JP4886983B2 - 抗体を含有する機能性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、抗体を含有する機能性組成物に関し、さらに詳しくは、抗体を含有する免疫調節作用と整腸作用を併せ持つ組成物に関する。
消化管免疫は免疫系の最前線であり、全身の免疫の7割が消化管に集まっている。消化管免疫を強化できれば、全身の免疫系も強化できる。免疫系が強化されれば、消化管に分泌される抗体の量も多くなり、悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内環境が良くなり、すなわち、整腸作用がみられることとなる。さらに、腸内環境が良くなれば、消化管免疫が賦活される。このように免疫調節作用と整腸作用とは関連しあっており、それぞれを向上させ、好循環させることが、より健康な身体を作ることとなる。
ところで、抗体は体内で産生されているが、加齢とともに産生量は減少するため、高齢者の免疫機能は低下する。また、ストレスや免疫抑制作用を有する医薬品の使用によっても抗体産生は低下する。
乳由来の抗体を摂取することによって、免疫系の最前線である消化管免疫を高めることができ、健康を増進し、病気からの回復を早め、健康長寿が期待できる。例えば、乳由来の抗体を人、動物が摂取することにより、消化管において疾病の原因となる細菌やウイルスによる病気の治療と予防に有効であることや、消化管内の微生物バランスを健常に保ち、健康増進に役立つことが報告されている(非特許文献1参照)。また、消化管には大腸菌その他グラム陰性菌が寄生し、グラム陰性菌の菌体成分である内毒素(エンドトキシン)が体内に移行すると、エンドトキシンショックや、血栓症などの重篤な病態となることが知られているが、外科手術に先立って乳由来の抗体を摂取することにより、その抗体がエンドトキシンの毒性を無害化して、エンドトキシンによる傷害を防ぐことができることも報告されている(非特許文献2参照)。
成人では、消化管、呼吸器等の粘膜に分泌される抗体の合成速度は体重1kgあたり、24mg/日とされ(非特許文献3参照)、成人では毎日約1000mgが消化管に分泌されていることから、病気快復、健康増進のためにはこの量の何割かを補う抗体の摂取が望ましい。
一般に、抗体を外部から投与して成立する免疫を受動免疫と称し、体内で抗体を産生して成立する免疫を能動免疫と称する。上記の抗体の摂取は、受動免疫に相当する。
一方、従来の免疫賦活物質は能動免疫を活性化させるものである。例えば、アガリクス、メシマコブ、エノキタケ、ヒラタケ、ナメコ、マツタケ等のいわゆるキノコ類や、パン酵母、ビール酵母、トルラ酵母等の酵母類はβ−グルカンを含有しており、その作用を示すことが知られている。また、酵母にはグルタチオンを多く含むものもあり、グルタチオンにも免疫賦活作用がある。乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌等の細菌類はプロバイオティクスとして生菌のまま摂取すると、免疫賦活作用や整腸作用を有する。さらに、細菌類を死菌として摂取しても同様の作用がみられ、その有効成分としては細胞壁、その構成成分であるペプチドグリカン等が知られている。細胞壁を酵素分解することで、より免疫賦活作用が強くなることは、本発明者らが既に示している(特許文献1、特許文献2参照)。細菌由来のDNA(デオキシリボ核酸)を経口的に摂取することで免疫賦活作用があることも本発明者らは既に示している(特許文献3参照)。
しかし、これらの菌類は摂取方法によって効果が大きく異なり、また、個々人によっても効果の差が大きい。また、グルタチオン、ラクトフェリン等も免疫賦活作用があることが知られているが、その効果は十分に満足できるものではない。複数の免疫賦活物質を組み合わせたものも見られるが、いずれも能動免疫を活性化させるものを組み合わせたもので、摂取者自身の抗体産生には限界があるため、大きな相乗効果は望めない。特に摂取者が高齢者である場合には、自身の抗体産生能力が弱くなっているため、効果を得るのは難しい。そこで、より強い免疫調節作用や整腸作用を持つ機能性組成物の出現が強く求められていた。
Korhonen H. et al. Bovine milk antibodies for health, British J. Nutrition,84,suppl.1,S135-S146 (2000) Bolke E, et al. Shock 17, 9-12 (2002) ウイリアムE.ポール編/多田富雄監訳、基礎免疫学(東京大学出版会)1986年、上181頁 特開2000−4830号公報 特開2000−210050号公報 特開2000−262247号公報
本発明は、より強い免疫調節作用を持ち、より強い整腸作用を持つ機能性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、抗体と免疫賦活物質を混合し、同時に摂取することで、すなわち受動免疫物質と能動免疫賦活物質を組み合わせることで、それぞれ単独での摂取に比べて、より強い免疫調節作用と整腸作用が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
1)抗体と免疫賦活物質を有効成分として含有する機能性組成物、
2)抗体が乳由来の抗体である請求項1に記載の機能性組成物、
3)免疫賦活物質が乳酸菌、ビフィズス菌以外の毒素を産生しない細菌の菌体または菌体成分である請求項1または2に記載の機能性組成物、
4)免疫賦活物質がカビ・酵母の菌体または菌体成分である請求項1または2に記載の機能性組成物、
5)免疫賦活物質がキノコ類の菌体または菌体成分である請求項1または2に記載の機能性組成物、
6)免疫賦活物質が細菌、カビ・酵母およびキノコ類から選ばれる菌類の菌体の酵素分解物である請求項1または2に記載の機能性組成物、および
7)免疫賦活物質がSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)である請求項1または2に記載の機能性組成物。
本発明によれば、抗体と免疫賦活物質を混合し、同時に摂取することで、より強い免疫調節作用と整腸作用が得られる。免疫賦活物質は消化管の能動免疫を活性化させ、一方、抗体は消化管において受動免疫として働くため、この両者を同時に摂取すると強い免疫調節作用と整腸作用が発現する。
具体的には、抗体の摂取、すなわち消化管内の受動免疫により悪玉菌が減少し、腸内環境が改善され、また、同時に摂取された免疫賦活物質が機能しやすくなり、免疫賦活物質単独での摂取に比べて、免疫賦活の効果はより大きくなる。そして、免疫系のTh1/Th2バランスがさらにTh1優位になり、免疫システムを司るマクロファージ、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞(CTL細胞)が活性化し、インターロイキン12(IL−12)やインターフェロンγ(IFN−γ)の産生が増強される、というように、全身の免疫機能が改善される。
本発明において、抗体としては卵由来、血清由来等の抗体を用いることもできるが、好ましくは容易に入手できる乳由来の抗体を用いる。乳清タンパクには乳由来の抗体が高濃度で含有されるので、そのまま、本発明における抗体として用いることができる。乳清タンパクは通常の市販されているもの、すなわち、ホエータンパク濃縮物(WPC)、ホエータンパク単離物(WPI)、脱塩ホエー粉等が使用できるが、抗体含有量の高いもののほうが好ましい。乳清からの乳清タンパクの分離法については、各種の方法が採用されているが、ウルトラフィルタレーション法、マイクロフィルタレーション法、クロスフローマイクロフィルタレーション法、イオン交換法、その他いずれの方法によるものでも使用できる。
乳清タンパクの原料としての乳は牛、ヤギ、ヒツジ、馬、水牛等いずれの哺乳動物の乳でもよく、また、その乳はワクチン接種を受けた哺乳動物から採取された乳でも、ワクチン接種を受けていない哺乳動物から採取された乳でもよい。
本発明において、抗体と併用される免疫賦活物質としては公知の免疫賦活物質のいずれも包含するが、乳酸菌、ビフィズス菌以外の毒素を産生しない細菌類、カビ・酵母類、キノコ類の菌体または菌体成分、細菌、カビ・酵母およびキノコ類から選ばれる菌類の菌体の酵素分解物並びにSODが好ましく、挙げられる。
乳酸菌、ビフィズス菌以外の毒素を産生しない細菌としては、乳酸菌、ビフィズス菌以外の細菌であって、毒素を産生しない菌であればいずれの細菌でも用いることができる。例えば、納豆菌(Bacillus natto)、アミノ酸生産菌(Corynebacterium属、Brevibacterium属、Microbacterium属)等を用いることができる。これらの細菌類は生菌として用いてもよいし、死菌としてもよく、乾燥物や有効成分の抽出液、その乾燥物等を用いることができる。
カビ・酵母類としては、食用できればいずれのカビ・酵母でも用いることができる。例えば、ビール酵母、パン酵母、トルラ酵母、黒酵母、海洋性酵母、麹菌、テンペ菌等を挙げることができる。これらの乾燥物や抽出液、あるいは抽出液の乾燥物、また、これら酵母の培養液、培養液からの抽出液、その乾燥物等を用いることができる。
キノコ類としては、食用できればいずれのキノコでも用いることができる。例えば、アガリクス、メシマコブ、ヤマブシタケ、スエヒロタケ、カワラタケ、ホウキタケ、ハナビラタケ、サナギタケ、ナラタケ、マツタケ、マイタケ、姫マツタケ、冬虫夏草、マンネンタケ(霊芝)、鹿角霊芝、コフキサルノコシカケ、カバノアナタケ(チャーガ)、シイタケ、エノキタケ、ナメコ、ホンシメジ、キクラゲ、シロキクラゲ、エリンギ、クロカワ等が挙げられる。これらのキノコ類の子実体や菌糸体を含む菌体の乾燥物や抽出液、あるいは抽出液の乾燥物等を用いることができる。
上記の細菌、カビ・酵母類、キノコ類の菌体の酵素分解物を用いることもできる。酵素はいずれの酵素を用いてもよいが、リゾチーム等のグリコシダーゼ型酵素とブロメライン等のエンドペプチダーゼ型タンパク質分解酵素を組み合わせて用いることが好ましい。
また、SODとしては植物由来、動物由来、微生物由来等いずれのSODでも用いることができる。なかでもSODとしては、プロラミン処理SOD(米国特許第6045809号)を用いると、経口的に摂取したときに、未処理のSODよりも強い免疫賦活作用を示すので、より好ましい。
また、その他の免疫賦活物質としてグルタチオン、リゾチーム、ブロメライン等のタンパク質分解酵素、ラクトフェリン、フコイダン、カゼイン分解物、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、カロチノイド、ミネラル(鉄、亜鉛、セレン)、コエンザイムQ10、α−リポ酸、プロポリス、ローヤルゼリー、タウリン、グルコサミン、ハトムギエキス、羅漢果エキス、グリチルリチン、キャッツクロー、エキナセア、ノコギリヤシ、ピクノジェノール、カテキン、ブドウ種子抽出物等のポリフェノール、クロレラ、スピルリナ等の藻類、穀物(大麦、オート麦、ハト麦等)由来のベータグルカン、等も用いることができる。これらは市販されているものを用いることができる。
本発明においては、抗体と免疫賦活物質との混合方法に制限はなく、また、組成物の形状にも制限はない。
抗体は機能性組成物中に10mg/g以上含まれることが好ましく、より好ましくは10mg/g〜300mg/g含まれる。また、免疫賦活物質は機能性組成物中に1質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは1質量〜95質量%含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。実施例中、抗体量の測定は次の方法によった。
(抗体量の測定法)
乳清タンパクあるいは抗体を含有する機能性組成物を100mg取り、50mlの50mMリン酸緩衝液(pH6.8)に溶解し、2時間以上撹拌してから、その10ml以上を0.45μメンブランフィルターでろ過した。一方、プロテインGカラム(Amersham、HiTrap Protein G HP 1ml)を50mMリン酸緩衝液(pH6.8)で平衡化し、前記メンブランフィルターでろ過した試料10mlをカラムに流し、同緩衝液(pH6.8)で洗浄後、100mMグリシン塩酸緩衝液(pH2.7)で抗体を溶出させた。
溶出液の280nmの吸光度を測定し、抗体濃度1%のときの吸光度を14として試料中の抗体濃度を換算し、それから、乳清タンパクあるいは機能性組成物中の抗体量を計算した。
[参考例1](乳清タンパク中の抗体含量の測定)
前記測定法に従い、市販の乳清タンパク中の抗体含量を測定したところ、Proliant8000(James Farrell & Co.製)、IgG含有濃縮乳清タンパク((株)アオテアロア)はそれぞれ50.0mg/g、166mg/gであった。
[実施例1〜5、比較例1〜7]
下記表1に示す配合(数値は質量比)で4種類の機能性組成物を作製した。表1には機能性組成物の抗体含量も併せて示した。また、比較例1としてProliant8000、比較例2として納豆菌の凍結乾燥菌体、比較例3としてアガリクス乾燥粉末、比較例4としてビール酵母粉末、比較例5としてカゼイン分解物、比較例6としてプロラミン処理SOD(オキシカイン(登録商標)、イゾセル社(仏)製)を以下の試験に使用した。さらに2種の免疫賦活物質の組成物を調製し、比較例7として使用した。
(表1)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 比較例7Proliant8000 99 80 - 90 - -
IgG含有濃縮乳清タンパク - - 60 - 6 -
納豆菌(凍結乾燥菌体) 1 - - - - -
アガリクス乾燥粉末 - 20 - - - 50
ビール酵母粉末 - - 40 - - 50
プロラミン処理SOD - - - 10 - -
カゼイン分解物 - - - - 94 -
抗体含量(mg/g) 49.5 40.0 99.6 45.0 10.0 -
[実施例6](IgG抗体産生に及ぼす作用)
6週齡のBALB/c系雌マウス1群6匹に、実施例1〜5、比較例1〜7のそれぞれを1質量%加えた混餌飼料を与えて、2週間飼育した。また、対照例として何も添加しない飼料を与えて、同様に飼育した。その後、卵白アルブミン10μg、水酸化アルミニウム1mgを含む0.1mlの生理食塩水で免疫し、免疫の14日後に眼底静脈叢より採血し血清を分離した。この血清中の抗卵白アルブミンIgG抗体(抗EAIgG)濃度を次のように求めた。
すなわち、平底96穴マイクロプレート(Nunc、439454)に、0.05M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)に溶解した卵白アルブミン0.1mg/ml溶液50μlを加え、4℃に一晩置いた。洗浄液(0.9%塩化ナトリウム、0.05%Tween20)で洗浄後、牛血清アルブミン1mg/mlを含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)200μlを加え、37℃、1時間置いてブロッキングした。洗浄後、牛血清アルブミン10mg/ml、0.05%Tween20、3%塩化ナトリウムを含むPBS(溶液A)にて希釈した上記血清を加え、37℃、1時間置いた。洗浄後、ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgGヤギ抗体(生化学工業製)の溶液Aによる10000倍希釈液50μlを加え、37℃、1時間置いた後、洗浄し、基質溶液(オルトフェニレンジアミン40mg、30%過酸化水素20μl/クエン酸−リン酸ナトリウム緩衝液100ml)100μlを加え、室温に置き、492nmの吸光度を測定した。
抗体濃度は、卵白アルブミンをフロインドの完全アジュバントとともに免疫したマウス血清より、卵白アルブミン結合セファロース4Bアフィニティーカラムで精製したIgG抗体を用いて作成した検量線より求めた。血清中の抗EAIgG濃度の測定結果(各群の平均値±標準偏差)を表2に示した。
[実施例7](IgE抗体産生に及ぼす作用)
実施例6で採取した血清中の抗卵白アルブミンIgE抗体(抗EAIgE)濃度を次のように求めた。すなわち、平底96穴マイクロプレート(Nunc、439454)に、PBSに溶解した抗マウスIgE抗体50μlを加え、4℃に一晩置いた。洗浄液(0.9%塩化ナトリウム、0.05%Tween20)で洗浄後、ウサギ血清200μlを加え、37℃、1時間置いてブロッキングした。洗浄後、1%ウサギ血清、0.05%Tween20、3%塩化ナトリウムを含むPBS(溶液B)にて希釈した上記血清を加え、37℃、1時間置いた。洗浄後、ビオチンを結合させた卵白アルブミンの溶液Bによる希釈液50μlを加え、37℃、1時間置いた。洗浄後、ペルオキシダーゼ標識アビジン(シグマ社製)の溶液Bによる2500倍希釈液50μlを加え、37℃、1時間置いた後、洗浄し、基質溶液(オルトフェニレンジアミン40mg、30%過酸化水素20μl/クエン酸−リン酸ナトリウム緩衝液100ml)100μlを加え、室温に置き、492nmにおける吸光度を測定した。その吸光度の値(各群の平均値±標準偏差)を表2に併せて示した。吸光度と抗体濃度とは正の相関があるため、吸光度が大きければ抗体濃度が高いことを表す。
表2を見るとわかるとおり、実施例は比較例と比べて、血清中の抗卵白アルブミンIgG濃度は高く、抗卵白アルブミンIgE濃度は低くなっている。IgGはウイルスや細菌等から体を防御するためのメカニズムに関与しており、IgEはアレルギー症状を引き起こすメカニズムに関与している。IgGが高く、IgEが低くなるということは、免疫系のTh1/Th2バランスがTh1優位に働いていることを示しており、実施例1〜5は比較例1〜7よりも、より健全な免疫調節作用を持っていることを示している。
(表2)
抗EAIgG(μg/ml) 抗EAIgE(492nm吸光度)
対照例 242±87 0.713±0.203
比較例1 513±148 0.494±0.141
比較例2 480±137 0.543±0.163
比較例3 424±126 0.537±0.167
比較例4 446±128 0.584±0.194
比較例5 491±142 0.514±0.158
比較例6 452±138 0.553±0.170
実施例1 903±245 0.208±0.091
実施例2 874±230 0.213±0.118
実施例3 988±274 0.198±0.087
実施例4 790±189 0.234±0.133
実施例5 951±252 0.202±0.090
比較例7 587±176 0.402±0.139
[実施例8](IL−12産生に及ぼす影響)
被験者として、男女15名(21〜30歳:9名、31〜40歳:3名、41〜60歳:3名)を3つの群(各群5名)に分け、それぞれ比較例1、比較例2、実施例1の粉末を一日10g、100mlの水に懸濁させ、毎朝食後に飲用してもらった。2週間継続飲用してもらい、継続飲用前と継続飲用後に次のようにしてIL−12産生誘導の測定を行った。
すなわち、各被験者からヘパリン採血を行い、HISTOPAQUE−1077(シグマ社製)で常法どおりにPBMC(Peripheral Blood Mononuclear Cells:末梢血単核球)を調製した。FCS(Fetal Calf Serum:ウシ胎仔血清)を10%添加したRPMI−1640培地でPBMCが2×106/mlとなるように調整し、24穴プレートに1mlずつ分注した。ここにOK−432を0.01KE添加し、CO2インキュベーター中で24時間、37℃で培養後、一晩凍結した。これを解凍し、培養上清中のIL−12濃度をヒトIL−12ELISAキット(R&D Systems社製)を用いて測定した。結果(各群の平均値±標準偏差)を図1に示した。
ここで、IL−12とは、マクロファージから分泌されるサイトカイン「生理活性物質」でガン細胞を直接攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞(CTL細胞)を活性化したり、インターフェロンγ(IFN−γ)の産生を増強する、非常に強力な免疫活性物質として知られている。
また、OK−432とは、「ピシバニール」(商品名、中外製薬(株))として市販されている抗悪性腫瘍剤であり、ストレプトコッカス・ピオゲネス(A群3型)Su株をペニシリンGの存在下、一定条件で処理し、凍結乾燥して得られる菌体製剤である。OK−432は、免疫活性測定の際の刺激物質(トリガー)としてFujimotoらも使用している(J.Immunol.1997 Jun 15;158(12):5619-26)。
図1を見るとわかるとおり、比較例1、比較例2でも継続飲用することによりIL−12濃度は上昇しているが、実施例1の組成物を継続飲用した場合は、比較例1、比較例2よりも大きくIL−12濃度が上昇しており、より免疫応答性が強くなっていると考えられる。
[実施例9](整腸作用の検討)
被験者として、男女15名(21〜30歳:9名、31〜40歳:3名、41〜60歳:3名)を3つの群(各群5名)に分け、それぞれ比較例1、比較例2、実施例1の粉末を一日10g、100mlの水に懸濁させ、毎朝食後に飲用してもらった。2週間継続飲用してもらい、継続飲用中の後半の一週間について排便に関するアンケート調査を行った。なお、継続飲用前の一週間についても同様のアンケート調査を行っている。調査項目は(1)排便回数、(2)排便量、(3)糞便色調、(4)糞便臭気とし、結果(各群の平均値±標準偏差)を表3に示した。
(1)排便回数では、比較例1、比較例2を飲用することにより回数が増える傾向が見られたが、実施例1を飲用すると、有意に増加した。(2)排便量は比較例1、比較例2、実施例1とも飲用することによる大きな差は見られなかった。(3)糞便色調は比較例1、比較例2を飲用することにより色調が良好になる傾向が見られたが、実施例1を飲用すると、明らかに色調が改善された。(4)糞便臭気は比較例1のほうが比較例2よりも大きく改善されたが、実施例1ではさらに大きく改善されていた。
(1)〜(4)をまとめると、比較例1、比較例2でも若干の整腸作用は見られるが、実施例1の組成物を飲用することにより、明らかに整腸作用が見られ、抗体と菌体を同時に摂取することの優位性が示された。
表3中、(2)排便量は直径40mmのピンポン玉の個数に見立てて換算した数値、
(3)糞便色調は黄色:0、薄い黄土色:1、黄土色:2、茶色:3、こげ茶色:4、
(4)糞便臭気は、ほとんど気にならない:0、わずかに臭い:1、普通:2、臭い:3、ひどく臭い:4、で表した数値の平均値である。
(表3)
継続飲用前 継続飲用中
(1)排便回数/週 比較例1 5.6±0.8 6.0±0.7
比較例2 5.5±0.8 5.9±0.7
実施例1 5.7±0.8 6.8±0.6
(2)排便量/週 比較例1 29.0±10.8 30.0±10.7
比較例2 29.5±10.5 29.9±10.7
実施例1 29.7±10.8 31.8±10.6
(3)糞便色調 比較例1 3.7±0.8 3.0±0.7
比較例2 3.5±0.8 2.9±0.7
実施例1 3.6±0.8 1.7±0.6
(4)糞便臭気 比較例1 2.8±0.6 1.4±0.5
比較例2 2.6±0.6 2.1±0.5
実施例1 2.8±0.6 0.4±0.3
実施例8において行ったIL−12産生に及ぼす本発明の機能性組成物の影響を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 消化管の受動免疫物質と能動免疫物質とを含有し、免疫調整および整腸に使用するための経口投与用機能性組成物であって、
    該受動免疫物質が乳由来の抗体であり、
    該能動免疫物質が、(1)納豆菌の菌体または菌体成分、(2)酵母の菌体または菌体成分、(3)スーパーオキサイドディスムターゼからなる群から選択された少なくとも一種である、
    経口投与用機能性組成物。
  2. 前記受動免疫物質を10mg/g以上含む、請求項1に記載の経口投与用機能性組成物。
  3. 前記能動免疫物質を1質量%以上含む、請求項1又は2に記載の経口投与用機能性組成物。


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