JP4885008B2 - 保守計画方法 - Google Patents

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本発明は、長期にわたって保守が必要な原子力プラントや石油プラント、化学プラントなどの各種プラントや製品の保守計画の方法に関するものであり、特に事故に至るか至らないか、検査が必要か否か等の保守計画上重要な状態の近傍の確率を従来よりも詳しく、しかも大量の演算を行うことなく求めることができるようにした保守計画方法に関するものである。
原子力プラントや石油プラント、化学プラントなどの各種プラント、及び航空機などの償却年数が長い一部の大型製品は、故障時に周囲に与える影響が大きいため、適切な保守が必要不可欠である。そのため、償却期間中に定期的な保守点検を行い、プラントや製品を構成する部品やユニットの寿命や疲労度合いなどを考慮しながら、検査、補修、交換などを行うようにすることが一般的に行われている。しかし、このような従来の定期的な保守点検は、単純に1年、3年、5年といった一定年毎に行うということを決めて検査を実施していたため、交換を近々行わなければならない部品やユニットがあっても交換が次の定期点検まで持ち越され、その間に故障が生成してその改修や復帰に多額の出費を迫られたり信用を失態するなどの事態が生じることがあった。また逆に、寿命が来て交換したばかりの部品やユニットがあっても検査を実施したり、交換しなくてもよい部品やユニットを交換して不要な費用を掛けてしまうといったこともあった。
そのため従来から、長期にわたる償却期間中にどのように保守を実施したら効果的であるか検討が行われてきており、例えば特許文献1及び2に開示されている。特許文献1はプラントや製品の償却期間全般にわたる保守計画を定量的にコストの観点をいれて計画できるようにした保守計画に関するものであり、プラントや製品の償却期間を短期保守期間に区切り、各短期保守期間毎にその期間の終了時における前記プラントや製品を構成するユニットや部品に関する状態を損傷確率を元に算出し、該算出結果に基づいて前記短期保守期間の開始時の検査・補修を行うユニットや部品を選定すると共に検査費用と補修費用を前記演算手段で算出し、それを償却年度まで繰り返すことで、保守のユニットや部品を選択すると共に保守費用を算出するようにした保守計画に関するものである。
また、特許文献2はプラントを構成する機器の破損・性能低下・機能停止によるリスクコストを予測し、運用による利得と比較しながら最適な運用方法を選択し支持する保守計画に関するものであり、プラント機器のイベントツリーと故障事象に対する不信頼度とを関連付けて予め記憶した故障統計データベースを基にプラント機器のイベントツリーにしたがって運転パラメータに対応した不信頼度を計算するイベントシミュレーション手段と、イベントツリーにしたがって不信頼度と復旧コストとの積を累計してリスクコストを計算するリスクコスト計算手段と、リスクコストと運転継続により予定される利得との比較から運転条件の適否を判定する運転方法判定手段と、前記運転方法は定手段により判定された運転方法に応じてプラント機器に指定運転条件を指示する運転方法指示手段とをそなえた保守計画に関するものである。
特開2003−99119号公報 特開2004−94631号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術及び特許文献2に開示された技術は何れもプラントや機器の保守計画を行うことは可能であるものの、例えば事故に至るか至らないか、検査が必要か否か等の保守計画上重要な状態の近傍の確率のみを詳しく求めたい場合においても、乱数を一様に生成させなければならないため、保守計画上重要な状態の近傍のみならず全ての場合について詳しく求めなければならず、従って大量の乱数を必要とし、その結果演算処理に多大な負荷がかかるため、計算に時間がかかるとともに能力の大きな演算手段を使用せねばならなくなり、保守計画を行うためのコストが大きくなる。特に演算にモンテカルロシミュレーションを用いる場合は、モンテカルロシミュレーションは誤差がサンプル数の平方根に反比例するため収束時間が非常に遅く、例えば1桁精度を上げようとすると100倍の計算時間が必要となり、計算時間の問題は無視できない。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、検査が必要か否か等の保守計画上重要な状態の近傍の確率を従来よりも詳しく、しかも大量の演算を行うことなく求めることができるようにした保守計画方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明においては、
プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態を、プラントや製品を構成する部品やユニットに関する損傷状態の確率のデータを元に演算して算出し、該算出結果に基づいて検査・補修を行う部品やユニットを選定する保守計画方法であって、プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態に関する実証データに基づいて、検査・補修が必要となる損傷状態に重みを持たせた重み付け確率密度関数wを求める第1のステップと、0以上且つ1以下の一様乱数u又は超一様乱数u*(以下一様乱数等とよぶ)を生成するとともに、該一様乱数等を前記重み付け確率密度関数wの累積分布関数の累積確率とし、該一様乱数等に対応する確率変数zを求める第2のステップと、前記プラントや製品を構成する部品やユニットに関する損傷状態の確率に関するデータを記憶手段に記憶し、該損傷状態の確率に関するデータから、前記zを乱数としてモンテカルロシミュレーションにより、前記プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の重み付け確率を演算する第3のステップと、前記重み付け確率密度関数wに基づいて重み付け復元値Wを求め、該復元値Wと前記第3のステップで求めた損傷状態の重み付け確率からプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率を演算する第5のステップと、を備えプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態を、前記第5のステップで演算した部品やユニットの損傷状態の確率を元に演算して算出し、該算出結果を元に検査・補修を行う部品やユニットを選定することを特徴とする。
この第1ステップでプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態に関する実証データに基づいて、検査・補修が必要となる損傷状態に重みを持たせた重み付け確率密度関数wを求め、第2ステップで0以上且つ1以下の一様乱数等を生成するとともに、該一様乱数等を前記重み付け確率密度関数wの累積分布関数の累積確率とし、該一様乱数等に対応する確率変数zを求めることで、前記確率変数zは検査・補修が必要となる損傷状態に重みを持たせた分布となる。そして第3のステップで損傷状態の確率に関するデータから、前記zを乱数としてモンテカルロシミュレーションによって演算することにより、前記プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の重み付け確率を演算することができ、第4のステップで復元値Wと前記第3のステップで求めた損傷状態の重み付け確率からプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率を演算することで、前記第1及び第2のステップで求めたzに持たせた重みを復元して正しい確率に復元することができる。このように、重み付け確率密度関数wを用いて重み付けを行った後にモンテカルロシミュレーションで演算し、最後に重みを復元することで一様乱数等を大量に生成させることなく即ち大量の演算を行うことなく、保守計画上重要な部分近傍の損傷確率を詳しく求めることができる。
以上記載のごとく本発明の保守計画方法は、検査が必要か否か等の保守計画上重要な状態の近傍の確率を従来よりも詳しく、しかも大量の演算を行うことなく求めることができるという利点がある。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、実施例1における保守計画方法をブロック図で示したものである。1はプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態に関する実証データに基づいて所望の損傷状態に重みを持たせた重み付け確率密度関数wを決定する重み付け確率密度関数決定手段であり、2は前記重み付け確率密度関数wに基づき、前記所望の損傷状態に重みを持たせた乱数である重み付けランダム変数zを発生させる重み付けランダム変数発生装置であり、3は前記重み付けランダム変数zを乱数として、予めデータベース6に収容したプラントや製品の損傷状態の確率に関するデータからモンテカルロシミュレーションによって前記所望の損傷状態に重みを持たせたプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の重み付け確率を演算する重み付け確率演算装置であり、4は前記重み付け確率密度関数wに基づいて重み付けを復元する復元値Wを求めるとともに、該復元値Wと前記損傷状態の重み付け確率からプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率を演算する損傷確率演算手段であり、5は前記部品やユニットの損傷状態の確率からプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態を演算して算出し、該算出結果に基づいて検査・補修を行う部品やユニットを選定する保守計画手段である。
以下、図1に示したブロック図の流れに沿って詳細に説明する。
まず重み付け確率密度関数決定手段1で、重み付け確率密度関数wを決定する。図2は重み付け確率密度関数wを求める流れを示したフローチャートである。図2において、まずステップS11で仮の重み付け確率密度関数w′を適当に設定する。次のステップS12では、ステップS11で設定した仮の重み付け確率密度関数w′からモンテカルロシミュレーションを用いて確率密度関数Iを求める。
そして次のステップS13では前記確率密度関数Iのピークとなるときの確率変数と保守計画上重要な確率変数を比較し一致するか否かを判断する。ここで一致とは完全一致でもよいが、適当な範囲をもたせてその範囲内であれば一致と判断してもよい。
ステップS13でYESと判断すると、ステップS14へ進み、ステップS14では判断時点での仮の重み付け確率密度関数w′を重み付け密度関数wとして決定する。ステップS13でNOと判断すると後述するステップS15へ進む。
ここで、保守計画上重要な確率変数とは、特に詳しく調べる必要のあるプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態に対応する確率変数であり、特に詳しく調べる必要のある損傷状態はプラントや製品、部品やユニット及びその使用目的によって異なるが、例えば部品の亀裂状態であれば、検査が必要となる亀裂深さ、補修が必要となる亀裂深さ、事故発生に至る亀裂深さ等が挙げられ、実証データに基づいて決定される。このように特に詳しく調べる必要のある損傷状態は実証データに基づいて決定されるため、実証データが多く収集されている例えば、検査が必要となる亀裂深さ、補修が必要となる亀裂深さ等を用いることが好ましい。
次いでステップS15では前記確率密度関数Iのピークの確率変数が前記保守計画上重要な確率変数より大きいか否かを判断する。ステップS15でYESと判断すると、前記確率密度関数Iのピークの確率変数が大きいので、ステップS16で確率密度関数Iのピークの確率変数が下がるように仮の重み付け変数w′を変更して再度ステップS12に戻る。一方ステップS15でNOと判断すると、前記確率密度関数Iのピークの確率変数が小さいので、ステップS17で確率密度関数Iのピークの確率変数が下がるように仮の重み付け確率変数w′を変更して再度ステップS12に戻る。
このようにステップS11〜ステップS17を繰り返すことで、重み付け密度関数wが決定される。
次に重み付けランダム変数発生装置2で、重み付けランダム変数zを発生させる。図3(A)は前記重み付け確率変数wの一例を表したグラフであり、縦軸は確率、横軸は確率変数を表している。また図3(B)は図3(A)に示した重み付け確率変数wの累積分布関数を表したグラフであり、縦軸は累積確率、横軸は確率変数を表している。
重み付けランダム変数発生装置2ではまず、図3(A)に一例を示したような前記重み付け確率密度関数決定手段1で決定した重み付け確立密度関数wを、図3(B)に示したような累積分布関数に変換する。次に0以上且つ1以下のn個の一様乱数u又は超一様乱数u*(以下一様乱数等とよびuで表す)を生成し、それぞれを図3(B)に示した累積分布関数の累積確率に当てはめる。図3(B)にはn個のuのうちの一つであるuのみを示している。このようにして累積確率に当てはめたuに対応する確率変数zを累積分布関数から求める。図3(B)には前記uに対応する確率変数zのみを示している。
このようにして求めたzを重み付けランダム変数と定義する。
次に重み付け確率演算手段3で、重み付け確率を演算して算出する。前記重み付けランダム変数発生装置2で発生させた重み付けランダム変数zを乱数の代替とし、データベース6に収納したプラントや製品を構成する部品やユニットに関する損傷状態の確率から、確率変数x(w)を発生させ、モンテカルロシミュレーションによってプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の重み付け確率を演算して算出する。
ここで、前記確率変数x(w)は以下のように発生させる。図4(A)はプラントや製品を構成する部品やユニットに関する損傷状態の確率密度関数の一例を表したグラフであり、縦軸は確率、横軸は確率変数を表している。また図4(B)は図4(A)に示した確率密度関数の累積分布関数を表したグラフであり、縦軸は累積確率、横軸は確率変数を表している。前記重み付けランダム変数zをそれぞれ図4(B)に示した累積分布関数の累積確率に当てはめる。図4(B)にはn個のzのうちの一つであるzのみを示している。このようにして累積確率に当てはめたzに対応する確率変数を累積分布関数から求めることによって、確率変数x(w)を発生させることができる。
またここで、データベース6に収納したプラントや製品を構成する部品やユニットに関する損傷状態の確率とは、例えば損傷が発生する確率、発生した損傷が進展する確率、発生した損傷を検知する確率等を挙げることができ、このうち1つ又は2つ以上の確率を用いている。
また、重み付け確率演算手段3で演算して算出されるプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の重み付け確率は、検査が必要となる重み付け確率、補修が必要となる重み付け確率、事故に至る重み付け確率等が挙げられる。
しかし、このようにして偏りのある変数である重み付けランダム変数zを乱数の代替に用いてモンテカルロシミュレーションによって重み付け確率演算手段3で求めたプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の重み付け確率は、プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率そのものを表しているものではない。そこで、損傷状態確率演算装置4で、前記プラントや製品を構成する部品やユニットの重み付け損傷状態の確率から重みを復元してプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率を演算して算出する。
損傷状態確率演算装置4では以下のようにして重みを復元してプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率を演算して算出している。ここではプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率の一例として、部品に発生する亀裂の深さを算出して事故発生確率を算出する例を挙げる。
まず、モンテカルロシミュレーションに用いるべきn個の確率変数は数1で表すことができる。
Figure 0004885008
また、n個の重み付け確率変数zを数2で表すことができる。
Figure 0004885008
この時、全体(x、x、・・・x)の重みを復元するための復元値をWとすると、Wは数3で表すことができる。
Figure 0004885008
また、シミュレーション結果の亀裂深さLは数4で表すことができ、
Figure 0004885008
亀裂深さL以上で事故が発生する、つまり亀裂深さLが事故発生に至る境界深さである場合、事故が発生するシミュレーション結果数Ωと、事故が発生しないシミュレーション結果数Ωはそれぞれ数5及び数6を用いて求めることができる。
Figure 0004885008
Figure 0004885008
従って、事故発生確率Pは前記Ω及びΩを復元値Wで復元して数7を用いて求めることができる。
Figure 0004885008
次に、保守計画手段5で、前記損傷状態確率演算手段4で演算して算出したプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率から、プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態を算出し、該算出結果を元に検査・補修を行う部品やユニットを選定する。
本実施例1の保守計画方法は、プラントや製品を構成する部品やユニットの保守計画であればどのような部品やユニットに対しても適用することができるが、特に保守にあたり、重大な損傷に繋がるため損傷を起こすと大きな復旧費用が発生する部品やユニットであり、且つ補修基準が調整可能な部品やユニットに用いることが好ましい。補修基準が調整可能とは、例えば検査の方法が複数有り、検査で見つけた亀裂長に応じて補修する場合に、補修が必要と判断する亀裂長の基準を自主的に決められる場合等をいう。
このような好ましい具体例として、例えばガスタービンの焼却器の尾筒の亀裂検査が挙げられる。ガスタービンの焼却炉の尾筒の亀裂検査は、検査の方法によってどの程度の長さの亀裂であれば実際の亀裂の長さと検査で検出される亀裂の長さの誤差がどの程度となるかの関係の基本データが整理されており、また補修が必要とされる検査で検出される亀裂の深さの基準も決められている。そのため、複数の検査手法及び補修手法についてシミュレーションを行い、重大損傷に至るか否かという保守管理上重要な状態の近傍に重みをもたせて有効な検査・補修策を選定すると効果的である。
図5は実施例2における保守計画方法をブロック図で示したものである。11はプラントや製品を構成する部品やユニットを類似構造の部品やユニット毎に分類してグループ分けする分類手段であり、12は前記分類したグループ毎に部品やユニットの一部を抜き取って損傷状態の分布L*の検査を行う検査手段であり、13は前記損傷状態の分布L*と記憶手段14に記憶されたプラントや製品を構成する部品やユニットの実証データに基づき作成した複数の損傷状態の分布L′との一致度を判断して、L*と最も一致度の高いL′を選定する選定手段であり、15は前記選定手段14で選定されたL′を元に前記検査手段12で抜き取った部品やユニットと同グループであり且つ前記検査手段12で抜き取らなかった部品やユニットの損傷状態を演算する演算手段であり、16は前記部品やユニットの損傷状態に基づいて検査・補修を行う部品やユニットを選定する手段である。
以下図5に示したブロック図の流れに沿って詳細に説明する。
まず分類手段11で、プラントや製品を構成する部品やユニットを類似構造の部品やユニット毎に分類してグループ分けをする。
次に検査手段12で、前記分類手段11で分類したグループ毎に部品やユニットの一部を抜き取り損傷状態の分布L*を検査によって求める。抜き取り個数は特に限定されるものではないが、多過ぎると抜き取り及び検査のコストが大きくなり、小さすぎると後述するL*と最も一致度の高いL′を正確に選定することができず保守管理精度が落ちるため、要求されるコストと保守管理精度に応じて抜き取り個数を決めるとよい。
次に選定手段13で、前記検査手段12で検査して得た損傷状態の分布L*を、記憶手段14に記憶されプラントや製品を構成する部品のユニットの実証データに基づき作成した複数の損傷状態の分布L′と比較し一致度を判断する。一致度の判断には仮説検定の一種であるコルモゴロフ−スミルノフ検定を用いる。
ここで、記憶手段14に収納されているプラントや製品を構成する部品やユニットの実証データに基づき作成した損傷状態の分布L′について説明する。図6は記憶手段4に収納されたL′の概念図である。図6に示したように記憶手段14には(1)〜(M)のM種類のデータが収納されており、それぞれ異なる損傷発生時期確率分布と発生頻度を有している。そして前記(1)〜(M)のM種類のデータはそれぞれ前記損傷発生時期確率と発生頻度に関するパラメータ(m、σ)(iは1からMの整数)及び該パラメータ(m、σ)に対応する損傷状態の分布関数L′(m、σ)を有しており、該L′(m、σ)が前記L′に相当する。
また図6に示した損傷発生時期確率分布及び発生頻度は実証データに基づいて決めており、実証データとは、例えば製品の部品であれば部品の設計データ、納入品質データ、生産ロット、使用条件等が該当する。
また図6においては、パラーメータ(m、σ)及び損傷状態の分布L′(m、σ)を求めるために、損傷発生時期確率分布及び発生頻度を用いたが、この2種類だけでなく例えば損傷の進展の確率分布等を加えて3種類以上のデータからパラメータ及び損傷状態の分布を求めてもよい。
また、図1に示した損傷状態確率演算手段4で求めたプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率を元に、前記パラメータ及び損傷状態の分布を求めるようにしてもよい。
次に演算手段15で、前記選定手段14で選定されたL′を元に前記検査手段12で抜き取った部品やユニットと同グループであり且つ前記検査手段12で抜き取らなかった部品やユニットの損傷状態を演算して算出し、保守計画手段16で前記演算手段で算出した部品やユニットの損傷状態に基づいて検査・補修を行う部品やユニットを選定する。
本実施例2の保守計画方法は、プラントや製品を構成する部品やユニットの保守計画であればどのような部品やユニットに対しても利用できるが、特に好ましい具体例として焼却器尾筒の冷却穴が挙げられる。通常冷却穴は焼却器尾筒に数十個空いており、それぞれの穴から亀裂が発生する可能性がある。本実施例2の保守計画方法を適用しない場合は全数検査を実施することになるが、焼却器の置かれる状態即ち焼却器と冷却穴の位置関係によって亀裂の発生、成長のしやすさが異なるという実績がある。そこでその実績に応じたL′を複数用意し、冷却穴のうちいくつかの亀裂を検査することで他の冷却穴の亀裂を演算して算出することができる。また、焼却器と冷却穴がどのような位置関係であるときに亀裂が成長しやすいかも既知であるため、亀裂が成長しやすい冷却穴の検査をしておくことで、残りの冷却穴の亀裂は前記検査結果に対してどのような分散に相当するかを実績データからモデル化することができる。前記モデル化したモデルを用いてシミュレーションを行うことで、抜き取り率に応じて亀裂の損傷相当の深さへの成長率を比較し、最適抜きと利率の選定や抜き取り部位の選定にシミュレーションを利用することが可能となる。
検査が必要か否か等の保守計画上重要な状態の近傍の確率を従来よりも詳しく、しかも大量の演算を行うことなく求めることができるため、プラントや製品の部品やユニットの保守管理計画に用いることができる。
実施例1における保守計画方法をブロック図で示したものである。 重み付け確率密度関数wを求める流れを示したフローチャートである。 図3(A)は前記重み付け確率変数wの一例を表したグラフであり、図3(B)は図3(A)に示した重み付け確率変数wの累積分布関数を表したグラフである。 図4(A)はプラントや製品を構成する部品やユニットに関する損傷状態の確率密度関数の一例を表したグラフであり、図4(B)は図4(A)に示した確率密度関数の累積分布関数を表したグラフである。 実施例2における保守計画方法をブロック図で示したものである。 記憶手段に収納されたL′の概念図である。
符号の説明
1 重み付け確率密度決定手段
2 重み付けランダム変数発生装置
3 重み付け確率演算手段
4 損傷状態確率演算手段
5 保守計画手段
11 分類手段
12 検査手段
13 選定手段
14 記憶手段
15 演算手段
16 保守計画手段

Claims (1)

  1. プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態を、プラントや製品を構成する部品やユニットに関する損傷状態の確率のデータを元に演算して算出し、該算出結果に基づいて検査・補修を行う部品やユニットを選定する保守計画方法であって、
    プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態に関する実証データに基づいて、検査・補修が必要となる損傷状態に重みを持たせた重み付け確率密度関数wを求める第1のステップと、
    0以上且つ1以下の一様乱数u又は超一様乱数u*(以下一様乱数等とよぶ)を生成するとともに、該一様乱数等を前記重み付け確率密度関数wの累積分布関数の累積確率とし、該一様乱数等に対応する確率変数zを求める第2のステップと、
    前記プラントや製品を構成する部品やユニットに関する損傷状態の確率に関するデータを記憶手段に記憶し、該損傷状態の確率に関するデータから、前記zを乱数としてモンテカルロシミュレーションにより、前記プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の重み付け確率を演算する第3のステップと、
    前記重み付け確率密度関数wに基づいて重み付け復元値Wを求め、該復元値Wと前記第3のステップで求めた損傷状態の重み付け確率からプラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態の確率を演算する第5のステップと、を備え、
    プラントや製品を構成する部品やユニットの損傷状態を、前記第5のステップで演算した部品やユニットの損傷状態の確率を元に演算して算出し、該算出結果を元に検査・補修を行う部品やユニットを選定することを特徴とする保守計画方法。
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