JP4883688B2 - 真空パッケージ及び電子デバイス並びに真空パッケージの製造方法 - Google Patents

真空パッケージ及び電子デバイス並びに真空パッケージの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン基板等の半導体基板とガラス基板等のリッド基板との間に形成された密閉室と、該密閉室内と外部とを電気的に導通させるフィードスルー部とを有する真空パッケージ及び該真空パッケージを有する電子デバイス、並びに、真空パッケージの製造方法を提供する。
従来より、加速度センサや角速度センサ等の力学量センサに代表されるように、センサ部を、大気圧よりも圧力が低い真空雰囲気に維持した密閉室内に収容した真空パッケージが数多く提供されている。これは、センサ部のダンピングによる検出感度の低下防止や、外部からの塵埃等の侵入防止や、温度や湿度等の環境条件が変化することで性能特性が変化してしまうことを防止するためである。このような真空パッケージは、一般的にシリコン基板等の半導体基板とガラス基板等のリッド基板とが接合され、両基板間に形成された密閉室内にセンサ部が収容されている。
ところで、センサ部を真空雰囲気に維持された密閉室内に収容する方法としては、様々な方法が考えられているが、通常は以下の方法が用いられている。
即ち、まず初めにリッド基板及び半導体基板に密閉室と外部とを連通させる排気用通路を形成した後、該リッド基板と半導体基板とを陽極接合等により接合する。次いで、排気用通路を介して密閉室内を真空引きして、密閉室内を真空雰囲気にする。そして最後に、真空中でリッド基板に薄膜を成膜して排気用通路を塞ぐことで、密閉室内を真空封止する。このように、真空中で排気用通路を最後に薄膜で塞ぐことで密閉室内を真空雰囲気に維持する方法が、通常頻繁に用いられている方法であり、簡便な方法として広く知られている。なお、排気用通路は、一般的にリッド基板に形成された排気孔と、半導体基板に形成され、排気孔と密閉室内を連通させる排気溝とから構成されている。
一方、上記真空パッケージにおいて排気用通路とは別に、密閉室内に収容されたセンサ部等を機能させたり、密閉室内に設けられた各種の電極を外部に電気的に導通させたりするために、電気的通路となるフィードスルー部を設ける必要がある。なおこのフィードスルー部は、リッド基板に形成した貫通孔(スルーホール)内にめっき等により導電性材料を埋めることで構成されたものである。このフィードスルー部は、真空パッケージを機能させるために必須なものである。
ところで、上述した排気用通路及びフィードスルー部をそれぞれ形成するにあたり、その形成の仕方や配置等に関してはいくつかの方法が考えられている。
例えば、特許文献1には、半導体基板に接続される一対のリッド基板のうち、一方のリッド基板側にフィードスルー部を形成し、他方のリッド基板側に排気用通路を形成したものが記載されている。
ここで、図34を参照して、この真空パッケージについて簡単に説明する。
図34は、真空パッケージ80の断面を示した図である。この図34に示すように、真空パッケージ80は、シリコン基板等の半導体基板81と絶縁性の一対のリッド基板82とが接合されたものであり、両基板81、82の間には密閉室83が形成されている。なおこの密閉室83内には、図示しないセンサ部等の機能部が収容されている。また、密閉室83内には、機能部に対して電気的に接続されるアイランド81aが形成されている。
また、2つのリッド基板82のうち、一方のリッド基板82には、排気孔84が形成されている。そして、半導体基板81には、この排気孔84と密閉室83とを連通させる排気溝85が形成されている。これにより、一方のリッド基板82と半導体基板81とを接合した後に、密閉室83内が外部に連通されるようになっている。即ち、これら排気孔84及び排気溝85は、排気用通路として機能している。また、この一方のリッド基板82上には、絶縁性の薄膜86が成膜されており、排気孔84及び排気溝85の一部を塞いでいる。これにより、密閉室83内が真空封止されるようになっている。
また、他方のリッド基板82には、アイランド81aと対向する位置にスルーホールである貫通孔87が形成されている。また、この貫通孔87を塞ぐようにフィードスルー部88が設けられており、アイランド81aと電気的に接続されている。つまり、このフィードスルー部88を介して機能部を機能させることができるようになっている。
このように構成された真空パッケージ80を製造する場合には、半導体基板81にアイランド81a、密閉室83、排気溝85をそれぞれ形成すると共に、一方のリッド基板82に排気孔84を、他方のリッド基板82に貫通孔87をそれぞれ形成する。次いで、半導体基板81と一対のリッド基板82とを陽極接合等により接合する。次いで、めっき等により貫通孔87を埋めるようにフィードスルー部88を形成する。次いで、真空チャンバ等を利用して真空引きを行い、排気溝85及び排気孔84からなる排気用通路を介して密閉室83を真空雰囲気にする。そして、真空中で一方のリッド基板82上に薄膜86を成膜させて、排気用通路を封止する。その結果、密閉室83内が真空雰囲気に維持され、フィードスルー部88が形成された真空パッケージ80を製造することができる。
また、上記特許文献1には、上述したものの他に、一方のリッド基板82に排気孔84及び貫通孔87を集約して形成した真空パッケージ80も記載されている。なお、この場合には、一方のリッド基板82上に薄膜86として金属膜を成膜している。こうすることで、排気孔84を塞いで密閉室83を封止すると共に、貫通孔87を塞いでフィードスルー部88としての機能を金属膜に持たせている。
また、上述したように排気用通路を塞ぐ際に、絶縁性の薄膜や金属膜を成膜するのではなく、半田やガラスペースト等の封止部材を貫通孔内に直接落とし込んで、排気用通路を塞ぐ方法も知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。
この場合には、真空中で封止部材を一旦加熱、溶解してガス抜きを行った後、引き続き封止部材の加熱を行ってさらに溶解させることで、排気用通路を塞ぐ方法である。
特開平11−351876号公報 特開平11−340348号公報 特開2006−116694号公報
しかしながら、上記従来の方法では、以下の課題が残されている。
即ち、特許文献1に記載されている方法のうち、一方のリッド基板82側に排気用通路を形成し、他方のリッド基板82側にフィードスルー部88を形成する方法は、2つのリッド基板82にそれぞれ貫通孔87及び排気孔84を形成する必要がある。そのため、2つのリッド基板82の剛性がそれぞれ低下してしまい、半導体基板81に接合した後の接合強度の低下を招くものであった。そのため、リークに繋がり、密閉室83内の真空度を低下させてしまう可能性があった。また、2つのリッド基板82にそれぞれ貫通孔87及び排気孔84を形成する必要があるので、工数が増加する不都合があった。
また、一方のリッド基板82側に排気孔84及び貫通孔87を集約させる方法を採用した場合には、上述した問題に関しては回避することができるものの、新たな不都合が生じてしまうものであった。即ち、この場合には、金属膜を成膜することで排気孔84の封止を行うが、金属膜は膜応力の関係上数μm程度の膜厚でしか成膜することができない。仮に、それ以上の膜厚で成膜を行った場合には、膜剥がれが生じてしまう。そのため、排気孔84を確実に塞いで封止することができない恐れがあった。また、金属膜は、密着性に優れているものでもないので、この点においても排気孔84を確実に塞ぐことができない場合があった。特に、リッド基板82に貫通孔87や排気孔84を形成する際に、加工上どうしても内周面が粗面になったり、縁の部分に欠けが生じたりする場合があるが、このような場合には、密着性に優れない金属層では排気孔84を確実に塞ぐことが難しかった。
そこで、一旦金属層を成膜した後に、該金属層上に回り込みに優れたCVD法でTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)等の絶縁膜をさらに成膜することも考えられている。この絶縁膜は、膜剥がれの恐れもなく、数十μmに成膜することができるものであるので、該絶縁膜を金属層上に積層することで、排気孔84を確実に封止することができる。
ところが、金属膜はフィードスルー部88の機能も兼ねているので、絶縁膜を所定の範囲だけエッチングして、金属層を外部に露出させるコンタクトホールを形成する必要がある。この際、貫通孔87の封止を確実にするために絶縁膜を数十μmの膜厚で成膜しているため、その膜厚分だけエッチングする必要がある。しかしながら、このような深いエッチングは、レジストの耐性等を考慮すると、非常に困難な作業であり、容易に実現することができるものではなかった。
更には、金属膜の成膜と絶縁膜の成膜とを2回行う上に、エッチングを行う必要があるので、非常に手間がかかり、工数が増加する不都合があった。
一方、上記特許文献2及び3に記載された方法は、封止部材を利用することで、排気孔をピンポイントで封止することができるので、金属膜の問題を回避することができるが、加熱するとアウトガスが発生するので、密閉室内の真空度を低下させる恐れがあった。
このように、上述したいずれの方法を採用したとしても、何かしらの不都合があり、最適な真空パッケージを製造することが困難であった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、工数をかけずに容易に製造でき、フィードスルー部を確実に確保しながら、半導体基板とリッド基板との接合強度及び密閉室内の真空度が向上して高性能化された真空パッケージ、該真空パッケージを有する電子デバイス、並びに、真空パッケージの製造方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
この発明に係る真空パッケージの製造方法は、所定間隔を空けた状態で互いに平行配置された絶縁性の第1のリッド基板及び第2のリッド基板と、これら両リッド基板の間に挟まれた状態で接合され、枠状に形成された枠部と、該枠部と第1及び第2のリッド基板とで囲まれる密閉室内に設けられて両リッド基板に両端がそれぞれ接した支柱部と、を有する半導体基板とを備えた真空パッケージを製造する方法であって、前記第1のリッド基板に排気孔及び貫通孔を形成するリッド基板形成工程と、前記第1のリッド基板を前記半導体基板に重ねた際に、前記排気孔に連通するように半導体基板に排気溝を形成すると共に、前記貫通孔に連通するように半導体基板に収納室を形成する半導体基板形成工程と、前記半導体基板を所定領域だけエッチングして、前記排気溝に連通する前記密閉室と、該密閉室の周囲を囲む前記枠部と、密閉室内に設けられて前記収納室を一端側に有する前記支柱部と、をそれぞれ形成するエッチング工程と、前記第1のリッド基板を前記排気溝及び前記収納室が形成された前記半導体基板の一方の面に接合すると共に、前記第2のリッド基板を前記半導体基板の他方の面に接合する接合工程と、前記排気溝及び前記排気孔を介して、前記密閉室を真空状態にする真空工程と、真空中において、前記排気溝を塞ぐ膜厚で前記第1のリッド基板の表面に絶縁膜を成膜して、前記密閉室を真空封止する封止工程と、前記収納室及び前記貫通孔を埋めるように導電性材料をめっきして、一端側が前記支柱部に電気的に接続されると共に他端側が外部に対して電気的に接続されるフィードスルー部を形成するめっき工程とを備え、前記半導体基板形成工程の際に、前記排気溝よりも深く前記収納室を形成することで、前記封止工程時に前記絶縁膜の一部が収納室内に落ち込んで収納され、該絶縁膜が分断されることを特徴とするものである。
この発明に係る真空パッケージの製造方法においては、まず、第1のリッド基板に密閉室の真空引きを行うための排気孔と、フィードスルー部のスルーホールである貫通孔とを形成するリッド基板形成工程を行う。
また、この工程と同時或いは前後して、半導体基板に密閉室の真空引きを行うための排気溝と、収納室を形成する半導体基板工程を行う。この際、第1のリッド基板と半導体基板とを重ね合わせた際に、排気孔に連通するように排気溝を形成すると共に、貫通孔に連通するように収納室を形成する。また、この収納室を形成する際に、深さが排気溝よりも深くなるように形成しておく。
半導体基板形成工程後、半導体基板を排気溝及び収納室が形成されていない側から所定領域だけエッチング加工して、枠部と支柱部とを形成するエッチング工程を行う。この際、枠部で囲まれた空間が、後に第1のリッド基板と第2のリッド基板とを接合した際に密閉室となる。また、この工程によって、先ほど形成した排気溝が密閉室となる枠部内の空間に連通した状態となる。また、先ほど形成した収納室を一端側に有する支柱部が密閉室となるこの空間内に設けられた状態となる。
次いで、上述したリッド基板形成工程及びエッチング工程が共に終了した後、第1のリッド基板を排気溝及び収納室が形成された半導体基板の一方の面に接合すると共に、第2のリッド基板を半導体基板の他方の面に接合する接合工程を行う。なお、上記エッチング工程を行う際に、先に第1のリッド基板だけを接合しておいても構わない。いずれにしても、第1のリッド基板及び第2のリッド基板を接合した時点で、接合工程が終了する。
この工程によって、枠部で囲まれた空間が密閉室となり、該密閉室内に設けられた支柱部の両端が第1のリッド基板及び第2のリッド基板に接した状態となる。よって、支柱部の一端側に形成された収納室が貫通孔に連通する。また、密閉室は、排気溝及び排気孔を介して外部に連通した状態となっている。
接合工程後、排気溝及び排気孔を介して密閉室を真空状態にする真空工程を行う。即ち、両リッド基板に接合された半導体基板を、真空槽に入れて真空引きを行う。この際、上述したように、密閉室は、排気溝及び排気孔を介して外部に連通しているので真空引きされる。
そして、この真空引きを一定時間行った後、密閉室を真空封止する封止工程を行う。即ち、真空中において、第1のリッド基板の表面にTEOS等の絶縁膜を成膜する。これにより、第1のリッド基板の表面は当然のこと、排気孔を通じて排気溝にも絶縁膜が落ち込んで溜まり始めると共に、貫通孔を通じて収納室にも絶縁膜が落ち込んで溜まり始める。また、この工程を行う際、排気溝を塞ぐ膜厚で絶縁膜の成膜を行う。その結果、密閉室と外部とを連通していた排気溝が塞がるので、密閉室を真空封止することができる。
一方、収納室は排気溝よりも深く形成されているので、排気溝とは異なり絶縁膜によって塞がることはない。つまり、収納室の底部に単に落ち込んだ絶縁膜が収納されるだけで、絶縁膜は分断された状態となる。従って、収納室と貫通孔とを連通したままの状態にすることができる。
この封止工程が終了した後、スルーホールである貫通孔内にフィードスルー部を形成するめっき工程を行う。即ち、電気めっきや無電解めっきを行って、収納室及び貫通孔を埋めるように、銅等の導電性材料を成長させてフィードスルー部を形成する。このフィードスルー部は、一端側が支柱部に電気的に接続されると共に、他端側が外部に電気的に接続される導通経路となる。上述した各工程を行うことで、密閉室及びフィードスルー部を有する真空パッケージを製造することができる。
特に、本発明では、真空引きする際に利用する排気孔と、フィードスルー部のスルーホールとなる貫通孔とを、第1のリッド基板側に集約して形成している。そのため、第2のリッド基板を何ら加工する必要がないので、第2のリッド基板と半導体基板との接合強度を向上させることができ、2つのリッド基板にそれぞれ孔を形成するよりも、全体的な接合強度を向上することができる。従って、密閉室内の真空度を向上させることができ、高性能化を図ることができる。
また、第1のリッド基板に排気孔及び貫通孔を集約して形成するので、2つのリッド基板にそれぞれ形成するよりも、工数をかけずに容易に製造することができ、製造効率を高めることができる。
また、密閉室の封止を行う際に絶縁膜を用いているので、金属膜を用いる場合とは異なり、膜剥がれの恐れもなく厚めに成膜することができる。従って、排気溝をより確実に封止することができる。このことからも、密閉室の真空度を向上させることができ、高性能化に繋がる。
更に、排気溝よりも深い収納室を形成しているので、絶縁膜を成膜しても、貫通孔と収納室との連通状態が確保されている。そのため封止工程後に、特別な処理を実施しなくても、容易且つ確実にフィードスルー部を直ちに形成することができる。この点においても、効率の良い製造を行うことができる。
また、本発明に係る真空パッケージの製造方法は、上記本発明の真空パッケージの製造方法において、前記リッド基板形成工程の際に、前記排気孔及び前記貫通孔を前記半導体基板に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状に形成することを特徴とするものである。
この発明に係る真空パッケージの製造方法においては、排気孔及び貫通孔を円錐状に形成するので、絶縁膜を成膜した際に排気孔及び貫通孔の内周面に絶縁膜を成膜することができる。そのため、排気溝に向かうにしたがって、絶縁膜が溜まり易くなるので、より確実に排気溝を塞いで封止することができる。また、サンドブラストを利用してそれぞれの孔を形成できるので、より安価で簡単に効率良く製造することができる。
また、本発明に係る真空パッケージの製造方法は、所定間隔を空けた状態で互いに平行配置された絶縁性の第1のリッド基板及び第2のリッド基板と、これら両リッド基板の間に挟まれた状態で接合され、枠状に形成された枠部と、該枠部と第1及び第2のリッド基板とで囲まれる密閉室内に設けられて両リッド基板に両端がそれぞれ接した支柱部と、を有する半導体基板とを備えた真空パッケージを製造する方法であって、前記第1のリッド基板に排気孔及び貫通孔を形成すると共に、該貫通孔に連通するように収納室を形成するリッド基板形成工程と、前記第1のリッド基板を前記半導体基板に重ねた際に、前記排気孔に連通するように半導体基板に排気溝を形成する半導体基板形成工程と、前記半導体基板を所定領域だけエッチングして、前記排気溝に連通する前記密閉室と、該密閉室の周囲を囲む前記枠部と、密閉室内に設けられて前記収納室に一端側が接する前記支柱部と、をそれぞれ形成するエッチング工程と、前記第1のリッド基板を前記排気溝が形成された前記半導体基板の一方の面に接合すると共に、前記第2のリッド基板を前記半導体基板の他方の面に接合する接合工程と、前記排気溝及び前記排気孔を介して、前記密閉室を真空状態にする真空工程と、真空中において、前記排気溝を塞ぐ膜厚で前記第1のリッド基板の表面に絶縁膜を成膜して、前記密閉室を真空封止する封止工程と、前記収納室及び前記貫通孔を埋めるように導電性材料をめっきして、一端側が前記支柱部に電気的に接続されると共に他端側が外部に対して電気的に接続されるフィードスルー部を形成するめっき工程とを備え、前記半導体基板工程の際に、前記排気溝よりも深く前記収納室を形成することで、前記封止工程時に前記絶縁膜の一部が収納室内に落ち込んで収納され、該絶縁膜が分断されることを特徴とするものである。
この発明に係る真空パッケージの製造方法においては、まず、第1のリッド基板に密閉室の真空引きを行うための排気孔と、フィードスルー部のスルーホールである貫通孔と、該貫通孔に連通する収納室をそれぞれ形成するリッド基板形成工程を行う。また、この収納室を形成する際に、深さが次に形成する排気溝よりも深くなるように形成しておく。
また、この工程と同時或いは前後して、半導体基板に密閉室の真空引きを行うための排気溝を形成する半導体基板工程を行う。この際、第1のリッド基板と半導体基板とを重ね合わせた際に、排気孔に連通するように排気溝を形成する。
半導体基板形成工程後、半導体基板を排気溝が形成されていない側から所定領域だけエッチング加工して、枠部と支柱部とを形成するエッチング工程を行う。この際、枠部で囲まれた空間が、後に第1のリッド基板と第2のリッド基板とを接合した際に密閉室となる。また、この工程によって、先ほど形成した排気溝が密閉室となる枠部内の空間に連通した状態となる。また、先ほど形成した収納室に一端側が接する支柱部が密閉室となるこの空間内に設けられた状態となる。
次いで、上述したリッド基板形成工程及びエッチング工程が共に終了した後、第1のリッド基板を排気溝が形成された半導体基板の一方の面に接合すると共に、第2のリッド基板を半導体基板の他方の面に接合する接合工程を行う。なお、上記エッチング工程を行う際に、先に第1のリッド基板だけを接合しておいても構わない。いずれにしても、第1のリッド基板及び第2のリッド基板を接合した時点で、接合工程が終了する。
この工程によって、枠部で囲まれた空間が密閉室となり、該密閉室内に設けられた支柱部の両端が第1のリッド基板及び第2のリッド基板に接した状態となる。よって、支柱部の一端側が収納室に接した状態となる。また、密閉室は、排気溝及び排気孔を介して外部に連通した状態となっている。
接合工程後、排気溝及び排気孔を介して密閉室を真空状態にする真空工程を行う。即ち、両リッド基板に接合された半導体基板を、真空槽に入れて真空引きを行う。この際、上述したように、密閉室は、排気溝及び排気孔を介して外部に連通しているので真空引きされる。
そして、この真空引きを一定時間行った後、密閉室を真空封止する封止工程を行う。即ち、真空中において、第1のリッド基板の表面にTEOS等の絶縁膜を成膜する。これにより、第1のリッド基板の表面は当然のこと、排気孔を通じて排気溝にも絶縁膜が落ち込んで溜まり始めると共に、貫通孔を通じて収納室にも絶縁膜が落ち込んで溜まり始める。また、この工程を行う際、排気溝を塞ぐ膜厚で絶縁膜の成膜を行う。その結果、密閉室と外部とを連通していた排気溝が塞がるので、密閉室を真空封止することができる。
一方、収納室は排気溝よりも深く形成されているので、排気溝とは異なり絶縁膜によって塞がることはない。つまり、収納室の底部に単に落ち込んだ絶縁膜が収納されるだけで、絶縁膜は分断された状態となる。従って、収納室と貫通孔とを連通したままの状態にすることができる。
この封止工程が終了した後、スルーホールである貫通孔内にフィードスルー部を形成するめっき工程を行う。即ち、電気めっきや無電解めっきを行って、収納室及び貫通孔を埋めるように、銅等の導電性材料を成長させてフィードスルー部を形成する。このフィードスルー部は、一端側が支柱部に電気的に接続されると共に、他端側が外部に電気的に接続される導通経路となる。上述した各工程を行うことで、密閉室及びフィードスルー部を有する真空パッケージを製造することができる。
特に、本発明では、真空引きする際に利用する排気孔と、フィードスルー部のスルーホールとなる貫通孔とを、第1のリッド基板側に集約して形成している。そのため、第2のリッド基板を何ら加工する必要がないので、第2のリッド基板と半導体基板との接合強度を向上させることができ、2つのリッド基板にそれぞれ孔を形成するよりも、全体的な接合強度を向上することができる。従って、密閉室内の真空度を向上させることができ、高性能化を図ることができる。
また、第1のリッド基板に排気孔及び貫通孔を集約して形成するので、2つのリッド基板にそれぞれ形成するよりも、工数をかけずに容易に製造することができ、製造効率を高めることができる。
しかも、第1のリッド基板に貫通孔と収納室とを一体的に形成するので、両者の位置関係を正確に作りこむことができる。よって、フィードスルー部の信頼性を向上することができる。
また、密閉室の封止を行う際に絶縁膜を用いているので、金属膜を用いる場合とは異なり、膜剥がれの恐れもなく厚めに成膜することができる。従って、排気溝をより確実に封止することができる。このことからも、密閉室の真空度を向上させることができ、高性能化に繋がる。
更に、排気溝よりも深い収納室を形成しているので、絶縁膜を成膜しても、貫通孔と収納室との連通状態が確保されている。そのため封止工程後に、特別な処理を実施しなくても、容易且つ確実にフィードスルー部を直ちに形成することができる。この点においても、効率の良い製造を行うことができる。
また、本発明に係る真空パッケージの製造方法は、上記本発明に記載の真空パッケージの製造方法において、前記リッド基板形成工程の際に、前記排気孔及び前記貫通孔を前記半導体基板に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状に形成することを特徴とするものである。
この発明に係る真空パッケージの製造方法においては、排気孔及び貫通孔を円錐状に形成するので、絶縁膜を成膜した際に排気孔及び貫通孔の内周面に絶縁膜を成膜することができる。そのため、排気溝に向かうにしたがって、絶縁膜が溜まり易くなるので、より確実に排気溝を塞いで封止することができる。また、サンドブラストを利用してそれぞれの孔を形成できるので、より安価で簡単に効率良く製造することができる。
また、本発明に係る真空パッケージの製造方法は、上記本発明に記載の真空パッケージの製造方法において、前記リッド基板形成工程の際に、前記収納室を前記貫通孔に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状に形成することを特徴とするものである。
この発明に係る真空パッケージの製造方法においては、収納室に関してもサンドブラストにより円錐状に形成するので、加工速度を速くでき、さらに効率の良い製造を行うことができる。
また、本発明に係る真空パッケージの製造方法は、上記本発明のいずれかに記載の真空パッケージの製造方法において、前記リッド基板形成工程の際に、前記貫通孔に前記排気孔を兼用させ、前記半導体基板形成工程の際に、前記排気溝を前記収納室に連通させるように前記支柱部に形成することを特徴とするものである。
この発明に係る真空パッケージの製造方法においては、排気孔及び貫通孔をそれぞれ形成するのではなく、貫通孔に排気孔を兼用させるので、第1のリッド基板に形成する孔の数を減らすことができる。従って、第1のリッド基板の剛性を高めることができ、半導体基板との接合強度を向上させることができる。そのため、真空度をさらに向上させて高性能化を図ることができる。また、第1のリッド基板の耐久性を上げることができるので、信頼性を向上することができる。更には、孔の数を減らすことができるので、第1のリッド基板のサイズを小さくでき、小型化を図ることができる。
また、貫通孔に排気孔を兼用させるため、半導体基板形成工程の際に、排気溝を収納室に連通させるように後に支柱部となる領域に形成する。こうすることで、密閉室内は、排気溝及び貫通孔を介して外部に連通した状態となる。従って、真空工程時に、排気溝及び貫通孔を介して密閉室内を真空引きすることができる。また、封止工程を行うと、貫通孔を通じて収納室に落ち込んだ絶縁膜が排気溝を塞いで封止する。しかしながら、収納室自体は排気溝よりも深いので、収納室全体は塞がらず、該収納室と貫通孔とを連通させることができる。従って、めっき工程を行うことでフィードスルー部を確実に形成することができる。
また、本発明に係る真空パッケージの製造方法は、上記本発明のいずれかに記載の真空パッケージの製造方法において、前記接合工程の際に、前記第1のリッド基板及び前記第2のリッド基板と前記半導体基板とを、陽極接合又は常温接合により接合することを特徴とするものである。
この発明に係る真空パッケージの製造方法においては、接合工程を行う際に陽極接合又は常温接合を行って接合を行う。特に、一般的に用いる陽極接合を行うことで、特別な手法で用いることなく確実に半導体基板と第1及び第2のリッド基板とを接合することができる。また、常温接合を行った場合には、陽極接合とは異なり温度を上げる必要がなく、常温で接合することが可能である。そのため、陽極接合時とは異なり、温度上昇に起因する酸素ガスが発生することがなく、密閉室の真空度を低下させる恐れがない。
また、本発明に係る真空パッケージは、上記本発明のいずれかに記載の真空パッケージの製造方法により製造されたことを特徴とするものである。
この発明に係る真空パッケージにおいては、上述した方法で製造されているので、密閉室の真空度が向上して高性能化が図られている。また、工数をかけずに効率良く製造されているので、低コスト化を図ることができる。
また、本発明に係る電子デバイスは、上記本発明の真空パッケージと、前記密閉室内に設けられた素子と、を有することを特徴とするものである。
この発明に係る電子デバイスにおいては、真空度が向上した密閉室内に素子が設けられているので、高性能化、信頼性の向上化を図ることができる。
また、本発明に係る電子デバイスは、上記本発明の電子デバイスにおいて、前記素子が、前記枠部に梁部を介して支持され、前記第1及び第2のリッド基板に対して所定の間隔を空けて配置された錘部であり、前記支柱部に電気的に接続された状態で前記錘部に対向するように前記第2のリッド基板に形成され、前記錘部を静電引力を利用して励振させる励振電極と、前記支柱部に電気的に接続された状態で前記錘部に対向するように前記第1のリッド基板に形成され、振動状態の前記錘部が角速度を受けて変位したときに、該錘部との距離変化を静電容量の変化として出力する検出電極とを備えていることを特徴とするものである。
この発明に係る電子デバイスにおいては、角速度を検出する角速度センサとして利用することができる。即ち、フィードスルー部を介して励振電極に電圧を印加すると、該励振電極が静電引力を利用して錘部を励振させる。この際、錘部は、第1及び第2のリッド基板に対して所定の間隔(ギャップ)空けた状態で梁部に支持されているので、密閉室内で両リッド基板に接触することなく振動する。そして錘部は、この振動状態で角速度を受けると、梁部を回転中心として捩じれて変位する。すると、検出電極は、錘部との距離変化を静電容量の変化として、フィードスルー部を介して外部に出力する。その結果、角速度を検出することができる。
特に、密閉室の真空度が向上しているので、高感度に角速度を検出することができ、信頼性の向上化を図ることができる。
本発明に係る真空パッケージの製造方法によれば、工数をかけずに容易に製造でき、フィードスルー部を確実に確保しながら、半導体基板とリッド基板との接合強度及び密閉室内の真空度が向上して高性能化された真空パッケージを製造することができる。
また、本発明に係る真空パッケージによれば、密閉室の真空度の向上により高性能化を図ることができると共に、工数をかけずに効率良く製造されているので低コスト化を図ることができる。
また、本発明に係る電子デバイスによれば、上述した真空パッケージを備えているので、高性能化、信頼性の向上化を図ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図11を参照して説明する。
図1は、本実施形態の真空パッケージ1の断面図である。この図1に示すように真空パッケージ1は、所定間隔を空けた状態で互いに平行配置された絶縁性の上部リッド基板(第1のリッド基板)2及び下部リッド基板(第2のリッド基板)3と、上部リッド基板2と下部リッド基板3との間に挟まれた状態で接合された半導体基板4とを備えている。
半導体基板4は、例えばシリコン基板であり、枠状に形成されたフレーム(枠部)4aと、該フレーム4aと上部リッド基板2及び下部リッド基板3とで囲まれる密閉室5内に設けられて、両リッド基板2、3に両端がそれぞれ接したアイランド(支柱部)4bとを備えている。このアイランド4bは、後述するフィードスルー部6を介して外部から電気信号を受信したり、外部に電気信号を出力したりする機能を有するものであり、目的に応じて密閉室5に設けられる図示しない素子を機能させるものである。本実施形態では、素子を省略して説明している。なお、素子の種類によっては、密閉室5内における上部リッド基板2或いは下部リッド基板3の表面に、金属配線を形成しても構わない。
アイランド4bの一端側(上部リッド基板2側)には、収納室10が形成されている。この収納室10は、後述する排気溝11よりも深く形成されていると共に、貫通孔12の開口の直径φよりも幅広に形成された部屋であり、フィードスルー部6のギャップとなるものである。また、この収納室10の底部には、絶縁膜13の一部が収納された状態となっている。これについては、後の製造方法の段階で詳細に説明する。
また、上部リッド基板2側のフレーム4aには、排気孔と密閉室5とを連通させる排気溝11が形成されている。
上部リッド基板2及び下部リッド基板3は、絶縁性の基板であれば材料の種類は限定されるものではないが、代表的なものとしては例えばホウ珪酸ガラスやソーダライムガラス等である。両リッド基板2、3のうち、上部リッド基板2には、排気孔14及び貫通孔12が集約されて形成されている。排気孔14は、半導体基板4のフレーム4aに形成された排気溝11に対向する位置に形成されている。これにより密閉室5は、排気孔14及び排気溝11を介して外部に連通するようになっている。即ち、これら排気孔14及び排気溝11は、密閉室5を真空引きする際の排気用流路として機能する。また、本実施形態では、排気孔14は、半導体基板4に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状(断面テーパ状)に形成されている。
また、上記貫通孔12は、後述するフィードスルー部6のスルーホールとなるものであり、半導体基板4のアイランド4bに形成された収納室10に対向するように形成されている。これにより、貫通孔12と収納室10とが連通している。この貫通孔12も上記排気孔14と同様に、半導体基板4に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状(断面テーパ状)に形成されている。
また、上部リッド基板2上には、TEOS等の絶縁膜13が成膜されている。この際、排気孔14及び貫通孔12が共に円錐状に形成されているので、これら排気孔14及び貫通孔12の内周面にも絶縁膜13が成膜されている。また、排気溝11は、この絶縁膜13によって排気孔14側が塞がれている。これにより、密閉室5は真空雰囲気で封止されている。
また、貫通孔12及び収納室10には、銅等の導電性材料がめっきにより埋められたフィードスルー部6が形成されている。このフィードスルー部6は、一端側がアイランド4bに電気的に接続されており、他端側が外部に露出して電気的に接続可能な状態となっている。つまり、フィードスルー部6は、アイランド4bと外部とを繋ぐ導通経路として利用されるものである。
次に、このように構成された真空パッケージ1の製造方法について、図2から図11を参照しながら以下に説明する。図2から図11は、真空パッケージ1を製造する際の各工程を示す断面図である。なお、以下に示す製造工程は、多数の真空パッケージ1を製造可能なサイズの半導体基板4及び両リッド基板2、3によって行われ、最終的に微小な真空パッケージ1に固片化されるものであるが、図2から図11においては、説明を簡略化するため、単体の真空パッケージ1を製造するものとして図示している。
本実施形態の真空パッケージ1の製造方法は、半導体基板形成工程と、リッド基板形成工程と、エッチング工程と、接合工程と、真空工程と、封止工程と、めっき工程とを適宜行って製造する方法である。
なお、これら各工程のうち、真空工程、封止工程及びめっき工程を除く各工程は、同時に行ってもよく、工程順番は限定されるものではない。本実施形態では、上部リッド基板2を半導体基板4に先に接合した後に、エッチング工程を行い、その後、下部リッド基板3を接合する場合を例に挙げて説明する。
初めに、半導体基板4に排気溝11及び収納室10をそれぞれ形成する半導体基板形成工程を行う。即ち、図2に示す半導体基板4を用意した後、フォトリソ技術やエッチング等の半導体加工技術により、図3に示すように、まず半導体基板4上に排気溝11を形成する。この際、エッチングとしては、TMAH(Tetramethyl ammonium hydroxid:水酸化テトラメチルアンモニウム)によるウェットエッチング、或いは、RIE(Reactive Ion Etching)によるドライエッチングが簡便である。なお、TMAHでウェットエッチングを行う場合には、SiO膜、RIEでドライエッチングを行う場合には、フォトレジストをマスクとして用いれば良い。
また、排気溝11の深さは、後に成膜する絶縁膜13の厚さ以下が好ましい。ここで、後に成膜する絶縁膜13の厚さは、応力の関係から例えば数μm〜20μm程度である。但し、排気孔14の奥に進むにつれて成膜状況が若干劣り、膜厚が半分以下になると予想される。そのため、排気溝11の深さとして、約0.5μm〜2μm程度の範囲内で形成することがより好ましい。
次いで、図4に示すように、上述した同様のフォトリソ技術やエッチング等の半導体加工技術により、半導体基板4上に収納室10を形成する。この際、収納室10を排気溝11よりも深く形成すると共に、貫通孔12の開口の直径φよりも幅広に形成する。例えば、深さが2μm以上で、幅が5μm程度に形成することが好ましい。
これにより、半導体基板形成工程が終了する。なお、先に排気溝11を形成した場合を示したが、この場合に限られず、先に収納室10を形成し、その後、排気溝11を形成しても構わない。
また、上記工程と同時或いは前後して、上部リッド基板2に排気孔14及び貫通孔12をそれぞれ形成するリッド基板形成工程を行う。まず、図5に示す上部リッド基板2を用意した後、サンドブラスト、超音波加工やレーザ照射によって、図6に示すように、排気孔14及び貫通孔12をそれぞれ形成する。この際、排気孔14及び貫通孔12が断面テーパ状である円錐状になるように形成する。特に、サンドブラストによって孔を形成することで、安価で簡便なうえ効率良く加工できることに加え、順テーパ状に排気孔14及び貫通孔12を形成できるので、好ましい方法である。
次いで、上部リッド基板2を先に半導体基板4に接合する接合工程を行う。即ち、図7に示すように、排気孔14及び貫通孔12が形成された上部リッド基板2を、排気溝11及び収納室10が形成された半導体基板4の一方の面に重ね合わせた後、上部リッド基板2と半導体基板4とを、例えば陽極接合により接合する。但し、この場合には、上部リッド基板2がホウ珪酸ガラスやソーダライムガラス等の場合である。また、陽極接合時を行う際の条件としては、例えば、温度が400℃程度で、電圧が100V程度である。これにより、上部リッド基板2と半導体基板4とを、容易且つ強固に接合することができる。
なお、密閉室5内に金属配線を設けた場合には、これら金属配線に影響を与えないように陽極接合時の温度を調整する必要がある。
次いで、半導体基板4を所定領域だけエッチングして、排気溝11に連通する密閉室5と、該密閉室5の周囲を囲むフレーム4aと、密閉室5内に設けられて収納室10を一端側に有するアイランド4bと、をそれぞれ形成するエッチング工程を行う。
即ち、図8に示すように、半導体基板4の他方の面側から、上述した同様のフォトリソ技術やエッチング等の半導体加工技術により所定の領域だけエッチング加工して、フレーム4a及びアイランド4bを形成する。この際、フレーム4aで囲まれた空間が、後に下部リッド基板3を接合した際に密閉室5となる。また、この工程によって、先ほど形成した排気溝11が密閉室5となるフレーム4a内の空間に連通した状態となる。また、先ほど形成した収納室10を一端側に有するアイランド4bが密閉室5となる空間内に設けられた状態となる。
次いで、下部リッド基板3を半導体基板4の他方の面に接合する接合工程を行う。即ち、図9に示す下部リッド基板3を用意した後、図10に示すように、下部リッド基板3を半導体基板4の他方の面に重ね合わせる。そして、上述した上部リッド基板2の接合時と同様の方法で、下部リッド基板3を接合する。なお、下部リッド基板3を接合した時点で、接合工程が終了する。
下部リッド基板3を接合することで、フレーム4aで囲まれた空間が密閉室5となり、該密閉室5内に設けられたアイランド4bの両端が上部リッド基板2及び下部リッド基板3に接した状態となる。また、密閉室5が、排気溝11及び排気孔14を介して外部に連通した状態となる。
次いで、排気溝11及び排気孔14を介して密閉室5を真空状態にする真空工程を行う。即ち、両リッド基板2、3に接合された半導体基板4を図示しないチャンバ等の真空槽に内に入れた後、真空引きを行う。この際、上述したように、密閉室5は、排気溝11及び排気孔14を介して外部に連通しているので、確実に真空引きされる。
そして、この真空引きを一定時間行った後、排気溝11を塞ぐ膜厚で上部リッド基板2の表面に絶縁膜13を成膜して、密閉室5を真空封止する封止工程を行う。即ち、真空中において、上部リッド基板2の表面にTEOS等の絶縁膜13を、排気溝11よりも膜厚が厚くなるように成膜する。この際、排気孔14の奥に進むにつれて膜厚が薄くなるので、最低でも排気溝11以上の膜厚が必要である。また、排気孔14には数μm程度のチッピングが生じる可能性もあり、仮にチッピングが生じたとしても、これをカバーできる膜厚であることが好ましい。これらを考慮すると、約20μm程度の膜厚で絶縁膜13を成膜することが好ましい。
これにより、図11に示すように、上部リッド基板2の表面はもちろんのこと、排気孔14及び貫通孔12の内周面に絶縁膜13が成膜される。また、排気孔14を通じて排気溝11内にも絶縁膜13が落ち込んで溜まり始めると共に、貫通孔12を通じて収納室10内にも絶縁膜13が落ち込んで溜まり始める。そして、最終的に密閉室5と外部とを連通していた排気溝11が塞がり、密閉室5を真空封止することができる。
一方、収納室10は排気溝11よりも深く、貫通孔12の直径φよりも幅広に形成されているので、排気溝11とは異なり絶縁膜13によって塞がることはない。つまり、収納室10の底部に単に落ち込んだ絶縁膜13が収納されるだけで、絶縁膜13は分断された状態となる。従って、収納室10と貫通孔12とを連通したままの状態にすることができる。
次いで、封止工程が終了した後、スルーホールである貫通孔12内にフィードスルー部6を形成するめっき工程を行う。即ち、電気めっきや無電解めっきを行って、収納室10及び貫通孔12を埋めるように導電性材料を成長させてフィールドスルー部を形成する。
具体的には、一旦無電解めっきを施し、その後電気めっきで貫通孔12及び収納室10を埋め、不要な部分を除去することでフィードスルー部6を形成する。なお、無電解めっきとしては、銅(硫酸銅水溶液+還元剤)、ニッケル(硫酸ニッケル水溶液、又は、塩化ニッケル水溶液+還元剤)、金(金シアン錯体水溶液+還元剤)や銀(シアン化銀水溶液+還元剤)等を用いる。
或いは、図示しないアイランド4bへの電圧印加配線から収納室10に接するアイランド4bの端部に電圧を印加して、直接収納室10側から電気めっきを成長させることでフィードスルー部6を形成する。例えば、硫酸ニッケルや塩化ニッケル等の溶液中で負電圧を印加し、ニッケルめっき物を成長させることでフィードスルー部6を形成する。又は、ピロリン酸銅や硫酸銅等の溶液中で負電圧を印加し、銅めっき物を成長させることでフィードスルー部6を形成する。なお、成長させるめっき物としは、金、ロジウム、パラジウムや白金等でも構わない。この際使用するめっき溶液は、金の場合には、ジシアノ金(I)酸カリウム水溶液が、ロジウムの場合には、ロジウムと硫酸やロジウムとリン酸等の溶液が、パラジウムの場合には、ジニトロジアンミンパラジウム(II)(PD(NH3)2(NO2)2水溶液が、白金の場合には、白金とジアミノ亜硝酸等の溶液が使用される。
上記めっき工程を行うことで、図1に示す真空パッケージ1を製造することができる。特に、本実施形態の製造方法では、真空引きする際に利用する排気孔14と、フィードスルー部6のスルーホールとなる貫通孔12とを、上部リッド基板2側に集約して形成している。そのため、下部リッド基板3を何ら加工する必要がないので、下部リッド基板3と半導体基板4との接合強度を向上させることができ、2つのリッド基板2、3にそれぞれ孔を形成するよりも全体的な接合強度を向上させることができる。従って、密閉室5内の真空度を向上させることができ、高性能化を図ることができる。
また、上部リッド基板2に排気孔14及び貫通孔12を集約して形成するので、2つのリッド基板2、3にそれぞれ形成するよりも、工数をかけずに容易に製造することができ、製造効率を高めることができる。
また、密閉室5の封止を行う際に絶縁膜13を用いているので、金属膜を用いる場合とは異なり、膜剥がれの恐れもなく厚めに成膜することができる。従って、排気溝11をより確実に封止することができる。このことからも、密閉室5の真空度を向上させることができ、高性能化に繋がる。
また、排気溝11よりも深い収納室10を形成しているので、絶縁膜13を成膜しても貫通孔12と収納室10との連通状態が確保されている。そのため封止工程時後に、特別な処理を実施しなくても、容易且つ確実にフィードスルー部6を直ちに形成することができる。この点においても、効率の良い製造を行うことができる。
また、排気孔14を円錐状に形成しているので、絶縁膜13を成膜した際に排気孔14の内周面に絶縁膜13を成膜することができる。そのため、排気溝11に向かうにしたがって、絶縁膜13が溜まり易くなるので、より確実に排気溝11を塞いで封止することができる。また、サンドブラストを利用して孔を形成できるので、より安価で簡単に効率良く製造することができる。
また、このように製造された真空パッケージ1によれば、密閉室5の真空度の向上により高性能化を図ることができると共に、工数をかけずに効率良く製造されているので低コスト化を図ることができる。
なお、上記第1実施形態において、第1のリッド基板を上部リッド基板2として、該上部リッド基板2に排気孔14及び貫通孔12を集約して形成した例を示したが、第1のリッド基板を下部リッド基板3として、該下部リッド基板3に排気孔14及び貫通孔12を集約して形成しても構わない。この場合には、排気溝11及び収納室10を半導体基板4の他方の面側にそれぞれ形成すれば良い。
また、上記第1実施形態では、接合工程を行う際に陽極接合を行ったが、常温接合により接合を行っても構わない。この場合には、表面をアルゴン等のイオンを利用して活性化させた後、圧着して接合するので、陽極接合時とは異なり、接合時の化学反応に起因する酸素ガスが発生することがなく、密閉室5内の真空を低下させる恐れがない。よって、真空パッケージ1をより高性能化させることができる。
なお、この常温接合を行う場合には、第1及び第2のリッド基板は、ホウ珪酸ガラスやソーダライムガラスに限られず、何でも構わない。
なお、陽極接合を行う際には、第1及び第2のリッド基板の表面又は半導体基板4の表面に、図示しない電圧印加用の配線をパターニングし、この配線に電圧を印加して陽極接合を行うと、第1及び第2のリッド基板と半導体基板4とをそれぞれの基板全体に亘って均一に接合することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態を、図12を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、収納室10を半導体基板4のアイランド4bに形成したが、第2実施形態では、収納室10を上部リッド基板2に形成している点である。
図12は、本実施形態の真空パッケージ20の断面図である。この図12に示すように、真空パッケージ20は、収納室10が貫通孔12に連通するように上部リッド基板2側に形成されている。この収納室10は、第1実施形態と同様に、排気溝11よりも深く、貫通孔12の開口の直径φよりも幅広に形成されている。
次に、本実施形態の真空パッケージ20の製造方法について、簡単に説明する。基本的な製造方法は、第1実施形態と同様であるため、異なる工程を中心に説明する。
まず、半導体基板形成工程では、半導体基板4に排気溝11だけを形成する。この際、排気溝11の形成方法や排気溝11の深さ等は同じである。次に、リッド基板形成工程では、上部リッド基板2に対して、排気孔14及び貫通孔12だけでなく、貫通孔12に連通するように収納室10を形成する。この際、ウェットエッチングやドライエッチングで収納室10を形成すれば良い。次いで、排気孔14、貫通孔12及び収納室10が形成された上部リッド基板2を、排気溝11が形成された半導体基板4の一方の面に接合する接合工程を行う。
次いで、半導体基板4を他方の面側から所定領域だけエッチングして、フレーム4a及びアイランド4bを形成するエッチング工程を行う。これにより、図12に示すように、上部リッド基板2に形成した収納室10にアイランド4bの一端側が接した状態となる。
その後、第1実施形態と同様に、接合工程、真空工程、封止工程及びめっき工程を順次行うことで、図12に示す真空パッケージ20を製造することができる。
本実施形態の真空パッケージ20の製造方法においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。特に、本実施形態の場合には、予め上部リッド基板2に貫通孔12と収納室10とを一体的に形成するので、両者の位置関係を正確に作りこむことができる。つまり、第1実施形態では、上部リッド基板2側に貫通孔12が形成され、半導体基板4側に収納室10が形成されているので、接合した際のアライメント精度(10μm〜20μm程度)を考慮して若干の余裕を持たせながら貫通孔12及び収納室10を形成する必要があった。これに対して本実施形態では、リソグラフィのアライメント精度(0.5μm〜1μm程度)で形成できるので、フィードスルー部6の信頼性を向上することができると共に、小型化を図ることができる。
なお、上記第2実施形態において、リッド基板形成工程の際、図13に示すように収納室10を貫通孔12に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状(断面テーパ状)に形成しても構わない。つまり、貫通孔12及び収納室10が鼓形となるように形成される。
この場合には、収納室10に関してもサンドブラストで形成できるので、加工速度を早くでき、より効率の良い製造を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態を、図14を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、排気孔14と貫通孔12とを別々に上部リッド基板2に形成したが、第3実施形態では、貫通孔12に排気孔14を兼用させている点である。
図14は、本実施形態の真空パッケージ30の断面図である。この図14に示すように、真空パッケージ30は、貫通孔12のみが形成された上部リッド基板2を備えており、貫通孔12に排気溝11が連通されている。また、この排気溝11は、同じ半導体基板4ではあるが、フレーム4aではなくアイランド4bに形成されている。
次に、本実施形態の真空パッケージ30の製造方法について、簡単に説明する。基本的な製造方法は、第1実施形態と同様であるため、異なる工程を中心に説明する。
まず、半導体基板形成工程の際に、収納室10を形成すると共に、排気溝11を該収納室10に連通させるようにアイランド4bとなる領域に形成する。次いで、リッド基板形成工程の際に、上部リッド基板2に貫通孔12のみを形成する。次いで、貫通孔12が形成された上部リッド基板2を、排気溝11及び収納室10が形成された半導体基板4の一方の面に接合する。次いで、半導体基板4にフレーム4a及びアイランド4bを形成するエッチング工程を行うと共に、下部リッド基板3を半導体基板4の他方の面に接合する接合工程を行う。
この際、密閉室5は、排気溝11及び貫通孔12を介して外部に連通した状態となっている。従って、真空工程時に、排気溝11及び貫通孔12を介して密閉室5内を確実に真空引きすることができる。また、封止工程を行うと、貫通孔12を通じて収納室10内に落ち込んだ絶縁膜13が排気溝11を塞いで封止する。しかしながら、収納室10自体は排気溝11よりも深いので、収納室10全体は塞がらず、該収納室10と貫通孔12とを連通させることができる。従って、めっき工程を行うことで、フィードスルー部6を確実に形成することができる。
特に本実施形態の製造方法は、貫通孔12に排気孔14を兼用させるので、上部リッド基板2に形成する孔の数を減らすことができる。従って、上部リッド基板2の剛性を高めることができ、半導体基板4との接合強度を向上させることができる。そのため、真空リークの恐れが低減するので、真空度をさらに向上させて高性能化を図ることができる。また、上部リッド基板2の耐久性を上げることができるので、信頼性を向上することができる。更には、孔の数を減らすことができるので、上部リッド基板2のサイズを小さくでき、小型化を図ることができる。
なお、上記第3実施形態は、第1実施形態の真空パッケージ1に対して、貫通孔12に排気孔14を兼用させた例を示したものであるが、上記第2実施形態の真空パッケージ20において、貫通孔12に排気孔14を兼用させても構わない。
図15は、第2実施形態の真空パッケージ20の変形例を示す断面図である。この図15に示すように、真空パッケージ40は、上部リッド基板2に形成された収納室10に連通するようにアイランド4bに排気溝11が形成されている。この真空パッケージ40によれば、第2実施形態の作用効果に加え、さらに上記第3実施形態の作用効果をも奏することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態を、図16から図33を参照して説明する。図16は、本実施形態の電子デバイス50を示す分解斜視図であり、図17は上部リッド基板61を透過して半導体基板63を上方から見た平面図であり、図18は図17に示すA−A線に沿った断面図である。なお、本実施形態では、電子デバイス50として、角速度を検出する角速度センサを例に挙げて説明する。
図16から図18に示すように、本実施形態の電子デバイス50は、真空パッケージ60と、該真空パッケージ60の密閉室67内に設けられた錘部(素子)51とを備えている。真空パッケージ60は、所定間隔を空けた状態で互いに平行配置された絶縁性の上部リッド基板(第1のリッド基板)61及び下部リッド基板(第2のリッド基板)62と、上部リッド基板61と下部リッド基板62との間に挟まれた状態で接合された半導体基板63とを備えている。
なお、本実施形態では、半導体基板63として、シリコン支持層64と、該シリコン支持層64上に形成された二酸化珪素(SiO)のBOX層65と、該BOX層65上に形成されたシリコン活性層66と、を有するSOI(Silicon On Insulator)基板63を用いた例を説明する。
SOI基板63は、枠状に形成されたフレーム(枠部)63aと、該フレーム63aと上部リッド基板61及び下部リッド基板62とで囲まれる密閉室67内に設けられて、両リッド基板61、62に両端がそれぞれ接した5つのアイランド(支柱部)63bとを備えている。この5つのアイランド63bのうち、4つのアイランド63bは、フィードスルー部68を介して外部から後述する励振電極53に電圧を印加する導通経路として利用されるものである。また残り1つのアイランド63bは、フィードスルー部68を介して後述する検出電極54から外部に検出結果を出力するための導通経路として利用されるものである。
これら5つのアイランド63bの一端側(上部リッド基板61側)には、それぞれ収納室69が形成されている。この収納室69は、排気溝70よりも深く形成されていると共に、貫通孔71の開口の直径φよりも幅広に形成された部屋であり、フィードスルー部68のギャップとなるものである。また、5つのアイランド63bのうち、1つのアイランド63bには、密閉室67と貫通孔71とを連通させると共に、収納室69に繋がった排気溝70が形成されている。
上部リッド基板61及び下部リッド基板62は、絶縁性の基板であれば材料の種類は限定されるものではないが、代表的なものとしては例えばホウ珪酸ガラスやソーダライムガラス等である。両リッド基板61、62のうち、上部リッド基板61には、5つのアイランド63bに対向する位置にフィードスルー部68のスルーホールとなる貫通孔71が形成されている。これにより、貫通孔71と収納室69とが連通するようになっている。また、この貫通孔71は、SOI基板63に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状(断面テーパ状)に形成されている。
なお、5つの貫通孔71のうち、排気溝70が繋がった収納室69に連通する貫通孔71は、排気孔の機能も兼用する孔であり、排気溝70と共に密閉室67を真空引きする際の排気用流路として機能するものである。
また、上部リッド基板61上には、TEOS等の絶縁膜72が成膜されている。この際、貫通孔71が共に円錐状に形成されているので、該貫通孔71の内周面にも絶縁膜72が成膜されている。また、排気溝70は、この絶縁膜72によって貫通孔71側が塞がれている。これにより、密閉室67は真空雰囲気で封止されている。また、貫通孔71及び収納室69には、銅等の導電性材料がめっきにより埋められたフィードスルー部68が形成されている。このフィードスルー部69は、一端側がアイランド63bに電気的に接続されており、他端側が外部に露出して電気的に接続可能な状態となっている。
上記錘部51は、4本のビーム(梁部)52を介してフレーム63aに支持されており、上部リッド基板61及び下部リッド基板62に対して所定の間隔、即ち励振ギャップGを空けた状態で吊り下げられるように密閉室67内に配置されている。4本のビーム52は、四角形状に形成されたフレーム63aに基端側が支持されており、フレーム63aの四辺の各中間位置からそれぞれ内側に向けて延びた状態で形成されている。
特に本実施形態では、ビーム52を4本としているため、X軸及びY軸方向の角速度を最も効率い良く検出することができる。但し、ビーム52は4本に限られず、1本以上あれば良い。この場合でも錘部51の形状を工夫することで、2軸の角速度検出が可能となる。
また、密閉室67内における下部リッド基板62の内面には、錘部51に対向する位置に該錘部51を、静電引力を利用して励振させる励振電極53が形成されている。この励振電極53は、錘部51と略同一面積を有するサイズに形成されており、アイランド63bの1つの電気的に接続されている。
また、密閉室67内における上部リッド基板61の内面には、錘部51に対向する位置に、振動状態の錘部51が角速度を受けて変位したときに該錘部51との距離変化を静電容量の変化として出力する検出電極54が形成されている。この検出電極54は、ビーム52と重ならないように4枚形成されており、それぞれが残り4つのアイランド63bに電極的に接続されている。
このように構成された電子デバイス50により角速度を検出する場合について説明する。初めにフィードスルー部68を介して励振電極53に電圧を印加させ、静電引力を利用して錘部51を振動させる。この際、錘部51は、上部リッド基板61及び下部リッド基板62に対して励振ギャップGが空いた状態でビーム52に支持されているので、密閉室67内で両リッド基板61、62に接触することなく振動する。そして、錘部51は、この振動状態で角速度を受けると、ビーム52を回転中心として捩じれて変位する。すると、検出電極54は、錘部51との距離変化を静電容量の変化としてフィードスルー部68を介して外部に出力する。その結果、X軸及びY軸の2軸回りの角速度を検出することができる。
次に、このように構成された電子デバイス50の製造方法について、図19から図33を参照しながら以下に説明する。図19から図33は、真空パッケージ60を製造する際の各工程を示す断面図である。なお、これら図19から図33は、図17に示すA−A線に沿った断面を示す図である。また以下に示す製造工程は、多数の電子デバイス50を製造可能なサイズのSOI基板63及び両リッド基板61、62によって行われ、最終的に微小な電子デバイス50に固片化されるものであるが、説明を簡略化するため、単体の電子デバイス50を製造するものとして図示している。
本実施形態の電子デバイス50の製造方法は、半導体基板形成工程と、リッド基板形成工程と、エッチング工程と、接合工程と、真空工程と、封止工程と、めっき工程とを適宜行って製造する方法である。
なお、これら各工程のうち、真空工程、封止工程及びめっき工程を除く各工程は、同時に行ってもよく、工程順番は限定されるものではない。本実施形態では、上部リッド基板61をSOI基板63に先に接合した後に、エッチング工程を行い、その後、下部リッド基板62を接合する場合を例に挙げて説明する。
初めに、SOI基板63に排気溝70及び収納室69をそれぞれ形成する半導体基板形成工程を行う。また、本工程では同時に、錘部51、ビーム52、フレーム63a及びアイランド63bの上部部分を形成する。まず、図19に示すSOI基板63を用意する。なお、SOI基板63を用いることで、BOX層65をエッチングストップとして利用できるので、ビーム52の厚さをシリコン活性層66の厚さで決定でき、所望の振動特性を容易に得やすい利点がある。
次に、フォトリソ技術やエッチング等の半導体加工技術により、図20に示すように、SOI基板63のシリコン活性層66上に排気溝70を形成する。この際、エッチングとしては、TMAH(Tetramethyl ammonium hydroxid:水酸化テトラメチルアンモニウム)によるウェットエッチング、或いは、RIE(Reactive Ion Etching)によるドライエッチングが簡便である。なお、TMAHでウェットエッチングを行う場合には、SiO膜、RIEでドライエッチングを行う場合には、フォトレジストをマスクとして用いれば良い。
また、排気溝70の深さは、後に成膜する絶縁膜72の厚さ以下が好ましい。ここで、後に成膜する絶縁膜72の厚さは、応力の関係から例えば数μm〜20μm程度である。但し、貫通孔71の奥に進むにつれて成膜状況が若干劣り、膜厚が半分以下になると予想される。そのため、排気溝70の深さとして、約0.5μm〜2μm程度の範囲内で形成することがより好ましい。
次いで、図21に示すように、シリコン活性層66上に収納室69と、錘部51と上部リッド基板61との間の励振ギャップGとをそれぞれウェットエッチングやドライエッチング等の半導体加工技術により形成する。この際、収納室69を排気溝70よりも深く形成すると共に、貫通孔71の開口の直径よりも幅広に形成する。例えば、深さが2μm以上で、幅が5μm程度に形成することが好ましい。
次いで、図22に示すように、ウェットエッチングやドライエッチング等の半導体加工技術により、シリコン支持層64上に錘部51と下部リッド基板62との間の励振ギャップGを形成する。なお、上述した工程順番は、前後しても構わない。
次いで、図23に示すように、ウェットエッチングやドライエッチング等の半導体加工技術により、シリコン活性層66のうち、フレーム63a、ビーム52、錘部51及びアイランド63b以外の領域を除去する。続いて、図24に示すように、露出したBOX層65をウェットエッチングやドライエッチング等の半導体加工技術により除去する。
これにより、排気溝70及び収納室69がそれぞれ形成されると共に、錘部51、ビーム52、フレーム63a及びアイランド63bの上部部分を形成することができる。この時点で、半導体基板形成工程が終了する。
また、上記工程と同時或いは前後して、上部リッド基板61に貫通孔71を形成するリッド基板形成工程を行う。また、本工程では同時に検出電極54を形成する。まず、図25に示す上部リッド基板61を用意した後、サンドブラスト、超音波加工やレーザ照射によって、図26に示すように、貫通孔71をそれぞれ形成する。この際、貫通孔71が断面テーパ状である円錐状になるように形成する。特に、サンドブラストによって孔を形成することで、安価で簡便なうえ効率良く加工できることに加え、順テーパ状に貫通孔71を形成できるので、好ましい方法である。
次いで、図27に示すように、上部リッド基板61の内面に導電膜により検出電極54を形成する。この導電膜としては、Al、Cr、Pt、Cu、Wのうち少なくとも1つを含む材料で、少なくとも1層以上からなるものである。なお、層が複数の場合には、各層の材料は異なっていても構わない。そして、スパッタやMOCVD等でこれら導電膜を一旦上部リッド基板61の表面全体に成膜した後、ウェットエッチングやドライエッチング、或いは、リフトオフによりパターニングする。これにより、検出電極54を形成することができる。この検出電極54を形成した時点で、リッド基板形成工程が終了する。
次いで、上部リッド基板61を先にSOI基板63に接合する接合工程を行う。即ち、図28に示すように、貫通孔71が形成された上部リッド基板61を、排気溝70及び収納室69が形成されたSOI基板63の一方の面に重ね合わせた後、上部リッド基板61とSOI基板63とを、例えば陽極接合により接合する。但し、この場合には、上部リッド基板61がホウ珪酸ガラスやソーダライムガラス等の場合である。また、陽極接合時を行う際の条件としては、例えば、温度が400℃程度で、電圧が100V程度である。これにより、上部リッド基板61とSOI基板63とを、容易且つ強固に接合することができる。
なお、陽極接合時に検出電極54に影響を与えないように温度に注意しながら接合を行う。例えば、Alの導電膜で検出電極54を形成した場合には、400℃以下の温度で接合を行う。
次いで、SOI基板63のシリコン支持層64を所定領域だけエッチングして、上部だけ形成しておいたフレーム63a、アイランド63b、錘部51及びビーム52をそれぞれ形成するエッチング工程を行う。
即ち、図29に示すように、SOI基板63の他方の面側から、フレーム63a、錘部51、ビーム52及びアイランド63b以外の領域をウェットエッチングやドライエッチング等の半導体加工技術により除去する。これにより、フレーム63a、アイランド63b、錘部51及びビーム52をそれぞれ形成することができる。また、フレーム63aで囲まれた空間が、後に下部リッド基板62を接合した際に密閉室67となる。また先ほど形成した排気溝70が密閉室67となるフレーム63a内の空間に連通した状態となる。更に先ほど形成した収納室69を一端側に有するアイランド63bが、密閉室67となる空間内に設けられた状態となる。
なお、エッチングを行う際に、ボッシュプロセスを用いた深堀エッチング(Deep RIE)を適用すると、垂直に近い角度でシリコン支持層64を加工できるので、より高精度な加工を行うことができる。
次いで、下部リッド基板62をSOI基板63の他方の面に接合する接合工程を行う。但し、その前に下部リッド基板62に励振電極53を形成する。即ち、図30に示す下部リッド基板62を用意した後、図31に示すように、下部リッド基板62の内面に励振電極53を形成する。この際、上述した検出電極54と同様の方法で励振電極53を形成する。
励振電極53を形成した後、図32に示すように、下部リッド基板62をSOI基板63の他方の面に重ね合わせる。そして、上述した上部リッド基板61の接合時と同様の方法で、下部リッド基板62を接合する。なお、下部リッド基板62を接合した時点で、接合工程が終了する。
下部リッド基板62を接合することで、フレーム63aで囲まれた空間が密閉室67となり、該密閉室67内に設けられたアイランド63bの両端が上部リッド基板61及び下部リッド基板62に接した状態となる。また、密閉室67が、排気溝70及び貫通孔71を介して外部に連通した状態となる。
次いで、排気溝70及び貫通孔71を介して密閉室67を真空状態にする真空工程を行う。即ち、両リッド基板61、62に接合されたSOI基板63を図示しないチャンバ等の真空槽に内に入れた後、真空引きを行う。この際、上述したように、密閉室67は、排気溝70及び貫通孔71を介して外部に連通しているので、確実に真空引きされる。
そして、この真空引きを一定時間行った後、排気溝70を塞ぐ膜厚で上部リッド基板62の表面に絶縁膜72を成膜して、密閉室67を真空封止する封止工程を行う。即ち、真空中において、上部リッド基板61の表面にTEOS等の絶縁膜72を、排気溝70よりも膜厚が厚くなるように成膜する。この際、貫通孔71の奥に進むにつれて膜厚が薄くなるので、最低でも排気溝70以上の膜厚が必要であり、約20μm程度の膜厚で絶縁膜72を成膜することが好ましい。
これにより、図33に示すように、上部リッド基板61の表面はもちろんのこと、貫通孔71の内周面に絶縁膜72が成膜される。また、貫通孔71を通じて収納室69にも絶縁膜72が落ち込んで溜まり始める。そして、この落ち込んだ絶縁膜72が排気溝70を塞いで封止する。これにより、密閉室67を真空封止することができる。しかしながら、収納室69自体は排気溝70よりも深く形成されているので、絶縁膜72は収納室69の底部に収納された状態となる。つまり、絶縁膜72は分断された状態となり、収納室69全体が塞がることはない。従って、収納室69と貫通孔71とを連通したままの状態にすることができる。
次いで、封止工程が終了した後、スルーホールである貫通孔71内にフィードスルー部68を形成するめっき工程を行う。即ち、電気めっきや無電解めっきを行って、収納室69及び貫通孔71を埋めるように導電性材料を成長させてフィードスルー部68を形成する。
具体的には、一旦無電解めっきを施し、その後電気めっきで貫通孔71及び収納室69を埋め、不要な部分を除去することでフィードスルー部68を形成する。なお、無電解めっきとしては、銅(硫酸銅水溶液+還元剤)、ニッケル(硫酸ニッケル水溶液、又は、塩化ニッケル水溶液+還元剤)、金(金シアン錯体水溶液+還元剤)や銀(シアン化銀水溶液+還元剤)等を用いる。
或いは、図示しないアイランド63bへの電圧印加配線から収納室69に接するアイランド63bの端部に電圧を印加して、直接収納室69側から電気めっきを成長させることでフィードスルー部68を形成する。例えば、硫酸ニッケルや塩化ニッケル等の溶液中で負電圧を印加し、ニッケルめっき物を成長させることでフィードスルー部68を形成する。又は、ピロリン酸銅や硫酸銅等の溶液中で負電圧を印加し、銅めっき物を成長させることでフィードスルー部68を形成する。なお、成長させるめっき物としは、金、ロジウム、パラジウムや白金等でも構わない。この際使用するめっき溶液は、金の場合には、ジシアノ金(I)酸カリウム水溶液が、ロジウムの場合には、ロジウムと硫酸やロジウムとリン酸等の溶液が、パラジウムの場合には、ジニトロジアンミンパラジウム(II)(PD(NH3)2(NO2)2水溶液が、白金の場合には、白金とジアミノ亜硝酸等の溶液が使用される。
上記めっき工程を行うことで、図18に示す電子デバイス50を製造することができる。このように製造された電子デバイス50の真空パッケージ60は、上述した第3実施形態の真空パッケージ30と同様の作用効果を奏することができる。即ち、この真空パッケージ60は、密閉室67の真空度が向上しており高性能化が図られている。また、工数をかけずに効率良く製造されているので低コスト化が図られている。更には、貫通孔71の1つが排気孔を兼ねているので、上部リッド基板61の耐久性が向上しており、信頼性の向上化が図られていると共に、小型化とされている。
また、本実施形態の電子デバイス50によれば、密閉室67の真空度が向上している真空パッケージ60を備えているので、高感度に角速度を検出することができ、信頼性の向上化を図ることができる。また、小型化及び低コスト化を図ることができる。
なお、本実施形態では、上記第3実施形態で説明した真空パッケージを備えた電子デバイス50を例にしたが、この場合に限られず、第1実施形態や第2実施形態で説明した真空パッケージ1、20を備えた電子デバイスであっても構わない。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、電子デバイス50の一例として素子を錘部51とし、該錘部51を励振させることで角速度を検出する角速度センサを例にしたが、この場合に限られるものではない。例えば、錘部51を励振させずに、単に加速度を検出する加速度センサとしても構わない。更には、素子を錘部51としたが、デバイスに応じて密閉室67内に配置すれば、圧力センサや発振器やフィルタ等を電子デバイスとすることができる。
本発明に係る第1実施形態の真空パッケージの断面図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、半導体基板の断面図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、図2に示す状態から排気溝を形成した状態を示す図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、図3に示す状態から収納室を形成した状態を示す図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、上部リッド基板の断面図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、図5に示す状態から排気孔及び貫通孔を形成した状態を示す図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、排気孔及び貫通孔を形成した上部リッド基板を、排気溝及び収納室が形成された半導体基板の一方の面に接合した状態を示す図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、図7に示す状態から、半導体基板にフレーム及びアイランドを形成した状態を示す図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、下部リッド基板の断面図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、下部リッド基板を半導体基板の他方の面に接合した状態を示す図である。 図1に示す真空パッケージの製造方法を示した工程図であって、図10に示す状態から、上部リッド基板に絶縁膜を成膜した状態を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の真空パッケージの断面図である。 図12に示す真空パッケージの変形例を示す断面図である。 本発明に係る第3実施形態の真空パッケージの断面図である。 図14に示す真空パッケージの変形例を示す断面図である。 本発明に係る第4実施形態の電子デバイスの分解斜視図である。 図16に示す電子デバイスのSOI基板を、上部リッド基板を透過しながら上方から見た平面図である。 図17に示すA−A線に沿った断面図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、SOI基板の断面図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図19に示す状態からシリコン活性層上に排気溝を形成した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図20に示す状態から収納室及び励振ギャップを形成した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図21に示す状態からシリコン支持層上に励振ギャップを形成した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図22に示す状態からシリコン支持層上に、フレーム、錘部及びアイランドの上部部分を形成した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図23に示す状態から露出したBOX層を除去した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、上部リッド基板の断面図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図25に示す状態から貫通孔を形成した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図26に示す状態から検出電極を形成した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、貫通孔を形成した上部リッド基板を、排気溝等が形成されたSOI基板の一方の面に接合した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図28に示す状態から、SOI基板にフレーム、錘部及びアイランドを形成した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、下部リッド基板の断面図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図30に示す状態から励振電極を形成した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、下部リッド基板を半導体基板の他方の面に接合した状態を示す図である。 図18に示す電子デバイスの製造方法を示した工程図であって、図32に示す状態から、上部リッド基板に絶縁膜を成膜した状態を示す図である。 従来の真空パッケージの一例を示した断面図である。
符号の説明
1、20、30、40、60 真空パッケージ
2、61 上部リッド基板(第1のリッド基板)
3、62 下部リッド基板(第2のリッド基板)
4 半導体基板
4a、63a フレーム(枠部)
4b、63b アイランド(支柱部)
5、67 密閉室
6、68 フィードスルー部
10、69 収納室
11、70 排気溝
12、71 貫通孔
13、72 絶縁膜
14 排気孔
50 電子デバイス
51 錘部(素子)
52 ビーム(梁部)
53 励振電極
54 検出電極
63 SOI基板(半導体基板)

Claims (10)

  1. 所定間隔を空けた状態で互いに平行配置された絶縁性の第1のリッド基板及び第2のリッド基板と、これら両リッド基板の間に挟まれた状態で接合され、枠状に形成された枠部と、該枠部と第1及び第2のリッド基板とで囲まれる密閉室内に設けられて両リッド基板に両端がそれぞれ接した支柱部と、を有する半導体基板とを備えた真空パッケージを製造する方法であって、
    前記第1のリッド基板に排気孔及び貫通孔を形成するリッド基板形成工程と、
    前記第1のリッド基板を前記半導体基板に重ねた際に、前記排気孔に連通するように半導体基板に排気溝を形成すると共に、前記貫通孔に連通するように半導体基板に収納室を形成する半導体基板形成工程と、
    前記半導体基板を所定領域だけエッチングして、前記排気溝に連通する前記密閉室と、該密閉室の周囲を囲む前記枠部と、密閉室内に設けられて前記収納室を一端側に有する前記支柱部と、をそれぞれ形成するエッチング工程と、
    前記第1のリッド基板を前記排気溝及び前記収納室が形成された前記半導体基板の一方の面に接合すると共に、前記第2のリッド基板を前記半導体基板の他方の面に接合する接合工程と、
    前記排気溝及び前記排気孔を介して、前記密閉室を真空状態にする真空工程と、
    真空中において、前記排気溝を塞ぐ膜厚で前記第1のリッド基板の表面に絶縁膜を成膜して、前記密閉室を真空封止する封止工程と、
    前記収納室及び前記貫通孔を埋めるように導電性材料をめっきして、一端側が前記支柱部に電気的に接続されると共に他端側が外部に対して電気的に接続されるフィードスルー部を形成するめっき工程とを備え、
    前記半導体基板形成工程の際に、前記排気溝よりも深く前記収納室を形成することで、前記封止工程時に前記絶縁膜の一部が収納室内に落ち込んで収納され、該絶縁膜が分断されることを特徴とする真空パッケージの製造方法。
  2. 前記リッド基板形成工程の際に、前記排気孔及び前記貫通孔を前記半導体基板に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状に形成することを特徴とする請求項1に記載の真空パッケージの製造方法。
  3. 所定間隔を空けた状態で互いに平行配置された絶縁性の第1のリッド基板及び第2のリッド基板と、これら両リッド基板の間に挟まれた状態で接合され、枠状に形成された枠部と、該枠部と第1及び第2のリッド基板とで囲まれる密閉室内に設けられて両リッド基板に両端がそれぞれ接した支柱部と、を有する半導体基板とを備えた真空パッケージを製造する方法であって、
    前記第1のリッド基板に排気孔及び貫通孔を形成すると共に、該貫通孔に連通するように収納室を形成するリッド基板形成工程と、
    前記第1のリッド基板を前記半導体基板に重ねた際に、前記排気孔に連通するように半導体基板に排気溝を形成する半導体基板形成工程と、
    前記半導体基板を所定領域だけエッチングして、前記排気溝に連通する前記密閉室と、該密閉室の周囲を囲む前記枠部と、密閉室内に設けられて前記収納室に一端側が接する前記支柱部と、をそれぞれ形成するエッチング工程と、
    前記第1のリッド基板を前記排気溝が形成された前記半導体基板の一方の面に接合すると共に、前記第2のリッド基板を前記半導体基板の他方の面に接合する接合工程と、
    前記排気溝及び前記排気孔を介して、前記密閉室を真空状態にする真空工程と、
    真空中において、前記排気溝を塞ぐ膜厚で前記第1のリッド基板の表面に絶縁膜を成膜して、前記密閉室を真空封止する封止工程と、
    前記収納室及び前記貫通孔を埋めるように導電性材料をめっきして、一端側が前記支柱部に電気的に接続されると共に他端側が外部に対して電気的に接続されるフィードスルー部を形成するめっき工程とを備え、
    前記半導体基板工程の際に、前記排気溝よりも深く前記収納室を形成することで、前記封止工程時に前記絶縁膜の一部が収納室内に落ち込んで収納され、該絶縁膜が分断されることを特徴とする真空パッケージの製造方法。
  4. 前記リッド基板形成工程の際に、前記排気孔及び前記貫通孔を前記半導体基板に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状に形成することを特徴とする請求項3に記載の真空パッケージの製造方法。
  5. 前記リッド基板形成工程の際に、前記収納室を前記貫通孔に向かうにしたがい漸次径が縮径する円錐状に形成する請求項4に記載の真空パッケージの製造方法。.
  6. 前記リッド基板形成工程の際に、前記貫通孔に前記排気孔を兼用させ、
    前記半導体基板形成工程の際に、前記排気溝を前記収納室に連通させるように前記支柱部に形成することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の真空パッケージの製造方法。
  7. 前記接合工程の際に、前記第1のリッド基板及び前記第2のリッド基板と前記半導体基板とを、陽極接合又は常温接合により接合することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の真空パッケージの製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の真空パッケージの製造方法により製造されたことを特徴とする真空パッケージ。
  9. 請求項8に記載の真空パッケージと、
    前記密閉室内に設けられた素子と、を有することを特徴とする電子デバイス。
  10. 前記素子が、前記枠部に梁部を介して支持され、前記第1及び第2のリッド基板に対して所定の間隔を空けて配置された錘部であり、
    前記支柱部に電気的に接続された状態で前記錘部に対向するように前記第2のリッド基板に形成され、前記錘部を静電引力を利用して励振させる励振電極と、
    前記支柱部に電気的に接続された状態で前記錘部に対向するように前記第1のリッド基板に形成され、振動状態の前記錘部が角速度を受けて変位したときに、該錘部との距離変化を静電容量の変化として出力する検出電極とを備えている請求項9に記載の電子デバイス。
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