JP4886784B2 - カンジダ種の検出のための組成物および方法 - Google Patents

カンジダ種の検出のための組成物および方法 Download PDF

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Description

開示の分野
本発明は、カンジダ(Candida)の種の検出および同定のための組成物および方法、ならびに特に、カンジダ種(C. アルビカンス(C. albicans)およびC. デュブリニエンシス(C. dubliniensis)など)のリボソームDNA(rDNA)反復領域の内部転写スペーサー2(ITS2)に特異的にハイブリダイズする核酸プローブに関する。
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み入れられている、2005年9月27日に出願された米国仮特許出願第60/721,419号の恩典を主張する。
政府支援の言明
本発明は、米国政府の機関である、The National Center for Infectious Diseases, Division of Bacterial and Mycotic Diseases, Centers for Disease Control and Preventionによりなされた。
背景
カンジダ・アルビカンスへのおよび、最近では、生得的アゾール耐性非アルビカンスのカンジダ種への感染のリスクがある患者数の増加に比例して、カンジダ症の発生率が上昇し続けているため、臨床検査室におけるカンジダ分離株の種レベルまでの迅速な同定は、より重要になってきている(Fridkin and Jarvis, Clin. Microbiol. Rev., 9:499-511, 1996(非特許文献1); Jarvis, Clin. Infect. Dis., 20:1526-1530, 1995(非特許文献2); Wingard, Clin. Infect. Dis., 20:115-125, 1995(非特許文献3))。この患者集団は、癌治療のより集中的療法、腹部または心臓胸郭部の手術の合併症、臓器移植、火傷、および外傷の結果として増加している。冒された患者は、免疫無防備状態である場合もあるし、またはそうでない場合もあり、一般的なリスク因子には、長期の広域スペクトラム抗生物質治療、留置ヒックマンカテーテルなどの侵襲的装置、および/または長期入院が挙げられる(Fridkin and Jarvis, Clin. Microbiol. Rev., 9:499-511, 1996(非特許文献1); Jarvis, Clin. Infect. Dis., 20:1526-1530, 1995(非特許文献2); Wenzel, Clin. Infect. Dis., 20:1531-1534, 1995(非特許文献4))。これらの状態下で、カンジダ種を含む抗生物質耐***代菌叢が腸内で増殖し、粘膜病巣から深部組織へ侵入することができる。これは、粘膜構造が化学療法または手術の結果として破壊されている場合、特にそうである。加えて、リスク因子の数が増加するにつれて、カンジダ症を発症する確率は増加する(Wenzel, Clin. Infect. Dis., 20:1531-1534, 1995(非特許文献4))。それゆえに、種レベルまでの迅速な同定は、よりタイムリーで、標的化された、効果的な抗真菌治療のために、および院内感染抑制措置を促進するために必要である。
従来の形態学および同化試験によるカンジダ種の同定は、特に増殖しにくいまたは形態学的に非定型の種については、時間がかかりかつ煩雑である(Warren and Hazen, "Cryptococcus and other yeasts of medical importance", Manual of Clinical Microbiology, 6th Edition, ed. by Murray et al., Washington, D.C.: American Society for Microbiology, 1995, pp. 723-737(非特許文献5))。それゆえに、カンジダ分離株の種レベルまでの迅速な同定のための再現性のある試験は、臨床的および疫学的に重要であると思われる。
カンジダ種の同定のための分子的方法が開発されている。真菌の分子的同定法のいくつかもまた、実施が非常に困難もしくは煩雑であるか、または高価な特殊の装置を必要とする(例えば、Sandhu et al., J. Clin. Microbiol., 35:1894-1896, 1997(非特許文献6); Sandhu et al., J. Clin. Microbiol., 33:2913-2919, 1995(非特許文献7); Turenne et al., J. Clin. Microbiol., 37:1846-1851, 1999(非特許文献8))。例えば、真菌DNAから増幅されたPCR産物のDNAシーケンシング、配列長多型の測定、一本鎖立体構造多型分析、および制限断片長多型分析は、それぞれが非常に面倒である。
特定のカンジダ種に特異的な核酸プローブが開発されている(例えば、Elie et al., J. Clin. Microbiol., 36:3260-32655, 1998(非特許文献9))。そのようなプローブは、カンジダ種の迅速な検出および同定のための方法の開発を促進した。例えば、ユニバーサル真菌プライマーは、試料に存在するカンジダ種のゲノムDNAから多コピー遺伝子標的(リボソームDNA(rDNA)反復領域のITS2領域など)を増幅するために用いられうる;その後、単位複製配列は種特異的プローブを用いて検出されうる(例えば、Fujita et al., J. Clin. Microbiol., 33:962-967, 1995(非特許文献10); Shin et al., J. Clin. Microbiol., 35:1454-1459, 1997(非特許文献11); Shin et al., J. Clin. Microbiol., 37:165-170, 1999(非特許文献12))。DNAプローブは、C. アルビカンス(C. albicans)、C. グラブラタ(C. glabrata)、C. ギリエルモンディ(C. guilliermondii)、C. ケフィル(C. kefyr)、C. クルゼイ(C. krusei)、C. ランビカ(C. lambica)、C. ルシタニエ(C. lusitaniae)、C. パラプシロシス(C. parapsilosis)、C. ペリキュローザ(C. pelliculosa)、C. ルゴサ(C. rugosa)、C. トロピカリス(C. tropicalis)、C. ゼイラノイデス(C. zeylanoides)、C. ヘムロニー(C. haemulonii)、C. ノルベゲンシス(C. norvegensis)、C. ノルベジカ(C. norvegica)、C. ユーティリス(C. utilis)、C. ビスワナチー(C. viswanathii)、C. デュブリニエンシス(C. dubliniensis)を含む様々なカンジダ種を特異的に検出するように設計されている(例えば、Elie et al., J. Clin. Microbiol., 36:3260-32655, 1998(非特許文献9))。
カンジダ特異的プローブの増幅された標的DNAへの特異的結合を検出する様々な方法もまた開発されており、酵素イムノアッセイ(Elie et al., J. Clin. Microbiol., 36:3260-32655, 1998(非特許文献9))および標識プローブからの蛍光レポーター色素のエキソヌクレアーゼ切断(Shin et al., J. Clin. Microbiol., 37:165-170(非特許文献12))を含む。混合試料において多数の標的核酸配列を同時に検出できる新しい技術(多分析物プロファイリング(MAP)システムなど)が開発されており、開発され続けている。そのような技術のいくつかは、例えば、1つまたは複数のそのような真菌を含む可能性のある試料中の真菌病原体の高処理量の検出および分類を促進することができる。この(およびその他のより伝統的な)技術を実行するために、(カンジダの種などの)近縁の真菌の間を識別する真菌特異的プローブが必要である。
Fridkin and Jarvis, Clin. Microbiol. Rev., 9:499-511, 1996 Jarvis, Clin. Infect. Dis., 20:1526-1530, 1995 Wingard, Clin. Infect. Dis., 20:115-125, 1995 Wenzel, Clin. Infect. Dis., 20:1531-1534, 1995 Warren and Hazen, "Cryptococcus and other yeasts of medical importance", Manual of Clinical Microbiology, 6th Edition, ed. by Murray et al., Washington, D.C.: American Society for Microbiology, 1995, pp. 723-737 Sandhu et al., J. Clin. Microbiol., 35:1894-1896, 1997 Sandhu et al., J. Clin. Microbiol., 33:2913-2919, 1995 Turenne et al., J. Clin. Microbiol., 37:1846-1851, 1999 Elie et al., J. Clin. Microbiol., 36:3260-32655, 1998 Fujita et al., J. Clin. Microbiol., 33:962-967, 1995 Shin et al., J. Clin. Microbiol., 35:1454-1459, 1997 Shin et al., J. Clin. Microbiol., 37:165-170, 1999
開示の概要
本開示は、カンジダの特定の種の間を識別する能力がある核酸分子(プライマーまたはプローブなど)を提供する。特定の例において、カンジダ・アルビカンスおよびカンジダ・デュブリニエンシスに特異的な核酸プローブが提供される。開示された核酸プローブは、類似した特異性を有する他のプローブと比較した場合、予想外に高いシグナル対バックグランド比を提供する。
開示された核酸分子の供給によって、例えば、多分析物プロファイリング(multi-analyte profiling)(多数の真菌が単一の試料において同時に検出および同定されうる)などのカンジダ種の検出および/または識別の方法を含む関連した方法を可能にする。
前述およびその他の特徴および利点は、添付の図面を参照して進める以下のいくつかの態様の詳細な説明から、より明らかになると思われる。
詳細な説明
I. 序論
(とりわけ)カンジダ種であるカンジダ・アルビカンスおよび/またはカンジダ・デュブリニエンシスを検出するために有用であるカンジダ種特異的核酸配列が本明細書に開示されている。試料中のカンジダ種(例えば、カンジダ・アルビカンスおよび/またはカンジダ・デュブリニエンシス)の存在についてのプローブとして用いられる場合、開示されたカンジダ種特異的核酸配列は、類似した特異性を有する他のプローブと比較した場合、予想外に高いシグナル対バックグランド比を提供する。
一つの態様において、カンジダ種特異的核酸配列は、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる単離された核酸分子である。いくつかの例におけるそのような核酸分子は、固体支持体(ビーズなど)に直接的または間接的に固定されうる。
他の態様は、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる核酸分子、および異種性分子を含む。いくつかのそのような態様において、核酸分子および異種性分子は複合体を形成する。異種性分子は、例えば、ハプテン(ビオチンもしくはジゴキシゲニン、またはそれらの組み合わせなど)、標識(蛍光レポーター色素もしくは酵素、またはそれらの組み合わせなど)、リンカー(炭化水素など、ある場合には長さが6個から18個までの炭素)、ペプチド、もしくは異種性核酸分子、またはそれらの組み合わせでありうる。蛍光レポーター色素を含むいくつかの態様において、蛍光レポーター色素は、6-カルボキシ-フルオレセイン、テトラクロロ-6-カルボキシ-フルオレセイン、ヘキサクロロ-6-カルボキシ-フルオレセイン、またはそれらの組み合わせである。
カンジダ・アルビカンスを検出する方法もまた本明細書に開示されている。方法の段階には、試料中の核酸配列へのSEQ ID NO: 1を有するプローブの特異的ハイブリダイゼーションを検出する段階であって、プローブの核酸配列への特異的ハイブリダイゼーションが試料中のカンジダ・アルビカンスの存在を検出する、段階が含まれる。他の方法は、試料中の核酸配列へのSEQ ID NO: 2を有するプローブの特異的ハイブリダイゼーションを検出する段階であって、プローブの核酸配列への特異的ハイブリダイゼーションが試料中のカンジダ・デュブリニエンシスの存在を検出する段階による、カンジダ・デュブリニエンシスの検出を含む。両方法における一部の例において、追加の段階は、試料中の核酸分子からITS2核酸配列を増幅する段階を含みうる。より具体的な態様において、核酸配列を増幅する段階は、ポリメラーゼ連鎖反応、本質的にSEQ ID NO: 3もしくはSEQ ID NO: 25からなる配列を有するフォワードプライマー、または本質的にSEQ ID NO: 4からなる配列を有するリバースプライマーを含む。生体試料がいくつかの開示された方法に用いられうることが企図される;そのような試料には、全血、血清、涙、皮膚切屑、尿、痰、脳脊髄液、前立腺液、膿、脊髄穿刺液、気管支肺胞洗浄液(BAL)、唾液、肺生検、もしくは肝臓生検、またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
試料中のカンジダ種の存在を検出するためのキットがさらに開示される。一つの態様において、キットは、SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる少なくとも1つのプローブ;および生体試料内においてカンジダ種真菌の内部転写スペーサー-2(ITS2)核酸配列へプローブをハイブリダイズさせるための装置を含む。他の態様において、キットはまた、本質的にSEQ ID NO: 3、SEQ ID NO: 4、またはSEQ ID NO: 25からなるプライマーを含む。いくつかのキットは、C. アルビカンスを検出するために有用であり得、その場合、プローブはSEQ ID NO: 1に示された核酸配列からなる。他のキットは、C. デュブリニエンシスを検出するために有用であり得、その場合、プローブはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる。
1つもしくは複数の真菌の存在、または真菌による汚染について試料をスクリーニングするためのアレイ(マイクロアレイなど)もまた開示される。そのようなアレイは、真菌のゲノム配列の一部にそれぞれ特異的な複数の核酸プローブを含み、複数のプローブは、SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる少なくとも1つのプローブ;ならびに基盤を含み、複数のプローブが基盤上に整列している。いくつかの例において、真菌のゲノム配列は、5.8S rDNA遺伝子と26S rDNA遺伝子の間に位置した内部転写スペーサー2(ITS2)領域である。
もう一つの開示された態様は、SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる少なくとも1つのカンジダ種特異的プローブが直接的または間接的に付着している、特徴的な蛍光放射波長を有するビーズを含む。
II. 略語および用語
CA C. アルビカンス
CD C. デュブリニエンシス
CG C. グラブラタ
CK C. クルゼイ
CP C. パラプシロシス
CT C. トロピカリス
EDC N-(3-ジメチルアミノジプロピル)-N'-エチルカルボジイミド
MAP 多分析物プロファイリング
PE フィコエリトリン
PCR-EIA ポリメラーゼ連鎖反応-酵素イムノアッセイ
本発明の様々な態様の概説を容易にするために、以下の特定の用語の説明が提供される。
増幅:
試料中の特定の核酸配列(例えば、DNAまたはRNA分子)の量(および/またはコピー数)を増加させるための過程。1つの例示的な増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、試料を、試料中の核酸鋳型へのプライマーのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で一対のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させる。プライマーを、適切な条件下で伸長させ、鋳型から解離させ、再アニールさせ、伸長させ、その後、解離させて、核酸のコピー数を増幅する。増幅の産物は、電気泳動、制限エンドヌクレアーゼ切断パターン、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションもしくはライゲーション、および/または核酸シーケンシングなどの技術により特徴付けられうる。
増幅の他の例には、米国特許第5,744,311号に開示された鎖置換増幅;米国特許第6,033,881号に開示された転写を含まない等温増幅;WO 90/01069に開示された修復鎖反応増幅;EP-A-320,308に開示されたリガーゼ連鎖反応増幅;米国特許第5,427,930号に開示されたギャップ充填リガーゼ連鎖反応増幅;および米国特許第6,025,134号に開示されたNASBA(商標)RNA転写を含まない増幅が挙げられる。
動物:
例えば、哺乳動物およびトリを含むカテゴリーである、生きている多細胞脊椎動物または無脊椎動物。哺乳動物という用語は、ヒト哺乳動物および非ヒト哺乳動物の両方を含む。同様に、「被験体」という用語は、ヒト被験体および獣医学的被験体の両方を含む。
cDNA(相補DNA):
内部の非コードセグメント(イントロン)および転写制御配列を欠くDNA断片。cDNAはまた、対応するRNA分子における翻訳制御に関与する非翻訳領域(UTR)を含みうる。cDNAは、実験室において、細胞から抽出されたメッセンジャーRNAからの逆転写により合成されうる。
複合体:
2つまたはそれ以上(2、3、もしくは4、または2から5まで、2から4まで、もしくは2から3までなど)の物理的に相互連結した構成要素を有する構造。「構成要素」とは、分子(SEQ ID NO: 1もしくはSEQ ID NO: 2中の核酸配列からなる核酸分子または異種性分子など)または物体(ビーズなど)でありうる。複合体の構成要素間の相互連結は、共有結合的または非共有結合的(静電気など)でありうる。好ましくは、複合体の構成要素間の相互連結は、少なくとも、標準塩性緩衝液(例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)、Tris緩衝食塩水(TBS)、HEPES緩衝食塩水、および当技術分野において一般的に知られたその他のもの)中で、およそ中性のpH(例えば、pH5.0〜8.5、pH5.5〜8.0、pH6.0〜7.5、pH6.5〜7.5、またはpH7.0〜7.5)で、および通常の作業温度(例えば、-20℃〜100℃、0℃〜65℃、5℃〜50℃、10℃〜40℃、15℃〜35℃、20℃〜30℃、またはほぼ室温)で、安定である。例示的な複合体には、リンカーと共にもしくはリンカー無しで共有結合により連結された分子(標識された核酸分子、またはハプテンもしくは他の異種性分子に結合した核酸分子など)、またはビーズに付着した(共有結合的にまたは非共有結合的に)1つもしくは複数の分子が挙げられる。共有結合により共に連結された分子の複合体はまた、「分子複合体」と呼ばれうる。
縮重変異体:
プローブまたはプライマーの「縮重変異体」は、核酸配列で変化しているが十分な特異性を以て標的配列に結合できる(および真菌標的を同定または増幅できる)その能力を保持する配列を含む。いくつかの特定の例において、約1個、2個、5個、または10個以下の核酸が変化している、またはプローブもしくはプライマーが本来の配列と少なくとも80%、85%、90%、もしくは95%の配列同一性を保持する。縮重変異体はまた、追加の配列が付加されているがプローブもしくはプライマーの顕著な特異性をなお保持する、プローブまたはプライマー配列を含む。
真菌:
真菌界に属する、生きている単細胞および多細胞生物体。たいていの種は、葉緑素の欠如およびキチン質細胞壁の存在により特徴付けられ、いくつかの真菌は多核性でありうる。真菌の代表的な非限定的例として、カンジダ種(カンジダ・アルビカンスおよび/またはカンジダ・デュブリニエンシスなど)が挙げられる。
異質性分子:
SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示された配列を含む核酸配列ではない任意の分子(例えば、ペプチド、タンパク質、異種性核酸、小分子、標識、ハプテン、および/またはリンカー)。いくつかの例において、異質性分子は、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2の配列からなる核酸分子と複合体を形成する能力がある。そのような複合体は、異種性分子と示された核酸分子との間に共有結合または安定な非共有結合的相互作用を含みうる。
相同体:
別のヌクレオチド配列と共通の祖先を共有するヌクレオチド配列。
ハイブリダイゼーション:
オリゴヌクレオチドおよびそれらの類似体は、相補的な塩基間の、ワトソン-クリック、フーグスティーン、または逆フーグスティーン水素結合を含む水素結合によりハイブリダイズする。一般的に、核酸は、ピリミジン(シトシン(C)、ウラシル(U)、およびチミン(T))またはプリン(アデニン(A)およびグアニン(G))のいずれかの窒素含有塩基からなる。これらの窒素含有塩基は、ピリミジンとプリンの間に水素結合を形成し、ピリミジンのプリンへの結合は「塩基対形成」と呼ばれる。より具体的には、AはTまたはUに水素結合し、GはCに結合する。「相補性」とは、2つの別個の核酸配列、または同じ核酸配列の2つの別個の領域の間に生じる塩基対形成を指す。
「特異的にハイブリダイズ可能」および「特異的に相補的」とは、安定かつ特異的な結合がオリゴヌクレオチド(またはその類似体)とDNAまたはRNA標的の間で生じるような十分な程度の相補性を示す用語である。オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド類似体が特異的にハイブリダイズ可能であるためにはその標的配列と100%相補的である必要はない。オリゴヌクレオチドまたは類似体の標的DNAまたはRNA分子への結合が標的DNAまたはRNAの正常な機能に干渉し、かつ特異的結合が望まれる条件下で、例えばインビボのアッセイまたは系の場合には生理学的条件下で、オリゴヌクレオチドまたは類似体の非標的配列への非特異的結合を避けるために十分な程度の相補性が存在する場合、オリゴヌクレオチドまたは類似体は特異的にハイブリダイズ可能である。そのような結合は特異的ハイブリダイゼーションと呼ばれる。
特定の程度のストリンジェンシーを生じるハイブリダイゼーション条件は、最適なハイブリダイゼーション方法の性質ならびにハイブリダイズする核酸配列の組成および長さに応じて変化する。一般的に、ハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度(特にNa+および/またはMg++濃度)によって、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーが決定されるが、洗浄回数もまたストリンジェンシーに影響を及ぼす。特定の程度のストリンジェンシーを得るために必要とされるハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrook et al. (ed.), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989, chapters 9 and 11により考察されている。
本開示の目的に関して、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイゼーション分子と標的配列の間に25%未満のミスマッチがある場合しかハイブリダイゼーションが起こらない条件を含む。「ストリンジェントな条件」とは、より正確な定義のために、特定のレベルのストリンジェンシーへ分解されうる。従って、本明細書に用いられる場合、「穏やかなストリンジェンシー」条件とは、25%より多い配列ミスマッチをもつ分子がハイブリダイズしない条件である;「中程度のストリンジェンシー」とは、15%より多いミスマッチをもつ分子がハイブリダイズしない条件である;「高ストリンジェンシー」の条件とは、10%より多いミスマッチをもつ配列がハイブリダイズしない条件である。「非常に高いストリンジェンシー」条件とは、6%より多いミスマッチをもつ配列がハイブリダイズしない条件である。
特定の態様において、ストリンジェントな条件とは、6×SSC、5×デンハルト液、0.5%SDS、および100μgの剪断サケ精巣DNAにおける65℃でのハイブリダイゼーション、続いて2×SSC、0.5%SDS、続いて1×SSC、0.5%SDS、および最後に0.2×SSC、0.5%SDSにおける65℃での15〜30分間の逐次洗浄である。
単離された:
「単離された」生物学的成分(ポリヌクレオチド、ポリペプチド、細胞、または微生物)は、精製されて、混合試料(細胞、細胞培養物、組織抽出物、組織生検、または他の試料)における他の生物学的成分から離されている。例えば、「単離された」ポリペプチドまたはポリヌクレオチドとは、そのポリペプチドまたはポリヌクレオチドが存在した細胞(組換えポリペプチドまたはポリヌクレオチドについての発現宿主細胞など)の他の成分から分離されているポリペプチドまたはポリヌクレオチドである。
「精製された」という用語は、試料からの1種または複数の無関係の成分の除去を指す。例えば、組換えポリペプチドが宿主細胞において発現する場合、ポリペプチドは、例えば、宿主細胞タンパク質の除去により精製され、それにより、試料中の組換えポリペプチドの割合が増加する。同様に、組換えポリヌクレオチドが宿主細胞に存在する場合、ポリヌクレオチドは、例えば、宿主細胞ポリヌクレオチドの除去により精製され、それにより、試料中の組換えポリヌクレオチドの割合が増加する。単離されたポリペプチドまたは核酸分子は、典型的には、試料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはさらに99%以上(w/wまたはw/v)も含む。
ポリペプチドおよび核酸分子は、当技術分野において一般的に知られた方法により、および本明細書に記載されているように、単離される。ポリペプチドまたは核酸分子の純度は、ポリペプチドについてはポリアクリルアミドゲル電気泳動、または核酸分子についてはアガロースゲル電気泳動などのいくつかの周知の方法により測定されうる。
核酸分子:
この用語は、RNA、cDNA、ゲノムDNAのセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方を含みうるヌクレオチドの重合体型ならびに上記の合成型および混合重合体を指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはヌクレオチドのいずれかのタイプの修飾型を指す。本明細書に用いられる「核酸分子」とは、「核酸」および「ポリヌクレオチド」と同義である。核酸分子は、他に規定がない限り、通常、少なくとも10塩基長である。その用語は、DNAの一本鎖型および二本鎖型を含む。ポリヌクレオチドは、天然および/または非天然のヌクレオチド結合により共に連結された天然ヌクレオチドおよび修飾ヌクレオチドの一方または両方を含みうる。
核酸分子は、当業者により容易に認識されるように、化学的にもしくは生化学的に改変されうる、または非天然のもしくは誘導体化された、ヌクレオチド塩基を含みうる。そのような改変には、例えば、標識、メチル化、1つまたは複数の天然ヌクレオチドの類似体との置換、非荷電性結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、カルバメートなど)、荷電性結合(例えば、ホスホロチオネート、ホスホロジチオネートなど)、ペンダント部分(例えば、ポリペプチド)、干渉物質(例えば、アクリジン、ソラレンなど)、キレート剤、アルキル化剤、および修飾結合(例えば、αアノマー核酸など)などのヌクレオチド間改変が挙げられる。「核酸分子」という用語はまた、一本鎖、二本鎖、部分的二重鎖、三重鎖、ヘアピン型、環状型、および南京錠型立体構造を含む任意の位相幾何学立体構造を含む。
オリゴヌクレオチド:
一般的に200塩基またはそれ未満の長さを含む核酸分子。この用語は、一本鎖デオキシリボヌクレオチドを指すことが多いが、同じく、一本鎖または二本鎖リボヌクレオチド、RNA:DNAハイブリッド、および二本鎖DNAも指すことができる。いくつかの例において、オリゴヌクレオチドは、約12、13、14、15、16、17、18、19、または20塩基長などの10〜60塩基長である。他の例示的なオリゴヌクレオチドは、約25、30、35、40、45、50、55、または60塩基長である。オリゴヌクレオチドは、例えば、プローブもしくはプライマーとして用いられる一本鎖であり得、または例えば、突然変異体遺伝子の構築用に用いられる二本鎖であり得る。オリゴヌクレオチドは、標的核酸配列に関してセンスまたはアンチセンスのいずれかでありうる。オリゴヌクレオチドは、当技術分野において公知の任意の様式で誘導体化または改変されうる。
一本鎖DNAプローブオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドは、しばしば、自動オリゴヌクレオチド合成機上で実行されるものなどの化学的方法により合成される。しかしながら、オリゴヌクレオチドは、インビトロ組換えDNA媒介技術を含む様々な他の方法ならびに細胞および生物体におけるDNAの発現により作製されうる。典型的には、化学合成されたDNAオリゴヌクレオチドは、5'リン酸を含まずに得られる。そのようなオリゴヌクレオチドの5'末端は、典型的には組換えDNA分子を形成するために用いられるDNAリガーゼを用いるライゲーション反応によるホスホジエステル結合形成用の基質ではない。そのようなオリゴヌクレオチドのライゲーションが望ましい場合、キナーゼおよびATPを用いるものなどの標準技術によりリン酸を付加できる。化学合成されたオリゴヌクレオチドの3'末端は一般に遊離水酸基を有し、T4 DNAリガーゼなどのリガーゼの存在下で、別のオリゴヌクレオチドなどのその他のポリヌクレオチドの5'リン酸とホスホジエステル結合を容易に形成する。周知であるように、必要ならば、ライゲーションの前に他のポリヌクレオチドの5'リン酸を除去することにより、この反応は選択的に阻止されうる。
機能的に連結された:
核酸またはタンパク質などの第一分子は、その第一分子が第二分子との機能的関係に配置される場合、第二分子と機能的に連結される。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を及ぼすならば、そのプロモーターは核酸コード配列に機能的に連結されている。一般的に、機能的に連結されるヌクレオチド配列は、近接しており、2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合には、同じリーディングフレーム内にある。
ORF(オープンリーディングフレーム):
内部終結コドンを全く含まないアミノ酸をコードする一連のヌクレオチドトリプレット(コドン)。これらの配列は、通常、ペプチドへ翻訳可能である。
プローブおよびプライマー:
プローブは、鋳型核酸にハイブリダイズする能力がある単離された核酸を含む。場合によっては、検出可能な標識またはレポーター分子をプローブに付着させてもよい。典型的な標識には、放射性同位元素、酵素基質、補因子、リガンド、化学発光剤または蛍光剤、ハプテン、および酵素が挙げられる。標識の方法および様々な目的に適した標識の選択における手引きは、例えば、Sambrook et al.(Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 2001))およびAusubel et al., eds.(Short Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons, New York, NY, 1999))に考察されている。
プライマーは、短い核酸分子、例えば、15ヌクレオチド長またはそれ以上のDNAオリゴヌクレオチドである。プライマーは、核酸ハイブリダイゼーションにより相補的標的DNA鎖にアニールし、プライマーと標的DNA鎖の間のハイブリッドを形成することができ、このプライマーをDNAポリメラーゼ酵素により標的DNA鎖に沿って伸長させることができる。プライマー対は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または他の核酸増幅方法による、核酸配列の増幅に用いられうる。
プローブおよびプライマーを調製および使用するための方法は、例えば、Sambrook et al.; Ausubel et al., eds.; およびInnis et al.(PCR Applications, Protocols for Functional Genomics (Academic Press, Inc., San Diego, CA, 1999))に記載されている。PCRプライマー対は、例えば、Primer3(Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge, MA; このプログラムはWhitehead Instituteのウェブサイトを通してアクセスできる)などのその目的のために意図されたコンピュータープログラムを用いることにより、既知の配列から導かれうる。特定のプローブまたはプライマーの特異性はその長さと共に増加する。
「種特異的」プローブとは、真菌の種を同じ属における別の種から識別する(例えば、C. アルビカンスとC. デュブリニエンシスの間を識別する)能力があることが示されたプローブである。「微生物特異的」プローブとは、真菌の1つの属を真菌の別の属から識別する(例えば、カンジダ種をヒストプラスマ種、コクシジオイデス種、またはパラコクシジオイデス種から識別する)能力があるプローブである。種特異的プローブは微生物特異的プローブでありうる。
特異的結合:
結合作用物質とその標的の間の特定の相互作用。そのような相互作用は、結合作用物質とその標的の間(または、しばしば、結合作用物質とその標的の特定の領域または部分との間)の1つまたは典型的には複数の非共有結合的結合により媒介される。非特異的結合部位と対照的に、特異的結合部位は飽和性である。従って、特異的結合を特徴付けるための一つの例示的な方法は、特異的結合曲線による。特異的結合曲線は、例えば、結合作用物質濃度の関数として固定された標的量に結合した結合作用物質の量を示す。これらの条件下で結合作用物質濃度が増加するにつれて、結合した結合作用物質の量は飽和する。
試料:
動物、植物、もしくは環境から得られる検体または培養物。「環境試料」は、屋内または屋外の環境内の無生物または貯蔵所から得られる試料を含む。環境試料には、限定されるわけではないが、以下が挙げられる:土壌、水、ちり、および大気試料;建築材料、家具、およびごみ埋立地内容物を含むバルク試料;ならびに動物廃棄物、収穫された穀物、および食べ物などの他の貯蔵所試料が挙げられる。
「生体試料」とは、植物または動物被験体から得られる試料である。本明細書で用いられる場合、生体試料とは、限定されるわけではないが、器官、組織、細胞、および/または体液を含む被験体における微生物または真菌感染の検出に有用なすべての臨床試料を含む。例示的な生体試料には、血液(血液製剤および血液の画分、例えば、血清など)、抽出された胆汁、生検を実施されたまたは外科的に除去された組織(例えば、固定されていない、凍結している、ホルマリンに固定されている、および/またはパラフィンに包埋されている組織を含む)、涙、乳、皮膚、切屑、表面洗浄液、尿、痰、脳脊髄液、前立腺液、脳、脊髄穿刺液、気管支肺胞洗浄液(BAL)、唾液、肝臓生検、もしくは肺生検、またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。特定の態様において、生体試料はヒトなどの動物被験体から得られる。
配列同一性:
2つの核酸配列間、または2つのアミノ酸配列間の類似性は、配列間で共有する配列同一性のレベルに関して表される。配列同一性は、典型的には、パーセンテージ同一性に関して表される;パーセンテージが高ければ高いほど、2つの配列は類似している。
比較のために配列を整列させる方法は、当技術分野において周知である。様々なプログラムおよびアラインメントアルゴリズムは以下に記載されている:Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482, 1981; Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443, 1970; Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444, 1988; Higgins and Sharp, Gene 73:237-244, 1988; Higgins and Sharp, CABIOS 5:151-153, 1989; Corpet et al., Nucleic Acids Research 16:10881-10890, 1988; Huang, et al., Computer Applications in the Biosciences 8:155-165, 1992; Pearson et al., Methods in Molecular Biology 24:307-331, 1994; Tatiana et al., (1999), FEMS Microbiol. Lett., 174:247-250, 1999。Altschulらは、配列アラインメント方法および相同性計算の詳細な考察を提示している(J. Mol. Biol. 215:403-410, 1990)。
National Center for Biotechnology Information(NCBI) Basic Local Alignment Search Tool(BLAST(商標), Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410, 1990)は、National Center for Biotechnology Information(NCBI, Bethesda, MD)を含むいくつかの供給源から利用可能であり、インターネット上で、配列分析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastn、およびtblastxと接続して用いる。このプログラムを用いて配列同一性を決定する方法の説明は、インターネット上のBLAST(商標)についてのヘルプセクション下で入手可能である。
約30アミノ酸より多いアミノ酸配列の比較については、BLAST(商標)(Blastp)プログラムの「Blast 2配列」機能を、デフォルトパラメーター(ギャップ開始コスト[デフォルト=5];ギャップ伸長コスト[デフォルト=2];ミスマッチについてのペナルティ[デフォルト=-3];マッチについての報酬[デフォルト=1];期待値(E)[デフォルト=10.0];ワードサイズ[デフォルト=3];1行記載の数(V)[デフォルト=100];示しうるアラインメントの数(B)[デフォルト=100])に設定されたデフォルトBLOSUM62マトリックスで使用する。短いペプチド(約30アミノ酸未満)を整列させる場合、アラインメントは、デフォルトパラメーター(開始ギャップ9、伸長ギャップ1ペナルティ)に設定されたPAM30マトリックスを用いるBlast 2配列機能を使用して行われるべきである。参照配列に対してずっと高い類似性をもつタンパク質は、この方法で評価した場合、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性などのパーセンテージ同一性の増加を示す。
核酸配列の比較について、BLAST(商標)(Blastn)プログラムの「Blast 2配列」機能が、デフォルトパラメーター(ギャップ開始コスト[デフォルト=11];ギャップ伸長コスト[デフォルト=1];期待値(E)[デフォルト=10.0];ワードサイズ[デフォルト=11];1行記載の数(V)[デフォルト=100];示しうるアラインメントの数(B)[デフォルト=100])に設定されたデフォルトBLOSUM62マトリックスを使用して用いられる。参照配列とよりいっそう高い類似性をもつ核酸配列は、この方法で評価した場合、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%配列同一性などのパーセンテージ同一性の増加を示す。
形質転換:
形質転換細胞は、核酸が分子生物学的技術により導入されている細胞である。「形質転換」という用語は、ウイルスベクターでのトランスフェクション、プラスミドベクターでの形質転換、およびエレクトロポレーション、リポフェクション、および微粒子銃促進などの技術による裸のDNAの導入を含む、核酸分子をそのような細胞へ導入するすべての技術を含む。
ベクター:
ベクターに導入されている非ベクター核酸配列を輸送する能力がある核酸分子。ベクターの一つの型とは「プラスミド」であり、非プラスミドDNAセグメントがライゲーションされうる環状二本鎖DNAを指す。他のベクターには、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、および酵母人工染色体(YAC)が挙げられる。ベクターのもう一つの型はウイルスベクターであって、追加のDNAセグメントがウイルスゲノムの全部または一部へライゲーションされうる。特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞において自律複製の能力がある(例えば、細菌の複製起点を有するベクターは細菌宿主において複製する)。他のベクターが宿主細胞へ導入されると、宿主細胞のゲノムへと組み込まれ得り、宿主ゲノムと共に複製される。いくつかのベクターは発現制御配列(プロモーターなど)を含み、ベクターへ導入されている発現可能核酸配列の転写を指示する能力がある。そのようなベクターは「発現ベクター」と呼ばれる。ベクターはまた、1つもしくは複数の選択マーカー、および/または当技術分野において公知の遺伝要素を含みうる。
他に説明がない限り、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的な用語は、当業者により一般的に理解されているのと同じ意味をもつ。分子生物学における一般的な用語の定義は、Oxford University Press, 1994に出版されたBenjamin Lewin, Genes V(ISBN 0-19-854287-9); Blackwell Science Ltd., 1994に出版されたKendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology(ISBN 0-632-02182-9);およびVCH Publishers, Inc., 1995により出版されたRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: A Comprehensive Desk Referenceに見出されうる。
単数形「1つの(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」は、文脈において特記されない限り、複数形の指示対象を含む。「含む」とは「含有する」を意味する。「AまたはBを含む」とは、「AまたはBを含有する」、または「AおよびBを含有する」を意味する。核酸またはポリペプチドについて与えられる場合、すべての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、およびすべての分子量または分子質量の値は近似であり、説明のために提供されることが、さらに理解されるべきである。
本明細書に挙げられたすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参照文献は、適用法により認められた程度まで全体として参照により組み入れられている。対立の場合、用語の説明を含む本明細書が支配する。
本発明の実施または試験に適した方法および材料を以下に記載する。しかしながら、提供された材料、方法、および実施は、例示のみであり限定を意図したものではない。従って、他に言及されている場合を除き、本発明の方法および技術は、記載されたものと類似もしくは同等の方法および材料に従って、ならびに/または当技術分野において周知の通常の方法に従って、ならびに本明細書に渡って引用または考察されている様々な一般的かつより具体的な参照文献に記載されているように、行われうる(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989; Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3d ed., Cold Spring Harbor Press, 2001; Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates, 1992 (および2000年までの追補); Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology: A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, 4th ed., Wiley & Sons, 1999; およびHarlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1990 and 1999参照)。
III. カンジダ種特異的核酸分子
本開示は、C. アルビカンスまたはC. デュブリニエンシスゲノムのITS2領域由来の特定のヌクレオチド配列を提供し、それらの配列は、それぞれ、C. アルビカンス特異的もしくはC. デュブリニエンシス特異的なプローブまたはプライマーに用いられうる。そのようなカンジダ種特異的なプローブまたはプライマーは、例えば、カンジダの種(C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシスなど)を、互いに、および他の環境的、臨床的、または医学的に重要な真菌と識別するための方法において、有用である。例えば、プローブとして用いられる場合、開示された配列は、以前に記載されたC. アルビカンス特異的またはC. デュブリニエンシス特異的なプローブと比較して、優れたシグナル対バックグラウンド比を有する。特定の作用機構に限定されないとはいえ、そのような増強されたシグナル対バックグラウンド比は、開示されたプローブのそれらのそれぞれのDNA標的との優れた反応性に起因しうる。例示的な核酸分子には以下が挙げられる。
Figure 0004886784
加えて、本開示は、C. アルビカンス(SEQ ID NO: 1)もしくはC. デュブリニエンシス(SEQ ID NO: 2)由来の単離されたITS2配列、またはそれらのいずれかの縮重変異体と少なくとも75%(例えば、少なくとも85%、少なくとも95%、または少なくとも98%)の配列同一性をもつ核酸配列(本明細書に定義されているように、相補的配列および対応するRNA配列も含む)を含む。そのような派生的な配列は、標的配列の検出または増幅のためのプローブまたはプライマーとして用いられうる。
本明細書に開示されたカンジダITS2配列(例えば、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2)由来の、少なくとも約10個の連続したヌクレオチド、または少なくとも約12個、少なくとも約15個、もしくは少なくとも約18個の連続したヌクレオチドを含む単離されたオリゴヌクレオチド(本明細書に定義されているように、相補的配列および対応するRNA配列も含む)もまた開示される。これらのオリゴヌクレオチドは、増幅に有用な、効果的DNAハイブリダイゼーションプローブまたはプライマーとして用いられうる。そのようなプローブおよびプライマーは、カンジダの検出および特定において特に有用である。
いくつかの態様において、本明細書に開示されたプローブまたはプライマーのいずれかはまた、例えば、15、25、25、40、50、75、100、または150ヌクレオチド長以下の最大長をもつ。本明細書に開示された、単離された核酸配列のいずれかは、開示された配列からなりうる、もしくは本質的になりうる、または開示された配列の15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、または80個の連続したヌクレオチドの最大長を有する核酸分子を含みうる。
異種性分子は、開示されたカンジダ種特異的核酸分子(例えば、C. アルビカンス特異的もしくはC. デュブリニエンシス特異的なプローブまたはプライマー、またはSEQ ID NO: 1もしくはSEQ ID NO: 2に示された配列からなる核酸分子)へ直接的または間接的に付着しうる。異種性分子は、カンジダ種特異的核酸分子の核酸配列と天然で近接する配列を有する核酸分子ではない任意の分子を含みうる。従って、例えば異種性分子は、標識、リンカー、ハプテン、異種性核酸分子、ペプチド(エピトープタグなど)、タンパク質(酵素、ストレプトアビジン、またはアビジンなど)、またはそれらの組み合わせを含みうる。
異種性分子は、開示されたカンジダ種特異的核酸分子へ、カンジダ種特異的核酸分子中の任意の都合の良い部位へと付着しうる。特定の例において、異種性分子は、一方または両方の末端に(すなわち、5'末端および/または3'末端に)、開示されたカンジダ種特異的核酸分子に連結される。
異種性分子は、当技術分野において公知の任意の方法により、開示されたカンジダ種特異的核酸分子に付着しうる。異種性核酸分子と開示されたカンジダ種特異的核酸分子との間などの付着は、共有結合的、または非共有結合的(静電気など)ま相互作用の結果でありうる。異種性分子をカンジダ種特異的核酸分子へ結合する、融合する、付着させる、共有結合的に結合する、または別な方法で付着させるための様々な化学的または分子生物学的方法が、一般的に知られている。例えば、Shin et al.(J. Clin. Microbiol., 37:165-170, 1999)は、カンジダ種特異的プローブの蛍光色素または消光剤色素での3'末端および5'末端標識を記載し;Elie et al.(J. Clin. Microbiol., 36:3260-3265, 1998)は、カンジダ種特異的プローブのジゴキシゲニンまたはビオチンでの5'末端標識を記載し;かつ本明細書の実施例1はカンジダ種特異的プローブへのリンカー(例えば、炭化水素リンカー)付着を記載する。
リンカーとは、2つの反応物、例えば、カンジダ種特異的プローブとビーズ上の反応基との間の化学的アームである。必要な化学構造を達成するために、反応物のそれぞれが反応基を含む(または反応基を含むように修飾される)。そのような基の代表的な組み合わせは、アミド結合を形成しうるカルボキシルとアミノ;エステル結合を形成しうるヒドロキシとカルボキシ、もしくはアルキルアミノ結合を形成しうるハロゲン化アルキルとアミノ;ジスルフィド結合を形成しうるチオールとチオール;またはチオエーテルを形成しうるマレイミドもしくはハロゲン化アルキルとチオールである。たいていの場合、リンカーは、反応物間(例えば、分析物への標識)に安定な共有結合を形成する。例示的なリンカーは、任意で約1個から約10個までのヘテロ原子(NH、O、S)を含みうる約1個から約20個までの炭素の炭化水素を含む。リンカーは分枝鎖または直鎖でありうる。
標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、または化学的手段により検出できる、分析物、分析物類似体、または結合パートナーに結合した任意の分子または組成物である。例示的な標識には、放射性同位元素、酵素(アルカリフォスファターゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(「G6PDH」)および西洋ワサビペルオキシダーゼなど);ハプテン;色素;蛍光色素(フルオレセイン、イソチオシアネート、ローダミン化合物、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタルアルデヒド、フルオレスカミン、6-カルボキシ-フルオレセイン、テトラクロロ-6-カルボキシ-フルオレセイン、ヘキサクロロ-6-カルボキシ-フルオレセイン);化学発光剤(イソルミノールなど);増感剤;補酵素;酵素基質;感光剤;ラテックスまたはカーボン粒子などの粒子;懸濁性粒子;金属ゾル;もしくはクリスタリット;またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。適した酵素、補酵素、蛍光剤、および化学発光剤は、米国特許第4,275,149号および第4,318,980号に開示されている。標識するための方法および様々な目的に適切な標識の選択における手引きは、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, CSHL, New York, 1989およびAusubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publ. Assoc. and Wiley-Intersciences, 1998に考察されている。
ハプテンは、特定の抗体に結合しうる抗原決定基(エピトープ)を含むが、タンパク質または細胞などの抗原性担体と複合体形成されない限りそれ自身は抗原性ではない、比較的小さな分子である。例示的なハプテンには、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはジゴキシンが挙げられる。
IV. カンジダ種を検出する方法
試料内のカンジダ種(例えば、C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシス)の存在は、本明細書に記載されたカンジダ種特異的核酸分子(例えば、プローブおよびプライマー配列)を用いて検出されうる。真菌DNAを、直接、検出することができる、または検出の前に増幅することができ、DNAの起源である真菌の同定は、種特異的(例えば、C. アルビカンス特異的および/またはC. デュブリニエンシス特異的)オリゴヌクレオチドプローブにより確認することができる。本明細書に記載された方法は、例えば検査室および臨床的設定におけるなどの診断的および予後的適用を含む、真菌(カンジダ種など)の検出が望ましい任意の目的に用いられうる。
適切な試料は、ヒトまたは獣医学的被験体から得られる臨床試料、例えば、血液もしくは血液画分(例えば、血清)、痰、唾液、口腔洗浄液、皮膚切屑、生検組織、BAL、脳脊髄液、または前立腺液、を含む任意の通常の環境試料または生体試料を含む。そのような試料の採取についての標準技術が利用できる(例えば、Schluger et al., J. Exp. Med., 176:1327-1333, 1992; Bigby et al., Am. Rev. Respir. Dis., 133:515-518, 1986; Kovacs et al., New Engl. J. Med., 318:589-93, 1988; Ognibene et al., Am. Rev. Respir. Dis., 129:929-932, 1984参照)。血清または他の血液画分は、標準技術に従って調製されうる;血清の約200μLは、増幅反応に用いるDNAの抽出にとって適切な量である(例えば、Schluger et al., J. Exp. Med., 176:1327-1333, 1992; Ortona et al., Mol. Cell Probes, 10:187-1990, 1996参照)。試料を直接、用いることもでき、または溶媒、保存剤、緩衝剤、または他の化合物もしくは物質の添加などの処理を加えてもよい。
いったん試料が得られたならば、標準方法を用いてDNAを抽出できる。例えば、迅速なDNA調製は、市販されているキット(例えば、InstaGene Matrix, BioRad, Hercules, CA; NucliSens単離キット, Organon Teknika, Netherlands; QIAGEN Tissue Kit, QIAGEN, Inc., Valencia, CA)を用いて行われうる。DNA調製技術は、核酸増幅に利用しやすく、かつ核酸増幅を受け入れられるヌクレオチド調製物を生じるために選択されうる。特定のDNA抽出および調製方法としては、下の実施例1に記載された方法が挙げられる(非限定的に)。
真菌ヌクレオチド配列は、臨床試料を含む生体試料または環境試料から抽出された核酸分子へのオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションを通して検出されうる。適切なオリゴヌクレオチドプローブの配列は、本明細書に開示された1つまたは複数の真菌ヌクレオチド配列内の領域に対応する。米国特許第5,631,132号;第5,426,027号;第5,635,353号;および第5,645,992号;ならびにPCT公開WO 98/50584に記載された技術などの標準技術が、真菌オリゴヌクレオチドプローブを標的配列にハイブリダイズするために用いられうる。
いくつかの態様において、プローブは、同位体標識または非同位体標識のいずれかにより、何らかの様式で検出可能な程度に標識される。代替の態様において、標的(鋳型)核酸が標識される。非同位体標識は、例えば、蛍光もしくは発光分子、または酵素、補因子、酵素基質、もしくはハプテンを含みうる。プローブは、DNA、RNA、または両方の混合物の一本鎖調製物とインキュベートされ、ハイブリダイゼーションが、二本鎖分子と一本鎖分子の分離後、測定される。または、プローブは、サイズおよび/または電荷により分離され、適切な媒体上に固定化された後のヌクレオチド調製物とインキュベートされうる。
いくつかの態様において、試料中の標的真菌ヌクレオチド配列は、検出のためのハイブリダイゼーションプローブを用いる前に増幅される。例えば、ITS2配列の一部または全部を増幅し、その後、増幅された配列プールの存在を検出することが有利でありうる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅を含む、任意の核酸増幅方法が用いられうる。特定の態様において、以下でより詳細に記載されているPCR-EIA方法が、カンジダ種(C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシスなど)の増幅および検出に用いられる。他の例において、多分析物プロファイリング(MAP)システムは、カンジダ種(C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシスなど)を検出するために開示されたカンジダ種特異的プローブと共に用いられる。
PCR増幅のためのユニバーサル真菌プライマーおよび種特異的プローブの連続的使用は、カンジダ種(例えば、C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシス)を同定するために用いられうる。一般的にITS1、ITS2、ITS3、およびITS4と呼ばれるユニバーサル真菌プライマーは、単一の真菌種のみ由来のものよりむしろ、大部分の真菌由来のrDNAの主要部分の増幅を可能にする。真菌rDNA領域の概略図は図6に示されている。内部転写スペーサー2(ITS2)配列は、5.8Sコード配列と28Sコード配列の間に位置する。ユニバーサルITS1、ITS2、ITS3、およびITS4プライマーについてのハイブリダイゼーション部位は、増幅の方向を示す矢印で示されている(ITS1およびITS3はフォワードプライマーであり、ITS2およびITS4はリバースプライマーである)。
rDNA遺伝子は、それがユニバーサル真菌プライマーについての結合部位を含むためだけでなく、この遺伝子が位置する染色体が単位複製配列収量および検査感度を増加させうる「前増幅」を提供する約100個の遺伝子コピーを含むため、適切な増幅標的を提供する。それゆえに、いくつかの態様において、ユニバーサルプライマーおよび多コピー遺伝子標的(rDNA)の使用は、他の態様の遺伝子標的により提供されるより、多様な試料中の真菌の同定についてより高い有用性および感度をもつ。
PCRは、僅か数ナノグラム、数ピコグラム、またはそれ未満の量などの少量のDNAの増幅および検出を可能にする。PCR-EIAまたはMAPなどのPCRを含む(または任意で含む)アッセイの感度は、技術の様々な周知の改変により増強されうる。例えば、ネステッドPCRは、第一PCRからの単位複製配列を第二PCRについての鋳型として用いて標的DNAを再増幅するために、最初のセットのプライマーに対して内側の第二セットのプライマーを利用する(例えば、Podzorski and Persing, Manual of Clinical Microbiology, 6th Edition, ed. by Murray et al., Washington, DC:ASM Press, 1995; Rappelli et al., J. Clin. Microbiol., 36:3438-3440, 1998参照)。加えて、PCR反応は、より多くのサイクルを通して続けられることができ、増幅されたDNAの幾何級数的増加を続け、増加したPCRサイクル数に渡って安定性および正確さの増加したTaqポリメラーゼの代替型が、利用できる。市販されているTaqポリメラーゼは、Roche Molecular Systems(Pleasanton, CA)、Seikagaku America(Falmouth, CT)、および他の商業的供給業者から入手できる。
PCR-EIAによりカンジダ種(例えば、C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシス)の単位複製配列検出および同定の一つの方法が提供されるが、他の同定方法を用いることもできる。単位複製配列は、カンジダ種特異的プライマーを用いて産生され、アガロースゲルにおける電気泳動および臭化エチジウム染色により検出されうる(例えば、Aoki et al., J. Clin. Microbiol., 37:315-320, 1999参照)。そのようなアガロースゲルにおけるバンドの存在は、特異的プライマーを用いる陽性結果とみなされる。しかしながら、真菌の異なる種は、類似したサイズ単位複製配列を産生しうるため、単位複製配列サイズ検出は、他の同定方法で補われうる。
または、PCRなどの増幅により得られたDNAを含む真菌DNAの制限酵素消化後の固有のバンドパターンの存在が、制限断片長多型(RFLP)またはランダム増幅多型DNA(RAPD)分析に基づいた「遺伝子フィンガープリンティング」として一般的に知られた方法を含む種同定に用いられうる(例えば、Morace et al., J. Clin. Microbiol., 35:667-672, 1997参照)。
種特異的プローブ(SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2における配列からなる核酸分子など)は、サザンブロット、ドットブロット、またはもう一つの類似した方法を用いるカンジダ種の最終同定を得るために用いられうる(例えば、Sandhu et al., J. Clin. Microbiol., 35:1894-1896, 1997; Sandhu et al., J. Clin. Microbiol., 33:2913-2919, 1995; Tanaka et al., J. Clin. Microbiol., 34:2826-2828, 1996参照)。加えて、自動蛍光キャピラリー電気泳動システムを用いて増幅されたDNAの正確なサイズにより、真菌が同定される、ユニバーサルプライマーを用いる同定方法は、Turennue et al.(J. Clin. Microbiol., 37:1846-1851, 1999)により開発された。
本明細書に記載されたプローブは、培養中のカンジダ種(例えば、C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシス)を同定するための手段を提供するだけでなく、環境試料および生体試料などの他の試料中のそのような真菌の組織学的同定の助けとなる。組織切片における、開示された核酸分子(例えば、C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシスに特異的なプローブ)の真菌への適用は、真に侵襲性の生物体と単純なコロニーを形成するものとの識別を可能にすることができ、多数の技術が、これらのプローブを用いて組織内の真菌を同定するために用いられうる。いくつかの態様において、真菌DNAは、組織から抽出され、PCR-EIAまたはMAPにより同定される。他の態様において、プローブはインサイチューハイブリダイゼーションに用いることができ、組織において直接的に真菌DNAの位置測定を可能にする。さらに他の態様において、標的DNAが増幅されかつインサイチューでハイブリダイズされる、PCRとインサイチューハイブリダイゼーション手順との組み合わせが用いられうる。しかしながら、これらの方法のいずれも相互排他的とみなされるべきではない。
PCR-EIA
開示されたカンジダ種特異的プローブ(例えば、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2における核酸配列からなるプローブ)を用いる一つの非限定的な有利な方法は、PCR-EIAである。図5は一般化されたPCR-EIA方法を示す。簡単には、ストレプトアビジンコーティング化マイクロタイタープレート(A)のウェルへの添加の前に、エッペンドルフチューブにおいて、変性単位複製配列を、ビオチン標識捕捉プローブ(B)およびジゴキシゲニン標識検出プローブ(D)とハイブリダイズさせる。その後、西洋ワサビ結合抗ジゴキシゲニン抗体を加え、ウェルに結合した単位複製配列を、TMB-H2O2基質の添加後、A650nmで比色定量的に検出する。考え得るところでは、PCR-EIAは、試料に存在する少なくも数個の真菌細胞(例えば、C. アルビカンスまたはC. デュブリニエンシスDNA)を検出できる。
MAPシステム
開示されたカンジダ種特異的プローブ(例えば、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2における核酸配列からなるプローブ)を用いるもう一つの非限定的かつ有利な方法は、MAPシステムである。MAP技術は、単一の試料において最高100個の異なるハイブリダイゼーション反応の多重化を可能にする。その通常の実行において、このシステムは、個別のスペクトルアドレスを割り当てるために、異なる比率の、スペクトルの異なるフルオロフォア2つでそれぞれが内部染色された、100セットの5.5ミクロンビーズの液体懸濁アレイを用いる。ビーズの各セットは、異なる捕捉分子(複数の真菌特異的プローブなど)と結合されうる。その後、結合されたビーズは、混合され、特定の分析物と反応するようにマイクロプレートウェルに試料とインキュベートされうる。蛍光標識レポーター分子とのインキュベーション後、各マイクロプレートウェルの内容物は、2つのレーザーがビーズを個々に励起するフローセルを通って単一ファイルにビーズを整列させるフローサイトメトリーシステムにおいて分析される。赤色分類レーザーは、各ビーズにおける色素を励起し、そのスペクトルアドレスを同定する。緑色レポーターレーザーは、ビーズに会合したレポーター分子を励起し、捕捉された分析物の定量化を可能にする。高速デジタルソフトウェアは、各ビーズについて同時に蛍光シグナルを記録し、シグナルを各ビーズに基づいたアッセイについてのデータへ変換する。各多重アッセイは、12.5〜25μl試料において少なくとも0.05ng核酸(ゲノムDNAなど)を用いうる。
MAP技術の一つの態様は、図1に概略的に示されている。この例において、異なる比率の赤色および赤外色素で内部染色されているポリスチレンビーズ(1)が、分類レーザー(励起波長=635nm)により励起され(2)、各ビーズの固有のスペクトルアドレス(3)を現す。各ビーズは、溶液において相補的種のビオチン化単位複製配列(5)を特異的に結合する、それに付着した、共有結合の種特異的オリゴヌクレオチド捕捉プローブ(4)を有する。ストレプトアビジン-フィコエリトリン(PE)(6)はビーズ結合PCR単位複製配列の5'末端上のビオチン(B)標識に結合する。レポーターレーザー(7)はPEを励起し(励起波長=532nm)、蛍光シグナル(放射波長=578nm)がMAPシステム(8)により、検出され、処理され、記録される。他の多重化検出方法は、例えば、米国特許第6,838,243号;第5,691,143号;第5,470,710号;第6,872,578号;第6,280,618号;および第6,277,641号、ならびに米国特許出願公開第20050064452号;第20030108913号;および第20020012910号に記載されている。
開示されたカンジダ種特異的プローブおよび他の以前に記載された(または開示されることになっている)真菌特異的プローブと組み合わせると、MAP技術は、1つのアッセイにおいて最高100個の異なる真菌間を同時に検出し、かつ識別することができる。本明細書に記載されたカンジダ種特異的プローブ(例えば、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に記載の配列を有するプローブ)に加えて、例示的な真菌種特異的DNAプローブは、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・デュブリニエンシス、カンジダ・トロピカリス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・ギリエルモンディ、カンジダ・クルゼイ、カンジダ・パラプシロシス、カンジダ・ヘムロニー、カンジダ・ケフィル、カンジダ・ランビカ、カンジダ・ルシタニエ、カンジダ・ノルベゲンシス、カンジダ・ノルベジカ、カンジダ・ペリキュローザ、カンジダ・ルゴサ、カンジダ・ユーティリス、カンジダ・ビスワナチー、カンジダ・ゼイラノイデス、スポロトリクス・シェンキー(Sporothrix schenckii)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)、ペニシリウム・マルネフェイ(Penicillium marneffei)、ペニシリウム・カメンベルティ(Penicillium camembertii)、ペニシリウム・カゼイコルム(Penicillium caseicolum)、ペニシリウム・クルソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、ペニシリウム・グラブルム(Penicillium glabrum)、ペニシリウム・グリセオフルブム(Penicillium griseofulvum)、ペニシリウム・イタリクム(Penicillium italicum)、ペニシリウム・ジャンチネルム(Penicillium janthinellium)、ペニシリウム・プルプレセンス(Penicillium purpurescens)、ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)、ペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum)、ペニシリウム・ロクフォルティ(Penicillium roquefortii)、ペニシリウム・ルベファシエンス(Penicillium rubefaciens)、ペニシリウム・スピヌロスム(Penicillium spinulosum)、ヒストプラスマ・カプスラツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)、パラコクシジオイデス・ブラシリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、アスペルギルス・クラバツス(Aspergillus clavatus)、アスペルギルス・グラヌロスス(Aspergillus granulosus)、アスペルギルス・シドウィ(Aspergillus sydowii)、アスペルギルス・フラビペス(Aspergillus flavipes)、アスペルギルス・レストリクツス(Aspergillus restrictus)、アスペルギルス・ベルシコロル(Aspergillus versicolor)、アスペルギルス・ウェンティ(Aspergillus wentii)、アスペルギルス・ケバリエリ(Aspergillus chevalieri)、アスペルギルス・ウスツス(Aspergillus ustus)、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、コクシジオイデス・ポサダシ(Coccidioides posadasii)、シューダレシェリア・ボイディ(Pseudallescheria boydii)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾムコール・プシルス(Rhizomucor pusillus)、ムコール・シルシネロイデス(Mucor circinelloides)、ムコール・インディクス(Mucor indicus)、ムコール・ラセモスス(Mucor racemosus)、セドスポリウム・プロフィリカンス(Scedosporium prolificans)、および/またはアブシディア・コリムビフェラ(Absidia corymbifera)について有効である(例えば、de Aguirre et al., J. Clin. Microbiol., 42(8):3495-3504, 2004; Coignard et al., J. Clin. Microbiol., 42(2):858-861, 2004; Ellepola et al., Oral Microbiol. Immunol., 18(6):379-388, 2003; Lindsley et al., J. Clin. Microbiol., 39(10):3505-3511, 2001; Shin et al., J. Clin. Microbiol., 37(1):165-170, 1999; Elie et al., J. Clin. Microbiol., 36(11):3260-3265, 1998; 米国特許第6,372,430号、第5,688,644号、第5,645,992号、第5,635,353号、第5,631,132号、および第5,426,027号;米国特許公開第20030129600号参照)。
通常のマイクロアレイ技術(下で考察されている)のように、MAPシステムは非常に感度が高く、かつ特異的でありうる。加えて、ビーズに基づいたMAPシステムはいくつかの他の利点をもつ。第一に、ハイブリダイゼーションに利用可能なプローブの濃度は、(マイクロアレイの2次元表面に対して)ビーズの3次元表面のためにマイクロアレイよりも高い可能性が高い。この利点は、読み取り困難を低減しうる、構成要素の試薬への曝露を増強しうる、および構成要素(C. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシスなどの特定の真菌種に特異的なプローブなど)が結合している表面に渡る濃度勾配を排除しうる。加えて、ビーズに基づいたMAPシステムは、比較的安価で、ユーザーが利用しやすく、設計が単純で、実施するのが簡単であり、データは自動的に分析および計算される。
MAP技術を用いる代表的な方法において、複数の真菌特異的プローブ(例えば、それぞれ、SEQ ID NO: 1およびSEQ ID NO: 2に示された少なくともC. アルビカンスおよび/またはC. デュブリニエンシス特異的プローブ)は、対応する複数のスペクトル特性を有するビーズに独立して付着している。従って、特定のセットの状況下で対象となるだけのプローブについて、例えば、C. アルビカンス特異的プローブ(例えば、SEQ ID NO: 1)は、その特定の第一ビーズ(または関連した第一セットのビーズ)に特異的な(または単に特徴的な)第一スペクトル放射波長を有する第一ビーズ(または関連した第一セットのビーズ)に付着しており、C. デュブリニエンシス特異的プローブ(例えば、SEQ ID NO: 2)は、その特定の第二ビーズ(または関連した第二セットのビーズ)に特異的な(または単に特徴的な)第二スペクトル放射波長を有する第二ビーズ(または関連した第二セットのビーズ)に付着している。いくつかの態様において、MAP技術と共に用いる複数のプローブは、2個のプローブ(例えば、SEQ ID NO: 1およびSEQ ID NO: 2などのC. アルビカンス特異的およびC. デュブリニエンシス特異的なプローブ)、または2個から100個まで、2個から75個まで、2個から50個まで、2個から25個まで、25個から100個まで、50個から100個まで、もしくは75個から100個までの真菌特異的プローブを含む。少なくとも1個の開示されたC. アルビカンス特異的またはC. デュブリニエンシス特異的なプローブ(SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2など)は、それぞれの複数のMAPシステムプローブに含まれることが企図される。
それぞれが特定の真菌種に対する特異性を有するプローブに結合している、スペクトルを同定可能な一連のビーズを、試料と接触させる。開示された方法に有用な試料は他の所で考察されている。そのような試料は、複数の真菌特異的プローブの1つまたは複数が特異的に結合する核酸分子(例えば、1つもしくは複数の真菌のゲノムDNA、または真菌ゲノムDNAもしくは他の関連した鋳型核酸から調製された増幅産物)を含みうる。特定の例において、試料は、真菌rDNAのITS2領域(カンジダ種 ITS2 rDNA配列など)由来の核酸配列を含む増幅産物を含む。他の例において、増幅産物は、ビオチンまたは他のハプテンなどの標識または他の検出可能なタグを含む(例えば、図1参照)。場合によっては、試料は核酸特異的色素であらかじめ標識される。例示的なこの特異性をもつ色素は、一般的に知られており、市販されている(例えば、ULYSIS Nucleic Acid Labeling Kits、ARES DNA Labeling Kits、およびAlexa Fluor Oligonucleotide Amine Labeling Kits、それぞれInvitrogenから)。
試料およびビーズを、試料中の核酸分子のビーズ固定化プローブへの特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で接触させる。特定のハイブリダイゼーション条件は、実施例1および本明細書の他の所で考察されている。ビーズおよび結合していない試料成分は、例えば、遠心分離、および任意で1回または複数回の洗浄段階により、分離される。いくつかの例において、ビーズおよび結合した試料成分は、試料成分に特異的な色素で標識される。例えば、試料がタグを有する増幅産物(例えば、ビオチン化増幅産物)を含む場合、タグを特異的に結合する結合パートナーに結合した色素(例えば、アビジン-色素、またはストレプトアビジン-色素)が、ビーズに結合した試料成分を特異的に標識するために用いられうる。どの場合にも、複数のビーズ上に固定化された試料成分は、集合的に認識可能な標識(例えば、特徴的な蛍光放射波長)を有し、スペクトルを同定可能なビーズそれぞれは、それ自身認識可能な特性(例えば、特徴的な蛍光放射波長)を有する。このように、結合した試料成分を有する各ビーズは、例えば、市販されているこの目的のために設計された装置(Luminex、MiraiBio、BioRad、Qiagenなどから入手できる)を用いて、容易かつ迅速に同定されうる。
V. 真菌プロファイリングアレイ
特定の真菌属(例えば、カンジダ種、スポロトリクス種、クリプトコッカス種、アスペルギルス種、ニューモシスティス種、ペニシリウム種、フザリウム種、ムコール種、リゾプス種、ヒストプラスマ種、コクシジオイデス種、および/またはパラコクシジオイデス種)および/または特定の真菌種(例えば、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・デュブリニエンシス、カンジダ・トロピカリス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・ギリエルモンディ、カンジダ・クルゼイ、カンジダ・パラプシロシス、カンジダ・ヘムロニー、カンジダ・ケフィル、カンジダ・ランビカ、カンジダ・ルシタニエ、カンジダ・ノルベゲンシス、カンジダ・ノルベジカ、カンジダ・ペリキュローザ、カンジダ・ルゴサ、カンジダ・ユーティリス、カンジダ・ビスワナチー、カンジダ・ゼイラノイデス、スポロトリクス・シェンキー、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、ニューモシスティス・カリニ、ペニシリウム・マルネフェイ、ペニシリウム・カメンベルティ、ペニシリウム・カゼイコルム、ペニシリウム・クルソゲヌム、ペニシリウム・グラブルム、ペニシリウム・グリセオフルブム、ペニシリウム・イタリクム、ペニシリウム・ジャンチネルム、ペニシリウム・プルプレセンス、ペニシリウム・シトリヌム、ペニシリウム・プルプロゲヌム、ペニシリウム・ロクフォルティ、ペニシリウム・ルベファシエンス、ペニシリウム・スピヌロスム、ヒストプラスマ・カプスラツム、コクシジオイデス・イミティス、パラコクシジオイデス・ブラシリエンシス、アスペルギルス・クラバツス、アスペルギルス・グラヌロスス、アスペルギルス・シドウィ、アスペルギルス・フラビペス、アスペルギルス・レストリクツス、アスペルギルス・ベルシコロル、アスペルギルス・ウェンティ、アスペルギルス・ケバリエリ、アスペルギルス・ウスツス、アスペルギルス・フミガツス、アスペルギルス・テレウス、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニデュランス、アスペルギルス・フラブス、ブラストミセス・デルマチチジス、コクシジオイデス・ポサダシ、シューダレシェリア・ボイディ、リゾプス・オリゼ、リゾムコール・プシルス、ムコール・シルシネロイデス、ムコール・インディクス、ムコール・ラセモスス、セドスポリウム・プロフィリカンス、および/またはアブシディア・コリムビフェラ)に特異的な複数のプローブを含むアレイ。
真菌プロファイリングアレイは、例えば、アレイ上のプローブに特異的に結合するゲノム核酸配列を有する1つまたは複数の真菌の存在について試料をスクリーニングするために、用いられうる。そのようなアレイは、1つまたは複数の真菌、例えば、カンジダ真菌、または特定の属、およびC. アルビカンスもしくはC. デュブリニエンシスなどの種の真菌を迅速に検出および同定するために用いられうる。
アレイは、基盤上のアドレス可能な(addressable)位置の配列であり、各アドレスがプローブなどの核酸を含む。いくつかの態様において、各アドレスは、単一のプローブなどの核酸の単一の型またはクラスに対応するが、特定の核酸が、複数のアドレスに重複して含まれうる。「マイクロアレイ」とは、ハイブリダイゼーションの検出に顕微鏡または別な方法で補助された検査を必要とする小型化されたアレイである。より大きな「マクロアレイ」とは、各アドレスがヒトの肉眼により認識されるのを可能にし、いくつかの態様においては、ハイブリダイゼーションシグナルは追加の拡大無しに検出できる。アドレスは、標識されうるか、分離ガイドに合う(keyed)か、またはさもなくば位置により同定されうる。
いくつかの態様において、真菌プロファイルアレイは、アレイアドレスにおける別々のプローブの集団である。一つの非限定的な例として、アレイは、SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなるプローブを含む。真菌プロファイリングアレイを、その後、真菌核酸を含むことが疑われる試料と、プローブと試料中の核酸との間のハイブリダイゼーションが起こるのを可能にする条件下で接触させる。増幅されたまたは増幅されていないDNAまたはRNA調製物などの核酸抽出物を含む、真菌核酸を含む可能性がある、または含むことが疑われるだけである、任意の試料が用いられうる。アレイ上の個々のアドレスからのハイブリダイゼーションシグナルは、プローブが試料内のヌクレオチドにハイブリダイズしていることを示す。このシステムは、複数のプローブにより試料の同時分析を可能にし、試料内に含まれる真菌DNAまたはRNAを同定する情報を生じる。代替の態様において、アレイは真菌DNAまたはRNAを含み、アレイを、プローブを含む試料と接触させる。任意のそのような態様において、プローブまたは真菌DNAもしくはRNAのいずれかを、ハイブリダイゼーションの検出を容易にするために標識できる。
核酸は、乾燥型または液体型のアレイ基盤へ加えてもよい。緩衝剤、安定剤、ハイブリダイゼーションシグナルを検出するための試薬、乳化剤、または保存剤などの他の構成要素または物質は、同様にアレイへ加えられうる。
アレイ内において、それぞれ配列された核酸がアドレス可能である;すなわち、その位置が、アレイ表面の少なくとも2次元内に、高い信頼性でかつ一貫して決定されうる。従って、線状アレイは、各核酸の位置の割当を、それがアレイ内に置かれた時点で可能にする。通常には、アレイマップまたはキーは、各アドレスを適切な核酸と相関させるために提供される。線状アレイは、しばしば、対称グリッドパターンに配列されるが、核酸は他のパターンで(例えば、放射状分布ライン、「輻および車輪」パターン、または線状クラスターで)配列されることはできない。
アレイ内のアドレスは、任意の適切な形およびサイズでありうる。いくつかの態様において、核酸は、液体媒体中に懸濁され、アレイ基盤上の正方形または長方形ウェル内に含まれる。しかしながら、核酸は、本質的に三角形、楕円形、円形、不規則である領域に含まれうる。アレイ自身の全体的な形もまた変わりうるが、いくつかの態様において、それは、実質的に平らで、形が長方形または正方形である。
真菌プロファイリングアレイは、構造、組成、および意図された機能性が異なってもよく、マクロアレイ形式もしくはマイクロアレイ形式、またはそれらの組み合わせのいずれかに基づきうる。そのようなアレイは、例えば、少なくとも10個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個、またはそれ以上のアドレスを、通常、各アドレスに単一の型の核酸と共に含みうる。マクロアレイの場合、精巧な装置は、通常、アレイ上のハイブリダイゼーションシグナルを検出するために必要とされないが、定量化は、標準スキャニングならびに/または定量化技術および装置により補助されうる。従って、マクロアレイ分析は、たいていの病院、農業および医学研究所、大学、または他の機関において、特殊化した高価な読み取り装置への投資の必要無しに行われうる。
本明細書に開示されたファージアレイのための基盤の例には、ガラス(例えば、機能化ガラス)、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO2、SiN4、変成シリコンニトロセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカルボネート、ナイロン、繊維、またはそれらの組み合わせが挙げられる。アレイ基盤は堅く、比較的剛直であってもよく(例えば、ガラスまたは支持された膜)、または柔軟であってもよい(高分子膜など)。本明細書に記載されたプローブアレイに適した一つの市販されている製品系列は、Microlite 1+96ウェルプレート、または384 Microlite+384ウェルプレートなどのDynex Technologies UK(Middlesex, United Kingdom)から入手できるMicrotiter(登録商標)プレートのMicrolite系列である。
アレイ上のアドレスは、個々のアドレスからのハイブリダイゼーションシグナルが、肉眼によるか(マクロアレイ)、または1つの装置による、もしくは顕微鏡の助けを借りてのスキャニングもしくは読み取りによるか(マイクロアレイ)のいずれかで、隣接するアドレスのシグナルから識別可能であるべきである点において、別々であるべきである。
マクロアレイにおけるアドレスは、顕微鏡または他の装置の補助無しにハイブリダイゼーションシグナルの検出を可能にするのに十分な大きさなどの比較的大きなサイズでありうる。従って、マクロアレイのアドレスは、約0.1mm幅程度の小ささであり、ほぼ同じ距離の離隔を有しうる。または、アドレスは、幅が約0.5、1、2、3、5、7、または10mmであり、類似した、または異なる距離の離隔を有しうる。より大きなアドレス(幅が10mmより大きい)は、特定の態様において用いられる。アレイの全体的サイズは、一般的にアドレスのサイズと相関する(すなわち、より大きなアドレスは通常、より大きなアレイ上に見出される、一方、より小さなアドレスはより小さなアレイ上に見出されうる)。しかしながら、そのような相関は必須ではない。
本明細書におけるアレイは、それらの密度−ある特定の表面積におけるアドレスの数−により記載されうる。マクロアレイについて、アレイ密度は、1平方デシメートルあたり約1個のアドレス(またはアレイ基盤の10cm×10cm領域において1個のアドレス)〜1平方センチメートルあたり約50個のアドレス(基盤の1cmX1cm領域内に50個の標的)でありうる。マイクロアレイについて、アレイ密度は、通常、1平方センチメートルあたり1個または複数個のアドレス、例えば、1平方センチメートルあたり約50個、約100個、約200個、約300個、約400個、約500個、約1000個、約1500個、約2,500個、またはそれ以上のアドレスである。
「アレイ」という用語の使用は、DNAマイクロチップ技術において見出されるアレイを含む。一つの非限定的な例として、プローブは、Affymetrix, Inc.(Santa Clara, CA)から市販されているGeneChip(登録商標)製品および関連製品に類似したDNAマイクロチップ上に含まれうる。簡単には、DNAマイクロチップは、ガラスウエハー基盤上のプローブの小型化された高密度アレイである。特定のプローブが選択され、フォトリソグラフィーマスクは、半導体産業に用いられるものと類似した、固相化学合成およびフォトリソグラフィー製作技術に基づくプロセスで用いるために設計される。マスクは、チップ曝露部位を単離するために用いられ、プローブはこれらの部位で化学合成され、各プローブはアレイ内の同定された位置にある。製作後、アレイはハイブリダイゼーションの準備ができている。試料内のプローブまたは核酸は、蛍光標識などで標識化されることができ、ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーションシグナルは検出および分析されうる。
VI. キット
開示された核酸分子(例えば、C. アルビカンス特異的およびC. デュブリニエンシス特異的なオリゴヌクレオチドプライマーならびにプローブ)は、上記のアレイのいずれかについてのキットを含む、真菌(カンジダ種など)の検出に用いるキットの形をとって供給されうる。そのようなキットにおいて、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマーおよび/またはプローブ(SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2における配列からなるプライマーまたはプローブなど)の適切な量が、1つまたは複数の容器中で提供される、または基盤上に保持される。オリゴヌクレオチドプライマーまたはプローブは、例えば、水溶液に懸濁されて、または凍結乾燥(freeze-dried)もしくは凍結乾燥(lyophilized)粉末として、提供されうる。オリゴヌクレオチドが供給される容器は、供給される形を保持することができる任意の通常の容器、例えば、ミクロチューブ、アンプル、またはボトル、でありうる。いくつかの適用において、プライマーのペアは、個々の、典型的には使い捨ての、チューブまたは同等の容器におけるあらかじめ測定された単回使用量で提供されうる。そのような条件で、真菌核酸の存在について検査されるべき試料が個々のチューブに加えられ、増幅が直接、実行されうる。
キット中に供給される各オリゴヌクレオチドプライマーの量は任意の適切な量であることができ、製品が対象とする目標市場に依存しうる。例えば、キットが研究または臨床用に適合化される場合には、各オリゴヌクレオチドプライマーの量は、数回のPCR増幅反応を与えるのに十分な量である可能性が高い。キットは、多数の真菌ヌクレオチド配列のPCR増幅を促進するために2つより多いプライマーを含みうる。
いくつかの態様において、キットはまた、DNA試料調製試薬、適切な緩衝液(例えば、ポリメラーゼ緩衝液)、塩(例えば、塩化マグネシウム)、およびデオキシリボヌクレオチド(dNTP)を含む、PCR増幅反応を実行するのに必要な試薬を含みうる。PCR反応に用いる1つまたは複数の対照配列もまた、キット中に供給されうる。
キットは、真菌(例えば、カンジダ種)ヌクレオチド配列の検出に用いる標識または非標識のいずれかのオリゴヌクレオチドプローブを含みうる。そのようなプローブについての適切な配列は、プローブが相補的である配列がPCR反応中に増幅されるように、2つの提供されたオリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング部位の間に置かれる任意の配列である。いくつかの態様において、プローブは、カンジダ種(例えば、C. アルビカンスまたはC. デュブリニエンシス) rDNA ITS2領域内の配列に相補的である。
PCR反応に用いる1つまたは複数の対照配列もまた、キット中に供給されうる。適切な陽性対照配列は、本質的に、上で考察されたとおりでありうる。特定の態様は、上で記載されたアレイに基づいた、真菌を検出および同定するためのキットを含む。そのようなキットは、少なくとも2つの異なるプローブ(SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2における核酸配列を有するプローブなど)および使用説明書を含む。キットは、少なくとも10個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個、またはそれ以上のプローブなどの、2個より多い異なるプローブを含みうる。使用説明書は、試料を採取すること、試料を処理すること、プローブを調製すること、および/または各プローブを試料のアリコートと接触させることについての指示を含みうる。特定の態様において、キットは、個々の容器(例えば、ミクロチューブ)またはアレイ基盤(例えば、96ウェルまたは384ウェルマイクロタイタープレート)などの、異なるプローブを分離するための装置または器具を含む。特定の態様において、キットは、個々の容器(例えば、個々に密封されたエッペンドルフチューブ)またはアレイ基盤(例えば、保護性プラスチックフィルムで密封された96ウェルマイクロタイタープレート)のウェルにおいて適切な媒体中に懸濁されたプローブなどのあらかじめパッケージングされたプローブを含む。他の特定の態様において、キットは、試料からヌクレオチドを抽出および/または精製するための装置、試薬、および使用説明書を含む。
一つの態様において、キットは使用説明書と共に供給される。一つの特定の非限定的な例において、使用説明書は書面による使用説明書である。もう一つのそのような例において、使用説明書は、ビデオカセットまたはCDに含まれる。使用説明書は、例えば、核酸配列を増幅し、その後、本明細書に開示されたITS2特異的プローブを用いてカンジダの種(および/または菌株)を識別するためのプライマーの使用方法をユーザーに教示しうる。一つの特定の非限定的な例において、使用説明書は、異なるカンジダ種を示す配列差を検出するために増幅された核酸をシーケンシングすることをユーザーに指示する。または、プローブが、各種または菌株に関連している異なる配列を検出するために用いられうる。
実施例
以下の実施例は、ある特定の特徴および/または態様を例証するために提供される。これらの実施例は、記載された特定の特徴または態様に本発明を限定すると解釈されるべきではない。
実施例1
代表的な材料および方法
この実施例は、以下の実施例2〜5に用いられる材料および方法を記載する。
A. 微生物
カンジダ性敗血症をもつ患者から一般的に単離される6つの異なるカンジダ種の25個の菌株(Trick et al., Clin. Infect. Dis., 35:627-630, 2002)が、Mycotic Diseases Branch Culture Collection, Centers for Disease Control and Preventionから入手された。用いられる分離株およびそれらのそれぞれの起源は以下の表1に列挙されている。
(表1)プローブ試験に用いられるカンジダ種分離株の源および特徴
Figure 0004886784
aATCC=American Type Culture Collection; CDC=Centers for Disease Control and Prevention; CBS=Centraalbureau voor Schimmelcultures
分離株の同定は、API 20C AUX炭素同化試験(Freydiere et al., Med. Mycol., 39:9-33, 2001に記載されているような)、コーンミールDalmau寒天上での増殖特性により、およびポリメラーゼ連鎖反応-酵素イムノアッセイ(PCR-EIA)(Elie et al., J. Clin. Microbiol., 36:3260-3265, 1998に記載されているような)により確認された。
B. プローブのミクロスフェア(ビーズ)への結合
6つの医学的に重要なカンジダ種(C. アルビカンス、C. グラブラタ、C. トロピカリス、C. パラプシロシス、C. クルゼイ、およびC. デュブリニエンシス)についてのオリゴヌクレオチドプローブは、以前に記載されているように(Elie et al., J. Clin. Microbiol., 36:3260-3265, 1998)合成されたが、ジゴキシゲニン末端は標識されず、それぞれ5'末端においてアミノ修飾12-炭素スペーサーで標識された(Diaz and Fell, J. Clin. Microbiol., 42:3696-3706, 2004により記載されているように)。このスペーサーは、Dunbar et al.(J. Microbiol. Meth., 53:245-252, 2003)により記載されたカルボジイミド結合反応を用いるプローブのカルボキシル化ビーズへの共有結合的付着のために用いられた。同じ付着プローブを有するそれらのビーズが同定されうるように、異なって標識された。ビーズに基づいたハイブリダイゼーションアッセイを用いる以前の研究は、この実施例のように12-Cアミノリンカーを用いた(例えば、Diaz and Fell, J. Clin. Microbiol., 42:3696-3706, 2004; Dunbar et al., J. Microbiol. Meth., 53:245-252, 2003参照)。他の研究は、長さが6炭素から18炭素までのリンカーを用いて少なくとも同等の結果を報告している(Cowan et al., J. Clin. Microbiol., 42:474-477, 2004; Wilson et al., Mol. Cell. Probes, 19:137-144, 2005)。リンカーアーム長の関数としての試験感度または特異性における有意差は、本明細書に記載された実施例において観察されなかった。
200pmolのオリゴヌクレオチドプローブおよび2.5×106個のミクロスフェア(Luminex, Inc., Austin, TX)を、25μlの100mM 2-(N-モルホリノ)-エタンスルホン酸(MES)、pH4.5中の新鮮なN-(3-ジメチルアミノジプロピル)-N'-エチルカルボジイミド(EDC; Pierce Chemicals, Rockford, IL)30μgと混合した。混合物を、暗黒下、25℃で30分間、一定で振盪しながら(140rpm)インキュベートした。EDC処理およびインキュベーション段階をその後繰り返し、ミクロスフェアを0.1%SDS(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)1mlで洗浄し、続いて0.02%Tween 20(Sigma)1mlでの2回目の洗浄を行った。結合したミクロスフェアを、その後洗浄し、TE緩衝液(0.01M Tris-EDTA, pH 8.0)50μl中に懸濁した。処理はそれぞれのプローブについて繰り返されたが、それぞれのプローブがそれらが付着するビーズにより同定可能であるように、異なって標識されたビーズで行われた。この様式で6種のビーズセットが得られ、それぞれの等容量(3μl)を共に組み合わせることにより混合されたが、混合物は使用まで4℃で暗闇に保存された。使用直前に、混合物に、1.5×TMAC緩衝液(1.5M塩化テトラメチルアンモニウム、75mM Tris、6mM EDTA、および0.15%サルコシル、pH8.0)を加えて、総容量1mlとした。有利なことに、ハイブリダイゼーション緩衝液としての1.5M塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)の添加によって、プローブ間の融解温度におけるの任意の違いを克服することができた。TMACは、ATとGCの塩基対安定性を同等化し(Diaz and Fell, J. Clin. Microbiol., 42:3696-3706, 2004)、それにより、さもなければ別のものに優先して一つのプローブの選択的ハイブリダイゼーションを促進する可能性がある、プローブのAT/GC比における差の影響を減少させると考えられている。
C. PCR増幅
カンジダ種rDNAのITS2領域を、(i)リバースプライマーがストレプトアビジン-R-フィコエリトリンレポーター色素の結合を可能にするために5'末端でビオチン化されていること、および(ii)非対称PCRが行われる(すなわち、ITS3(5μMストック)およびITS4(20μMストック)が用いられる)ことを除いて、Elie et al.(J. Clin. Microbiol., 36:3260-3265, 1998)により記載されているようにユニバーサル真菌プライマーITS3
Figure 0004886784
およびITS4
Figure 0004886784
を用いて増幅した。適切な陽性および陰性対照が含まれ、PCR混入予防措置に従った(例えば、Elie et al., J. Clin. Microbiol., 36:3260-3265, 1998参照)。
フォワードプライマーと比較してビオチン化リバースプライマーの4倍高い濃度を用いることは、二重の目的を果たした:第一に、PCR増幅中産生される一本鎖DNAの収量を増加させ、それにより、プローブハイブリダイゼーションの効率を増加させる;および第二に、非ビオチン化フォワードプライマーと比較してビオチン化リバースプライマーの量をさらに増加させ、ビオチン化単位複製配列のより高い量が生成された(それにより、より高いハイブリダイゼーションシグナルを生じた)。非対称PCRのマイクロアレイアッセイにおける使用は成功しており、単位複製配列ハイブリダイゼーションの感度をその特異性または再現性に影響を及ぼすことなく増加させることが示されている(Wei et al., J. Biochem. Mol. Biol., 37:439-444, 2004)。
D. ビーズ結合型プローブのPCR単位複製配列へのハイブリダイゼーション
ビーズ混合物を、1.5×TMACハイブリダイゼーション緩衝液に各ビーズセットの150ミクロスフェア/μlの最終濃度まで希釈した。アッセイのために、このビーズ混合物33μlを、96ウェルマイクロタイタープレート(Thermowell, VWR International, West Chester, PN)の単一ウェルにおける17μlの標的DNA(PCR単位複製配列)へ加えた。異なるカンジダ種由来のDNAの混合物がマイクロタイタープレートの単一ウェル内で試験される場合、標的単位複製配列の総容量は一定(17μl)に保持されたが、個々の種の単位複製配列についての容量は、17μl容量を維持するように比例して低下させた。その後、DNAを変性させるために反応混合物をサーマルサイクラーにおいて94℃で5分間インキュベートし、単位複製配列を、サーマルサイクラーにおいて52℃でさらに30分間ハイブリダイズさせた。
ハイブリダイズした単位複製配列の検出
試料をサーマルサイクラーから取り出し、ハイブリダイズしたミクロスフェアを2000×gで3分間の遠心分離によりペレット化した。その後、ミクロスフェアを、75μlの検出緩衝液(1×ハイブリダイゼーション緩衝液中4mg/mlまで希釈されたR-フィコエリトリン結合型ストレプトアビジン(Molecular Probes, Eugene, OR))に再懸濁した。試料を、サーマルサイクラーにおいて52℃でさらに10分間インキュベートし、その後、MAPシステムフローサイトメーター(Bioplex; Bio-Rad Laboratories, Inc., Hercules, CA)において分析した。試料を2連で分析し、陽性および陰性対照を各アッセイに含めた。各ウェルについてのデータは、MAPシステムと共に含まれる高速シグナル処理装置を用いて獲得した。各ビーズは以下の2つのレーザーを用いて試験した:各ビーズの固有のスペクトルアドレスを同定するための分類レーザー(励起波長=635nm)、およびハイブリダイズしたPCR産物に付着したR-フィコエリトリンにより生じた蛍光を測定するためのレポーターレーザー(励起波長=532nm)(図1に概略的に示されているように)。
MAPシステムと共に含まれるデジタルシグナル処理装置およびソフトウェアは、各ビーズセットについて蛍光強度中央値(MFI)を自動的に計算した。陽性シグナルは、そのビーズプローブセットについてのバックグラウンド蛍光強度(BFI)の2倍を与えるMFIとして定義された。特定のビーズ-プローブセットについてのBFIは、PCR反応において鋳型DNAの代わりに水を用いる12個の反応の平均として計算された。試料対バックグラウンド(S/B)比は、3回の試験実行の平均MFIを同じ3回の試験実行からの平均BFIで割ることにより、各試験試料について計算された。
E. 混合カンジダ種の感度測定および検出
カンジダ種ゲノムDNAの既知の濃度の段階希釈(10-6ng〜10ng)を、MAPシステムの試験感度の限界を測定するためにPCR増幅前に作製した。DNAを、NanoDrop ND-1000分光光度計(NanoDrop Technologies, Montchanin, DE)を用いて製造会社の使用説明書に従い、定量化した。MAPシステムが1つより多いカンジダ種由来のDNAの存在を同時に検出できるかどうかを測定するために、1つより多いカンジダ種由来の標的DNAをマイクロタイタープレートの単一ウェルにおいて組み合わせ、上記のように試験した。
F. 統計学的解析
各比較群についてのS/B比間の差は、両側スチューデントのt検定を用いて解析され、DNA濃度とS/B比の間の相関は、ピアソンのr検定を用いて解析され、群は、P値が≦0.05である場合、統計学的に異なるとみなされた。
実施例2
C. アルビカンスおよびC. デュブリニエンシスのプローブはこれらの真菌病原体に特異的な他のプローブより性能が優れている
この実施例は、開示されたC. アルビカンスおよびC. デュブリニエンシスのプローブが、これらの特定のカンジダ種に特異的な現在利用できるプローブよりも驚くほど優れたシグナル対バックグラウンド(S/B)比を提供することを実証する。
以前に、Elieら(J. Clin. Microbiol., 36:3260-3265, 1998)は、PCR-EIA検出形式で用いる18個のカンジダ種に特異的なプローブの以下のパネルを作製した。
Figure 0004886784
最近、フローサイトメトリーにおけるプローブハイブリダイゼーション反応の分析についての技術が、開発されている。この方法である多分析物プロファイリング(MAP)システムは、マイクロタイタープレートの単一ウェルにおいて同時に最高100個までの異なるプローブハイブリダイゼーション反応を迅速に検出することができる。プローブCA1、CD1、CT、CGE、CK、またはCPが、表1に列挙されたそれぞれのC. アルビカンス、C. デュブリニエンシス、C. トロピカリス、C. グラブラタ、C. クルゼイ、またはC. パラプシロシス生物体由来のDNAに対してMAPシステムにおいて試験された(実施例1参照)。リボソームDNA(rDNA)の内部転写スペーサー2(ITS2)領域に向けられる各プローブを、100個の蛍光コードされたミクロスフェア(ビーズ)セットのうちの1個に共有結合させた。各ビーズセットを、各ビーズが固有のスペクトルアドレスを有するのを可能にする赤色対赤外フルオロフォアの異なる比で内部に標識した。ビオチン化PCR単位複製配列を、特定のプローブに結合したビーズセットとハイブリダイズさせ、その後、蛍光レポーター分子(ストレプトアビジン-R-フィコエリトリン)を用いてフローサイトメーターにおいて検出した。C. アルビカンスおよびC. デュブリニエンシス、それぞれの検出におけるCA1およびCD2プローブで観察されたシグナル強度は、対応する真菌病原体の検出のためのCT、CGE、CK、またはCPプローブについて得られたものより有意に低かった。
類似の融解温度(Tm)は、同等の効率で複数のカンジダ種の同時検出を促進する可能性が高いことが、決定された。従って、C. アルビカンスおよびC. デュブリニエンシスのプローブのG+C含量を、各プローブの3'末端から2個(C. アルビカンス)または1個(C. デュブリニエンシス)のシトシン(C)を除去することにより調整し、以下の改変プローブを作製した。
Figure 0004886784
すべてのプローブについての最終Tmを49℃から62℃の間にするために、プローブ(CA2、CD2、CT、CGE、CK、およびCPを含む)の改変パネルにおいて、プローブ長を20bpから22bpまで変動させ、G+C含量中央値を55%(範囲=36〜71%)とした。
驚くべきことに、CA2およびCD2プローブ配列における比較的小さな変化は、結果として、シグナル強度の予想外の増加を生じた。表2に示されているように、CA2は、C. アルビカンスの検出においてCA1の2倍より高く効果的であった(例えば、非改変C. アルビカンスプローブ(CA1)の平均MFIは、改変プローブ(CA2)についての1653と比較して、713であった)。同様に、CD2は、C. デュブリニエンシスの検出においてCD1の2倍より高く効果的であった(例えば、非改変C. デュブリニエンシスプローブ(CD1)の平均MFIは、改変プローブ(CD2)についての2010と比較して、916であった;表2も参照)。
(表2)予想外に高いシグナルを提供するCA2およびCD2
Figure 0004886784
a相同的DNA由来のPCR産物での蛍光強度中央値
brDNA遺伝子反復のC. アルビカンスITS2領域の一部(SEQ ID NO: 27)。この部分は、GenBankアクセッション番号AJ249486(C. アルビカンス「18S rRNA(部分)遺伝子、5.8S rRNA遺伝子、および25S rRNA(部分)遺伝子、内部転写スペーサー1(ITS1)および内部転写スペーサー2(ITS2)」)とGenBankアクセッション番号AJ249485(C. デュブリニエンシス「18S rRNA(部分)遺伝子、5.8S rRNA遺伝子、および25S rRNA(部分)遺伝子、内部転写スペーサー1(ITS1)および内部転写スペーサー2(ITS2)」)の間の核酸配列アラインメトから抜粋されている。スペースは、アラインメントソフトウェアにより導入されたギャップに対応する。
crDNA遺伝子反復のC. デュブリニエンシスITS2領域の一部(SEQ ID NO: 28)。この部分は、GenBankアクセッション番号AJ249486(C. アルビカンス「18S rRNA(部分)遺伝子、5.8S rRNA遺伝子、および25S rRNA(部分)遺伝子、内部転写スペーサー1(ITS1)および内部転写スペーサー2(ITS2)」)とGenBankアクセッション番号AJ249485(C. デュブリニエンシス「18S rRNA(部分)遺伝子、5.8S rRNA遺伝子、および25S rRNA(部分)遺伝子、内部転写スペーサー1(ITS1)および内部転写スペーサー2(ITS2)」)の間の核酸配列アラインメトから抜粋されている。スペースは、アラインメントソフトウェアにより導入されたギャップに対応する。
dCA1、CA2、CD1、およびCD2プローブ(それぞれ、SEQ ID NO: 5、1、6、および2)のそれぞれの5'末端のみが対応するITS2領域のその部分と整列している。
プローブハイブリダイゼーションはまた、MAPアッセイシステムにおけるシグナル強度への温度の効果を測定するために、異なる温度(37℃、42℃、45℃、および52℃)で評価された。類似した方法を用いるいくつかの研究は、52℃または55℃がプローブハイブリダイゼーションに有用な温度であると報告しているが(Diaz and Fell, J. Clin. Microbiol., 42:3696-3706, 2004; Cowan et al., J. Clin. Microbiol., 42:474-477, 2004)、ハイブリダイゼーションが37℃、45℃、または52℃で同等に成功すると報告した研究もある(Dunbar et al., J. Microbiol. Meth., 53:245-252, 2003)。
この実施例において、ハイブリダイゼーションの蛍光シグナル強度およびストリンジェンシーは、52℃のハイブリダイゼーション温度で最高であることが見出された(例えば、C. トロピカリスプローブについて平均S/B比±SE、n=3、37℃における2.7±0.8;42℃における5.7±0.4;45℃における5.2±1.9;および52℃における32±1.6)。52℃におけるS/B比が、他の微生物を検出する研究において記載されたもの(Diaz and Fell, J. Clin. Microbiol., 42:3696-3706, 2004; Dunbar et al., J. Microbiol. Meth., 53:245-252, 2003)と同じくらいロバスト(robust)であったため、より高いハイブリダイゼーション温度は試験されなかった。CA2およびCD2プローブは、それぞれ、CA1およびCD1プローブと類似したハイブリダイゼーション温度傾向を示した。
実施例3
カンジダ種の同定および識別
この実施例は、CA2、CGE、CT、CP、CK、およびCD2が特異的に相同的DNAと結合し、異種性DNAと有意には反応しないことを実証する。
表3に示されているように、その相同的DNA標的で試験された各種プローブについて得られたS/B比は、異種性DNA標的に対して試験されたプローブについて得られたものより有意に高かった。
(表3)カンジダ種DNAを検出するために用いられたプローブの特異性
Figure 0004886784
a3つの別々の実験において試験された各種の分離株の数。
bS/B(試料対バックグラウンド)比は、試験試料の蛍光強度中央値を、標的DNAの代わりにdH2Oを含む試料についての蛍光強度中央値で割ることにより生成される;水ブランクについての平均S/B比±SEは1.0±0.1(n=12)であった。
c異種性カンジダ種DNAで試験されたプローブについての平均S/B比±SEは0.9±0.03(n=25)(C. アルビカンスのプローブ、0.75±0.02;C. グラブラタのプローブ、0.94±0.09;C. トロピカリスのプローブ、1.4±0.17;C. パラプシロシスのプローブ、0.98±0.04;C. クルゼイのプローブ、0.97±0.09;C. デュブリニエンシスのプローブ、0.94±0.06)であり、表示を簡単にするために表において「0」と表された。相同的プローブを用いるS/B比は、異種性プローブを用いたもの、および水ブランクについてのものより有意に高かった(P<0.001)。
試験試料と同じ様式で処理されたが鋳型DNAの代わりに水を含むすべての陰性対照試料についてのS/B比は、1.0±0.1(n=12)であった。したがって、各プローブについての平均S/B比は、バックグラウンド蛍光より約58倍高く、差は統計学的に有意であった(P<0.001)。異種性カンジダ種DNAに対して試験されたいかなる種プローブについても有意な交差反応性は観察されなかった(試験された全異種性カンジダ種DNAに対する全カンジダ種プローブについての平均S/B比:0.9±0.3、n=25、P<0.001、表3)。S/B比は、標的DNAの等濃度の使用にもかかわらず、若干より低いシグナルを与えたC. トロピカリスおよびC. グラブラタのプローブを除いて、試験された全種プローブについて類似していた(P<0.02;表3)。
実施例4
MAPシステムにおけるカンジダ特異的プローブの感度
この実施例は、MAPシステムにおけるカンジダ特異的プローブ(CA2、CGE、CT、CP、CK、およびCD2)が少なくも5pg相同的DNAを検出できることを示す。
プローブ感度の限界を測定するために、ゲノムDNAの段階希釈物をPCR増幅し、その後、MAPアッセイに用いた。蛍光シグナルは、0.1ngから10ngまでの範囲のDNA濃度について強く陽性であり、DNA検出の下限値は、0.5pgであった。それゆえに、CA2、CGE、CT、CP、CK、またはCD2プローブを検出するためのMAPシステムは、0.5pg〜10ng(試験された最高DNA濃度)のDNA濃度を検出することができ、シグナル強度は、この範囲内でDNA濃度と相関した(ピアソンのr、P<0.05)。
ゲノムDNAの0.5pg(4μl試料あたり約1個の酵母細胞)の感度限界は、血液培養ボトルから回収されたカンジダ種の全部または大部分(95.1%)を検出するのに十分である可能性が高いと思われる(Shin et al., J. Clin. Microbiol., 35:1454-1459, 1997)。
実施例5
カンジダ種単位複製配列の混合物内の標的DNAの検出
この実施例は、カンジダ特異的プローブが、単一の試験ウェル内に含まれる相同的および異種性DNA標的の混合物において相同的DNAを同時に検出することができることを実証する。
2つのカンジダ種由来のPCR単位複製配列を、マイクロタイタープレートの各ウェルに同じ(50:50、体積/体積)分量で混合し、その各プローブで試験した。図2に示された結果により、プローブは、混合物内に存在する2つのカンジダ種のそれぞれを検出および識別したことが実証される。シグナル強度は、各DNAが独立して試験された場合に生じたものと類似していることが見出された(P>0.05)。
図3は、C. アルビカンスおよびC. グラブラタDNAの容量が、一方が増加するにつれて他方が減少するように変化する実験の結果を示す。C. グラブラタのプローブについてのシグナル強度は、付随して低下したが、少なくとも1対99の比においてもなお検出できた。それゆえに、蛍光シグナルは、1つより多いカンジダ種由来のDNAの存在にもかかわらず、各種について存在するDNAの濃度と比例した(ピアソンのr、P<0.001)。
図4に示されているように、全6種のカンジダ種由来の単位複製配列が単一ウェルに共に混合された場合、各プローブは、その相同的種DNAを正しく同定した。したがって、各カンジダ種DNAは、その他全ての存在下において検出できた。また、いずれのプローブも、試験された残りのプローブのいずれかによるDNAの検出に干渉しなかった。
この実施例は、三次医療病院における血液から最も一般的に回収されるカンジダの6つの種を検出するための種特異的プローブの使用を実証している(Trick et al., Clin. Infect. Dis., 35:627-630, 2002)。しかしながら、このシステムに適用されうるプローブの数は、試験形式を改変することなく、他の日和見病原性真菌症に対するプローブ、または多くの他のカンジダ種に対するプローブを含むように増加されうる。さらになお、すべての真菌に共通したrDNAのITS2領域を増幅するためのユニバーサル真菌プライマーを用いることにより、プライマーおよび増幅条件の単一のセットが、複数の真菌由来のDNAを同時に増幅するために用いられうる。MAPシステムは現在、最高100個までのDNA標的を同時に検出することができるため、最高100個までの異なる真菌病原体は、単一の反応において処理されうる。現在までのところ、多くて45個のMAPシステムプローブが、単一ウェルにおいてヒトパピローマウイルスの同時検出のために用いられている(Wallace et al., J. Mol. Diagn., 7:72-80, 2005)。
MAP方法に用いられるような開示されたカンジダ特異的プローブによって、カンジダDNA含有試料をPCR増幅後1時間未満に処理することが可能になった。各ウェルについてのデータは30秒以内に獲得され、自動的にMAPシステムソフトウェアによりMFI値へ変換され、単純なデータ分析のためにスプレッドシート上に提示された。要約すると、この実施例は、複数のカンジダ種の同時検出のための高感度で特異的かつ迅速なPCRに基づいた、ビーズ-プローブ流体アレイシステムを実証している。
本開示は特定の態様に重点を置いて記載されているが、特定の態様のバリエーションが用いられうることは当業者にとって明らかであると思われ、本開示が、本明細書に具体的に記載されているのとは異なって実施されうることが意図される。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲により定義されているような本開示の真意および範囲内に含まれるすべての改変を含む。
多分析物プロファイリング(MAP)システムの一つの態様における蛍光シグナル発生およびハイブリダイゼーション検出の概略図を示す。 MAPシステムを用いた、各ウェル中で等しい分量の他のカンジダ種由来のPCR単位複製配列と混合したC. アルビカンス由来のPCR単位複製配列の検出を示す棒グラフである。同様の結果は、他の種由来のPCR単位複製配列が共に混合され、相同的プローブで検出される場合に観察された。CA=C. アルビカンス;CG=C. グラブラタ;CP=C. パラプシロシス;CT=C. トロピカリス;CK=C. クルゼイ;CD=C. デュブリニエンシス。 同じウェル中に混合されたC. アルビカンス(CA)およびC. グラブラタ(CG)由来のPCR単位複製配列の示された割合について観察されたS/B比を示す棒グラフである。C. アルビカンス単位複製配列の濃度を増大させて、C. グラブラタ単位複製配列の濃度を比例して減少させ、反応容量を一定に保った。試験された2つの種についてDNA濃度とS/B比の間に有意な相関があった(ピアソンのr=0.95;P<0.001)。 単一の試験ウェルにおいて等しい分量で混合されたすべての6つのカンジダ種由来のPCR単位複製配列をすべての6つのカンジダ種プローブと共に用いて得られたハイブリダイゼーションシグナルの振幅を示す棒グラフである。CA=C. アルビカンス;CG=C. グラブラタ;CP=C. パラプシロシス;CT=C. トロピカリス;CK=C. クルゼイ;CD=C. デュブリニエンシス。 一般化ポリメラーゼ連鎖反応-酵素イムノアッセイ(PCR-EIA)方法を示す。 ユニバーサル真菌プライマー、ITS1、ITS2、ITS3、およびITS4のハイブリダイゼーション部位を含む、真菌rDNA遺伝子構成の図である。ITS2領域は、5.8S rDNA遺伝子と26S rDNA遺伝子の間に示されている。ITS2領域は、例えば、ITS1およびITS4プライマー、ならびに/またはITS3およびITS4プライマーの組み合わせを用いて、増幅されうる。
添付の配列表に列挙された核酸およびアミノ酸配列は、37 C.F.R. 1.822に定義されているように、ヌクレオチド塩基について標準略号、およびアミノ酸について3文字表記を用いて示されている。各核酸配列の一方の鎖のみが示されているが、相補鎖は、示された鎖への全ての言及に含まれることが理解される。添付の配列表において:
SEQ ID NO: 1は、C. アルビカンス特異的プローブ、CA2の核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 2は、C. デュブリニエンシス特異的プローブ、CD2の核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 3は、ITS3ユニバーサル真菌フォワードプライマーの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 4は、ITS4ユニバーサル真菌リバースプライマーの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 5は、C. アルビカンス特異的プローブ、CA1の核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 6は、C. デュブリニエンシス特異的プローブ、CD1の核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 7は、C. グラブラタ特異的プローブ、CGの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 8は、C. グラブラタ特異的プローブ、CGEの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 9は、C. ギリエルモンディ特異的プローブ、GUの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 10は、C. ヘムロニー特異的プローブ、CHの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 11は、C. ケフィル特異的プローブ、KFの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 12は、C. クルゼイ特異的プローブ、CKの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 13は、C. ランビカ特異的プローブ、LA2の核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 14は、C. ランビカ特異的プローブ、LA4の核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 15は、C. ルシタニエ特異的プローブ、LUの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 16は、C. ノルベゲンシス特異的プローブ、NSの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 17は、C. ノルベジカ特異的プローブ、NCの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 18は、C. パラプシロシス特異的プローブ、CPの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 19は、C. ペリキュローザ特異的プローブ、PLの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 20は、C. ルゴサ特異的プローブ、CRの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 21は、C. トロピカリス特異的プローブ、CTの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 22は、C. ユーティリス特異的プローブ、CU2の核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 23は、C. ビスワナチー特異的プローブ、VSの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 24は、C. ゼイラノイデス特異的プローブ、CZの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 25は、ITS1ユニバーサル真菌フォワードプライマーの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 26は、ITS2ユニバーサル真菌リバースプライマーの核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 27は、rDNA遺伝子反復のC. アルビカンスITS2領域の一部の核酸配列を示す。
SEQ ID NO: 28は、rDNA遺伝子反復のC. デュブリニエンシスITS2領域の一部の核酸配列を示す。

Claims (25)

  1. SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる単離された核酸分子。
  2. 固体支持体上に直接的または間接的に固定化されている、請求項1記載の単離された核酸分子。
  3. 固体支持体が、その上に固定化されている核酸分子を同定する、請求項2記載の単離された核酸分子。
  4. 固体支持体が、同定可能な特性を有するビーズである、請求項3記載の単離された核酸分子。
  5. 以下を含む組成物:
    SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる核酸分子、および
    異種性分子。
  6. 核酸分子と異種性分子が複合体を形成する、請求項5記載の組成物。
  7. 異種性分子が、ハプテン、標識、リンカー、ペプチド、もしくは異種性核酸分子、またはそれらの組み合わせである、請求項5または6記載の組成物。
  8. 標識が、蛍光レポーター色素もしくは酵素、またはそれらの組み合わせである、請求項7記載の組成物。
  9. 蛍光レポーター色素が、6-カルボキシ-フルオレセイン、テトラクロロ-6-カルボキシ-フルオレセイン、ヘキサクロロ-6-カルボキシ-フルオレセイン、またはそれらの組み合わせである、請求項8記載の組成物。
  10. リンカーが、炭素6個から18個までの長さの炭化水素リンカーである、請求項7記載の組成物。
  11. ハプテンが、ビオチンもしくはジゴキシゲニン、またはそれらの組み合わせである、請求項7記載の組成物。
  12. SEQ ID NO: 1に示された核酸配列からなるプローブの、試料中の核酸配列への特異的ハイブリダイゼーションを検出する段階であって、プローブの核酸配列への特異的ハイブリダイゼーションによって試料中のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の存在が検出される段階を含む、カンジダ・アルビカンスを検出する方法。
  13. SEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなるプローブの、試料中の核酸配列への特異的ハイブリダイゼーションを検出する段階であって、プローブの核酸配列への特異的ハイブリダイゼーションによって試料中のカンジダ・デュブリニエンシス(Candida dubliniensis)の存在が検出される段階を含む、カンジダ・デュブリニエンシスを検出する方法。
  14. 試料中の核酸分子からITS2核酸配列を増幅する段階をさらに含む、請求項12または13記載の方法。
  15. 核酸配列を増幅する段階が、ポリメラーゼ連鎖反応、および、本質的にSEQ ID NO: 3もしくはSEQ ID NO: 25からなる配列を有するフォワードプライマーまたは本質的にSEQ ID NO: 4からなる配列を有するリバースプライマーを含む、請求項14記載の方法。
  16. 試料が生体試料である、請求項12または13記載の方法。
  17. 生体試料が、全血、血清、涙、皮膚切屑、尿、痰、脳脊髄液、前立腺液、膿、骨髄穿刺液、気管支肺胞洗浄液(BAL)、唾液、肺生検、もしくは肝臓生検、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項16記載の方法。
  18. 以下を含む、試料中のカンジダ種の存在を検出するためのキット:
    SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる少なくとも1つのプローブ;ならびに
    生体試料内のカンジダ種真菌の内部転写スペーサー-2(ITS2)核酸配列へのプローブのハイブリダイゼーションに関する使用説明書。
  19. 本質的にSEQ ID NO: 3、SEQ ID NO: 4、またはSEQ ID NO: 25からなるプライマーをさらに含む、請求項18記載のキット。
  20. カンジダ種がC. アルビカンスであり、かつプローブがSEQ ID NO: 1に示された核酸配列からなる、請求項18記載のキット。
  21. カンジダ種がC. デュブリニエンシスであり、かつプローブがSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる、請求項18記載のキット。
  22. 以下を含む、1種もしくは複数の真菌の存在または1種もしくは複数の真菌による汚染について試料をスクリーニングするためのアレイ:
    それぞれが真菌のゲノム配列の一部に特異的な複数の核酸プローブであって、SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる少なくとも1つのプローブを含む、複数の核酸プローブ;ならびに
    複数のプローブがアドレス可能な(addressable)位置で基盤上に配列されている、基盤。
  23. 真菌のゲノム配列が、5.8S rDNA遺伝子と26S rDNA遺伝子の間に位置する内部転写スペーサー2(ITS2)領域である、請求項22記載のアレイ。
  24. マイクロアレイである、請求項22記載のアレイ。
  25. SEQ ID NO: 1および/またはSEQ ID NO: 2に示された核酸配列からなる少なくとも1つのカンジダ種特異的プローブを含む、特徴的な蛍光放射波長を有するビーズ。
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