JP4887322B2 - 電力系統の位相検出システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統における電圧電流の位相状態を把握することを目的とした監視システムに関わり、特に、多数の計測子局を任意の低圧系統の端部に設けており、また、親局においてこれら子局の計測情報を補正計算する機能を有していることにより、電力系統広範の位相分布状態を把握することを電力系統の位相検出システムである。
電力系統の監視観測において、旧来より、電圧計測と電流計測を用いて、全体系統の潮流状態を把握するシステムが構築されている。PT(Potential Transformer)で計測した電圧値およびCT(Current Transformer)で計測した電流値を通信ネットワークで収集した上で、状態推定技術を用いて系統回路網における各地点の有効無効電力の方向,電圧分布状態・位相状態を推定する。
近年、これら観測技術に加えて、位相検出装置PMU(PhasorMeasurementUnit)を用いて、直接に位相情報を観測する技術が確立しつつある。GPSに代表される高精度な時刻同期技術を活用して、電圧・電流の位相状態を高精度に観測する技術である。上記のような旧来の監視観測手法において位相情報はあくまでも推定対象であったものが、PMUの出現により位相情報は直接の観測対象となってきた。
上記のような位相検出装置を前提として、新しいアプリケーションの検討が進んでいる。例えば、特に基幹系統部分について位相検出装置を配して、電力系統全体の安定度解析もしくは安定度制御に用いるシステムが提案されている(特許文献1,2)。旧来の状態推定計算に基づく方法に比較して、高精度かつ高速に位相情報が入手できるため、効果の高い安定度制御が可能になると考えられている。
特開2006−211830号公報 特開2006−109545号公報
従来、安定度制御などを目的とした位相検出装置を利用したアプリケーションにおいては、位相検出したい系統地点に直接に位相検出装置を設置している。例えば、基幹系の主要変電所における電圧位相を検出するために、当該変電所の保護制御装置盤の一機能として、位相検出装置PMUを設置している。
このような考え方で位相検出装置を設置していく場合、多数の地点に設置することは難しい。現状の位相検出装置が設置できるのは変電所であること、また設置スペースの制約や設置費用の制約から実際に設置できる変電所が限定されることなどの制限があるためである。上位系から下位系統までの広範な電力系統について、位相検出装置を設置することは困難である。
したがって、現状は、ごく限られた重要地点、一般的には電力系統のうち基幹系の数箇所のみに設置した位相検出装置から得られる観測情報を前提として、それで実現可能なアプリケーションを検討していると言うことができる。
このような位相検出装置の設置場所に関する課題を解決することにより、位相情報を利用した多様なアプリケーションが実現できるようになることを目的とする。
親局と子局で構成される位相検出システムを導入する。まず、位相計測を希望する地点ごとに、その近傍の需要家の低圧端に位相検出の子局を設置する。低圧の端部に設置するため、停電工事を伴わずに、任意の場所に設置することが可能となる。ただし、子局で計測される位相値は、目的地点の位相値と偏差(誤差)を持つ。親局においては、この偏差を補正計算する機能を有する。
上記機能を有した親局・子局で構成される位相検出システムを構成することにより、電力系統広範に位相情報の把握を可能としている。従来の位相検出装置により計測される主要変電所における位相情報だけでなく、配電系統までの広範な地点の推定位相情報を把握することができる。
このように直接計測もしくは推定計算で求めた位相情報を、種々の配電自動化アプリケーションの入力情報として活用することができる。たとえば、複数地点の位相値を比較することで、需要家ごとの接続相の確認・管理機能や、分散型電源の単独運転検出(推定)機能,ループ投入時の同期確認機能などを実現することができる。
また、系統内の端部に子局を多数配置することにより、従来にはできなかったアプリケーションを廉価に実現することが出来る。位相情報から潮流状態を推定することにより、潮流状態を入力とするアプリケーションと連携することが出来る。送配電系統の損失ロスを最小化することを目的として、系統構成計画立案支援システムや各種調相設備のオンライン制御システムを構築することが可能ともなる。
本発明によれば、親局・子局で構成される位相検出システムを構成することにより、電力系統広範に位相情報の把握が可能となり、位相情報を利用した多様なアプリケーションの実現が可能となる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
(実施例)
実施例として、電力系統における系統全体の位相情報を取り扱う位相検出システムについて、本発明を適用した場合について説明する。
上記システムの全体構成を図1に示す。上記システムは、親局0101と複数の子局0102で構成される。
まず、子局0102では、交流電流を通電している電力線0103に接続される電圧位相検出手段0104が具備されている。電圧位相を検出するにあたり、時刻検出手段0105より、GPS等を用いてμ秒単位で高精度に時刻同期された時刻情報が、電圧位相検出手段0104に提供されている。電圧位相検出手段0104では、標準時刻に時刻同期した時刻をベースにして、一定周期のサンプリング間隔で観測される位相値データリストを生成している。
次に、このように観測した位相データについて、通信網を介して親局に送信する準備を行う。まず、個体識別子記憶手段0106より、どの子局にて観測した情報であるかをユニークに判断できる識別情報が入手される。その上で、親局送受信情報作成手段0107において、規定のプロトコルに準拠した形で、親局に送受信する伝文を生成し、通信機能0108を介して親局0102へ送信される。ここでの通信回線は、FTTHやADSLもしくは電力線搬送(PLC),無線LANなどを介して、オープンなインターネットに接続する通信手段であり、SSLなどの標準のセキュア通信技術を用いて広域に安全な通信を可能としているものである。位相情報のみ伝送する場合、例えば消費電力量などの個人情報が推定され得るような情報と異なり、情報秘匿の必要性が低いと考えられるため、このよう公衆通信網を利用することができる。
一方、親局0103では、広範な範囲に設置された上記のような子局0102から、通信機能0109をもって、計測位相情報を収集する。これら収集された情報についてどの子局から送達されたものであるかを確認・検査した上で、有効なものについては計測位相値データベース0110に格納される。後述するとおり、これら計測位相値には、誤差が含まれていることが想定される。そこで、親局では、これを補正する処理を実施する。
まず、需要家別消費電力プロファイルデータベース0111より、それぞれの子局の計測地点における消費電力量の推定値を入手する。これを用いて、位相値補正推定手段0112によって、計測位相値から推定位相値を算出する処理を実施する。補正計算内容については後述する。算出された推定位相値については、電力系統の位置情報と合わせて推定位相値データベース0113に格納される。この推定位相値データベース0113は、信頼できる外部からのアクセスについて許可できるようにしてあり、種々のアプリケーションが同位相情報を利用した計算処理を実行できるようになる。
次に、図2を用いて、図1と異なる通信環境における実施例を説明する。図1の実施例においては、親局・子局のそれぞれが通信手段を有しており、オープンなインターネット接続などを介して、広域通信を実現しているものを説明した。図2では、子局が需要家設備近傍に設置されることを前提として、需要家の消費電力量の遠隔検針システム(インテリジェント電力計)が具備する通信手段を利用して、広域通信を実現する実施例を説明する。
図2の実施例のシステムにおいても、図1の実施例と同様に、親局0201と複数の子局0202で構成される。
まず、子局0202においては、図1の実施例と同様に、電力線0103に接続される電圧位相検出手段0204および時刻検出手段0205が具備されている。また、親局に送信するにあたり、個体識別子記憶手段0206および親局送受信情報作成手段0207によって、送受信伝文を生成する点も、図1の同様である。
ここで、本実施例では、遠隔検針システムが有する通信システムを利用する。インテリジェント電力計0208は、位相検出先の電力線0203と同一の電力線を観測対象とした消費電力の検出装置である。このような複数の電力計0208とそれらから遠隔検針情報を収集する検針センタ0209が存在し、電力計の間で通信システムを有している。電力計0208においては、使用電力量計測手段0210によって消費電力を計測して、これをもとに追加情報追加機能0211にて伝文生成した上で、電力計の通信機能0212によって送信される。センタ0209においては、通信機能0213で受信した情報を需要家別消費電力測定値データベース0214に格納している。ここでの通信回線は、遠隔検針システムに依存し、PLCやワイヤレス通信などの技術を用いた検針業務に従事する事業者のみが利用できるクローズドな通信網である。
このような遠隔検針システムと位相検出手段が連携する手順を説明する。まず、子局0202においては、親局送受信情報作成手段0207で生成した伝文を電力計0208に転送する。電力計の追加情報追加機能0211における伝文作成において、使用電力量の情報に合わせて、前記0207から転送される計測位相情報を追加して、送信伝文を生成する。これを受け取った検針センタ0209においては、使用電力量の情報から計測位相情報を分離し、これを親局0201に転送する。親局0201は、これを計測位相値データベース0213に格納する。また、位相値補正推定手段0217においては、図1の実施例のようにプロファイル情報を用いるのではなく、需要家別消費電力測定値データベース0214から計測情報を獲得して、需要家別属性データベース0216の情報と合わせて、後述の補正計算を実施する。算出された推定位相値については、図1の実施例と同様に、電力系統の位置情報と合わせて推定位相値データベース0218に格納されて、種々のアプリケーションが同位相情報を利用した計算処理を実行できるようになる。
以上のように、位相検出装置は親局と複数の子局で構成されている。親局・子局間の独自の通信機能により、情報収集する場合には図1の実施例のような機能構成となる。一方で、遠隔検針システムの通信機能と連携して情報収集を実現する場合には図2の実施例のような構成となる。いずれの実施例においても、子局の設置場所は制約を受けない。
従来の位相検出装置の設置場所としては、位相検出したい系統位置に直接に位相検出装置を設置する。例えば、図3のように、変電所0301における線路の送り出し地点0302において位相を検出できることを目的とする。この場合、変電所0301の保護制御装置盤の一機能として、位相検出装置を設置することになる。変電所にしか置けないこと、また設置スペースの制約や設置費用の制約から実際に設置できる変電所が限定されることなどから、多数の地点に位相検出装置を設置することは難しい。したがって、ごく限られた重要地点にのみ位相検出装置を配置することになる。一般的には、電力系統のうち基幹系の箇所に設置する。
一方、本発明の子局の設置場所については、制限を受けることはない。例えば、図3において、位相計測を希望する地点0303を測定する場合には、近傍の需要家の低圧端に位相検出の子局0304を設置する。低圧の端部に設置するため、停電工事を伴わずに、任意の場所に設置することが可能となる。ただし、前述の通り、子局0304で計測される位相値と、目的とする地点0303の位相値には、偏差(誤差)が存在する。この偏差は測定地点のズレに起因し、例えば柱上変圧器0305などのインピーダンスに従って発生するものである。本発明においては、後述の親局における補正計算(図1・図2内の位相値補正推定手段に相当)により、子局0304の計測位相値から地点0303の推定位相値を算出することを実施している。
このような機能を有した位相検出システムとすることにより、電力系統広範に位相情報の把握を可能としている。図4のように、商用電力系統0401の位相状態を把握するにあたり、送出地点0402に設ける従来の位相検出装置の計測位相情報だけでなく、子局0403から0405から得られる情報から、地点0406から0408の推定位相情報を把握することができる。
次に、親局における補正計算の概要を図5のフローチャートを用いて説明する。前述した図1,図2の位相値補正推定手段に関する説明の通り、子局から得られる計測位相値、および、需要家別の消費電力プロファイルもしくは消費電力測定値を用いて、推定位相値を算出する計算処理となる。
まず、位相差補正処理0501を実施する。この補正処理においては、子局設置地点から計測目的地点までの間に存在するインピーダンスに起因する偏差を補正する。本計算内容について、電圧ベクトル図で表現すると、図6のようになる。任意相の相電圧として、電圧ベクトルVr(0601)が観測されたことを想定する。簡単化して考えると、この相電圧Vrは、観測目的地点の相電圧Vs(0602)に比較して、前記のようなインピーダンスZのためにZ・Ir(0603)による位相差0604が生じていると考えることができる。そこで、この位相差補正処理0501においては、位相差0604を補正するために、電流ベクトルIrの推定値を用いて、観測目的地点の相電圧Vs(0602)を推定する処理を実施する。
電流ベクトルIrは、プロファイルに規定された消費電力もしくは電力計で観測された消費電力に相当する電流の大きさを持つとして、Vrに直行するベクトルを想定する。まず、プロファイルを用いる場合、データベース(図1のデータベース0111)より、必要な情報を獲得する。このデータベースは、図7のような構造を持つ。各子局について、個体識別子0701および接続する変圧器等の設備の型式情報0702およびそのインピーダンス0703を格納している。その上で、系統図における子局設置場所を示す情報0704、さらには、需要家別に規定されている消費電力プロファイル種別情報0705を格納している。
消費電力プロファイル種別0705において記述されるプロファイル識別子は、それぞれ、一つのプロファイル情報を示している。その内容を図8に示す。季節別・日種別を考慮した24時間単位の横軸0801と、時間毎の消費電力量を示す縦軸0802に対して、一日の消費電力の挙動を示すデータ0803が規定されている。図7のデータベース内で記述されるプロファイル識別子の全てについて、それぞれプロファイル情報が記述されている。
以上のような構成により、図7のデータベースより、インピーダンス情報を獲得し、また、電流量については上記プロファイルから抽出した消費電力量から算出することにより、計測目的地点における電圧ベクトルの位相値を推定算出することが可能となる。また、観測値を用いる場合には、上記プロファイルによる消費電力量の想定ではなく、電力計にて直接観測した消費電力値を用いて、同様の計算を実行することにより、計測目的地点での電圧ベクトル位相値を推定算出できる。
次に、接続相判定処理0502を実施する。それぞれの子局で観測される位相値には、U相V相W相の相電圧を測定対象としているもの、および、それぞれの線間電圧を測定対象としているものが含まれる。どのような電圧が測定対象としているかは、子局が設置されている低圧系統から上位系統の間に存在する変圧器の結線方式の違いに依存する。そこで、本判定処理によって、各子局の計測データがどの接続相に該当するかを判定する。
まず、図9を用いて、同処理の概念を説明する。便宜的にU相の位相0901を基準として0度として考えて、任意の子局で観測される位相値データ0902を0度から360度の間の軸上にプロットしていく。このような概念整理を用いると、近傍エリアの電力系統網における位相検出においては、全てのプロットは、U相V相W相の相電圧もしくは夫々の線間電圧の何れかにグルーピングできることになる。実際の電力系統の構成においては、近傍における複数地点の位相差は高々10度もないことから、理想的にはこれらのグルーピングを誤る可能性は無いと考えることができる。この考え方に従って、接続相の判定を行う。
実際の処理は、図10のような考え方で行う。位相を横軸1001に、その発生頻度を縦軸1002としている。この図上で、U相の相電圧に関する判定を行う。まず、前回U相の基準とした位相角度を基準1003として、ここから所定の尤度を取った範囲1004を規定する。実際には、前記尤度は、±10度程度の大きさを持つ閾値が採用される。この範囲1004から逸脱するような計測値1005は、何らかの理由によって発生した異常な計測値と判断できる。本システムでは、このような異常計測値については、計算対象から除外する処理を実施する。逆に、範囲1004に残ったものについては、U相相電圧に該当する計測位相値としてグルーピングされて扱われることになる。また、U相相電圧の基準値から180度反転した位相範囲において、前記処理と同様の考え方でグルーピングされた計測位相値群についても、U相相電圧に該当すると考えられる。このような計測位相値群については180度反転した上で、U相相電圧のグループに加える。最後に、最終的にグルーピングされたU相相電圧の計測位相値群について、算術単純平均などの統計処理により算出した位相値を、新たなU相基準値として採用する。
このような接続相判定処理をU相V相W相の相電圧もしくは夫々の線間電圧の夫々について実施することにより、全ての計測位相値は何れかのグループに分類されるか、もしくは、異常値として除外されるかの判定が成される。
以上のような位相検出システムを構成することにより、電力系統広範に位相情報の把握を可能としている。ここで得られた位相情報を、配電監視制御のためのアプリケーションに提供することにより、種々の応用を図ることができる。
第一の応用例として、オンライン接続相管理システムを説明する。このシステムは、配電線沿線もしくはそこからの引込み線で接続している需要家近傍の電気工事作業を実施する際に、現地作業者が特定地点における電力設備について当該電力設備が接続する相の情報をオンラインで取得することを目的としている。
図11において、位相検出システムを上記接続相管理システムに応用する方法を説明する。上位電圧階級のUVW相の電線1101、および、その電線から引き込まれている下位電圧階級の引込み線1102が存在する。この間の接続方法1103について、オンラインの位相データを利用して確認するものである。位相検出システム親局1104には、子局1105および子局1106が通信を介して接続しており、これら地点の位相情報が入手可能となっている。親局1104は、これら位相情報について、接続相管理システム1107に提供している。ここで、作業者1108が子局1105近傍の電力設備に対する作業を計画している場合には、作業端末を介して、接続相の問合せを行う。接続相管理システム1107においては、同端末の位置情報から近接する子局1105を探索して、この位相情報を画面表示する。同時に、近接の上位電圧階級における子局1106による位相情報を比較表示する。この表示により、作業者1108は、作業を計画している電力設備が、どの相に接続しているのかをオンラインで判断できるようになる。
第二の応用例として、分散型電源管理システムを説明する。このシステムは、配電線に連系する分散型電源の運転状況を監視し、また同時に、配電線が停電状態になった場合に、分散型電源の単独運転を検出・防止することを目的としている。ただし、各分散型電源の連系装置には、配電線を保有する電力会社の連系指針に沿って、ローカルに単独運転検出を行う機能が設けられている。分散型電源管理システムによる単独運転の監視は、これを補強するために、別途動作するものである。
図12において、位相検出システムを上記分散型電源管理システムに応用する方法を説明する。配電線1201には、区間ごとに、位相検出システムの複数の子局1202から1204が設置されている。また、これらと通信回線を介して接続する親局1205が存在する。ここで、配電線1201に連系して分散型電源1206が運転している。前記分散型電源は、通信回線を介して、分散型電源管理システム1207の監視制御を受けている。この分散型電源管理システム1207は、親局1205から配電線1201の位相状態に関する情報提供を受けている。この位相状態を精査しつつ、分散型電源1206の単独運転防止の監視をしている。具体的には、分散型電源1206が連系する区間に属する子局1204の位相状態について、他の区間の位相状態と時系列的に比較監視している。これら位相状態の差が、事前に定めた基準を大きく超えるように、急激に大きく変化した場合には、同区間が切り離されたと判断できる。これを受けて、分散型電源1206に対して運転停止の指令を発信する。このような動作により、電力系統停電時の単独運転を防止することが出来る。
第三の応用例として、ループ投入制御の高度化事例を説明する。例えば、系統事故の除去もしくは運用効率の向上などを目的として、配電自動化システムが、配電系統における区間の構成変更を行うためにループ投入を行う。このときの位相確認作業について、位相検出システムを利用するものである。
図13において、配電自動化システムが、位相検出装置と連携して、ループ切り替え操作を行う方法を説明する。配電線1301には、位相検出システムの複数の子局1302から1304が接続されており、親局1105が通信回線を介して位相情報を収集している。一方で、配電自動化システムのセンタサーバ1306は、専用通信線を介して、開閉器1307および開閉器1308の監視制御を行っている。配電自動化システムは、系統切り替え操作として、開閉器1308を投入して一旦ループ系統を構成した後に、開閉器1307を開放する操作を行おうとしている。このとき、まず、センタサーバ1306は、位相検出システムの親局1305より当該配電線における位相情報の提供を受ける。この情報に基づいて、開閉器1308を挟む2つの区分の間で、どのような位相差が発生しているのかを精査する。ここでは、子局1303および子局1304の情報から、前記位相差を算出する。この位相差が、業務手順に規定される許容範囲以下であることが確認できた場合には、センタサーバ1306は開閉器1308に対する投入指令値を送信し、その後、開閉器1307に開放指令を送信する。逆に、前記位相差が許容範囲よりも大きい場合には、ループ投入操作を中止することになる。このような動作により、系統切り替え時の位相確認を行うことが出来る。また、同様の仕掛けによって、分散型電源を連系する際の開閉器投入における位相確認を行うことも出来る。
第四の応用例として、系統監視システムが持つ潮流監視画面表示での応用を説明する。このシステムは、配電自動化システムなどの一機能として、電力系統における電圧分布・位相分布・潮流状態をグラフィカルに操作員に提示することを目的としている。
図14において、位相検出システムを上記潮流監視画面に応用する方法を説明する。画面1401においては、日時選択操作1402もしくは最新時刻選択操作1403によって指定された時間断面について、電力系統の潮流状態を表示する画面である。この系統監視システムは、位相検出システムより当該電力系統の位相情報の提供を受けており、それを画面表示する。画面1401においては、電力線1404について、位相検出システムが推定した位相情報について、複数地点で表示1405を行う。また、別システムより入手した電圧値情報1406も合わせて表示する。さらに、表示1407として、各地点間に流れる有効電力・無効電力を推定計算した値も表示する。この値は、電圧情報および位相情報を用いて算出されるものである。例えば、地点Aと地点Bの間に流れる潮流を考えた場合、地点Aの電圧Va、地点Bの電圧Vb、2地点間のリアクタンスX、位相差δにおいて、有効電力P=VaVbsinδ/X,無効電力Q=(VaVbcosδ−Vb^2)/Xなどの簡易式で推定計算を行う。このような動作により、潮流監視画面を生成し、操作員に理解しやすい情報提供を可能としている。
最後に、本発明の位相検出システムの子局設置に関する業務手順を説明する。これら子局は、需要家が所有する施設内に設置する場合も考えられる。位相検出システムは、電力系統の安定運用に貢献する一方で、需要家の観点においては前記子局を設置したことによる直接的なメリットが少ない。そのため、広域にわたる子局の配置を進めるためには、金銭的インセンティブを需要家に提供することが考えられる。
そこで、位相検出システム親局においては、各子局が有効な動作を行っているかを常時監視を行う。子局固有の個体識別子を判定材料として、各子局の動作有無を判断する。有効動作を行っている子局については、その設置需要家情報を料金管理システムに送達する。そして、料金管理システムにおいては、電力料金割引などのサービスを需要家に提供する。このような仕掛けにより、需要家は子局を設置したことのインセンティブを得られるようになり、位相検出システムの広範な導入を進めることも可能となる。
従来の位相検出装置においては、位相検出したい系統箇所近傍の変電所に対して、保護制御装置盤の一機能として位相検出装置を設置することになる。この場合、変電所にしか置けないこと、また設置スペースの制約や設置費用の制約から実際に設置できる変電所が限定されることなどから、多数の地点に位相検出装置を設置することは難しい。したがって、重要地点にのみ位相検出装置を配置することになる。
一方で、上記に説明した機能を有した親局・子局で構成される位相検出システムを構成した場合には、電力系統広範に位相情報の把握が可能となる。従来の位相検出装置により計測される主要変電所における位相情報だけでなく、配電系統までの広範な地点の推定位相情報を把握することができる。
このようにして得た推定位相情報については、種々の配電自動化アプリケーションの入力情報として活用することができる。位相値そのものを利用して、需要家ごとの接続相の確認・管理機能や、分散型電源の単独運転検出(推定)機能,ループ投入時の同期確認機能などを実現することができる。また、系統内の端部に子局を多数配置することにより、従来にはできなかったアプリケーションを廉価に実現するようになる。
さらには、位相情報から潮流状態を推定することにより、潮流状態を入力とするアプリケーションと連携することが出来る。送配電系統の損失ロスを最小化することを目的として、系統構成計画立案支援システムや各種調相設備のオンライン制御システムを構築することが可能ともなる。
本発明の位相検出システムの機能ブロック。 本発明の位相検出システムの機能ブロック(遠隔検針システムと連携する場合)。 子局設置箇所(例)。 子局設置箇所に関する系統図上の説明。 親局における位相値補正推定計算フロー。 位相値補正計算内容(例)。 需要家別消費電力プロファイルデータベースの構造(例)。 需要家別消費電力プロファイルの日パターン(例)。 接続相判定の考え方。 接続相判定処理の内容(例)。 位相検出システムの接続相管理への応用。 位相検出システムの分散型電源管理への応用。 位相検出システムのループ投入制御への応用。 潮流監視画面(例)。
符号の説明
0101 親局
0102 子局
0103 電力線
0104 電圧位相検出手段
0105 時刻検出手段
0106 個体識別子記憶手段
0107 親局送受信情報作成手段
0108,0109 通信機能
0110 計測位相値データベース
0111 需要家別消費電力プロファイルデータベース
0112 位相値補正推定手段
0113 推定位相値データベース

Claims (8)

  1. 電力系統網における交流電圧および交流電流の位相を検出するシステムにおいて、
    時刻同期手段を備えた位相検出装置を具備する一つ以上の子局と、電力系統の系統構成設備および前記構成設備のインピーダンス情報を蓄積しているデータベースを具備する親局とで構成されており、
    前記親局は前記子局の位相検出装置で計測された位相値を収集した上で、前記構成設備のインピーダンス情報を用いて前記計測位相値の補正計算を実施し、算出した結果を推定位相値データベースに格納することを特徴とする電力系統の位相検出システム。
  2. 請求項1において、前記親局および前記複数子局に通信手段を具備することで、前記位相値の収集を行うことを特徴とする電力系統の位相検出システム。
  3. 請求項2において、前記親局が具備するデータベース内に、前記子局が位相計測する地点を通過する電力量について統計パターンを規定したプロファイルを格納しており、前記位相値補正計算に前記プロファイルを用いることを特徴とする電力系統の位相検出システム。
  4. 請求項1において、前記子局は遠隔検針機能を有した電力計に接続して遠隔検針通信網を利用して前記親局に計測位相値の送信を行った上で、前記親局は遠隔検針システムを介して収集した計測位相値および前記子局の位相計測地点における通過電力量を用いて前記補正計算を実施することを特徴とする電力系統の位相検出システム。
  5. 請求項1において、電力系統潮流監視システムから前記推定位相値データベースの読み取りアクセスを可能とすることにより、前記電力系統潮流監視システムが潮流状態の推定計算を行うことを目的として、位相情報を外部提供することを特徴とする電力系統の位相検出システム。
  6. 請求項1において、分散型電源管理システムから前記推定位相値データベースの読み取りアクセスを可能とすることにより、前記分散型電源管理システムが特定地点における分散型電源設備の単独運転有無をオンラインで回答することを目的として、位相情報を外部提供することを特徴とする電力系統の位相検出システム。
  7. 請求項1において、接続相管理システムから前記推定位相値データベースの読み取りアクセスを可能とすることにより、前記接続相管理システムが特定地点における電力設備が接続する相の情報についてオンラインで回答することを目的として、位相情報を外部提供することを特徴とする電力系統の位相検出システム。
  8. 請求項1において、配電自動化システムから前記推定位相値データベースの読み取りアクセスを可能とすることにより、前記配電自動化システムが開閉器投入制御の際の位相同期判定を自動で行えることを目的として、位相情報を外部提供することを特徴とする電力系統の位相検出システム。
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