JP4882426B2 - 画像形成装置およびその画像処理方法 - Google Patents
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Description
図示の例では、画像データの主走査方向の画素数が57画素であるので、図示のように、適当な間隔を開けて画素を挿入(または削除)することにより、画像に大きな影響を与えずに主走査倍率の補正を行うことができる。
図11(a)、(b)に示す例では、7走査ライン分の幅(すなわち7画素分の長さ)をパターン周期として、1走査ラインごとに画素の挿入位置が1画素分ずつずれていくパターンが繰り返されている。これにより、挿入画素の並びが一定の長さ以上の直線とならないようにしている。
図13は、画素操作位置の画素値に偏りが存在する場合のスクリーンパターンおよび画素操作位置と、これによって生じるディフェクトを模式的に表した図である。
図13(A)を参照すると、巨視的に、画素の挿入または削除が行われる画素操作領域と、画素の挿入または削除が行われない画素無操作領域とが、主走査方向に沿って交互に現れていることがわかる。そのため、図13(B)に示すように、階調濃度の濃い領域と薄い領域とが現れてしまう。なお、画素が挿入される場合には、階調濃度の濃い領域は画素操作領域に対応し、画素が削除される場合には、反対に階調濃度の濃い領域が画素無操作領域に対応することとなる。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。
この画像形成装置は、電子写真方式を採用した、いわゆるタンデム型のデジタルカラー機である。図1に示すように、この画像形成装置は、画像を形成する画像形成部10、印字機能(印字機能)として、画像形成部10の感光体ドラム11に対して静電潜像を形成する露光装置13、感光体ドラム11に担持されたトナー像を重畳して担持する中間転写体としての転写ベルト21を備えている。画像形成部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応させて設けられている。以下、これらを区別する必要がある場合には、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと表記するが、区別する必要がない場合には、単に画像形成部10と表記する。また、転写ベルト21の内側で、各画像形成部10の感光体ドラム11に対向する位置には、転写ベルト21上に画像を担持するための一次転写ロール23が設けられている。さらに、転写ベルト21に担持されたトナー像を用紙に転写するいわゆる二次転写位置には、二次転写ロール24と、転写ベルト21の内側に設けられる対向ロール25とが配置されている。さらに、記録媒体である用紙を収容する給紙カセット27と、転写された用紙を定着するための定着器28とを備えている。また、画像形成装置は、レジずれに対する補正のための画像処理を行う制御装置30と、転写ベルト21の所定領域に形成された色ずれ制御用パターンを読み取る色ずれセンサ40とを備えている。
なお、図1には、電子写真方式による画像形成装置の構成例を示したが、本実施形態は、インクジェット方式やサーマル方式等の種々の方式による画像形成装置に対して適用することが可能である。
図2を参照すると、本実施形態の制御装置30は、スクリーン処理を行うスクリーン処理部31と、レジずれ検出部32と、補正値設定部33と、レジずれに対する補正のために画素の挿入または削除を行う画像補正部34およびパラメータ記憶部35と、画像補正部34により補正された画像を画像形成ユニット(IOT)へ送出する出力インターフェイス(I/F)36とを備える。これらの構成のうち、スクリーン処理部31、レジずれ検出部32、補正値設定部33および画像補正部34は、例えば、上述した不揮発性のROMに格納されたソフトウェアプログラムに制御されたCPUにより実現される。また、パラメータ記憶部35は、例えば、上述したROMで実現され、後述する、画素操作位置を計算するためのパラメータを記憶している。
補正値設定部33は、レジずれ検出部32により検出された色ずれのずれ量に応じて、これを相殺するために要する補正値を算出する。例えば、主走査倍率ずれに対する補正の場合、主走査方向に並ぶ画素列に対して、何ドットおきに画素を挿入または削除するか、といった値を計算する。
図3に示す例を参照すると、画素操作位置は、一定の走査線分の幅(画素数)を周期として画素操作位置の配置パターンが繰り返される。そして、1周期における画素操作位置の配置パターンとしては、画素操作位置が主走査方向に対して角度αをなして並ぶように配置される。なお、この角度αは、
tan α=1/オフセット値
と表すことができる。
図4に示す例を参照すると、画素操作位置は、一定の走査線分の幅(画素数)を周期として画素操作位置の配置パターンが繰り返される。そして、1周期における画素操作位置の配置パターンとしては、1走査線ごとに画素操作位置を主走査方向に一定量(オフセット値)だけずらしながら配置される。
そこで、本実施形態では、上記のパラメータに基づいて設定された画素操作位置をさらにシフトして分散させ、画素無操作領域を縮小させる。画素無操作領域を縮小させることで、画像のスクリーン処理された部分が、階調濃度の異なる領域が交互に並んで視認されるほどの巨視的な構造を持つことを抑制することができる。
画素操作位置を分散させる手法は、例えば、主走査ラインごとに(すなわち、個々の画素操作位置単位で)シフトする手法と、パラメータによって特定される画素操作位置配列を単位としてシフトする手法とが考えられる。
S(n)=(n-INT{n/(INT{X2/X1}+1)}*(INT{X2/X1}+1))*X1 ・・・(1)
上記式(1)によれば、主走査ライン(n+1)に存在する画素操作位置に対するシフト量は、主走査ラインnに存在する画素操作位置と比較してX1だけ増加される。そして、シフト量が画素無操作領域幅より大きくなった場合に、初期値(シフト量0)に戻される。なお、画素無操作領域は、画素操作位置のシフト後は画素操作位置が配置されるため、画素無操作領域ではなくなるが、説明の便宜上、画素操作位置のシフト前に画素無操作領域であった領域を、シフト後においても画素無操作領域と呼ぶ(以下の説明において同様)。
図5(A)を参照すると、画素操作領域幅X1と画素無操作領域幅X2とは、X2=3X1の関係を有する。
図5(B)を参照すると、最上段(1段目の主走査ライン)の画素操作位置のシフト量S(0)は0(初期値)、2段目の画素操作位置のシフト量S(1)はパラメータの示す画素操作位置配列幅分のX1、3段目の画素操作位置のシフト量S(2)は2段目のシフト量にさらにX1だけシフトさせた2×X1、4段目の画素操作位置のシフト量S(3)は同様に3×X1となっている。そして、5段目の画素操作位置のシフト量S(4)は、4×X1にしてしまうと、シフト量が画素無操作領域幅を超え、シフト後の画素操作位置が他の画素操作領域に入ってしまうため、これを回避してシフト量は0となっている。
図6は、主走査ラインごとにシフトする手法の変形例を示す図である。
図5を参照して説明した、画素操作位置のシフト量が一定の値を超えた場合に0に戻す方法では、シフト量が0になった主走査ラインにおける画素操作位置と、その前の主走査ラインにおける画素操作位置との間のオフセット量(シフト量の差)が、他の隣接する主走査ラインにおける画素操作位置の間のオフセット量と比べて大きくなってしまう。図6(A)に示す例では、1段目から4段目までの各画素操作位置は、主走査方向にそれぞれ9画素分ずつ開いているが、4段目とシフト量が0に戻る5段目の画素操作位置は、27(=3×9)画素分の間隔が開いている。そして、この画素操作位置間のオフセット量の差のために、スクリーンパターンが大きく変形してしまう場合があり得る。
図5を参照して説明した基本的な方法では、画素操作位置配列設定部341により設定された画素操作位置の配列の副走査方向における周期と、シフト量が0に戻る周期とが同期していない(画素操作位置の配列が7画素(すなわち、7主走査ラインごとに、主走査方向の同じ位置に画素操作位置が現れる)であるのに対し、シフト量は、4主走査ラインごとに一度、0に戻る)。そのため、図5(B)を参照すると、画素操作位置配列の境目である7段目と8段目において、画素操作位置が隣接しており、分散に偏りが生じてしまっている。
この手法では、例えば次式によりシフト量を計算することができる。
S(n)=(F(n)-INT{F(n)/(INT{X2/X1}+1)}*(INT{X2/X1}+1))*X1 ・・・(2)
ただし、F(n)=INT{INT{n/Y}}
上記式(2)によれば、パラメータの示す画素操作位置配列の形状は変更せずに、パラメータの適用位置が主走査方向に沿って、パラメータの示す画素操作位置配列幅分のX1ずつ順次シフトされる。そして、シフト量が画素無操作領域幅より大きくなった場合に、初期値(シフト量0)に戻される。
図8を参照すると、画素操作位置配列設定部341により図5(A)に示すように設定された画素操作位置配列(7画素単位)を、この配列単位でシフトしている。すなわち、最上段の配列(主走査ライン7本分)に含まれる画素操作位置のシフト量Sa(0)は0、2段目の配列に含まれる画素操作位置のシフト量Sa(1)はX1、3段目の配列に含まれる画素操作位置のシフト量Sa(2)は2×X1、4段目の配列に含まれる画素操作位置のシフト量Sa(3)は3×X1となっている。そして、5段目の配列に含まれる画素操作位置のシフト量Sa(4)は、4×X1にしてしまうと、シフト量が画素無操作領域幅を超え、シフト後の画素操作位置が他の画素操作領域に入ってしまうため、これを回避してシフト量は0となっている。
本手法においても、上述した主走査ラインごとにシフトする手法と同様に、実施態様において適当な変形を施すことができる。例えば、図6に示した例のように、シフト量が画素無操作領域幅よりも大きくなった場合に、シフト量を0に戻すのではなく、シフト量の計算値の符号を反転するようにしても良い。これにより、隣接する画素操作位置配列のオフセット量に差が生じなくなり、スクリーンパターンが大きく変形してしまうことを防止できる。また、上記の例では、パラメータ周期ごと(すなわち、1つの画素操作位置配列ごと)に画素操作位置のシフト量を変化させたが、パラメータ周期の倍数(複数の画素操作位置配列ごと)に画素操作位置のシフト量を変化させることも可能である。さらに、シフト量の変化量(オフセット量)を画素操作領域幅の倍数とすることもできる。
図9(b)の例では、出力画像が原画像データに対して主走査方向に全体的に縮小されている。そこで、この変形を相殺するため、主走査方向全体にわたって画素の挿入によりサイズを拡大する補正が行われる。
図9(c)の例では、出力画像の主走査方向のサイズが副走査方向(上から下へ向かう方向)に沿って次第に縮小されている。そこで、この変形を相殺するため、副走査方向に沿って、1走査線あたりの画素の挿入数を次第に増加させることにより主走査方向のサイズを拡大し、全体として台形となるように変形する補正が行われる。
図9(d)の例では、出力画像の左側の領域が主走査方向に縮小されており、右側の領域が主走査方向に拡大されている(全体のサイズは原画像データと同じ)。そこで、この変形を相殺するため、画像データの左側の領域では画素を挿入して主走査方向のサイズを拡大し、右側の領域では画素を削除して主走査方向のサイズを縮小する補正が行われる。
Claims (12)
- 画像のレジストレーションずれを補正するため挿入または削除する画素の数に関する補正値を求める補正値設定部と、
前記補正値に基づいて、画素を挿入または削除する画素操作位置の配列を設定する配列設定部と、
前記画素操作位置の配列に基づいて、当該画素操作位置が存在する画素操作領域と当該画素操作位置が存在しない画素無操作領域との割合を求め、当該画素操作領域と当該画素無操作領域との割合に基づいて、当該画素操作領域内の操作する画素の数が減り当該画素無操作領域内の操作する画素の数が増えるよう前記画素操作位置をシフトする分散処理部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記分散処理部は、前記画素操作位置を複数のラインごとにシフトさせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記分散処理部は、n(nは自然数)番目のラインとn+1番目のラインの間における前記画素操作位置のオフセット量が、前記画素操作領域における当該画素操作位置のシフト方向の長さの整数倍となるように、前記画素操作位置をシフトすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記配列設定部は、前記補正値に加え、前記画素操作位置がスクリーン処理で用いられるスクリーンパターンと同期しないように設定された配列パラメータに基づいて前記画素操作位置の配列を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記分散処理部は、前記配列設定部により前記配列パラメータに基づいて設定された前記画素操作位置の配列単位で、当該画素操作位置をシフトさせることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記分散処理部は、前記配列設定部により前記配列パラメータに基づいて設定された前記画素操作位置の配列の周期に同期させて、当該画素操作位置をシフトさせることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置の画像処理方法であって、
画像のレジストレーションずれを補正するため挿入または削除する画素の数に関する補正値を求めるステップと、
前記補正値に基づいて、画素を挿入または削除する画素操作位置の配列を設定するステップと、
設定された前記画素操作位置の配列に基づいて、当該画素操作位置が存在する画素操作領域と当該画素操作位置が存在しない画素無操作領域との割合を求め、当該画素操作領域と当該画素無操作領域との割合に基づいて、当該画素操作領域内の操作する画素の数が減り当該画素無操作領域内の操作する画素の数が増えるよう前記画素操作位置をシフトするステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 前記画素操作位置をシフトするステップでは、前記画素操作位置が複数のラインごとにシフトされることを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
- 前記画素操作位置をシフトするステップでは、n(nは自然数)番目のラインとn+1番目のラインの間における前記画素操作位置のオフセット量が、前記画素操作領域における当該画素操作位置のシフト方向の長さの整数倍となるように、前記画素操作位置がシフトされることを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
- 前記画素操作位置の配列を設定するステップでは、前記補正値に加え、前記画素操作位置がスクリーン処理で用いられるスクリーンパターンと同期しないように設定された配列
パラメータに基づいて前記画素操作位置の配列が設定されることを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。 - 前記画素操作位置をシフトするステップでは、前記配列パラメータに基づいて設定された前記画素操作位置の配列単位で、当該画素操作位置がシフトされることを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
- 前記画素操作位置をシフトするステップでは、前記配列パラメータに基づいて設定された前記画素操作位置の配列の周期に同期させて、当該画素操作位置がシフトされることを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
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