が1μm〜100μm程度とされ、好ましくは2μm〜50μmの範囲内、より好ましくは5μm〜20μmの範囲内である。柱状スペーサの大きさが上記範囲より大きいと、柱状スペーサが画素領域にも設けられることになり、有効画素面積が狭くなって良好な画像表示が得られない場合があり、また、柱状スペーサの大きさが上記範囲より小さいと、柱状スペーサの形成が困難となる場合があるからである。
さらに、柱状スペーサの高さは、通常、セルギャップと同程度とされる。
なお、上記柱状スペーサのピッチ、大きさおよび高さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて隔壁の断面を観察することによって測定することができる。
柱状スペーサの形状としては、例えば、円柱形状、角柱形状、截頭錐体形状等を挙げることができる。
また、柱状スペーサの配置としては、特に限定されるものではないが、非画素領域に柱状スペーサが形成されていることが好ましい。柱状スペーサ付近では強誘電性液晶の配向不良が生じやすいので、画像表示に影響のない非画素領域に柱状スペーサが形成されていることが好ましいからである。例えば第1配向処理基板がTFT基板である場合には、マトリックス状に形成されたゲート電極およびソース電極上に、柱状スペーサを配置することができる。
柱状スペーサの数としては、複数であれば特に限定されるものではなく、液晶表示素子の大きさによって適宜選択される。
柱状スペーサは第1基材上に形成されていればその形成位置としては特に限定されるものではなく、例えば、第1基材上に柱状スペーサが形成されていてもよく、第1電極層上に柱状スペーサが形成されていてもよい。
本発明における第1配向処理基板おいては、第1基材上に着色層が形成されていてもよい。第2配向処理基板において第2基材上に着色層が形成されている場合には、第1配向処理基板において第1基材上には着色層が形成されない。すなわち、第1配向処理基板に着色層が形成されていてもよく、第2配向処理基板に着色層が形成されていてもよい。
着色層が形成されている場合には、着色層によってカラー表示を実現することができるカラーフィルタ方式の液晶表示素子を得ることができる。
着色層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタにおける着色層を形成する方法を用いることができ、例えば、顔料分散法(カラーレジスト法、エッチング法)、印刷法、インクジェット法などを用いることができる。
3.第2配向処理基板
本発明に用いられる第2配向処理基板は、第2基材と、この第2基材上に形成された第2電極層と、この第2電極層上に形成され、光二量化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光二量化型材料を含有する第2配向膜とを有するものである。
なお、第2基材、第2電極層、およびその他の構成については、上記第1配向処理基板における第1基材、第1電極層、およびその他の構成とそれぞれ同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、第2配向処理基板における第2配向膜について説明する。
(1)第2配向膜
本発明に用いられる第2配向膜には、第2配向膜が、光二量化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光二量化型材料を含有する光配向膜である第1態様、および、第2配向膜がラビング膜である第2態様の2つの態様がある。以下、各態様に分けて説明する。
(i)第1態様
本態様における第2配向膜は、第2電極層上に形成されるものであり、光二量化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光二量化型材料を含有する光配向膜である。
ここで、光二量化反応とは、光照射により偏光方向に配向した反応部位がラジカル重合して分子2個が重合する反応をいい、この反応により偏光方向の配向を安定化し、配向膜に異方性を付与することができるものである。光二量化型材料は、露光感度が高く、材料選択の幅が広いという利点を有している。また、光配向処理は非接触配向処理であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用である。
本発明に用いられる光二量化型材料としては、光二量化反応により配向膜に異方性を付与することができるものであれば特に限定されるものではないが、ラジカル重合性の官能基を有し、かつ、偏光方向により吸収を異にする二色性を有する光二量化反応性化合物を含むことが好ましい。偏光方向に配向した反応部位をラジカル重合することにより、光二量化反応性化合物の配向が安定化し、配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
このような特性を有する光二量化反応性化合物としては、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリン、キノリン、カルコン基およびシンナモイル基から選ばれる少なくとも1種の反応部位を有する二量化反応性ポリマーを挙げることができる。
これらの中でも光二量化反応性化合物としては、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリンまたはキノリンのいずれかを含む二量化反応性ポリマーであることが好ましい。偏光方向に配向したα、β不飽和ケトンの二重結合が反応部位となってラジカル重合することにより、配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
上記二量化反応性ポリマーの主鎖としては、ポリマー主鎖として一般に知られているものであれば特に限定されるものではないが、芳香族炭化水素基などの、上記側鎖の反応部位同士の相互作用を妨げるようなπ電子を多く含む置換基を有していないものであることが好ましい。
上記二量化反応性ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、5,000〜40,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜20,000の範囲内であることがより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定することができる。上記二量化反応性ポリマーの重量平均分子量が小さすぎると、配向膜に適度な異方性を付与することができない場合がある。逆に、大きすぎると、配向膜形成時の塗工液の粘度が高くなり、均一な塗膜を形成しにくい場合がある。
二量化反応性ポリマーとしては、下記式(14)で表される化合物を例示することができる。
Figure 0004888049
上記式(14)において、M11およびM12は、それぞれ独立して、単重合体または共重合体の単量体単位を表す。例えば、エチレン、アクリレート、メタクリレート、2−クロロアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−クロロアクリルアミド、スチレン誘導体、マレイン酸誘導体、シロキサンなどが挙げられる。M12としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートであってもよい。xおよびyは、共重合体とした場合の各単量体単位のモル比を表すものであり、それぞれ、0<x≦1、0≦y<1であり、かつ、x+y=1を満たす数である。nは4〜30,000の整数を表す。DおよびDは、スペーサー単位を表す。
は−A−(Z−B−Z−で表される基であり、Rは−A−(Z−B−Z−で表される基である。ここで、AおよびBは、それぞれ独立して、共有単結合、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、または置換基を有していてもよい1,4−フェニレンを表す。また、ZおよびZは、それぞれ独立して、共有単結合、−CH−CH−、−CHO−、−OCH−、−CONR−、−RNCO−、−COO−または−OOC−を表す。Rは、水素原子または低級アルキル基であり、Zは、水素原子、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキルまたはアルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲンである。zは、0〜4の整数である。Eは、光二量化反応部位を表し、例えば、ケイ皮酸エステル、クマリン、キノリン、カルコン基、シンナモイル基などが挙げられる。jおよびkは、それぞれ独立して、0または1である。
このような二量化反応性ポリマーとしては、具体的に下記式(15)〜(18)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004888049
また、上記二量化反応性ポリマーとして、より具体的には下記式(19)〜(22)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004888049
光二量化反応性化合物としては、上述した化合物の中から、要求特性に応じて光二量化反応部位や置換基を種々選択することができる。また、光二量化反応性化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、光二量化型材料は、上記光二量化反応性化合物のほか、配向膜の光配列性を妨げない範囲内で添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、重合開始剤、重合禁止剤などが挙げられる。
重合開始剤または重合禁止剤は、一般に公知の化合物の中から、光二量化反応性化合物の種類によって適宜選択して用いればよい。重合開始剤または重合禁止剤の添加量は、光二量化反応性化合物に対し、0.001質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。重合開始剤または重合禁止剤の添加量が小さすぎると重合が開始(禁止)されない場合があり、逆に大きすぎると、反応が阻害される場合があるからである。
光二量化型材料が光二量化反応を生じる光の波長領域は、紫外光域の範囲内、すなわち10nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、250nm〜380nmの範囲内であることがより好ましい。
次に、光配向処理方法について説明する。まず、第2電極層上に、上述の光二量化型材料を有機溶剤で希釈した第2配向膜形成用塗工液を塗布し、乾燥させる。
第2配向膜形成用塗工液中の光二量化反応性化合物の含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.2質量%〜2質量%の範囲内であることがより好ましい。含有量が上記範囲より少ないと、配向膜に適度な異方性を付与することが困難となり、逆に含有量が上記範囲より多いと、塗工液の粘度が高くなるので均一な塗膜を形成しにくくなるからである。
第2配向膜形成用塗工液の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ロッドバーコート法、スプレーコート法、エアナイフコート法、スロットダイコート法、ワイヤーバーコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
上記第2配向膜形成用塗工液を塗布して得られる膜の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3nm〜100nmの範囲内である。膜の厚みが上記範囲より薄いと十分な光配列性を得ることができない可能性があり、逆に膜の厚みが上記範囲より厚いとコスト的に不利になる場合があるからである。
得られた膜は、偏光を制御した光を照射することにより、光二量化反応を生じさせて異方性を付与することができる。照射する光の波長領域は、用いられる配向膜の構成材料に応じて適宜選択すればよいが、紫外光域の範囲内、すなわち100nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは250nm〜380nmの範囲内である。また、偏光方向は、光二量化反応を生じさせることができるものであれば特に限定されるものではない。
(ii)第2態様
本態様における第2配向膜は、第2電極層上に形成されるものであり、ラビング膜である。
ラビング膜に用いられる材料としては、ラビング処理により配向膜に異方性を付与することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラビング処理方法としては、第2電極層上に上記の材料を塗布して硬化させ、得られた膜をラビング布で一定方向に擦ることにより配向膜に異方性を付与する方法を用いることができる。
上記材料の塗布方法としては、例えば、ロールコート法、ロッドバーコート法、スロットダイコート法、ワイヤーバーコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
また、ラビング膜の厚みは、1nm〜1000nm程度で設定され、好ましくは50nm〜100nmの範囲内である。
ラビング布としては、例えば、ナイロン樹脂、ビニル樹脂、レーヨン、綿等の繊維で構成されるものを用いることができる。例えば、このようなラビング布を巻き付けたドラムを回転させながら上記の材料を用いた膜の表面に接触させることにより、膜表面に微細な溝が一方向に形成され、配向膜に異方性が付与される。
4.その他の構成
本発明の液晶表示素子は、図7に例示するように偏光板を有していてもよい。
本発明に用いられる偏光板としては、光の波動のうち特定方向のみを透過させるものであれば特に限定されるものではなく、一般に液晶表示素子の偏光板として用いられているものを使用することができる。
5.液晶表示素子の駆動方法
本発明の液晶表示素子の駆動方法としては、強誘電性液晶の高速応答性を利用することができるので、1画素を時間分割し、良好な動画表示特性を得るために高速応答性を特に必要とするフィールドシーケンシャルカラー方式が適している。本発明によれば、上述したように、フィールドシーケンシャルカラー方式により駆動させた場合の不具合を回避することが可能である。
また、本発明の液晶表示素子の駆動方法は、フィールドシーケンシャル方式に限定されるものではなく、着色層を用いてカラー表示を行う、カラーフィルタ方式であってもよい。
本発明の液晶表示素子の駆動方法としては、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式が好ましい。TFTを用いたアクティブマトリックス方式を採用することにより、目的の画素を確実に点灯、消灯できるため高品質なディスプレイが可能となるからである。
本発明においては、第1配向処理基板がTFT基板、第2配向処理基板が共通電極基板であってもよく、第1配向処理基板が共通電極基板、第2配向処理基板がTFTであってもよい。中でも、第1配向処理基板がTFT基板、第2配向処理基板が共通電極基板であることが好ましい。
例えば図9に示す液晶表示素子において、ゲート電極24xを30V程度の高電位にするとTFT素子25のスイッチがオンになり、ソース電極24yによって信号電圧が強誘電性液晶に加えられ、ゲート電極24yを−10V程度の低電位にするとTFT素子25のスイッチがオフになる。スイッチオフ状態では、図10に例示するように、共通電極(第2電極層)14およびゲート電極24x間には、共通電極(第2電極層)14側が正になるように電圧が印加される。このスイッチオフ状態のとき、強誘電性液晶は動作しないので、その画素は暗状態となる。
本発明においては、電圧無印加状態では、極性表面相互作用によって液晶分子の自発分極が第1配向処理基板側を向く傾向にある。すなわち、スイッチオフ状態のとき、図10に例示するように、液晶分子1の自発分極PsがTFT基板(第1配向処理基板)6側を向く。したがって、自発分極の向きは、共通電極(第2電極層)14およびゲート電極24x間に印加された電圧の影響を受けることがない。
一方、例えば電圧無印加状態にて自発分極が共通電極基板(第2配向処理基板)側を向く場合には、スイッチオフ状態のときに共通電極およびゲート電極間に印加された電圧の影響によって、ゲート電極が設けられている領域付近で自発分極の向きが反転してしまう。そうすると、ゲート電極が設けられている領域付近では、スイッチがオフであるにもかかわらず、強誘電性液晶が動作して光漏れが生じる。
これに対し、上述したように本発明においては、自発分極の向きは、共通電極およびゲート電極間に印加された電圧の影響を受けないので、光漏れが生じることがない。したがって本発明においては、自発分極の向きを制御し、第1配向処理基板をTFT基板、第2配向処理基板を共通電極基板とすることにより、ゲート電極付近の光漏れを防止することができる。
本発明に用いられる強誘電性液晶は、上述したように、第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、強誘電性液晶の分子方向が第1配向処理基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化するものである。
仮に、共通電極に対して、画素電極の電圧が相対的に高い場合を正の極性の電圧印加、画素電極の電圧が相対的に低い場合を負の極性の電圧印加とする。このように定義すると、第1配向処理基板が共通電極基板、第2配向処理基板がTFT基板である場合には、強誘電性液晶は、共通電極に対して画素電極の電圧が相対的に低い、すなわち負の極性の電圧印加のときに、強誘電性液晶の分子方向が第1配向処理基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化することになる。また、第1配向処理基板がTFT基板、第2配向処理基板が共通電極基板である場合には、強誘電性液晶は、共通電極に対して画素電極の電圧が相対的に高い、すなわち正の極性の電圧印加のときに、強誘電性液晶の分子方向が第1配向処理基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化することになる。
また、本発明の液晶表示素子の駆動方法は、セグメント方式であってもよい。
6.液晶表示素子の製造方法
次に、本発明の液晶表示素子の製造方法について説明する。本発明の液晶表示素子は、液晶表示素子の製造方法として一般に用いられる方法により製造することができる。例えば、真空注入方式、液晶滴下方式等を用いることができる。
以下、本発明の液晶表示素子の製造方法の一例として、TFT素子を用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子の製造方法について説明する。
真空注入方式では、まず、第2基材上に真空蒸着法により透明導電膜を形成し、全面共通電極とする。さらに、共通電極上に光二量化型材料を塗布し、光配向処理を施して第2配向膜を形成し、第2配向処理基板とする。また、第1基材上には、導電膜をマトリックス状にパターニングすることによりゲート電極およびソース電極を形成し、透明導電膜をパターニングすることにより画素電極を形成し、TFT素子を設置する。さらに、ゲート電極、ソース電極、TFT素子および画素電極上に光異性化型材料を塗布し、光配向処理を施して第1配向膜を形成し、第1配向処理基板とする。
次いで、第1配向処理基板の第1配向膜上にスペーサとしてビーズを分散させ、周囲にシール剤を塗布する。第1配向処理基板および第2配向処理基板を、第1配向膜および第2配向膜の配向処理方向が略平行になるように対向させ、貼り合わせ、熱圧着させる。そして、注入口からキャピラリー効果を利用して強誘電性液晶を等方性液体の状態で注入し、注入口を紫外線硬化樹脂等により封鎖する。その後、強誘電性液晶は徐冷することにより配向させることができる。
また液晶滴下方式では、まず、第2基材上に真空蒸着法により透明導電膜を成膜し、全面共通電極とする。次いで、共通電極層上に、フォトリソグラフィー法により隔壁をパターン状に形成する。次いで、共通電極および隔壁の上に光二量化型材料を塗布し、光配向処理を施して、第2配向膜を形成し、第2配向処理基板とする。また、第1基材上には、導電膜をマトリックス状にパターニングすることによりゲート電極およびソース電極を形成し、透明導電膜をパターニングすることにより画素電極を形成し、TFT素子を設置する。さらに、ゲート電極、ソース電極、TFT素子および画素電極上に光異性化型材料を塗布し、光配向処理を施して第1配向膜を形成し、第1配向処理基板とする。
次に、第2配向処理基板の第2配向膜上に、インクジェット法により強誘電性液晶を等方性液体の状態で吐出する。また、第1配向処理基板の周囲にシール剤を塗布する。次いで、第1配向処理基板および第2配向処理基板を、強誘電性液晶がネマチック相または等方相を示す温度まで加熱し、第1配向膜および第2配向膜の配向処理方向が略平行になるように対向させ、減圧下で重ね合わせて、シール剤を介して接着させる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された強誘電性液晶を配向させることができる。
強誘電性液晶を配向させる際、強誘電性液晶に重合性モノマーが添加されている場合には、強誘電性液晶を配向させた後、重合性モノマーを重合させる。重合性モノマーの重合方法としては、重合性モノマーの種類に応じて適宜選択され、例えば、重合性モノマーとして紫外線硬化性樹脂モノマーを用いた場合は、紫外線照射により重合性モノマーを重合させることができる。
また、重合性モノマーを重合させる際には、強誘電性液晶で構成される液晶層に電圧を印加してもよく電圧を印加しなくてもよいが、中でも、液晶層に電圧を印加しない状態で重合性モノマーを重合させることが好ましい。
さらに、上述のようにして得られた液晶セルの上下に偏光板を貼り付けてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(第1配向処理基板の作製)
ITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に、光異性化型材料(大日本インキ社製、商品名:LIA01)を回転数1500rpmで15秒間スピンコートし、100℃で3分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約1000mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(第2配向処理基板の作製)
ITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に透明レジスト(JSR社製、商品名:NN780)をスピンコートして、減圧乾燥し、90℃で3分間プリベークを行った。次いで、100mJ/cmの紫外線でマスク露光し、無機アルカリ溶液で現像を行い、230℃で30分間ポストベークを行った。これにより、高さ1.5μmの柱状スペーサを形成した。
次に、上記柱状スペーサが形成された基板上に、光二量化型材料(Rolic technologies 社製、商品名:ROP103)の2質量%シクロペンタノン溶液を回転数1500rpmで15秒間スピンコートし、130℃で15分間乾燥させた後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(液晶表示素子の作製)
第2配向処理基板上に、インクジェット装置を用いて強誘電性液晶(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を塗布した。このとき、インクジェット装置のヘッドを強誘電性液晶のN相−等方相転移温度より20℃高い温度に加熱し、第2配向処理基板の温度を室温に設定した。
次に、第2配向処理基板上に、紫外線加熱硬化型シール剤(協立化学産業株式会社製、商品名:WORLD ROCK 718)をシールディスペンサーで塗布した。
真空チャンバー内に配置したホットプレートを110℃に加熱して、このホットプレート上にシール剤を塗布した第2配向処理基板を配置した。次に、第1配向処理基板を、吸着プレートで吸着し、第1配向処理基板および第2配向処理基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させた。そして、真空チャンバー内が10Torrになるように排気を行った状態で、両基板を密着させ、一定の圧力をかけた後、真空チャンバー内を常圧に戻した。次いで、紫外線を1J/cm照射して紫外線加熱硬化型シール剤を硬化させ、両基板を接着させた。
その後、液晶セルを室温まで徐冷することによって強誘電性液晶を配向させ、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子では、パネル内のダブルドメインの存在比率がおおよそ75:25であり、第2配向処理基板の電極が負極となるように電圧を印加したときに、約75%の領域にて強誘電性液晶の分子方向が基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化した。
[実施例2]
(第1配向処理基板の作製)
ITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に、光異性化型材料(大日本インキ社製、商品名:LIA01)を回転数1500rpmで15秒間スピンコートし、100℃で3分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約1000mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(第2配向処理基板の作製)
ITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に、光二量化型材料(Rolic technologies 社製、商品名:ROP103)の2質量%シクロペンタノン溶液を回転数1500rpmで15秒間スピンコートし、130℃で15分間乾燥させた後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(液晶表示素子の作製)
第1配向処理基板に1.5μmのビーズスペーサを散布し、第2配向処理基板にシール剤をシールディスペンサーで塗布した。次いで、両基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させ、熱圧着を行い、空の液晶セルを作製した。
次に、強誘電性液晶(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に強誘電性液晶を付着させ、オーブンを用いて、N相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行い、ゆっくりと常温に戻した。
得られた液晶表示素子では、パネル内のダブルドメインの存在比率が95:5であり、第2配向処理基板の電極が負極となるように電圧を印加したときに、95%の領域にて強誘電性液晶の分子方向が基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化した。
[実施例3]
(第1配向処理基板の作製)
ITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に、光異性化型材料(大日本インキ社製、商品名:LIA01)を回転数4000rpmで30秒間スピンコートし、100℃で3分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約1000mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(第2配向処理基板の作製)
ITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に透明レジスト(JSR社製、商品名:NN780)をスピンコートして、減圧乾燥し、90℃で3分間プリベークを行った。次いで、100mJ/cmの紫外線でマスク露光し、無機アルカリ溶液で現像を行い、230℃で30分間ポストベークを行った。これにより、高さ1.5μmの柱状スペーサを形成した。
次に、上記柱状スペーサが形成された基板上に、ポリイミド(日産化学社製、商品名:SE-7962)を印刷し、ラビング処理することにより配向膜を形成した。
(液晶表示素子の作製)
第2配向処理基板上に、インクジェット装置を用いて強誘電性液晶(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を塗布した。このとき、インクジェット装置のヘッドを強誘電性液晶のN相−等方相転移温度より20℃高い温度に加熱し、第2配向処理基板の温度を室温に設定した。
次に、第2配向処理基板上に、紫外線加熱硬化型シール剤(協立化学産業株式会社製、商品名:WORLD ROCK 718)をシールディスペンサーで塗布した。
真空チャンバー内に配置したホットプレートを110℃に加熱して、このホットプレート上にシール剤を塗布した第2配向処理基板を配置した。次に、第1配向処理基板を、吸着プレートで吸着し、第1配向処理基板および第2配向処理基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させた。そして、真空チャンバー内が10Torrになるように排気を行った状態で、両基板を密着させ、一定の圧力をかけた後、真空チャンバー内を常圧に戻した。次いで、紫外線を1J/cm照射して紫外線加熱硬化型シール剤を硬化させ、両基板を接着させた。
その後、液晶セルを室温まで徐冷することによって強誘電性液晶を配向させ、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子では、パネル内のダブルドメインの存在比率がおおよそ70:30であり、第2配向処理基板の電極が負極となるように電圧を印加したときに、約70%の領域にて強誘電性液晶の分子方向が基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化した。
[比較例1]
ITO電極が形成された2枚のガラス基板をよく洗浄し、この2枚のガラス基板上に、それぞれ光異性化型材料(大日本インキ社製、商品名:LIA01)を回転数4000rpmで30秒間スピンコートし、100℃で3分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約1000mJ/cm照射し、配向処理を行った。
一方の基板に1.5μmのビーズスペーサを散布し、他方の基板にシール剤をシールディスペンサーで塗布した。次いで、両基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させ、熱圧着を行い、空の液晶セルを作製した。
次に、強誘電性液晶(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に強誘電性液晶を付着させ、オーブンを用いて、N相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行い、ゆっくりと常温に戻した。
得られた液晶表示素子では、パネル内のダブルドメインの存在比率がおおよそ50:50であり、一方の基板の電極が負極となるように電圧を印加したときに、約50%の領域にて強誘電性液晶の分子方向が基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化した。
[比較例2]
ITO電極が形成された2枚のガラス基板をよく洗浄し、この2枚のガラス基板上に、それぞれ光二量化型材料(Rolic technologies 社製、商品名:ROP103)の2質量%シクロペンタノン溶液を回転数1500rpmで15秒間スピンコートし、130℃で15分間乾燥させた後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
一方の基板に1.5μmのビーズスペーサを散布し、他方の基板にシール剤をシールディスペンサーで塗布した。次いで、両基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させ、熱圧着を行い、空の液晶セルを作製した。
次に、強誘電性液晶(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に強誘電性液晶を付着させ、オーブンを用いて、N相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行い、ゆっくりと常温に戻した。
得られた液晶表示素子では、パネル内のダブルドメインの存在比率がおおよそ50:50であり、一方の基板の電極が負極となるように電圧を印加したときに、約50%の領域にて強誘電性液晶の分子方向が基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化した。
[比較例3]
ITO電極が形成された2枚のガラス基板をよく洗浄し、この2枚のガラス基板上に、ポリイミド(日産化学社製、商品名:SE-7962)を印刷し、ラビング処理することにより配向膜を形成した。
一方の基板に1.5μmのビーズスペーサを散布し、他方の基板にシール剤をシールディスペンサーで塗布した。次いで、両基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させ、熱圧着を行い、空の液晶セルを作製した。
次に、強誘電性液晶(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に強誘電性液晶を付着させ、オーブンを用いて、N相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行い、ゆっくりと常温に戻した。
得られた液晶表示素子では、パネル内のダブルドメインの存在比率がおおよそ50:50であり、一方の基板の電極が負極となるように電圧を印加したときに、約50%の領域にて強誘電性液晶の分子方向が基板面に対して平行に強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化した。
液晶分子の挙動を示す模式図である。 本発明の液晶表示素子の一例を示す概略断面図である。 強誘電性液晶の配向状態の一例を示す模式図である。 強誘電性液晶の配向状態の他の例を示す模式図である。 強誘電性液晶の自発分極を示す模式図である。 強誘電性液晶の配向状態の他の例を示す模式図である。 本発明の液晶表示素子の他の例を示す概略断面図である。 フィールドシーケンシャルカラー方式による液晶表示素子の駆動シーケンスを示す図である。 本発明の液晶表示素子の他の例を示す概略斜視図である。 強誘電性液晶の配向状態の他の例を示す模式図である。 強誘電性液晶の配向状態の他の例を示す模式図である。 強誘電性液晶の印加電圧に対する透過率の変化を示したグラフである。 強誘電性液晶の有する相系列の相違による配向の違いを示した図である。 強誘電性液晶の印加電圧に対する透過率の変化を示したグラフである。 フィールドシーケンシャルカラー方式による液晶表示素子の駆動シーケンスを示す図である。
符号の説明
1 … 液晶分子
2 … 液晶表示素子
3 … 第1基材
4 … 第1電極層
5 … 第1配向膜
6 … 第1配向処理基板
10 … 液晶層
13 … 第2基材
14 … 第2電極層
15 … 第2配向膜
16 … 第2配向処理基板
z … 層法線
Ps … 自発分極
θ … チルト角

Claims (4)

  1. 第1基材と、前記第1基材上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜とを有する第1配向処理基板、および、第2基材と、前記第2基材上に形成された第2電極層と、前記第2電極層上に形成され、ラビング膜である第2配向膜とを有する第2配向処理基板を、前記第1配向膜と前記第2配向膜とが対向するように配置し、前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に強誘電性液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、
    前記強誘電性液晶が、スメクチックA相を経由しない相系列を有し、単安定性を示し、HV字型スイッチング(half−V shaped switching)特性を示すものであり、
    前記強誘電性液晶が、前記第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、前記強誘電性液晶の分子方向が前記第1配向処理基板面に対して平行に前記強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化するものであり、
    前記第1配向処理基板が、前記第1基材上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)を有するTFT基板であり、前記第2配向処理基板が、前記第2電極層が共通電極である共通電極基板であることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 第1基材と、前記第1基材上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、光異性化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光異性化型材料を含有する光配向膜である第1配向膜とを有する第1配向処理基板、および、第2基材と、前記第2基材上に形成された第2電極層と、前記第2電極層上に形成され、光二量化反応を生じることにより配向膜に異方性を付与する光二量化型材料を含有する光配向膜である第2配向膜とを有する第2配向処理基板を、前記第1配向膜と前記第2配向膜とが対向するように配置し、前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に強誘電性液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、
    前記強誘電性液晶が、スメクチックA相を経由しない相系列を有し、単安定性を示し、HV字型スイッチング(half−V shaped switching)特性を示すものであり、
    前記強誘電性液晶が、前記第2電極層が負極となるように電圧を印加したときに、前記強誘電性液晶の分子方向が前記第1配向処理基板面に対して平行に前記強誘電性液晶のチルト角の約2倍変化するものであり、
    前記第1配向処理基板が、前記第1基材上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)を有するTFT基板であり、前記第2配向処理基板が、前記第2電極層が共通電極である共通電極基板であることを特徴とする液晶表示素子。
  3. 薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリックス方式により駆動させるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. フィールドシーケンシャルカラー方式により駆動させるものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の液晶表示素子。
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